レビュー 「卓球戦術ノート」

説明

 卓球戦術ノートとは、1975年世界選手権シングルス3位で、「ミスター・カットマン」と呼ばれ、全日本選手権で3回優勝、元全日本男子監督および近畿大学教授という経歴をもつ高島規郎(たかしま のりお)さんの人気シリーズの書物になります。今回レビューする1冊目の「卓球戦術ノート」は2001年に刊行された、この本のシリーズの1冊目になります。この本のポイントは下記になると思います。

「卓球戦術ノート」の要点

戦型別の戦術

 katsuo000が特に興味深く読ませてもらう一番の理由は、戦型別の戦術について具体的に述べられている点です。戦型が明確になると、具体性があがり、一定の理解納得が進むため非常に参考になりますね。ただし、この本は2001年の書物ということで、チキータはまだ普及しておらずその考えが欠けたものになっているのは気をつけた方がいいかもしれません。他のシリーズ本と比較すると、最も古いので、katsuo000が学生時代に指導者からよく聞かされた鉄則や考え方が多いように感じられました。

 どのスポーツも同じだと思いますが、トレンドがあり新しい理論や考え方が常に生まれては消えています。プラボールになって、再度フォアハンドの威力は見直されてきているようにも思いますので、フォアハンド主戦の昔の考え方に触れるには非常に良い本となっていると思います!

40 mmボール移行後の書物

 2000年ごろは卓球のルールにおいて大きな変化のあったころになります。本書物は38 mmボールではなく、40 mmボール移行後の書物として書かれていて、現代卓球にも通じる部分があるといえるでしょう!ただし、プラボールではなくセルボールであることはお忘れなく。

11点制へ移行後の書物

 ボールと同じく大きなルール変化として、1セット21点制から11点制へ移行しました。変更後の日は浅かったと思いますが、11点制への考えが記載されているのは興味深いですね。

レビュー

章構成とページ数
 第1章 「戦術」とは何か:59 P
 第2章 勝つための戦い方 スコア・マネジメント:54 P
 第3章 戦型別の基本戦術:55 P
 第4章 メンタルが支える戦術:59 P
 第5章 40 mmボール時代を勝ち抜くには:42 P
  全279 P

図解
 トップ選手の写真が多数使用されている。具体的な図解は、「オーバーミスを減らして試合で勝つ」という項で使用されています。それ以外は基本的には文章による読み物になります。

感想
 どちらかといえば精神論や根性論、心の持ち方や、トップアスリートの感覚や非言語的なもの、逸話などを軸に記述されていると思います。この後の本シリーズは、具体性があがり非常に有益な考えが多数書かれていますので、即効性を求めるのであれば、そちらをオススメします。高島さんの考え方や人となりを感じつつ卓球について長く考える、また卓球指導者としての広さ深さを身につけるために、手に取ることをオススメします。

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