レビュー 「続 卓球戦術ノート」

説明

 卓球戦術ノートとは、1975年世界選手権シングルス3位で、「ミスター・カットマン」と呼ばれ、全日本選手権で3回優勝、元全日本男子監督および近畿大学教授という経歴をもつ高島規郎(たかしま のりお)さんの人気シリーズの書物になります。今回レビューするのは、卓球戦術シリーズの1冊目「卓球戦術ノート」の刊行から、11年後の2012年に販売された「続 卓球戦術ノート」になります。非常に具体的で図解も多く、現代卓球の教科書として、指導者や中高生が手に取って良いといえる内容となっています。内容としては、『月刊 卓球王国』連載の「続・戦術ノート」(2003年1月~2007年5月号)の内容をまとめたものになっています。

「続 卓球戦術ノート」の要点

具体的な打法の解説・考え方

 約10年前に執筆された内容とはいえ、打法としての「縦のラインでボールをとらえる」や、肩甲骨打法など、具体的で基本的な打法の軸になる部分が説明されています。このような考え方は卓球を指導する方々には非常に有益な考え方ではないかと思います。少なくとも自分自身は指導者の教えを一生懸命吸収しようとして、今の卓球を作り上げていきましたので、指導者がこれらの考え方をもって指導することは大切だと思います。

戦型別攻略法およびこれからの戦術

 このシリーズで即効性が高いと感じる内容として、katsuo000が参考にしている部分になります。本書では以下の戦型について触れています。
・シェークドライブ型
・ペンドライブ型
・シェーク速攻型
・ペン速攻型
・カット主戦型
・異質前陣攻守型

 近年では、上記のような戦型に加えて、裏面を貼った中ペン型、右利き・左利き、攻撃型か、ラリー型か、ブロック型か、などなど、さらに分類が増えてきていますが、上記については現在でも通じるものでしょう。苦手な戦型や自分の戦型について、何が足りないのか、何が武器になるのか、など思考するのに非常に良いと思います。また他の戦型からヒントを得て新しい戦術や技術を広げる手助けにもなると思います。

具体的な「対処法」・「戦術」

 第4章と第6章では非常に具体的な対処法と戦術が多数挙げられています。以下に何について書いてあるのか挙げますので気になった方は是非手に取ってみてはいかがでしょうか。
 第4章 試合で困らないための「対処法」
  サービスが効かない時の対処法
  レシーブができない時の対処法
  ドライブが入らない時の対処法
  スマッシュが入らない時の対処法
  ブロックが入らない時の対処法
  カットが入らない時の対処法
 第6章 実戦での戦術の使い方
  ショートサービスからの3球目攻撃
  ロングサービスからの3球目攻撃
  逆モーションの技術・戦術
  クロス・ストレートのコース取り
  サイドスピンの有効活用
  台上が苦手な人の戦い方と技術
  ラリー戦が苦手な人の戦い方と技術
  相手のミスを誘う戦い方

レビュー

章構成とページ数
 第1章 打法と戦術:37 P
 第2章 戦型別攻略法:37 P
 第3章 打法の賢い使い方:39 P
 第4章 試合で困らないための「対処法」:37 P
 第5章 戦型別 これからの戦術:33 P
 第6章 実戦での戦術の使い方:112 P
  全307 P

図解
 トップ選手の写真も、具体的な図解も、どちらも多い構成となっています。ただし読み物でもありますので、文章量も多いです。

感想
 非常に具体性があがり、即効性もある内容だと思います。一方で日本の読み物らしく、階層的な概念や図示がないので、全ての内容を立体的に把握しづらく、時間に余裕があるのであれば自分自身で内容をまとめ階層化すると良いと思います。

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