松平健太のゼロストップ Vol.2 からの考察
5月号に続き、技術特集で、松平健太選手の台上技術が取り上げられています。5月号では、所属のTT彩たまのユニフォームでしたが、6月号では契約したてのTIBHAR(ティバー)ユニフォームになっており、複数日で撮影されたのではないかと思われます。
今回初の技術特集について、katsuo000は記事として取りあげたいと思いました。考察ポイントは回転へ準ずるか反するか、になります。
松平健太選手は、言わずも知れたトップ選手であり、キング水谷隼選手がいなければ日本卓球界をトップで牽引していても何ら違和感のない選手だと思います。水谷選手という驚異的な天才がいたから松平健太選手がかすんでしまいますが、やはり松平健太選手も天才と言われた選手です。水谷選手に世界卓球で勝利した張本選手も、2018年のブルガリアOPで松平健太選手に辛酸をなめています。そんな松平健太選手の技術はまさに教科書と言っても良いと思うのです。
そんな松平健太選手の台上ストップ技術について、特集されていました。特に違和感なく拝読させていただきました。よくよく読み返していて、気になったのはトップ選手のストップは基本的には相手の回転に反する(相手の回転に逆らう)角度でラケットを出して相手の回転を抑え込む、ということです。katsuo000が指導を受けたものと同じものだと感じました。従って例えば、右利きの順回転系の横上回転サーブに対しては、相手の回転を受けるとボールは右へ飛んでしまうので、ラケット角度はフォア側を向けるようにしてとらえるということです。この捉え方をすると相手の回転の影響をもろに受けやすいですが、それ以上の角度でしっかりボールを制御してあげるわけですね。この当たりの角度が試合で出せるのが、まさにトップ選手なのだと思います。自分は試合では横はわかっても下の強い横なのか、上の強い横回転なのか、判断に迷うときは往々にしてあります。こういったサーブに対しても的確に判断して横下回転ならこの角度、横上回転ならこの角度、と考えてストップできるのですから、トップ選手は凄いなーと思います。自分は下ならストップまたはツッツキにいきますが、横上とわかったんらストップではなく、フリック気味に払ってしまいますね。結構ストップをするのはリスキーなイメージです。しかも回転に逆らう面で角度を出すので、角度次第でミスやチャンスボールになりやすいのも、この返球方法だと思ってしまいます。ただ、ストップという技術は基本的には相手の回転に対し逆らうようなラケットの出し方で角度を調整するのが正しい、というのがkatsuo000の理解ですね。
katsuo000は回転に順ずる角度の出し方、もレシーブの1手段として悪くない、場合によっては効果的という認識です。そのメリットの一つとしては、ボールの反発が少なく浮きにくい、相手が取り慣れていないこともある、といった点が挙げられると思います。回転に順ずるというのは、上回転のボールをカットするとか、右利き順横回転に対して、同じ回転をかけるように返球する、などですね。ただしトップ選手がストップにおいて、回転に順ずる面を出さないのは、恐らくコントロールがしづらいといった点があるのではないか、というのが今回の松平健太選手の台上ストップから、考察した点でした。特にトップ選手のストップは打球点が非常に早く相手の時間を奪う点もあるため、その打球点でストップを決めるには、やはり回転に対して反する角度で相手の回転を抑え込むのが良いのでしょう。Y.Y Link(ワイワイリンク)の横山選手/コーチもストップの動画を多くYou tubeなどで挙げてますが、やはり回転に反する面を出しますよね。上回転系のボールにはラケット角度をやはり立てて、切り落とすようにストップしています。やはりストップは回転に反する角度で行うものなのでしょう。
全日本選手権を経験しているコーチにも伺ったことがありますが、相手の回転に対し順ずるボールが打ちにくいかどうかでいうと、全然嫌ではなく、打ち込めるとおっしゃっておりました。むしろ飛んでこないことが多いので、その時に打ちにくいと感じる程度だそうです。自分は一般の試合で、普段なれていない回転に順ずる返球で試合を崩された経験があったので、聞いてみた次第でしたが、トップ選手はそんなことはないようですね。おそらく、トップ選手は、どんな回転のボールでも自分の回転にして相手のコートに入れる打ち方を理解しているので、回転のことにそこまで捕らわれることはないのかもしれません。むしろ回転を意識しすぎて返球が遅くなるほうが致命的なのかもしれませんね。