説明
DONIC(ドニック)は、日本では少々マイナーなメーカーですが、スウェーデンの天才Jan-Ove Waldner(ヤン=オベ・ワルドナー)選手やJorgen Persson(ヨルゲン・パーソン)選手、また昨年まではDimitrij Ovtcharov(ディミトリオフチャロフ)選手が契約していたメーカーになります。オフチャロフ選手は水谷隼選手の親友でありライバルとされる選手ですね!最近では、関西のYou Tuber「ごぶりんず」さんにも取り上げられ高い注目を浴びているメーカーではないかと想像します。なおごぶりんずさんのオススメはこのブルーストームZ1ターボのようです。
ブルーという名前のついたDONICのラバーは多数あり、現在20種類あります。
・Blue Grip(粘着ラバー) 2種
・Blue Storm(ブルーストーム) 5種
・Blue Fire(ブルーファイヤ) 9種
・Acuda Blue(アクーダブルー) 4種
卓球王国のゆうさんも複数の種類があるため、概説する動画を挙げています。
今回試打したブルーストームはスピード系のラバーになります。なお回転系のラバーがブルーファイヤ、安定感のあるラバーがアクーダブルーになるそうですね。
性能値
公表性能値を比較してみましょう。
DONIC(ドニック)さん公表の性能において、+1つを0.25、-を0.1と換算して図を作成してみました。さすが、Z1ターボは最新のラバーですのでスピンもスピードもDONICのラバーの中でも粘着ラバーを除くと最高の性能となりますね。これは期待が持てますね!基本的にはターボがついたラバーはどれも同等の回転性能を持ち、スピードが速いのがブルーストーム系の特徴と言えそうです。
Z1ターボの貼りと重量
Blue Storm Z1 Turbo(ブルーストームZ1ターボ) ・Sponge Thickness:1.8 mm、2.0 mm、MAX+ ・Speed: 11 ・Spin: 10+++ ・Control: 6- ・Sponge硬度:50° ・オープンプライス (5,000円前後) ・73 g(切断前) → 50 g(張継科ZLCに貼って)
Blue Storm Z1 Turboの3つの特徴
1. 上回転のラリーにおいて、振り遅れても落ちない!
一番感じたブルーストームZ1ターボの特徴は、上回転のラリー時に振り遅れたとしても全く落ちないことです。よって最低限のドライブをかけることができるので、非常に安定してラリーすることが可能でした。スポンジ硬度はドイツ基準で50°ですが、非常に食い込みがよく中間硬度くらいに感じましたね。上回転ラリー時に、受け身で反応が遅れても、盛り返せるくらいの対応能力の高さがラバーの力によって得られると思います!
2. 弧線の低さとスピードはブルーラバーNo. 1!
ブルストZ1ターボの弧線の低さ、球離れの速さ、直線性の高さは他のブルー系ラバーと比較してもダントツで高かったです!1つ目の特徴、ふり遅れても落ちないくらい食い込みの良いラバーですので、非常に安定感があるドライブが打てて、それでいて、そのドライブが弧線が低くて球離れが速くて、直線性が高いということは、これはバック主戦型をイメージしたバック用ラバーと言えると思いますね!非常にスピードが出しやすく、入れることを意識するだけで気づけばラリーで相手を圧倒したり、相手を後手後手に回すことができるラバーでした!
3. シートが硬めで回転の影響を受けづらい!
ブルーファイヤでも感じたことで、シートが硬めなので思ったより回転の影響を受けづらく非常に好感触でした!回転の影響を受けにくいので、ブロックやカウンタードライブがかなりやりやすかったです。おそらく、硬めのシートなのですが、厚さはMax+でシートの厚さは薄く、食い込みやすいけど芯のあるシートなのではないかと想像します。相手も取りやすいボールになっている感じもありましたが安定感があって扱いやすくてラリー志向なラバーでした。
各技術レビュー
フォアハンド
軽打
硬さを感じませんでした。ボールは弧線を描いていますが、非常に低いと感じました。
ロングボールやラリーでのドライブ
下がってドライブを打とうとすると、少し弧線の低さを強く感じました。下がった場合は少しネットの上へ打ってあげないと落ちる感じです。回転量でボールが沈むという感じもなく、単純に弧線が低いのだと感じました。
またドライブが全然かかっていないと受けていただいた方にも教えていただきました。逆に取りにくいというコメントもいただきました。ある意味ドライブ回転がかかりにくいのかもしれません。フォアとバックで、粘着ラバーや回転のよくかかるスピン系テンションラバーと組み合わせることで、ドライブの回転量の差を狙った相乗効果を期待できるかもしれません。
面を開いたドライブ
弧線が低いので、巻き込むようなカーブドライブだとボールが浅く入りやすく必然的に面を開いてぶつけ気味にドライブすることが多かった印象です。面を開いたから回転量が増えるとか粘着特有のぶつけながら擦るとかがやりやすいという感じはありませんでした。
対下回転に対するループドライブ
結構難しかったです。弧線が低いから思ったよりネットミスが多くなりやすい印象でした。
対下回転に対するスピードドライブ
これも弧線が低いので気持ち上へ持ち上げる必要を感じました。
カーブ/シュートドライブ
あまりカーブ/シュートしない印象でした。自分の力量不足かもしれませんが回転量は少し弱いと感じました。
ブロック
ブロックはやりやすかったです。回転の影響も受けにくく、ドライブからミート系のナックルボールまで取りやすかったですね。
カウンタードライブ
フォアだと少し球離れが速く感じて難しさも感じましたが、概ねやりやすかったです。
ストップ
結構浮きました。また回転量も少ないと思います。
ツッツキ
ただし、スピードのあるツッツキはやりやすかったです。
フォアフリック
これはやりやすかったですね。回転をかけるよりも角度打ちに近い方がやりやすかったです。
バックハンド系
軽打
本当に50°?って感じるくらい柔らかく感じました。
ロングボールやラリーでのドライブ
やりやすかったです。低いなりにもちゃんと弧線を描くので安定感もありました。
対下回転に対するループドライブ
少し難しかったです。弧線が低過ぎて非常にネットミスが多かったです。
対下回転に対するスピードドライブ
浮いたボールならやりやすいのですが、自分の技量でバックでは難しかったです。
カーブ/シュートドライブ
横をとらえたドライブはできるのですが、ほとんど曲がらなかったです。
ブロック
やりやすかったです。回転の影響が少ない上にしっかり食い込むのでかなりやりやすい方だと思います。
カウンタードライブ
バックハミート気味にカウンターしてしまうので、やりやすかったです。ただし打球点を落とすと難しいと想像します。
ストップ
フォアほどではないですが浮きやすかったです。
ツッツキ
低くすることはできませすが切るのはかなり難しいと感じました。
チキータ
思ったより速いチキータがやりやすかったです。縦の強下回転は難しかったです。
他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
Blue Fire M1 Turbo > Tenergy 05 > Blue Fire JP01 Turbo > Blue Storm Z1 Turbo
性能表で、Blue Fire M1 Turboと同じ回転量のラバーとは感じ難かったです。Blue Fireの方が圧倒的に回転がかかると思います。
スピード
Dignics 64 > Tenergy 64 > Blue Storm Z1 Turbo > Tenergy 80
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