初期レビュー Tachyon Outer(タキオン)

説明

 今回はなんとWizard株式会社殿から、ご連絡いただきまして、Tachyon Outer(タキオン)の試打をさせていただきました。katsuo000として、ブログを運営してきてこのような機会をいただけるとは夢にも思っておらず、幸せなことに感激した次第です。私情はおいておいて、さっそくタキオンについて、説明させていただきます!!!

 Tachyon(タキオン)をググりますと、ウィキペデイアではタキオン粒子という言葉がヒットします。このタキオン粒子とは光よりも速いという仮想的な粒子だそうですね。つまりタキオンとは物理学用語になりますね。物理学の世界では、光よりも速い存在は現状見つかっておらず、想像上の存在がタキオンになります。このタキオンという名前をつけたラケットということで、気になるのはやはり弾みですよね!まずはWizardさんのホームページで、タキオンの説明について確認してみましょう。

 Wizardさんのホームページ: https://wizard-tt.co.jp/tt_racket/#tachyon

 合板構成は次のようになります。
Tachyon(タキオン)
・表板  ロイヤルウッド(0.6 mm)
・添え板 SIGRACET(0.35 mm)
・添え板 アユース(0.6 mm)
・芯材  アユース(3.0 mm)
 0.6 + 0.35 + 0.6 + 3.0 + 0.6 + 0.35 + 0.6 =6.1 mm

 TachyonはWizard初のカーボンラケットです。不織布状のGDL用カーボンSIGRACETは空隙率が高く接着剤が良く浸透するためアウターラケットの中でも特に弾むラケットに仕上がりました。

 その他にも接着剤を使い分けることで弾みをコントロールしたり、ラケット外周の振動を抑制することでスイートスポットを広げたり、高耐久の塗装が施されていたり、とにかく全部詰め込んだ夢のモダンラケットです。

 バックが苦手でフォアハンドの一発撃ち抜きに命を懸けてる方、とにかく下がってのラリーが多い方、ショートでコースをついてフォアハンドの引き合いに持って行きたいペンユーザーにおすすめできます。

開発者からの一言

 欲しい性能はかつてないほど速いラケットでした。名前にTachyonという光よりも速い仮想粒子の名前を付けたのは、その速さと未だかつて見たことがないという両方を上手く表現する名前だったからです。材料選定終了後、まず開発の障壁となったのは、GDLカーボンが接着剤を吸いすぎて表板に接着剤が染み出ることでした。それ以外にもかつてないほど速いを実現するためにした新技術が3つあります。語るよりもぜひ打って実感していただきたいラケットです。

https://wizard-tt.co.jp/tt_racket/#tachyon

公表のラケット性能上では、最も硬くて速いラケット位置にいるのがTachyonになりますね。

 実はあの卓球You tuberで株式会社Lili代表の村田雄平さんも既にこのTachyonを試打したレビュー動画を配信されています。

村田さんの動画: https://www.youtube.com/watch?v=e9T8gv9UoBA
元明大の菅沼さんが打つ: https://twitter.com/yuhei25lili/status/1527257792372875264

 村田さんや伴さんが試打した後に自分が試打してもあまり参考にならないかもしれませんが、なんちゃって中級者が打つとこんな感じか、というのが伝わったらいいなと思って書かせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

 こちらがラケットの写真になります!ラケット重量はやや重い92 gとヘビー級な値でしたが、ブレード面積はレギュラーサイズの157 × 150 mmだったので思ったより軽く感じさせていただきました。開発中ということもあり、届いたTachyonのブレード厚さは6.5 mmと公表値よりも厚いものになっていました。これは弾みそうですね!

Tachyon Outerの特徴

これは爽快感のあるスピード!ヒノキ系ラケットに近い心地よさ!

 まず一番強く感じたのが爽快感のあるスピードでした。試打の際、準備できませんでしたが、近いのではないかと感じたのが、Sardius(サーディウス)というヒノキ系のアウターカーボンですね!サーディウスは7 mm越えのブレード厚さのラケットで、Tachyonは、サーディウスほどには弾みはありませんでしたが、かなり気持ち良いスピードが出ると感じました!打球点を多少落としても乗せ打ちのような打ち方で飛距離がでて入るようなイメージです。これは速いぞ!Tachyon!

打球感が柔らかい!感覚的にはアウターALCよりも柔らかいかも!?

 これだけスピードがでると、さすがに打球感が硬くなりそうなんですが、サーディウスはおろか、おそらくアウターALC(Zhang Jike ALC(張継科ALC)やLin Gaoyuan ALC(林高遠ALC))よりも打球感がある意味柔らかいという印象がありました。弾みとスピードはアウターALCよりも上で、打球感はアウターALCよりも柔らかいって、ものすごいラケットです!

比較するなら、張継科SZLCや水谷隼SZLC、話題のビスカリアSALC!

 巷で有名で弾みラケットとして、スーパーザイロンカーボン(SZLC)をアウターにはさんだぶっ飛びラケットか、今年の春の新作スーパーALC(SALC)搭載のビスカリアSALCではないかと思いました。打球感の柔らかさだけでいうと、おそらく、レボルディア以上に柔らかく、それでいてアウターSZLC系ラケットなみにスピードが出ると表現できるものだと思いました。この打球感の柔らかさは驚きですね!

 ただし、弾みのあるラケットということもあり、回転性能はやや落ちてボール自体は軽くなったと感じました。このあたりは戦型にも依存するし、かなり回転はかけやすいと感じるソフトな打球感でもあるので、必ずしもダメというわけではないでしょう。回転性能を上げようとして、ブレード厚さの薄いラケットを使うと相手の回転の影響も強く受けやすくなって返球が難しくなるということはよくあると思います。レシーブを除く、ラリーで相手の回転の影響をあまり意識する必要はないことは良い特徴だと思います。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Zhang Jike ALC > Tachyon Outer > Sardius

スピード
 Sardius ≧ Tachyon Outer > Zhnag jike ALC

 今回試打の時間が短く、そこまで試打できなかったのですが改めてじっくり使わせていただけるといううことになっています。推奨のラバーもあるそうなので、近いラバーをはって試してみたいと思っているところです。以上、読んでいただいてどうもありがとうございました。

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