裏ラバーのトップシート

シート形状が与える影響

 近年、ラバーのシート形状は非常に重要なチェックポイントとなりました。卓人がシート形状について、意識するようになった大きなきっかけを作ったのは、モンスターラバーTenergy 05(テナジー05)の登場でしょう。モンスターラバー、テナジー05およびテナジーシリーズは、同じスポンジに対し、異なるシート形状をあわせることで、全く異なる特徴が現れます。本ページでは、抽象的ではありますがトップシートの粒形状について説明していきます。それでは、どのような因子が影響するか、概略させていただきます。

トップシートの厚さ

 トップシートの厚さは、回転量、硬さ、重量に大きく影響します。

薄いシート: 柔らかく感じ、重量が軽くなる
厚いシート: 硬く感じ、重量が重くなり、強度が高くなり、回転性能が高くなる

 モンスターラバー、テナジー05と同じ回転量を得るために、他メーカーのラバーではシートを厚くすることで補っていることが多いのではないかと思います。その結果、回転量は同等でも重量が重くなったり、くい込みにくかったりするのでしょう。また粘着ラバーは、全体的にトップシートが厚く、重いものが多い印象です。逆にヨーロッパのラバーラインナップの中には、相当くい込みの良いラバーも必ず数枚は存在し、シートを薄くするなどで設計していると思います。

粒の太さ

 粒の太さは、硬いと感じるか扱いやすさに影響します。

太い粒: 粒が倒れにくいので、押され負けない。太すぎると倒すのにパワーが必要。
細い粒: 粒が倒れやすく、エネルギーロスが多くなる。

粒と粒の間隔

 粒と粒の感覚は、粒の倒れやすさに関係します。

広い間隔: 粒は倒れやすくなる。
狭い間隔: 粒は倒れにくく、硬く感じる。

粒の高さとスポンジの厚さは合計4.0 mm以下

 これは国際ルールに則ったものです。ラバー全体の厚さは4.0 mm以下にしないといけません。だいたいどのラバーも3.7〜3.8 mmに収まるように設計されているそうです。昨今の水溶性接着剤でも、厚ぬりをすると4.0 mmを超えることがありますので、気をつけましょう。

シート形状

 まずは世界標準、テナジー05に注目してみましょう。

Tenergy 05(テナジー05)
 シートの厚さ: 中
 粒間隔:    やや狭い
 粒の高さ:   中
 粒の太さ:   中(1.7 mm)

Tenergy 19(テナジー19)
 シートの厚さ: 中
 粒間隔:    やや狭い
 粒の高さ:   中
 粒の太さ:   細い

Dignics 09C(ディグニクス09C)
 シートの厚さ: 特厚
 粒間隔:    やや広い
 粒の高さ:   低い
 粒の太さ:   やや細い

V>15 Extra(V>15エキストラ)
 シートの厚さ: 厚
 粒間隔:    狭い
 粒の高さ:   中
 粒の太さ:   中

Triple Double Extra(トリプルダブルエキストラ)
 シートの厚さ: 中
 粒間隔:    やや広い
 粒の高さ:   やや低い
 粒の太さ:   やや細い

Ventus Extra(旧Super Ventus、ヴェンタスエキストラ、旧スーパーヴェンタス)
 シートの厚さ: 厚
 粒間隔:    やや狭い
 粒の高さ:   やや高い
 粒の太さ:   やや太い

Rakza X(ラクザX)
 シートの厚さ: 厚い
 粒間隔:    やや狭い
 粒の高さ:   やや高い
 粒の太さ:   中

Rakza 7(ラクザ7)
 シートの厚さ: 厚い
 粒間隔:    やや狭い
 粒の高さ:   中
 粒の太さ:   中(1.7 mm)

Rasanter R48(ラザンターR48)
 シートの厚さ: 中
 粒間隔:    やや狭い
 粒の高さ:   中
 粒の太さ:   中

Fastarc G-1(ファスタークG-1)
 シートの厚さ: 厚い
 粒間隔:    やや狭い
 粒の高さ:   中
 粒の太さ:   中

Omega VII Tour i 50(オメガ7ツアーi50)
 シートの厚さ: 中
 粒間隔:    中
 粒の高さ:   中
 粒の太さ:   やや細い

DNA Platinum XH(DNAプラチナXH)
 シートの厚さ: 中
 粒間隔:    中
 粒の高さ:   やや低い
 粒の太さ:   やや細い

Evolution MX-D(エヴォリューションMX-D)
 シートの厚さ: 厚い
 粒間隔:    中
 粒の高さ:   中
 粒の太さ:   やや細い

SNSでもご購読できます。