初心者が初ラケットラバーを買うなら ① 小学生以下編
本記事は、タイトルにあるように小学生以下の初心者が、卓球を初めたいと思いたった際に、役立つような情報を提供したいと思います。
初ラケットの予備知識
初ラケットで確認すべきことは、次の3点だと思います。グリップ形状、どのようなブレードか(木材合板系かそれ以外か)、ラバーが貼ってあるか(貼りあがりラケットは注意)どうかですね。順に説明していきます。
グリップ形状
卓球を始める際、最も重要なことはグリップです。基本的には2種類、シェークハンドとペンホルダーになります。それぞれの特徴を概略します。
シェークハンド
初心者からトップ選手まで、現代主流のグリップです。
メリット
小さい子でも握りやすくて、フォアもバックもやりやすい。
デメリット
台上とミドルが苦手。金銭的にはフォアもバックもラバーを貼るためラバーは2枚必要。
(ただし、ペンでも裏面に2枚目のラバーを貼るのが主流となりつつある。)
ペンホルダー
減ってきているが中国式ペンホルダーがトップ選手でも活躍してきて新たな流行りが来るかも。
メリット
シェークハンドよりもドライブの回転量が多いと言われる。台上もやりやすい。
デメリット
バックハンドがふり抜きにくく、弱点とされる。克服のために裏面も貼る選手が増加。
また初心者は誤ったグリップになりやすい。
上級者やトップ選手でもフォアやバック、強打など打法でグリップを変更することが多い。
ペンホルダー、特に日本式ペンホルダーは減ってきています。また日本式ペンホルダーは、今では非常に希少で高価なヒノキ単板のラケットが主流になります。これは非常に高く、初心者にはオススメできません。逆に中国式ペンラケットは増えつつあり、ブレード構成もシェークハンドと似てきました。中国式ペンラケットなら、以下の考え方は適用できますので、ご参考いただけると思います。
どのようなブレードか(木材合板系かそれ以外か)
どのようなラケットなのか、その根幹を担うものが、どのようなブレードか、になります。専門用語が多く、卓球をやっている人でも全てを把握している人は少ないと想像します。重要なポイントは木材合板系かそれ以外か、どのような戦型向けか、ブレードの厚さ、だと思います。インターネットが進んだ現代では、各ラケットの名前で検索してメーカー紹介の説明をあらかじめ調べると良いと思います。
特殊素材の有無 価格に直結する要素になります。おそらく卓人一般論として、初心者のラケットに特殊素材の入ったラケットである必要はない、というのが専らな意見でしょう。つまり、初心者には5枚合板系や7枚合板系の特殊素材の無いラケットがオススメということです。katsuo000も後述のデメリットがあると思いつつも、メリットの方がデメリットを上回るため、合板系ラケットをオススメします。 5枚合板や7枚合板メリット トップ選手も使用していることがある。 感覚をつかみやすく、打球感が良いために扱いやすいラケットが多い。 安い。 5枚合板や7枚合板デメリット 比較するとスピードが遅い。 スイートスポットが狭い。 個体差が大きい。 物理的な強度が弱い。(上板がはがれやすかったり、落とすと折れたりなど)
それ以外のラケットの説明として、登場したり説明されうる点として、「どのような戦型向けか」などがありますが、はっきりいってあまり気にしなくて良いです。メーカー側がどのような思いで、ラケットを作っているのかが反映する部分になり、場合によっては「大きなお世話」になりかねない部分とも言えます。メーカー側は攻撃用、オールラウンド用、守備用と想定して、ブレードの厚さやブレード面積を変更しています。攻撃用のラケットは、威力やスピードを出すためにブレード厚さは厚く、ブレード面積はレギュラー(最も標準的なサイズ)にすることが多いでしょう。オールラウンド用は、ブレード厚さをやや薄くし、ブレード面積はレギュラーが多いと思います。そして守備用ラケット、特にカットマンをイメージしたラケットは、ブレード厚さは薄くして弾みを抑え、速いボールにも対応しやすいようにブレード面積を広くしてスイートスポットを広げていますね。ただし、攻撃型のトップ選手でもブレード面積を広くすることもありますので、あまり固定観念を持つべきではないでしょう。これらの考えは近年すたれつつあるものです。守備用ラケットでも強烈なドライブやスマッシュは可能ですし、攻撃用ラケットでもカットをするトップ選手も存在します。
katsuo000のオススメはブレード厚さが薄い合板系ラケットになりますね。ブレード厚さが厚いと弾んだり飛距離が出やすいので打つ時は気持ちいいかもしれませんが、その分台上や守備が難しくなりやすいですね。
ラバーは貼ってあるか(貼りあがりラケットは注意)
初心者さんで気を付けるべき最も重要なことの一つは、ラバーが貼ってあるか、かもしれません。もし、1年に10回未満しか卓球をすることがないのであれば、貼ってあるラケット(貼りあがりラケット)でも良いかもしれません。しかしながら、部活動やクラブなどに入り、1年間で10回以上卓球をするのであれば、ラバーとラケットは別売りのものを購入して使用することをオススメします。貼りあがりラケットのメリットデメリットを記載します。
貼りあがりラケット 卓球メーカーなどが販売しているもので、販売の時点でラケットにラバーも貼ってあります。卓球ショップで売られていることはほぼなく、工務店や総合スポーツショップなどで置いてあることが多いです。卓球を長く続けるなら、明らかに買わない方が良いです。 メリット 圧倒的に安い。 トップ選手のラケットのようなデザイン。(デザインだけはかっこいい。) すぐに使える。(ラバーを貼る必要なし。) デメリット 品質が極めて悪く、また劣化も極めて速い。(すぐに使えなくなる。) ラバーを貼り替えて使うことを想定されていない。(上達を妨げるのでやめるべき。) (多くの場合、長く使うことで)上達を妨げる。
katsuo000の経験ですが、部活動で金銭的な理由から貼りあがりラケットを継続使用している友人がいましたが、上達を妨げていたと感じました。貼りあがりラケットのラバーのみ、販売されているラバーに変えて使うということもされていましたが、そのラケットは酷いものでした。自分が使っても非常に扱いにくいラケットで、何が扱いにくいかというと、同じ打ち方でもボールが落ちたり弾んだりするんです。ブレードの当たる場所によって、弾みやボールのグリップが異なるというのは、トップ選手でも使いづらいと感じることでしょう。ラバーを貼ることを失敗したようなラケットで、本当にオススメしません。「弘法筆を選ばず」という言葉がありますが、競技そのものが異なるといっても過言ではないくらいラケット性能が悪いです。長く卓球を続けるのであれば、このような貼りあがりのラケットは買わないでください。
またラバーを貼るという、初心者には大きなハードルを下げる手段として、卓球ショップでは無料で貼ってくれます。インターネットでも無料貼りをサービスしているお店が増えました。逆に、Amazonなどで購入すると割引なしで貼ってもくれない、などということがあるのでご注意ください。卓球ショップでは、定価からの割引は常識(季節限らず当たり前)であり、無料で貼るのも常識です。またショップで初心者用として、下記に挙げるラケットなどとラバーをショップ側で勝手に貼り上げたものを販売することもしています。このパターンであれば、上記のようなデメリットもなくなるので、是非購入していただければと思います。
小学生以下にオススメの具体例
上述の初ラケットの予備知識に加え、小学生以下の卓球用具を考えた際に考慮すべきは、ブレード面積の小ささやグリップの細さだと思います。ブレード面積を小さくすることで軽量化を、グリップを細くすることで小さな手でも握りやすくなります。各メーカー、多くはないですが子供が使うことを想定したラケットを提案しています。ご参考ください。
ラケット
SWAT(スワット)
・VICTAS(ヴィクタス) ・7枚合板 ・価格 5,500円 + 税 ・ブレード厚:6.0 mm https://www.victas.com/ja_jp/products/blade/shakehand_racket/offensive/swat-kids よりパワフルなキッズラケット 『SWAT』の性能をそのままに、ブレード、グリップサイズを小さくしたキッズ用ラケット。キッズ選手はもちろん、手の小さな選手にもおすすめ。
SWAT(スワット)は、プロ選手が使用して人気が出たラケットで、ヴィクタスさんの主力ラケットといえるでしょう。上記はSWAT Kids(スワットキッズ)になりますが、ブレード面積とグリップが小さくなっているだけで、実際のSWAT(スワット)とブレード構成も値段も変わりません。SWAT SLIM(スワットスリム)というブレード面積はSWAT(レギュラーサイズ)と一緒で、グリップが細いラケットもあるのは嬉しいと思います。スワットキッズ → スワットスリム → スワットと移行していってもいいと思いますね。
現在スワットで活躍するトップ選手はほぼいないと思いますが、スワットシリーズのSWAT Power(スワットパワー)は、丹羽孝希選手も使用していたそうですので、初心者に限らずトップ選手も十分に使用できるラケットといえるでしょう。実販売価格は、4,114円(税込み)でした。
Timo Boll J(テイモボルJ)
・Butterfly(バタフライ) ・5枚合板 ・価格 4,800円 + 税 ・ブレード厚:6.1 mm https://www.butterfly.co.jp/products/detail/36931.html 4~9歳向けの入門用モデル 卓球を本格的に始めたい4~9歳の選手に向けて開発したラケット。小さな手でもしっかり握れるようグリップは短く細めに、小柄な体格でも振りやすいようブレードはコンパクトに設計しました。
実販売価格は税込み3,960円でした。ヨーロッパの皇帝、Timo Boll(ティモボル)の名前を冠しているのも嬉しいですね。価格もラケット形状もオススメです。
Amin(アミン)
・Nittaku(ニッタク) ・5枚合板 ・価格 3,500円 + 税 ・ブレード厚:5.9 mm https://www.nittaku.com/products/rackets/post-60 軽くてボールコントロールが良い コントロールが良く、軽い重量設計に仕上げることで、様々な技術をマスターする時期にオススメのラケット。
実販売価格は税込み2,503円でした。コスパを求めたらこのラケットが挙がりますね。使っている人も稀なイメージです。
Hopestar Princess II(ホープスタープリンセス2)
・YASAKA(ヤサカ) ・5枚合板 ・価格 3,500円 + 税 ・ブレード厚:6.0 mm https://www.yasakajp.com/items/hopestar-princess2/ かわいらしい冠と羽がモチーフの女子用キッズラケット コンパクトブレードで握りやすい細めのグリップのキッズ用ラケットです。女子用のプリンセスはレッドベースで冠と羽のロゴです。
実販売価格は税込み2,503円でした。女の子用を意識して、赤色を基調にしたデザインは、他メーカーにない目の付け所だと思います。娘にも受けそう。
ラバー
ラバーになります。スポンジ厚さを選ぶ必要が出てくるのですが、初心者は中と呼ばれる厚すぎず薄すぎないものを使うことをオススメしたいと思います。薄いほど回転の影響を受けにくく、弾みにくくなると言われます。真ん中の厚さを使えばバランスはとれることでしょう。
Hurricane III(ニッタク製キョウヒョウ3)
・Nittaku(ニッタク) ・裏ソフトラバー(粘着) ・価格 4,100円 + 税
世界を席巻する中国卓球の粘着シートと同じシートで、扱いやすいように日本製のスポンジをあわせたラバーになります。中国では小さいときから、粘着ラバーを使用して練習するといいますが、同じような考え方で卓球を開始するのであれば、ニッタク製のキョウヒョウがオススメですね。回転もよくかかるのと個性を求めるならありな選択だと思います。
GTT 40(ジーティーティー40)
・andro(アンドロ) ・裏ソフトラバー ・価格 3,200円 + 税
スポンジ厚さを1.6 mmの一つだけ、とすることで低価格と高性能を実現したラバーです。知名度は低いですが、テンションもかかっているので、面白い選択肢だと思います。
Mark V 30°(マークファイブ30°)
・YASAKA(ヤサカ) ・裏ソフトラバー ・価格 3,200円 + 税
未だに4月になると売れまくるヤサカのマークファイブから、最も柔らかいマークファイブ30°をあげさせていただきました。スピン系テンションではないですが、基本的な技術を覚えるうえで妨げのないラバーだと思います。ただし面白さもないかもしれません。
Sriver FX(スレイバーフレックス)
・Butterfly(バタフライ) ・裏ソフトラバー ・価格 3,200円 + 税
katsuo000は高校生のときに使用していました。マークファイブよりも攻撃的なラバーだと思いますね。こちらも面白さは少ないかもしれませんね。