レビュー Revoldia CNF(レボルディアCNF)

説明

 Revoldia CNF(レボルディアCNF)は2020年4月にButterfly(バタフライ)より販売された、意欲作のラケットで、Butterflyの製品でセルロースナノファイバー(CNF)を採用した初ブレードになります。CNFとは大王製紙との共同技術だそうで、植物の繊維をナノサイズの極細繊維にほぐした材料になります。「鉄の5分の1の軽さで5倍の強度」と称される材料で、Butterflyは大王製紙と2014年から共同開発し、2019年5月に特許成立、2020年に商品化に至ったということです。Butterflyのキーフレーズは「アウターの弾みとインナーの球持ち」になります。
 セルロースというのは、炭化水素(多糖類)で植物繊維の主成分になります。2000年に入る前までは、水や有機溶媒に溶けず取り扱いの難しい材料でしたが、2002年ごろにイオン液体という特殊な材料に分解せずに溶存できることが明らかとなり、研究が進んだ材料だと思います。近年ではTEMPO(テンポ)というニトロキシドラジカル酸化によって安価に製造できるようです。イオン液体が登場する前までは濃硫酸などで酸化分解しながら溶かしたり、化学修飾すれば溶かせましたが、化学結合をザクザク切って、構造そのものがボロボロになって変化してしまいますので鉄より軽くて硬いという特徴が出せなかったのだと思います。CNFは鉄よりも柔軟で軽くて硬い、ということで、車やスマホ、パソコンなどの軽量化が進んでいるようですね。
 今回のレボルディアCNFには、上述のCNFがもちいられているそうです。サイドから見てみても、どの位置にCNFがあるのかわかりにくいですね。反発性能はアウターALC系ラケットとほぼ同等でありながら、振動特性が非常に低く、バタフライの名作7枚合板、SK7 Classic(SK7クラシック)と同等というラケットになっていますね。この振動特性は特殊素材ありのラケットになればなるほど、高くなってしまい、カーボンらしい硬さを感じることになるそうです。非常に革新的で画期的ならラケットで意欲作といってよいでしょう。

 トップ選手は、レボルディアCNFを使用している、というよりはレボルディアCNFのブレードにグリップを異なる特注ラケットを使用しているケースが多いようで、代表的な選手として、吉村真晴選手が挙げられるでしょう。吉村選手は2020-2021Tリーグにおいて、琉球アスティーダの優勝に貢献し、シーズンMVPにも輝いていますので、レボルディアCNFの実績は十分でしょう!また全日本選手権大会で優勝した及川瑞基選手も全日本選手権前には使用していたそうですし、三部航平選手も使用していますね。

レボルディアCNFの特徴

Dignics(ディグニクス)シリーズにあう!

 カーテン打ちの段階から驚きましたが、とにかくButterflyのDignics(ディグニクス)にあいますね!かなり驚きました。逆にTenergy 05(テナジー05)はあわないように感じました。今回一番驚きました。明らかにディグニクスとあわせたときにディグニクスの球持ちの感じにくさを払拭する感じがありました。おそらく、ディグニクスにあわせてレボルディアCNFが開発されたのは間違いないと個人的には思います。

木材より弾む!そしてスイートスポットも広い!

 動画を見ていると吉村真晴選手のボールは、他の選手のボールよりもかなり弧線を描いていて少しボールは伸びていない印象だったのですが、実際に使ってみて驚きました!かなり弾みますね。ディグニクスも弾むということもありますが、アウターカーボンなみにボールのスピードを感じました!またどこで打球してもそこまで違和感を感じませんでしたので、スイートスポットも広いと感じました。角当たりしても相手の台に入ることも多々ありましたね。アウターALCラケットと比較すると、やはりかなり弧線を描いている印象がありましたのでその分、ボールの伸びは少ないのかもしれません。
 特に良いのが中陣や後陣からのバックハンドで、木材では出せないようなスピードボールを打ち返すことができます。ドライブではなくて、ややミートに近いのですがものすごいいいボールが簡単に打てると感じました。木材系ラケットでは、中陣からだとボールがそもそも弾まないのでぶつけないと落ちることもありますが、このレボルディアCNFではボールが落ちることは皆無だと思います。

板厚5.7 mmで回転がかかる!

 ButterflyのアウターALCラケットは、ブレード厚さは5.8 mmが基本設計になっています。この5.8 mmよりも0.1 mm薄い5.7 mmという厚さのために回転は非常にかけやすくて、実際にかかると感じました。ただし、打球感が柔らかい分かけやすいのはプラスですが、最大限に回転をかけるには少し意識的にかけないと回転量が中途半端で相手にとって取りやすいボールになりやすいとも感じました。

おすすめのラバー組み合わせ(あくまでも個人の感想)

フォアラバー

 まだ複数のラバーを試打できていませんが、やはりディグニクス系はかなりあうと感じました!

Dignics 05(ディグニクス05)

 ディグニクス05の高いスピン性能、スピード性能、カウンタードライブのやりやすさ、にループドライブのやりやすさが加わったように感じました。ディグニクス05は少し直線性を感じやすいですが、レボルディアとあわせることで弧線を強く描くようになり、ループドライブの質もかなり高くなる印象でした。

Dignics 09C(ディグニクス09C)

 組み合わせとして、ディグニクス09Cの良さを感じやすくなりましたが少し硬さも感じました。また硬いのに弾むラバーでもあるので中・上級者向けの仕様になると感じました。ただし使いこなせれば非常に味のある組み合わせだと思います。

バックラバー

Dignics 05(ディグニクス05)

各技術レビュー

 全体的に技術がやりやすいと感じました。一方で想像以上に弾んだのでしっかり回転をかけることを意識した方が良いようにも感じました。

フォアハンド系

軽打
 アウター特殊素材のラケット(張継科ALCや張継科ZLCなど)と比較すると、ボールの球持ちは抜群にあります。硬さを感じないので、とても安心感のある打球感でした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 フォアだとラケットが柔らかく感じました。ボールの威力は少ない気がしますね。特に回転量の低さを感じることが多かったです。ボールは上に上がるんですが、思ったよりボールが棒球になっていると感じることがありました。このあたりは少々不満を感じましたね。

面を開いたドライブ
 柔らかいラケットですので、スピードドライブはとても安定しました。多少打球点を落としても弧線でスピードドライブが入る感じもあり、これは武器になると思います。

対下回転に対するループドライブ
 想像以上にボールが上に飛ぶので、ネットを狙うぐらいでちょうどよい高さのループドライブになると思います。またディグニクス05と張継科ALCを組み合わせだと、インパクトが強くないとボールに回転が乗りにくく、ボールを低くするのが難しかったりするのですが、ディグニクス05とレボルディアCNFを組み合わせると球持ちが良いためか、多少インパクトを弱くしてそうっと入れるドライブでもしっかり球が上がってくれるのでやりやすかったですね。この当たりがやりやすいのは非常に好感触だったし、ディグニクス05とレボルディアCNFとの相性の良さを感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 打ちやすいですね。弧線が強いので多少無理そうなボールでも持ち上がるしちゃんと台に入る感覚がありました。

カーブ/シュートドライブ
 アウター特殊素材と比べると、ボールを持つし柔らかいので曲がると感じました。柔らかいラケットはカーブやシュートドライブがより向いていると感じます。

ブロック
 やりやすいですね。このレボルディアCNFにしたときに一番やりやすい技術の一つがブロックかもしれません。木材に近い球持ちでボールは特殊素材のような速さを感じました。

カウンタードライブ
 これもやりやすかったですね。回転がかかっている感じはループドライブ同様あまり感じないのですが、ディグニクスらしいボールの伸びが得られました。

ストップ
 とてもやりやすかったです。これはディグニクス05の良さが出ていると思います。

ツッツキ
 めちゃめちゃ切ることができます。さすがディグニクス05ですね。

フォアフリック
 

バックハンド系

軽打
 圧倒的にやりやすいですね。アウター特殊素材のラケットと比較して、明らかに球持ちを感じます。また変に落ちたりしないですね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 打ち返しやすいと思いました。このラケットの特徴の一つかもしれません。

対下回転に対するループドライブ
 バックハンドだとやはり少々球持ちは感じにくかったです。これはおそらくディグニクス05の難しさの為ではないかと感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 入るときはアウターカーボンなみの強烈なドライブが入ると感じました。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 めちゃめちゃやりやすいですね。多少自分の正面から左右にずれても、当てるだけで弧線を描いて相手のコートに入る感じがありました。

カウンタードライブ
 これもやりやすいですね。真骨頂なのかもしれません。

ストップ
 やりやすいです。これはディグニクス05の効果もあったと思います。

ツッツキ
 めちゃめちゃ切ることができました。ディグニクス05のおかげもあると思います。

チキータ
 少し球離れが早いので不安になるときもありますが、球が持てれば安定してチキータできる感じがありました。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 張継科ZLC > 張継科ALC ≧ レボルディアCNF

回転のかけやすさ
 レボルディアCNF > Mizutani Jun ZLC(水谷隼ZLC) > 張継科ALC

スピード
 張継科ALC > レボルディアCNF > インナーラケット

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雑感 2021/3/29 ポチッたよラケット!

1本目!Tornado King Speed(トルネードキングスピード)!

 1本目はNittaku(ニッタク)さんのTornado King Speed(トルネードキングスピード)ですね。このラケットは、Tornado King(トルネードキング)シリーズのラケットになります。トルネードキングという名前からわかるように、Tornado King(トルネードキング)というラケットが、Double Happiness Shanghai(紅双喜、DHS)のラケット、Hurricane Wang Ligin(キョウヒョウ WL)をNittakuバージョンとして販売したラケットだと思います。Wang Liqin(王励勤、中国)選手は、自分が学生のときに世界ランキング1位で、憧れた選手になりますね。長身から繰り出されるカウンタードライブ、特にカウンターシュートドライブは圧巻の印象です。有機溶剤の使用が可能だったころですので中国トップ選手は5枚合板ラケットに後加工するのが一般的な時代だと思います。その王選手が使用したHurricane Wang(キョウヒョウ王)のNittaku(ニッタク)バージョンとして販売されているのがトルネードキングになります。こちらは5枚合板のラケットで板薄、粘着ラバーとの相性抜群というラケットになると思います。トルネードキングをベースにインナーにケブラーカーボンをいれたラケットがTornado King Power(トルネードキングパワー)になります。このトルネードキングパワーはインナーラケットとして好評で、早稲田大学卒でDHS製のキョウヒョウを愛用する時吉佑一選手が以前使用していたラケットになります。アウターにケブラーカーボンを挟んだのが自分が購入したトルネードキングスピードになります!

カタログ値は板厚5.7 mmで平均重量88 gになります。届いた個体はやや軽めで、83 gでした。握った感じ、丸いグリップでZhang Jike ALC(張継科ALC)にかなり似た感じの握り心地でした。多分グリップも詰まっている感じでしたので、Timo Boll ALC(ティモボルALC)よりも張継科ALCに似たラケットだと思います。インターネット情報で確かではないですが、張継科ALCと合板構成は異なるようで、次のようになります。

Limbaリンバ、1+7)/Kevlar Carbon(2+6)/Ayousアユース、3+5)/Kiri(桐、4)

因みに張継科ALCは次のようになると思います。

Kotoコト、1+7)/Arylate Carbon(2+6)/Limbaリンバ、3+5)/Kiri(桐、4)

カーボン回りの板が異なるということですね。また、板厚もButterfly(バタフライ)のALC系ラケットは5.8 mmですので、トルネードキングスピードは0.1 mm薄い設計になります。上板リンバだとしたら、球持ちを感じやすく、板薄ですので飛びすぎないラケットになっているのではないかと思います。カーテン打ちの段階ですが、確かに球持ちを感じ、打球感は決して悪くなかったですね。試打が楽しみです。上板リンバのラケットは個人的にも好みな打球感なので、カーテン打ちの球持ちも納得ですね。

2本目!Revoldia CNF(レボルディアCNF)!

 こっちも買っちゃいやした!勢いって怖い。レボルディアCNFです。高性能ラケットですね~!

平均重量 88 gのところ、91 gの重い個体が届きました~!個人的には重い方が嬉しいな~なんて思いながら重量測定したので、重い個体が届いて「よっしゃ~!」と思った次第です。レボルディアはアウターALC系ラケットと同じ程度の反発性能をもちながら打感は木材系という非常に高性能で、価格だけが高いラケットですね。Darker(ダーカー)のCegna(セグナ)やDONIC(ドニック)のRelevant(リレヴァント)など類似のラケットが販売され、話題になっています。セグナが一番板厚があって6 mm越え、一番薄いのがリレヴァントで5.4 mmになります。レボルディアは5.7 mmとまずまず薄いラケットになりますね。買う前の印象イメージ的にはTimo Boll ZLF(ティモボルZLF)をより弾むようにしたラケットをイメージしておりました。ティモボルZLFはアウターにザイロンファイバーを配した木材系の打球感のラケットで、板厚5.4 mmと薄く非常に球持ちのあるラケットですが少し威力不足を感じやすいと思います。実際にカーテン打ちした印象としては、かなり良かったです!特に驚いたのがフォアに貼ったDignics 05(ディグニクス05)の打球感ですね!このレボルディアはディグニクスとかなりマッチしたラケットのようです。ディグニクス05は木材5枚合板ラケットに貼ってもディグニクスらしい硬さを感じるラバーで、なかなかこの打球感は得手不得手をわける印象なのですが、レボルディアに貼ったとたん、かなり角が取れた印象です。ディグニクス05は硬いのでくい込ませながらドライブをかけないと球をひっかっける前に落ちる印象がありドイツ製スピン系テンションぽい部分があるのですが、レボルディアにはったら、ゆっくりボールを打ってもしっかりボールを引っかけて弧線を描かせることができると感じました。バタフライもおそらくレボルディアをディグニクスにあわせて開発したのではないかと感じた次第ですね。もちろん個体差もあると思いますので一概に言い切ることは難しいですが、レボルディアCNFなら両面ディグニクスもありだと感じました。まだ試打できていないので、早く打ちたいですね~。両面ディグニクスにするなら、フォアにDignics 09C(ティグニクス09C)、バックにディグニクス05とかが良さそうです。

他にも打ちたいラケットはあります~

 試打していきたいラケットはまだまだあって、SWAT(スワット)やSWAT Power(スワットパワー)、Hurricane Long V(キョウヒョウ龍5)などなどあるんですよね~。徐々に打っていこうかと思います。

全日本選手権ランカーの使用用具 2019年 女子

位 選手 年齢
 Blade(ラケット)
  ブランド ラケット グリップ
 フォア Rubber(ラバー)
 バック ラバー
 シューズ

優勝~ベスト4

優勝 伊藤美誠選手 当時18歳
 ラケット: Nittaku(ニッタク) Acoustic Caron(アコースティックカーボン)、ST
 フォア: Fastarc G-1(ファスタークG-1)、特厚
 バック: Moristo SP(モリストSP)、厚
 シューズ: mizuno(ミズノ) Wave Medal SP3(ウエーブメダルSP3)
準優勝 木原美悠選手 当時17歳
 ラケット: Victas(ヴィクタス) Fire Fall VC(ファイヤーフォールVC)、FL
 フォア: V>15 Extra(V>15エキストラ)、 2.0 mm
 バック: VO>102、 1.8 mm
 シューズ: Asics(アシックス) Attack Dualyte(アタックデュアライト)
3位 森さくら選手 当時22歳
 ラケット: 非公開
 フォア: 非公開
 バック: 非公開
 シューズ: ミズノ Wave Drive NEO(ウエーブドライブNEO) 
4位 早田ひな選手 当時18歳
 ラケット: Butterfly(バタフライ) 劉詩雯、FL
 フォア: キョウヒョウ(紅双喜(DHS)製、特注) 、特厚
 バック: Tenergy 05(テナジー05)、 特厚
 シューズ: ミズノ Wave Medal 5(ウエーブメダル5)

5位~8位

5位 佐藤瞳選手 当時21歳
 ラケット: ニッタク Goriki Danshi(剛力男子)、FL
 フォア: キョウヒョウ(DHS製、特注) 、特厚
 バック: DO Knuckle(トナックル、特注)、1.3 mm
 シューズ: ミズノ Wave Medal SP(ウエーブメダルSP)
6位 加藤美優選手 当時19歳
 ラケット: バタフライ Inner Force Layer ZLC(インナーフォースレイヤーZLC)、FL
 フォア: Tenergy 80(テナジー80)、特厚
 バック: テナジー80、特厚
 シューズ: バタフライ Lezoline TB(レゾラインTB)
7位 安藤みなみ選手 当時17歳
 ラケット: バタフライ Fukuhara Ai Pro ZLF(福原愛プロZLF)、FL
 フォア: テナジー05、特厚
 バック: Attack 8 Super I Ver48°L粒、中
 シューズ: バタフライ Lezoline Groovy(レゾライングルーヴィー)
8位 芝田沙季選手 当時21歳
 ラケット: DHS Hurricane Long V(キョウヒョウ龍V)、FL
 フォア: キョウヒョウ(DHS製、特注) 、特厚
 バック: キョウヒョウNEO3(DHS製、特注) 、特厚
 シューズ: ミズノ Wave Drive 8(ウエーブドライブ8)

9位~16位

9位 梅村優香選手 当時19歳
 ラケット: ニッタク Goriki(剛力)、FL
 フォア: ファスタークG-1、中
 バック: Pimple Slide(ピンプルスライド)、中
 シューズ: ミズノ ウエーブドライブ8
10位 橋本帆乃香選手 当時20歳
 ラケット: ニッタク 剛力男子、FL
 フォア: キョウヒョウ(DHS製、特注) 、特厚
 バック: DO Knuckle(トナックル、特注)、1.2 mm
 シューズ: ミズノ ウエーブメダル5
11位 平侑里香選手 当時23歳
 ラケット: ミズノ Fortius FT ver. D(フォルティウスFT ver. D)、FL
 フォア: Q5(キューファイブ)、特厚
 バック: Booster SA(ブースターSA)、厚
 シューズ: ミズノ ウエーブメダル5
12位 木村光歩選手 当時18歳
 ラケット: ニッタク Acoustic(アコースティック)、ST
 フォア: ファスタークG-1、特厚
 バック: Attack 8特注、中
 シューズ: ミズノ ウエーブドライブ8
13位 石川佳純選手 当時25歳
 ラケット: バタフライ Viscaria(ビスカリア)、FL
 フォア: キョウヒョウ(DHS製、特注) 、特厚
 バック: テナジー05、 特厚
 シューズ: アシックス 特注
14位 塩見真希選手 当時18歳
 ラケット: ニッタク 剛力、FL
 フォア: Hammond FA(ハモンドFA)、特厚
 バック: キョウヒョウ(DHS製、特注) 、特厚
 シューズ: ミズノ ウエーブドライブNEO
15位 出澤杏佳選手 当時16歳
 ラケット: ニッタク 剛力、FL
 フォア: VO>102、2.0 mm
 バック: Curl P-H(カールP-H)、OX
 シューズ: ミズノ ウエーブドライブNEO 
16位 田中千秋選手 当時22歳
 ラケット: バタフライ Inner Force ZLC(インナーフォースZLC)、FL
 フォア: Tenergy 64(テナジー64)、特厚
 バック: VO>102、2.0 mm
 シューズ: バタフライ Lezoline Rifones(レゾラインリフォネス)

2019年の傾向についてのkatsuo000の考察

 16名のうち16名がシェークハンド、挙げられているラケットは16本、ラバーは32枚になります。ただし、1名全て詳細なしの選手がいるため、ラケット、ラバー2枚を分母から外しました。

 アウターカーボン率: 2/15 = 13.3%
  ALC系:1、カーボン:1
 インナーカーボン率: 4/15 = 26.67%
  ZLC系:2、ALC系:1、Vカーボン系:1
 木材系(アウター特殊繊維含む)率: 9/15 = 60%
  5枚合板:1、7枚合板系:6(アウターDual Web含む)、インナーZLF:2

 テナジー率: 6/30 = 20%
  05率: 3/30 = 10%
  80率: 2/30 = 6.67%
  64率: 1/30 = 3.33%
 ドイツ製裏ラバー: 4/30 = 13.33%
  ファスタークG-1: 3/30 = 10%
  V>15エキストラ: 1/30 = 3.33%
 中国製ラバー: 7/30 = 23.33%
 日本製ラバー(バタフライ除く、Q5): 1/30 = 3.33%
 表(粒高含む): 12/30 = 40%

katsuo000のレビュー

・テナジー05: https://katsuo000.com/review_tenergy_05/
・ファスタークG-1: https://katsuo000.com/review_fastarc_g-1/
・V>15エキストラ: https://katsuo000.com/review_v15_extra/
・フォルティウスFT ver. D: https://katsuo000.com/review_fortius_ft_ver_d/
・Q5: https://katsuo000.com/review_q_5/

全日本選手権ランカーの使用用具 2018年 女子

位 選手 年齢
 Blade(ラケット)
  ブランド ラケット グリップ
 フォア Rubber(ラバー)
 バック ラバー

優勝~ベスト4

優勝 伊藤美誠選手 当時17歳
 ラケット: Nittaku(ニッタク) Acoustic Caron(アコースティックカーボン)、ST
 フォア: Fastarc G-1(ファスタークG-1)、特厚
 バック: Moristo SP(モリストSP)、厚
準優勝 平野美宇選手 当時17歳
 ラケット: Stiga(スティガ)Clipper Wood(クリッパーウッド)、FL
 フォア: Tenergy 05(テナジー05) 特厚
 バック: Tenergy 64(テナジー64) 特厚
3位 永尾堯子選手 当時22歳
 ラケット: スティガ Rosewood NCT V(ローズウッドNCT V)、FL
 フォア: Hurricane NEO III(キョウヒョウネオ3(ニッタク))、特厚
 バック: L.D.T.T/EA777、特厚
4位 石川佳純選手 当時24歳
 ラケット: Butterfly(バタフライ) Inner Force Layer ALC
                  (インナーフォースレイヤーALC)、FL
 フォア: Hurricane(キョウヒョウ 特注、ニッタク)、 特厚
 バック: Tenergy 80(テナジー80) 、特厚

5位~8位

5位 松澤茉里奈選手 当時25歳
 ラケット: バタフライ Liu Shiwen ZLF(劉詩雯)、FL
 フォア: テナジー05、特厚
 バック: Tenergy 05 FX(テナジー05FX) FF
6位 佐藤瞳選手 当時20歳
 ラケット: ニッタク Goriki Super Cut(剛力スーパーカット)、FL
 フォア: キョウヒョウ(特注、ニッタク) 、特厚
 バック: DO Knuckle(トナックル、特注)、極薄
7位 森さくら選手 当時17歳
 ラケット: カーボンラケット、FL
 フォア: 裏ソフトラバー
 バック: 裏ソフトラバー
8位 石垣優香選手 当時28歳
 ラケット: バタフライ Kim Kyung Ah(キムギョンア)、ST
 フォア: P12、2.0 mm
 バック: 閃霊、薄

9位~16位

9位 安藤みなみ選手 当時20歳
 ラケット: バタフライ Fukuhara Ai Pro ZLF(福原愛プロZLF)、FL
 フォア: テナジー05、特厚
 バック: Attack 8 Super I Ver43°L粒、中
10位 芝田沙季選手 当時20歳
 ラケット: ニッタク Goriki(剛力)、FL
 フォア: キョウヒョウ(特注、ニッタク) 、特厚
 バック: ファスタークG-1、特厚
11位 早田ひな選手 当時17歳
 ラケット: バタフライ 劉詩雯、FL
 フォア: キョウヒョウ(特注、ニッタク) 、特厚
 バック: テナジー80、 特厚
12位 大矢未早希選手 当時27歳
 ラケット: ニッタク Violin(バイオリン) 、特注グリップ
 フォア: テナジー05、特厚
 バック: ファスタークG-1、特厚
13位 森園美月選手 当時21歳
 ラケット: ニッタク 剛力、FL
 フォア: キョウヒョウネオ3(ニッタク)、特厚
 バック: Fastarc C-1(ファスタークC-1)、特厚
14位 前田美優選手 当時21歳
 ラケット: スティガ クリッパーウッド、FL
 フォア: テナジー05、特厚
 バック: Hammond FA(ハモンドFA)、厚
15位 土井みなみ選手 当時28歳
 ラケット: バタフライ Timo Boll ALC(ティモボルALC)、FL
 フォア: Hurricane Pro III Turbo Orange(キョウヒョウプロ3ターボオレンジ)、特厚  バック: テナジー05、特厚
16位 橋本帆乃香選手 当時19歳
 ラケット: ニッタク 剛力スーパーカット、FL
 フォア: キョウヒョウ(特注、ニッタク) 、特厚
 バック: DO Knuckle(トナックル、特注)、極薄

2018年の傾向についてのkatsuo000の考察

 16名のうち16名がシェークハンド、挙げられているラケットは16本、ラバーは32枚になります。

 アウターカーボン率: 3/16 = 18.75%
  カーボン:2、ALC系:1
 インナーカーボン率: 1/16 = 6.25%
  ALC系:1
 木材系(アウター特殊繊維含む)率: 12/16 = 75%
  5枚合板:3、7枚合板系:6、インナーZLF:3

 テナジー率: 10/32 = 31.25%
  05率: 7/32 = 21.875%
  64率: 1/32 = 3.125%
  80率: 2/32 = 6.25%
 ドイツ製ラバー: 4/32 = 12.5%
  ファスタークG-1: 3/32 = 9.375%
  ファスタークC-1: 1/32 = 3.125%
 キョウヒョウ: 8/32 = 25%
 表: 3/32 = 9.375%
 変化系表(粒高含む): 3/32 = 9.375
 その他: 4/32 = 12.5% 

katsuo000のレビュー

・テナジー05: https://katsuo000.com/review_tenergy_05/
・ファスタークG-1: https://katsuo000.com/review_fastarc_g-1/

レビュー Rozena(ロゼナ)

説明

 Butterfly(Tamasu)さんの看板商品の一つ、Rozena(ロゼナ)をレビューさせていただきます。ロゼナを語るにはまずテナジーからになると思います。世界標準Tenergy 05(テナジー05)の発売は今をさかのぼること、約13年前、2008年4月になります。有機溶剤による後加工の禁止もあいまって未だに10年以上経過した2021年現在もワールドスタンダードの名前をほしいままにするテナジー05は卓球のことを考えるにあたり、なしでは語れない存在となってしまいました。このテナジーシリーズの特徴を2021年現在改めてkatsuo000なりに考えると次のようになると思います。

テナジーシリーズの特徴
・高い回転性能
・高いスピード性能
・軽い

 テナジーシリーズが上述のような特徴をもつのは、Butterfly独自のスポンジによるところが大きいと思います。テナジーシリーズに採用されているスポンジは、Spring Sponge(スプリングスポンジ)というオレンジ色のスポンジで、そのスポンジの気泡はそれぞれ独立気泡構造となっており、高い性能を示すことができているそうです。このスプリングスポンジは、Butterflyだけの技術で他の競合卓球メーカーと差別化された技術になります。他の競合卓球メーカーは、ラバー製造を基本的には外注しているのに対し、Butterflyは、卓球メーカーであるにもかかわらず、スポンジ製造工場を保有し差別化を図っているわけですね。このスプリングスポンジのためにテナジーは高い性能を出せるわけですが、転売や偽物が出回ったことに加え研究開発費がかかるために、オープン価格化してしまい他のラバーと比べて倍近い値段となっている点も(悪い)特徴といえるでしょう。ただしトップ選手の使用率は高くワールドスタンダードであることは疑いようはありません。
 最もトップ選手の使用率が高く、回転性能の高いテナジー05の他に、トップシートの違いによってスピード性能の高いTenergy 64(テナジー64)、スピンとスピードのバランスのとれたTenegy 80(テナジー80)、カウンターや前陣に強いTenergy 25(テナジー)、先日発売になったパワーのTenergy 19(テナジー19)とシート形状だけで5種類存在します。各シートの説明は以下のようになります。
 No. 051.7 mmの粒間隔が狭い。回転性能が高い。
 No. 252.65 mm粒の高さが低い。台上プレーやカウンターがやりやすい。
 No. 641.7 mmの粒間隔が広い。スピード性能が高い。
 No. 1801.7 mmの粒間隔が中間。回転もスピードもバランスが取れている。
 No. 2191.5 mmの粒間隔が狭い。ボールをよくつかみパワーを出しやすい。
それぞれのトップシートの特徴が反映して先述のように、キーフレーズがあり「回転の05」「バランスの80」「スピードの64」「前陣の25」「パワーの19」と冠されています。

 バタフライは、約13年前、2008年4月にテナジー05を発売後、2008年11月にTenergy 25(テナジー25)を、2009年4月にTenergy 64(テナジー64)を2010年7月にTenergy 05 FX(テナジー05FX)を、2010年11月にTenergy 25 FX(テナジー25FX)を、2011年11月にTenergy 64 FX(テナジー64FX)を、2013年1月にTenergy 80(テナジー80)を、2014年4月にTenergy 80 FX(テナジー80FX)を、2017年4月にRozena(ロゼナ)を、2018年11月にテナジー05をより硬くしたTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)を、2019年4月にテナジー超えるラバーとしてDignics 05(ディグニクス05)を発売しました。そしてテナジーからディグニクスへの移行も見えつつあった2021年3月にTenergy 19(テナジー19)が販売となりました。現在までに10種類のテナジーが存在するわけです。それぞれ新商品として販売されてきて、未だにテナジー05が人気なのは完成と信頼の現れでしょう。

 本ページでレビューするロゼナは、言ってしまえばテナジーの廉価版になります。ソフトなスプリングスポンジをあわせた、扱いやすいテナジーのようなラバーになります。中級者のバックラバーとして、または初級者の初めてのスプリングスポンジ搭載のラバーとして人気のラバーだと思います。価格帯でいうと他メーカーの看板ラバーよりも安く、最も売れているラバー、Nittaku(ニッタク)のFastarc G-1(ファスタークG-1)よりも安いラバーであり、競争の激しい実質販売価格4,000円台に投下されたラバーになりますね!この価格よりも安さと性能を求めると、Yasaka(ヤサカ)さんのRakza(ラクザ)シリーズやRigan(ライガン)、あとはXIOM(エクシオン)さんのVega X(ヴェガテン)やVega Tour(ヴェガツアー)の3,000円台のラバーになるでしょうか。このあたりとの比較は今後行っていきたいと思います。
 最近、YouTuber、ごぶりんずさんにロゼナのレビューが投稿されていましたが、かなり酷評されていました。あうあわない好き嫌いはあるかと思います。ハードなラバーを使用しているとあわないと感じるかと思いますね。

公表性能値

 Butterfly(バタフライ)さんの好評性能値を示します。

 ロゼナはある意味スピン性能の劣るテナジー05といっても過言ではないかもしれませんね。実際今回改めて試打しましたが、過去に厚のロゼナを使用したことがあります。その印象では、やはり回転性能が低いラバーという印象が強かったですね。一方で、打球感は確かにスプリングスポンジの打球感があり、感触は悪くなかったのを覚えております。

Rozenaの重量と貼り

 ロゼナは48 gでした。Butterflyさんのラバーは基本的にはスポンジ硬度と相関があるようで、テナジーFXシリーズの方がスポンジ硬度も柔らかく、重量も軽かったです。テナジーよりも少し柔らかいスポンジ硬度35なので48 gはボチボチな重さになりますね。

Rozena(ロゼナ)
 High Tension(ハイテンション)裏ラバー
・スポンジ厚:厚(1.9 mm)、特厚(2.1 mm)
・スピン:10.80
・スピード:13.00
・Sponge硬度:35
・5,000円(卓球販売店で1~2割の割引可)
・69 g(切断前) → 48 g(林高遠ALCに貼って)

Rozenaの3つの特徴

 最近はバックにテナジー系のラバーをメインで使用しているので、非常に違和感なく、むしろ好感触で使用できました。正直威力不足は否めませんでしたが、それでも扱いやすさはテナジーシリーズ、テナジーFXシリーズよりも高いと感じました!メインで使用するか迷うレベルでした。武器にするというよりはとにかく粘るための盾のようなラバーだと思います。攻めるとしたら相手のボールを利用したカウンターやブロックで少し弾いてミートするといったイメージです。
 バックラバーの現状の候補はテナジー05、Rakza X(ラクザX)でした。ラクザXと比較すると、ラクザXは少し個体差があるのと重くなりやすいので、500円前後高くなりますがロゼナの方が自分は好きだと感じた次第です。ループドライブとツッツキの質の高さはもちろんラクザXやテナジー05の方が上ですが、トータルバランスと扱いやすさはロゼナが上だと思いました。

とにかく色々な技術がやりやすい!

 正直ここまで期待していなかったのですが、とにかくやりにくい技術がなかったです。少し球を持ちすぎる感はありましたが、ループドライブ、スピードドライブ、ブロック、カウンター、ストップ、どれをとってもやりやすかったですね。特に個人的にやりやすいと感じたのがブロックでかなりやりやすかったです!あてれば入る融通の良さを感じました。ラバー全体で相手のボールの威力を吸収してくれる感じがありましたね。唯一感じたのが、シートだけでボールを取ろうとしたときは、スベルような感じがあり、この部分だけ扱いにくいと感じました。しっかりスポンジまでくい込ませて打つラバーだと感じました。

上回転のラリーで、スプリングスポンジらしさが出る!

 上回転のラリーのときに、くい込ませながらドライブやくい込ませながら弾くことで、上回転をかけ返すことができて、かつ相手のコートにおさまってくれる感じがあったので好印象でしたね。テナジー05だと、もっとドライブだけをかけるようにしないとオーバーかネットへ行ってしまう感じがあります。硬さを感じやすいのがテナジー05であり、ただあてるだけだと威力を出しにくくしっかり回転をかけながら飛ばしてやって初めていいボールが出せます。一方、ロゼナは弾くだけでもおさまりが良く、テナジー64とかテナジー80らしい部分があるといえるのかもしれません。シートの粒形状について確かな情報はありませんが、どちらかというと64とか80に近いシートだと思います。従って上回転のラリーでは少ないエネルギーで弧線を描きながら加速するようなボールが打ちやすかったです。この弧線と加速がスプリングスポンジらしさだと思います。そういったボールが出せるのもロゼナの特徴であり良いところだと思います。

くい込みの良さで球を持ちまくる!

 シートの粒形状は感覚的には64とか80に近いと思いますが、スポンジもやや柔らかくボールを非常にグリップします感覚的にはテナジー05に近い感覚で持ってくれる感じがありました。従ってループドライブも打ちやすかったです。ただし、回転をかけて飛ばせば何でも入る、という感じではなくて回転で沈み切らないので、ある程度飛距離を考えながら打つ必要性は感じました。このあたりは好みがわかれそうですが、初中級者にあわせたスプリングスポンジのラバーという意味では納得です。テナジー05とテナジー80(katsuo000はテナジー64を使ったことがないため)の良いところ、欲しい部分をバランスよく共存させてくれていると思います。このロゼナから、より自分の特徴やよく使う技術を武器にするために各テナジーへ変更していけるようなラバーだと感じました。一方でテナジー05の特徴やテナジー64の特徴をそのままほしいと思うと確かにがっかりすると感じました。バランスタイプなので、テナジー80が一番近いかもしれませんね。とがった性能は求めても難しいと思います。非常にバランスの良いラバーで、なんでもしなければいけないペンドラの方にもオススメできると思いました。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 球を持ちますね。Dignics 05(ディグニクス05)と比較してもかなり球を持つと感じました。

ラリーでのドライブ
 特にやりにくいわけではありませんが、球を持つので思ったよりフォアサイドへ行き過ぎる感じがありました。これは慣れかな。回転量はくい込ませた時に初めてでますので、上回転のラリーでは回転をかけやすく、回転で落とせると感じました。このあたりはさすがスプリングスポンジといったところでしょうか。

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フリック

サービス

バックハンド系

軽打
 非常にやりやすかったです。球を持つのと、結構無茶に押してもしっかりラバーが吸収してくれるので強引に押しこんでも結構入ってくれて好印象でした。これは試合で頼れる奴と思います。

ラリーでのドライブ
 バックハンドは自分の腕とフットワークが下手なのでどうしても打球点が前後しやすくて不安定なのですが、ロゼナはその打球点の前後を吸収してくれるようなラバーで非常に好感触でした。質は低いかもしれませんがとにかく入れようとすれば入る感じなのが嬉しかったです。また前陣頂点前をドライブするのも、非常にやりやすく苦手を感じさせませんでした。

対下回転に対するループドライブ
 テナジー05やテナジー05FXと同じくらいボールを持つので、球質は低いもののコントロールしやすい感じがありました。しっかりつないで次の球を攻める、そういったつなぎのループドライブがしやすいラバーだと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 ある程度くい込みがいいのでスピードドライブもかなりやりやすかったです。テナジー05FXほどボールの沈みこみに期待はできないものの、打てて入ると感じさせるラバーでした。

ブロック
 テナジー05やテナジー05FXと比較すると最も秀でていると感じたのがブロックでした。とてもやりやすくて好印象でしたね。スポンジが硬く、かつシートもいい意味で相手の回転に対し鈍感さを持っていると思います。

カウンタードライブ
 頂点前をややミート気味にとらえても十分安定してカウンターが入る感じがあって好印象でした。回転で落とし込むのは少し難しいラバーだと思うので、逆にミートっぽい打ち方があうラバーだと思います。バックは思い切り回転をかけてカウンタードライブすることは少ないと思うので、そういう意味でもバックに合うラバーだと感じました。

ストップ
 唯一難しさを感じたのがストップでした。弾きやすいので、短い時間でボールをタッチしないと相手の回転をダイレクトに受けやすいと感じました。

ツッツキ
 こちらもストップ同様、回転をかけにくかったです。くい込みが良すぎてオーバーしたり、逆に滑ってネットミスしたり少し難しかったですね。

チキータ
 簡単にあげやすくて、やりやすかったです。ただし、威力はあまりないと感じました。威力を求めるのであればテナジーシリーズでしょう。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 テナジー80 FX > Rozena > Evolution MX-P

スピード
 テナジー80 > Rozena > テナジー05

扱いやすさ
 Rasanter R48 > Rozena> Rakza X

https://amzn.to/3w3JiEi

雑感 2021/3/22

今月もノミネートしていただきました!

 WRM(ワールドラバーマーケット)さんに2021年3月もレビュワーノミネートしていただきました。嬉しい限りです。 → https://rubber.ocnk.net/news#whatnew_data1650 (リンク切れ)
既に拍手もいくつかいただいていて、本当に歓喜であります。ということで本ブログでも紹介させていただきます。
katsuo000+のTenergy 19(テナジー19)のレビュー
テナジー19:https://rubber.blog.jp/archives/51991175.html
本ブログにおけるテナジー19:https://katsuo000.com/review_tenergy_19/
卓球ナビのテナジー19:https://takkyu-navi.jp/rubber/detail/809

もしもよろしければ、是非レビュワー投票もよろしくお願い申し上げます。もちろん、katsuo000+のレビューではなく、良いと感じたレビューへ投票してくださいね。実際のところ、katsuo000は毎回レビュワーキングに輝くザーシーさんのテナジー19のレビューの方が、比較のたとえが分かりやすいと感じてしまいました。さすがですね。こういった文章を読んでkatsuo000も精進していきたいと思います。
投票は→ https://rubber.ocnk.net/form/116 (リンク切れ)
締め切り〆は2021年3月31日までと10日ほどですのでお早目の方がいいと思います。直感で投票!

テナジー19の使用者は増えているようですね。ブログや卓球情報など拝見していてもテナジー19のレビューや使用している、といったコメントが多い印象ですね。確かに今までになかった、痒いところに手が届くようなラバーで、扱いやすさと威力という二律背反の関係をブレークスルーしたラバーがテナジー19だと思います。まだ試打されていないかたは是非試打してみてください。

雑感 2021/3/20

チキータよりポチリータ~

 4月のセールということもあって結構ポチリータしてしまいました。チキータ下手くそなのでポチリータしまくりです汗。でも使うの楽しみですね~。試打できていない用具だらけですが、もっていることで心が安心する、若干病気かもしれません汗。また重量などなどレビューしていきたいと思っています。ラケットもラバーも新作購入していきまーす。

次の試打はRozena(ロゼナ)

 ロゼナの予定です。でも貼ってみて感じたのが、結構スベル気がする汗。グリップ感が弱いのか腕が悪いのか。。。やっぱり自分はバックに05系のシートが好きなんですよね。安いのは嬉しいけども。まだまだ試打したいラバーとしてはTenergy 25(テナジー25)や、Tenergy 80(テナジー80)、Tenergy 64(テナジー64)などもありますが、一旦Butterfly(バタフライ)さんのラバーを離れて、Evolution(エヴォリューション)とTarget Pro (ターゲットプロ)へ行きたい。週一じゃなかなか試打がすすみませんね~。

全日本選手権ランカーの使用用具 2021年 男子

位 選手 年齢
 Blade(ラケット)
  ブランド ラケット グリップ
 フォア Rubber(ラバー)
 バック ラバー
 シューズ

優勝~ベスト4

優勝 及川瑞基選手 当時23歳
 ラケット: Butterfly(バタフライ) Viscaria(ビスカリア)、FL
 フォア: Dignics 09C(ディグニクス09C)、特厚
 バック: Dignics 05(ディグニクス05)、特厚
 シューズ: バタフライ Rezoline Mach(レゾラインマッハ)
準優勝 森園政崇選手 当時25歳
 ラケット: バタフライ Harimoto Tomokazu Inner Force ALC
      (張本智和インナーフォースALC)、FL
 フォア: Tenergy 05(テナジー05) 特厚
 バック: Fastarc G-1(ファスタークG-1) 特厚
 シューズ: mizuno(ミズノ) Wave Fang Pro(ウエーブファングプロ)
3位 吉田雅己選手 当時26歳
 ラケット: バタフライ ビスカリア、FL
 フォア: ディグニクス09C、特厚
 バック: ディグニクス80、特厚
 シューズ: バタフライ Energy Force XI(エナジーフォースXI) 
4位 田中佑汰選手 当時20歳
 ラケット: バタフライ Harimoto Tomokazu Inner Force Super ZLC
       (張本智和インナーフォースSuper ZLC)、FL
 フォア: ディグニクス05 特厚
 バック: ディグニクス05 特厚
 シューズ: Asics(アシックス) Attack Excounter 2(アタックエクスカウンター2)

5位~8位

5位 丹羽孝希選手 当時26歳
 ラケット: VICTAS(ヴィクタス) Koki Niwa Wood(丹羽孝希ウッド)、FL
 フォア: V>15 Extra(エキストラ)、Max
 バック: Trible Double Extra(トリプルダブルエキストラ)、Max
 シューズ: アシックス Attack Dominate FF(アタックドミネイトFF)
6位 英田理志選手 当時27歳
 ラケット: Yasaka(ヤサカ)特注、ST
 フォア: Rakza Z(ラクザZ)、厚
 バック: Flying Dragon(翔龍)、厚
 シューズ: ミズノ Wave Drive 8(ウエーブドライブ8)
7位 張本智和選手 当時17歳
 ラケット: バタフライ 張本智和インナーフォースALC、FL
 フォア: ディグニクス05、特厚
 バック: テナジー05、特厚
 シューズ: バタフライ Lezoline Rifones(レゾラインリフォネス)
8位 龍崎東寅選手 当時22歳
 ラケット: バタフライ Inner Force Layer ZLC(インナーフォースレイヤー)、FL
 フォア: テナジー05、特厚
 バック: テナジー05、特厚
 シューズ: バタフライ レゾラインリフォネス

9位~16位

9位 大島祐哉選手 当時25歳
 ラケット: ミズノ Fortius FT ver. D(フォルティウスFT ver. D)、FL
 フォア: Q5(キューファイブ)、特厚
 バック: Q5、特厚
 シューズ: ミズノ Wave Drive EL(ウエーブドライブEL)
10位 御内健太郎選手 当時31歳
 ラケット: バタフライ 特注、ST
 フォア: Dignics 80(ディグニクス80)、特厚
 バック: Vertical 20(ヴァーティカル20)、特薄
 シューズ: ミズノ ウエーブドライブEL
11位 曽根翔選手 当時17歳
 ラケット: ヴィクタス ZX-GEAR OUT(ゼクスギア アウト)、FL
 フォア: V>15エキストラ、Max
 バック: V>15エキストラ、Max
 シューズ: アシックス Attack Bladelyte 4(アタックブレイドライト4)
12位 吉村真晴選手 当時27歳
 ラケット: バタフライ 特注、FL
       (ほぼRevoldia CNF(レボルディアCNF)
 フォア: ディグニクス05、特厚
 バック: ディグニクス05、特厚
 シューズ: バタフライ Rezoline Mach(レゾラインマッハ)
13位 小林広夢選手 当時18歳
 ラケット: バタフライ レボルディアCNF、FL
 フォア: ディグニクス05、特厚
 バック: ディグニクス80、特厚
 シューズ: バタフライ レゾラインリフォネス
14位 神巧也選手 当時27歳
 ラケット: ヤサカ Ma Lin Extra Special(馬琳エキストラスペシャル)、FL
 フォア: 翔龍、特厚
 バック: 翔龍、特厚
 シューズ: ミズノ Wave Drive NEO2(ウエーブドライブNEO2)
15位 郡山北斗選手 当時24歳
 ラケット: Nittaku(ニッタク) 特注、FL
       (アウターカーボン?)
 フォア: ファスタークG-1、特厚
 バック: ニッタク特注、特厚
 シューズ: ミズノ ウエーブドライブEL 
16位 吉田海偉選手 当時39歳
 ラケット: バタフライ Kaii Yoshida(吉田海偉)、ペンホルダー
 フォア: Tenergy 64(テナジー64)、特厚
 シューズ: バタフライ レゾラインリフォネス

2021年の傾向についてのkatsuo000の考察

 16名のうち15名がシェークハンド、1名がペンホルダーのため、挙げられているラケットは16本、ラバーは31枚になります。

 アウターカーボン率: 4/16 = 25%
  ALC系:2、Zカーボン:1、カーボン:1
 インナーカーボン率: 4/16 = 25%
  Super ZLC系:1、ZLC系:1、ALC系:2
 木材系(アウター特殊繊維含む)率: 8/16 = 50%
  5枚合板:1、7枚合板系:3(アウターDual Web含む)、カット型ST:2、アウターCNF:2

 ディグニクス+テナジー率: 17/31 = 55%
 ディグニクス率: 12/31 = 39%
  09C: 2/31 = 6%
  05: 7/31 = 23%
  80: 3/31 = 10%
 テナジー率: 5/31 = 16%
  05率: 4/31 = 13%
  64率: 1/31 = 3%
 ドイツ製ラバー: 7/31 = 23%
  V>15エキストラ: 3/31 = 10%
  ファスタークG-1: 2/31 = 6%
  ラクザZ: 1/31 = 3%
 中国製ラバー: 4/31 = 13%
 日本製ラバー(バタフライ除く、Q5): 2/31 = 6%
 ツブダカ: 1/31 = 3%

katsuo000のレビュー

・ディグニクス09C: https://katsuo000.com/review_dignics_09c/
・ディグニクス05: https://katsuo000.com/review_dignics_05/
・テナジー05: https://katsuo000.com/review_tenergy_05/
・ファスタークG-1: https://katsuo000.com/review_fastarc_g-1/
・ディグニクス80: https://katsuo000.com/review_dignics_80/
・V>15エキストラ: https://katsuo000.com/review_v15_extra/
・フォルティウスFT ver. D: https://katsuo000.com/review_fortius_ft_ver_d/
・Q5: https://katsuo000.com/review_q_5/

全日本選手権ランカーの使用用具 2020年 男子

位 選手 年齢
 Blade(ラケット)
  ブランド ラケット グリップ
 フォア Rubber(ラバー)
 バック ラバー
 シューズ

優勝~ベスト4

優勝 宇田幸矢選手 当時18歳
 ラケット: Butterfly(バタフライ)特注ZLC、FL
       (ほぼインナーフォースレイヤーZLC)
 フォア: Dignics 05(ディグニクス05)特厚
 バック: Dignics 80(ディグニクス80)特厚
 シューズ: バタフライ Lezoline Rifones(レゾラインリフォネス)
準優勝 張本智和選手 当時16歳
 ラケット: バタフライ Harimoto Tomokazu Inner Force ALC
      (張本智和インナーフォースALC)、FL
 フォア: ディグニクス05 特厚
 バック: Tenergy 05(テナジー05) 特厚
 シューズ: バタフライ レゾラインリフォネス
3位 戸上隼輔選手 当時18歳
 ラケット: バタフライ Zhang Jike ALC(張継科ALC)、FL
 フォア: Tenergy 05 Hard(テナジー05ハード) 特厚
 バック: テナジー05 特厚
 シューズ: バタフライ レゾラインリフォネス
4位 吉田雅己選手 当時25歳
 ラケット: バタフライ Inner Force ZLC(インナーフォースZLC)、FL
 フォア: テナジー05、特厚
 バック: Tenergy 80(テナジー80)、特厚
 シューズ: バタフライ Energy Force XI(エナジーフォースXI) 

5位~8位

5位 吉村和弘選手 当時23歳
 ラケット: VICTAS(ヴィクタス) 特注、FL
       (おそらくアウターカーボン)
 フォア: テナジー05ハード、特厚
 バック: V>15 Extra(エキストラ)、Max
 シューズ: asics(アシックス) Court Control FF(コートコントロールFF)
6位 神巧也選手 当時26歳
 ラケット: Yasaka(ヤサカ)Ma Lin Extra Special(馬琳エキストラスペシャル)、FL
 フォア: Flying Dragon(翔龍)、特厚
 バック: 翔龍、特厚
 シューズ: mizuno(ミズノ) Wave Drive NEO(ウエーブドライブNEO)
7位 丹羽孝希選手 当時25歳
 ラケット: ヴィクタス Koki Niwa Wood(丹羽孝希ウッド)、FL
 フォア: V>15エキストラ、Max
 バック: V>15エキストラ、Max
 シューズ: アシックス Attack Dominate FF(アタックドミネイトFF)
8位 吉村真晴選手 当時26歳
 ラケット: バタフライ 特注ZLC、FL
       (ほぼInner Force ZLC(インナーフォースZLC))
 フォア: ディグニクス05、特厚
 バック: ディグニクス05、特厚
 シューズ: バタフライ Rezoline Mach(レゾラインマッハ)

9位~16位

9位 大島祐哉選手 当時25歳
 ラケット: ミズノ Fortius FT ver. D(フォルティウスFT ver. D)、FL
 フォア: テナジー05ハード、特厚
 バック: Q5(キューファイブ)、特厚
 シューズ: ミズノ Wave Drive Z(ウエーブドライブZ)
10位 曽根翔選手 当時17歳
 ラケット: ヴィクタス Koki Niwa(丹羽孝希)、FL
 フォア: V>15エキストラ、Max
 バック: V>15エキストラ、Max
 シューズ: アシックス Attack Bladelyte 4(アタックブレイドライト4)
11位 及川瑞基選手 当時22歳
 ラケット: バタフライ 特注ALC、FL
       (ほぼViscaria(ビスカリア))
 フォア: Dignics 09C(ディグニクス09C)、特厚
 バック: ディグニクス05、特厚
 シューズ: バタフライ レゾラインマッハ
12位 吉田海偉選手 当時38歳
 ラケット: バタフライ Kaii Yoshida(吉田海偉)、ペンホルダー
 フォア: Tenergy 64(テナジー64)、特厚
 シューズ: バタフライ レゾラインリフォネス
13位 龍崎東寅選手 当時21歳
 ラケット: バタフライ Inner Force Layer ZLC(インナーフォースレイヤー)、FL
 フォア: テナジー05、特厚
 バック: テナジー05、特厚
 シューズ: バタフライ レゾラインリフォネス
14位 横谷晟選手 当時17歳
 ラケット: バタフライ Petr Korbel(コルベル)、FL
 フォア: ディグニクス05、特厚
 バック: ディグニクス05、特厚
 シューズ: アシックス アタックドミネイトFF
15位 松山祐季選手 当時21歳
 ラケット: バタフライ Inner Force Layer ALC(インナーフォースレイヤーALC)、FL
 フォア: ディグニクス05、特厚
 バック: テナジー05、特厚
 シューズ: バタフライ レゾライン リフォネス 
16位 町飛鳥選手 当時25歳
 ラケット: バタフライ インナーフォースレイヤーALC、FL
 フォア: テナジー05、特厚
 バック: テナジー05、特厚
 シューズ: バタフライ レゾラインリフォネス

2020年の傾向についてのkatsuo000の考察

 16名のうち15名がシェークハンド、1名がペンホルダーのため、挙げられているラケットは16本、ラバーは31枚になります。

 アウターカーボン率: 4/16 = 25%
  ALC系:3(アラミドカーボン1含む)、カーボン:1(もしかしたらアラミドカーボン)
 インナーカーボン率: 7/16 = 44%
  ZLC系:4、ALC系:3
 木材系(アウター特殊繊維含む)率: 5/16 = 31%
  5枚合板:2、7枚合板系:3(アウターDual Web含む)

 ディグニクス+テナジー率: 23/31 = 74%
 ディグニクス率: 10/31 = 32%
  09C: 1/31 = 3%
  05: 8/31 = 25%
  80: 1/31 = 3%
 テナジー率: 13/31 = 42%
  05率: 11/31 = 36%(05ハード3含む)
  80率: 1/31 = 3%
  64率: 1/31 = 3%
 ドイツ製ラバー: 5/31 = 16%
  V>15エキストラ: 5
 中国製ラバー(翔龍): 2/31 = 7%
 日本製ラバー(バタフライ除く、Q5): 1/31 = 3%

katsuo000のレビュー

・ディグニクス05: https://katsuo000.com/review_dignics_05/
・ディグニクス80: https://katsuo000.com/review_dignics_80/
・テナジー05: https://katsuo000.com/review_tenergy_05/
・張継科ALC: https://katsuo000.com/review_zhangjike_alc/
・テナジー05ハード: https://katsuo000.com/review_tenergy_05_hard/
・V>15エキストラ: https://katsuo000.com/review_v15_extra/
・フォルティウスFT ver. D: https://katsuo000.com/review_fortius_ft_ver_d/
・Q5: https://katsuo000.com/review_q_5/
・ディグニクス09C: https://katsuo000.com/review_dignics_09c/

レビュー Tenergy 80 FX(テナジー80FX)

説明

 Butterfly(Tamasu)さんのテナジーシリーズの一つ、Tenergy 80 FX(テナジー80 FX)をレビューさせていただきます。世界標準Tenergy 05(テナジー05)の発売は今をさかのぼること、約13年前、2008年4月になります。有機溶剤による後加工の禁止もあいまって未だに10年以上経過した2021年現在もワールドスタンダードの名前をほしいままにするテナジー05は卓球のことを考えるにあたり、なしでは語れない存在となってしまいました。このテナジーシリーズの特徴を2021年現在改めてkatsuo000なりに考えると次のようになると思います。

テナジーシリーズの特徴
・高い回転性能
・高いスピード性能
・軽い

 テナジーシリーズが上述のような特徴をもつのは、Butterfly独自のスポンジによるところが大きいと思います。テナジーシリーズに採用されているスポンジは、Spring Sponge(スプリングスポンジ)というオレンジ色のスポンジで、そのスポンジの気泡はそれぞれ独立気泡構造となっており、高い性能を示すことができているそうです。このスプリングスポンジは、Butterflyだけの技術で他の競合卓球メーカーと差別化された技術になります。他の競合卓球メーカーは、ラバー製造を基本的には外注しているのに対し、Butterflyは、卓球メーカーであるにもかかわらず、スポンジ製造工場を保有し差別化を図っているわけですね。このスプリングスポンジのためにテナジーは高い性能を出せるわけですが、転売や偽物が出回ったことに加え研究開発費がかかるために、オープン価格化してしまい他のラバーと比べて倍近い値段となっている点も(悪い)特徴といえるでしょう。ただしトップ選手の使用率は高くワールドスタンダードであることは疑いようはありません。
 最もトップ選手の使用率が高く、回転性能の高いテナジー05の他に、トップシートの違いによってスピード性能の高いTenergy 64(テナジー64)、スピンとスピードのバランスのとれたTenegy 80(テナジー80)、カウンターや前陣に強いTenergy 25(テナジー)、先日発売になったパワーのTenergy 19(テナジー19)とシート形状だけで5種類存在します。各シートの説明は以下のようになります。
 No. 051.7 mmの粒間隔が狭い。回転性能が高い。
 No. 252.65 mm粒の高さが低い。台上プレーやカウンターがやりやすい。
 No. 641.7 mmの粒間隔が広い。スピード性能が高い。
 No. 1801.7 mmの粒間隔が中間。回転もスピードもバランスが取れている。
 No. 2191.5 mmの粒間隔が狭い。ボールをよくつかみパワーを出しやすい。
それぞれのトップシートの特徴が反映して先述のように、キーフレーズがあり「回転の05」「バランスの80」「スピードの64」「前陣の25」「パワーの19」と冠されています。

 バタフライは、約13年前、2008年4月にテナジー05を発売後、2008年11月にTenergy 25(テナジー25)を、2009年4月にTenergy 64(テナジー64)を2010年7月にTenergy 05 FX(テナジー05FX)を、2010年11月にTenergy 25 FX(テナジー25FX)を、2011年11月にTenergy 64 FX(テナジー64FX)を、2013年1月にTenergy 80(テナジー80)を、2014年4月にTenergy 80 FX(テナジー80FX)を、2017年4月にRozena(ロゼナ)を、2018年11月にテナジー05をより硬くしたTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)を、2019年4月にテナジー超えるラバーとしてDignics 05(ディグニクス05)を発売しました。そしてテナジーからディグニクスへの移行も見えつつあった2021年3月にTenergy 19(テナジー19)が販売となりました。現在までに10種類のテナジーが存在するわけです。それぞれ新商品として販売されてきて、未だにテナジー05が人気なのは完成と信頼の現れでしょう。

 本ページでレビューするテナジー80FXはソフトなスプリングスポンジをあわせた、扱いやすテナジーの一つになります。中級者のバックラバーとして、または初級者のテナジーとして人気のラバーだと思います。

公表性能値

 Butterfly(バタフライ)さんの好評性能値を示します。

 Butterflyにおいて、公表性能値は、FXによりません。競合他社メーカーでは、ソフトなスポンジをあわせたラバーは回転性能が高かったり、はじきやすいのであれば、スピード性能が高かったりするのですが、そういったことはないというButterflyさんの主張といえる公表性能値になります。実際に柔らかいスポンジは使いやすさはあがる一方でMaxの回転量やスピードは出しにくい印象は確かにあります。ただし、しっかりくい込ませれば回転量もスピードも出ると思います。ある意味、柔らかいラバーでMaxの回転量やスピードを出すのは、逆に技術力が必要だったりするようにも感じます。そういう意味でテナジー80FXは高性能かつ扱いやすいラバーといえるでしょう。

やりやすい技術

 Butterflyさんホームページ上には、各テナジーのやりやすい技術についてレーダーチャートが掲載されています。各技術のやりやすさを、モノサシで測り、その数値を下記図にしてみました。項目は
 ・ループドライブのかけやすさ
 ・スピードドライブの打ちやすさ
 ・カウンタードライブのやるやすさ
 ・台上プレーのやりやすさ
 ・ブロックのしやすさ
 ・スマッシュのしやすさ

の6つになります。個人的に重要な項目はループドライブ、スピードドライブ、台上プレー、ブロック、カウンタードライブになります。スマッシュも粘着ラバーでなければ慣れで打てるでしょう。

Butterflyさんのホームページより引用させていただきました。

https://www.butterfly.co.jp/product/tenergy/

 このチャートを見ると、テナジー80FXもテナジー05FX同様に、真ん中に存在していることがわかります。やりにくい技術が少ないことの現れだと思います。コストを考えなければ初心者から中級者までオススメできるラバーといえるでしょう。

おすすめラケット組み合わせ

 メーカー推奨の組み合わせも掲載されるようになりました。こちらも掲載していこうと思います。以下全てButterflyさんホームページより引用させていただきました。まずテナジーFX系を並べてみました。

Butterflyさんのホームページより引用させていただきました!

https://www.butterfly.co.jp/product/tenergy/
Tenergy 05 FX(テナジー05FX)
 ・Timo Boll ZLF(ティモボルZLF)
  安定したプレーを求める選手へ
 ・Inner Force Layer ALC(インナーフォースレイヤーALC)
  多彩な技術の習得に
 ・Maze Advance(メイスアドバンス)
  筋力に自信がない選手に
Tenergy 80 FX(テナジー80FX)
 ・Marcos Freitas ALC(フレイタスALC)
  バランスの取れた広い領域でのプレーに
 ・Timo Boll CAF(ティモボルCAF)
  威力を追求するオールラウンドプレーに
Tenergy 25 FX(テナジー25FX)
 ・Timo Boll ZLC(ティモボルZLC)
  相手のプレーを利用したい選手へ
Tenergy 64 FX(テナジー64FX)
 ・Timo Boll TJ(ティモボルTJ)
  トップを目指すジュニア選手へ
 ・Maze Advance(メイスアドバンス)
  初めてテナジーを使う選手へ

 基本的には、初心者や中級者向けのフレーズが多いように感じました。唯一、テナジー25FXのみがティモボルZLCとの組み合わせが提案されているだけで、基本的には非常に扱いやすいラケットとの組み合わせが多い印象です。個人的には威力よりも扱いやすさ、卓球の楽しさを感じてほしい、というメーカー側の意図を感じます。ただし、初心者でテナジーは家計簿泣かせです。娘がそうしたいというなら協力しますが。。。汗
 もうすぐ4月になり、ステップアップや新しい環境で気持ちを新たにテナジーに挑戦しようと思うのであれば上述のようにテナジーFX系と組み合わせていくことは一つオススメといえるでしょう。

Tenergy 05 Hard(テナジー05ハード)
katsuo000のレビュー↓
  https://katsuo000.com/review_tenergy_05_hard/
 ・Viscaria(ビスカリア)
  オールラウンドなパワープレーに
 ・Inner Force Layer ALC(インナーフォースレイヤーALC)
  回転を重視した前中陣でのプレーに
 ・SK7 Classic(SK7クラシック)
  木材合板ラケットを好むパワーヒッターへ
Tenergy 05(テナジー05)
katsuo000のレビュー↓
  https://katsuo000.com/review_tenergy_05/
 ・Zhang Jike ALC(張継科ALC)
  死角のないオールラウンドプレーに
 ・Harimoto Tomokazu Inner Force ZLC(張本智和インナーフォースZLC)
  打球の回転を重視する攻撃的なプレーに
 ・Inner Force Layer ALC(インナーフォースレイヤーALC)
  打球の回転と安定性を求める選手へ
Tenergy 19(テナジー19)
katsuo000のレビュー↓
  https://katsuo000.com/review_tenergy_19/
 ・Lin Yun-Ju Super ZLC(林昀儒Super ZLC)
  スピードとスピンをともに追求
 ・Inner Force Layer ZLC(インナーフォースレイヤーZLC)
  回転重視のパワフルなプレーを
 ・Timo Boll ALC(ティモボルALC)
  威力を追求するオールラウンドプレーに
Tenergy 80(テナジー80)
 ・Mizutani Jun ZLC(水谷隼ZLC)
  テクニカルなプレーを目指す選手へ
 ・Tiago Apolonia ZLC(アポロニアZLC)
  堅実なプレーを目指す選手へ
 ・Inner Shield Layer ZLF(インナーシールドレイヤーZLF)
  オールラウンドなカットプレーに
Tenergy 25(テナジー25)
 ・Mizutani Jun Super ZLC(水谷隼Super ZLC)
  相手のプレーを利用したい選手へ
 ・Inner Force Layer ALC.S(インナーフォースレイヤーALC.S)
  前陣で回転を駆使する選手へ
Tenergy 64(テナジー64)
 ・Matsudaira Kenta ALC(松平健太ALC)
  前陣でのスピーディーなプレーに
 ・Inner Force Layer ZLF(インナーフォースレイヤーZLF)
  フラットな打法を多用する選手へ
 ・Petr Korbel(コルベル)
  回転をかける感覚を身につけたい選手へ

 テナジー全体でみると、テナジー64は初中級者へ、テナジー25は弾むアウターSuper ZLCとの組み合わせ、テナジー80やテナジー05が中上級者へ、テナジー05ハードやテナジー19が上級者やトップ選手へオススメといった印象です。テナジー25と水谷隼Super ZLCの組み合わせは、2021年に始まった話ではなく、前々からButterflyさんは提案している印象です。結構気になる組み合わせですね。

Tenergy 80 FXの重量と貼り

 テナジー80FXのラバー重量は約45 gでした。テナジー05FX(46 g)より少し軽いですね。全体的に高性能で軽量なラバーが多いのが、Butterflyさんの特徴で、今回もやはり軽くて品質が高いことがわかります。

Tenergy 80 FX(テナジー80FX)
 High Tension(ハイテンション)裏ラバー
・スポンジ厚:厚(1.9 mm)、特厚(2.1 mm)
・スピン:11.25
・スピード:13.25
・Sponge硬度:32
・オープン価格(8,900円 + 税)
・66 g(切断前) → 45 g(林高遠ALCに貼って)

Tenergy 80 FXの3つの特徴

やはりバックハンドに持ってこい!

 柔らかいので、とにかくバックハンドに持って来いでした!やはりシートの粒形状の影響をうけ、テナジー05FXと比較すると、テナジー80FXの方がブロックやミート全般がやりやすいと感じました。もちろん、しっかりスポンジまでくい込ませればドライブもしっかり回転がかかりますが、薄く薄くとらえようとするとたまに滑るようにも感じましたので、バックで厚く当てるのであれば05FXよりも80FXの方がオススメといえるでしょう。

ブロックが入れやすい!

 徳にやりやすい技術としては、ブロックで弾みを利用すれば相手のコートに入れることは何とかできる感じがありました。テナジー80も同じように感じたのですが、相手の回転がかかっていてもナックルでもラケットとラバーの弾みで相手のコートにとにかく入れるのは非常にやりやすいラバーだと思います!面を作って相手コートに入れることを覚えたいのであれば非常に良いラバーだと思いますね。一方で、やはり棒玉にもなりやすいので、試合では多少押すなり回転をかけるなりできるとより良いと思います。

回転よりもスピードが出しやすい!

 05FXと比較するとやはり、回転よりもスピードで押せるラバーだと感じました。ドライブやチキータは回転量よりも、ピッチと直線性とスピードで相手の時間を奪うように使うと80FXが活かせると思います。特にスピード系のチキータは非常にやりやすくて、よかったです。ただし上をとらえるというよりは回転軸をずらすことでやりやすさが出るということです。扱いやすく、ピッチと球のスピードが欲しいのであれば、非常に良い選択肢だと思いました。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ラリーでのドライブ
 回転をかけて飛ばしたときに沈みにくく、少し弱く打って飛距離を抑える必要があると感じました。ディグニクス05では思い切り回転をかけて飛ばせば、安心して回転量でボールが沈むので相手のコートに入ると感じますが、やはり80のシートの形状では少し回転のかかりがあまく、自分のコート側で弧線の頂点が来るようなイメージでドライブすべきと感じました。

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ
 止めやすいです。ただ回転をかけようとすると弾いてしまいました。

ツッツキ
 回転はかけにくいです。入れる分なら非常にやりやすいです。

フリック

サービス
 回転はかからないわけではないですが、少し回転量の最大値に不満を感じました。

バックハンド系

軽打
 軽打からテナジー05と比べると球離れが早いと感じました。シートの粒形状の影響を受けてのことだと思います。 

ラリーでのドライブ
 比較的安定感はありました。しっかりくい込ませることができれば回転もしっかりかかって好印象でした。やはりスピードが出しやすく、バックハンドのパワーを補いやすいと思います。

対下回転に対するループドライブ
 05よりも球離れも早く、シートだけでとらえようとすると少しすべりそうにもなって難しかったです。特にハーフロングのボールのループドライブは難しいと感じました。一方で飛距離のあるボールならしっかり引き込めるので、引き込めれれば簡単に持ち上げられる感じはありました。このあたりはソフトなスポンジの効果だと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 少し角度が難しく、回転で落とし込むというよりは直線に飛ばしてネットを超えさせるイメージでドライブすることになると思います。このあたりは好みだと思いますが、katsuo000はあまり好みではなかったです。

ブロック
 テナジー05FXと比較するとそこまで回転の影響をうけやすいとは思いませんでした。05FXよりもかなりブロックはやりやすいと思います。

カウンタードライブ
 どちらかというとミートの方がやりやすかったです。

ストップ
 やりやすかったです。

ツッツキ
 柔らかい分、はじきやすいので回転は、テナジー05の方がやかけやすいです。

チキータ
 簡単にあがるのでやりやすかったです。スピードも出しやすいのでエースは狙いやすいと思います。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 テナジー05 FX > テナジー80 FX > Evolution MX-P

スピード
 Evolution MX-P > テナジー80 FX > Fastarc G-1

扱いやすさ
 テナジー05FX > テナジー80 FX > テナジー19

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