考察

テンションラバー vs 粘着ラバー

テンションラバーとは?

 テンションラバーとは日本卓球、特に男子で主流のラバータイプになります。テンションラバーもいくつかの分類がありますが、現在主流で最もテンションラバーはスピン系テンションラバーになります。

テンションラバーの名前の由来

 テンションラバーの名前の由来は、まさに「テンション」にあります。Tensionというのは、直訳すると緊張という意味になります。これはラバー=ゴムが引っ張られている状態を形容しており、たるんだ状態ではなく、一定の張力を受けた状態のラバーであることを表現しています。なお、テンションラバーが登場する前は、「高弾性」ラバーというものが、卓球界の主流でした。

 テンションラバーの歴史:

テンションラバーの特徴

 テンションラバーの特徴として高いスピン性能とスピード性能が特徴になると思います。特にラバー全体にテンションがかけられているので、強く食い込ませた時にボールの回転量やスピードが非常に優れたものになります。もちろんテンションがかかっているために、スピードが出やすい分、飛距離が出やすくコントロールも難しくなる傾向があります。テンションラバーは2021年現在、日本卓球において最も主流となるカテゴリーのラバーであり、多様な種類があるためラバーごとに特徴が異なりますが、粘着ラバーと比較した際の特徴は、スピードと飛距離と言えるでしょう。テンションラバー間で比較する際は、テンションラバーの細分化もkatsuo000検討しております(現在作成中)ので、ご参考ください。

 テンションラバーの分類:

 代表的なテンションラバー:
   Tenergy 05(テナジー05)
   Dignics 05(ディグニクス05)
   V>15 Extra(V>15エキストラ)
   Rakza X(ラクザX)
   Fastarc G-1(ファスタークG-1)
   Evolution MX-P(エヴォリューションMX-P)
   Rasanter R48(ラザンターR48)
   Blue Storm Z1 Turbo(ブルーストームZ1ターボ)
   Dynaryz AGR(ダイナライズAGR)
   Vega X(ヴェガX)
   Omega VII Tour(オメガ7ツアー)
  など

粘着ラバーとは?

 粘着ラバーとは中国卓球で主流のラバータイプになります。シート表面が手で触るとネバネバしていて、ボールを強く押し当てると引っ付くようなラバーのことです。粘着の強さもさまざまで、強粘着と言われるラバーでは、ラバーにボールを引っ付けて逆さまにしても重力に逆らってボールがラバーに引っ付けることも可能です。微粘着や微々粘着など、ほとんど粘着を感じないような粘着ラバーも存在します。粘着ラバーも分類が増えてきているとともに、卓球帝国中国を代表する特徴であるため一部の熱狂的なユーザーがいるラバーカテゴリーでもあります。粘着ラバーシートのネバネバしたものの正体は可塑剤といわれるゴムと比べると分子量が小さい材料によるものだそうです。

粘着ラバーの特徴

 粘着ラバーの特徴は打法にもよりますが、テンションラバーよりも打球点を落としてもスピードドライブが打てたり、台上が浮きにくいなどの特徴が挙げられる一方で、スピード性能はテンションラバーに劣るという点は共通です。卓球王国さんがまとめられている粘着ラバーの分類を、katsuo000も採用させていただいております。

 粘着ラバーの分類:

 代表的な粘着ラバー:
   Hurricane(キョウヒョウ)シリーズ
   Dignics 09C(ディグニクス09C)
   AIBIS(アイビス)
   Triple Double Extra(トリプルダブルエキストラ)
   Rakza Z(ラクザZ)
   Hurricane Pro III Turbo Blue(キョウヒョウプロIIIターボブルー)
   Hybrid K1J(ハイブリッドK1J)
   Blue Grip C1(ブルーグリップC1)
   Omega VII China Ying(オメガ7チャイナ影)
  など

テンションラバーが得意

スピードドライブ
 テンションラバーの特徴としてスピード性能が挙げられます。もちろん、スピン系テンションの中にもスピードが出しやすいラバー、逆にスピードドライブが難しいラバーは存在しますが、粘着ラバーと比較するとボールのスピードは圧倒的に出しやすいでしょう。スピードドライブが打ちやすいラバーは比較的やわらかいラバー、または同じスポンジ硬度でもシートの粒が倒れやすい設計になっているラバーがスピードドライブが打ちやすいラバーになります。

 スピードドライブが容易なラバー例
  Dignics 64(ディグニクス64)
  Tenergy 05 FX(テナジー05FX)
  Brice Highspeed(ブライスハイスピード)
  Blue Storm Z1 Turbo(ブルーストームZ1ターボ)
  Rasanter R42(ラザンターR42)

スマッシュ
 テンションラバーはスピードが出しやすい点と重複してスマッシュがやりやすいことがあげられます。この特徴が反映しているものとして、中国トップのFan Zhendong(樊振東)選手がロビングに対し、ラケットを反転してスマッシュすることが挙げられます。中国トップ選手はフォア側にHurricane(キョウヒョウ)シリーズのラバーを使用することが多いのですが、キョウヒョウはドライブは得意な一方で、スマッシュは少々難しかったりします。使用者はわかると思うのですが、スマッシュのようにハードにボールをラケットに当てる技術では、ラバーにくい込みが生じるため意図せずボールの起動が変化したり回転がかかったりすることがあるのです。そこで、樊振東選手はロビングがあげられると、バックサイドに貼ってあるスピン系テンションラバー(最近はディグニクス05を使用しているようです。)でスマッシュをします。

 スマッシュが容易なラバー例
  Tenergy 80(テナジー80)
  Fastarc G-1(ファスタークG-1)
  Rasanter R50(ラザンターR50)  

5球以上のラリー
 ラリーが続けば続くほど、テンションラバーの方が有利と言われています。これは、粘着ラバーと比較してスピードボールが打ちやすいことに起因していると思われます。粘着ラバーを使っている場合にスピードボールを打つために身体全身を使って出す必要があり、ラリーが続けば続くほど、体力を消耗するとも言えるでしょう。またラリーが長びくことに伴い、台から下がってしまった場合でも、ボールのスピードや飛距離が出しやすいテンションラバーの方が有利といえることも自明と考えられるでしょう。このようにラリーが長くなればなるほど、テンションラバーが有利であり、テンションラバーであればラリーが長びくほど逆転の可能性もあると思います。

中陣・後陣からのロビングやフィッシュ、カウンター
 ラリーと同じような理由になりますが、飛距離とスピードが出しやすいテンションラバーは中陣や後陣からの守備的といわれる技術も有利と言えるでしょう。テンションラバーであれば、ロビングやフィッシュといわれる技術もやりやすいのは、スピードや飛距離の点からも自明です。

粘着ラバーが得意

台上、ツッツキ・ストップ
 粘着ラバーが得意な技術として、台上が挙げられます。粘着ラバーは回転の上書きがしやすく、強い回転がかけることができれば、多少角度を間違えても相手のコートへ入れることが容易となります。これは飛距離が出にくいことも一役かっていると思います。また、ツッツキやストップが非常にやりやすいのも粘着ラバーの特徴になります。対照的にテンションラバー、特に柔らかいテンションラバーは食い込みが良い分、回転の影響を受けやすかったり飛距離が出やすかったりするため、ストップや低くツッツくことがやや難しくなる傾向にあります。つまり、サーブ、レシーブ、三球目までであれば粘着ラバーの方がミスをしづらいと言えると思います。

対下回転に対するドライブ
 下回転のかかっているボールをドライブする際、回転に敏感な硬いテンションラバーでは、スイングスピードが遅いと回転の影響の方が勝ってしまい、ボールが落ちてしまいます。一方で、柔らかいテンションラバーの場合は球持ちはよくなりますが、回転の影響は受けやすいので、やはり回転にあわせて角度や飛距離をコントロールする必要があります。粘着ラバーのメリットとして、どのような下回転のボールに対して、どのような角度で捉えたとしても、粘着によって一定の球持ちと回転の上書きが可能であるため、同じようなスイングでふっても高い安定感をもってドライブ返球することが容易になる点が挙げられます。サーブ3球目から5球目までを考慮すれば粘着ラバーが有利と言えるでしょう。

katsuo000的トップ選手の用具を低価格のもので代替してみた!④

トップ選手の用具は高い!

 言わずもがなですが、高いですよね。本日は、一部のトップ選手たちが使うアウター特殊素材カーボンに着目して、提案させていただきます。

トップ選手の用具に近い、安い用具を探せ! ④

水谷隼選手

水谷隼選手の使用用具
ラケット: Mizutani Jun ZLC(水谷隼 ZLC)
フォア: Dignics 80(ディグニクス80)
バック: Dignics 80(ディグニクス80)

 水谷隼選手の使用用具、ディグニクス80に近いラバーは以前、Dignics 05(ディグニクス05)に近い打球感のラバーとして紹介させてもらったTIBHAR(ティバー)のEvolution MX-S(エヴォリューションMX-S)になりますね。

Evolution MX-S(エヴォリューションMX-S) / TIBHAR(ティバー)
 回転系テンション OFF+
・Sponge Thickness:1.7/1.9/2.1 mm
・Speed:125
・Spin:120
・Control:80
・Sponge硬度:45.7-47.7°
・6,000円 + 税
・74 g(切断前) → 50 g(張継科ZLCに貼って)

katsuo000のレビュー:https://katsuo000.com/review_evolution_mx_s/

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 やはり回転性能は、見劣りするかもしれませんが、打球感は近いと思います。

Mizutani Jun ZLCに近いラケット

 水谷隼ZLCは次のようなスペックになります。

Mizutani Jun ZLC(水谷隼ZLC) / Butterfly(バタフライ)
・ブレード面積: 157× 150 mm
・板厚: 5.7 mm
・ラケットタイプ: アウターZLC、ZLC+5枚合板
・価格: 25,000円 + 税

katsuo000のレビュー:https://katsuo000.com/review_mizutanijun_zlc/

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 水谷隼選手のラケットはアウターにZLCを配したラケットになります。アウターにZLCを配したラケットはTimo Boll ZLC(ティモボルZLC)やZhang Jike ZLC(張継科ZLC)がバタフライから同じく販売されていますが、ティモボルZLCや張継科ZLCと、水谷隼ZLCは少し異なります。異なる点は大きくは2点で板厚が5.7 mmと水谷隼ZLCの方が厚く、また上板にはKoto(コト)材ではなくLimba(リンバ)材がもちいられているのが水谷隼ZLCとなります。

Timo Boll ZLC/Zhang Jike ZLCとMizutani Jun ZLCの違い
・板厚 5.5 mm → 5.7 mm
・上板Koto → Limba

 過去に水谷隼ZLCをメインで使っていたのでkatsuo000の感じる違いに少し触れておきますね。水谷隼ZLCの方が、板厚が0.2 mm厚い分飛距離とスピードが出やすいと感じました。また、上板にリンバをもちいている分、球持ちを感じやすく柔らかいと感じる打球感です。特にバックハンドで球持ちを強く感じやすいのが水谷隼ZLCだと思います。

 実は、アウターALC系ラケットにおいても類似の関係が存在します。そのラケットがFreitas ALC(フレイタスALC)になります。フレイタスALCはTimo Boll ALC/Zhang Jike ALC(ティモボルALC/張継科ALC)の5.8 mmと比べて0.2 mm厚い6.0 mmで、使ったことはありませんが上板にリンバをもちいたラケットだそうです。引退後、再度現役にカムバックしたロビングとバックハンドに定評のあるデンマークのMaze Michael(メイス)選手の名前を冠したラケット、Maze(メイス)というラケットもアウターにALCを配してほぼ同じような構成だったそうです。ちなみに水谷隼選手が学生時代に使用していたラケットはメイスになりますね。類似で安いラケットは、まずは先ほど挙がった、フレイタスALCですね。

Freitas ALC(フレイタスALC) / Butterfly(バタフライ)
・ブレード面積: 157× 150 mm
・板厚: 6.0 mm
・ラケットタイプ: アウターALC、ALC+5枚合板
・価格: 18,000円 + 税

 上板が柔らかく、より球を持ちやすいラケットになっていると思います。また板厚もビスカリアや張継科ALCなどよりも0.2 mm厚いので、飛距離が出やすくスピードドライブが出しやすいと思いますね。近年ではトップ選手でこのタイプのラケットの使用者は多くはないですが、選択できることは嬉しいことなので是非廃盤にはならないでほしいですね。

ZeleBRO PBO-C(ゼレブロPBO-C) / Joola(ヨーラ)
・ブレード面積: 157× 151 mm
・板厚: 5.7 mm
・ラケットタイプ: アウターPBO-C、+5枚合板
・価格: 24,000円 + 税

 マイナーなラケットで、自分も触ったことないのですが、Joola(ヨーラ)のラケットになりますね。バタフライのZLCとほぼ同じとされる素材として、PBO-Cをアウターに配したラケットになります。上板にもちいている木材は調査中になりますが、卓球王国さんでも試打紹介されるラケットですので、悪いラケットではないと思いますね。

最後に

 今回はアウターZLCにフォーカスしました。そこまで数は多くないのですが個人的には名作のラケットの1つだと思います。プレイに個性を求めるのであれば、アウターALCよりもアウターZLC系ラケットだと思います。ご参考ください。

katsuo000的トップ選手の用具を低価格のもので代替してみた!③

トップ選手の用具は高い!

 言わずもがなですが、高いですよね。本日は、トップ選手たちが愛用するラケットで最も多いと言われるAryrate Carbon(アリレートカーボン、ALC)に着目して、提案させていただきます。

トップ選手の用具に近い、安い用具を探せ! ③

Timo Boll(ティモ・ボル)選手

ティモボル選手の使用用具
ラケット: Timo Boll ALC(ティモボル ALC)
フォア: Dignics 09C(ディグニクス09C)
バック: Dignics 09C(ディグニクス09C)

 ティモボル選手の使用用具、ディグニクス09Cに近いラバーは正直2020年7月時点でないと感じているので、ティモボルALCと近いラケットを挙げさせていただきます。

Timo Boll ALCに近いラケット

 ティモボルALCは次のようなスペックになります。

Timo Boll ALC(ティモボルALC) / Butterfly(バタフライ)
・ブレード面積: 157× 150 mm
・板厚: 5.8 mm
・ラケットタイプ: アウターALC、ALC+5枚合板
・価格: 18,000円 + 税
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 名作と言われる、アウターにALCを配した板薄系のラケットになりますね。類似のバタフライのラケットをまずは挙げさせていただきますね。決して安くはないです。

Zhang Jike ALC(張継科ALC) / Butterfly(バタフライ)
・ブレード面積: 157× 150 mm
・板厚: 5.8 mm
・ラケットタイプ: アウターALC、ALC+5枚合板
・価格: 18,000円 + 税
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 見比べるとわかるように、板厚やラケットタイプ、価格までティモボルALCと張継科ALCは同じになります。何が違うのか、一発でわかるのはデザインですね。また選手にとって大きく差が出る違いはグリップにあります。後述します。

Lin Gaoyuan ALC(林高遠ALC) / Butterfly(バタフライ)
・ブレード面積: 157× 150 mm
・板厚: 5.8 mm
・ラケットタイプ: アウターALC、ALC+5枚合板
・価格: 18,000円 + 税
https://amzn.to/3k3V23F

 林高遠ALCもほぼ同じですね。2020年ベストギアオブザイヤーのシェークハンド部門グランプリになります。おそらく、林高遠ALCは張継科ALCに相当近いと思うのですが違いは調査中になります。

Viscaria(ビスカリア) / Butterfly(バタフライ)
・ブレード面積: 157× 150 mm
・板厚: 5.8 mm
・ラケットタイプ: アウターALC、ALC+5枚合板
・価格: 25,000円 + 税
https://amzn.to/2D9DKBp

 あまりの人気のために、廃盤となっていたのに再販となったのがビスカリアになります。過去の販売価格は10,000円+税なのになぜ、2.5倍も高騰したのか汗。非常に名作でトップ選手が未だに愛用しているため、これからも人気が続くと思われます。

 基本的には、ほぼどのラケットもラケットブレードの構成は同じと言えるでしょう。異なるのはおそらく、グリップ部分のデザインや形、そして内部構造だと思われます。下記に代表的なシリーズの特徴を挙げさせていただきます。

ティモボルシリーズの特徴
・グリップが空洞で先端重心 → 威力が出しやすい!
・角ばったグリップ

張継科シリーズの特徴
・グリップが詰まっていてグリップ側重心 → ブロックや切り返しがやりやすい!
・丸いグリップ

 上記のように、非常に細かい感覚的な部分なのですが、違いが生じるので、トップ選手たちはメーカー側に変更をお願いしていると言えますね。我々のような一般ユーザーは、アウターALC系のラケットを購入すると決めたのであれば、デザインで決めて良いと考えます。自分は張継科モデルを使っているので、張継科ALCがスムーズに移行しやすいと思いますが、ビスカリアと林高遠ALCも少し気になりますね。ティモボルALCは持っていませんが、Timo Boll Spirit(ティモボルスピリット、現在は廃盤。ほぼティモボルALCと同じ。)は持っていて、だいたいどのようなラケットかわかっているので、ティモボルALCはそこまで欲しいラケットではありません。でもバタフライさんで買うとハズレはないですが、高いです汗。これだけ人気のラケットブレードですので、もちろん各メーカー、同じようなブレードタイプのラケットを販売しております。

Tornado King Speed(トルネードキングスピード) / Nittaku(ニッタク)
・ブレード面積: 157× 150 mm
・板厚: 5.7 mm
・ラケットタイプ: アウターケブラーカーボン、+5枚合板
・価格: 18,000円 + 税
https://amzn.to/2PsQQwl

 ニッタクさんのトルネードキングシリーズは、Double Happiness Shanghai(DHS)のラケット、キョウヒョウ王シリーズを意識したモデルと聞いたことがあります。Tornado King Power(トルネードキングパワー)は同じような名前ですが、インナーになりますし、Tornado Kinng(トルネードキング)は5枚合板になりますので、お間違えのないようにしてください。トルネードキングスピードは板厚5.7 mmと少し板薄でフォアに粘着ラバーを使うことを考えるのであれば、バタフライのラケットよりも相性が良いと思います。高いですけど欲しいですね。

 Flyatt Carbon Pro(フライアットカーボンプロ) / Nittaku(ニッタク)
・ブレード面積: 157× 150 mm
・板厚: 5.8 mm
・ラケットタイプ: アウターケブラーカーボン、+5枚合板
・価格: 8,800円 + 税
https://amzn.to/2DdeLgq

 いきなり本命のコスパラケットが登場しました。フライアットカーボンプロはまさにティモボルALCと類似のラケットで値段が半額以下のラケットになりますね。ALCに似た特殊素材としてニッタクではケブラーカーボンを使用しています。ALCではないから使わない、と考えずに手に取ってみても良いと思います。

 Alnade(アルネイド) / Yasaka(ヤサカ)
・ブレード面積: 157× 150 mm
・板厚: 5.8 mm
・ラケットタイプ: アウターアラミドカーボン、+5枚合板
・価格: 12,000円 + 税
https://amzn.to/3k67HmK

 ヤサカさんの本名はアルネイドになります。1万円を超えますが、完全にティモボルALCを意識したラケットになります。他のメーカーでもALCではなくアラミドカーボンを採用したラケットは多いですが、アラミドカーボンはALCとほぼ同じと考えても良いと思います。

 Stradivarius(ストラディバリウス) / XIOM(エクシオン)
・ブレード面積: 157× 150 mm
・板厚: 5.7 mm
・ラケットタイプ: アウターアラミドカーボン、+5枚合板
・価格: 9,000円 + 税
https://amzn.to/2DtT4c4

 こちらもかなり本名のコスパラケットになりますね。認知度が増えてきたエクシオンですが、ラケットはあまり使用者がいない印象です。名前からわかるように、未だに人気の素材構成であるティモボルALCやビスカリアのようなラケットを完成したものとみなして、バイオリンのストラディバリウスから名前を冠したと思われます。正直katsuo000は欲しいし買うことを考えておりますね苦笑。ティモボルALCよりも板厚が5.7 mmと0.1 mm薄いのが非常に好印象です。欲しいですね。

 Esprit(エスプリ) / DONIC(ドニック)
・ブレード面積: 160× 152 mm
・板厚: 6.0 mm
・ラケットタイプ: アウターアラミドカーボン、+5枚合板
・価格: 6,800円 + 税

 Baum Esprit(バウムエスプリ)という名前でしたが、2020年ではバウムが取れたようです。ドイツのバウム選手のモデルになりますね。板厚は6.0 mmでラケットも縦長になっているのが特徴です。こちらも安いですね!

 Original True Carbon(オリジナルトゥルーカーボン) / DONIC(ドニック)
・ブレード面積: 157× 152 mm
・板厚: 5.5mm
・ラケットタイプ: アウターアラミドカーボン、+5枚合板
・価格: 15,000円 + 税

 こちらはOvtcharov True Carbon(オフチャロフトゥルーカーボン)でした。オフチャロフ選手がバタフライと契約になりましたので名前が変更しました。まだショップでは旧名の方が多いと思います。5.5 mmとかなり板薄で値段は少し高いですが、気になって欲しい一本になります汗。

最後に

 いかがでしたでしょうか。コスパだけを求めるならおすすめはストラディバリウスですね。少し余裕があるなら、トルネードキングスピードかオフチャロフトゥルーカーボンをオススメしたいです。今後katsuo000も遠い未来ですがストラディバリウスは購入してみて試打したいと考えています。是非みなさんも検討してみてはいかがでしょうか。

katsuo000的トップ選手の用具を低価格のもので代替してみた!②

トップ選手の用具は高い

 トップ選手は高価なラケット&ラバーを使用されています。本企画第2回目になります。早速いってみましょう!

トップ選手の用具に近い、安い用具を探せ! ②

丹羽孝希選手

丹羽孝希選手の使用用具
ラケット: KOKI NIWA WOOD(丹羽孝希ウッド)
フォア: V>15 Extra(V>15エキストラ)
バック: V>15 Extra(V>15エキストラ)

丹羽孝希選手の使用用具と近い用具を挙げさせていただきます。

KOKI NIWA WOODに近いラケット

 丹羽孝希ウッドは次のようなスペックになります。

KOKI NIWA WOOD(丹羽孝希ウッド) / VICTAS(ヴィクタス)
・ブレード面積: 157× 150 mm
・板厚: 6.5 mm
・ラケットタイプ: 7枚合板
・価格: 15,000円 + 税
https://amzn.to/3gl8NZr

 丹羽孝希ウッドは、7枚合板になりますね。結構有名なのですが、ベースとなっているラケットはTSPのラケットになります。

SWAT Power(スワットパワー) / TSP(ティーエスピー)
・ブレード面積: 158 × 150 mm
・板厚: 6.6 mm
・ラケットタイプ: 7枚合板
・価格: 10,000円 + 税
https://amzn.to/3hVylN5

 合板系ラケットの中では高価なスワットパワーがベースとなって打球感などを調整したのが、丹羽孝希ウッドだそうです。従ってスワットパワーはかなり近いラケットになるはずですね。

CLIPPER WOOD(クリッパーウッド) / STIGA(スティガ)
・ブレード面積: 158 × 150 mm
・板厚: 6.5 mm
・ラケットタイプ: 7枚合板
・価格: 13,000円 + 税( CLIPPER CR WRBなら11,500円 + 税)
https://amzn.to/30kwDPy

 使用木材がわからないので、少し自信がないのですが、板厚で見ていくと同じ板厚になるのが、スティガのクリッパーになりますね。クリッパーウッドは最も攻撃的な7枚合板の1本だと思いますね。

V>15 Extraに近いラバー

 V>15 Extraはヴィクタスさんのフラグシップラバーで近い性能のラバーは多くはありません。

V>15 Extra(V>15エキストラ) / VICTAS(ヴィクタス)
・弧線の高さ: 6.7
・Speed: 8.4
・ドライブの精度: 7.1
・シートの強さ: 9.2
・反発: 8.8
・Sponge硬度: 47.5 ± 3
・価格: 6,000円 + 税

katsuo000のレビュー:https://katsuo000.com/review_v15_extra/

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 打球感が似ていると感じたラバーは、こちらもTSPのラバーでした。

Super Ventus(スーパーヴェンタス) / TSP(ティーエスピー)
 JG Combi(Japan Germany Combination) 
 ORC(Optimized Rotation Concept)
・Speed:15.25
・Spin:11.75
・Sponge Thickness: 1.8 mm、2.0 mm、MAX
・Sponge硬度:47.5(ドイツ基準)
・5,200 円 + 税
・74 g(切断前) → 49 g(張継科ZLCに貼って)

katsuo000のレビュー:https://katsuo000.com/rreview_super_ventus/

 威力はやはりV>15 Extraの方が上だと感じましたが、回転のかけやすさや扱いやすさは逆にスーパーヴェンタスの方が上だと感じました。スーパーヴェンタスをまずは使って徐々にV>15系のラバーへ変えていくのはありだと思いますね。

 続いて似ていそうなラバーはずばり同じヴィクタスのラバーになってしまいます。

V>11 Extra(V>11エキストラ) / VICTAS(ヴィクタス)
・弧線の高さ: 6.3
・Speed: 8.8
・ドライブの精度: 7.1
・シートの強さ: 9.7
・反発: 8.5
・Sponge硬度: 47.5 ± 3
・価格: 5,200円 + 税
https://amzn.to/2Pc2Emq

 自分が使ってみたわけじゃないのが本当に恐縮です。早く使ってみたいのですが少々お待ちください。

最後に

 ということで、企画2回目でした。早くも苦しい部分が散見されますが、これから更新も図りたいので暖かく見守っていただければ幸いです。

katsuo000的トップ選手の用具を低価格のもので代替してみた! ①

トップ選手の用具は高い!

 トップ選手はやはり非常に高価なラケット&ラバーを使用されています。それはやはりメーカーの宣伝効果が高いことも反映していますね。少しでも本人の希望があればより良いラケット&ラバーが支給され、それによって高い成績をおさめることができれば、その関連用具が売れるという図式が出来上がっています。ラケット&ラバーで、トップ選手に近いと言えるものを挙げていこうと思います。

トップ選手の用具に近い、安い用具を探せ! ①

張本智和選手

・張本智和選手の使用用具
ラケット: Harimoto Tomokazu Inner Force ALC
      (張本智和インナーフォースALC)
フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
バック: Tenergy 05(テナジー05)

張本選手の使用用具と近い用具を挙げさせていただきます。

Harimoto Tomokazu Inner Force ALCに近いラケット

 張本智和インナーフォースALCは次のようなスペックになります。

Harimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC) / Butterfly(バタフライ)
・ブレード面積: 158 × 152 mm
・板厚: 6.0 mm
・特殊素材:  Arylate Carbon(アリレートカーボン、ALC)
・価格: 18,000円 + 税
https://amzn.to/2PcSAtp

 張本智和インナーフォースALCに近いスペックを探していくと次のようなラケットを挙げることができると思います。

Reinforce AC(リーンフォースAC) / Yasaka(ヤサカ)
・ブレード面積: 157 × 150 mm
・板厚: 6.0 mm
・特殊素材: Aramid Carbon(アラミドカーボン)
・価格: 9,000円 + 税
https://amzn.to/30kQiOY

 ダントツで近いラケットはヤサカさんのリーンフォースACですね。かなり意識して作られたラケットだと思います。異なる点は、ブレード面積で、張本智和インナーフォースALCの方が少し広いですね。この広いブレード面積は、先端重心になりやすい分、威力は出やすいですが、重く感じやすく振り遅れもしやすいので扱いが難しくなりやすいです。価格や扱いやすさを含めるとおそらくリーンフォースACの方が初心者や中級者には良いと思います。
 また2020年のパンフレットでは掲載されていませんでしたが、最近正式にヤサカさんはAlnade Inner(アルネイドインナー)というラケットも販売するようになりました。こちらも近いスペックだと思いますが、アルネイドインナーのスペックは板厚5.8 mmのようです。もしかしたら上板に球持ちを感じやすいLimba(リンバ、インナーフォースレイヤーシリーズの上板は基本的にはリンバを使用)ではなく、Alnade(アルネイド)と同じ、アウターカーボン系に多いKoto(コト、VISCARIA(ビスカリア)に代表されるアウターカーボンの定番的上板)かもしれませんので、打球感は少し異なりそうですね。

TREIBER CI OFF(トレイバーシーアイオフ) / andro(アンドロ)
・ブレード面積: 157 × 150 mm
・板厚: 6.1 mm
・特殊素材: KVL Carbon(KVLカーボン)
・価格: 12,000円 + 税
https://amzn.to/3k3QdY7

 続いてスペック的に近そうなラケットがアンドロさんのトレイバーシーアイオフになりますね。上板にどのような木材を使っているのかわかりませんがKVLカーボンが球持ちも付与したカーボンのようですので、近いと思います。

Dignics 05に近いラバー

Dignics 05(ディグニクス05) / Butterfly(バタフライ)
・Spin: 12
・Speed: 13.5
・Sponge硬度: 40
・価格: 9,800円 + 税

 イメージとしては、V>15 Extraのシートの硬さとテナジー05の回転性能を足してV>15 Extraの抜群の癖球をなくしたようなラバーになると思います。シートの硬い、類似の打球感を偶然見つけました。それが、TIBHAR(ティバー)さんのEvolution MX-S(エヴォリューションMX-S)ですね!

Evolution MX-S(エヴォリューションMX-S) / TIBHAR(ティバー)
 回転系テンション OFF+
・Sponge Thickness:1.7/1.9/2.1 mm
・Speed:125
・Spin:120
・Control:80
・Sponge硬度:45.7-47.7°
・6,000円 + 税
・74 g(切断前) → 50 g(張継科ZLCに貼って)

katsuo000のレビュー:https://katsuo000.com/review_evolution_mx_s/

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 回転性能は少し見劣りしてしまいますが、打球感は近いと感じました。使いこなせれば、ティバーの代表的なラバー、Evolution MX-P(エヴォリューションMX-P)を超える高い回転性能を示すでしょう。

Tenergy 05に近いラバー

 テナジー05に近いラバーはかなり多いと思います。というのはテナジー05は世界標準的なラバーであり、世界を席巻し、多数のメーカーがテナジー05を目指して開発をしているからですね。まだ試打できていないラバーもあるので、今後増えるかもしれません。まずはテナジー05の性能です。

Tenergy 05(テナジー05) / Butterfly(バタフライ)
・Spin: 11.5
・Speed: 13
・Sponge硬度: 36
・価格: 8,900円 + 税

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続いて似ているラバーを挙げていきますね。

Rasanter R48(ラザンターR48) / andro(アンドロ)
・Spin: 124
・Speed: 119
・Sponge硬度: 48
・価格: 6,500円 + 税

katsuo000のレビュー:https://katsuo000.com/review_rasanter_r48/

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 katsuo000が使ってみて、回転性能や扱いやすさを含めて近いと感じたラバーがR48になりますね。打球感はじゃっかん異なり球離れはR48の方がテナジー05より早いです。Tenergy 80(テナジー80)に近い打球感で回転性能はテナジー05に近いイメージですね。

Evolution MX-P(エヴォリューションMX-P) / TIBHAR(ティバー)
・Spin: 12
・Speed: 11
・Sponge硬度: 47.5
・価格: 6,000円 + 税

katsuo000のレビュー:https://katsuo000.com/review_evolution_mx-p/

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 結構巷で有名ですが、あえて挙げさせていただきます。ティバーさんのエヴォリューションMX-Pは、主に打球感がかなりテナジー05に近いですね。おそらく意識して開発されていると思います。Evolutionシリーズのスポンジの色は赤く、今ではディグニクスも販売されていますが、エヴォリューションが販売された当時において、赤系のスポンジはテナジーのSpring Spongeのテナジーオレンジが主だったと思われます。それくらい意識して販売されたラバーがエヴォリューションMX-Pですね。実際球持ちをしっかりしてくれるので、かなり近い打球感覚で打てます。異なると感じやすい点は、
・回転量(テナジー05の方が高い)
・オートマで上回転がかからない(テナジー05はオートマにかかる感じがあった)
・弾きやすい(テナジー05は良くも悪くもミートはやりにくい分ドライブが◎)

でした。上記を考慮してもコストパフォーマンスと打球感からエヴォリューションMX-Pを選んでも全く悪くないとkatsuo000は考えます。

Blue Fire JP01 Turbo(ブルーファイヤJP01ターボ) / DONIC(ドニック)
・Spin: 10+++
・Speed: 10+
・Contol: 6+
・Sponge硬度: 47.5
・価格: オープン価格

katsuo000のレビュー:https://katsuo000.com/review_bluefire_jp01_turbo/

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 ドニックのラバーはオープン価格と言いながら非常に安くて選手思いのラバーが多いと思います。一応、Blue Storm Z1 Turbo(ブルーストームZ1ターボ)、Blue Fire M1 Turbo(ブルーファイヤM1ターボ)と触ってみましたが、扱いやすさやトータルバランスで近いと感じたのはJP01ターボになります。非常に扱いやすくておすすめのラバーになりますね。もう少し硬い方がいい、フォアで使うから威力やスピードも欲しいのであれば、ブルーストームZ1ターボを、回転量や重いボールが打ちたいなら、ブルーファイヤM1ターボになると思います。値段がオープンプライスではありますが、5000円前後で購入できるのも嬉しい点ですね。

最後に

 ということで、このような企画を始めてみました。いきなりトップ選手のラケット&ラバーを購入するのはかなり勇気が必要です。少しでも参考になれば幸いですね。今後も第2回とか書いてみようと思っております。