レビュー Tenergy 25 (テナジー25)

説明

 Butterfly (バタフライ)さんのTenergy 25 (テナジー25)をレビューします。なかなかレビューできていなかったですね。今年の春は新商品の動向はそこまで激しくなく、試打ラバーはそこまで増えないのかなーと感じている今日この頃ですね。個人的に期待していたXIOM (エクシオン)さんの新作Omega VIII (オメガ8)シリーズの発売を楽しみにしていました。しかしながら、日本ではまだ未発売で海外か韓国など本国で、先行発売のようですね。韓国代表男子が2024年世界卓球団体で中国男子チームに肉薄しましたから韓国における卓球熱も熱くなっているのではないかと思いますね。今のうちに試打できていなかったラバーを試打しようというkatsuo000の魂胆です。
 さてさてTenergy 25 (テナジー25)ですが、知り合いの方もメインラバーで使用されていて、結構いやらしいなーと感じていました。どのようなラバーなのか実際に使ってみて把握したいと感じて、積みラバーしている山から探し出して今回試打しようと思い立ちました。このTenergy 25 (テナジー25)というラバーは、Tenergy (テナジー)を冠するラバーですが、めちゃめちゃ癖のあるラバーですね。想像以上に癖があったので、同じ裏ラバーであったとしても、試合前の段階でラケット交換時に確認したら、気にした方がいいラバーではないかと思います。粒高と同じレベルかもしれないですね。

Tenergy (テナジー)シリーズ

 久々のテナジーですね、ということでもう耳タコかもしれませんが、Tenergy (テナジー)シリーズについて説明していきたいと思います。Tenergy (テナジー)がTenergy (テナジー)たり、特徴を引き出すために忘れてはならない理由はオレンジ色のスポンジ、Spring Sponge (スプリングスポンジ)ですね。硬さの割にくい込みがよい点が特徴で、過去はButterfly (バタフライ)だけのスポンジでした。もちろん今でもButterfly (バタフライ)さんだけのスポンジなのですが、類似の性能を示すスポンジがドイツメーカーでも生産できるようになってきたと感じます。性能は類似ですが、Spring Sponge (スプリングスポンジ)でなければ再現できない点として、重量が挙げられますね。とにかくSpring Sponge (スプリングスポンジ)は軽いです!Butterfly (バタフライ)さんのラバーの特徴でもありますね。とにかく軽く、同性能の他メーカーのラバーと比較すると3~5 g程度軽いと思います。世界のトップ選手は1秒より短い時間を競う世界でスピードと威力、そしてラリーが続くようになって持久力、が問われるようになったのではないかと想像します。そんな世界で競い合うにはButtterfly (バタフライ)は1つの選択肢だと思います。一般層においてもラケット重量が軽くできる点は非常に魅力だと思いますね。現在はSpring Sponge (スプリングスポンジ)から進化したSpring Sponge X (スプリングスポンジX)を搭載するDignics (ディグニクス)シリーズが発売されて、やや存在感は減った部分があるかと思いますが、それでも一般層では存在感は健在だと思います。
 続いてTenergy (テナジー)の特徴はテンションがかかったトップシートですね。このトップシートは5種類あり、それぞれ特徴があります。

トップシートの粒形状

 テナジーはトップシートに採用している粒形状によって、それぞれのラバーの特徴がわかれます。現在までにシート形状の違いによって05、80、64、25、19と5種類が存在します。それぞれのトップシートにはそれぞれキーフレーズが付されて販売されており、「回転の05」「バランスの80」「スピードの64」「前陣の25」「パワーの19」というキーフレーズを冠されて発売されています。
 Tenergy 25 (テナジー25)のトップシートには、「開発コードNo. 25」が採用されています。台上プレーにおけるスピンやカウンタープレーにおいて優れた性能と攻撃力を示すのが特徴ですね。
 No. 051.7 mmの粒間隔が狭い。回転性能が高い。
 No. 25:2.65 mmの粒の高さが低い。台上プレーやカウンターがやりやすい。
 No. 641.7 mmの粒間隔が広い。スピード性能が高い。
 No. 1801.7 mmの粒間隔が中間。回転もスピードもバランスが取れている。
 No. 2091.5 mm粒の高さが低い。粘着力と弾みを高次元に両立する。
 No. 2191.5 mmの粒間隔が狭い。ボールをよくつかみパワーを出しやすい。
トップシートは既に200番を超え、それだけの粒形状について検討してきたことがわかりますね。上記には粒について言及していますが、粒形状には、粒の高さ、粒の太さ、粒の間隔の3つの因子があり、それらを、おそらく粒の太さだけでも0.01 mm~3.00 mm位(これだけでも300種類)でふっているんでしょうか。粒の高さ、感覚のコンビネーションがいくつあるかわかりませんが、1000種類くらいありそうですね。細かくふるよりも狙いを定めたり量産技術を考慮して狙いを定めて開発しているのだと思います。こういった検討、理系卓人のkatsuo000も是非やりたいですね~。楽しそうだなーと思ってしまいました。(苦笑)Tenergy 25 (テナジー25)はかなり初期に発売されていて、Tenergy 05 (テナジー05)とは方向性が異なるラバーとして発売されたのかもしれませんね。
 Tenergy 25 (テナジー25)はTenergy (テナジー)シリーズの中でも異色のラバーではないかと思います。まず、粒形状が極めて太く、粒が太いとされるTenergy 05 (テナジー05)の粒の太さが直径1.7 mmに対し、このTenergy 25 (テナジー25)はなんと、2.65 mmと1 mm近く厚い形状となっています。この太さは、例えばHurricane (キョウヒョウ)などの粘着ラバーにみられるような粒の太さですね。この太さによってラバーへのくい込み感が少なく、回転のかかったボールに対しても影響を受けずに打ち返すカウンターがしやすいといえるのでしょう。また腐ってもTenergy (テナジー)ですので、回転もしっかりかかると思われます。くい込ませて球をもって回転をかける、というよりは擦って回転をかける系のラバーであるといえるでしょう。

公表性能値

 Butterfly(バタフライ)さんの公表性能値 (旧と新)を示します。

 テナジー25の注目ポイントは、Tenergy 05 (テナジー05)と同等の回転性能、Tenergy 05 (テナジー05)を超える高い弧線でしょうか。逆にスピード性能はやや低いのも特徴と言えるかもしれません。スピード性能がやや低いということでトップ選手で愛用されない理由がこの部分にありますね。中陣から後陣で勝負したり、威力が出したりできないといえるのでしょう。男子トップ選手は特にドライブ主戦型が多いのでなかなか受け入れられないでしょう。

やりやすい技術

 Butterflyさんホームページ上には、各テナジーのやりやすい技術についてレーダーチャートが掲載されています。各技術のやりやすさを、モノサシで測り、その数値を下記図にしてみました。項目は
 ・ループドライブのかけやすさ
 ・スピードドライブの打ちやすさ
 ・カウンタードライブのやるやすさ
 ・台上プレーのやりやすさ
 ・ブロックのしやすさ
 ・スマッシュのしやすさ

の6つになります。個人的に重要な項目はループドライブ、スピードドライブ、台上プレー、ブロック、カウンタードライブになります。スマッシュも粘着ラバーでなければ慣れで打てるでしょう。

 このチャートを見ると、テナジー25は、Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)に似た部分が多く、唯一スピードドライブがやりにくいラバーといえるでしょう。Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)はスポンジの硬さによって近い性能が得られる一方、テナジー25はシートの硬さでその性能を出しているということで、本質的にはかなり異なると思います。

おすすめラケット組み合わせ

 メーカー推奨の組み合わせも掲載されるようになりました。こちらも掲載していこうと思います。以下全てButterflyさんホームページより引用させていただきました。

Tenergy 25(テナジー25)
 ・Jun Mizutani Super ZLC(水谷隼Super ZLC)
  相手のプレーを利用したい選手へ
 ・Inner Force Layer ALC.S(インナーフォースレイヤーALC.S)
  前陣で回転を駆使する選手へ

 テナジー25のスピード性能をSuper ZLCで補うか、回転と前陣に特化するか、という提案といえるでしょうか。特徴のあるテナジー25の特徴を補うか活かすか、の2択というのは面白いですね。個人的には特徴を活かすInner Force Layer ALC.S(インナーフォースレイヤーALC.S)との組み合わせが気になりますね。

硬度比較

 硬度計で硬さを比較しました。

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet Sponge
gSheetSpongeSheetSpnoge(shore a)(shore c)
Tenergy 254931.625.342.838.56.34.3
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Tenergy 05 Hard5035.832.647.746.93.20.8
Rozena4831.425.942.438.85.53.7
Glayzer4630.021.041.245.89.05.3

 shore aでの硬度をみると、05系のラバーと同じくらいの硬度を示していますが、shore c側で比較すると、柔らかさがよくわかりますね。ただこの硬度よりも特徴の方が尖っているので、そちらの方が気になってあまり硬度は気にならないかもしれません。

テナジー25の貼りと重量

 今回は5枚合板のVirtuoso+ (ヴィルトーソ+)にはりました。

Tenergy 25(テナジー25)
 High Tension(ハイテンション)裏ラバー
・スポンジ厚:中(1.7 mm)、厚(1.9 mm)、特厚(2.1 mm)
・スピン:11 (旧)、76
・スピード:13.25 (旧)、64
・弧線:86
・Sponge硬度:36
・オープン価格(8,900円 + 税)
・72 g(切断前) → 約49 g(Virtuoso+ (ヴィルトーソ+)に貼って)

 テナジー25はバタフライのラバーの中では重い方で、それでも40 g後半におさまる軽量なラバーになりますね。

Tenergy 25の3つの特徴

1. 全然くい込まない!くい込まないことが特徴!

 まず驚きだったのが、ドライブが全然伸びません汗。打点を落とした時なんかは顕著なんですが、くい込まないんで、全然ドライブが伸びないんですね。5枚合板ラケットで重みもあるVirtuoso+ (ヴィルトーソ+)に貼っていて、伸びがないということなんでくい込ませて伸びのあるドライブを打つことは出せないといえるでしょう。これは面白かったですね。Tenergy (テナジー)やDignics (ディグニクス)特有のボールの高く跳ね上がる伸びは、このラバーに期待しない方がいいかもしれません。むしろ、この硬さでも思い切りくい込ませてられれば、ものすごい癖球が出るのかもしれませんが、やや非現実的な気がしました。そういった癖を求めるならラケットは合板系ではなく、硬い方がいいでしょうね。SK Carbon (SKカーボン)とかが良いかと思います。とにかく、このラバーはくい込ませて打つラバーではなく、擦って回転をかける系のラバーですね。特徴から自ずと下がってくい込ませて飛ばす系のドライブはあまりむかない一方で、くい込みにくいので相手の回転にも負けず、カウンターで打ち返しもしやすいラバーでもありますね。スピンテンション系ラバーですが、スピンテンション系というより高弾性によったラバーといってもいいかもしれません。高弾性と考えてアウターカーボン系のラケットに貼っても面白いと感じます。
 またくい込まないので、厚く当てたときの球離れはかなり早くて表ラバーのような部分もありました。相手の時間を奪うこともできるんですね。昨今のハイテンションラバーとは明らかに逆ぶりしたような性能とも言えると思います。球離れの早さで攻めるのも面白いかもしれません。

2. 擦る系の打ち方で回転性能が高い!くい込ませてドライブはむかないかも。

 粘着ラバーのように粒形状が太いので、回転性能はやはり高かったです。ただこれはVirtuoso+ (ヴィルトーソ+)のおかげもありそうな気がしました。硬いラバーでシートで擦る系がもちろん良い回転量を得られる打ち方になりますね。昨今のくい込ませて回転をかける系のラバーとは、真逆のラバーなんで打ち方を変える必要を感じるかもしれませんね。擦る系なんで低くて浅いループドライブをしたいなら、かなりとてもやりやすいラバーですし、相手のドライブに対し、カウンターループドライブみたいなのもかなりやりやすいと思います。感覚を覚える意味でもいいラバーかもしれませんね。特に浅いボールを意図的に打ちたいならかなり面白いラバーだと思います。チキータも自然と浅くなるので、安定感が出ると思いますね。

3. ブロックが容易

 シートが全然変形しないので、相手の回転の影響は本当にないですね。飛距離が勝手に出すぎることもないので、ブロックは本当にやりやすいと思います。これはこれで壁や盾として使えるラバーだなーと感じました。一方で伸ばす系のアクティブブロックはくい込まないので、やりやすいかもしれませんが、ボールの伸びは得づらいと感じました。この部分が昨今の硬いラバーとは似て非なるラバーと言えそうだなーと感じました。これは唯一無二で面白いですよ。レビュワーとしてこういうラバーに出会えるのは楽しいですね。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

フォアサーブ

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 > Tenergy25 > Rasanter V47

スピード
 Dignics 05 > Tenergy25Rasanter V47

https://amzn.to/3vhs22M

レビュー Liberta Glorious (リベルタグロリアス)

説明

 Darker (ダーカー)製のラケット、Liberta Glorious (リベルタグロリアス)をレビューします。Darker (ダーカー)といえば、ヒノキ単板ラケットで有名なブランドで、ペンドラ御用達のブランドになりますね。近年はLiberta (リベルタ)シリーズというラケットシリーズを展開しています。このLiberta (リベルタ)シリーズでは、特殊素材としてIZANAS (イザナス)という繊維を採用しています。IZANAS (イザナス)は超高分子量Polyethylene (ポリエチレン)系の材料ということで、他社の繊維とは化学構造から大きく異なる繊維ではないかと思いますね。このあたりに注目してレビューしていきたいと思います。

Izanas (イザナス)

 他社と差別化が計られているだろう、Liberta (リベルタ)シリーズの特徴であるIzanas (イザナス)について確認していきたいと思います。他社がよくもちいているArylate (アリレート)、Aramid (アラミド)、Zylon (ザイロン)、などとは化学構造が大きく異なっていて、Aromatic (芳香族)構造を全く含まないPolyethylene (ポリエチレン)系の繊維になりますね。それでは各素材について確認していきます。

Arylate (アリレート)
 Arylate (アリレート)といえばButterfly (バタフライ)の商標登録された繊維で、芳香族ポリエステル系の繊維ではないかと思います。近い素材と感じたのはmizuno (ミズノ)さんのDual Web (デュアルウェブ)というポリエステル繊維ですね。木材よりもクッション性と一定の硬さのある繊維のイメージで、ボールを掴んで飛ばすことのできる特殊素材の代名詞だと思います。未だに卓球界で主力の特殊素材であり、カーボンの硬さを補って柔軟性とか球持ちを与えるためにカーボン繊維とArylate (アリレート)繊維を編み込んだ素材がALC (アリレートカーボン)になりますね。katsuo000も大好きな素材で、ただのカーボン繊維と比べるとドライブ強打時でも確かな球持ちと強い弧線を示してくれるとともに、カーボンらしいスピードと威力の出しやすさ、は世界中で認められる特殊繊維の構成だと思います。他の素材と比べても高いわけでもなく非常にオススメの素材ですね。katsuo000がレビューしているラケットは以下になります。
 ・Lin Gaoyuan ALC (林高遠ALC) (廃盤)
 ・Zhang Jike ALC (張継科ALC) (廃盤)
 ・Timo Boll Spirit (ティモボルスピリット) (廃盤)
 ・Hurricane Long V (キョウヒョウ龍5) (アリールカーボン?海外製)

Aramid (アラミド)
 先述のとおりArylate (アリレート)はButterfly (バタフライ)の商標登録された繊維であり、しかもワールドワイドにラケットにおける世界標準となっています。他社ブランドも、使いたい!となるのですが、商標登録の壁などがあるようでなかなか使えず、世界的に広まっているArylate (アリレート)に近い繊維は、こちらのアラミドになりますね。アラミドは防弾チョッキにも採用される硬い繊維で、Aromatic (芳香族)構造に加え、amide (アミド)結合を有し、分子間や分子内で水素結合するので、比重はArylate (アリレート)に近いと思いますが、Arylate (アリレート)よりも硬いイメージになります。海外製のラケットに多く採用されていてAramid (アラミド)カーボン ≒ ALC (アリレートカーボン)と位置付けて卓球王国などでは紹介されていますね。katsuo000としては、じゃっかんAramid (アラミド)カーボンの方が硬いイメージがありますが、ALC (アリレートカーボン)をAramid (アラミド)カーボンに変更したラケットというものがあるわけではないので、そのあたりはよくわかりません。使い込んでいくと徐々にALC (アリレートカーボン)のように柔らかくなる感じがある気がしますが、ALC (アリレートカーボン)も使い込むとさらに球持ちが上がる気がします。素材が完全に同じではないので、やはり微妙に異なる気がしています。なお、Aramid (アラミド)繊維には多くの種類が存在し、Kevlar (ケプラー)繊維もAramid (アラミド)繊維のうちの1つになり、KLCはKevlar (ケプラー)カーボンになりますね。katsuo000がレビューしているラケットは以下になります。
 ・Tornado King Speed (トルネードキングスピード) (廃盤)
 ・Tornado King Power (トルネードキングパワー) (廃盤)
 ・970XX-KLC (海外製)

Zylon (ザイロン)
 ザイロンは現在Butterfly (バタフライ)さんの主力繊維の一つで、過去はArylate (アリレート)繊維のみを採用したラケットが種々存在しましたが、現在は廃盤となりZylon (ザイロン)繊維のみを採用したラケットが主ですね。Zylon (ザイロン)はArylate (アリレート)よりもAromatic (芳香族)性が高い材料で、Arylate (アリレート)と化学構造で異なる点は、窒素原子を芳香族部に有する構造になりますね。この結果、Aromatic (芳香族)部の電子の偏りが生じ、強固な分子間力が得られているような繊維だと思います。要は、Arylate (アリレート)繊維よりも極めて硬い繊維であるといえますね。
 またALC (アリレートカーボン)を超える威力と球持ちを求めると、Zylon (ザイロン)とカーボンを編み込んだZLC (ザイロンカーボン)が挙げられます。katsuo000もこちらの繊維も使っていた時代がありますね。個人的にはインナーに配したラケットはこするときと厚く当てた時の差が大きくなって苦手と感じたので、使うならアウター系が好きですね。またZylon (ザイロン)ファイバー (ZLF)を配したラケットは木材系と変わらぬ球持ちと威力およびスイートスポットの拡大が計られたラケットとなり、非常に使いやすくてオススメです。katsuo000がレビューしているラケットは以下になります。
 ・Zhang Jike ZLC (張継科ZLC) (廃盤)
 ・Mizutani Jun ZLC (水谷隼ZLC)
 ・Timo Boll ZLF (ティモボルZLF)
 ・Inner Force Layer ZLF (インナーフォースレイヤーZLF)

Izanas (イザナス)
 やっとここまで来ました汗。Izanas (イザナス)は超高分子量Polyethylene (ポリエチレン)繊維ということです。Polyethylene (ポリエチレン)とは、ジップロップやユニパックなどで使われている透明で柔らかい材料になります。超高分子量化することで、分子の結晶性があがり、性質も大きく変わる材料になります。他の特殊繊維と比べるとAromatic (芳香族)を有さないため、熱履歴の影響を受けやすいのではないかと思いますね。素材の原料はおそらく安いので、その分他の部分にお金を掛けられるのではないかと想像します。また材料から密度が低く軽量化をはかりやすい材料でもあると思います。釣り糸などに採用されていて、防弾チョッキに採用されるAramid (アラミド)よりも軽く軟らかさのあるような材料ではないかと想像して今回購入しました。実際に試打してみてこのあたりはコメントしたいと思います。

Liberta (リベルタ)シリーズ

 Liberta (リベルタ)シリーズは2023年までに6種類が存在し、それぞれ差別化されているようです。現在までに発売されているLiberta (リベルタ)シリーズについて、確認してきます。

Liberta Synergy (リベルタシナジー)
 Liberta (リベルタ)シリーズの代表的なラケットがこちらになると思います。インナーカーボンラケットであり流行りにしっかり乗っていますね。おそらく上板にLimba (リンバ)を採用し王道インナーカーボンラケットであるといえるでしょう。Izanas (イザナス)とカーボンを編み込んだIzanas Carbon (イザナスカーボン)を採用しています。ブレード面積はレギュラーの157 mmで普通の面積サイズになり、ブレード厚さは6 mmになります。ALC (アリレートカーボン)よりも吸収性のありそうなIzanas Carbon (イザナスカーボン)を使っていて、近いラケットはInner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)が挙げられますね。

Liberta Synergy + (リベルタシナジープラス)
 Liberta (リベルタ)シリーズのアウターカーボンラケットになります。情報がないのでわかりませんが、おそらく上板にLimba (リンバ)を採用したアウターラケットではないかと思いますね。Izanas Carbon (イザナスカーボン)を採用し、ブレード面積はレギュラーの157 mmでブレード厚さは6 mmになります。近いラケットはMarcos Freitas ALC (フレイタスALC)やTornado King Speed (トルネードキングスピード) (廃盤)が挙げられますね。球持ちのあるアウターカーボンになります。また板厚を薄く5.8 mmにしたラケットがおそらくC-Hack (Cハック)になると思います。

Liberta Arcs (リベルタアークス)
 Liberta Synergy (リベルタシナジー)よりも硬く弾きの良さを付与したラケットがこちらになるそうです。板厚は5.6 mmと薄く、上板も硬い素材を使っているのではないかと想像しますね。今回のLiberta Glorious (リベルタグロリアス)を購入する際に最も迷ったのがこちらですね。名前からすると、弧線を強く描きそうですが、弾きも良いということで、今回は見送りました。現在かなり気になってはいるラケットでもあります。

Liberta Solid Aim (リベルタソリッドエイム)
 アウターにIzanas (イザナス)繊維を採用したラケットで、カーボンなしのラケットになります。板厚は6.0 mmとやや厚いですね。おそらくではありますが、飛距離はTimo Boll ZLF (ティモボルZLF)Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)の間にくるようなラケットだと思います。個人的に板厚6 mm以上は厚いイメージなんで飛距離が出しやすい分、弾むイメージですね。

Liberta Solid Pro (リベルタソリッドプロ)
 インナーにIzanas (イザナス)繊維を採用したラケットで、こちらもカーボンなしのラケットになります。板厚は6.0 mmですね。インナーに繊維を採用したラケとは各ブランド、1種類あるかないかですが、ほぼ木材に近いラケットで、スイートスポットが広く、相手のボールに対し振動しづらい以外はほぼ木材ですね。木材が好きな方はこのようなラケットがオススメです。おそらく、木材の方が癖球 (1球1球の球の変化)が出やすいイメージなので、その癖が欲しいなら木材の方が良いでしょう。

Liberta Glorious (リベルタグロリアス)
 今回レビューしたラケットになりますね。Izanas Carbon (イザナスカーボン)をインナーに採用したラケットで上板に硬めの素材を採用、粘着ラバーとの相性が抜群ということで、こちらを購入しました。板厚5.8 mmでTornado King Power (トルネードキングパワー)とほぼ同じ仕様のラケットになるのではないかと思って購入しました。そのあたりも触れていきたいと思います。

Liberta Glorious (リベルタグロリアス)

 届いたLiberta Gloriou (リベルタグロリアス)は88 gで標準的な重量でした。あまり軽いのは好みではないので、まずまずという感じでしたね。ラバーは今回、フォア面に省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジ (Hurricane NEO III Blue Sponge)を、バック面もHurricane NEO III (キョウヒョウNEO3)を貼りました。グルーはNittaku (ニッタク)製のFine Zip (ファインシップ)を使いました。

 やはりFine Zip (ファインジップ)を使うと重くなりますが、狙いでもありました。いろいろと試してきましたが、個人的にはFine Zip (ファインジップ)は層が厚くなりやすくてラバーの良さをぼかすので、好みではなくなってきています。接着力と安定感を考えるとやはりButterfly (バタフライ)のFree Chack II (フリーチャック2)がいいですかね。

リベルタグロリアルの3つの特徴

上板が硬く、かつ弾む!それでいて軽さもある!

 季節が冬ということもあるかもしれませんが、上板が硬かったですね。そして弾みを感じました。カーボンにガツンとあたっている感じがあって威力は申し分ないと感じたことも確かです。ただ、軽いんですよね。ここは好みがわかれる部分だと思います。7枚合板などのように重量系ではなく、5枚合板に近い軽さと振動を感じました。これはこのDarker (ダーカー)の本領なのかもしれませんね。この5枚合板らしさはkatsuo000はあまり好みではないのですが、5枚合板らしさを好むユーザーにはかなりささるイメージです。使い込んでいくことで球持ちを強く感じられるラケットに仕上がるのではないかと思います。

粘りのある打球感!

 Ma Lin Carbon (馬林カーボンと比較するとただのカーボンらしさではなく、特殊繊維と編み込んだ粘りのあるカーボンとなっていました。これは期待していた点であり、大事な特徴だと思います。ただのカーボンだけでは、球離れの良さがある一方で強打時に引っ張れないんですよね。この粘りのあるカーボンだけでは出せない打球感は期待していたもので、良かったです!

上板硬めのインナーカーボンで粘着との相性はいいものの使用者は選ぶ!

 インナーカーボンといっても上板が硬いので、これは使用者を選ぶやつだと思います。カチっとした打球感は好みが分かれると思います。一方で、粘着ラバーのスピードを補ったり、高い回転量を求めるとこういったラケットにたどり着くんですよ。個人的にTornado King Power (トルネードキングパワー)の代替となるようなラケットの探索はここで終わったのではないかと感じています。廃盤だったTornado King Power (トルネードキングパワー)と限りなく近いラケットはこのLiberta Glorious (リベルタグロリアス)だと感じました。ただ、使い込んであげないとやや硬さが取れていないので、すぐに本使用とはなりませんでした。またラケット重量もやや軽いのでこの部分は好みが出るかもしれませんね。柔らかいラバーを貼った時の回転量と質が今後気になっている点ですね。試打にどんどん組み込んでいきたいと思います!

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Timo Boll ZLF > Tornado King Power = Liberta Glorious > Ma Lin Hard Carbon

スピード
 Ma Lin Hard Carbon > Tornado King Power = Liberta Glorious > Timo Boll ZLF

https://amzn.to/3PhlOqh

全日本選手権ランカーの使用用具 2024年 女子

位 選手 年齢
ラケット
フォア
バック

優勝~ベスト4

優勝 早田ひな選手 当時23歳
 ラケット:Hina Hayata H2 (早田ひなH2)、FL (特注)
 フォア:Hurricane (キョウヒョウ)、特注
 バック:裏ソフトラバー、特厚

準優勝 張本美和選手 当時15歳
 ラケット:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC (張本智和インナーフォースALC)、FL
 フォア:Dignics 05 (ディグニクス05)特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

3位 横井咲桜選手 当時19歳
 ラケット:Fan Zhendong Super ALC (樊振東SALC)、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚

4位 赤江夏星選手 当時19歳
 ラケット:Harimoto Tomokazu Inner Force Super ZLC (張本智和インナーフォースSZLC)、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚

5位~8位

5位 平野美宇選手 当時23歳
 ラケット:Viscaria (ビスカリア)、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

6位 木村香純選手 当時24歳
 ラケット:Inner Force Layer ZLC (インナーフォースレイヤーZLC)、FL
 フォア:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

7位 長﨑美柚選手 当時21歳
 ラケット:Viscaria (ビスカリア)、FL
 フォア:Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

8位 木原美悠選手 当時19歳
 ラケット:非公開
 フォア:非公開
 バック:非公開  

9位~16位

9位 伊藤美誠選手 当時23歳
 ラケット:Mima Ito Carbon (伊藤美誠カーボン)、ST
 フォア:Fastarc G-1 (ファスタークG-1)、特厚
 バック:Moristo SP (モリストSP)、厚

10位 橋本帆乃香選手 当時25歳
 ラケット:Goriki (剛力)、FL
 フォア:Hurricane III National Rubber Blue Sponge (キョウヒョウ3国狂ブルー)、特厚
 バック:Do Knuckle (ドナックル)、中

11位 枝廣瞳選手 当時22歳
 ラケット:インナーフォースレイヤーZLC、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

12位 南波侑里香選手 当時28歳
 ラケット:Acoustic Carbon (アコースティックカーボン)、FL
 フォア:Fastarc G-1 (ファスタークG-1)、特厚
 バック:Moristo SP (モリストSP)、厚

13位 芝田沙季選手 当時26歳
 ラケット:Hurricane Long V (キョウヒョウ龍5)、FL
 フォア:Hurricane III National Rubber Blue Sponge (キョウヒョウ3国狂ブルー)、特厚
 バック:Hurricane (キョウヒョウ)、特厚

14位 佐藤瞳選手 当時26歳
 ラケット:Goriki Super Cut (剛力スーパーカット)、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Do Knuckle (ドナックル)、中

15位 成本綾海選手 当時28歳
 ラケット:剛力、FL
 フォア:Hurricane III National Rubber Blue Sponge (キョウヒョウ3国狂ブルー)、特厚
 バック:Super Do Knuckle (スーパードナックル)、薄

16位 大藤沙月選手 当時23歳
 ラケット:張本智和インナーフォースALC、FL
 フォア:Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)、特厚
 バック:Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)、特厚

2024年の傾向についてのkatsuo000の考察

 16名がシェークハンド、挙げられているラケットは16本、ラバーは32枚になります。ラケットの分母は16、ラバーの分母は32になります。木原選手は非公開ですが、インナーカーボンでドイツ製テンションラバーと表ラバーとしてカウントさせていただきます。

 アウターカーボン率: 5/16 = 31.25%
  ALC:2、SUPER ALC:1、FE Carbon:2
 インナーカーボン率: 8/16 = 50%
  PKC:1、ALC:3、Super ZLC:1、ZLC:2、Vカーボン:1
 木材合板率: 3/16 = 18.75%
  7枚合板:3

 ディグニクス率: 14/32 = 43.75%
  09C率: 7/32 = 21.875%
  05率: 7/32 = 21.875%

 テナジー率: 3/32 = 9.375%
  05ハード率: 3/32 = 9.375%

 ドイツ製ラバー: 3/32 = 9.375%

 中国ラバー: 5/32 = 15.625%

 表ラバー / 粒ラバー: 6/32 = 18.75%

全日本選手権ランカーの使用用具 2024年 男子

位 選手 年齢
ラケット
フォア
バック

優勝~ベスト4

優勝 張本智和選手 当時20歳
 ラケット:Harimoto Tomokazu Inner Force ALC (張本智和インナーフォースALC)、FL
 フォア:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

準優勝 戸上隼輔選手 当時22歳
 ラケット:Fan Zhendong ALC (樊振東ALC)、FL
 フォア:Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

3位 吉村真晴選手 当時30歳
 ラケット:樊振東ALC、FL
 フォア:Dignics 05 (ディグニクス05)特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

4位 篠塚大登選手 当時20歳
 ラケット:Timo Boll ALC (ティモボルALC)、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚

5位~8位

5位 大島祐哉選手 当時29歳
 ラケット:Synteliac VCI (シンテリアックVCI)、FL
 フォア:Rasanter C53 (ラザンターC53)、ULTRA MAX
 バック:Rasanter C53 (ラザンターC53)、ULTRA MAX

6位 宇田幸矢選手 当時22歳
 ラケット:バタフライ特注 (Inner ZLC)、FL
 フォア:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

7位 高木和卓選手 当時35歳
 ラケット:バタフライ特注 (ZLC)、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚

8位 田中佑汰選手 当時23歳
 ラケット:Dimitrij Ovtcharov Inner Force ALC (オフチャロフインナーフォースALC)、FL
 フォア:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚  

9位~16位

9位 村松雄斗選手 当時27歳
 ラケット:7枚合板、FL
 フォア:V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)、特厚
 バック:Spectol S1 (スペクトルS1)、中

10位 松島輝空選手 当時16歳
 ラケット:樊振東ALC、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

11位 横谷晟選手 当時21歳
 ラケット:Lin Yun-Ju Super ZLC (林昀儒SZLC)
 フォア:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

12位 加山雅基選手 当時17歳
 ラケット:Inner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)、FL
 フォア:Dignics 80 (ディグニクス80)、特厚
 バック:Tenergy 05 (テナジー05)、特厚

13位 松平健太選手 当時32歳
 ラケット:MK Carbon (MKカーボン)、FL
 フォア:Hybrid MK (ハイブリッドMK)、MAX
 バック:Hybrid K3 (ハイブリッドK3)、MAX

14位 吉山僚一選手 当時19歳
 ラケット:Viscaria Super ALC (ビスカリアSALC)、ST
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 05 (ディグニクス05)、特厚

15位 丹羽孝希選手 当時29歳
 ラケット:Koki Niwa ZC (丹羽孝希ZC)、FL
 フォア:V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)、MAX
 バック:V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)、MAX

16位 小野寺翔平選手 当時23歳
 ラケット:ビスカリアSALC、FL
 フォア:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚
 バック:Dignics 09C (ディグニクス09C)、特厚

2024年の傾向についてのkatsuo000の考察

 16名がシェークハンド、挙げられているラケットは16本、ラバーは32枚になります。ラケットの分母は16、ラバーの分母は32になります。

 アウターカーボン率: 10/16 = 62.5%
  ALC:4、SUPER ALC:2、ZLC:1、SUPER ZLC:1、クリプトカーボン:1、Zカーボン:1
 インナーカーボン率: 5/16 = 31.2%
  ALC:3、ZLC:1、ヴォルティーマカーボン:1
 木材合板率: 1/16 = 6.3%
  7枚合板:1

 ディグニクス率: 22/32 = 68.8%
  09C率: 8/32 = 25%
  05率: 13/32 = 40.6%
  80率: 1/32 = 3.13%

 テナジー率: 2/32 = 6.2%
  05ハード率: 1/32 = 3.13%
  05率: 1/32 = 3.15%

 ドイツ製ラバー: 7/32 = 21.9%
  ラザンターC53: 2/32 = 6.2%
  V>22: 2/32 = 6.2%
  V>20: 1/32 = 3.15%
  ハイブリッドMK: 1/32 = 3.15%
  ハイブリッドK3: 1/32 = 3.15%

 表ラバー (スペクトル): 1/32 = 3.15%

Hurricane (キョウヒョウ)の素晴らしさ

 Hurricane (キョウヒョウ)、たくさんの種類がある中、このページでお話させていただくHurricane (キョウヒョウ)はDouble Happiness Shanghai (紅双嬉、DHS)製のHurricane (キョウヒョウ)にフォーカスして記述させていただきます。最近、Hurricane (キョウヒョウ)の良さを再認識したり、語りたいなーと思うことがあったので、このような記事を書きたいと思いました。それではDHS製Hurricane (キョウヒョウ)について語らせていただきます。

中国トップの長年の相棒!そして王道チャイラバ!

 中国トップ選手が長年変わらぬ信頼を向けるラバー、それがHurricane (キョウヒョウ)ですね。男子シングルスで世界選手権三連覇、ワールドカップ2回優勝、オリンピック2回優勝、のMa Long (馬龍、中国)選手は、フォアバック両面にHurricane (キョウヒョウ)を使っています。そしてMa Long (馬龍、中国)選手がフォアバック両面にHurricane (キョウヒョウ)を選んで以降、若手選手含めて、中国選手は両面Hurricane (キョウヒョウ)の選手ばかりになりました。なぜそこまで長く愛用されるのか。何故、未だにトップ選手が愛用するのか、は正直、katsuo000ごときにはわかりません (汗)。高い信頼と実績が、選手たちの信頼を勝ち取っているのでしょう。

 日本のトップ選手では驚くほど、Hurricane (キョウヒョウ)の使用者を確認することができません。最近では日本大学の加山選手が両面Hurricane (キョウヒョウ)を使っているそうですが、2024年全日本選手権ランカーに名前を刻んだ選手の中でHurricane (キョウヒョウ)を使っている選手は、おそらく女子の早田選手のみだと思われます。このことと、過去に水谷隼さんが後加工に対する批判をしたこと、の2点をあわせると、おそらく中国トップ選手は後加工をしていること、そして後加工をしないとトップでは通用しないということが予想されます。過去には木下グループの大島祐哉選手も使うことを検討した時があったようなのですが、残念ながら継続には至らず、そのまま使うのではやはりスピードが足りないようですね。

 本記事では、一般卓人が使うレベルの話であり、そのレベルなら後加工なくても十分使えること、そして、後加工を推進したりする記事ではないことをあらかじめ申し上げます。

 今までにkatsuo000がレビューさせていただいたHurricane (キョウヒョウ)は以下のとおりです。
Hurricane NEO III Blue Sponge (省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)
Hurricane NEO II (普狂NEO2、40°、2.2 mm)
Hurricane NEO III (普狂NEO3、41°、2.2 mm)

Hurricane = 高い回転性能と弾まないラバー

 Hurricane (キョウヒョウ)の特徴といえば、とにかくまずは高い回転性能、そして弾まないことですね。スピードだけであれば、日本製ラバーの方が高いものはいくつもあります。中国という国では日本製ラバー、スピン系テンションラバーの世界標準であるTenergy 05 (テナジー05)でもスピード系のラバーと表現されるそうです。確かに確かに卓球という競技は、スピードや飛距離を競うのではなく、相手のコートにボールをおさめなくちゃいけない協議で、そういう意味ではスピードや飛距離を出すことは重要ではないですね。Hurricane (キョウヒョウ)はとにかく高い回転性能、そして弾まないことが特徴のスペシャルラバーだと思います。
 中国トップ選手は後加工しているのでしょうが、イメージとしては高い回転性能にスピードを補う意味で後加工をしているのでしょう。DHS製の粘着ラバーではペン型の選手用にSky Line (天極)という粘着ラバーもあります。このSky Line (天極)はHurricane (キョウヒョウ)よりも弾むとされるラバーで、ペン型はシェイクハンド型よりも手首と回旋運動を効かせることができるため回転を強くかけられ、従ってSky Line (天極)のように弾む粘着ラバーを使うということですね。中国トップのシェイク型選手は必ずHurricane (キョウヒョウ)を使用します。これはやはりスピードではなく回転が重要だからでしょう。

 Hurricane (キョウヒョウ)の特徴の1つとして、シートがスポンジよりも軟らかいことがあります。こういったシートの柔らかさを特徴とするラバーは、粘着ラバーではみられるものの最近のスピン系テンションラバーでは少ない特徴になりますね。シートが柔らかいと球持ちは硬度以上に良くなります!この球を持つ、という特徴は現代卓球ではどんどん重要になってきていると思いますが、Hurricane (キョウヒョウ)は20年以上前からその特徴をもって生まれてきたラバーになるわけですね。シートが柔らかい分、スポンジを極めて硬い仕様にすることで、高い回転性能と球持ちを具備したラバーになりますね。

 近年のプラボールへの移行、そして、プラボールがさらに硬くなり、またNittaku (ニッタク)製の抗菌クリーンボールのようなボールへと移行してきた結果、ボールの回転量はどんどん減って、一般層でもかなりラリーが続くようになったと感じています。ラバーの回転性能の改善よりもボールの硬質化と変化の方がやや早い気がしていますね。余談ですが、回転をかけるドライブ型よりも影響が大きいのは異質型かもしれません。異質型はさらに変化が得られずなかなか勝ちにくい環境になったのではないかと感じます。個人的に伊藤美誠選手がなかなか勝てていない理由の一つに、ボールの変化があると感じますね。
 ボールの変化は、トップ選手はもちろん、一般層にも強く影響していると感じます。その一つがループドライブの質ですね。ボールが硬く抗菌加工される前では、ループドライブは回転量さえあれば、カウンターを受けることはあまりなかったと感じます。一方ボールが硬く抗菌加工された後は、高いループドライブもカウンターを受けまくるようになったと感じています。Timo Boll (ティモボル)選手のプレイのようにループドライブはネットスレスレで浅く打たないといけなくなりました。低く浅くループドライブできないとたちまちループドライブもカモにされてしまいますね。低く浅いループドライブを最も打ちやすいラバーの一つがHurricane (キョウヒョウ)でしょう。この理由は回転性能が高くて、弾まないからですね。
 ループドライブ以上に一般レベルで使用していて嬉しいことは、レシーブになります。チキータやループドライブも良いですが、それ以上にツッツキがよく切れるので、多少浮いてもツッツキで得点が取れるんですよね。弾まないので思い切り切っても収まるところも助かります。Hurricane (キョウヒョウ)は本当に回転で点数を稼げるラバーだと思います。そして弾まないからこそ、最近使っていて感じるのが、ブロックの安定感ですね。ブロックのときにかけ返せてアクティブブロックすると相手の3球目ドライブなどがある程度安定して返せることに最近気づきました。あの安定感は、ブロックを一つの戦術に盛り込めると感じる素晴らしさだと思います。カウンター性能も重要ですが、それ以上にブロックが安定させられる、Hurricane (キョウヒョウ)には、そう感じさせる性能があり、盾として使えるラバーだと思います。ツッツキ、そしてブロック。この2つを備えるラバー、それがHurricane (キョウヒョウ)でしょう。

どのグルーで貼るべきか

 中国のナショナルチームが公式に使用するグルーはNittaku (ニッタク)製のFine Zip (ファインジップ)になりますね。このこともあって、Fine Zip (ファインジップ)の特用500 mlを購入して何度かHurricane (キョウヒョウ)を貼ったことがあります。Fine Zip (ファインジップ)はトロトロ系あるいはネバネバ系のグルーで、他のグルーと比べても厚くなりやすく、簡単に重くなるグルーですね。何度かこのグルーを使ってHurricane (キョウヒョウ)や他のラバーを貼ったことがありますが、Fine Zip (ファインジップ)の特徴は厚い層を作ってラケット全体を重くでき弾みを与えてくれる一方で、回転性能が落ちる印象があります。Fine Zip (ファインジップ)を使うことで、Hurricane (キョウヒョウ)の弾みを補うためにFine Zip (ファインジップ)を使うのはありかもしれません。ただし、複数回塗るとかなり重くなるので、このあたりは自己責任での対応をお願いしたいです。
 個人的にHurricane (キョウヒョウ)を貼る上でオススメのグルーはFree Chack II (フリーチャック2)になりますね。トロサラ系のグルーで安定して最低限のグルーの量で接着でき、かつラバーの高い回転性能を損なわないグルーになります。Free Chack II (フリーチャック2)ならほとんどHurricane (キョウヒョウ)の重量を重くせずにしっかり接着することができるでしょう。

一度は使ってみたいラバー!Hurricane (キョウヒョウ)

 日本だけでなく世界中が中国卓球を注目し、その中心にはHurricane (キョウヒョウ)という特徴あるラバーが長い時間君臨しています。やはり卓人なら一度は手にしたくなるラバーでしょう。このラバーを一度でも手にしてみるなら、今回の記事が参考になるのではと思います。どうぞご参考ください。

レビュー Jekyll a& Hyde V52.5 (ジキル&ハイドV52.5)

説明

 XIOM (エクシオン)さんの話題の新作であり、大々的に宣伝されているJekyll & Hyde (ジキル&ハイド) シリーズから、Jekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイドV52.5)をレビューします。おそらく、Jekyll & Hyde V (ジキル&ハイドV)Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズの中で、スピン系テンションラバーの標準的な立ち位置のラバーだと思います。説明だけだと、少しわかりにくいですが、一応それぞれのラバーを触ったので、Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)のコンセプトのようなものが見えてきたように思っています。この辺りに触れながら、Jekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイドV52.5)についてレビューさせていただきます。

 季節的な話題にも触れさせていただきます。全日本選手権、熱かったですね。男子決勝は過去に類を見ない殴り合いのような素晴らしい熱戦でした。大会の最後を飾るに相応しい素晴らしい試合で1卓人としてとても楽しませていただきましたし、感動させていただきました。今年はオリンピックイヤーということもありますので、是非ぜひ張本選手、戸上選手には良い年になってほしいなーと思います。そして全日本選手権も終わり、2023年度もほぼ終わり、2024年の新作が何か、が気になる季節ですね。XIOM (エクシオン)さんの新商品については、実はかなり注目していて、多分レビューすると思ってます。日本語のXIOM (エクシオン)さんのホームページでは、まだ廃盤情報だけですが、X (旧Twitter)上では既に本国韓国のパンフレットの画像が流出していてkatsuo000も知りました。2024年XIOM (エクシオン)さんはJekyll & Hyde C55 (ジキル&ハイドC55)なるものが発売されるようですし、加えてOmega VIII (オメガ8)シリーズも発売となるようです。個人的に注目はJekyll & Hyde C55 (ジキル&ハイドC55)Omega VIII China (オメガ8チャイナ)ですね!そして使ってみたかったVega China (ヴェガチャイナ)はなんと廃盤となり、先日レビューしたVega DEF (ヴェガDEF)も廃盤となりましたね。自分が愛用するOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と早く比較したいです。

 Jekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイドV52.5)にもどって、まず2023年のXIOMさんのパンフレットからみてみましょう。冒頭からJekyll & Hyde (ジキル&ハイド) シリーズを激しくプッシュしています!

 見開きページを惜しまずドドント3ページも使用してジキ&ハイをアピールしてますね!コンセプトとしてはVega (ヴェガ)シリーズとOmega (オメガ)シリーズをつなぐ、使いやすさと高性能を両立させようとしたシリーズだと思います。katsuo000が今までに試打したジキ&ハイシリーズのラバーは、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイドH52.5)Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)になります。Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイドH52.5)Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に似つつ、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりも使いやすくてスピン系テンションに寄せたラバーでした。Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)は、想像以上にTenergy 05 (テナジー05)に近いイメージでした。扱いやすさもありつつ、すごくラバーがイキイキしていて、Tenergy 05 (テナジー05)よりもマニュアルなラバーですがその分、Tenergy 05 (テナジー05)よりも思い切りぶつけても勝手に引きつれが生まれて回転がかかるラバーだったイメージです。廃盤になってしまいますがOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)の方が扱いが難しい分、とんがったボールが相手コートに突き刺さるイメージでしたね。やはりJekyll &Hyde (ジキル&ハイド)シリーズは扱いやすさ、そして角度が多少適当でも勝手に相手コートに入れることができる角度の鈍感さがあると感じました。つまりJekyll &Hyde (ジキル&ハイド)シリーズは初級者でも上級者でもなく、かなりのヴォリューム層である中級者がターゲットといえるでしょう。ラバー全体でバランス型に仕上がっており、しっかりいいところどりができている印象ですね。ただし、Maxスピード、Max回転量、そしてボールの威力や重さなどは、最新Omega (オメガ)シリーズの方が高いと感じますね。このことを把握して、Jekyll &Hyde (ジキル&ハイド)シリーズなどのラバーを手に取ることをオススメします。

 今回試打・レビューしたラバーはJekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイドV52.5)ですね。Jekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイドV52.5)について言及する前に、Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズのついて、確認していきたいと思います。パンフレットなどから、XIOM (エクシオン)さんのJekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズの説明を抜粋させていただきました。

2 IN 1 (Dual Max / 氷と炎の融合!)
 相反するパフォーマンスを1つのラバーに
ジキル&ハイド それは、互いに相反する要素が1つの個体に入っていることを意味する。飛び出しの速さとコントロール、スピンと打球速度は、互いに逆ベクトルの要素であり、その両方を同時に満たすラバーを作ることは難題だ。今回私たちは、ディープラーニングを基にしたCYCLOIDテクノロジーを中心に、新時代のデジタル技術を活用。これらの相反する要素を1つの調和した作品に統合し、驚くべき新商品を誕生させた。
 H series Hybrid (Hシリーズ): テンションと粘着のハイブリッド
 V series Drag (Vシリーズ): 最大級のスピンを生む超強力摩擦
 X series Power (Xシリーズ): 極限のドライブ攻撃のための強弾性
 Z series Custom (Zシリーズ): 世界トップレベルの選手のための特級仕様

 C series ? Sticky (Cシリーズ)?: 取り扱い簡単な新世代の中国式粘着ラバー

 メーカー情報によると2面性を持ったラバーシリーズになりますね。2面性というとカッコいいですが、要は尖がらせていないということと同義だと思います。バランス系ラバーということで、katsuo000はとんがったラバー好きなので、このシリーズはやや好みではなかったりします。でもなぜでしょう、XIOM (エクシオン)さんのラバーだからなのか、話題のラバーだからなのか、魅力を感じて試打してしまいますね。またとんがらせずにバランスの良いラバーを使うというのはミスを減らす意味でも自分にあうラバーもあると感じます。

 続いて、各シリーズのラインナップとパンフレット情報を展開させていただきます。

Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)

中国式粘着トップシート搭載の二面性ギア
 ボールをキャッチする感覚と圧力のある攻撃という、相反する二面性を同居させることに成功したハイブリッドラバー。中国ラバーに近い最新型の粘着性トップシートが確実で強烈なスピンを生み出し、エネルギーに満ちた高硬度スポンジがうねるような弾道でド迫力のドライブを発射させる。一度体感したら病みつきだ。

Jekyll & Hyde X47.5 / 50.0 (ジキル&ハイド X47.5 / 50.0)

ミート力とスピン力の双方をMAX強化
 ボールをたたくミート系打法による垂直方向への飛び出しの速さと、ボールをこするスピン系打法による水平方向への牽引力と回転量ーその相反する双方向の要素を極限レベルにまで強化したモンスターラバー。スマッシュとドライブを使い分けて戦いたいプレーヤーにとって最高の相棒となる。

Jekyll & Hyde V47.5 / 52.5 (ジキル&ハイド V47.5 / 52.5)

超特急の引っかかりの中に潜む高反発力
 ボールを最高のパワーで引っかけて猛烈な回転を作りたいーそんなプレーヤーの願いをいとも簡単に実現してくれるスピンモンスター。ボールの接触時間が長いから、どんな状況でも確実な回転をかけることが可能。しかも、スピードを出したい時には自由に出せる。超回転と不意打ちの速球。

Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)

世界代表クラスラバーの一般普及モデル
 世界トップレベルで活躍する選手が使っている用具を、一般レベルの自分も使えないだろうかーそうした市民プレーヤーの願いをかなえた夢のラバー。元々は少数生産しかできなかったアイテムだが、技術革新が問題を解決。最上級のスピンとスピードが、より多くの人の手に届くようになった。 

 Jekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイドV52.5)は説明を読むと、要は扱いやすいスピン系テンションラバーで、スピン系テンションの割にスピードドライブも打ちやすいのかなーと感じました。近そうなラバーはVICTAS (ヴィクタス)さんのV52.5 (ジキル&ハイドV52.5)が同じくらい攻撃的なのか、それとも回転に寄せているのか、そのあたりがこのラバーのポイントではないかと思います。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpeedSpinSpongePrice (without tax)
J & H Z52.516.51652.59,800
J & H V47.513.51447.56,500
J & H V52.5141452.56,500
J & H X47.514.51447.57,000
J & H X50.0151450.07,000
J & H H52.513.515.552.56,500
Omega VII Tour i48161648.010,600
Omega VII Tour i5016.51650.010,600
Omega VII China Guang131655.07,000
Omega VII China Ying12.51760.07,000
Omega VII Hyper14.51555.07,000
Omega VII Tour14.514.555.07,000
Omega VII Asia14.51452.57,000
Omega VII Euro13.51442.57,000
Omega VII Pro141447.57,000
Omega V Tour DF12.51347.56,000
Omega V Pro12.512.547.56,000
Omega Asia DF131350.06,000
Omega V Euro DF121345.06,000
Vega X1211.547.55,000
Vega Tour1212.545.05,000
Vega DEF81257.54,400
Vega China712.554.04,400
Vega Japan10.310.545.04,400
Vega Asia DF9942.54,200
Vega Euro DF8.5937.54,200
Vega Pro101047.54,200
Vega Asia9847.54,400
Vega Euro8.5842.54,400
Vega Elite8840.04,000
Vega Intro7747.53,200

 プロットが多くわかりにくいですが、Jekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイド V52.5、J&H V52.5)はJ&Hシリーズの中で、最もバランスがとれているといえるかもしれません。大きな特徴があるわけではなく、スピンもスピードもそろったラバーといえそうな性能値だと思います。

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet Sponge
gSheetShpongeSheetSpnoge(shore a)(shore c)
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Jekyll & Hyde H52.54933.429.345.544.94.10.6
Jekyll & Hyde
V52.5
5231.828.946.943.82.923.08
Omega VII Tour5235.129.949.248.25.21.0
Omega V Tour DF5128.224.738.736.13.22.6

 Jekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイド V52.5、J&H V52.5)は、XIOM (エクシオン)さんのラバーの中では、大人しい感じのラバーになりますね。やや重さはあるもののそこまで硬すぎず数値としてはTenergy 05 (テナジー05)に近いと思います。V52.5 (ジキル&ハイド V52.5、J&H V52.5)の方が重くて硬いこともわかりますね。回転系のシリーズであるOmega V (オメガV)シリーズOmega V Tour DF (オメガVツアーDF (ダイナミックフリクション))よりも硬く、回転量の最大値はJekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイド V52.5、J&H V52.5)の方が高いと言えるかもしれませんね。シートが硬いことがOmega V Tour DF (オメガVツアーDF (ダイナミックフリクション))やDF系ラバーの特徴で、Jekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイド V52.5、J&H V52.5)の方がシートの硬さよりもラバー全体で硬かったです。現代流行の硬めのラバーの中では普通ですが、過去と比較すると相当硬くなっていることもうかがえるかと思いますね。プラボールがかなり硬くなりましたので、この影響でしょう。

J&H V52.5の貼りと重量

 今回はmizuno (ミズノ)さんのFortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)に貼りました。

Jekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイド V52.5)
・Sponge Thickness:2.1/MAX mm
・Speed:14
・Spin:14
・Sponge硬度:52.5°
・6,500円 + 税
・73-4 g (カット前) → 52 g (Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)に貼って)

 52 gで数値としては思ったより重いのですが、最近麻痺って来ていて、かなり軽いと感じましたね。Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)はかなりいいラバーで、しかもブレード面積もレギュラーに近いので、これはJekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイド V52.5)が単純にやや重めであることを示唆しますね。

Jekyll &Hyde V52.5の3つの特徴

現最上位のスピン系テンションOmega VII Tourより抜群に使いやすい!

 このラバーを使用して、Jekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイド V52.5)Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズの全容をほぼ把握できたように感じました。やはり抜群の安定感ですね。このJekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズはやはり、Butterfly (バタフライ)でいうところのRozena (ロゼナ)Glayzer (グレイザー)Glayzer 09C (グレイザー09C)なんですよね。XIOM (エクシオン)は製造ラインをいくつももっているのか、同じラインから複数のラバーを製造しているのか、よくわかりませんが、DONIC (ドニック)と同じくらいラバー種類が多く、あらゆる層にささるようにラバーを販売していると思います。Vega (ヴェガ)シリーズはどうしてもイメージ的に初級者のイメージが強いラバーになると思います。そこからステップアップするときに他のラバーへ切り替えられずにXIOM (エクシオン)のラバーの中で選べるようなラバー、それがJekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズといえるでしょう。このラバーはVega (ヴェガ)シリーズの中のスピン系テンションラバーからスムーズに移行しやすいと思います。そして最終的にはOmega (オメガ)シリーズへとつながるような系譜になっていると思います。また、個人的にはButterfly (バタフライ)のラバーは軽量が特徴のラバーが多いですが、XIOM (エクシオン)のラバーは重量のあるラバーが多く、身体的に恵まれた選手はButterfly (バタフライ)ラバーよりもXIOM (エクシオン)ラバーの方が、重いボールが打てるようにも思いますね (その分体力的にきついかもしれませんが)。

RozenaGlayzerよりも重いボールが打てる!

 Rozena (ロゼナ)Glayzer (グレイザー)は軽量でいて素晴らしい回転量のボールが打てるラバーですが、その分ボールの軽さや癖球が出にくいイメージがあります。つまりラリーや連打で卓球する方向に向かうイメージですね。一方でJekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイド V52.5)はやはりラバーが重いので、しっかり身体を使って打つことで、ボールの威力や重さが出るラバーだと感じました。50 gを超えるラバーはやはりくい込ませた時のほんの少しの違いで回転や威力、弾道に違いが出せるイメージです。それが1球1球の違いや変化、そして癖といわれるものに変わるイメージですね。ドイツ製ラバーらしい特徴を求めるならJekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイド V52.5)でしょう。

弾道/弧線が低い

 そして最後にJekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズの特徴の1つ、超回転と不意打ちの速球ですね。このラバーは確かに弾道/弧線が低かったです。V52.5 (ジキル&ハイド V52.5)も十分低かったですね。Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)に貼って試打したこともあり、カーボン系よりも弧線が出ていたのか、ネットミスは少なくて使っていて気持ち良く、相手のノータッチを取ることができました。この特徴はありですね。Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズのラバーを使うなら、バックにJekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイド V52.5)を使いたいと思いました。

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

フォアサーブ
 よく切れて良かったです。

バックハンド系

軽打
 球を持つのでやりやすかったです。

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ
 かなりやりやすかったです。

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ
 やはりこのあたりはこの硬度だとやりやすいです。回転にまけず切り返せると思います。

ツッツキ

チキータ
 Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)の板厚が厚いのと、めちゃめちゃ球を持つのでスピードチキータがめちゃめちゃ気持ち良く入りました。気持ちいいですね。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Omega VII Hyper ≧ Jekyll & Hyde V52.5 ≧ Omega V Tour DF

スピード
 Omega VII Tour > Jekyll & Hyde V52.5 > Omega V Tour DF

https://amzn.to/49gOlDY


 

レビュー Q Power (キューパワー)

説明

 mizuno (ミズノ)さんの2023年秋の本気の新製品、Q Power (キューパワー)をレビューさせていただきます。mizuno (ミズノ)さん、やはり発売してくれました!廃盤となってしまったフラグシップラバー、Q5 (キューファイブ)を超える、新たなフラグシップラバー、トップ選手用の新製品、Q Quality (キュークオリティー)をパワーアップさせたQ Power (キューパワー)です!

 まずおさらいですがQ Quality (キュークオリティー)Tenergy 05 (テナジー05)Dignics 05 (ディグニクス05)に近い打球感と表現され、中級者以上をターゲットに価格を下げつつ、シートの耐久性を上げる、というこれで売れなきゃ何が売れるの?という要素を盛り込みまくりのラバーでした。
 Q Power (キューパワー)は、そのQ Quality (キュークオリティー)をさらにパワーアップしたラバーということで、自然と期待が持てますね!卓球王国2024年1月号 (2023年11月発売)に特集記事が掲載されていました。mizuno (ミズノ)アドバイザリースタッフで水谷隼選手と同門の坂本竜介氏が紹介しています。記事から引用させていただきます。

 今、勝てるラバーには「回転」と「飛び」の両方が求められています。最近は微粘着など回転重視のラバーが増えていますが、男子は中・後陣でのラリーが多く、女子でも台から下がってプレーするケースが増えているため、「飛び」も重要な要素になるのです。
 ミズノはこれまで、廃盤になった『Q5 (キューファイブ)』がトップ選手向けのラバーでしたが、中・後陣に下がった時の飛距離にやや物足りなさがあり、ブロックや守備技術でボールが落ちやすかった。この『Q Power (キューパワー)』(以下『QP』)は『Q5 (キューファイブ)』にさらに飛びと回転をプラスした、いわば『Q5 (キューファイブ)』スペシャル。ガンガン打ちたいトップ選手が使えるラバーが出たな、と感じます。
 スポンジ硬度は52度とかなり硬いですが、従来の硬いラバーはパワーがないと飛ばせないイメージだったのが、『QP (キューパワー)』は飛距離が出て回転とのバランスも良い。実際に私も試打していますが、『Q5 (キューファイブ)』をさらにパワーアップさせながら、『Q Quality (キュークオリティー)』のような使いやすさもあるラバーに仕上がっている。
 打球音が出るのも良いですね。選手にとっては音は重要で、『飛んでいる』と感じさせてくれる。使って気持ち良くプレーできるラバーですね。

「卓球王国」2024年1月号より

 ミズノにとって、まさに「本命」と呼べる1枚だろう。この秋にリリースされたテンション系裏ソフト『Q』シリーズの最新作、その名は『Q Power (キューパワー)』。「パワー」というネーミング、「強打で突き破れ」といったキャッチコピーに並ぶ力強い文言からも、自信のほどがうかがえる。
 『Q Power (キューパワー)』は前作の『Q Quality (キュークオリティー)』発売後にユーザーから寄せられた「もう少し硬く、もう少しパワーのあるラバーがほしい」という声を受けて開発がスタート。トップ選手を満足させるだけのスピードとスピン、そして威力を追求した、ひと言で言えば「王道のストロングラバー」となっている。
 まず、パワーのある選手が使用しても、その力をロスなくボールに伝えられるよう、『Q』シリーズ史上最もハードな52度のスポンジを採用。さらにトップシート、スポンジともに材料自体のエネルギー効率を向上させることで、よりパワフルな性能に仕上げた。
 加えて、従来の『Q』シリーズよりもトップシートを薄くすることで、打球時に ボールが食い込みやすく、「ひきつれ」が起きやすい設計に。高いグリップ力と回転のかけやすさを持たせている。
 これまでの『Q』シリーズはトップ選手が使用した際に「中・後陣でドライブを打った時の飛距離、威力が物足りない」という声もあったそうだが、『Q Power (キューパワー)』はそうした課題も解消。前陣から後陣、どのポジションでも打ち負けることなく、強く回転をかけ返していける。
 ミズノ契約選手の多くが使用してきた『Q5 (キューファイブ)』 (廃盤)に替わり、新たな最高峰モデルとしてシリーズの頂点に君臨した『Q Power (キューパワー)』。ミズノが放つビッグインパクト、この新作はヤワじゃない。

「卓球王国」2024年1月号 Pick Up Productより

 Pick Up Productsでも特集され、注目のラバーであることがわかりますね。 

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。公表されているホームページの図になります。

(引用: https://jpn.mizuno.com/tabletennis/Q_series)

 Q Quality (キュークオリティー)は、廃盤になってしまったフラグシップラバーQ5 (キューファイブ)よりも高いスピン性能を持つラバーでした。そして、Q Power (キューパワー)は、Q Quality (キュークオリティー)よりもさらに高いスピン性能と、Q5 (キューファイブ)よりも高いスピード性能を持つラバーだとわかります。
 また特設ページでは、現在も販売継続しているQ Quality (キュークオリティー)、Q 1 (キューワン)、そしてQ Power (キューパワー)について特徴を説明しています。Q Power (キューパワー)の設枚は次のようになります。

 どこまでもハードな打球を追い求める上級者向けラバー。Qシリーズ最高の硬さを誇り、エネルギーロスを抑えて強い打球が打ち込める。飛距離と打球スピードを最大化するために設計されたQシリーズ史上最硬ラバーが、力の限界を引き出す。

Point 01:
 硬度化ラバー品質係数を高めたことで、相手のボールの勢いを 弱めることなく、スピンやスピードの乗った返球が出来るように。 パワーでねじ伏せるQシリーズ史上最硬ラバー。
Point 02:
 高威力粒の形状はQ5と同じ。 粒の間隔を少し狭くすることで、ボールの威力、スピード、スピン、持ち上がりをよくした。

https://jpn.mizuno.com/tabletennis/Q_series

 Q5 (キューファイブ)はシートがもっちりしていて、TSPの粘着シートを使って保管すると粘着のような感触となるシートでした。一方、Q Quality (キュークオリティー)のシートはレビューでも記載しているとおり、シートがややピンと張っていて硬さとコシのあるシートでした。このQ Quality (キュークオリティー)のシートはレビューでも触れているとおり、Evolution EL-S (エボリューションEL-S)のシートに近いと感じました。多分同じではないと思うのですが、類似の成分や思想で設計されたシートだと思います。当然、Q Power (キューパワー)についても、Q Quality (キュークオリティー)のパワーアップ版として発売されていますので、予想通り、Q Power (キューパワー)のシートはしっかりしていて、Q Quality (キュークオリティー)のシートと類似のシートだと感じました。Dignics (ディグニクス)シリーズもシートが硬く設計されています。昨今のButterfly (バタフライ)さんが作り出したラバートレンド、シートの硬いラバーですね。シートの硬さがあるため、相手の回転の影響を受けにくく、インパクトと技術があれば今までのシートよりも高い回転量も生み出せるラバー設計だと思います。その分、技術力やインパクトの強さも求められる上級者用のラバーとなりますね。mizuno (ミズノ)さんは競合他社のButterfly (バタフライ)さんを研究しているでしょうから、トレンドを追ってシートを硬く設計したのではないかと想像します。ですのでButterfly (バタフライ)さんのラバーに慣れている方なら、mizuno (ミズノ)のラバーもあまり違和感なく使いこなせるのではないかと思います。もし王道Butterfly (バタフライ)とは違う色や味を出したいならQ Quality (キュークオリティー)Q Power (キューパワー)もオススメですね。そして、シートの硬いラバーですので、うまく使いこなせば、カウンターがしやすかったり、しっかりインパクトできるとしっかりボールをグリップして高い回転量を得られるラバーだろうことは想像できますね。

 続いて硬度計になります。

Weightshore ashore ashore cshore c
gsheetspongesheetsponge
Q Power5031.229.443.842.7
Dignics 054834.331.350.048.2
Tenergy 054732.226.844.643.3
Q Quality4830.127.840.339.5
Q55131.831.145.844.3

 情報通り、硬度を比較すると、Q Power (キューパワー)Q Quality (キュークオリティー)のパワーアップ版ということで、重量、硬度どれも重く硬くなっていることがわかりました。またQ Power (キューパワー)Dignics 05 (ディグニクス)Tenergy 05 (テナジー05)と比較すると重いわりに柔らかいラバーであることがわかりました。ただDignics 05 (ディグニクス)Tenergy 05 (テナジー05)が凄いのは、スプリングスポンジやスプリングスポンジXの効果で計測硬度よりも軟らかく感じるんですよね。実際、世界標準Tenergy 05 (テナジー05)を初心者の方に使用してもらっても、ものすごい回転量のボールが打ててしまうくらい、インパクトの強さを必要としません。Q Power (キューパワー)はやや重いと感じるかもしれませんが、打球感はButterfly (バタフライ)製のラバーに似てくると想像できますね。

Qパワーの貼りと重量

 Ma Lin Carbon (馬林カーボン)に貼りました。

Q Power (キューパワー)
・Sponge Thickness:1.9/2.1 mm
・Sponge硬度:52°
・7,000円 + 税
・74 g(切断前) → 50 g(Ma Lin Carbon (馬林カーボン)に貼って)

 過去のQシリーズにたがわず、ラバーの反り返りは凄かったです。ただし、Q Quality (キュークオリティー)と同じく、廃盤となったQシリーズの、特有の臭さ、はなくなっていました。今後のmizuno (ミズノ)さんのラバーは臭いことはなさそうですね。

Q Powerの3つの特徴

ディグニクス系の高いカウンター性能!と質の高いドライブ!

 このラバーは、めちゃめちゃ良かったですね。主にバックに使ったのですが、いきなり使って違和感なく良いボールがばんばん入っていて気持ち良かったです。特に気持ち良かったのがカウンターで相手のドライブをジャストミートでカウンタードライブ返球できたのは良かったですね。想像どおりカウンター性能は高かったです。Q Quality (キュークオリティー)もカウンターがしづらいわけではないのですが、バックハンドドライブでの伸ばし合いをすると少し威力不足を感じやすいのがQ Quality (キュークオリティー)でした。Q Quality (キュークオリティー)は使いやすくて安定感はあるんですが、威力の部分は少しとパワフルさの部分で不安ですね。ディグニクスほどのボールの伸びはないと思いますが、Q Power (キューパワー)は世界標準Tenergy 05 (テナジー05)と同等以上の質の高いボールをになっていると思いました。

立ち位置としてはGlayzer (グレイザー)の上位互換?

 あくまでも個人の、katsuo000の感じたことですが、ラバーの回転レベルを比較すると次のようになると思います。
 Spin: Rozena < Glayzer < Tenergy 05Q Power < Dignics 80 < Dignics 05
シートの硬さと打球感から、Tenergy 05 (テナジー05)よりもシートの硬さを感じると思いますので、ディグニクスシリーズとGlayzerの間くらいが、Q Power (キューパワー)の位置だと感じました。もちろん、技術力のある人が使えばQ Power (キューパワー)はディグニクス側によった性能を示すと思います。

やや直線的な弾道!

 シートはQ5 (キューファイブ)に類似の形状という情報がありましたので、粒は太く密度はやや広い設計だと思います。このシートの特徴は回転量もスピードも出しやすい形状ですね。従ってButterfly (バタフライ)さんの05系のシートと比較すると弧線はやや弱いと感じると思います。その分直線的で決定打やノータッチを狙いやすいでしょう。弧線が欲しい場合は、木材系のラケットやインナーカーボン系のラケットとあわせることをオススメしますね。Ma Lin Carbon (馬林カーボン)はインナーカーボンでやはり弧線が出しやすく非常に相性がいいと感じました。試打するなら、是非インナーか木材ラケットで打ってほしいですね。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

フォアサーブ

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 Q Power Tenergy 05

スピード
 Dignics 05Q PowerTenergy 05

https://amzn.to/3U4aZeE

レビュー Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)

説明

 本ページでレビューするのはスポーツメーカーの大手、mizuno (ミズノ)が扱うトップ選手用のハイエンドラケット、Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)になります!日本男子代表だった大島祐哉選手が使用したラケットですね。大島祐哉選手は2023年春先に契約終了し、現在はandro (アンドロ)さんと契約していますね。大島祐哉選手がmizuno (ミズノ)さんと契約していたとき最後に使用していたのが、Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)になります。
 大島祐哉選手Fortius FT (フォルティウスFT)からFortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)へ変更し、最後にはFortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)の板厚を薄く、ブレード面積を狭くしたラケット、Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)を使用していました。個人的にも興味があって使いたいと思っていて、セール時にようやく買うことができました。それでは、Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)について、どのようなラケットか確認していきましょう。

Fortius FT (フォルティウスFT)

 標準的なパワフル系7枚合板ラケット、Fortius FT (フォルティウスFT)は、大島祐哉選手が使用して人気がでました。FTの意味はFine Touch (ファインタッチ)の略で、上板にLimba (リンバ)という球持ちの良い板を使うことで非常に扱いやすい良質なラケットに仕上がっていると思います。
 木材構成は芯材がAyous (アユーズ)、添え材に中心からHinoki (ヒノキ)2枚、アユーズ2枚、上板にLimba (リンバ)2枚の計7枚の合板構成になります。メーカー公表値 (重量92 g、板厚6.4 mm、ブレード面積158 × 150 mm)になります。
 合板構成: Limba (1/7) / Ayous (2/6) / Hinoki (3/5) / Ayous (4)
 板厚: 6.4 mm
 ブレード面積: 158 × 150 mm
 重量: 92 g

Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)

 Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)のver. Dとは、Dual Web (デュアルウェブ、ポリエステル繊維)のことをさし、カーボンのような際立った弾みを付与するのではなく台上の繊細なプレイには木材らしさを維持しながら後陣からの強打時などには特殊素材らしい弾みをサポートする素材として使用されています。Dual Web (デュアルウェブ、ポリエステル繊維)という特殊素材を採用したラケットは今までにありませんでしたが、AL (アリレート)と類似の特殊繊維と考えて良いと思います。Butterfly (バタフライ)の名品、Key Shot (キーショット)などと類似の打球感を想像すると良いのではないかと思いますね。
 木材構成はFortius FT (フォルティウスFT)と同じ芯材Ayous (アユーズ)に、添え材に中心からHinoki (ヒノキ)2枚、アユーズ2枚、そしてDual Web (デュアルウェブ、ポリエステル繊維)2枚を挟んで上板にLimba (リンバ)2枚の計7+2枚の合板構成になります。メーカー公表値 (重量92 g、板厚6.4 mm、ブレード面積158 × 150 mm)になります。
 合板構成: Limba (1/9) / Dual Web (2/8) / Ayous (3/7) / Hinoki (4/6) / Ayous (5)
 板厚: 6.4 mm
 ブレード面積: 158 × 150 mm
 重量: 92 g

Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)

 Fortius FT (フォルティウスFT)Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)は非常にパワフルで素晴らしいラケットになりますが、ブレード面積が158 × 150 mmと広く、どうしてもフォアとバックの切り返しが遅くなったり、バックハンドの振り抜きが難しくなったりします。また現代卓球の潮流は中・後陣からの引き合いよりも前・中陣のカウンターの奪い合いへと移りつつあります。大島祐哉選手がそこで選んだラケットは、ブレード面積を157 × 149 mmとやや狭くし、かつ板厚も6.4 mmから6.1 mmへ薄くしたFortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)になりますね。Fortius FT (フォルティウスFT)のブレード面積を狭く、板厚を薄くしたラケットがFortius FT RE (フォルティウスFT RE)というラケットもあり、類似の変更になりますね。Fortius FT (フォルティウスFT)はいくつかの変更品が発売されており、その変更の趣旨はFortius FT (フォルティウスFT)をより扱いやすくしようとする変更になります。使いやすいように、Fortius FT (フォルティウスFT)を5枚合板バージョンに変更したFortius FT 5 (フォルティウスFT5)や、Fortius FT (フォルティウスFT)をより軽くしたFortius FT Light (フォルティウスFT Light)など、Fortius FT (フォルティウスFT)の威力をそのままに扱いやすくしようとする趣旨で仕様を変更したものになりますね。そして、Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)の後に発売されたのが、Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)Fortius FT RE (フォルティウスFT RE)になりますね。Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)はより扱いやすくなっていて現代卓球的な仕様になっていて、注目でした。その仕様を確認しましょう。

 合板構成: Limba (1/9) / Dual Web (2/8) / Ayous (3/7) / Hinoki (4/6) / Ayous (5)
 板厚: 6.1 mm
 ブレード面積: 157 × 149 mm
 重量: 90 g

 上記の変更に加えて、mizuno (ミズノ)のブランドロゴは小さくなり、グリップもやや細くなって振り抜きの良い仕様になっていますね。うん、これは購入してすぐ使いたいと思わせるラケットでした。個人的にはTimo Boll ZLF (ティモボルZLF)の強化版のイメージで、より飛距離を出しやすくスピードを求めたラケットがFortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)だと思います。

 届いたFortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)は91 gとやや重い個体で、フォアにHurricane NEO III Blue Sponge (省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)、バックにJekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイドV52.5)を貼りました。

フォルティウスFT ver. D REの特徴

Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)の良質な打球感をそのままに振り抜きの良さが抜群なブレード!

 何より注目だったのが、ブレード面積の変更によるバックハンドの振り抜きのしやすさですね。想像通り非常に振り抜きやすく、かつ威力も申し分ないラケットになっていました。チキータでは一撃のスピードチキータがめちゃめちゃやりやすかったです。Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)にも感じましたが、Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)はmizuno (ミズノ)のブランドの中ではハードなラケットとなっていますが、上板にリンバを採用していることもあり、バックハンド時には非常に球持ちを感じられるラケットだと思っています。この打感はかなり好みですね。チキータや前中陣のバックハンドドライブ時も球を持てるので安心して振りぬけるラケットだと思います!またFortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)はブレード面積が広いためにチキータ時に手首を思い切り使うと、手首が痛かったですが、そういった重さはFortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)には感じなくて使いやすいと感じました。

板厚6.1 mmだけど、威力は十分!

 中陣から後陣まで下がるとさすがに威力不足を感じやすいかもしれませんが、前・中陣からだと板厚6.1 mmでも弾むと感じました。少なくとも6 mm未満の板薄のインナーカーボン系のラケットよりも飛距離が出しやすいので、中陣からドライブを引き合うときは非常に頼りになるブレードだと思います。6 mm未満の板薄インナーカーボンラケットで中陣での威力が欲しい、中国粘着ラバーを使っていて球持ちを落とさずにもっとボールを走らせたいと思うのであれば、ありなラケットだと思います!

粘着ラバーとの相性も抜群!

 Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)にも感じましたが、非常に球持ちを感じやすい上板リンバのブレードであるため、中国粘着ラバーとの相性も抜群でした。自分はHurricane NEO III Blue Sponge (省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)をあわせましたが、抜群の相性でした。最近粘着ラバーが増えてきていますが、どの粘着ラバー (ドイツ製粘着、日本製粘着、中国製粘着)でも気にせずあわせられるブレードだと思います!

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転ループドライブ

対下回転スピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンター

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

サーブ

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Virtuoso AC > フォルティウスFT ver. D RE > 和の極み -煉-

スピード
 Lin Gaoyuan ALC > フォルティウスFT ver. D RE > Virtuoso +

https://amzn.to/3RQOHdg

レビュー Ma Lin Carbon (馬林カーボン)

説明

 Yasaka (ヤサカ)の名作、Ma Lin (馬林)シリーズからMa Lin Carbon (馬林カーボン)をレビューさせていただきます。Ma Lin (馬林)シリーズは長きにわたって人気の名作シリーズですね。Ma Lin (馬林)シリーズは、5枚合板1種、7枚合板1種、インナーカーボン3種と合計5種類のラケットが販売されています。馬琳 (Ma Lin)選手自身は有機溶剤による後加工可の時代では5枚合板を、その後はこのページでレビューするMa Lin Carbon (Ma Lin Carbon)を使用していたそうです。Ma Lin (馬林)選手といえば豪快なフォアドライブが特徴的ですよね!当時は同じ時代に活躍した、中国出身のWang Liqin (王励勤)選手も5枚合板に有機溶剤、その後、カーボンラケットを使用したようです。2人とも右利きでエゲつないパワードライブを打つ剛腕フォアドライブ型でした。未だに多くの卓人があこがれたり、参考にするのが馬琳選手/監督たちになると思いますね。それではラケットについて言及していきたいと思います。

 Ma Lin (馬琳)選手が使った5枚合板と類似の仕様のラケットが、Ma Lin Extra Offensive (馬林エキストラオフェンシブ)ですね。情報ではMa Lin (馬琳)選手が使用したMa Lin Extra Offensive (馬林エキストラオフェンシブ)は、100 gくらいの超ヘビーラケットだったらしいです。そのような個体はさすが流通していない可能性が高く、特注の非常にマレな固体をご本人は好んで使っていたようですね。さらにパワフルな7枚合板仕様のラケットがMa Lin Extra Special (馬林エキストラスペシャル)になります。このラケットは最近では愛工大の吉山僚一選手が使用していたラケットになりますね。海外ツアーへ出場するようになり吉山選手はMa Lin Carbon (馬林カーボン)やその他Yasaka (ヤサカ)さんのインナーカーボンへ変更したようです。大島祐哉選手がandro (アンドロ)の7枚合板「和の極み -煉-」を使用しているので、トップでも7枚合板で活躍する選手は多数いることが明らかだと思います。改めて注目しても良いのではないかと思いますね。やはり7枚合板は5枚合板よりもラリーに強くて木材合板らしさもあるラケットに分類されると思います。安価でいてトップ選手も使用している、という点は非常に良い選択肢の1つだと思いますね。

 Ma Lin (馬林)シリーズのカーボンは3本ありますが、どれも全てInner Carbon (インナーカーボン)になります。インナーカーボンなのに3種類もラインナップしている点が現代卓球を先んじていたように思いますね。Ma Lin Carbon (馬林カーボン)はMa Lin (馬林)シリーズを踏襲する、上板硬めの合板構成でインナーにカーボンをはさんだラケットになります。続いてMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)は上板にウエンジ材というハードな木材を使用して、シリーズ1弾むラケットになります。そして近年流行りのソフトな上板を使ったインナーカーボンがMa Lin Soft Carbon (馬林ソフトカーボン)になります。
 ここからは個人的なコメントです。Ma Lin Soft Carbon (馬林ソフトカーボン)は上板が柔らかくかつ板厚も5.7 mmとかなり薄いラケットになります。このラケットを選ぶのであれば、カーボンにアラミドカーボンやALCを使っていないことにこだわるか、上板が柔らかいのに6 mm未満の板厚の薄いラケットを求める卓人にはもってこいかと思います。インナーラケットの王道かつ中陣からの威力とドライブを打つ時のラケットのALCらしいしなりを求めるならButterfly (バタフライ)さんのInner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)やHarimoto Tomokazu Inner Force ALC (張本智和インナーフォースALC)がずばり王道で、王道ではなく弾まず木材らしい打感としなりとミートを求めるなら、Ma Lin Soft Carbon (馬林ソフトカーボン)を選ぶことをオススメすると思います。
 逆に、上板の硬いインナーカーボンを探すのであれば、今回のMa Lin Carbon (馬林カーボン)Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)は他のインナーカーボンと一線を画していて、手に入れやすい上板硬めのインナーカーボンになると思います。個人的には上板硬めのラケットはサーブの切れ味も上がり、回転量も上がるので球の質を求めていくならオススメのラケットになりますね。

 ・Ma Lin Extra Offensive (馬林エキストラオフェンシブ): 上板やや硬めの5枚合板
 ・Ma Lin Extra Special (馬林エキストラスペシャル): 上板やや硬めの7枚合板
 ・Ma Lin Carbon (馬林カーボン): 上板やや硬めのインナーカーボン
 ・Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン): 上板ハードなインナーカーボン
 ・Ma Lin Soft Carbon (馬林ソフトカーボン): 上板ソフトなインナーカーボン

 ここで突き動かされるような言葉で綴られた、卓球王国さん × Yasaka (ヤサカ)さんの記事を引用させていただきます。この記事を読むと改めて馬林ラケットシリーズを手に取りたくなるのではないでしょうか。

『馬林カーボン』
 好敵手、王励勤と覇権を争い、中国の”竜虎”と呼ばれた馬琳。その右手に握られた至高のギア。

 99年世界選手権男子シングルスで決勝に進んだ馬琳。その手に握られていたのは、ヤサカの名品『ガシアンエキストラ中国式』 (廃番)だった。古くより中国代表選手の間で絶大な人気を誇っていた、スウェーデン製ラケットである。
 長らくヤサカラケットを愛用していた馬琳だが、2005年に正式にヤサカと用具契約を結んだ。その年、世界選手権上海大会で握り、2度目の決勝に進んだラケットが、新たに馬琳のために開発された『馬林カーボン』なのである。
 ところで、ここまで選手名は馬琳、商品名『馬林カーボン』と、表記が異なることが気になった人も多いのではないか。本名は「馬琳」なのだが、琳は女性の名前に多く使われる文字ということで、本人が「馬林」とサインすることから、ラケット名では「林」が採用されたという理由だ。
 話を戻そう。05年末に一般発売となった『馬林カーボン』は、瞬く間にベストセラーとなった。これほどの選手の名を冠したモデルが売れないわけはない。ただ、そのセールスはヤサカの予想を上回り、嬉しい悲鳴を上げた程だったという。そして卓球王国2007年2月号で発表された、第1回「ベストギア・オブ・ザ・イヤー2006」にて『馬林カーボン』はペンホルダーラケット部門で『吉田海偉』(バタフライ)とともに同率首位のグランプリに輝いたのだ。
 05年に続き、07年にも世界選手権で決勝に進んだ馬琳。90年代末から10年代初頭にかけて長く活躍した馬琳だが、中でも最も脂の乗った時期に本人が使用していたモデル。この『馬林カーボン』以前、そして以後は、馬琳はヤサカの木材ラケットを使用したのだが、なぜ彼が00年代中期にカーボンラケットを選んだのか。神業とも言える台上処理を重視し、パワーはラケットの弾みよりも体全体で出すという馬琳。それだけ聞くと、カーボンモデルは不向きのように思えるが・・・。この疑問に対する答えは、優れた合板構成にあった。

カーボンラケットとしては異例の球持ちの良さ。時代を先取りした超バランス素材

 ヤサカが馬琳との契約にあたって、本人使用モデルとして開発した『馬林カーボン』。もちろん、馬琳本人も開発に関わっている。気むずかしい性格で有名な馬琳。当然ながら用具選びにもこだわり、妥協を見せないのだが、そんな彼が多くの試作品の中から選んだのが、この合板なのである。
 馬琳のプレーというと、3球目の強烈なフォアドライブの印象が強い。そのため、ラケットもパワフルなものを使用しているような錯覚に陥るが・・・。馬琳が最も重視したのは「コントロール」だった。
 以前に馬琳が愛用した5枚合板 (現在は廃番の『ガシアンエキストラ』)も、スウェーデン製5枚合板らしい球持ちとコントロールが特徴だが、その特徴を損なわない範囲で、カーボンにより若干のパワーアップを図ったのが、この『馬林カーボン』なのである。
 『馬林カーボン』の最大のミソである合板構成を見てみよう。サイド写真を見てもわかるとおり、カーボンが表面から3枚目 (上板と芯材のさらに内側)に配置。特殊素材 (木材以外の繊維素材)を、上板のすぐ下ではなく、内側に配置する、いわゆる「インナー」タイプの設計だ。
 またカーボン自体もかなり薄い。そのためカーボンの硬さ・弾みの良さを全面的に押し出さず、木材モデルに近い球持ちが生かされている。板厚も5.7 mmとスリムで、打球時のしなりを持たせている。
 このような合板構成を、スウェーデンのすぐれた合板技術によって製品化した『馬林カーボン』は、結果的にカーボンラケットとしては最も球持ちの良い部類のブレードに仕上がり、世界No.1の台上技術を誇った馬琳を満足させたのだ。
 「板厚がスリムなインナー素材タイプ」というと、近年では人気の合板構成として、各社からリリースされている。しかし、『馬林カーボン』はそのタイプの人気に火が付く以前の2005年にリリースされた。先見性のある設計だったと言って良いだろう。
 シェークのFL・ST、そして中国式ペンと、3種類のグリップが発売された『馬林カーボン』だが、やはりペンの馬琳が実際に使用したということで、中国式は両面に裏ソフトを貼るプレーに適した設計になっている。
 板厚が5.7 mmとスリムなので、両面にラバーを貼っても握りやすい。また平均重量は、カーボンラケットとしては軽めの85 gであり、重量に悩む両面ペンの選手にとっては扱いやすい軽さだ。
 ブレードサイズはスウェーデン製の中国式ペンとしてはオーソドックスな長さ163 mm×幅150 mm。しっかりと面が広いためスイートスポットが広く、また長さもあるのでフルスイングした時には威力を発揮する。馬琳のようなパワーがない選手にとっては、あまり面が大きいと操作性の悪さにつながる可能性があるが、ラケット本体が重くないので、中級者でも扱える範囲だ。
 「ペン両面向きの性能」
 これも『馬林カーボン』の大きな特徴と言えるだろう。以上見てきた設計面・性能面からも、このラケットの人気の理由がわかると思う。

2005年の発売から衰えぬ人気。それの理由は馬琳のネームバリューだけではない
 次々と新製品が登場する卓球用具市場。特にラケットに関しては、毎年各社から多くの新製品が投入される一方で、ほぼ同数の商品が廃番となり、密かに姿を消していく。ラケットの商品サイクルは、ラバーのそれよりも短い傾向にあるのだ。
 そのような中、ヤサカ『馬林カーボン』は2005年の発売から不動の地位を築いている。一般的に選手モデルは、その選手が引退するとすぐに廃番になったり、あるいは売上げ低下によりしばらく後に廃番になるケースも多いが、このラケットは例外だ
 改めて『馬林カーボン』がロングセラーとなっている理由をまとめてみよう。
 成績だけでは語れない馬琳の人気
 やはり、馬琳の人気は絶大だ。世界選手権で3回準優勝、そして北京五輪で金メダルを獲得した、卓球史に残る名選手である。しかし馬琳という選手の魅力は、成績だけでは語れない。その魅力のひとつが、裏面打法にある。中国で開発され、発展を遂げたペンホルダーラケットの裏面打法は劉国粱 (96年五輪金メダリスト/前・中国男子総監督)が第一世代と言われる。プレーの軸はフォアハンド (またはバックショート)であり、それを補助する目的で裏面打法でのバックハンドが使用された。そのスタイルを継承、発展させ、より攻撃的な裏面バックハンドを確立させたのが、第二世代と言われる馬琳なのだ。その後、シェークのような自在な両ハンドプレーを見せた王皓が第三世代と呼ばれるが、王皓は中国でも例外的存在と言われ、馬琳の時点でペン両面スタイルは完成に近づいたと言ってもいい。
 裏面打法を高いレベルに引き上げた功労者である一方で、馬琳のプレーの軸足は「ペンドラ」ならではの強烈なフォアドライブにある。この点も、ペンホルダーのファンにとって大きな魅力だ。複雑なフェイクモーションを交えた強烈な変化サービスと、世界トップクラスのテクニカルな台上技術、そして台上のボールをフルスイングで持っていくエグいまでの3球目攻撃。裏面打法を駆使しながらも、「シェークの亜種」ではなく、ペンホルダーならではのダイナミックなプレーこそが、我々を惹きつけるのだ。

https://world-tt.com/ps_maker/yasaka/002/page.php?pg=1

 馬林シリーズが使いたくなったのではないでしょうか。名作であり王道の板構成を知ると手に取りたくなるのが卓人だと思います。

Ma Lin Carbon (馬林カーボン)

 届いたMa Lin Carbon (馬林カーボン)はなんと、92 gのヘビー級でした。重い方が好みなので、いいね~と思った次第です。黒のシックなデザインはかっこ良くてかなり好みです。ラバーは今回、フォア面に省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジ (Hurricane NEO III Blue Sponge)を、バック面にはGlayzer (グレイザー)を貼りました。

馬林カーボンの3つの特徴

上板は確かに硬く、それでいて抜群のおさまり!これはいい!

 季節が冬ということもあるかもしれませんが、上板が硬いのでバチっと回転がかかって、それでいて飛びすぎない非常に扱いやすいラケットでした。このMa Lin Carbon (馬林カーボン)Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)Tornado King Power (トルネードキングパワー)と比べるとやはり弾まず、控えめで、まるで5枚合板のようなスピード感のラケットでした。上板硬めの5枚合板と間違えてしまいそうなラケットだと思います。少なくとも自分は上板硬めの5枚合板と感じながら使っていました。それくらい板厚が薄いことでしなって柔らかく感じる、上板硬めのラケットでした。これかなり好みのラケットだと感じましたね。

強打時はカーボンラケットらしい直線性!

 Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)でも感じましたが、弾いた時の弾道がとても直線的だと感じました。この特徴はやはり普段からALCやアラミドカーボン系の特殊素材入りラケットを使っているから感じるのだと思いますね。安い分、どうしても仕方ないかもしれませんが、このカーボン感は正直苦手と感じました。特に中陣からドライブ強打を打とうとすると、結構ネットミスをするんですね。感覚以上にボールが直線的に飛ぶのだと思います。強打時の弧線を求めるのであれば、やはりアラミドカーボンやALCなどの特殊素材を選ぶ必要があるといえるでしょう。そういう意味ではやはりTornado King Power (トルネードキングパワー)が廃盤になってしまったのは残念でなりませんね。Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)Ma Lin Carbon (馬林カーボン)には期待していたのですが、この直線性ですぐの移行は諦めました。逆に表やバックミートを多用するのであれば、直線的に飛ぶのでやりやすいし攻撃的で好みの飛び方をするのではないでしょうか。

ブレード面積157 × 151 mmでバックハンドはやはり振り抜きやすい!

 90 gを超える重量でしたが、Ma Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)と比べると大人しいので、安心してバックハンドは振りぬくことができました。またしなるので、イメージ通りの弧線を出しやすくて良かったですね。上板の硬さからは想像できないくらい打球感が柔らかくてそれでいて輪郭のはっきりした打感なので、バックハンドを楽しめました。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Virtuoso+ > Ma Lin Carbon > Ma Lin Hard Carbon

スピード
 Fortius FT > Ma Lin Carbon > Virtuoso+

https://amzn.to/48ndblM

レビュー Glayzer (グレイザー)

説明

 もう2024年になってしまいました。バタフライさんの2023年の大本命商品、Glayzer (グレイザー)をレビューします。Rozena (ロゼナ)が発売後、常に売れ筋ラバー上位にくい込んでいるように、Glayzer (グレイザー)およびGlayzer 09C (グレイザー09C)も売れるだろう、高性能・高コスパラバーがこのGlayzer (グレイザー)シリーズでしょうね。このラバーは、ディグニクスの廉価品ということで、性能に加え、ディグニクスのようにシートの耐久性も高く、購入後長く使い続けるという話を伺いますね。だいたい3ヵ月スパンごとにGlayzer (グレイザー)シリーズの追加発注があるそうで売れまくっているみたいですね。価格的には小-中学生でも手に入る価格体で、他メーカーは戦々恐々でしょう。実際価格、性能、そして重量の面で、多くの卓人に刺さるラバーなのは疑いようがないです。今回はDignics 05 (ディグニクス05)の廉価品であるGlayzer (グレイザー)をレビューしますので、よろしくお願いします。

『ディグニクス』の魅力をそのままに。そして、その魅力を
より多くのプレーヤーに体験してもらえるように。

その性能で、可能性を引き出せ
 スプリングスポンジXを搭載。ディグニクスシリーズの技術を用いて開発したシートを採用。そして、手に入れやすい価格設定。目指すプレーに応じて選べる2種類のラインナップ。あなたの可能性を引き出せる性能に、今、手は届く。さぁ、その手応えを、実感しよう。

威力と安定した弧線を両立するハイパフォーマンスラバー
 グレーの「スプリングスポンジX」を採用した『グレイザー』。球持ちがよく、表面の摩耗耐久性が高いシートと、スポンジ硬度38°に設計された「スプリングスポンジX」の組み合せは、打球に回転による威力をもたらすとともに、安定した弧線を描く打球を可能にします。回転を重視したパワフルな両ハンドドライブやカウンターが打てる喜びを、より幅広いレベルの選手に提供します。

ディグニクスシリーズよりも軟らかいスプリングスポンジXを採用し、使いやすさが向上
 グレイザーシリーズに採用した「スプリング スポンジX」は、ディグニクス シリーズで採用したスポンジをベースに開発したものです。

https://www.butterfly.co.jp/catalog/ または https://www.butterfly.co.jp/product/glayzer/

 ということで、Glayzer (グレイザー)の魅力は、特設サイトを読めば非常にわかりやすいのではないかと思います。バタフライさんは看板ラバーや看板製品については、特設サイトを作成してくれますので、情報も得やすいと思いますね。
特設サイト: https://www.butterfly.co.jp/product/glayzer/

メーカー公表性能

WeightSpinSpeedArcSponge
g °
Glayzer (グレイザー)4673818238
Dignics 05 (ディグニクス05)4885868840
Dignics 09C (ディグニクス09C)5096799644
Tenergy 05 (テナジー05)4776837936
Glayzer 09C (グレイザー09C)4887759542
Rozena (ロゼナ)4870837535

 公表の性能表になります。特に新しくなったバタフライさんの性能表には弧線の項目が加わり、打球点を落とした場合や中・後陣からのドライブのイメージがしやすい点は非常に良いと思います。寿命はともかく回転性能の面でなかなか素晴らしいものがあるRozena (ロゼナ)は、弧線値 (Arc)が最も低く75になっていますね。ボールが直線的になること、ブロックやカウンターなどでは相手のスピードを奪いやすいことが伺えますね。打点を落とす場合は少し上方向へスイングしないとネットにかかるかもしれませんね。Dignics 05 (ディグニクス05)はやはり弧線値 (Arc)が高いですね。弧線値 (Arc)は高いですが、それを感じられるほどのインパクトと球を持つ打ち方ができるか、がポイントですね。やはりこのラバーは扱いの難しいラバーだと思います。使いこなすとエゲつないことも事実だと思いますが。弧線値 (Arc)で注目するとやはり09CシートのDignics 09C (ディグニクス09C)Glayzer 09C (グレイザー09C)の値が目立ちますね。これらのラバーは下回転打ちまでは素晴らしいですが、ラリーになったときのボールのスピードをどのように保つかがカギなイメージです。本ページでレビューするGlayzer (グレイザー)は実はTenergy 05 (テナジー05)よりも回転値 (Spin)もスピード値 (Speed)も低い値になりますね。その代わり、弧線値 (Arc)はTenergy 05 (テナジー05)を上回るということで、Tenergy 05 (テナジー05)よりも中級者にオススメのラバーといえるでしょうね。この立ち位置ということは、ゆくゆくはTenergy FX (テナジーFX)系のラバーと競合しそうなポジションなので、もしかしたら、移行していくのかもしれませんね。個人的にもTenergy FX (テナジーFX)系ラバーのポジションがぼんやりしていると感じますし、価格に見合わないと感じてやめる人が出てくるとBryce FX (ブライスFX)などのように廃盤に向かうかもしれませんね。逆にRozena (ロゼナ)だけだった廉価版のポジションにGlayzer 09C (グレイザー09C)Glayzer (グレイザー)が加わったのはこの廉価版のポジションのラバーの種類の拡充につながりユーザー目線にたったときには嬉しいと思います。価格的にTenergy (テナジー)と冠するラバーは高すぎるから使わない、と考えた時にRozena (ロゼナ)だけだとどうしても気に入らない人がいたと思いますが、Glayzer 09C (グレイザー09C)Glayzer (グレイザー)が加わることで選択肢とカバーするラバー種類が増えたのは大きいと思います。両面テナジーがいい、という一般層は多いと思いますがそういった選手が継続的にラバーを変えることが難しくて他ブランドへ逃がさずに抱え込めるようにGlayzer (グレイザー)が加わっているイメージですかね。また柔らかさと直線性を求めるならRozena (ロゼナ)もあるので、まとまりがいいと思います。少なくとも迷ったならGlayzer 09C (グレイザー09C)Glayzer (グレイザー)、とRozena (ロゼナ)を貼れば、まー間に合うなーと思いますね。このバタフライのラバーと比較して、弧線や回転性能、その他無二の性能を有してかつコスパもある他ブランドのラバーがあまり思い浮かばないですね。特にGlayzer (グレイザー)がいいですね。いくつかある他ブランドのトップラバーを貼るか、Glayzer (グレイザー)を貼るか、迷った時にはとりあえずGlayzer (グレイザー)を選ぶってことがこれから増えそうです。使ってみた印象からもまずは安心してスイングできるのはGlayzer (グレイザー)ですね。

硬度計比較

Weightshore ashore ashore cshore cshore ashore c
gsheet sidesponge sheetsponge sidesheet-spongesheet-sponge
Glayzer4630.021.041.235.89.005.33
Rozena4831.425.942.438.85.503.67
Dignics 054834.331.350.048.22.921.83
Tenergy 054732.226.844.643.35.421.25
Dignics 09C5033.431.850.849.11.581.67
Glayzer 09C4826.323.340.736.73.084.00

 Glayzer (グレイザー)を確認すると、今まで見たことないくらいシートとスポンジの数値差が大きい結果となりました。またRozena (ロゼナ)よりも軟らかい結果となりました汗。どれも室温で測定していますので季節の影響を受けているのかもしれないですね。比較しているどのラバーよりもシート側ととスポンジ側の硬度差が高いため、これは扱いやすくて球持ちも強く感じるラバーであることが予想できました。おそらく廉価版Tenergy 05 (テナジー05)としても使えることは確実でしょうね。変わらないか、同等以上の性能とTenergy 05 (テナジー05)以上の寿命が期待できることがGlayzer (グレイザー)にはあるといえるでしょう。人によっては、違いは感じるがほとんど同じラバーとして使える、という人も出てくるのではないかなーと思いますね。これはもうこの時点でめちゃめちゃありなラバーと思います。

Glayzerの貼りと重量

 Glayzer (グレイザー)はMa Lin Carbon (馬林カーボン)に貼りました。

Glayzer (グレイザー)
・Sponge Thickness:厚 (1.9)、特厚 (2.1) mm
・Sponge硬度:38°
・Spin:73
・Speed:81
・弧線:82
・5,500円 + 税
・46 g (Ma Lin Carbon (馬林カーボン)に貼って)

 グレイのスポンジはやや玄人的な外観ですが、重量も軽いのでGlayzer (グレイザー)は脅威的ですね。これでTenergy (テナジー)級の回転性能と弾みが得られるのであれば、こりゃ使わない手はないですよね。

グレイザーの3つの特徴

廉価版Dignics 05に加え、廉価版Tenergy 05らしさもある!

 硬度計測した段階で感じましたが、Dignics 05 (ディグニクス05)の廉価版というよりも、Tenergy 05 (テナジー05)の廉価版というフレーズとして浮かびました。実際シートの粒間隔を広げているDignics 80 (ディグニクス80)Dignics 05 (ディグニクス05)と比べて使いやすく、評判のいいラバーです。Tenergy 05 (テナジー05)から移行しやすいラバーがDignics 80 (ディグニクス80)でした。硬度を柔らかくすることで、扱いやすくなり、かつシートは同等となると、Dignics 80 (ディグニクス80)よりもGlayzer (グレイザー)の方が、Tenergy 05 (テナジー05)からディグニクスらしさを求めるなら移行しやすいことになるでしょう。よりディグニクスらしい、攻撃的で高い威力を求めるのであれば、Dignics 05 (ディグニクス05)一択でしょうが、扱いの難しさを考慮すると、Glayzer (グレイザー)は非常に良い選択肢となるでしょうね。個人的には抜群の扱いやすさがありすぎて、自分としては、「これTenergy 05 (テナジー05)?」と感じるくらい球持ちを感じました。シートは05系なのでツッツキなど回転もしっかりかかるし、自分はバックハンドにはGlayzer (グレイザー)の方が安心感をもってスイングできるから練習なく試合するならGlayzer (グレイザー)がいいなーと感じました。

フルスイング時の回転量やスピードはやはり低いか!?その分オートマ感は加点!

 思い切りフルスイングしたときの感動はやはり、Dignics 05 (ディグニクス05)Dignics 80 (ディグニクス80)の方が高いと思います。一方で、特にDignics 05 (ディグニクス05)についてはかなりマニュアル感が強いラバーで自然と強烈なボールが出るというよりは使いこなして初めて強烈なボールが出る感じがDignics 05 (ディグニクス05)でしたが、Dignics 05 (ディグニクス05)と比較して、Tenergy 05 (テナジー05)によったので、オートマ感は感じられるかもしれません。くい込みも良いので自然と強烈なボールを打ちやすいのも、Glayzer (グレイザー)に軍配があがると思います。オートマ性能はディグニクスシリーズになって消えたイメージがありますが、そんなディグニクスシリーズと比べるとオートマに良いボールにしてくれる感じがあるのがGlayzer (グレイザー)といえると思います!一方で渾身のパワーでフルスイングしたときのボールの質とスピード、回転量はやはりDignics 05 (ディグニクス05)に軍配があがるでしょう。

Dignics 80よりもツッツキやストップは止めやすい!

 Dignics 80 (ディグニクス80)は使いやすくて非常に高性能ラバーで、販売も伸びていると聞きます。ディグニクスシリーズのスピン系テンションラバーの中で回転もかかって、普通に使ってTenrrgy (テナジー)シリーズよりも回転もスピードもレベルアップしたと感じるラバーがDignics 80 (ディグニクス80)だと思います。ただこのラバー、唯一台上がやや収まりにくさのあるラバーで、ナックル系のサーブに対して普通に当てると棒球になってしまいますね。この部分で止めやすさ、ストップやツッツキの質の高さを得やすいのがDignics 05 (ディグニクス05)でした。この違いはまさにシート形状の結果であると思います。より粒と粒の間隔がせまいDignics 05 (ディグニクス05)の方がツッツキやストップが止めやすく、質の高いボールを送りやすいと思います。もちろん水谷隼選手のように技術とブロッキングのレベルの高さでレシーブストップやレシーブ台上を補うことでラバーの難しさを補う戦略もありだと思いますが、ストップなどの台上技術のやりやすさを求める場合は、Dignics 80 (ディグニクス80)は選択肢として、少し考えてしまうラバーではないかと思いますね。そこに新しい選択肢としてGlayzer (グレイザー)が加わったことは大きいと思います。やはりツッツキやレシーブはしっかり止まりますし、回転もかかるので多少浮いても相手のミスも期待できる高い質を得やすいのがGlayzer (グレイザー)でした。くい込みの良さは相手の回転の影響の受けやすさも受けやすいので、上書きのしやすさではやや心もとないかもしれませんが、相手の回転にあわせつつ回転を上乗せするのであればGlayzer (グレイザー)は良い選択肢だと思います!これはありですわ!

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に気になりませんでした。

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ 

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ 

ストップ

ツッツキ 

フォアフリック

フォアサーブ

バックハンド系

軽打
 バックで使った印象として、Dignics 05 (ディグニクス05)よりも硬さで落ちる印象は少なかったです。硬度以上にくい込ませやすいと感じると思います。 

ロングボールやラリーでのドライブ
 ラリー時はボールを持てるので、当てるだけなら安心して相手コートに入れやすいと思います。回転のかかるラバーなので少しでも回転をかけたいと思った時にかけやすいラバーだと思います。 

対下回転に対するループドライブ
 やりやすいですが、やや回転量は低い気がしました。自分の腕の低さによるかもしれません。 

対下回転に対するスピードドライブ
 打ちやすかったです。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 違和感なくブロックできました。 

カウンタードライブ

ストップ
 よくとまりました。

ツッツキ
 きれますね。

チキータ
 かなりやりやすかったです。しっかりくい込むのと、多少一歩目が出遅れてしまっても大雑把に振って相手のコートに入れることができると感じました。ただ使い込むことで雑な処理になりやすくなりそうなので、あまりオススメはできないかもしれないです。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 80 (ディグニクス80) >≧ Glayzer (グレイザー) > Tenergy 80

スピード
 Dignics 80 (ディグニクス80)Glayzer (グレイザー) > Tenergy 05 FX

https://amzn.to/47t04hG