卓球王国 2022年5月号 -その1-

ラケット最旬トレンド

 春-夏は新作用具が出るのもあって、用具特集が多くkatsuo000はとても楽しみにしています。4月号の特集について、少し触れていきたいと思います。

近年のラケットのトレンドは?

A. 主流は「バランス型」特殊素材

 つまりバタフライさんのラケットでいうところの、ビスカリアや張本智和インナーフォースALCなどが挙げられるということでしょう。水谷隼選手の時代は弾みを求める選手が多かった印象ですが、今はテクニックで補うのではなく何でもできる必要があるため、バランスの良いラケットがトレンドになってきているのだと思います。

特殊素材の分類

 バタフライのALCは衝撃を「吸収して」球持ちを与えるタイプ、バタフライのZLCは「しなって」球持ちを与えるタイプ、だそうです。ALCは確かに思ったより板厚が厚いと感じるものが多くて、思い切り厚く打っても7枚合板らしいパワーを伝えやすいイメージです。ZLCは確かに硬く、よりブレード厚さを薄くしてイメージとしては5枚合板のようなしなりを感じやすいラケットが多いイメージです。そして各メーカーの特殊素材を分類してくれています。これは有料級の情報だと思います!

・主なA系特殊素材(衝撃を吸収して球持ちを感じさせる)
 アリレートカーボン(ALC)
 アラミドカーボン(PA)
 PAカーボン(PA)
 アクシリウムカーボン
 ケプラーカーボン
 ダイニーマ

・主なZ系特殊素材(しなりで球持ちを感じさせる)
 ザイロンカーボン(ZLC)
 ゼフィリウムカーボン
 Zカーボン
 Vカーボン
 CFZファイバー
 PBカーボン

驚きなのが、ゼフィリウムカーボン、Zカーボン、VカーボンがしなりのZ系特殊素材だということですね。Zカーボンは、ZX-GEARシリーズに採用されていて、ゼクシオンという繊維を使用しています。ゼクシオンで調べていくと、どちらかというとアリレート繊維に近い化学構造式にいきついたのですが、Z系のようですね。結構ブレード厚さの厚いラケットがVICTASさんには多く、バタフライとはやはり設計指針や方向性が違うのかもしれません。ZX-GEARシリーズは少し気になっていたので、ZX-GEAR Inあたりが欲しい。

・進化したバランス型特殊素材
 2022年登場の、Super ALC(スーパーALC)、XIOM(エクシオン)のTMX、Joola(ヨーラ)さんのX3などではないかと思います。Super ALCはALCよりも密度を高めて弾ませた特殊素材ですね。TMXはアクシリウムとセフィリウムとカーボンの3つの繊維を編み込んだものです。ヨーラのX3もPBO-CとカーボンとALCの3つを編み込んだものになっていますね。続々と進化した特殊繊維も増えていきそうです。

その他 基本的な話

・板厚(ブレードの厚さ)
 反発力の目安について記載されていましたので、ご参考ください。
 特殊素材ラケット: 5 mm台後半が多く程よい弾みで人気
 木材ラケット
  5 mm台: コントロール重視
  6 mm台: 中間的な弾み
  6 mm台後半: 特殊素材に準ずる弾み

・ブレードサイズ
 標準的なサイズが 縦157 mm×横150 mm。
 これより大きくなると、スイートエリアが広くなるものの、重くなって空気抵抗も大きくなって操作性も低下する。キッズ用に標準サイズよりも小さいスイートエリアのラケットも存在する。

・平均重量
 80 g台が標準。7枚合板などでは、90 gになるものも。また逆にキッズ用は70 g台のもの多数。

・グリップ種類と形状
 最近のトレンドは、ほぼフレア一択と言っていいはず。トップ選手はほぼフレアを使用していてストレートがたまにいる程度。ラケットによってはフレアしかないラケットもあるほど、フレアが主流となっている。katsuo000も昔はストレートが好みでしたが最近はフレアをよく使うようになりました。

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