シェイクラケット比較!
卓球のラケットってラバーほどではないですけど数が多くて、どれがどう良いのかよくわかりませんよね!ラバーほど簡単に全てを比較することは難しいのですが、各メーカーのシェイクラケットの公表スペックをメーカーの垣根を超えて分類・比較して行きたいと思います!イチ卓人の主観を軸に行いますが、参考にしていただければ幸いです!
シェイクラケットを3つに分類!
シェイクラケットは無数にありますが、現在人気の高いラケットタイプを軸に大きく3つに分類しようと思います!この3つへ分類することで、大雑把ではありますが比較・理解がしやすくなると考えます。各分類の中なら公表スペック上の比較であっても大きく外れにくいとも考えます。3つの分類は以下になります。
1つ目の分類はインナーカーボンラケットになりますね。近年、トップ選手を中心に明らかにインナーカーボンラケットが主流となりつつあるとkatsuo000は感じています。インナーカーボンラケットは、アウターカーボンラケットよりも後に登場したこともあって、今後も多数のラケットが販売されるのではないかと想像します。アウターカーボンラケットよりも球持ちが良くてコントロールしやすく、木材系ラケットよりもスピードが出せる、まさに最もバランスの良いラケットタイプと言えるでしょう!スピン系テンションラバーを使う選手は徐々にこのインナーカーボンのラケットタイプを使用する選手が増えてきていると思いますね。
続いて、2つ目の分類はアウターカーボンラケットですね!打球感は硬いですが、カーボンらしい高いスピード性能が特徴です。過去にはトップ選手で主流だったラケットタイプと言えるでしょう。選手の戦型やラバーによっても異なりますが、粘着ラバーを使用する選手、とりわけ中国男子トップ選手の使用率の高いラケットタイプになると言えるでしょう。中国選手のメインラバーである粘着ラバーの低いスピード性能を、アウターカーボンラケットの高いスピード性能で補う組み合わせが主になりますね。近年、中国製ラバー以外でも粘着ラバーが増えつつあり、もしかしたら改めてアウターカーボンラケットがトップ選手層の間で増える可能性もあり得ると思います。見逃せない分類となりますね。
最後の3つ目の分類が木材系ラケットになります。なお、katsuo000の独断で本ブログではカーボンの入っていない特殊素材系のラケットは木材合板系ラケットに分類していきます。5枚合板や7枚合板系ラケット、アウター特殊繊維ラケットやインナー特殊繊維ラケット、単板ラケットもこの木材系ラケットに分類させていただきます。最も種類や幅の広い分類のラケットタイプになりますね。各分類のラケットについてそれぞれ言及していきます。
1. インナーカーボンラケット
インナーカーボンラケットというと、トップ選手では張本智和選手や中国のMa Lomg(馬龍)選手が使用している分類のラケットになりますね!球持ちのあるラケットタイプであるインナーカーボンラケットは現在徐々に徐々に卓球界を席巻している感じです。特にインナーカーボンラケットが今後席巻してくると強く感じる点として、次のような事実を挙げさせていただきます。
・2020年1月の全日本選手権大会男子優勝の宇田幸矢選手のラケットはインナーZLC
・2020年4月Butterfly(バタフライ)ラケットの新商品は主にインナーカーボンラケット
(張本智和シリーズの拡充)
・バタフライのパンフレットにおけるラケット表で表の一番上にインナーカーボンが配置↓
インナーカーボンラケットは板の中心材の板付近にカーボン素材を挟んだラケットですので、強くぶつけるようにボールを打球した時にカーボンらしい硬さと弾みとスピードを感じるラケットになりますね。少しブレード厚さの厚いラケットも多いですが、基本的には6.0 mm前半くらいの厚さのラケットが多いと思います。このラケットタイプは前述した通り、今後も種類が増えるのではないかと想像します。インナーカーボンラケットの種類が増えると考える理由は、現行の卓球ではプラボールになって反応速度に加えて筋力やパワーも必要となりつつあること、後陣から巻き返す戦型よりも前陣カウンター多用の線型の方が主流となりつつあること、の2つが主な理由です。筋力とパワーが必要である一方で台上や前陣での安定感も求められるわけですが、アウターカーボンラケットで台上をこなすには天才的なタッチセンスを要します。アウターカーボンラケットしか選択肢がなければ、卓球選手には卓球的センスと天才的なタッチセンスを要し、選手の幅が狭くなりやすいでしょう。インナーカーボンラケットの登場と扱いやすさと威力がバランスされることで、より多くの卓球アスリート、卓球選手が活躍できるようになったと思います。
個人的な印象ですが、軽打時やラバーにのみくい込ませた時の弾みと、厚くラケットの芯まで響くようにぶつけて強打した時の弾みが異なると感じ、扱いに慣れが必要と感じました。トップ選手のように練習時間の確保ができるのであれば別ですが、個人的にはアウターカーボンラケットからインナーカーボンラケットへの移行は人によって時間を要すると感じました。用具を変更する場合はこの変化を想定した方が良いでしょう。
2. アウターカーボンラケット
アウターカーボンラケットの使用者として代表的な選手はドイツのTimo Boll(ティモ・ボル)選手になりますね。生きる伝説ティモ・ボル選手を中心に水谷隼選手といった日本のトップ選手も使用する分類のラケットタイプがアウターカーボンラケットになりますね。近年のアウターカーボンラケットの主流は主にブレード厚さの薄いラケットになってきています。過去にはブレード厚の厚いアウターカーボンラケットも多くありました。ブレード厚の厚いアウターカーボンラケットの方向性は日本式ペンの1枚ヒノキ単板系ラケットの延長線のような方向性のアウターカーボンラケットになりますね。現在の王道となりつつあるブレード厚さの薄いアウターカーボンラケットは、ブレード厚さがだいたい6.0 mm前後のラケットというのが特徴となります。ブレード厚さが薄くなることで回転のかけやすさと回転性能が高くなるラケットタイプになりますね。katsuo000が現在メインで使っているラケット、Zhang Jike ZLC(張継科ZLC)もこのカテゴリーに分類されるラケットになります。トップ選手では、キング水谷隼選手が使用するMizutani Jun ZLC(水谷隼ZLC)や、インターハイ王者であり全日本選手権3位の戸上隼輔選手の使用するZhang Jike ALC(張継科ALC)も板薄アウターカーボンラケットと言えるでしょう。
アウターカーボンラケットの特徴は、スピード性能が高く後陣からの巻き返しが可能ですが、アウターにカーボンを配するラケット設計ですので、打球感が硬く扱いがやや難しい、というものになります。ただし近年注目を浴びつつある粘着ラバーと組み合わせることで粘着ラバーの低いスピード性能を補うといった組み合わせが流行りつつあります。中国トップ選手でも人気で、Zhang Jike(張継科)選手やFan Zhendong(樊振東)選手といった選手がViscaria(ビスカリア)またはそれとほぼ同タイプのラケットを使用しているのはとても有名でしょう。アウターカーボンラケットでも、主流はArylate Carbon(アリレートカーボン)やAramid Carbon(アラミドカーボン)といった柔らかく扱いやすいカーボン素材を配したアウターカーボンラケットになるでしょう。
3. 木材系ラケット
最後は木材系ラケットになります。インナーカーボンラケットが流行するということは球持ちの良い合板系ラケットも、もちろん人気があると言って過言はないでしょう。合板の人気を後押しする情報として、ファンタジスタSimon Gauzy(シモン・ゴーズィー、フランス)選手やハードヒッターHugo Calderano(ウーゴ・カルデラノ、ブラジル)選手は木材系のラケットを使用しているという事実があると思います。カルデラノ選手は2020年に入って、Hugo Hyper Axylium(ウーゴ・ハイパーアクシリウム、HAL)というアウター特殊素材系のラケットへ変更した様ですが、HALはアウターカーボン系ラケットではなく、Hyper Axylium(ハイパーアクシリウム)という特殊素材繊維がアウターに入った、木材系ラケットに近い打球感覚のラケットになるようです。つまり木材よりのラケットを使用されているということですね!
木材系ラケットに分類されるラケットは種類が多く、さらに分類できるので、念のため少し言及しておきます。まず最も基本的な種類と言えるのが5枚合板系ラケットになります。5枚合板ラケットは近年ブレード厚さが厚くなってきて6.0 mm〜7.0 mmのものが多くなりつつある印象です。5枚号版ラケットはブレード厚さを厚くすることで飛距離を補う設計のラケットが主流となりつつあるのだと思います。次に多い種類が7枚合板系ラケットになりますね。7枚合板系ラケットはブレード厚さがだいたい6.0 mm後半から徐々に徐々に薄くなってきている印象です。7枚合板といえば威力のあるパワーボールのイメージが強いですが、7枚合板の威力を維持しつつ回転性能を補うためにブレード厚さが薄くなりつつあるようです。そして特殊素材(カーボンなし)系のラケットは、基本的にはブレード厚さは薄いラケットが多い印象です。カーボンなし特殊素材系ラケットの特徴として木材系ラケットの回転性能や球持ちを維持しながら、狭いスイートスポットを広げたり威力を高めたり軽量化しているラケットが多いですね。
各分類のシェイクラケット
今後、こちらにリンクを貼り付けていきますね。
1. インナーカーボンラケット
2. アウターカーボンラケット
3. 木材系ラケット
まとめていくとラケットの打球感覚を想像しやすいのが、特殊素材ありのラケットになりますね!特殊素材が入っていれば特殊素材特有の硬さを感じるはずですし、その特殊素材の説明も各メーカーが豊富に発信してくれているのでわかりやすいです。どうしても特殊素材ありのラケットは木材系ラケットよりも高くなりますのでどのような付加価値があるのか発信するために特殊素材の説明は必須となるのでしょう。カーボンがなければ、特殊素材繊維となりますので聞いたことのない素材でもカーボンほど硬いことはないでしょう。そういったことからカーボンの有無問わず、ラケットの打球感覚はだいたいイメージが湧きます。
一方で問題は5枚合板系のラケットになります。正直一番打球感やラケットの特性を想像することが難しいラケットは5枚合板系のラケットになりますね!ビギナー用からジュニア選手用、トップ選手も使用できるもの、とかなり多岐に渡ります。一方で情報がブレード厚さと重量くらいになるので情報が正直少なすぎると言えます。同じブレード厚さでも構成する木材に関する情報が少ないとどうしても打球感が想像しにくいです。上板にもちいられる木材の情報がもう少し得られるのであれば、まだ想像しやすいのですが、それらの情報がないと想像はかなり外れている気がします。もちろん板厚と上板以外にも打球感へ影響する要素(例えば重心、グリップ形状、貼り合わせる接着方法、など)はありますが、最低限上板の素材を示して欲しいなーなんて思ってしまいますね。今後情報を更新できるのであれば更新していきます。