卓球王国 2022年2月号 -その3-

ベストギアオブザイヤー

シェークハンドラケット部門

1位 Mima Ito Carbon(伊藤美誠カーボン)/ Nittaku(ニッタク)

伊藤美誠選手のラケットが堂々の1位を獲得しました!ダブルス金、シングルス銅、団体銀の影響力でしょうか。個人的に気になるのは、アコースティックカーボン(20,000円 + 税)よりも伊藤美誠カーボン(23,000円 + 税)の方が高額になっている点ですね。重量や個体差の少ない、詰まった仕様になっているなら買いかもしれません!逆に軽い個体はアコースティックカーボンに多そうな気がします(あくまで個人のイメージです)。アウターカーボンとして注目しておりましたが、最近はインナーカーボン派になりつつあるので、購入の可能性はかなり低いと思います涙。

2位 Dimitrij Ovtcharov Innerforce ALC(オフチャロフインナーフォースALC) / Butterfly(バタフライ)

 バタフライのラケットのランクインが多くて、10位までに4本も入っています。やはりカーボンラケットといえばバタフライ、というイメージが強くなりつつありますね。バタフライのラケットは他メーカーと比べると明らかに高価ですが、個体差がかなり少なく良質な印象があります。またオフチャロフ選手の活躍も相まって、バタフライのラケットの中で最も票を集めたのはオフチャロフインナーフォースALCとなりました。このラケットは既に発売しているインナーフォースレイヤーALCや張本智和インナーフォースALCよりも板厚が厚く6.2 mmもあってインナーラケットなのにアウターカーボンなみに弾む仕様のラケットになっていますね。ヨーロッパの卓球はやはり中~後陣の打ち合いがメインのようですのでこのような弾む仕様でかつインナーのラケットになったのだと思います。また興味深いことに、ブレード面積は158 × 152 mmでバタフライの標準的な157 × 150 mmと比較すると、ラケットの横方向に広いラケットになっています。オフチャロフ選手はバックハンドが得意な選手ですので、バックハンドの威力や振り抜きの良さ、などを考慮された仕様になっているのではないかと思われます。この当たりも興味深いと思うラケットだと思います。オフチャロフ選手のように身体全体でバックハンドを打つ場合、オフチャロフインナーフォースALCのように横方向に広い、または横方向にサイドテープやサイドバランサーを貼って威力を出そうとするのが一つのやり方なのかもしれませんね。

3位 Hurricane Long V(キョウヒョウ龍5) / Double Happiness Shanghai / Nittaku(紅双喜/ニッタク)

 katsuo000が所有しているのは、DHS製のものをネットショップで購入したもので、JTTAは入っておりません。価格も中国で買うよりも倍位高い値段だったと後日知りました。それでも30,000円は下回ってますが。ニッタク製のキョウヒョウ龍5は、40,000円 + 税と目が飛び出る値段なので、自分は購入予定はありません。もしかしたら、一般販売用ではなく省チーム用とかと同等のものなのかもしれないですね。購入から随分間があいてレビューを挙げましたが、非常に良くて気に入っております。バックハンドは自分の腕では走らないのですが、回転量の多さと回転のかけやすさにかなり気に入っています。問題は切り替えの遅さでこの当たりは素振りなどで補うしかなさそうですね~。バタフライ製のインナーラケットとは明らかに一線を画すラケットですので、粘着ラバーユーザーは検討してみてもいいと思います。

https://katsuo000.com/review_hurricane_long_v/

4位 Alnade Inner(アルネイドインナー) / YASAKA(ヤサカ)

 ここでヤサカさんがランクインです。アルネイドインナーはYou Tuberのごぶりんずさんのヤンマさんが使用していたこともあって一時期売り切れになったそうですね。パンフレットにも掲載され、アウターのような弾みとインナーの球持ちを持ったラケットということです。自分も購入してしまったのですが、まだ試打できておりません。印象としてはやはりやや上板硬めでしたが、バタフライラケットでいうところの張継科モデルとティモボルモデルがブレードが同じでも違うのと同じように、アルネイドインナーはティモボルモデルに近いイメージで、テンション系のラバーにあいそうなラケットだと感じました。今年は試打したいと思っておりますので、よろしくお願いします。

5位 Mark Wood(マークウッド) / YASAKA(ヤサカ)

 ヤサカのマークウッドもランクインです。こちらは初心者モデルとして、ヤサカの最も売れているラバーマークVの名前を冠したラバーですね。この「マーク」を入れたことで、人気が出そうなラケットです。

6位 LinYun-Ju SUPER ZLC(林昀儒 SUPER ZLC) / Butterfly(バタフライ)

 オリンピックで惜しくも4位となった林選手のラケットですね。非常に軽量のものが多い印象で平均重量も軽い個体が多いようです。SUPER ZLCがかなり弾んで詰まった印象になる素材です。水谷隼SUPER ZLCは水谷隼ZLCと比較すると、かなり7枚合板のような重厚感とパワーも感じるラケットで、張継科SUPER ZLCから派生していることを考慮すると、かなり扱いが難しいラケットではないかと想像します。林選手はこのラケットで安定感のあるチキータを連発してますから、凄いの一言しかありません。林選手のような卓球、または後陣などから巻き返したり、カウンターを狙ったり、特徴的な卓球に憧れる選手に向いたラケットではないかと想像します。 

7位 Maze Advance(メイスアドバンス) / Butterfly(バタフライ)

 メイスパフォーマンスの後継です。使ったことありませんが、メイスパフォーマンスは触ったことがあります。非常に扱いやすいラケットの印象がありますね。

8位 Patrick Franziska Innerforce ZLC(フランチスカインナーフォースZLC) / Butterfly(バタフライ)

 フランチスカ選手のモデルラケットも発売となりました。インナーZLCはこれで、4本目になりますね。インナーフォースレイヤーZLCやアポロニアZLCとの違いなど少し気になるところです。

 

SNSでもご購読できます。