説明
TIBHAR(ティバー)さんの最新の注目ラバー、Hybrid K3(ハイブリッドK3)をレビューさせていただきます。TIBHAR(ティバー)といえば、ベラルーシの巨人Vladimir Samsonov(ブラディミル サムソノフ)選手、東京オリンピックで張本智和選手をフルセットで粘り勝ち、ワールドランキングも上り龍が如く上げているスロベニアのDarko Jorgic(ヨルジッチ)選手、2022年1月全日本選手権大会準優勝の松平健太選手、元オランダ代表で水谷隼選手のプライベートコーチも経験しYou Tubeでティバーを売り込みまくるG.C. Foerster(フォースター)さんや、ルーマニアの美人選手Bernadette Szocs(スッチ)選手が契約するドイツメーカーになります!
特に今年の1つの大きな話題になった松平健太選手のバタフライからティバーさんへの電撃契約は、驚きだったのではないかと想像します!松平健太選手は、とりあえずバックハンドにハイブリッドK3を使うことを決めて契約したということだそうです。他にも登り龍Darko Jorgic(ヨルジッチ)選手やイギリスのPaul Drinkhall(ドリンコール)選手、クロアチアのTomislav Pucar(プツァル)選手、ベルギーのCedric Nuytinck(ニュイティンク)選手もフォア面にハイブリッドK3を使用しています!今までテンション系ラバーを使用していたヨーロッパのトップ選手がハイブリッドK3へ変更していることから、スピン系テンションラバーからの移行も難しくないことを暗に物語る、そんな粘着テンションラバーが、ハイブリッドK3といえそうです。
他のティバーさんのラバーといえば、ハイエンドラバーとして契約選手が多く使用するEvolution(エヴォリューション)シリーズ最新の一枚、Evolution MX-D(エヴォリューションMX-D)が、今大ブレイクしている印象です!このラバーは卓球王国別冊の「卓球グッズ2022」のブラインド試打企画で、ディグニクス05やモンスターラバーのテナジー05を抑えて評価No.1になりました!値段も定価6,500円+税とディグニクスの税込み価格10,780円と比較すると半額くらいで、とてもリーズナブルなラバーになりますね!個人的には少し回転で沈む感じが乏しいものの、ボールの走りは爽快でスピード性能が非常に高いと思いました。スピードが速いにもかかわらず、シートも硬いので、回転性能が高く、台上はおさまりが良くて切れる、ドライブの打ち合いでは負けない強さを示す非常に高性能なラバーだと思います。
今回のハイブリッドK3は、ティバーの看板のスピン系テンションラバーであるエヴォリューションシリーズではなく、粘着テンションラバーシリーズであるハイブリッドシリーズの1枚になります。日本では、Hybrid K1J(ハイブリッドK1J)が発売されていて、一般で東京選手権予選を通過する今西健太郎選手(東山高校→同支社大学)が一時期フォア側に使用していたことでも有名ではないでしょうか。粘着ラバーに近い強い回転性能を持ちつつ、テンションラバーに近いスピード性能を持つ、良いところどりの粘着テンションラバーとして、粘着ラバーユーザーの選択肢の一つになっていた印象です。そんなハイブリッドK1Jの次のラバーとして、登場したのがハイブリッドK3になります。ハイブリッドK3の説明について、ティバーさんの発信情報を確認してみましょう。
ハイブリッドK3は、これまで同時に実現できないと思われていた特性を兼ね備えています。「強烈な回転、弧線」と、「強い反発性能」が一枚のラバーに内包されていることを、実感できるでしょう。
強いバックスピンやトップスピンも難なくかけ返せる感覚を与えてくれるトップシート。速い打球を生み出すハードスポンジ。高性能ラバーは、コントロールやコース取りが難しいものですが、K3を使えばマスター出来るでしょう。
K3の無限の可能性を体感してください。
http://www.tibhar.jp/rubber.htm
ヨルジッチ御用達の「ハイブリッドK3」。最強の粘着テンションが日本に上陸。この摩擦力を体感せよ。
2021年夏のビッグゲームで世界4位の選手を倒し、台風の目となりベスト8に入った、ダルコ・ヨルジッチ(スロベニア)。破壊力のあるバックハンドの連打を武器に、フォアのカウンタードライブは強烈だ。粘着系テンションラバー「ハイブリッドK1J」を進化させた「ハイブリッドK3」をフォア面で使っているヨルジッチはこのラバーをこう語る。「下回転のボールを打つときや、相手ボールをカウンターする時、このラバーは僕に自信と安定感を与える。このラバーはぼくのプレースタイルに最適のラバーだ」。
抜群のグリップ力があり、使いやすさと威力を兼ね備えた「ハイブリッドK3」だが、開発にたずさわったティバー・アジア地区ゼネラルマネージャーのG.C.フォースターは「並外れた摩擦力のあるラバーだ。従来の粘着系テンションと比べても、より攻撃的なプレーができる」と太鼓判を押す。
恐るべき粘着テンションが日本に上陸した。この摩擦力で、この飛び。ヨルジッチが証明した「K3」の破壊力。
http://www.tibhar.jp/TIBHAR_2022catalog.pdf
世界に衝撃を与えたヨルジッチ使用の粘着テンション
2021年世界選手権ヒューストン大会で強豪を次々と倒して上位に進出したダルコ・ヨルジッチ。彼がフォア面に使用するのは粘着テンションの決定版と言われる「ハイブリッドK3」。「下回転のボールを打つ時や、相手のボールをカウンターする時、このラバーは安定感があり、ぼくに自信を与えてれる」とヨルジッチも絶賛。スポンジ硬度53度で強烈な摩擦力を備えている。
http://www.tibhar.jp/TIBHAR_2022catalog.pdf
特に驚くのは値段です。ハイブリッドK1Jは4,900円+税に対し、ハイブリッドK3は7,700円+税とティバーのラバーの中でもダントツに高いですね。この値段設定はフラグシップラバーであるエヴォリューションシリーズよりも高い設定になりますね。それだけ、このラバーの性能の高さに自信をもって発売していると言えるのかもしれません。高い期待を持って試打しました。
性能値
公表性能値を比較してみましょう。
ハイブリッドK3は、回転性能の高いラバーであることがよくわかりますね。現在発売されているティバーのラバーの中で最も回転性能が高いことがわかります。またハイブリッドK1Jよりもスピード性能が高くなっていて、値段を考慮してもK1Jから進化したラバーがハイブリッドK3であることがわかります。続いて硬度比較です。
ハイブリッドK3は重量は多少50 g台とやや重いですが、硬度はそこまで硬くないことがよくわかりますね。これだけ柔らかいと、かなり使いやすいラバーではないかと想像できますね。硬さで例えるとテナジー05と同等といえそうです。
ハイブリッドK3の貼りと重量
Hybrid K3(ハイブリッドK3) 粘着系テンション OFF+ ・Sponge Thickness:2.0/max mm ・Speed:118 ・Spin:130 ・Control:100 ・Sponge硬度:53° ・7,700円 + 税 ・72 g(白い粘着シート込み) → 51 g(970XXX-KLCに貼って)
そこまで重たくなかったですね。想像以上に柔らかいし、重くないので、驚きました。スピン系テンションラバーにかなり近い数値ですので、スムーズにスピン系テンションラバーからハイブリッドK3へ移行しやすいと思います。またシートの粘着ですが、ハイブリッドK1Jと同様に微粘着シートでした。ドイツ製の粘着テンションは基本的にはシートの粘着感はほとんどなくて、微粘着か微々粘着シートになりますね。
Hybrud K3の3つの特徴
硬ければいいわけじゃない!粘着らしい重いボール!
粘着ラバーらしさを抜群に感じました。柔らかいと感じはしましたが、柔らかいのに、粘着ラバーらしい回転量や重いドライブだと、相手の方にも言ってもらいました。また個人的にはバックハンドにも使えそうだと感じました。それくらい柔らかさのあるラバーであるにもかかわらず、粘着らしい回転と重さが得られるラバーということで、扱いやすくて非常に性能の高い粘着テンションラバーだと感じました。
粘着テンションラバーということで、スピード性能も高い!
スピン系テンションラバーと比較すると、マッドで爽快感は落ちますが、キョウヒョウなどの中国粘着ラバーと比較すると明らかにスピード性能が高いと感じました。これだけスピード性能も高くて回転性能も高いと、イメージとしては、テナジー05の上位互換といえるような高性能ラバーがハイブリッドK3だと感じました。ディグニクス09Cと比較すると回転性能はやや劣るかもしれませんが、その分、ボールの走りは明らかにハイブリッドK3の方が速くて走ってました!他のディグニクスラバーと比較してもディグニクス09Cは、ややボールの走りが劣るラバーですが、ハイブリッドK3ならボールが走るので、良い粘着系のラバーの選択肢になると思いました。
粘着ラバーだけど、面を開いた打ち方をしなくても性能が引き出せる!
普段、自分はOmega VII China Ying(オメガVIIチャイナ影)を使っていますが、その性能を引き出すには、面を開いてドライブした方が回転性能が高く、スピードドライブも打ちやすいと感じます。ハイブリッドK3は、打ち方による差はあまり感じませんでした。つまりどのような打ち方でも、ハイブリッドK3の性能を引き出しやすいということだと思います。特にバックハンドグリップで少し巻き込んでドライブする人は、粘着ラバーを使うと、少しスピードドライブを打つことが難しいと感じやすいと思いますが、ハイブリッドK3なら、そのように感じることが少ないのではないかと感じました。回転性能の非常に高いスピン系テンションラバーを使っているような感覚になるのが、ハイブリッドK3だと思います!
各技術レビュー
フォアハンド系
軽打
特に違和感なかったです。
ロングボールやラリーでのドライブ
ボールの走りは、粘着だと思えば速くて、スピン系テンションラバーだと思うとやや遅いと感じる性能だと思います。個人的には柔らかいと感じるので、スピードドライブが非常に打ちやすかったです。ここまでくい込みがいいと回転性能に不安を感じましたが、十分回転もかかっているということで、性能の高さを感じました。さすが、ティバーの激推しラバーだと思います。MX-Dよりも使ってみたいと感じさせるティバーラバーでした。
面を開いたドライブ
特徴でも触れましたが、面を開かなくてもいいボールが打てます。が、やはり面を開いてしっかりボールをくい込ませて打つとやはりボールが走りますね。
対下回転に対するループドライブ
シートがそこまで硬いラバーではないので、非常にループドライブがやりやすいと感じました。これは武器になりますね。低くて浅いループドライブがやりやすかったです。MX-Dはシートが硬いので、慣れないとややこういったループドライブがやりにくいのではないかと思います。
対下回転に対するスピードドライブ
やりやすかったですね。ボールを引き込む事で、多少打球点を落としてもスピードドライブできるのは楽ですね。
ストップ
粘着ラバーですので、簡単でした。
ツッツキ
柔らかい分、切りやすいと思います。
フォアサーブ
しっかり切ることができて良かったです。
バックハンド系
軽打
スピン系テンションラバーとくらべるとマッドな打球感ですね。
ロングボールやラリーでのドライブ
バックハンドだと疾走感がやはり落ちると感じました。これは自分のバックハンド技術不足によるでしょうね。そのかわり球持ちがしっかりあるので、回転は非常にかけやすかったです。
ストップ
これも良かったです!止まりますね!
ツッツキ
切れます!
チキータ
個人的にはかなりチキータがやりやすかったです。球持ちがいいんですね。
他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
Dignics 09C > Hybrid K3 > Tenergy 05
スピード
Tenergy 05 ≧ Hybrid K3 > Dignics 09C