説明
・Blue Grip(粘着ラバー) 5種
・Blue Storm(ブルーストーム) 7種
・Blue Fire(ブルーファイヤ) 9種
・Acuda Blue(アクーダブルー) 4種
ブルーのラバーはいくつあるのか、というと25種類になりますね!その中でもDONIC(ドニック)の2022年の1月に発信された新ラバー、Blue Storm PRO(ブルーストームPRO)をレビューします。DONICのラバーといえば、ブルーとつくラバーが多いですね。スピン性能の高いブルーファイヤシリーズ、スピード性能や低弾道で直線的なブルーストームシリーズ、粘着テンション系で扱いやすさとさらなる回転性能と癖も出るブルーグリップシリーズとラインナップが多いのも特徴です。これは選手の技量にあわせて細かく細かく硬度やシートを変更できるメリットをもたらしてくれるものだと思いますね。2022年のパンフレットではブルーファイヤJPシリーズは掲載されていませんんが、日本のDONICホームページでは掲載されていますね。廃盤になるかもしれませんが現状は取り扱いがあるみたいです。メーカーとしては在庫を多く扱うことになって企業的には費用がかさむ戦略だと思いますが、どのシリーズも硬度やスポンジ厚さを多くラインナップするDONICのスタンスは、ユーザーファーストなメーカーだと思います。そんなDONICさんの最新作で、大注目のラバー、ブルーストームPROについて確認してみましょう。まずは既に配信されているものを取り上げますね。
ブルーストームPROは発売当初から卓球王国さんや、ゆうさんの動画で情報が発信されています。JOCエリートアカデミーから中央大学へ進学して大学で活躍、現在は日本リーグへ参戦している浅津碧利選手のレビュー動画も配信されています。
卓球ナビ: https://takkyu-navi.jp/you/article/3852
用具レビューで非常に質の高い動画を配信していて、個人的には大好きな唐橋卓球代々木店の動画もオススメです。非常にわかりやすいですし、動画の最後に他ラバーとのスピンとスピードで比較してくれるので、性能のイメージがしやすいですね。
唐橋卓球代々木店: https://www.youtube.com/watch?v=_1YKrjFFcT4
昨今ドイツ製ラバーの性能はかなりあがってきていて、進化型テナジーラバーとして、テナジーと同等かそれ以上の高い性能を持っているのではないかと期待しています。今回のブルーストームPROもおそらく同一の技術が採用されていて、テナジーに匹敵する高い回転性能を有するようですね。
DONICの契約選手で今年のインターハイ優勝三冠候補の一人である愛工大名電の鈴木選手も一時期ブルーストームPROを使用していたようですが、現在はBlue Storm Z1 Turbo(ブルーストームZ1ターボ)に戻されていますね。一時期ブルーグリップ系のラバーも使用していたようなのですが、ラバーに頼った癖ではなく、技術で繰り出す癖球を求めてブルーストームZ1ターボを使用されているそうです。
DONICさんのホームページやパンフレットの情報は以下になります。
プロフェッショナル仕様のセレクトバージョン。
トップシートを新たにし、ボールのタッチ感覚とレスポンス、そしてスピンを大幅に向上しました。ボールの飛び出しも並外れた、ダイナミックラバー。
https://www.donic.jp/
また、『卓球グッズ2022』掲載の鈴木選手のコメントは以下になります。
2022年の全日本ではバックに『ブルーストームPRO』を使用していました。個人的には打球感が柔らかめで食い込みも良く、スピードよりも回転重視のラバーという印象です。フォアは『ブルーストームZ1ターボ』を使っていますが、『PRO』の方が軽く打っても回転がかかり、ブロックなどで相手のボールを利用しやすかった。フォアでも『PRO』を試しましたが、ぼくの感覚や打ち方では少しコントロールが難しく感じました。自分のスイングで強い回転を出せるのが『Z1ターボ』、意識しなくてもナチュラルに回転をかけられるのが『PRO』というイメージですね。前陣でプレーする選手や、自分から回転をかけていくのが苦手な選手に『PRO』は合っていると思います。
『卓球グッズ2022』より
本ブログでは、ブルーストームPROをレビューしつつ、ブルーストームZ1ターボと比較してみようと思います。
性能値
公表性能値を比較してみましょう。
DONICさんのラバー公表値はあまり参考にしづらいのが、デフォルトですね。一応バランスがとれているのは最新のブルーストームPROであることがわかりますが、スピード性能はもしかしたら、ブルーストームZ1ターボの方が上、というイメージもありますので、やはりやや参考にしにくいです。続いてkatsuo000の硬度計比較になります。
硬度比較をするとラバーの特徴が出ると感じます。katsuo000が所有しているDONICさんのラバーの中では、ブルーファイヤM1ターボよりも軽くなっていてブルーストームZ1ターボとほぼ同等の重さになりました。Z1ターボはくい込みが非常に良くて柔らかいと感じるラバーでしたが、PROはもう少し硬くなっていますね。だいたいテナジー05と同じくらいの硬さになると思います。 前評判にあるように、テナジー05と同等のスピン性能であるならPROは、かなり期待が持てるラバーだと思いますね。
ブルーストームPROの貼りと重量
最近はインナーということで、YASAKA(ヤサカ)さんのReinforce AC(リーンフォースAC)に貼りました。
個人的には硬すぎず、軽すぎず、幅広い選手が使えそうなラバーでした。
Blue Storm PRO(ブルーストームPRO) ・Sponge Thickness:2.0 mm、MAX ・Speed: 11+ ・Spin:11 ・Control:5+ ・Sponge硬度:50.0° ・7,800円 + 税 ・72 → 50 g(リーンフォースAC)
Blue Storm PROの3つの特徴
高い回転性能!これは素晴らしい!
今までのブルーラバーの中でも抜群の回転性能を感じました。回転性能の高いブルーラバーはBlue Fire M1 Turbo(ブルーファイヤM1ターボ)やBlue Grip C1(ブルーグリップC1)などですが、圧倒的に異なるのは、くい込みの良さです。他のラバーがスポンジの硬さで回転をかけるのに対し、ブルーストームPROは、スポンジのくい込みの良さでボールをグリップしつつ強い引き攣れで回転をかけていることが非常に感じやすいラバーでした。強い回転性能は良いラバーの条件だと思いますので、非常にオススメです。
回転性能が高いのに、弾道が低い!
このブルーストームPROの面白いところは、回転性能が高いのに、弾道が低い点になります!80や64系の粒形状に近い、弾道の低いボールが出ますね!ブルーストームZ1ターボも同じような低弾道の弧線で攻撃的でしたが、ブルーストームPROはさらに回転性能も高くて、今までにない特徴のあるラバーだと感じました!攻撃的なのに回転性能が高いというのは面白いラバーだと思いますね。ディグニクス64やディグニクス80も攻撃的かつ高い回転性能を示しますが、シートが硬いのでやや回転をかけることが難しいラバーでもあると思います。このブルーストームPROはどちらかというと、テナジー05の回転性能を持ったテナジー64のようなラバー、と表現できるように感じました。あるいは似ていると感じるのはテナジー19でしょうか。もちろんブルーストームの名を冠しているので、テナジー19よりももっと攻撃的なのがPROだと思います。
粘着ほどではないけど、台上もやりやすい!
回転性能が高いので、やはり台上はやりやすいですね!もちろん、粘着ラバーほどの止めやすさはありませんが、回転をかけてボールを止めることが出来ている感じがありました。ブルーストームZ1ターボはシートは硬いのですが、やや浮きやすいとも感じたので、台上のやりやすさを求めてPROを使うこともアリと感じましたね。値段はやや高いですが、非常にオススメできるラバーだと思います!
各技術レビュー
フォアハンド
軽打
50°のラバーですが、その硬さを感じませんでした。
ロングボールやラリーでのドライブ
回転をかけたいと思ったときにかけられるし、スピードでおしたいというときも低弾道でスピードによるプレッシャーをかけられるドライブが打てて非常に良かったです。この緩急がまさにブルーストームZ1ターボとの違いでもあるかもしれません。ブルーストームPROならドライブの回転量で揺さぶって、チャンスボールを射抜くということが非常にやりやすいと思います!
対下回転に対するループドライブ
これだけ攻撃的なドライブが打てるのに、かなり満足のいくループドライブが打てました。これは評価が高いですね!
対下回転に対するスピードドライブ
ボールの重さは下がるかもあしれませんが、いいボールが打てました。スピンテンション系ラバーらしい伸びを感じられて良かったです。
カーブ/シュートドライブ
回転性能が高いので、思い切り横をとるとかなり曲がります。今までのスピード性能の高いラバーと比較しても特徴的なカーブやシュートのドライブが打てるでしょう。
ブロック
ブルーストームZ1ターボと比較すると、ラバー全体が柔らかいと感じるのはPROの方になります。従って相手の回転の影響はやや受けやすいのがPROになります。ただし、弧線が低いので思ったよりもネットミスが多かったですね。回転をかけてブロックも安定させたいならPROの方がオススメです!
カウンタードライブ
思ったより弧線が低いので、意外とカウンタードライブがやりやすかったです!これは意外でした!
ストップ
十分にとめることが出来ると思います。
ツッツキ
深いツッツキで攻撃的に攻める事が可能だと感じました。
フォアサーブ
回転性能が高いので満足のいくサーブが出せました!
バックハンド系
軽打
十分に柔らかく感じるのでバックでも使えると感じました。
ロングボールやラリーでのドライブ
非常に良いですね。くい込みが良いので安心して懐まで待てるし振り遅れてもグリップ力でコースを狙えると感じました。
対下回転に対するループドライブ
やりやすかったし、回転性能も十分でした!
対下回転に対するスピードドライブ
くい込みがいいのでやりやすいですね!ディグニクスがなかったら使いたい!
ブロック
思ったよりネットミスが多いのが意外でした。粒形状の影響かもしれません。
ストップ / ツッツキ
Z1ターボよりもやりやすかったです。
チキータ
くい込みがいいので、かなりギリギリまでボールを待ってからチキータに行ける感じがありました。これはくい込みの良さにおかげですね。
他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
ディグニクス05 > Q5 ≧ DNAプラチナXH ≧ ターゲットプロXD-52.5 ≧ ラザンターR53 > ブルーストームPRO > G-1 max > ラザンターR48 ≧ エボリューションMX-D > テナジー05
スピード
ディグニクス05 ≧ エボリューションMX-D > ブルーストームPRO >ラザンターR53 ≧ Q5 ≧ ラザンターR48 > ターゲットプロXD-52.5 > DNAプラチナXH > G-1 Max