卓球王国 2022年8月号 -その2-

裏ソフトの重量ABC

 今月号は、新入部員向けの卓球用具の基礎知識特集が掲載されていました。個人的には今更感もあるのですが、改めて確認していきたいと思います。まず裏ソフトラバーの重量を決める3大要素は「ベースの厚さ」、「粒の太さ」、「スポンジ硬度」になります。シートの「ベースの厚さ」が厚いほど、「粒の太さ」が太いほど、「スポンジ硬度」が硬いほど、重たいラバーになるんですね。

裏ソフトラバーの重さ
 ・ベースの厚さ シートが厚いほど
 ・粒の太さ   太いほど
 ・スポンジ硬度 硬いほど
裏ソフトラバーは重くなる。

近年のラバーは重くなっている!

 卓球では現在プラボールが採用されています。このプラボールは回転がかかりにくいと言われています。そこで、トップ選手を初め多くの選手が、回転性能の高いラバーを好む傾向があり、スピン系や粘着系のラバーが流行ってきています。スピン系や粘着系のラバーは、シートのベースが厚く、粒の太さも太く、スポンジも硬いラバーが多い傾向にありますね。つまり重いものが多くなってきていますね。レギュラーサイズのラケットに貼った際に、40 g台のラバーから、40 g後半が一般的でしたが近年では50 gを超えるラバーも多くなってきて、50 g後半のラバーも発売されるようになってきました。今後どのくらいの重さのラバーが増えるのかわかりませんが、全体的に重くなっていることは事実でしょう。

なぜラバーの「平均重量」は掲載されないのか?

 どうしてもラバーはラケットに貼って初めて完成するので、「未完成」で販売されており、貼るラケットや使用する接着剤によっても、重量が変化するため、「平均重量」はパンフレットに掲載されていません。

重量を減らしたい

① スポンジを薄くする

② スポンジを柔らかくする

③ 軽さが特徴のラバーを選ぶ

④ ラケットを軽くする

 1つ目のトピックスで触れたとおり、ラケット重量を減らしたいなら、同じラバーでもスポンジの薄いもの、スポンジが柔らかいラバーなどを選択するのが一般的といえるでしょう。また軽さが特徴と言われているラバーを選択するのも手段だということが提案されています。たとえば、V>11 Extra(V>11エキストラ)とかVega Euro(ヴェガヨーロ)などが例として挙げられていました。またラケットを軽いものに変更する、という手段も挙げられています。

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katsuo000提案の軽量化方法

サラサラ系の接着剤でラバーを貼る。

 ここで挙げている手段はあくまでも一例ですので、ご参考程度に考えてみてください。サラサラ系の接着剤を初めから使っていると使えませんが、サラサラ系の接着剤を使うことで、軽量化がはかれます。たとえばNittaku(ニッタク)さんのFine Zip(ファインジップ)はトロトロ系の接着剤で非常に重くなりやすいですが、これをYASAKA(ヤサカ)さんのサラサラ系ののり助さんへ変更することで、重量を1~3 gくらいは抑えることができると思います。できれば、業務用ののり助さんではなく、小さいサイズののり助さんの方が重量増加は抑えやすいと思います。

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少しグリップから離してラバーを貼る。

 焼石に水、程度かもしれませんが、ラケットのブレード面積に対し、全面にラバーを貼るのではなく、少しでも減らすためにグリップから数mm離して貼るというのも手段としてはありだと思います。この手段は軽くはなるのですが、できて1 g程度、しかもラケットの重量バランスが変わる可能性があるので、そういった点も含めて選択する必要があると思います。ラケットの重量バランスの点では、先端重心になりやすい貼り方になるので、それを了承して選択することをオススメします。

やや極論ですが、素振りで筋力をつける

 やや極論的な話ですが、素振りをすることで、重量を気にしないようにするのも手段ではないかということで、あげています。実際現在、200 g台のラケットを使っていますが、そこまで重量は気にしていません。そのように感じる理由は練習はできていませんが、素振りは定期的に行っているからだと感じています。素振りには、やっぱりバタフライさんのSubuly(スブリィ)がオススメです。重量は250 g前後あってやはり重たいです。これだけ重いラケットで素振りをして慣れれば200 g台のラケットでも十分にスイングできるようになるでしょう。

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ラバーは生き物、必ず「個体差」はあるから「ベスト重量」を把握せよ

 どれほど精密に作っても必ず「個体差」が出てくるのが一般常識になります。ゴムに発泡剤を加えて膨らませて作るスポンジは繊細で、微妙に変化しやすいそうです。感触が良かったラバーについては「ベスト重量」として重量を記憶することも重要になってくるそうです。

ラケットが重いとどうなる?

重いラケット
 メリット:相手のボールに押されずに威力のあるボールが打てる
 デメリット:加速に力(または時間)が必要

軽いラケット
 メリット:少ない力で(または短時間で)ラケットを加速できる
 デメリット:相手のボールに押されて、打球面がブレやすい

振り初めで、力が必要になる 
 「重いラケットは加速しにくい」

打球感が鈍くなる
 「重いラケットは打球時の振動が小さくなる」

相手のボールに押されないが、ボールは速くならない
 「重いラケットは、衝突後のラケットスピードの減速が少ない」
 「速くなるわけではないので、軽いラケットでスイングが速い方が速いボールは打ちやすい」

特に回転系打法で重く感じる
 「チキータ、サービス、ドライブなどの回転系技術において、顕著にラケットは重く感じる。」

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