書籍

論文 DHSとNittakuの40+プラボールの違い

卓球に関する論文の紹介

 新たな取り組みとして、卓球に関する論文について、紹介してみたいと思ってます。一発目は内容がシンプルだったので、中国の上海スポーツ大学の論文を紹介させていただきます。

論文のリンク: https://assets.researchsquare.com/files/rs-1683743/v1/c43ff19c-053a-494f-9e91-41dcf21c4cc5.pdf?c=1654500575

英題: Comparison of dynamic elasticity between two types of new material plastic table tennis ball: taking DHS D40+ and Nittaku 40+ as an Exapmle

和題: 新素材プラスチックボールの動的弾性の比較
例としてDHS D40+とNittaku 40+

 Nittaku40+とDHSD40 +は、2つの異なるブランドの新しいプラスチックボールであり、どちらも
公式マッチボールに指定され、国際的なイベントで広く使用されています。従来のセルロイドボールから新しいプラスチックボールへ変更となり、その直径、硬度と弾性もそれに応じて変わりました。

 本論文では、Nittaku40+とDHS D40+ボールのの動的弾性を比較することです。

 方法: 高速度カメラでテーブルに当たった後のボールの落下とリバウンドの軌道を撮影。Kinoveaソフトウェアを使用して、落下と跳ね返りの軌道を処理し、平均を計算しました。落下速度とリバウンドプロセスに応じて、リバウンド速度の減少率を計算しました。

 結果:DHS D40+とNittaku 40+はそれぞれ、落下速度の増加とともにそれぞれ増加しました。低速および中速で落下する場合、動的弾性に有意差はありませんでした。高速で落下する場合、DHS D40+とNittaku 40+の間で動的弾性に大きな違いが確認されました。

 結論:DHS D40 +と比較して、Nittaku 40+は硬度と脆性が大きく、球体の構造はより均一で、動的弾性の安定性とリバウンドの高さが優れています。

 これだけではよくわかりませんね汗。ちゃんと最後に選手の人への影響についてまとめてありましたので参考にしてみてください!

(1)高速で落下する場合にボールによって動的弾性に差が生じるため、選手はイベントの公式ボールの特性に適応し、関連するトレーニングと戦術スケジュールを作成すべきである。

(2)Nittaku 40+はリバウンド高さが高いため、選手はサーブをコントロールするのがやや困難になる。これは、サーブ後の攻撃戦術の利点が弱まったり、最初の3ストロークでポイントを獲得するチャンスが減る可能性をあげる。選手は練習でラリー能力を向上させ、攻撃の変容能力を強化し、
防御し、ラリー能力を高め、リターン品質の安定性を向上すべきである。

(3)Nittaku 40 +でプレイすると、ラリーがよく続き、試合が長くなる。選手は、練習で、筋力や体力を鍛えるべき。特に上肢と腰の筋肉、アスリートの脳卒中の強さを鍛えるべきである。

 となるようです。普段ニッタクのボールを使うことがある人はラリーが続きやすくなるようですね。一方のDHSのボールは3球目の決定力が高くなる傾向があるみたいです。そんなことを意識して、ボールを選んでみてもいいかもしれません。

卓球王国 2022年2月号 -その1-

Pick Up Product(ピックアッププロダクト)

・Rasanter R48 (Green) / andro(アンドロ)
 今年の秋口から、卓球王国さんのピックアップ製品にカラーラバーが結構多くなってきたイメージです。個人的に気になるのは、シートのカラーは違っても性能は同じか否か。卓球メーカーはちゃんと性能はそろうようにしていると思います。でもプラシーボ効果ってスポーツでもあると信じる理系人katsuo000です。大島祐哉選手や日ペン小西海偉選手はやはりフォアに赤いラバーを使いますし、何かしらの願掛けのようなものがあるイメージです。自分も学生時代はフォアに赤ラバーを使うようにしていました。最近の選手は水谷隼選手や中国トップ選手がフォア面に黒を持ってくることもあってか、フォアに黒のラバーというのが多くなったイメージです。これからの世代は、フォアに青や緑、ピンクのラバーを使う選手が活躍する、ということも全然あり得ると思うとなかなかポップで興味深いと感じますね。
 ちなみに卓球王国さんの記事では、R48は緑が今最も数が出ていて、一時期在庫切れにもなったようですね。一番少ないのが赤だそうです。確かにandroさんはスポンジの緑のイメージもあるので、カラーラバーを使おうと思うとR48緑は自分も使いたいなーと感じます。どうせなら、ユニフォームやシューズも緑系で揃えたくなりますねー。

・V>15 Extra(V>15エキストラ)(ブルー) / VICTAS(ヴィクタス)
 こちらもカラーラバーの紹介になりますね。記事によると、2021年12月現在カラーラバーを販売する日本卓球メーカーはVICTASだけだそうです。こちらでは性能について言及されていて、機械によるテストで黒や赤ラバーと性能差はない、ということです。個人的にはパステルカラーの青より、もっと色の濃いネイビー系の青が使ってみたいですね~。

・ILIUS B(イリウスB) / Butterfly(バタフライ)
 先月に続き、イリウスですね~!使用者が増えているイメージで、評判がいいみたいです。下手な変化系の粒よりも切れるし攻めることができそうなラバーですね。こういうのが出ると自分も触ってみたくなります。娘が粒対策をしたいというまでは買うことはないと思うのですが。。。

・Original True Carbon Inner / DONIC(ドニック)
 情報がなかなか手に入らなかったラケットですが、やっとブレード厚さの情報が掲載されていました。アウターのOriginal True Carbonと同じ5.5 mmですね!5.5 mmはかなり特徴的なブレード厚さで相当薄いと思います。この薄さでインナーとなると飛距離が不安になるレベルですね。Blue Grip C1などの粘着ラバーとあわせると弧線がしっかり作れてあいそうかなと思われます。やはりどのメーカーもインナー系のラケットを販売してきますね。余談ですが噂のサイバーシェイプカーボンもインナーですからね。

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レビュー 「負ける人は無駄な練習をする 卓球王 勝者のメンタリティー」

説明

 東京オリンピック2020で日本人初の金メダルを獲得し、全日本選手権10回優勝の日本卓球界のレジェンド、水谷隼選手の2冊目の書籍になります。2016年3月に初版が発売しており、当時の水谷選手の経歴は全日本選手権8回優勝となっています。水谷選手について説明も不要でしょう。1冊目から1年後の出版で、どちらかというと水谷選手の考えが主な書籍になります。

 既に水谷隼選手の書物は5冊に達しています。
 1冊目: 卓球王水谷隼の勝利の法則 試合で勝つための99の約束事
 2冊目: 負ける人は無駄な練習をする 卓球王 勝者のメンタリティー
 3冊目: 卓球王水谷隼 終わりなき戦略 勝つための根拠と負ける理由
 4冊目: 現役選手がここまで語っていいのか!? 水谷隼の大サービス「サービスは芸術だ」
 5冊目: 打ち返す力 最強のメンタルを手に入れろ

 2冊目の 負ける人は無駄な練習をする 卓球王 勝者のメンタリティー は、3冊目の 卓球王水谷隼 終わりなき戦略 勝つための根拠と負ける理由と同様に精神面や考え方が主な内容になっています。トップアスリートの考えや思考に触れられる書籍と言えるでしょう。個人的には水谷選手や日本代表を目指して日々努力されている選手のメンタルやプレッシャーは、想像を絶します。その異常性は、正直理解が難しい部分も増えているように感じました。既にホカバやジュニア選手権でランクインしているジュニアの選手や、マスターズの選手が、さらに上を目指して読んでみることをオススメします。逆に一般層の自分ごときが読んでも、小説とかエッセイなどを読んでいるように感じるかもしれません。

「負ける人は無駄な練習をする 卓球王 勝者のメンタリティー」の要点

10章にわたる精神論

 卓球についてここまで、精神面が書かれている書籍は珍しいのではないかと思いました。もしかして、自分が最も近い精神状態に至ったのは、おそらく、ホカバ予選のセットオールで負けたときとか、中学3年生の時の地方大会のラン決のときとかでしょうか。水谷選手の異常性、異常な人同士で競い合うトップアスリート選手の世界、というものに触れられる本だと思います。
 自分ごときは、1種のエンターテイメントとして読むことができますが、卓球やその他のスポーツに精通する方にとっては、賛否や読んでいて気持ちの良いものではないのかもしれません。

第1章 練習に取り組む考え方 

 最もページを割かれている部分の1つとして、第1章「試合で生きる練習」と「無駄な練習」が挙げられます。30ページ以上さかれて日本とドイツの練習へ取り組む姿勢の違いや考え方が書かれています。一般人では、そもそも練習に取り組める時間が少なくてなかなか理解できない部分も多いかもしれませんね。一方で、ほぼ毎日練習に取り組むスポーツ進学中の学生には、参考になるかもしれません。

 ただ30代の自分が研究や仕事に取り組んできて感じますが、ただただ時間を費やせば勝てる世界は、研究にも仕事にもないと感じます。いかによく考えて行動できるか、常に考え方ややり方を変化させてベストへ近づけることができるか、そういった姿勢はどんな世界でも必要だと感じます。10,000時間何かに従事するのは当然であり、その中で如何に考えて、結果に結びつけるのか、卓球に限らず何かで世界と勝負し、渡り合い、抜きんでるには頭を使うことが重要だと感じさせてくれる本だと思います。

第4章 コーチに求めるもの

 トップアスリートだからこそ、アスリートがコーチに求めるものもまた異常なものだと感じさせる内容になっています。第4章 「勝つためにコートに求めるもの」では、勝負の場でアスリートが欲しいのは、甘言ではないこともよくわかる内容になっています。この内容は、卓球指導者が読むと度肝を抜かれるような内容でもあると思います。子供に卓球を教える親が必読の内容になっているのかもしれません。将来的には自分も参考にしたいところですが、残念ながら自分の子供たちはまだこれから卓球をはじめるところになります。続けてくれたら嬉しいですね。

レビュー

章構成とページ数
 第1章  試合で生きる練習」と「無駄な練習」 : 36 p
 第2章  勝者になるためのメンタル: 8 p
 第3章  チャンピオンの異常性: 10p
 第4章  勝つためにコーチに求めるもの: 24 p
 第5章  卓球は予測の集合体である: 8 p
 第6章  外へ飛び出す勇気: 6 p
 第7章  用具に妥協なし: 8 p
 第8章  負ける人は負けるパターンを持っている: 10 p
 第9章  追い込まれた時の戦い方: 8 p
 第10章 恐怖感との戦い: 6 p

全 200 p

図解
 トップ選手の写真が何枚か引用されつつ、水谷選手の幼少期からドイツ留学時代など、想い出とともに書かれていることがわかる内容になっています。

感想
 水谷選手らしい書物の1つであり、どちらかというと自叙伝らしさもある内容です。卓球の技術書ではなく、世界で戦うためのマインドが書かれている内容になっていると感じました。卓球という世界ではないですが、勉学や仕事などに取り組む姿勢と置き換えて読める内容だと思います。勝利のための異常性、それはトップを目指せば卓球に限らず似てくるのかもしれません。

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レビュー 「卓球王水谷隼の勝利の法則 試合で勝つための99の約束事」

説明

 東京オリンピック2020で日本人初の金メダルを獲得し、今やメディアにひっぱりだこ、「ゴチになります」ではピタリ賞までとって、全日本選手権10回優勝の日本卓球界のレジェンド、水谷隼選手が初めて執筆した本になります。2015年1月に初版が発売しており、当時の水谷選手の経歴は全日本選手権8回優勝、世界選手権でのメダル5個となっています。水谷選手について説明も不要でしょう。卓人なら全て手に取って欲しい書籍ばかりですね。

 既に水谷隼選手の書物は5冊に達しています。
 1冊目: 卓球王水谷隼の勝利の法則 試合で勝つための99の約束事
 2冊目: 負ける人は無駄な練習をする 卓球王 勝者のメンタリティー
 3冊目: 卓球王水谷隼 終わりなき戦略 勝つための根拠と負ける理由
 4冊目: 現役選手がここまで語っていいのか!? 水谷隼の大サービス「サービスは芸術だ」
 5冊目: 打ち返す力 最強のメンタルを手に入れろ

 1冊目の99の約束事は、4冊目のサービスを除いて最も表面的な技術にも触れている内容になっています。つまり、最も即効性の高いものと言えるでしょう。逆に2冊目、3冊目と進むにつれて内容は卓球への取り組む姿勢や取り組む上での思考にフォーカスした内容へと変わっていきます。個人的には水谷選手や日本代表を目指して日々努力されている選手のメンタルやプレッシャーは、想像を絶しますし、正直理解が難しい部分も2冊目、3冊目以降では増えるように感じました。表面的な技術はこの1冊目の99の約束事と4冊目の大サービスが、写真も多く掲載されていてわかりやすいと思います。小~中学生くらいの卓人は、99の約束事と大サービスから読まれることをオススメします。

「卓球王水谷隼の勝利の法則 試合で勝つための99の約束事」の要点

前半注目は第3章 = 用具

 卓球について概略する書物は多くありますが、トップ選手が用具に関する考えと具体的に当時使用していた用具について語っている部分として非常に貴重な内容になっていると思います。現在はディグニクス80を使用ですが、当時はテナジー64を使用していたことが書かれていますね。

 水谷隼選手の考え方としては、扱いやすい用具を使うことが基本としてあって、その中で練習量を上げて威力を上げるという考えなのだと思います。自分は威力を出すことを優先して、難しい用具ばかりに飛びつくところがありますので反省すべきかもしれません。

第4章=練習、第5章=技術 

 最も即効性の高いパートになると思います。10回目の全日本選手権優勝時に多用したフォアナックルフリックについて特集されていませんが、フィッシュ、ストップ、ブロック、ナックルドライブなどの水谷選手を代表する技術について、本人の言葉で書かれているのは、至高の内容ではないかと思います。

第6章=戦術

 先述の章では、試合にのぞむときの考えや、表ソフト、ペンホルダー、カットマン、粒高、終わりには張継科選手ら中国選手、ドイツのボル選手や日本のトップ選手のプレーにも触れていて驚きの内容になっていますね。トップ選手も必読の内容と言えると思います。

レビュー

章構成とページ数
 第1章 『戦略』STRATEGY: 5 p
 第2章 『身体』PHYSICAL STRENGTH: 12 p
 第3章 『用具』GEAR: 8p
 第4章 『練習』PRACTICE: 26 p
 第5章 『技術』TECHNIQUE: 60 p
 第6章 『戦術』TACTICS: 40 p
 第7章 『メンタル』MENTAL: 20 p
 第8章 『最後に』AT THE END: 10 p

全 208 p

図解
 本人実演の写真をふんだんに使用していて、しかもカラー写真のため、わかりやすいですし、まさにあまりに具体的すぎる内容に驚くかもしれません。

感想
 6年前でやや古い内容の部分もありますが、トップ選手がここまで具体的に選手を挙げながら選手の言葉で語る本は他にないと思います。賛否両論はあるでしょうが、水谷選手らしい書物だと思いますね。今現在の水谷選手は、若いころのヤンチャさや相手の想像の裏を突こうとするような発言は随分マイルドになった印象です。6年前のこの本に登場する水谷選手は、若いころのトゲトゲしい部分も多く、そういったときに書かれた書籍だからこそ、このような本が発売されたのだなと思います。卓球の技術書だけではなく、水谷選手のことを理解しようとして読む、という楽しみ方もできる本だといえるでしょう。

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レビュー 「選手をつぶす指導者なら、選手がコーチになればいい。」

説明

 1975年世界選手権シングルス3位で、「ミスター・カットマン」と呼ばれ、全日本選手権で3回優勝、元全日本男子監督および近畿大学教授という経歴をもつ高島規郎(たかしま のりお)さんの、卓球戦術ノート以外の書物になります。今回レビューするのは、選手を強くする指導論ということで2019年11月に発行された「選手をつぶす指導者なら、選手がコーチになればいい。」になります。月刊卓球王国の連載記事「モンダイは指導者だ」の2016年~2019年の内容を加筆修正して、まとめられたものになりますね。
 タイトルから指導者のための本のように思うかもしれませんが卓球において思考は重要です。トップ選手は一流の選手であるとともに、自分に対してマネージメントするある意味コーチ(指導者)でもある、という意味あいもあるそうです。この本において、指導者=選手と置き換えて読めば、選手のための書物になる、とも、まえがきで触れられています。自分も両親や指導者に恵まれ、初心者というレベル以上の卓球技術を身に着けました。しかしながら、そこからさらに成長できるか否かは、どれだけ長く卓球をやっているかよりも、自分自身が自分自身を理解し、マネージメントし、しっかり指導しなければならない、と思いますね。
 ちなみに、「10,000時間の法則」は、最近では否定されつつあるそうですね。「10,000時間の法則」とは、10,000時間何か同じことに従事し打ち込めば、その分野でプロ級になる、という仮説ですね。週3で2~3時間の練習を30年程度続けると到達しますね。学生時代にほぼ毎日4時間練習できたとりしたら、7年で到達です。プロ選手は当然ながら10,000時間以上の練習をしているでしょうね。またコーチの方も容易に卓球をしている時間は10,000時間を超えると想像します。10,000時間以上の練習をしても差は生じるのが、卓球の世界ではないかと思いますね。また、トップ選手で若くして頭角を現した選手、水谷選手や張本選手、宇田幸矢選手、石川佳純選手や伊藤美誠選手、平野美宇選手や早田ひな選手らは、全日本選手権優勝を果たしています。彼らはおそらく自分よりも総練習時間の多い選手に勝利して、全日本選手権を優勝しているでしょう。つまり、ただ練習をすれば勝てるという世界ではないことはわかりますね。もちろん、最低でも10,000時間という時間を卓球に費やせることは必要なのかもしれませんが、必要条件であったとしても、それだけで卓球でトップをとれるほど甘くないということです。天才であり、才能があり、そして努力もできないと、やはりトップオブトップを取ることは難しいのでしょうね。シビアな世界でもあると思います。仕事でも勉強でも、ただ気合と努力だけで結果を出そうとしてはいけないということだとkatsuo000は理解しています。しっかりと思考し正しい努力をすることが大切ですね。そのために、どのように思考すべきか、そういった思考のためのヒントになるようにと高島さんが書かれたものではないかと思います。

「選手をつぶす指導者なら、選手がコーチになればいい。」の要点

1章は指導者 = 選手として、卓球へ取り組むときの考え方

 卓球戦術ノートの内容と重複しつつ、卓球に対する姿勢や考え方、特に凝り固まった考えではなく柔軟で創造的な思考を肯定するような考え方が提案されています。世界のトップ選手を見ても、アフリカのアルナ選手のようにスイングが汚いと言われてもオリンピックでボル選手に勝つことだってあるわけですからね。日本ではとかく、「〇〇でなければならない」という凝り固まった考え方が多いので、こういった考え方に触れることは非常に良いと思います。

3章では、卓球プレースタイルの概論と強化のポイント

 「卓球戦術ノート」でも非常に参考になったプレースタイルの概論になりますね。「選手をつぶす指導者なら、選手がコーチになればいい。」では、次のような内容になっています。
・シェークドライブ型
・ペンドライブ型
・シェーク表ソフト
・ペン表ソフト
・変化ラバー活用型
・カットマン
について概略されています。この本でもとても参考になって即効性のあるものになっていますので、手に取る機会あれば是非ご一読をオススメします。

7章は伸び悩みに対する考え方

  この本では「伸び悩み」について、書かれている点が興味深いですね。自分もクラブで卓球をしていたとき、同じように練習していても強くなる選手、伸び悩む選手を見てきました。そして卓球の試合で、後から卓球を開始した選手たちにどんどん追い抜かれていくことも目の当たりにしてきました。この伸び悩み、というのは、本当に辛いと思います。その伸び悩みについて、助言をくれる7章は、自分程度ではなく、卓球進学した選手やプロ選手も読んでプラスになる可能性があるのではないかと思います。また、自分は卓球を通して、物事への取り組み方を学べるのではないかと考えますね。

レビュー

章構成とページ数
 第1章 あなたは「良い指導者」なのか:48 p
  良い指導者になるために必要なもの
  初心者をどう教えるか
  選手の想像力を伸ばす
  ベンチコーチの心得
  選手を「勝たせる」指導者とは
  選手の性格を「動かす」のか「殺す」のか
  メンタルをどのように強化するのか
  選手が100人いれば100通りの指導がある
 第2章 強くなるための練習を考える:24 p
  規則練習とランダム練習
  多球練習と一球練習
  素振りでスイング力を高める
 第3章 卓球のプレースタイル、強化のツボ:54p
  用具と選手を見直すことで停滞期を抜け出す
  強化のツボ①ショークドライブ型
  強化のツボ②ペンドライブ型
  強化のツボ③ショーク表ソフト
  強化のツボ④ペン表ソフト
  強化のツボ⑤変化ラバー活用型
  強化のツボ⑥カットマン
  強化のツボ⑦フットワーク
 第4章 技を高め、ゲームで強くなる:64 p
  フォアハンドを強くしよう
  バックハンドを強化する
  どうすればカウンターが身につくのか
  台上技術を強くする方法
  勝つための守り方を高める
  3球目・4球目の命中率を高める
  カットマンは「切るカット」の練習をするべし
  いかにしてサービス力を高めるのか
  レシーブ攻撃を狙え
 第5章 指導者のいない選手はもっと強くなる:26 p
  指導者がいなくても工夫次第で世界選手権に行けた
  部員同士のコミュニケーションによってチーム力はアップする
  卓球への問題意識、取り組み方は卓球ノートに書き記す
  強くなれないのは「指導者がいないから」なのか
 第6章 強いチームを作る:44 p
  強いチームの作り方
  練習試合の活用法
  情報収集の活用と、勝つための準備
  指導者の「反省力」とは何か
  「根性論」をうまく使おう
  マンツーマン指導の注意点
  部員が多い場合の練習方法
第7章 伸び悩む選手がやるべきこと:26 p
  モチベーションを高め、一気に強くなる
  結果が出ない状況から抜け出す方法
  卓球を強くするフィジカルとは何か
  得意技を磨き、弱点を補え
  選手は自分の調子をコントロールできるのか
全 303 p

図解
 図解は多くてわかりやすいですね。

感想
 現代的で、高島さんの良書だと思います。1冊だけ買うのであれば、是非この本が広範な範囲をカバーしている教科書のような本になっていますね。特にメンタルや伸び悩みといった、誰もが悩むものについて書かれている点は良いと思いますね。是非興味を持たれたら手に取ってみてください。

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レビュー 卓球 勝つための思考と戦術 試合がはじまる前に勝負は8割決まっている!

説明

 「卓球 勝つための思考と戦術 試合がはじまる前に勝負は8割決まっている!」は、全日本代表を経験し、東京オリンピック2020では男子コーチとして活躍した岸川聖也さんの著者になります。岸川さんは有名クラブである石田卓球クラブ(早田ひな選手も所属していたことで有名)から仙台育英秀光中学へ進学しました。ドイツブンデスリーガとしても活躍し、仙台育英高校時代はインターハイ男子シングルス3連覇水谷隼選手とのペアで全日本男子ダブルス優勝世界卓球で7個の銅メダル、ロンドン五輪で男子シングルス5位入賞と、経歴がすごすぎますね。Tリーグでは、T.T彩たまでコーチをしつつ、岸川聖也卓球スクールで指導もされています。

 なんといっても経歴と経験が凄いですよね。日ペン指導者がオールフォア的なシェークハンド選手を多く生み出していた時代で、ドイツ卓球を取り入れてバックハンドを自在に使いこなす岸川選手の卓球は、30代や40代の卓人なら、一度は憧れたのではないでしょうか。日本卓球を中国に次ぐポジションに底上げした中心的選手の1人であり、現在はコーチ業に営む中で、執筆されたものだと思います。既に水谷選手は何冊か本を出版されていますが、現代日本卓球の中心選手だった方が指導者としての立場で執筆した本は、やはり先進的で即効性の高い内容になっていると思います。

 こちらの本は、岸川選手がまだButterfly(バタフライ)さんと契約されていたときに執筆したものになりますね。2021年9月には「勝つ!卓球「回転」レベルアップバイブル 試合で差がつくテクニック55」という本も出版されていますが、こちらでは現在契約されているVICTAS(ヴィクタス)のユニフォームを着た姿を確認することができます。

「 卓球 勝つための思考と戦術 試合がはじまる前に勝負は8割決まっている! 」の要点

前半1章~3章は知っておくべき卓球用語と1つ1つの技術紹介

 第1章は戦術の重要性を述べつつ、ラケットやラバーの種類について概説しています。このあたりは一般的な卓球の教則本と同じで、中級者以上では読み飛ばしてもいいかもしれません。2章はサーブ、3章はレシーブの個々の技術の説明になりますね。

第4章は細かな3球目戦術パターン、第5章は細かな4球目戦術パターン

 パターン練習を丁寧に概説してくれています。右対右になってしまうと思いますが、ほぼ全ての3球目と4球目のパターンが記載されています。1つ1つ丁寧に練習し身体に身に着けなさい、といわんばかりの内容になっていますね。また注意すべきポイントにも触れつつ全て図で記載されているので、理解はしやすいと思います。シェークドライブ型の選手は必読といってもいい、詳細な3球目と4球目のシステムが全て網羅されていると言ってもいいかもしれませんね。内容も的確で、確かにという内容ばかりなので選手に加えて指導者が読むべき内容となっていると思います。

第6章はラリー戦術

  最後は、ラリー戦術になります。ラリーの中で意識していることが述べられていると思います。どこを狙うべきか、という教科書的な内容が書かれています。知らなかった、では結構取返しがつかないような話が盛りだくさんなので、気になったら是非読んでみてください。逆にカットマンの方や異質、表をメインに書かれた内容ではないので、そういった戦術の方は参考になる部分や即効性は低いかもしれません。

レビュー

章構成とページ数
 序章  自分のスタイルを理解する:9 P
 第1章 試合前の準備:18 P
 第2章 サーブ戦術:30 P
 第3章 レシーブ戦術:34 P
 第4章 3球目戦術:30 P
 第5章 4球目戦術:28 P
 第6章 ラリー戦術:16 P
  全193 P

図解
 卓球台を上から見た図と、デフォルトされたラケットなどでイメージしやすい図が多用されています。またラケットの角度に関する解説も書かれていますので、参考になると思います。

感想
 中級者以上には非常に役に立つ内容ではないかと思います。上級者はあまり必要のない内容かもしれません。というのは、例えば何故3球目にドライブ強打を狙うために逆横回転サーブを出すのか、ということに対して説明がないためです。このあたりを丁寧に説明してくれるわけではないので、初級者はおいていかれるかもしれません。もちろん前提として逆横回転サーブを出した場合に回転に逆らうように角度をあわせながら返球する場合はバックへ返球されることが多いというのが経験的にあるわけですね。(うまい人はそういったセオリーを嫌なタイミングで外されると思います。またどのような返球が来るのかを1セット目に探りながらサーブを出す、ということもしますよね。)こういったことがわかっていると、回転に逆らうように返球するならバックサイドを待てばいいですが、回転にあわせるように返球することで逆にフォアサイドやミドルを狙うことで相手の待ちも外す、という戦術が登場したりします。こういった内容のフォローも欲しいところでした。しかしながら、一般論として、こういうサーブはなぜだすのか、ということがしっかり説明されているのは非常に参考になる内容だと思います。katsuo000は小学生~中学時代にクラブチームで指導を受けましたが、ここまでの説明はもらえませんでした。もちろん時が経てば、一般論も変化するかもしれませんが、知るか知らないかで、結果も変わりうる内容ですので、是非ぜひ読んでみてください。

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レビュー 「敗者を勝者に変える 卓球戦術ノート」

説明

 卓球戦術ノートとは、1975年世界選手権シングルス3位で、「ミスター・カットマン」と呼ばれ、全日本選手権で3回優勝、元全日本男子監督および近畿大学教授という経歴をもつ高島規郎(たかしま のりお)さんの人気シリーズの書物になります。今回レビューするのは、卓球戦術シリーズの3冊目「卓球戦術ノート」の刊行から、18年後の2019年に初版発行された「敗者を勝者に変える 卓球戦術ノート」になります。前回よりもさらに具体的で図解も多用されており、現代卓球の教科書として、指導者や中高生が手に取って良いといえる内容となっているでしょう。内容としては、『月刊 卓球王国』連載の「新・戦術ノート」(2012年6月~2016年7月号)の内容をまとめたものになっています。

「敗者を勝者に変える 卓球戦術ノート」の要点

前半1章~4章は卓球へ取り組むときの考え方

 今までの卓球戦術ノートでのプレイバックのような内容になります。そして、プレイバックしながら、現代の卓球に置き換えてくれている内容になります。またその中で短いながらも指導者の在り方についても触れている内容になっています。

戦型別攻略法

 前回の「続 卓球戦術ノート」でも挙げられている戦型別攻略法は今回も掲載されています。こちらも前回と同様非常に即効性も高くて、良い部分ではないでしょうか。katsuo000ももちろん、参考にしている部分になります。本書では以下の戦型に対する攻略について触れています。
・フォアハンド主戦型の攻略
・バックハンド主戦型の攻略
・表ソフト速攻型の攻略
・カットマンの攻略
・異質ラバーの攻略
・対サウスポーの戦い方


「続 卓球戦術ノート」で取り上げられていた戦型
・シェークドライブ型
・ペンドライブ型
・シェーク速攻型
・ペン速攻型
・カット主戦型
・異質前陣攻守型

 「続 卓球戦術ノート」と重複する部分と、サウスポーやフォアハンド主戦型とバックハンド主戦型、が挙げられている点は、現代的な内容になっていると感じますね。「続 卓球戦術ノート」同様、苦手な戦型や自分の戦型について、何が足りないのか、何が武器になるのか、など思考するのに非常に良いと思います。また他の戦型からヒントを得て新しい戦術や技術を広げる手助けにもなると思います。

新しい時代の戦術論

  また、新しい戦術論について概略しつつ、最後に水谷隼選手、張本智和選手、伊藤美誠選手、石川佳純選手の卓球について触れているのが、この本の面白いところだと思います。以下に各項目のタイトルについて挙げますので気になった方は是非手に取ってみてはいかがでしょうか。
 第6章 新しい時代の戦術論
  ブロックは必需品
  カットマンは打って得点しろ
  異質ラバーは勝てる
  オンリーワンの戦術をめざせ
  打球タイミングをどう合わせるか、どう外すのか
  ミスを恐れるな、相手の強いところを狙え
  ペンホルダーの可能性
  必殺レシーブを身につけろ
  プラボールの戦術
  チキータ時代の戦術
  11点制は先行逃げ切りでなければいけない
  水谷隼の卓球
  張本智和の卓球
  伊藤美誠の卓球
  石川佳純の卓球

レビュー

章構成とページ数
 第1章 最後の1点を自力で取る方法:85 P
 第2章 動きと打法の戦術論:25 P
 第3章 先述とメンタル:37 P
 第4章 指導者の役割:19 P
 第5章 戦型別の攻略法:35 P
 第6章 新しい時代の戦術論:83 P
  全301 P

図解
 トップ選手の写真や具体的な図解も前とどうように多い構成となっています。ただし読み物でもありますので、文章量も多いです。

感想
 過去の書籍を継承しつつ、現代版にアレンジしたものになると思います。そして、即効性もある内容だと思います。一方でやはり日本の読み物らしく、階層的な概念や図示がないので、全ての内容を立体的に把握しづらくて、時間に余裕があるのであれば自分自身で内容をまとめ階層化すると良いと思いますね。今後、katsuo000なりに「戦術ノート」についてまとめていきたいなーと思っております。ただし、内容をそのままコピーしてしまう部分を書いてしまうと、著作権という言葉が怖いので、katsuo000の解釈を前面にだしたまとめになるかと思います。

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レビュー 「続 卓球戦術ノート」

説明

 卓球戦術ノートとは、1975年世界選手権シングルス3位で、「ミスター・カットマン」と呼ばれ、全日本選手権で3回優勝、元全日本男子監督および近畿大学教授という経歴をもつ高島規郎(たかしま のりお)さんの人気シリーズの書物になります。今回レビューするのは、卓球戦術シリーズの1冊目「卓球戦術ノート」の刊行から、11年後の2012年に販売された「続 卓球戦術ノート」になります。非常に具体的で図解も多く、現代卓球の教科書として、指導者や中高生が手に取って良いといえる内容となっています。内容としては、『月刊 卓球王国』連載の「続・戦術ノート」(2003年1月~2007年5月号)の内容をまとめたものになっています。

「続 卓球戦術ノート」の要点

具体的な打法の解説・考え方

 約10年前に執筆された内容とはいえ、打法としての「縦のラインでボールをとらえる」や、肩甲骨打法など、具体的で基本的な打法の軸になる部分が説明されています。このような考え方は卓球を指導する方々には非常に有益な考え方ではないかと思います。少なくとも自分自身は指導者の教えを一生懸命吸収しようとして、今の卓球を作り上げていきましたので、指導者がこれらの考え方をもって指導することは大切だと思います。

戦型別攻略法およびこれからの戦術

 このシリーズで即効性が高いと感じる内容として、katsuo000が参考にしている部分になります。本書では以下の戦型について触れています。
・シェークドライブ型
・ペンドライブ型
・シェーク速攻型
・ペン速攻型
・カット主戦型
・異質前陣攻守型

 近年では、上記のような戦型に加えて、裏面を貼った中ペン型、右利き・左利き、攻撃型か、ラリー型か、ブロック型か、などなど、さらに分類が増えてきていますが、上記については現在でも通じるものでしょう。苦手な戦型や自分の戦型について、何が足りないのか、何が武器になるのか、など思考するのに非常に良いと思います。また他の戦型からヒントを得て新しい戦術や技術を広げる手助けにもなると思います。

具体的な「対処法」・「戦術」

 第4章と第6章では非常に具体的な対処法と戦術が多数挙げられています。以下に何について書いてあるのか挙げますので気になった方は是非手に取ってみてはいかがでしょうか。
 第4章 試合で困らないための「対処法」
  サービスが効かない時の対処法
  レシーブができない時の対処法
  ドライブが入らない時の対処法
  スマッシュが入らない時の対処法
  ブロックが入らない時の対処法
  カットが入らない時の対処法
 第6章 実戦での戦術の使い方
  ショートサービスからの3球目攻撃
  ロングサービスからの3球目攻撃
  逆モーションの技術・戦術
  クロス・ストレートのコース取り
  サイドスピンの有効活用
  台上が苦手な人の戦い方と技術
  ラリー戦が苦手な人の戦い方と技術
  相手のミスを誘う戦い方

レビュー

章構成とページ数
 第1章 打法と戦術:37 P
 第2章 戦型別攻略法:37 P
 第3章 打法の賢い使い方:39 P
 第4章 試合で困らないための「対処法」:37 P
 第5章 戦型別 これからの戦術:33 P
 第6章 実戦での戦術の使い方:112 P
  全307 P

図解
 トップ選手の写真も、具体的な図解も、どちらも多い構成となっています。ただし読み物でもありますので、文章量も多いです。

感想
 非常に具体性があがり、即効性もある内容だと思います。一方で日本の読み物らしく、階層的な概念や図示がないので、全ての内容を立体的に把握しづらく、時間に余裕があるのであれば自分自身で内容をまとめ階層化すると良いと思います。

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レビュー 「卓球戦術ノート」

説明

 卓球戦術ノートとは、1975年世界選手権シングルス3位で、「ミスター・カットマン」と呼ばれ、全日本選手権で3回優勝、元全日本男子監督および近畿大学教授という経歴をもつ高島規郎(たかしま のりお)さんの人気シリーズの書物になります。今回レビューする1冊目の「卓球戦術ノート」は2001年に刊行された、この本のシリーズの1冊目になります。この本のポイントは下記になると思います。

「卓球戦術ノート」の要点

戦型別の戦術

 katsuo000が特に興味深く読ませてもらう一番の理由は、戦型別の戦術について具体的に述べられている点です。戦型が明確になると、具体性があがり、一定の理解納得が進むため非常に参考になりますね。ただし、この本は2001年の書物ということで、チキータはまだ普及しておらずその考えが欠けたものになっているのは気をつけた方がいいかもしれません。他のシリーズ本と比較すると、最も古いので、katsuo000が学生時代に指導者からよく聞かされた鉄則や考え方が多いように感じられました。

 どのスポーツも同じだと思いますが、トレンドがあり新しい理論や考え方が常に生まれては消えています。プラボールになって、再度フォアハンドの威力は見直されてきているようにも思いますので、フォアハンド主戦の昔の考え方に触れるには非常に良い本となっていると思います!

40 mmボール移行後の書物

 2000年ごろは卓球のルールにおいて大きな変化のあったころになります。本書物は38 mmボールではなく、40 mmボール移行後の書物として書かれていて、現代卓球にも通じる部分があるといえるでしょう!ただし、プラボールではなくセルボールであることはお忘れなく。

11点制へ移行後の書物

 ボールと同じく大きなルール変化として、1セット21点制から11点制へ移行しました。変更後の日は浅かったと思いますが、11点制への考えが記載されているのは興味深いですね。

レビュー

章構成とページ数
 第1章 「戦術」とは何か:59 P
 第2章 勝つための戦い方 スコア・マネジメント:54 P
 第3章 戦型別の基本戦術:55 P
 第4章 メンタルが支える戦術:59 P
 第5章 40 mmボール時代を勝ち抜くには:42 P
  全279 P

図解
 トップ選手の写真が多数使用されている。具体的な図解は、「オーバーミスを減らして試合で勝つ」という項で使用されています。それ以外は基本的には文章による読み物になります。

感想
 どちらかといえば精神論や根性論、心の持ち方や、トップアスリートの感覚や非言語的なもの、逸話などを軸に記述されていると思います。この後の本シリーズは、具体性があがり非常に有益な考えが多数書かれていますので、即効性を求めるのであれば、そちらをオススメします。高島さんの考え方や人となりを感じつつ卓球について長く考える、また卓球指導者としての広さ深さを身につけるために、手に取ることをオススメします。

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