説明
Virtuoso AC(ヴィルトーソAC)は、ハンガリーのハンドメイド=手作り卓球工房OSP(オーエスピー)より販売されているラケットの1つになります。2021年注目のOSPラケットになりますね。OSPのホームページで存在を知り、WRM(ワールドラバーマーケット)さんが扱うことと、WRMさんのレビュー投稿でのポイントがかなりたまっていたので、思わず衝動買いしてしまいました!WRMさんでの購入になります。 Virtuoso ACの説明において、登場するワードは、 ・OSP Blades ・アラミドカーボン(Aramid Carbon) ・インナーカーボン(Inner Carbon) になります。
OSP Blades
OSPはハンガリーの卓球ラケットのハンドメイド工房になります。 ホームページ: https://ospblades.com/ 実際にオーダーメイドをお願いしたことがないのですが、ホームページの情報からオーダーメイドすると、下記のように様々な仕様のラケットをお願いすることができるようです。
ラケットモデル(種類)
OSPのラケットの特徴は、弾み過ぎず強い球持ちのあるラケットです。トップ選手にとっては弾みの弱さや爽快感の低さを感じるかもしれませんが、中級者以上の層にささる高い安定感とラリー志向のラケットが多いと思います。球持ちがあるけどボールが軽くなったり威力不足になるラケットや、もっと弾むラケット、スピードのでるラケットは他メーカーでも扱いがあると思いますが、ここまで球持ちと安定感のあってボールの重さや威力を感じるラケットを販売するラケットメーカーは少ないと思いますね。注目のラケットを以下に挙げます。
Martin AC(マーティンAC) アラミドカーボンアウター仕様のラケットです。最新のラインアップで、まだWRMで取り扱いはありませんが、今後WRMで取り扱い販売されるのでしょうか?。アウターカーボン、板厚5.8 mm、上板リンバのラケットになります。非常にスタンダードなブレードの厚さですが上板Limba(リンバ)なので、張継科ALCなどよりも柔らかくて球持ちを感じると思いますね。仕様の近そうなラケット、フレイタスALCよりもブレード厚さが薄いので飛距離も抑えられて扱いやすそうですね。
Martin Pro(マーティンプロ) 7枚合板なのに珍しい板厚6.0 mm、上板リンバのラケットです。上板リンバは、例えばミズノのフォルティウスFTが挙げられるますが、板厚6.0 mmはフォルティウスFT Reの6.2 mmよりも薄いですね。7枚合板の力強さと、飛距離が抑えられたラケットではないかと想像します。
Virtuoso+(ヴィルトーソ+) 5枚合板で板厚5.8 mm、上板リンバのラケットです。非常に球持ちを感じるオーソドックスなラケットです。5枚合板なのに、しっかりとした重量があって好印象でした。5枚合板のラケットは、同じ値段のラケットでも、個体を選別して選ばないと軽い個体と重い個体とではかなり異なるラケットになっめしまいます。5枚合板はやはり中級者以上では重いラケットの方が威力と扱いやすいさを両立できると思います。そういう意味でヴィルトーソ+は重かったので非常に好印象でした。
Ultimate Carbon(ウルティメイトカーボン) インナーと芯にカーボンを使ったラケットで、上板リンバ、ブレード厚さ5.7 mmの意欲的なラケットです。7枚合板のようなパワフルなラケットなのに球持ちもあるラケットですね。ブレード厚さ5.7 mmにもかかわらず、重量が重くて扱いにくさを感じるラケットでした。パワーのある方があつかえばかなりパワフルなラケットだと思います。
グリップ
OSPの特徴として、全てのラケットについて、グリップ形状を6種類から選ぶことができます。 フレア(FL) ラウンドストレート(丸ストレート、R-ST) スクエアストレート(角ストレート、S-ST) コニック(Co) アナトミック(AN) 中国式ペンホルダー 最近はフレアが主流ですが、ストレートでも2種類から選べるのは嬉しいですね。ちなみに最近はフレアにハマっているので、購入したVirtuoso ACもフレアです。
ヘッドサイズ(ブレード面積)
OSPでは、ヘッドサイズ(ブレード面積)もオーダーできるようですね。katsuo000はそこまでヘッドサイズ(ブレード面積)にこだわりはないのですが、S、M、Lから選べるようです。ブレード面積が広いとラバーのサイズも必然的に広くなるので、その分ラケットが重くなる印象がありますね。
アラミドカーボン
卓球王国さんでは、アラミドカーボン ≒ Butterfly(バタフライ)さんのArylate Carbon(アリレートカーボン、ALC)という扱いで、非常に打球感が似ているそうです。化学構造式は異なりますが、卓球王国さんがいうからには、ある程度の説得力を感じ、katsuo000も同じカテゴリーとして採用しています。バタフライさんのALCは商標登録されているみたいで、他のメーカーは使えないみたいなんですね。今年発売のNittaku(ニッタク)のキョウヒョウ龍5(Hurricane Long V)も、アリールカーボンで、アリレートカーボンという言葉は使っていませんし、使えないのでしょう。アラミドは防弾チョッキなどに使われる繊維で非常に硬い繊維になります。アラミドの中にはケブラー(Kevlar)という商標登録された繊維もあり、ニッタクやドイツのラケットにはケブラーカーボンやケブラー繊維をもちいたラケットもありますが、これもほぼALC、またはAL繊維をもちいたラケットと考えていただいて良いと思います。 アラミドカーボンやALCはカーボンの硬すぎる打球感をマイルドにするためにアラミドやアリレート繊維を編み込んだ素材で、アウター、インナー問わず非常に人気の特殊素材になります。ただのカーボンインナーラケットよりも、球持ちを感じることもあり、卓人に重宝される特殊素材といえるでしょう。
インナーカーボン
このVirtuoso ACはInner Aramid Carbon(インナーアラミドカーボン)ラケットになります。インナーカーボンは現在の卓球界では徐々に主流になりつつあるラケットカテゴリーで、ブランド化として成功しているのが、バタフライのInner Force Layer(インナーフォースレイヤー)シリーズになりますね。インナー位置に特殊素材を入れていることがわかりやすいラケットシリーズになります。カーボンの威力はやや落ちますが、木材ラケットと類似の高い球持ちと、強振したときのカーボンらしい威力が前に出るラケットといえば良いでしょうか。インナーカーボンは個人的には避けていたのですが、近年自分のバックハンド技術の低さに、球持ちのよいラケットをどんどん探求して、ついにインナーカーボンにも手を出し始めた次第です。
性能表
OSPのホームページより数値を確認して作成しました。
katsuo000が気にするのはスピード性能、スピン性能、板厚ですね。
当然といえば当然ですが、板厚はスピード性能と相関があって、スピン性能と板厚は逆相関しますね。個人的にはカーボンや特殊素材ありのラケットは画期的なもので、板厚を薄くしながらスピード性能を高くすることが可能なまさに万能ラケットを可能とする発明だと思います。
今回レビューするVirtuoso ACはスピード性能はミドル、回転性能はVirtuoso+と同等というラケットになりますね。
さすが、定価25,000円越えのラケットですね。非常に高級感があって見ただけでテンションがあがりました!すぐにレビューするつもりはなかったのですが、この高級感に、思わずテンションがあがり、試打することにしてしまいました!
あと、届いてから感じたのですが、ブレード面積はやや広めですね。そのためによりラケットがしなりやすくなっているのだと思います。このサイズがMなのかLなのかわかりませんが、気持ちブレード面積が広いです。ただし、ディグニクス05は48 gでしたので重たくなるということもなかったですね。おそらく、フォルティウスFTやキョウヒョウ龍Vの方がブレード面積は大きいと思います。
Virtuoso AC類似ラケットとの比較
仕様をみれば大体どのようなラケットか、わかる人にはわかると思います。まずOSP Bladeさんのホームページですね。
Virtuoso AC: http://ospblades.com/virtuoso-ac-aramid-carbon-controlled-offensive-table-tennis-blade-for-poly-ball/
Virtuoso ACはViruoso+(ヴィルトーソ+)をより攻撃的にしたラケットと言えばよいでしょうか。上板はリンバで、インナーアラミドカーボン(ALC)ということは、次のようなラケットが挙げられますね。ButterflyさんのInner Force Layer ALC(インナーフォースレイヤーALC)またはHarimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)、またニッタクのTornado King Power(トルネードキングパワー)やYASAKA(ヤサカ)のReinforce AC(リーンフォースAC)、andro(アンドロ)のTreiver CI OFF(トレイバーCIオフ)が類似のラケットになりますね!ただしブレード厚さが異なります。
Virtuoso AC: 5.65 ± 0.05 mm / 88 g Inner Force Layer ALC: 6.0 mm / 88 g Harimoto Tomokazu Inner Force ALC: 6.0 mm / 87 g Tornado King Power: 5.8 mm / 88 g Reinforece AC: 6.0 mm / 87 g Inner Force Layer ALC.S: 5.5 mm / 88 g
比べてみると、やはりVirtuoso ACがブレード厚さがかなり薄いことがよくわかりますね!もっと薄いラケットとなると、インナーフォースレイヤーALC.Sくらいになります。ブレード厚さは飛距離と相関があると思いますので、ヴィルトーソACは弾みを抑えたインナーカーボン系のラケットといえるでしょうね。
今回、数球ですが、Reinforce AC(リーンフォースAC)と比較できました。そのあたりにも触れながらレビューさせていただきます。
Virtuoso ACの特徴
抜群の球持ち!まるで木材合板のような球持ち!
一発で気に入ったのが球持ちになります! とにかく球を持ちまくります!木材合板のような球持ちでした!思い切り打ってもカーボンぽさを感じずカーボンと木材が融合しているような打球感でした。似ているラケットはレボルディアCNFでしょうか。両面ディグニクス05で試打したのですが、バックハンドが非常に球を持てるので非常に気に入りましたね。この打感は嬉しいです。しっかりバックハンドでもドライブをかけることができるので、メインで使える手ごたえを感じました!
5枚合板ラケットのように押されたりしない!
5枚合板系ラケットのVirtuoso+も非常に球持ちがあって良いラケットでしたが、5枚合板らしく相手の強いボールに対し少し押されたりしなりすぎる感じがありました。ブロックはなれれば止められると思うのですが、普段から7枚合板や特殊素材ありのラケットを使うkatsuo000はこの5枚合板のおされる感じがあまり好きではないです。Virtuoso+はその部分が苦手でしたが、Virtuoso ACではそういった押されるといったことは感じませんでした。この部分も非常に気にいりましたね。
リーンフォースACよりも弾まない!
上記の予想通りで、Virtuoso ACはリーンフォースACよりも弾みませんでした 。軽くリーンフォースACも打ってみたのですが、オーバーミスが目立つと感じました。打球感はかなり近いとも感じましたね。そういう意味では、Virtuoso ACは割高といえば割高なラケットなのかもしれません。自分は今回ポイントで購入できたので、気にしませんでしたが、中高生や学生にはなかなかオススメは難しいとも感じました。
おすすめのラバー組み合わせ(あくまでも個人の感想)
フォアラバー
Dignics 05(ディグニクス05)
ディグニクス05はとにかく回転性能の高いラバーです。テナジー05を上回りますね。ただし扱いにくさのあるラバーでもあります。その扱いにくさはラケットで補いつつ、ラバーの高いスピン性能と高い反発性能で、非常にバランスのとれた組み合わせになっていたと感じました。少々高い組み合わせになりますが、損はさせない組み合わせだと思います。 またディグニクス05のボールが落ちない性能が出ていて、打球点を相当落としても ボールが上がって弧線を描いて沈むのでスピードドライブが打てそうな感じがありました。この性能はまさに粘着ラバーの性能ですね。粘着のような弧線の強さと、スピン系テンションラバーらしいスピード、チート感のあるディグニクス05の性能です。レボルディアCNFでも同様でしたが、Virtuoso ACは飛距離が出にくいので、スピードドライブが狙いやすいと感じました。
バックラバー
Dignics 05(ディグニクス05)
バックでも十分扱える球持ちを感じました。ディグニクス05でバックで使用してここまで球持ちを感じることのできたラケットはVirtuoso ACが初めてになりますね。腕が良ければもっと他のラケットでも球持ちを感じられると思いますがkatsuo000はあまり腕が良くないのでここまで高級ラケットでないと球持ちを感じることが難しかったです。
後日、第二子が生まれて機会の減ったカーテン打ちで確認できましたが、バックハンドドライブの回転量とループドライブの打ちやすさが他のラケットと比較してもダンチでした!非常に良い!加えて、ディグニクス05は、何故かインナーフォースレイヤーZLFにはあわないと感じます。この理由がよくわからないので、今後確認したいですね。エキスパートカーボンとテナジー05ハードをあわせたときに感じた、柔らかすぎるのが良くないんですかね。今後何かわかったらブログで書きたいと思ってます。
各技術レビュー
フォアハンド系
軽打 特に違和感はありませんでした。
ロングボールやラリーでのドライブ 少しスピード不足は感じましたが、良い打球感です。またボールが上に上がるのが良いですね。ネットよりも低いボールでもスピードドライブが打てそうなくらい球が上にあがります。これは素晴らしい性能ですね。しっかり意識して試合でも使えるようにしたい技術です。
面を開いたドライブ 打球点を落としてもしっかり相手のコートで沈んでくれて入ります。いいですね。
対下回転に対するループドライブ 球を持ちすぎてオーバーミスが多かったです。ただしレボルディアCNFと比較して質が高くかつ回転量の多いボールが打てている手ごたえはありました。何よりしっかりナチュラルにボールを持つので非常にコントロールしやすかったです。最終的には使い込まないと慣れないので使い込まないといけないですね。
対下回転に対するスピードドライブ 打ちやすかったですね。非常に好みの打球感でした。なんだかんだ上板リンバは好きです。
カーブ/シュートドライブ
ブロック やりやすかったです。
カウンタードライブ
ストップ 止まりすぎてネットミスが散見されました。弾まないんですよね。慣れが必要です。
ツッツキ 同じく止まりすぎました。
フォアフリック
バックハンド系
軽打 ボールをつかむので安心感がありました。
ロングボールやラリーでのドライブ こちらも安心感がレベチでした。いいですね。多少差し込まれていても押し返せる感じもあったのが好印象でした。ドライブが引き込めて良かったです。
対下回転に対するループドライブ しっかりボールを持つことができるので良かったです。ディグニクス05でしっかりボールをつかむのは好印象でした。
対下回転に対するスピードドライブ これもやりやすかったです。バックハンドドライブはついついスピードドライブの方が打ちやすいと思うのですが結構入ってくれてうまくなった錯覚をしてしまいました。
カーブ/シュートドライブ
ブロック 球を持つので下がっても返せる安心感がありました。
カウンタードライブ
ストップ 止まりますね。止まりすぎです。
ツッツキ こちらも慣れないのでネットに引っかかってしまいました。
チキータ 安定して打てました。少し差し込まれると飛ばせないときもありました。それでもレシーブを積極的に攻めることのできるラケットだと感じました。
他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量 Virtuoso+ > Virtuoso AC > Revoldia CNF
回転のかけやすさ Virtuoso+ > Virtuoso AC > Revoldia CNF
スピード Revoldia CNF > Virtuoso AC > Virtuoso+
飛距離 Reinforce AC > Revoldia CNF > Virtuoso AC > Virtuoso+