レビュー Hammond Z2 (ハモンドZ2)

説明

 Nittaku (ニッタク)さんの2022年の新商品、Hammond Z2 (ハモンドZ2)をレビューします!あの日本一売れているラバー、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)を、公表性能値で超えるラバー、Hammond Z2 (ハモンドZ2)ですね!Nittaku (ニッタク)さんの2022年春のパンフレット、卓球王国やYou tubeなどでの宣伝広報を見て、Hammond Z2 (ハモンドZ2)への本気度が伝わってきました。「落としてたまるか! I’ll Never Drop it Down!」の広告をたくさん見たのではないでしょうか。Nittaku (ニッタク)さんの2022年パンフレットからの説明文になります!

”落ちない”から打ち負けない

 ”赤”をまとった「バルクヘッドスポンジ」は、隔壁が強く、エネルギーロスを軽減、反発力を強化。天然ゴム比率が高い「ナチュラルリッチシート」は、薄くとらえても”落ちない”のが魅力。相手の回転を利用したカウンター、台から離れても相手のコートに深く突き刺さるドライブを武器に打ち合いを制す!

 ニッタクを象徴する”赤”の「バルクヘッドスポンジ」。ゴムシート密度が大きい「ナチュラルリッチシート」

Nittaku 2022年春パンフレットより

 、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)も、グリップ力が強くて多くのトップ選手が使うラバーですが、ドイツ製ラバーのためか、シートが厚くて硬い分、チップしやすいというイメージがある人もいるかもしれません。スポンジ厚さMaxが発売されて、チップはしにくくなりましたが、落とすというのはいいイメージはありません。そのイメージを払拭するような宣伝広告になりますね。評判も悪くないようで、非常に期待の試打になりました。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpinSpeedSponge硬度Price
Hammond Z2
ハモンドZ2
13.0016.0040.06,800 + tax
Fastarc G-1
ファスタークG-1
12.5015.0037.56,300 + tax
Fastarc P-1
ファスタークP-1
12.2515.5037.56,300 + tax
Sieger PK50
ズィーガーPK50
12.7514.7540.05,000 + tax
Hurricane III National Rubber Blue Sponge
キョウヒョウ国狂ブルー
15.0014.7542.515,000 + tax
Hurricane Pro III Turbo Blue
キョウヒョウプロ3ターボブルー
15.0014.7550.06,300 + tax
Hurricane Pro III Turbo Orange
キョウヒョウプロ3ターボオレンジ
15.0014.7545.06,000 + tax

 あのFastarc G-1 (ファスタークG-1)よりもスピンもスピードも高い性能を持つのがHammond Z2 (ハモンドZ2)になっていますね。キョウヒョウ系のラバーと比べると少し回転性能に劣りますが、キョウヒョウは粘着ラバーです。ハモンドZ2の前にはSieger PK50 (ズィーガーPK50)も発売されましたが、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)を超えるラバーではありませんでした。今回、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)を超えることを明示して発売されたハモンドZ2は、期待を持ってしまいますね。ただし、ラバーの値段も500円高くなっています。このあたり、どのように評価されるか、市場の動向も楽しみですね。続いて、硬度計で計った硬さを比較してみましょう。

Weightshore ashore ashore cshore cshore ashore c
gsheet sidesponge sheetsponge sidesheet-spongesheet-sponge
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Hammond Z24932.230.643.242.21.61.0
Fastarc G-1 Max4928.926.442.339.82.52.6

 Hammonde Z2 (ハモンドZ2)は、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)と同じ重さで、硬さだけが硬くなったラバーということで、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)ユーザーが非常に移行しやすいラバーといえそうな値となりました。このあたりは、意識していそうですね。一方でFastarc G-1 (ファスタークG-1)を使用するトップ選手があまり移行していないようで、このあたりは影響しそうな気がしています。Fastarc G-1 (ファスタークG-1)ユーザーで有名な選手は、女子トップ選手の伊藤美誠選手や男子では森園政崇選手が有名ですが、こういったトップ選手がFastarc G-1 (ファスタークG-1)からハモンドZ2へ移行しないのは、なぜか。トップ選手の感覚はわかりませんので、想像の域を出ることはないですが、やはりFastarc G-1 (ファスタークG-1)には他のラバーにはない味があるのかもしれませんね。

Hammond Z2の貼りと重量

 今回Hammond Z2 (ハモンドZ2)は、Alnade Inner (アルネイドインナー)に貼りました。

Hammond Z2 (ハモンドZ2)
 ZCセットチャージ
・Sponge Thickness:中/厚/特厚/MAX mm
・Speed:16.00
・Spin:13.00
・Sponge硬度:40.0°
・6,800円 + 税
・69 g(切断前) → 49 g (Alnade Inner (アルネイドインナー)に貼って)

 貼りあがり重量は49 gと一般的な重さでした。あけるとシートに強いテンションがかかっていて、反りあがっていました。今回主にバックで使用しています。

Hammond Z2の3つの特徴

日本製だけどドイツ製ラバーのようにカウンターがやりやすい!

 2021年の終わりから2022年にかけて、ドイツ製ラバーが非常に日本製ラバー (要はTenergy 05 (テナジー05))に非常に近づきました。その中で、Nittaku (ニッタク)さんの新製品として発売されたHammond Z2 (ハモンドZ2)は、日本製ラバーなのにいい意味でドイツ製ラバーらしさ、相手のドライブに負けない攻撃的なラバーでした。テンションも強いので、強く弾む感じもあり、攻撃的なラバーだと感じました。タイミング的にも、Tenergy 05 (テナジー05)よりもDignics 05 (ディグニクス05)を意識しているような使い心地でした。要はDignics 05 (ディグニクス05)に似た強い弾みと回転性能のあるラバーだということです。Fastarc G-1 (ファスタークG-1)はいいラバーですが、ハモンドZ2の方が弾みも強く、ドライブが突き刺さると同時に、カウンターも打ちやすく、攻撃的で非常に好みだと感じました。

イカついパワフルなドライブ!

 インパクトの強い「落としてたまるか!」のフレーズから、シートの強いスピンテンション系のラバーをイメージする人が多いと思うのですが、思ったよりドライブがパワフルでイカついと感じました。バックハンドで使用しましたが、重く感じた分、非常に攻撃的で相手のドライブにも負けにくく、悪い点がみつからなかったです。少しシートの粒がわかるくらいテンションがかかっている分、ちょっとツッツキが飛び出るイメージがありましたが、ここは慣れで対応可能だと思います。チキータやバックハンドドライブも非常に安定感があってネットミスよりもオーバーミスが多かったと感じたところからも「落としてたまるか!」を体現しているラバーだと感じました。弧線の強さはDignics 05 (ディグニクス05)の方が強いのですが、ラバーがDignics 05 (ディグニクス05)ほど硬くはないので、しっかりボールをグリップできてチキータやバックハンドドライブが非常にやりやすく感じました。ただ、ボールを持っている感が少し弱いので、このあたりは得手不得手が出そうなイメージですね。こういった特徴もDignics 05 (ディグニクス05)らしさを感じました。

いい意味でDiginics (ディグニクス)の廉価版!

 値段も考慮すると、Dignics (ディグニクス)の廉価版という表現をしても良いのではないかと思いました。どこまで意識しているかわかりませんが、スポンジの色、シートの粒形状など、Dignics 05 (ディグニクス05)に似ていると感じました。今後ハモンドZシリーズのようなラバーが登場するかもしれませんが、ディグニクスの中でもDignics 05 (ディグニクス05)Dignics 80 (ディグニクス80)に近いラバーという認識で良いと思います。ディグニクスシリーズの性能を高く評価するのであれば、このラバーを高く評価するのではないかと思います。まだ、バタフライさんからディグニクスシリーズの廉価版が発売されていない今、かなり良い選択肢ではないかと思いますね!

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に違和感なかったです。ただ抗菌ボールで打ったためか、少し威力がないようにも思いました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 全然違和感なく使えました。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比べるとやはりスピード性能が高く、回転性能は劣る、という感じでした。

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ
 思ったより打ちにくかったです。ディグニクスっぽさがあるという表現が正しいと思います。慣れるとディグニクスよりも弧線は弱いので、扱いやすいと感じました。

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 これはよかったです。相手のボールに負けないんですよね。この感じのラバーは好みです。

カウンタードライブ
 やりやすかったです。

ストップ

ツッツキ
 少し飛び出すと感じました。

フォアフリック

フォアサーブ

バックハンド系

軽打
 やや重たいと感じつつも、ボールが早くて良かったです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ボールがイカつくてかなり驚きました。これはありですね。もし欠点を挙げるならFastarc G-1 (ファスタークG-1)の方が、ボールが荒れやすく、Hammond Z2 (ハモンドZ2)の方がボールが揃いやすいかもしれません。

対下回転に対するループドライブ
 ループドライブも打ちやすかったです。Dignics 05 (ディグニクス05)と比べると少し回転量が弱い気もしましたが、抗菌ボールの影響が出ているかもしれません。

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 非常にやりやすかったです。回転に負けない硬さを感じました。

カウンタードライブ
 やりやすいと感じました。シートが強いからかなと感じます。

ストップ

ツッツキ
 少し弾みが強いと感じやすかったです。テンションの強いラバーだからだと思います。

チキータ
 ネットミスがほとんどなかったです。良くボールを持ち上げてくれて使いやすかったです。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 > Hammond Z2 ≧ Fastarc G-1

スピード
 Dignics 05 > Hammond Z2 > Fastarc G-1

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