雑感2020/07/10

雑感記事を書き始める経緯

 今日からお試しで、毎日こちらのブログを更新していこうと思います。本当はたくさんの情報を毎日配信したいのですが、しっかりした内容で配信するためにはどうしても時間が足りず更新も疎かになりがちでしたので、雑感という件名で毎日投稿する記事を挙げようと思いました。Livedoorブログでほぼ毎日更新しているまとまりのない記事をこちらへ移植していくイメージでおります。年内には、Livedoorブログからこちらのブログへ移行したいとも考えております。読んでいただいている方々には不便をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

最近の試打ラバーのkatsuo000のコメント

・Rasanter R48(ラザンターR48)
 語彙力がないのですが、良いラバーです!!爆発力とか特化したラバーではないですね。フリー練習で真価を発揮するラバーというイメージです。とにかく扱いやすいのに想像以上に質の高いボールが打てる!そう言った類のラバーだと思います。フォアで使ってもバックで使っても楽しいラバーでした!ちょっと残念なのが、ツッツキでした。やりにくい訳ではないのですが、回転性能は高いのにシートで回転をかけようとするとシートが少し柔らかすぎて浮きやすいと感じましたね。これができたらバック本職ラバーにしたかったのですが、これだけの扱いやすさですので、仕方ないと思います。

・Dignics 64(ディグニクス64)
 カーテン打ちしかできていませんが、かなりディグニクス感が強くて扱いやすいラバーという印象はなかったです汗。回転は少し弱いですが、しっかりかかりますね。粒形状から球持ちを感じにくい気がするので、そこら辺がどんな感じか、ツッツキがどんな感じかを見極めたいです。

これから試打予定のラバー

・Rasanter R42(ラザンターR42)
 ラザンター最後の1枚の予定です。どんなラバーか楽しみですね。やはり柔らかいのに他のラザンターと同じ値段ですので、少し売れそうにないラバーな気がします。だからこそ何か面白い特徴を持っていそうなので、普段なら試打しないのですが、気になって購入してしまいました。

・Evolution MX-P 50°
 黒ラバーで交換したく、今の手持ちの黒ラバーがEvolution MX-PとEvolution MX-P 50°とQ5になります。Q3とQ4は赤ラバーでそこは比較もしたいので、先にEvolutionを打とうかなって思ってます。Evolution MX-Pは過去にも使ったことがあって、テナジー05っぽい印象なんですが、少し重たいイメージですね。そこら辺をしっかり確認しようと思います!

最後に

 本日より唐突に雑感を書いていきます。他の記事とは差別化したいので、タイトル名は雑感+日付で統一していきます。また変更もあるかもですが、どうぞこれからもよろしくお願いします。

 

レビューTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)

説明

 今や全てのラバーの世界標準である、Tenegy 05(テナジー05)。ワールドスタンダードに君臨するテナジー05は、2008年に販売され10年以上経過しました。ボールはセルロイドからプラボールへと変わり、トップ選手はボールの威力や性能を求めて、扱える範囲で硬いラバーを要求するようになったそうです。テナジー05の公表硬度はButterfly(バタフライ)規格で36°。バタフライの高い製造技術と品質管理でもラバーの個体差による、重量違い、硬度違いは生じているそうです。トップ選手は製造されたラバーの中で、自分にあった重量と硬度のラバーを選んでいると伺います。どうやら近年トップ選手から硬いテナジー05を使用したいという要望が多かったそうですね。トップ選手たちが使いたいという要望から商品化へと話が進んだのだと思います。そこでテナジー05販売から10年後の2018年、文字通りテナジー05よりもスポンジ硬度の硬いTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)が販売されるに至りました。他のテナジーシリーズ(Tenegy 25(テナジー25)、Tenergy 64(テナジー64)、Tenergy 80(テナジー80))にはなかった36°よりも7°硬い43°のスポンジを採用しています。トップ選手の使用者が増えているラバーとなります。

公表性能値

 バタフライさんは他社と異なり、スポンジ硬度を変更してもスピード性能とスピン性能を変更して公表しません。やりやすい技術と、ラバーが持つポテンシャルは異なると考えてのことではないかと想像します。ラバーのポテンシャルは、スポンジ硬度ではなく公表されている性能値を見れば良いと思います。つまり、潜在的なスピード性能も回転性能も、テナジー05ハードと柔らかいスポンジを採用しているTenergy 05 FX(テナジー05FX)で、かわらないということでしょう。メーカーによっては、スポンジ硬度が柔らかくなると公表値のスピード性能を高くしたりコントロールしやすいなど記載されていることもありますが、バタフライさんは異なるスタンスを貫かれている印象です。

↓横軸はスポンジ硬度+スピン性能をとっています。

やりやすい技術

 バタフライさんのパンフレットには、「あなたの『テナジー』を見つけよう」と題して各『テナジー』の様々な技術における「やりやすさ」をチャート表示してくれています。ホームページ上でも『テナジー』特設ページにて確認できると思います。パンフレットを見て、各技術のやりやすさを、モノサシで測り、その数値を下記図にしてみました。項目は
 ・ループドライブのかけやすさ
 ・スピードドライブの打ちやすさ
 ・カウンタードライブのやるやすさ
 ・台上プレーのやりやすさ
 ・ブロックのしやすさ
 ・スマッシュのしやすさ

の6つになります。個人的に重要な項目はループドライブ、スピードドライブ、台上プレー、ブロックの4つになりますね。カウンタードライブはなかなか打てませんし、スマッシュも粘着ラバーでなければ慣れで打てるでしょう。

 このチャートを見ると、やはりドライブ系技術はテナジー05ハードが良いだろうと思います。ブロックはやはり難しいのかもしれませんね。

 スマッシュやブロックはTenergy 64(テナジー64)がやりやすいこともよくわかりますね。バランスが取れているラバーが結局テナジー05 FXかTenergy 80(テナジー80)になると思います。実際にテナジー05ハードを使ってみて、このチャートが当てはまるのか、また打球感、使いこなせるのか、難しい技術はないのか、などなどレビューしていきたいと思います。

Tenergy 05 Hardのラバー貼りと重量

 Butterfly(バタフライ)さんのZhang JIke ZLC(張継科ZLC)に貼り合わせました。使用した接着剤は同じくバタフライさんのFree Chack II(フリーチャック2)になります。

 Tenergy 05 Hard(テナジー05ハード)
 High Tension
 Spring Sponge
・Speed:13
・Spin:11.5
・Sponge硬度:43°
・オープン価格(8,900円 + 税)
・76 g(切断前) → 52g(張継科ZLCに貼って、だいたい50~52g)

Tenergy 05 Hardの3つの特徴

 05ハードを一言でまとめると、「粘着ラバー(Hurricane(キョウヒョウ))に近いスピン系テンションラバー」です。そして、粘着ラバーで不満を感じやすくなるスピードを補えるラバーが05ハードになります。それでは3つの特徴です。

1. 粘着ラバー顔負けの質の高いループドライブ!

 なんと言っても05ハードはループドライブですね!少し長くなりますが、テナジー05ハードとその他のラバーとを比較していきましょう。

vs Tenergy 05 & Dignics 05 & Dignics 09C

 まず同じバタフライさんのラバー、Tenergy 05(テナジー05)、Dignics 05(ディグニクス05)、Dignics 09C(ディグニクス09C)と比較します。テナジー05ハードとテナジー05を比較すると、テナジー05でも十分強烈な回転がかかっていると思います。しかしながら、テナジー05と比較して05ハードの方が、同等以上の回転量と、ボールの重さ、そしてプレッシャーのあるループドライブが打てると思います。ボールの重さやプレッシャーと、表現が抽象的になってしまいますね。テナジー05では回転量によってオーバーミスしてしまうくらいですが、05ハードだと、回転量によるオーバーミス以外にも、1球1球のボールの回転量の違いによるネットミス、テナジー05よりも強いインパクトで打ったとわかる打球音によるプレッシャーで、シンプルな打球ミス(ラケットかどに当てたり、指や腕に当ててしまったり)、またテナジー05よりも明らかにボールにキレがあると感じました。続いて、ディグニクスと比較すると、ディグニクスシリーズの方が回転量は多いと思いますが、05ハードの方がスポンジが硬いので、低い弧線弾道を出しやすいと思います。よってディグニクス05やディグニクス09Cと比較して、05ハードの方が、回転量+弾道の低さと浅さのトータルのループドライブの質は高いと感じました。またスポンジ硬度が硬いために、テナジー05、ディグニクス05、ディグニクス09Cと比べて、05ハードの方が1球1球のループドライブの回転量に軽微な変化が出たり、癖球っぽくなったりしやすい点も特筆すべきでしょう。このような特徴があるためにトップ選手でも使用者が多いのだと想像します。

vs Hurricane NEO III

 代表的な粘着ラバーである、Double Happiness Shanghai(DHS)のHurricane NEO III(キョウヒョウNEO3)と比較すると、やはり粘着ラバーらしい沈む癖球はキョウヒョウNEO3に部があります。しかし、05ハードはかなり粘着ラバーに近い感覚でループドライブできると感じました。またキョウヒョウNEO3は面を開いてぶつけながらドライブすることでスピードドライブも回転がかかり安定します。キョウヒョウNEO3と同じ打ち方をしても、しっかり回転がかかる感じが05ハードにもありました(ただし弧線は直線的でしたが)。また特徴の3つ目で記載しますが中陣からのスピードドライブは明らかに05ハードの方に部がありました。結論として粘着ラバーにかなり近い感覚でループドライブや対下回転ドライブができるのに粘着ラバーで不利となる中陣からのドライブも威力が出せるラバーが05ハードだと言えると思います。

vs Fastarc G-1

 検証中になります。少々お待ちください。

vs V>15 Extra

 VICTAS(ヴィクタス)さんのV>15 Extraと比較すると、V>15 Extraはそもそもシートだけでドライブするよりもループドライブにおいても少しぶつけ気味にスポンジまで食い込ませるようにして回転をかけないと回転がかかりにくいラバーになります。従ってV>15 Extraを使うと、どうしてもループドライブのコントロールが少し難しくなります。浅く低くコントロールしたループドライブをするよりは、打球点を落としてもぶつけながら擦り上げることでスピードと癖球らしさを出しやすいのがV>15 Extraになると思います。従ってやりやすいドライブの種類が異なると言えるでしょう。ループドライブのコントロール、回転量は抜群に05ハードの方が高いと思います。

vs Omega VII Tour & Omega VII Hyper

 XIOM(エクシオン)のハイエンドラバー、Omega VII Tour(オメガ7ツアー)とOmega VII Hyper(オメガ7ハイパー)と比較します。オメガ7シリーズがドイツ製ラバーであり、重量が重い割には食い込みやすく扱いやすいラバーになります。05ハードと比較すると、全体的な扱いやすさとラリー時のスピードはオメガ7ツアーやオメガ7ハイパーの方があると思います。一方で、ラバーのポテンシャルを引き出したループドライブの回転量のMax値は05ハードの方が高いと思います。

vs DNA Pro H

 検証中になります。少々お待ちください。

vs Rasanter R53

 Andro(アンドロ)の赤のRasanter R53(ラザンターR53)と比較します。このR53はかなり高性能なラバーで回転量だけで比較すると、05ハードと同等以上の回転量を引き出せるのがR53になります。ただし、ループドライブで求められる低くて浅い弾道のコントロールにしやすさは05ハードの方がやりやすいと感じました。R53は粒形状が少し狭くて詰まった形状のようなので、球離れがやや早く感じやすいラバーとなっています。打点を落としても弧線を作りやすくR53らしい癖球も出しやすい非常に高性能なラバーでしたが、遅くて低くて浅い弾道のループドライブは少し難しかったです。

vs Rhyzer Pro

 Joola(ヨーラ)の少し古いラバー、Rhyzer Pro(ライザープロ)と比較します。05ハードと遜色ない、かなり近い感覚でループドライブができる感じがライザープロにありました。05ハードの価格が高いと感じるのであれば、ライザープロはかなりありだと思います。ただしライザープロはシートだけに食い込ませた時は浅くコントロールしやすいですが、スポンジまで食い込ませた途端に想像以上に弾む感覚がありました。この辺りは05ハードとは異なると感じましたね。また回転量の高さ、出しやすさは05ハードの方が上だと感じました。

2. ビタっと止めやすい台上ツッツキ&ストップ

 ツッツキがとてもやりやすいですね!打点を遅くしたり頂点よりも後でツッツキしても簡単にストップできるくらいの台上のビタ止まり感がありました。このラバーのおかげで相手のドライブを防いで先手が取れることも多々ありました。スピン系テンションラバーで、粘着ラバーのような低く短い台上を求めるのであれば、05ハードだと思います。

3. 粘着ラバーでは難しい中陣スピードドライブも顕在

 05ハードをメインで使おうと感じさせたのが、中陣からのドライブです!当時はフォアにキョウヒョウNEO3を使っていましたが、粘着ラバーで中陣ドライブはどうしてもスピードを出すことが難しく、振り回されることが多くて苦しいと感じていました。05ハードなら後ろからでも巻き返せると分かってありだと感じました。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 フォアで使う分には特に違和感はなかったです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 キレのあるドライブが打ちやすいです。スポンジが硬いので、中陣からのドライブにはパワーを要しますが、そのパワーをしっかり伝えてくれる感じが05ハードにはありますね。パワーロスも少ないと思います。

面を開いたドライブ
 意外だったのですが、面を開いてもしっかりドライブがかかります。粘着ラバーやキョウヒョウ特有のものだと思っていたのですが、05ハードでもかなりいい感じに回転がかかっていて好感触でした。このスピン性能があるため、中国のトップ選手もバック面にバタフライさんのラバーを使うのだと思います。

対下回転に対するループドライブ
 すでに詳細を特徴の部分で記載しましたが、かなり好感触です。05ハードを使う1つのメリットだと思います。ループドライブで得点を狙うことも可能だと思う、高い質のループドライブが打てると思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 容易ではないと感じました。やはりスポンジが硬いので、食い込みにくく、ドライブ回転をかけにくいといえばかけにくかったです。チャート表において、スピードドライブはうちやすいとなっていましたが、それなりの技術力またはインパクトが必要と言えるでしょう。面を開いてインパクト時に弧線を作るように打球することで、スピードドライブがうちやすくなると思います。

カーブ/シュートドライブ
 他のハイエンドでハードなラバーと比較するとハードなスプリングスポンジと言えど、かなり食い込みが良いので、弾道の曲がるカーブ/シュートドライブが打ちやすかったです。自分から回転をかけに行くよりも相手のボールを利用することで、スポンジへ強く食い込ませながら回転をかけると、想像以上に強い回転がかかって好感触でした。

ブロック
 フラットに当てるよりもアクティブブロック気味に打球した方が安定してよかったです。スピードを出すのは食い込み方にもよるので、難しいですがやはり弧線の安定感はさすがテナジーというものがありますね。チャート表ではブロックは難しいという評価になっていたと思いますが、しっかりボールの上をとらえるように打球してあげれば安定しますしスポンジが硬いので回転の影響を受けにくくやりやすかったですね。

カウンタードライブ
 どちらかというと打球点を落としてしっかり自分の回転をかけたカウンタードライブがやりやすかったです。食い込みが良いので打球点の早いカウンタードライブは食い込みをコントロールしづらく難しかったです。どちらかと言えば、ディグニクスの方がカウンターはしやすかったですね。

ストップ
 特徴でも挙げているくらいやりやすいです。05ハードを使うメリットにもなると言えます。非常に低くて浅いストップが可能です。

ツッツキ
 低く浅くツッツキしやすいです。ハーフロングで台からギリギリ出るようなツッツキもしやすくてよかったですね。ただし切るのは結構難しくて、やはりスポンジへ食い込ませた方が回転をかけやすいのですが、そうするとコントロールしにくかったです。

フォアフリック
 自分は乗せるフリックをするのですが、球離れが速いので05ハードは結構難しかったです。

サービス
 非常に出しやすかったです。早くて下回転や順横下回転系のサーブが好印象でした。しっかり持ち上げないといけない球足の早いロングサーブを、相手のバックか、ミドルに出して持ち上げたところをカウンタードライブ、なんてパターンがしやすいと思います。

バックハンド系

軽打
 まずまず硬いので、球離れの早さでポトっと落ちやすい感じがあります。この感覚に慣れる必要があると言えますね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 打球点を落とすと非常に回転がかかっていい感じですが、自分は腕がついていかず、弾くようなドライブを主体で使っていました。それでも入ってしまうのが、テナジーのいいところだと思います。

対下回転に対するループドライブ
 バックハンドでのループドライブにはかなりパワーを要しますね。慣れるといいドライブが打てると思いますが、そもそも感覚がないと厳しいかもしれません。

対下回転に対するスピードドライブ
 正直まともに打てる感じはあまりなかったです。バックハンドの技量不足ですね。

カーブ/シュートドライブ
 打球点を落とした時には想像以上に曲がるドライブが打ちやすかったです。

ブロック
 アクティブブロックするとボールが伸びて良かったです。安定感もあって非常に好感触でした。ここら辺は人それぞれで、チャート表では想像できない部分だと思います。ただしフラットで打つのは少し難しいかもしれません。

カウンタードライブ

ストップ
 低く浅くおさまって良好です。ツッツキのつもりがストップになることもありました。

ツッツキ
 上述の通りです。非常に良好でした。

チキータ
 思ったより難しかったです。スポンジに食い込ませると飛距離が出やすいので結構オーバーミスが多かったですね。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 ディグニクス09C ≧ ディグニクス05 > テナジー05ハード ≧ テナジー05

スピード
 ディグニクス05 > ディグニクス09C ≧ テナジー05ハード ≧ テナジー05

食い込ませたときの弧線の出しやすさ(ボールの沈み込みやすさ)
 ディグニクス09C ≧ テナジー05ハード > テナジー05 > ディグニクス05

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コストパフォーマンスの高い用具を探せ!

はじめに

 卓球用具は様々なメーカーが様々な価格のラケットアンドラバーを販売しています。その組み合わせは本当に無限大に近い組み合わせが存在しますね。katsuo000は高い用具が気になるミーハー野郎ですが、本記事ではタイトルにあるようにコストパフォーマンスを追求した用具の組み合わせを探求したいと思います。
 今回は、初心者用ではなく上級者やトップ選手でも使っている、または使う可能性のありそうなラケット&ラバーに絞って(絞り方はkatsuo000の独断になります)、選んでいきたいと思います。

Blades(ラケット)

5 play woods(5枚合板)

・Persson Power Allround(パーソンパワーオールラウンド)/DONIC(ドニック)
 ブレード厚:5.7 mm
 価格:5,200円 + 税
・Korbel(コルべル)/ Butterfly(バタフライ)
 ブレード厚:5.9 mm
 価格:5,500円 + 税

 最も種類の多いラケットである5枚合板ラケットは、本当に種類も豊富ですね。5枚合板で探していくと意外や意外、Butterfly(バタフライ)のラケットも選択肢に入ると思います。注目はずばりコルベル!2020年現在でも日本や海外のトップ選手で使用者が確認されるラケットになります(例えば愛工大名電高校の横谷晟選手)。コルベルといえば、卓球好きの人であれば語りたくなる、チキータの生みの親、チェコのピーターコルベル選手ですね。5枚合板で選ぶのであれば、katsuo000はコルベルを選ぶでしょう。

7 play woods(7枚合板)

・Persson Power Play(パーソンパワープレイ)/DONIC(ドニック)
 ブレード厚:5.9 mm
 価格:5,200円 + 税
・SWAT(スワット)/TSP(ティーエスピー)
 ブレード厚:6.0 mm
 価格:5,200円 + 税

 軽部隆介選手によって有名となったスワットがここで登場です。7枚合板で選ぶならどちらが良いか、かなり迷いますね。最近は薄いブレードのラケットが好みですので、katsuo000ならカタログ上では、パーソンパワープレイを選ぶと思います。上板に何を使っているのかわかればさらに絞ることができますが、情報を探し中です。SWATは乾燥させた上板を使っているはずなので球持ちがありながら結構硬さもある印象ですね。手に入りやすさの点ではSWATでいいとなることが多いと思います。

Inner(インナー)

・Reinforce HC(リーンフォースHC)/Yasaka(ヤサカ)
 ブレード厚:6.0 mm
 価格:9,000円 + 税
・Ma Lin Carbon(馬琳カーボン)/Yasaka(ヤサカ)
 ブレード厚:5.7 mm
 価格:9,000円 + 税

 インナー特殊素材ラケットは数が少ないですね。アウターカーボンの方が低価格ラケットが多いです。10,000円台になると、VICTAS(ヴィクタス)さんのFire Fall(ファイヤーフォール)シリーズが入ってくるのですが、ファイヤーフォールシリーズはかなり板厚なブレードで最近少し人気が落ちている印象です。やはり良心的な価格のヤサカさんではないかと思いました。板薄が好きな自分は馬琳カーボンが使いたいです。

Outer(アウター)

・SK Carbon(SKカーボン)/Butterfly(バタフライ)
 ブレード厚:5.2 mm
 価格:7,800円 + 税
・Waldner Senso Carbon(ワルドナーセンゾーカーボン)/DONIC(ドニック)
 ブレード厚:5.6 mm
 価格:8,500円 + 税
・Flyatt Carbon Pro(フライアットカーボンプロ)/Nittaku(ニッタク)
 ブレード厚:5.8 mm
 価格:8,800円 + 税
・Stradivarius(ストラディバリウス)/XIOM(エクシオン)
 ブレード厚:5.7 mm
 価格:9,000円 + 税

 アウター特殊素材ラケットは数が多くありますね。価格だけで選ぶと選択肢がかなり多そうです。各社10,000円台のフラグシップ的なラケットが多数ありますが、個人的に気になる低価格ラケットをエントリーさせてみました。気になるラケットはSKカーボンですが、上記ラケットの中で自分が使うなら、ワルドナーセンゾーカーボンとストラディバリウスですかね。どちらも板薄カーボンになります。現在最も売れていると言われるTimo Boll ALC(ティモボルALC)と同じアウターのALC系カーボンで、上板も同タイプと言われているのがフライアットカーボンプロとストラディバリウスですね。この2本は明らかにティモボルALCを意識したラケットですので、同タイプで低価格のコスパラケットを選びたいならありだと思います。ただし、品質は不明ですので、重量ばらつきなどはあるかもしれません。

Rubbers(ラバー)

・Rising Dragon(翔龍)/Yasaka(ヤサカ)粘着
 価格:4,500円 + 税
・Rozena(ロゼナ)/Butterfly(バタフライ)
 価格:5,000円 + 税
・Rakza 7(ラクザ7)/Yasaka(ヤサカ)
 価格:5,000円 + 税
・Rakza X(ラクザX)/Yasaka(ヤサカ)
 価格:5,200円 + 税

 ラバーについてもヤサカさんの存在感が半端ないですね!翔龍はプロ選手である神巧也選手が現在使用しているラバーでもありますので、全然アリと言えるでしょう!でも普通ならラクザ7かラクザXですかね。ソフトも同じ価格帯になります。意外や意外、ここでもロゼナが登場しました!バタフライはしっかり低価格でも高品質なラバーを販売していることがよくわかりますね。

組み合わせ

合板 × スピン系テンション

5枚合板
・Korbel(コルべル)/ Butterfly(バタフライ)
 ブレード厚:5.9 mm
 価格:5,500円 + 税
7枚合板
・Persson Power Play(パーソンパワープレイ)/DONIC(ドニック)
 ブレード厚:5.9 mm
 価格:5,200円 + 税
・SWAT(スワット)/TSP(ティーエスピー)
 ブレード厚:6.0 mm
 価格:5,200円 + 税

ラバー
・Rozena(ロゼナ)/Butterfly(バタフライ)
 価格:5,000円 + 税
・Rakza 7(ラクザ7)/Yasaka(ヤサカ)
 価格:5,000円 + 税
・Rakza X(ラクザX)/Yasaka(ヤサカ)
 価格:5,200円 + 税

計算例1:5,200円+5,000円+5,000円 = 15,200円 + 税
計算例2:5,500円+5,200円+5,200円 = 15,900円 + 税

カーボン × 粘着/スピン系テンション

インナーカーボン
・Ma Lin Carbon(馬琳カーボン)/Yasaka(ヤサカ)
 ブレード厚:5.7 mm
 価格:9,000円 + 税
アウターカーボン
・Waldner Senso Carbon(ワルドナーセンゾーカーボン)/DONIC(ドニック)
 ブレード厚:5.6 mm
 価格:8,500円 + 税
・Flyatt Carbon Pro(フライアットカーボンプロ)/Nittaku(ニッタク)
 ブレード厚:5.8 mm
 価格:8,800円 + 税
・Stradivarius(ストラディバリウス)/XIOM(エクシオン)
 ブレード厚:5.7 mm
 価格:9,000円 + 税

ラバー
・Rising Dragon(翔龍)/Yasaka(ヤサカ)粘着
 価格:4,500円 + 税
・Rozena(ロゼナ)/Butterfly(バタフライ)
 価格:5,000円 + 税
・Rakza X(ラクザX)/Yasaka(ヤサカ)
 価格:5,200円 + 税

計算例1:8,500円+4,500円+5,000円 = 18,000円 + 税
計算例2:9,000円+4,500円+5,200円 = 18,700円 + 税

まとめ

 今回は定価の値段とトップ選手でも使用実績が一度でもある、またはありそうな用具という観点で探してみました。もれはあるとは思いますが、悪くない組み合わせとなったと思います。いつか自分でも用意してみようかなと思ったりしています。
 実際の値段は、ちゃんとした卓球用具店やネットショップであれば、確実に20%くらいの割引がありますので、合板系であれば10,000円前後で、カーボン系であれば15,000円前後で揃うと思います。なかなかリーズナブルな組み合わせになったかなと。参考いただければ幸いです。

レビュー Omega VII Hyper(オメガ7ハイパー)

説明

 XIOM(エクシオン)のハイエンドラバーシリーズ、Omega VII(オメガ7)シリーズは初めにOmega VII Pro(オメガ7プロ)、Omega VII Euro(オメガ7ヨーロ)、Omega VII Asia(オメガ7アジア)、Omega VII Tour(オメガ7ツアー)の4種類が販売されました。やや重量は重いのですが、直線的でスピーディーなボールが出やすいのに回転によって安定すると感じたのがオメガ7シリーズの印象です。また初中級者をターゲットとしたVega(ヴェガ)シリーズのネイミングと同じようにネイミングしているので特徴も想像しやすくなっています。ヴェガシリーズでも共通の、やや柔らかいスポンジを採用しているヨーロ、トップ層が好みのスポンジ硬度を採用しているプロ、やや硬めのスポンジを採用しているアジア、そして世界最高峰のワールドツアーでも見劣りしない性能のハードスポンジを採用しているツアー、と明確に伝えたいラバーの立ち位置をオメガ7でも踏襲しています。
 そんなエクシオンのラバーで、初めてHyper(ハイパー)という名前を冠したラバーがこのOmega VII Hyper(オメガ7ハイパー)になります。このオメガ7ハイパーは中国の粘着ラバーのような、硬さと球威を有しながら、圧倒的に扱いやすいラバーと謳われています。世界を席巻する中国ラバーを参考に開発されたラバー。要は粘着ラバーのようなスピン系テンションラバーということでしょう。実際、開けてみるとシートは普通のスピン系テンションのシートですが、スポンジが抜群に硬く、気泡もかなり小さい、まさに粘着ラバーに採用していそうなスポンジのラバーでした。

Omega VII HyperとTourの比較とラバー貼りおよび重量

Omega VII Hyper(オメガ7ハイパー)

Omega VII Tour(オメガ7ツアー)

 画像で比較するとわかりやすいと思います。オメガ7ハイパーの方が気泡が細かくてHurricane(キョウヒョウ)ほどではないものの、かなり密でつまったスポンジだということがわかると思います。
 また写真は準備できてなくて申し訳ないのですが、オメガ7ツアーと比べてオメガ7ハイパーは粒が太くかつ短かったです。このシートの粒形状も粘着ラバーで見られるような形状だと思います。

 オメガ7ハイパー、MAXのラバー重量はZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼って、54 gありました!ちなみにオメガ7ツアー、MAXのラバー重量は52 gでした。かなり重いですね!

Omega VII Hyper(オメガ7ハイパー)
 DYNAMIC FRICTION
 CYCLOID
 CARBO SPONGE
・Speed:13.0
・Spin:14.0
・Sponge硬度:55°
・7,000円 + 税
・79 g(切断前) → 54 g(張継科ZLCに貼って)

Omega VII Hyperの3つの特徴

 このレビューは主にバック側での使用でのレビューになります。

1. 台上が抜群にやりやすい!特にチキータのおさまりが良い!

 もちろんストップは短くおさめやすいのですが、それ以上にチキータがやりやすかったです!思い切り回転をかけようと打っても全くオーバーミスしませんでした。ガツンと回転をかけることができるので、それがまたチキータの安定感をプラスする感じがあって非常に好感触でした。チキータがオーバーミスしてしまうのであれば使ってみるのはアリだと思います。オメガ7ハイパーではなく、粘着ラバーでも同じように打てる感じがありますが、粘着ラバーだとインパクトを結構強くしないと今度は落ちたりチャンスボールを送るだけになったりすることも多かったです。スピン系テンションで一定のスピードを維持しつつ安定とおさまりを得られるラバーして、オメガ7ハイパーは抜群にやりやすかったです。

2. 硬いのに食い込みが良くて扱いやすい!

 これはオメガ7シリーズ全体に言えることかもしれません。相手がミスするような物凄い回転量のボールを打つにはそれなりのインパクトとスイングスピードと体の使い方が必要ですが、5割〜6割くらいの力で打っても回転がかかりやすく、どんな技術も非常に安定して相手のコートに入れることができます!どんな技術も非常にやりやすいラバーになっています。バックでインパクトが弱くても中陣バックドライブは打ちやすかったですし、安定感がありました。またスポンジも硬いのでミートもしやすかったです。悪い言い方をすると中途半端なラバーと言えるのかもしれませんが、個人的には、ドライブもフリックもやりたい、ブロックもやりたいしミートもやりたいし、カウンターもやりたい、あれもこれもやりたい!という人には非常にバランスの良いラバーだと思います。

3. オメガ7ツアーと遜色のないスピードを維持しながら、さらなる回転と安定感!

 オメガ7ツアーと比較しても粘着ラバーではないので、スピードは遜色なく速かったです。それなのに、安定感と回転量はオメガ7ハイパーの方がありました。確かにスピードドライブは食い込ませにくいのでオメガ7ツアーよりも難しい感じはありましたが、ラリーでのドライブのスピードは満足できるものでした。それでいて安定感があったので安心感を感じやすいラバーでした。オメガ7ツアーはどちらかといえば、Tenergy 80(テナジー80)のように少し球離れが早い感じがあるのですが、オメガ7ハイパーはTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)寄りのラバーでした。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 結構弾まないです。粘着っぽい打球感ですね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ボールは伸びませんが回転のかかったボールは打ちやすいですね。回転量も高いかというと、粘着ラバーほどあるわけではないので、中途半端といえば中途半端かもしれません。粘着らしさとスピードが欲しいならありといえると思います。

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ
 非常にやりやすいですね。スポンジが硬く、ネット際に低くて浅いループドライブを打ちやすかったです。回転量も低くはないと思いますが、少しパワーが必要な感じはありました。

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ
 やりやすかったです。

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ 

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ
 かなりやしやすくて、非常に好印象でした。

ストップ
 ボールもピタっと止まってやりやすかったです。

ツッツキ
 ツッツキもやりやすかったですね。ボールはグリップしますが、しっかり切るには技術が必要と感じました。

チキータ
 やりやすかったですね。思い切り回転をかけにいってしっかりおさまる感じがありました。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenegy 05(テナジー05) > オメガ7ハイパー > オメガ7ツアー

スピード
 オメガ7ツアー ≧ オメガ7ハイパー > テナジー05 > テナジー05ハード

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レビューHurricane NEO III Blue Sponge(省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)

 キョウヒョウNEO3 (紅双喜(DHS))省チーム用ブルースポンジ黒をレビューします。俗に言う、省狂NEOブルスポというやつですね。自分のメインのフォアラバーとして愛用していました。
 なお、本レビューはあくまで有機溶剤を使わず、一般的な水系溶剤で貼った場合の試打レビューになります。(katsuo000は、高校生までは有機溶剤全盛期に卓球をしていたので、有機溶剤を使った経験はあります。しかしながら現在は全く使っておりませんし、試打目的で使うつもりもありません。)

説明

 中国の総合スポーツメーカーDouble Happiness Shanghai(DHS、紅双喜)のラバーで、中国代表の選手はほぼ皆DHS製のラバーを使用しているようです。中国卓球を語る上で今や避けては通れない粘着ラバーの代表的な存在がHurricane(キョウヒョウ)になります。DHSが販売する粘着ラバーは2種類あって、もう1種類はSky Line(天極)になります。天極は主に中国選手ではペンホルダードライブ主戦型の選手が使用しているようです。現在の現役の選手ではXu Xin(許昕)選手が天極を使用していると言われます。一方、主に中国選手でシェイクハンドドライブ主戦型の選手がキョウヒョウを使用するようです。キョウヒョウと冠されるラバーはいくつか存在し、かなり紛らわしいので、まずそこから説明させていただきます。

Nittaku製Hurricane(キョウヒョウ)

 中国トップ選手はDHS製を使用していますが、日本ではNittaku(ニッタク)も同名のラバーを販売しています。同じ名前ですが、中国トップ選手が使うものとは、十中八九別物だと思います。

 まずNittaku製キョウヒョウは、2020年現在以下のラインナップになります。
・Nittaku Hurricane II(ニッタク キョウヒョウ2)
・Nittaku Hurricane III(ニッタク キョウヒョウ3)
・Hurricane Pro II(キョウヒョウプロ2)
・Hurricane Pro III(キョウヒョウプロ3)
・Hurricane NEO III(キョウヒョネオ3)
・Hurricane Pro III Turbo Orange(キョウヒョウプロ3ターボオレンジ)
・Hurricane Pro II Turbo Blue(キョウヒョウプロ3ターボブルー)

全部で7種類になります。
 過去には、Hurricane NEO II(キョウヒョウネオ2)などもありましたが、2020年現在廃盤となったようです。また、DHS製ラバーの一部でITTF登録番号の記載のないものはルール上使用できなくなったようです。Nittakuのホームページには案内が掲載されていました。

Nittakuの案内になります。

https://www.nittaku.com/wp-content/uploads/2019/10/0449.pdf

Nittakuのホームページより引用させていただきました。

 Nittaku製のキョウヒョウは、スポンジ厚さとシートの色(赤・黒)を選ぶことになります。Nittaku製のキョウヒョウは、中国製のシートに日本製のスポンジをあわせているようなので、食い込みやすく比較的扱いやすい傾向があります。自分がNittaku製キョウヒョウの中からラバーを選ぶとしたら硬くて粘着力も強いプロを冠するシリーズを選ぶと思います。プロ2やプロ3は全然弾まなくて、硬くて重い傾向にあるので、まさにド粘着というラバーになります。上手に使いこなせばド粘着の癖球も出やすいと思います

↓Hurricane Pro III Turbo(キョウヒョウ プロ3ターボ)シリーズ(Hurricane Pro III Turbo Blue (キョウヒョウプロ3ターボブルー)とHurricane Pro III Turbo Orange(キョウヒョウプロ3ターボオレンジ))は同じスピードとスピン性能になります。

 今後、キョウヒョウ プロ3ターボシリーズもレビューしたいと思ってます。やはり日本のラバーの中では、近年注目の粘着ラバーですからね。それではDHSのキョウヒョウNEO3に戻ります。

DHS製Hurricane(キョウヒョウ)

DHS製のHirricane(キョウヒョウ)は、
・Hurricane II(キョウヒョウ2)
・Hurricane III(キョウヒョウ3)
・Hurricane III-50(キョウヒョウ3-50)
・Hurricane 8(キョウヒョウ8)
・Hurricane NEO II(キョウヒョウNEO2)
・Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3)

6種類が存在します。
 上記6種類に加えて、細かく販売時の (一般用省チーム用国チーム用)スポンジオレンジホワイトブルー)、スポンジ厚さスポンジ硬度を選択することになると思います。以下キョウヒョウNEO3について、主に記述していきます。

形(一般用省チーム用国チーム用)

 個人的に最も変わると感じる選択肢が販売時の一般用か、省・国チーム用か、の部分になります。一般用は八角形省チーム用は六角形国チーム用は四角形、で面積は 八角形 < 六角形 < 四角形 となります。以下写真になりますのでご参考ください。

一般用 = 八角形

一般用Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3)

省チーム用 = 六角形

省チーム用Hurricane NEO III Blue Spone(キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)

国チーム用 = 四角形

国チーム用Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3)

写真のように、販売されているラバーの形が異なっており、見る人が見ればどのランクのラバーかわかるようになっています。

スポンジ(オレンジホワイトブルー

オレンジスポンジ

 まず標準的なスポンジオレンジスポンジになりますね。一般用から国用まで、どのクラスのラバーもオレンジスポンジのラバーが存在します。初めてキョウヒョウを使おうという人は、まずはこのオレンジスポンジのキョウヒョウを使うことになると思います。硬くて、食い込みにくいですが、キョウヒョウらしい癖球も出しやすく、一般用から国用まで、しっかりとしたド粘着ラバーになります。特にNittaku製のキョウヒョウと比較しても癖球の出やすさが段違いで、別ラバーと感じると思います。

ホワイトスポンジ

 ホワイトスポンジのキョウヒョウについて、確かな情報を得ておりません。しかしながら数は少ないものの流通しているようです。バック側で使うためのラバーのようで、柔らかい硬度のものが流通しているようです。かなり特殊で希少性の高い種類がホワイトスポンジのキョウヒョウになります。

ブルースポンジ

 スポンジは、省チーム用または国チーム用ブルースポンジが存在します。シートの色は黒色のみになります。赤色シートにブルースポンジをあわせると、赤色シートが透けてしまうため、赤色シートのブルースポンジはないと言われていますね。よく中国のトップ選手がフォア面に使用するラバーはほぼ全員青色ブルースポンジだと思います。まさに、トップ選手たちは、この特殊なブルースポンジのキョウヒョウを使用されているわけですね。ブルースポンジの方が同じ硬度でも食い込みやすく、スイングで弧線を作りやすいと感じると思います。従ってフォア側で使用することが多いラバーになるのだと思います。

スポンジ硬度とスポンジ厚さ

スポンジ硬度

 近年のラバーはスポンジ硬度を選べる種類のラバーも増えました。例えば、Butterfly(バタフライ)のTenergy 05(テナジー05)にはTenergy 05 FX(テナジー05FX)とTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)存在します。スピード性能とスピン性能は同じですが、スポンジ硬度が違うために、やりやすい技術や回転量の幅、スピードが異なってきます。テナジー05は3種類から選べるわけですね。一方、DHSのキョウヒョウのスポンジ硬度の選択肢はかなり多いです。

 一般的なキョウヒョウNEO3の硬度の選択肢は39°、40°、41°の3種類になります。一方で、ネット上で種類を探していくと、硬度の種類は35°から42°まであるようですね。1°ずつ変えられるとして、7種類はあることになります。これだけ種類があると、かなり細かく硬度を選択できることになりますね。

スポンジ厚さ

 一般的なラバー、例えば、テナジー05では特厚、厚、中の3種類になります。キョウヒョウNEO3も同じく2.20 mm、2.15 mm、2.10 mm、と大きくは3種類になりますね。

価格と追記

 値段の話をさせていただきます。一般用の八角形のキョウヒョウは、ネット通販なので3,000円台で購入可能です。Nittaku製キョウヒョウよりも癖球が出やすいですが、食い込みにくいので、扱いにくくかつ飛距離が出しにくいです。一方で、省チーム用や国チーム用になると、値段が跳ね上がり、省チーム用で5,000円〜6,000円、国チーム用で8,000円くらいになります。硬度にもよりますが省・国チーム用のラバーは食い込みやすく扱いやすくなっていきます。スポンジをさらにブルースポンジにすることで、値段がまた高くなりますが(省チーム用で8,000円、国チーム用で10,000円以上)、食い込みもよくなってかなり扱いやすくなると思います。
 中国トップ選手は、おそらくこの国チーム用のキョウヒョウへ前(or 後)加工をしていると言われています。

*トップ選手の仕様

 あるサイトで、Ma Long(馬龍)選手やFan Zhendong(樊振東)選手のキョウヒョウNEO3と同じ仕様のラバーとして販売しているものも見つけました。
・国チーム用Hurricane NEO III Blue Sponge
 (キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)、黒、42°、2.10 mm
・国チーム用Hurricane NEO III
 (キョウヒョウNEO3)、赤、37°、2.10 mm
・国チーム用Hurricane NEO III Blue Sponge
 (キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)、黒、41.5°、2.10 mm

スポンジ厚さが2.10 mmということで、おそらくさらなる加工をしているものと思われます。値段は15,000円くらいです汗。

本物・偽物問題

 一般的な市場で出回らないために、省チーム用キョウヒョウと同等以上のラバーは偽物が出回っているようです。自分は日本語の記載もあるサイトから購入していて、気になるような物はありませんでした。なかなか本物偽物を見分ける方法が難しいようです。良さそうな方法は、偽造防止シールで見分ける方法が良いようです。あとはパッケージに入っているものを購入する、などでしょうか。キョウヒョウNEO3は已打底加工されていますので、真空パックされています。あるべきパッケージ、シールなどが貼ってあれば偽物は少なそうですね。一方、国チーム用キョウヒョウ3の中には、パッケージなしで販売されているものもありました。そこまで違和感はないのですが、かなりシートが浮きやすかったですね。シートの粘着力はあるのにシートが浮くために使えなくなる、という悲しい事態がよく生じました。もしかしたら偽物だったかもしれません。そう言ったことを考慮すると多少高くてもパッケージのしっかりした商品を購入することをオススメします。

 なお、自分も下記サイトからDHSのシリアルナンバーを入れたことがあります。

http://www.dhs-sports.com/search.shtml

DHSのシリアルナンバーチェックページへ飛びます。

上記サイトへ自分が購入したキョウヒョウのシリアルナンバーを打ち込んでチェックをかけてみると、次の2つのパターンのページが現れます。このチェックで100%安心できるわけではないのですが、気休め程度にはなると思います。

偽物だと判定された場合↓

您输入的防伪码不存在,请确定产品来源,谨防假冒!

はGoogle翻訳すると

「入力したセキュリティコードは存在しません。製品の提供元を確認し、偽造に注意してください!」と訳されました。

本物だと判定された場合↓

您输入的防伪码存在,该产品由红双喜生产,请放心购买。

はGoogle翻訳すると

「入力したセキュリティコードは存在します。この製品はDouble Happinessによって製造されています。安心して購入してください。」と訳されました。

 あまり初心者の方が興味本位で購入するのはおすすめできそうにありません。しっかり自己責任で購入しましょう。

DHS製キョウヒョウをまとめると、、、

・Hurricane II(キョウヒョウ2)
・Hurricane III(キョウヒョウ3)
・Hurricane III-50(キョウヒョウ3-50)
・Hurricane 8(キョウヒョウ8)
・Hurricane NEO II(キョウヒョウNEO2)
・Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3)

と6種類あり、それぞれに
 国、省、一般(3種)
 スポンジ(オレンジ、ホワイト、ブルー 1 or 2 or 3種)
 スポンジ硬度(35°〜42° 約7種)
 スポンジ厚さ(2.10 mm、2.15 mm、2.20 mm 3種)
と、6 × 1(or 2 or 3)× 2(or 3)× 7 × 3 = 378の選択肢があります。
 上記から、わかるようにDHS製のキョウヒョウは仕様がかなり細かいです。おそらく各選手ごとに細かく仕様を変更しているものと思われます。Butterfly(バタフライ)でも、契約選手は硬度や重量を指定したものを扱っていると言われています。従って、DHSの対応は選手ファーストな考え方によるものだと思います。

 最後に、簡単に6種類のキョウヒョウについてコメントさせていただき、DHS製キョウヒョウの総括とさせていただきます。
・Hurricane II(キョウヒョウ2)
 強粘着 回転はかかる分、弾まない
・Hurricane III(キョウヒョウ3)

 微粘着 扱いやすいキョウヒョウの中で標準的なキョウヒョウ
・Hurricane III-50(キョウヒョウ3-50)
 
 微粘着 使ったことないので不明
・Hurricane 8(キョウヒョウ8)

 微粘着 ややテンションがかかっていて 弾む
・Hurricane NEO II(キョウヒョウNEO2)

 強粘着 已打底あり
・Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3)

 微粘着 已打底あり 現在最も標準的なプラボール対応のキョウヒョウ
 キョウヒョウの中でも弾むキョウヒョウ それでも高弾性ラバーほどしか弾まない

DHS製キョウヒョウを使用する日本選手

 キョウヒョウブルースポンジのラバーは名だたる中国選手が使用しているのはもちろんのこと、日本選手では2017年世界卓球ダブルス準優勝の大島祐哉選手(一時期のようで、今はテナジー05ハードを使っているようです)、女子全日本選手権で優勝経験のある石川佳純選手早田ひな選手がフォア面で使用しているようです。
 また、女子選手でブルースポンジかどうかは分かりませんが、キョウヒョウを使用する選手は増加傾向にあります。カットマンの橋本帆乃香選手佐藤瞳選手、四天王寺のドライブ主戦型芝田沙季選手大藤沙月選手も使用しているようです。
 トップ選手はNittaku製のものではなく、DHS製のものを使うケースが多いようです。

個人的なNittakuとDHS製キョウヒョウの比較

 自分にとっては初めて使用したキョウヒョウはNittakuのキョウヒョウPro3で、弾まなくて驚いたのを覚えています。安いのもあってDHS製一般用八角形のNEO3を長く使っていた時期もありました。ただ、一般用のキョウヒョウNEO3はかなり硬くて弾まなくて、Timo Boll Spirit(ティモボルスピリット、アウターALC)に貼っていても下がったら、しっかり球を持ってやらないと全部ネットに引っかかるくらい弾みません。その分、しっかり回転をかける癖がつくのでラリーでも相手がドライブで蒸したり、癖球が出たりして得点源になりますが、ラリーが長引いて体力的にシンドイし、浮いたツッツキの強打が打てる気が当時はしなかったです。
 そんな時、興味もあってブルースポンジを使ってみたら、ノーマルスポンジよりもかなり柔らかいのでテンションのようにも使えて、癖球も出てサーブも切れて、思い切り振ることができれば強打もいけるとわかり、加えてTSP製ラバー保護シートを貼れば寿命はかなり長くなることがわかり、そこから2年くらい愛用しました。性能面で粘着ラバーのブチギレの切れ味を維持しながらナックルサーブやドライブ強打でノータッチが狙えるのがキョウヒョウNEO3ブルスポの良いところです。メインラケット用のラバーはちょいちょい新調していますが、どれが一番古かったかわからないくらいシートの粘着力はTSPの保護シートで補えるので、他のラバーへどんどん移植が進んでいきました。木材系ラケットからアウター特殊素材ラケットへ変更する際に、キョウヒョウNEO3からキョウヒョウ3へ変更したり硬度を柔らかくしたりしましたが、徐々に硬度を硬くしていき、最後は省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジの40°を使っていました。
今までにキョウヒョウNEO3ブルースポンジをあわせたラケットは以下の通りです。
・Zhang Jike ZLC(張継科ZLC)
・Timo Boll Spirit(ティモボルスピリット)
・Mizutani Jun ZLC(水谷隼 ZLC)
・Mizutani Jun SuperZLC(水谷隼SZLC)
・Fortius FT ver. D(フォルティウスFT ver. D)
・Fortius FT(フォルティウスFT)
・Virtuoso+(ヴィルトゥーソ+)
・Ultimate Carbon(ウルティメイトカーボン)
・Sardius(サーディウス)

省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジの2.15 mm、40°のラバー重量は約47 gでした。粘着ラバーでこの重量はかなり軽量だと思います。粘着ラバーの場合、重い方がいいと感じる人もいらっしゃると思いますのでケースバイケースではあります。省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジの重量はある意味一つの特徴でしょう。回転のかかるハイエンドラバーは50 g以上が当たり前のようになってきています。50 gを下回る重量であることは、このことだけでも1つの特徴だと思います。

それでは各技術について書かせていただきます。

Hurricane NEO III Blue Sponge(省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ、省狂NEO3ブルスポ)の3つの特徴

 レビューであるのに、説明だけで相当長くなってしまいました汗。本レビューはあくまで有機溶剤を使わず、一般的な水系溶剤で貼った場合の試打レビューになります。

沈み込む癖球ドライブのための最強ラバー!

 キョウヒョウの特徴とは、なんと言ってもキョウヒョウ独特の沈み込む癖球ドライブになります!この癖球ドライブが打てるからこそ、キョウヒョウを使っているという人は多いでしょう。中国製ラバーの代名詞というべき、癖球ですね。使い込めば使い込んでいくほど、キョウヒョウの中でも硬いラバーを選んでいくことで、癖球を出しやすくなると思います。
 近年のラバーは硬くなる傾向で、各社のハイエンドラバーは各ラバーらしいボールのウネリのようなものが出るようになってきたと思います。その中でもキョウヒョウの癖球ドライブは、有名だと思います。キョウヒョウの癖球ドライブは、他社のラバーとはかなり異なり、加速しながら沈み込むようなドライブになるのが特徴だと思います。テナジー05の癖球はむしろ跳ね上がるようにホップするので、真逆の変化と言えるかもしれませんね。オーバーミスしそうな弾道で一度上に上がってネットを超えてから急激に台の深いところへ吸い寄せられるように沈み込む癖球ドライブは、かなりいやらしいドライブとして相手コートに突き刺さることでしょう。

回転量と球足の速さでサービスエースが取りやすい!

 キョウヒョウNEO3ブルースポンジの2つ目の特徴として、回転量と球足の速いサーブを出すことができます。これはかなり得点源になると思います。粘着ラバーなので、ハーフロングサーブも出しやすく、已打底もあるので、球足の速いサーブも出しやすいです。1球目攻撃と言われるサーブでの得点率を上げやすいのは、中級者以上でも非常に武器になると思います。自分は特に下回転系または横下回転系の球足の速いサーブを多用しました。軽く持ち上げるだけでは、ネットミスしてしまう、ナックルのようにも見えるサーブになりますね。

食い込みやすいのに、いい意味で弾まない!台上最強の粘着でありながら中陣でも打ち合える絶妙なバランス!

 そして、キョウヒョウNEO3ブルースポンジの3つ目の素晴らしいところは、最高のバランスになります。癖球が出せる一方で、スピードも出せるのです。粘着ラバーは総じてスピン系テンションと比較するとスピードドライブはやはり容易ではありません。面を開いてスポンジの食い込みやラケットのしなりを利用して、回転をかけながらバチんと弾き、フォロースルー含めてスイングで弧線を描かせることで、スピードドライブを可能とします。一度この打ち方を覚えると、ボールにかかっている回転や、ある程度の球の高さ、をある程度無視して、安定して強烈なスピードドライブを打てるようになります。回転を無視できることはスピン系テンションでも同じですが、ある程度の高さを無視してスピードドライブできるのが粘着ラバーの特徴だと思いますね。これにより3球目必殺のスピードドライブを可能にするわけですね。このスピードドライブはスピン系テンションラバーで放つスピードドライブよりも初速は遅いですが、伸びや弾道が見慣れないため実際よりも体感は速いと感じやすいと思います。このスピードドライブがブルースポンジ系のラバーはかなり打ちやすいと思います。
 そして下がった時も一定の飛距離を出しやすいので、引き合いも可能です!もちろんスピン系テンションラバーと比較するとかなりパワーを要しますが、中陣からでもノータッチの狙える球威のドライブが打ちやすいですね。これはバランスが取れていると思います。一般用八角キョウヒョウNEO3では、中陣の引き合いは正直厳しかったです。この抜群の守備範囲が得られるのも、キョウヒョウNEO3ブルースポンジの特徴になります!

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 軽打からキョウヒョウは弾みません。ラケットによってはペコペコとした可愛い音がしますね。ブルースポンジで食い込みやすいと言っても、スピン系テンションと比較したら高弾性ラバーのような弾みと球の伸びではないかと感じるのが、キョウヒョウの軽打になります。

スマッシュ
 キョウヒョウは総じてスマッシュはかなりやりにくいですね。弾こうとしても食い込んでしまって勝手に何かしらの回転をかけてしまうためだと思います。ここは気をつけた方が良いと思います。中国選手はロビングを上げられた時はバック面に使っているスピン系テンションラバーを使ってフォアスマッシュすることが多いのは、このためですね。でもタイミングとタッチを短くすることでスマッシュもできます。

ロングボールやラリーでのドライブ
 軽く打つと、普通のドライブと変わりません。思い切りぶつけにいけばいくほど癖球系のドライブになりやすいですね。スピードを出すより、癖球を出すようにした方が相手のミスを狙えると思います。

面を開いたドライブ
 面を開いてのドライブが最もやりやすいラバーの1つがキョウヒョウNEO3ブルースポンジだと思います。回転をかけやすいですね。もちろん自分で弧線を作る必要はありますが、弧線を作った時にしっかり弧線を作ってくれる、キョウヒョウらしさも顕在です。逆にこの自分で弧線を作れる感じが掴めないと少し扱いにくいラバーと言えるかもしれません。

対下回転に対するループドライブ
 得点源です。総じて硬くて板薄のラケットでループドライブすればするほど、球離れは速くなって難しくはなりますが、それ相応の質の高いループドライブになりやすいと感じました。張継科ZLCと組み合わせた時はループドライブで相当点数が取れましたね。自信を持ってドライブできると思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 面を開いたドライブができれば、違和感なく打てると思います。人によってスイングはいろいろあると思いますが、このラバーはそれぞれの癖に応じてくれるのも良いところだと思います。スイングは大きくなりがちですが、テイクバックからフォロースルーまで全てがドライブを変化させる因子となりうると感じました。それくらい色や味が出せるラバーであることが魅力の1つでもあると思います。

カーブ/シュートドライブ
 カーブドライブもシュートドライブもやりやすいですね。個人的にはシュートドライブの方が、面が開きやすいので回転をかけやすいと感じました。

ブロック
 ブロックは少しやりにくいです。特に相手の回転の影響も受けやすいので、ただ当てるだけのブロックは得策ではないですね。

カウンタードライブ
 カウンタードライブは台上で打点の早いドライブよりも引き付けて、多少打点を落として自分のボールにして打つカウンタードライブの方が打ちやすかったです。食い込みの良いラバーですので、相手の回転の影響は受けやすいので、打点を落とすことで回転が弱くして、そこから自分で弧線を作ってあげることで、回転量にかかわらずカウンタードライブしやすい感じがありました。

ストップ
 抜群にとまります。特に打点が遅くなったり、頂点後にボールを打ってもストップにできるやりやすさがありました。

ツッツキ
 低くおさまると思います。切ったりするのは特段やりやすいという印象はありませんでした。

フォアフリック
 結構思い切り弾かないとネットに引っかかりやすいです。ドライブ回転をかけて安定させるか、ナックルで押し込むか、迷いやすかったですね。自分はドライブよりはナックルの方が球質の差が出て相手は嫌じゃないかと想像してナックル系のフリックを多用しました。ただ、当て方を間違えると、勝手に回転をかけてしまうので、スパッと短い打球時間で打った方が安定すると思います。

バックハンド系

バックハンドで使った経験はあまりありません。今度更新していこうと思います。

軽打
ロングボールやラリーでのドライブ
対下回転に対するループドライブ
 カーテン打ちの感想としては、かなりやりやすいです。スポン系テンションよりもループドライブがやりやすいですね。
対下回転に対するスピードドライブ
 カーテン打ちだけですが、面が変わりやすいのでスピードドライブは難しい気がしました。
カーブ/シュートドライブ
 カーテン打ちではよく曲がって好感触でした。
ブロック
カウンタードライブ
ストップ
ツッツキ
チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

比較ラバーは
・省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ(省狂NEO3ブルスポ)
・Dignics 05(ディグニクス05)
・Dignics 09C(ディグニクス09C)
・テナジー05(Tenergy 05)
・Nittaku製キョウヒョウNEO3(Nittakuキョウヒョウ)

回転量
 ディグ09C ≧ ディグ05 > 省狂NEO3ブルスポ > テナ05 ≧ Nittakuキョウヒョウ

スピード
 ディグ05 > ディグ09C > テナ05 > 省狂NEO3ブルスポ > Nittakuキョウヒョウ

食い込ませたときの弧線の出しやすさ(ボールの沈み込みやすさ)
 省狂NEO3ブルスポ > ディグ09C > テナ05 > ディグ05 > Nittakuキョウヒョウ

癖球の出しやすさ
 省狂NEO3ブルスポ > ディグ09C > Nittakuキョウヒョウ ≧ ディグ05 > テナ05

癖球の嫌らしさ
 省狂NEO3ブルスポ > ディグ09C > ディグ05 > Nittakuキョウヒョウ > テナ05

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レビュー Dignics 80(ディグニクス80)

説明

水谷選手のV10を確実のものにしたラバー!

 2018年12月のワールドツアーグランドファイナル準々決勝で、水谷隼選手が中国の梁靖崑(Liang Jingkun)選手に勝利しました。その時に一部のコアな卓球ファンたちの間で使用しているラバーが話題となりました。それまで水谷選手は両面Tenergy 80(テナジー80)を使っていたのに、試合動画に映る水谷選手のラバーはテナジーではなく別のラバーを使っている。そしてButterfly(バタフライ)の新商品を発表するという予告がホームページにも記載され、全日本選手権に向けてラバーの噂は持ちきりとなりました。全日本選手権に対し、思い切って新しいラバーへ挑戦することは想像以上に勇気の必要な決断だと想像します。実際、バタフライ契約選手は2つに別れていて、新たなラバー、Dignics(ディグニクス)シリーズのラバーへ変更する選手とTenergy(テナジー)シリーズをそのまま使用する選手に別れました。ディグニクスシリーズへ挑戦するその決断は、水谷選手の前人未到の全日本選手権V10のためには必要な通過儀式だったようです。この年、水谷選手は圧巻の強さで、ストレートの4-0か1セットを許す4-1の勝利で決勝まで進出し、高校3年生から13年連続の全日本選手権決勝進出を達成しました。前年度優勝で優勝候補No. 1だった張本智和選手に、パワーで打ち勝った大島裕哉選手との決勝は唯一2セット落としたものの、フルセットまでもつれた試合は1試合もなく、王者水谷隼選手のV10と強さが新たな歴史を刻んだ全日本選手権でした。

補足1
 水谷選手がワールドツアーグランドファイナルの時に使用していたフォア側のラバーはDignics 80(ディグニクス80)ではなく、Dignics 05(ディグニクス05)だったようです。その後、全日本選手権へ向けて調整し、両面ディグニクス80で優勝したようです。

補足2
 上述からディグニクスシリーズを使わなかった、使えなかった選手が不利になっただけじゃないかと思うかもしれません。しかしながら、ディグニクスシリーズを使ってみたけど結局テナジーシリーズへ戻すバタフライ契約選手が、何名もいらっしゃったことを補足させていただきます。使いこなせればメリットがある一方で、使いこなせなかった時のデメリットも存在することは強調させていただきます。

前評判はDignics 05を上回るDignics 80!

 その後2019年4月にディグニクス05が発売され、半年後の2019年11月待ちに待たされた王者水谷選手が現在両面に使用するディグニクス80が発売されました。発売前後には卓球ショップなどで試打レビューや動画が多数あがりました。そのレビューにおいての評価は極めて高く、先に発売されたディグニクス05よりも一般層で販売数を伸ばすのはディグニクス80だろうと言われたほどです。

公表性能値の比較

 公表性能値比較を下記に示します。

 性能からわかるように、ディグニクス80はTenergy 05(テナジー05)よりもスピン、スピードが上回る極めて高い性能のラバーとなります。そしてディグニクス05と比べるとスピンで劣るがスピードで勝ることがわかります。

Spring Sponge X(スプリングスポンジX)とDignics(ディグニクス)シリーズのシート

 Spring Sponge X(スプリングスポンジX)は、テナジーシリーズに採用されているSpring SPonge(スプリングスポンジ)の進化版だと思います。スプリングスポンジが独立気泡のスポンジで他のラバーメーカーでは製造できないもののようです。そのスプリングスポンジの独立気泡を、独立を維持したままより細かくしたものがスプリングスポンジXらしいです。結果、スプリングスポンジよりもスプリングスポンジXの方が、14%変形しやすくなり、反発力は3%向上しているそうです。
 テナジーシリーズのスプリングスポンジといえば、オレンジ色のスポンジが特徴的ですが、ディグニクスシリーズのスプリングスポンジXは真紅と言える赤色が特徴で、一眼でディグニクスシリーズとわかります。

 表面の強度と球持ちが改善したことも紹介されています。球持ちについてはシートで捉えるカウンターやチキータがより安定することが紹介されていますね。また強度ですが水谷選手も言及されていてラバーの交換までの時間が長くなったとおっしゃってます。確かにテナジーシリーズと比べてもシートが白くなるまでの時間が長くなっていて、保管条件が良ければ1年近くシートの劣化は感じません。ラバー全体で考えると、スプリングスポンジXのテンションというか張りが緩む感じがあるので、刻一刻と状態は変化していくと感じます。
 ディグニクスシリーズのシートは透明感が強くなっていますが、ドイツ製の曇り系シートに近い強いシートを採用しているようなので、抜群にチキータやカウンターがやりやすいと感じます。

その他

 バタフライホームページまたはツィート上で、水谷選手がディグニクスについてコメントしていたと思うのですが、見つけることができませんでした。内容は「中国選手のドライブに対して負けずにカウンターができる」という内容だったと思います。中国選手のドライブはHurricane(キョウヒョウ)系の粘着ラバーをもちいた回転量とスピードと癖球による威力が特徴だと思います。この粘着ラバー特有のドライブに対して負けずにカウンタードライブできるのがディグニクスというラバーだと思います。

Dignics 80の重量と貼り

 いつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

 改めて試打予定ですので、張継科ZLCに貼った写真は後日更新させてください。

Dignics 80(ディグニクス80)
 High Tension(ハイテンション)裏ラバー
・スポンジ厚:厚(1.9 mm)、特厚(2.1 mm)
・スピン:11.75
・スピード:13.75
・Sponge硬度:40
・オープン価格(9,800円 + 税)
・xx g(切断前) → 約48 g(張継科ZLCに貼って)

ディグニクス80の3つの特徴

1. カウンタードライブとチキータが打ちやすい!

 ディグニクス05のレビューでも書かせていただきました。シートが強くなったためカウンタードライブがとても打ちやすいです。角度を決めてふりぬけば簡単にカウンタードライブが決まります。またチキータもやりやすいですね。シートが勝手にボールを持ち上げてくれます。このやりやすさとシートの強さはドイツ製ラバーっぽいですね。この扱いやすさは素晴らしいです。これらのポイントだけでもディグニクス80を使うメリットはあると思います。

2. ディグニクス05より扱いやすい!テナジー05に近い打球感で性能を進化させたラバー

 ディグニクス80で特筆すべきはディグニクス05よりも扱いやすい点です。硬度は同じですが05のシートは粒間隔が狭いのが特徴です。この粒形状のために、ディグニクス05は食い込みにくく球離れが速くなる印象があります。Dignics 05は癖が強く、慣れるまでに時間を要しますね。今後テナジーシリーズ同様にディグニクスシリーズでも硬度の柔らかいFXシリーズが販売される可能性はあると思いますが、現状ディグニクス05は扱いが難しく販売数は伸びないかもしれません。一方でディグニクス80は、抜群に扱いやすいです。これはディグニクス80の方がシートの粒間隔がディグニクス05よりも少し広くなっているために、食い込みやすくなったためだと思います。球持ちも抜群に良く自ら食い込ませる必要のあるチキータがかなりやりやすいと感じます。
 初めに感じた印象はまさに「テナジー05を進化させたラバー」でした。テナジー05は扱いやすさと回転のかけやすさがあると思いますが、その扱いやすさを維持したままスピード性能や回転性能を改善したラバーがディグニクス80だと感じます。テナジー05を使っている人には、ディグニクス80をおすすめしてしまいますね。
 数値比較できたわけではないですが次のようなイメージです。
 スピード: テナジー05が10なら ディグニクス80は12
 スピン:  テナジー05が10なら ディグニクス80は11〜10.5

3. 軽量で高性能なラバー

 自分が試し打ちした際のディグニクス80のラバー重量はディグニクス05と同様に48 gでした。50 gを下回るラバーであるにもかかわらず、回転性能やスピード性能、カウンターの打ちやすさが備わっていて、バタフライのラバーらしい特徴を有します。類似の性能を有するラバーは他メーカーのハイエンドラバーでも存在すると思いますが、おそらく50 gを容易にオーバーしてしまうのが普通だと思います。軽量で高性能は、まさにバタフライの代名詞的な特徴だと思います。
 もう少し詳しく補足させていただきます。そもそも世界で圧倒的に使用されているテナジー05は、その高い回転性能が一つの特徴です。高い回転性能のためにボールの回転量は粘着ラバーに匹敵するときもあります。そしてテナジー05はスピン系テンションラバーですので、後加工などなければ粘着ラバーよりも高いスピード性能を有します。そのテナジー05よりも高い回転性能、高いスピード性能を有するのが、このディグニクス80というラバーになります。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 ぶっちゃけ、ディグニクス05との違いを感じにくかったです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 この辺りから違いを感じました。1番の違いはボールの深さで、ディグニクス05の方が深く、ディグニクス80の方が浅かったと感じました。浅いのはデメリットかもしれませんが、サイドを切るボールを打ちたい時には浅い方が入りやすいこともあるので、考え方だと思います。
 テナジー80と比べると球持ちが良いと感じました。個人的にはテナジー80よりも好みな方向へ向かった変化だと感じました。人によってはもっと球離れが速い方が好みの人もいると思います。

面を開いたドライブ
 更新予定

対下回転に対するループドライブ
 思ったより回転がかかって驚きました。そこまでガッツリかけたつもりはなかったのですが、テナジー05やTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)なみのしっかりとした回転量が得られます。思い切りかけた時のMaxの回転量は、流石にテナジー05ハードやディグニクス05に劣ると感じましたが、何気ないドライブの回転量が想像以上にあったので、つなぎやチキータなどの質が高いことを直感的に感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 更新予定

カーブ/シュートドライブ
 更新予定

ブロック
 更新予定

カウンタードライブ
 ディグニクス05と同様にやりやすかったです。ディグニクス05の方が、回転量が多いカウンターがしやすいと感じましたが、弧線が出しやすいというわけではなかったです。むしろディグニクス80の方が回転の影響を受けにくい気がしました。

ストップ
 ディグニクス05と同じく、シートで切りやすいと感じました。慣れれば、明らかにディグニクスシリーズのラバーは台上はやりやすいと思います。慣れないとぶっ飛ぶので気をつけてください。

ツッツキ
 更新予定。

フォアフリック
 更新予定。

サーブ
 ディグニクス05ほどではないですが、食い込ませた方が回転がかけやすい感じがありました。

バックハンド系

軽打
 球離れは早めで、かなり直線的なボールになりやすいです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ディグニクス05よりもくい込みがいいのでやりやすいですね。

対下回転に対するループドライブ
 グリップしやすくてやりやすいです。

対下回転に対するスピードドライブ
 ミートに近いスピードドライブもやりやすいですね。

カーブ/シュートドライブ
 今後更新予定

ブロック
 今後更新予定

カウンタードライブ
 やりやすいですね!

ストップ
 今後更新予定

ツッツキ
 少し飛びやすいです。難しいですね。

チキータ
 今後更新予定

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 ディグニクス05 > ディグニクス80 ≧ テナジー05ハード ≧ テナジー05 > テナジー80

スピード
 ディグニクス80 > ディグニクス05 > テナジー80 > テナジー05ハード ≧ テナジー05

食い込ませたときの弧線の出しやすさ(ボールの沈み込みやすさ)
 ディグニクス09C > ディグニクス05 > ディグニクス80 > テナジー05ハード

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卓球ラケットの種類 ~ラケットから考える特徴やスタイル~

 ラケットの種類から考えられる卓球の特徴/戦型についてまとめていきます。

形と特徴

 ブレードの縦長、横長、形状から考えられる特徴です。

ペンラケット

日本式ペンラケット

 日本式ペンラケットの特徴はブレードが縦に長いです。
ブレードサイズ
 縦160 mm前後
 横130 mm前後
いわゆる角型と言われるラケットです。Hinoki(檜)単板が多いですが近年、合板もあるようです。

例1) Cypress G-MAX(サイプレスG-MAX) Butterfly(バタフライ)
 縦163 mm × 横135 mm

例2) SPEED 90 SG-910K(スピード90) DARKER(ダーカー)
 縦163 mm × 横132 mm

・板厚9〜10 mmでドライブやスマッシュが強烈!
・意外と知られていないけど、手首も効くので回転量が豊富!
・手首が動かしやすいので、台上がやりやすい!

プロ選手
・Kim Taeksoo選手(金擇洙、キムテクス、韓国)
・Ryu Seungmin選手(柳承敏、ユスンミン、韓国)
・Chiang Peng-Lung選手(蒋澎龍、シャンポンロン、台湾)

中国式ペンラケット

 中国式と呼ばれ、日本式ペンよりも丸みがあって横幅が広いラケットです。
ブレードサイズ
 縦160 mm前後
 横150 mm前後
日本式ペンラケットは単板が多いですが、中国式ペンラケットでは合板ラケットが多いです。どちらかというと、シェイクラケットの名前を冠して中国式としているケースも多いです。トップ選手で活躍する選手も使用します。

例1) Carbon F-1 CHN(カーボン F-1 CHN)(TSP)
 縦159 mm × 150 mm

例2) RUTIS REVO C(ルーティスレボC)(Nittake)
 縦157 mm × 150 mm

・手首が効くのでドライブやスマッシュが強烈!回転量も豊富!
・手首が動かしやすいので、台上がやりやすい!

プロ選手
・Ma Lin選手(馬琳、マリン、中国)
・Wang Hao選手(王皓、ワンハオ、中国)
・吉田海偉選手(よしだかいい、日本)
・Xu Xin選手(許昕、シュシン、中国)
・松下大星選手(まつしたたいせい、日本)

反転式ペンラケット

 ラケットを反転することを想定されたラケットです。
ブレードサイズ
 縦160 mm前後
 横140 mm前後
変化系ラバーと組み合わせる守備型の選手が使用するラケットになります。

例1) Double Face II TO(ダブルフェイスII TO)(YASAKA)
 縦163 mm × 横140 mm

例2) HADRAW REVOLVER (ハッドロウレボルバー)(バタフライ)
 縦161 mm × 横141 mm

・手首が動かしやすいので、角度が出しやすい。

シェイクラケット

一般的なブレード面積

 現在の卓球で最もスタンダードなラケットです。
ブレードサイズ
 縦160 mm前後
 横150 mm前後
最も種類の多いラケットです。現在使用する選手が最も多いラケットと言えるでしょう。

例1) KOKI NIWA WOOD(丹羽孝希WOOD)(VICTAS)
 縦157 mm × 横150 mm

例2) Jan-Ove Waldner OFF(J.O.ワルドナーOFF)(DONIC)
 縦159 mm × 横149 mm

・現在最もオーソドックスなラケット
・攻撃から守備までどんな技術も無難にできる

プロ選手は多数いらっしゃいますので別途記載します。

広いブレード面積 (守備用)

 カットマン用のラケットはブレード面積が広いことが特徴です。
ブレードサイズ
 縦165 mm前後
 横155 mm前後
スイートスポットが広がるので、速いボールにも対応しやすいと言われますね。

例1) KOJI MATSUSHITA (松下浩二)(VICTAS)
 縦165 mm × 横155 mm

例2) DEFPLAY SENSO(デフプレイセンゾー)(DONIC)
 縦164 mm × 横157 mm

広いブレード面積 (攻撃用)

 カットマン用ラケットほどではありませんが、ブレード面積を広く設計したラケットがいくつか存在します。
ブレードサイズ
 縦160 mm前後
 横155 mm前後
スイートスポットが広がるとともに、ラケット重心が先端へ移るので遠心力が効きます。威力がでやすくなりますね。

例1) Harimoto Tomokazu Innerforce ALC(張本智和インナーフォースALC)(バタフライ)
 縦158 mm × 横152 mm

例2) Fortius FT(フォルティウスFT)(mizuno)
 縦158 mm × 横150 mm

プロ選手は多数いらっしゃいますので、別途記載します。

狭いブレード面積

 ブレード面積が狭くなることで、小回りが効くとともにスイングスピードが早くなります。また子供向けラケットも狭いブレード面積にしていることが多いです。
ブレードサイズ
 縦155 mm前後
 横150 mm前後

例1) 和の極み -煉-(Andro)
 縦157 mm × 横150 mm

例2) Timo Boll J(ティモボルJ)(バタフライ)
 縦152 mm × 横144 mm

・ラバー面積も狭くなるので一般的なラケットを貼っても軽くなる

その他

テナリーラケット

 かなり特殊なグリップで、使用者も少ないです。
ブレードサイズ
 縦160 mm前後
 横148 mm前後
バックハンドが振り抜きやすいと思います。

例1) TENALY ACOUSTIC (テナリーアコースティック)(Nittaku)
 縦160 mm × 横148 mm

ハンドソーラケット

 ピストル型などと呼ばれるラケット。今ではほぼ廃盤です。

合板構成と特徴

 合板構成から考えられる特徴になります。

単板
 檜であることが多いです。現在檜は材料不足となりつつあり、価格はとても高くなっています。重いほど詰まっていて威力がでて良いと言われますね。板厚は10 mm前後のペンラケットが多いですが、MIYABI(雅、Nittaku)は板厚9.0 mmの単板シェイクラケットです。
 木材ラケットとしての球持ちがありながら、板厚によって飛距離と破壊力が出しやすいと言われています。実際、ある年齢層以上で使用者が非常に多いラケットタイプになります。
日本式ペンラケット使用のプロ選手
・Kim Taeksoo選手(金擇洙、キムテクス、韓国)
・Ryu Seungmin選手(柳承敏、ユスンミン、韓国)
・Chiang Peng-Lung選手(蒋澎龍、シャンポンロン、台湾)

合板
 最も一般的な合板は5枚合板です。プラボールとなって、威力と飛距離のある7枚合板も増えてきましたね。中には3枚合板、9枚合板など、種々の種類がありますが、基本的には5枚合板と7枚合板が主な種類になります。
中国式ペンラケット使用のプロ選手
5枚合板
・Ma Lin選手(馬琳、マリン、中国)
・Wang Hao選手(王皓、ワンハオ、中国)
7枚合板
・吉田海偉選手(よしだかいい、日本)
一般的なブレード面積のシェイクラケット使用のプロ選手
7枚合板
・丹羽孝希選手(にわこうき、日本)
・神巧也選手(じんたくや、日本)
・Simon Gauzy選手(シモンゴーズィ、フランス)
広いブレード面積(守備用)のシェイクラケット使用のプロ選手
5枚合板
・Joo Saehyuk選手(朱世赫、チュセヒョク、韓国)
・塩野真人選手(しおのまさと、日本)
・村松雄斗選手(むらまつゆうと、日本)
・Filus Ruwen選手(フィルス、ドイツ)
広いブレード面積(攻撃用)のシェイクラケット使用のプロ選手
・Karlsson Kristian選手(カールソン、スウェーデン)
・Kim Donghyun選手(金東賢、韓国)
・軽部隆介選手(かるべりゅうすけ、日本)

特殊素材
 木材ではない素材で主にはカーボンが多いです。カーボンは、軽くて、硬くて、とても飛距離とスピードの出る素材になります。打球感が大きく変わるので、好き嫌いも大きく分かれる傾向にあります。近年はカーボンに種々の特殊繊維と呼ばれる素材を編み込んだものをもちいることも増えました。特殊繊維とはアラミドやザイロンなどの繊維のことで、木材ほど柔らかくなく、カーボンほど硬すぎず、木材とカーボンの中間の材料だと思います。この特殊繊維をカーボンと編み込むことで、打球感を柔らかくしたり、しなやかにしたりするようです。またカーボンを編み込まず特殊繊維のみをもちいたラケットも存在します。木材の欠点であるスイートスポットの狭さを広げたり、打球感を変えずに威力をあげたりなど、こだわり抜かれたラケットが多い印象です。
 アウター
  特殊素材を薄めの上板の次に配するラケット。上板の打球感に加え、特殊素材の打球感が前面に出てくるラケットです。
  中国式ペンラケット使用のプロ選手
  アウターカーボン
  ・Xu Xin選手(許昕、シュシン、中国)
  ・Wong Chun Ting選手(黄鎮廷、ウォンチュンティン、香港)
  ・Qiu Dang選手(邱党、キュウダン、ドイツ)
  一般的なブレード面積のシェイクラケット使用のプロ選手
  アウターカーボン
  ・水谷隼選手(みずたにじゅん、日本)
  ・松平健太選手(まつだいらけんた、日本)
  ・Timo Boll選手(ティモボル、ドイツ)
  ・Fan Zhendong選手(樊振東、ファンゼンドン、中国)
  ・Lin Gaoyuan選手(林高遠、リンガオユアン、中国)
  ・Lin Yun-Ju選手(林昀儒、リンユンジュ、台湾)
  ・Ovtcharov Dimitrij選手(オフチャロフ、ドイツ)
  ・Wang Chuqin選手(王楚欽、ワンチュキン、中国)
  ・戸上隼輔選手(とがみしゅんすけ、日本)
  アウター特殊繊維
  ・岸川聖也選手(きしかわせいや、日本)
  ・大矢英俊選手(おおやひでとし、日本)
  ・Calderano Hugo選手(カルデラノユーゴ、ブラジル)
  広いブレード面積(攻撃用)のシェイクラケット使用のプロ選手
  アウター特殊繊維
  ・大島祐哉選手(おおしまゆうや、日本)
  
 インナー
  特殊素材を中心材の隣に配するラケット。軽打やラバーだけに食い込ませた時はほぼ木材のような打球感。
  一方で、厚くラケットの芯まで食い込ませて打球した時には特殊素材の硬さや特徴が出るラケット。
  近年非常に人気のラケットタイプ。
  中国式ペンラケット使用のプロ選手
  インナーカーボン
  ・松下大星選手(まつしたたいせい、日本)
  一般的なブレード面積のシェイクラケット使用のプロ選手
  インナーカーボン
  ・宇田幸矢選手(うだゆきや、日本)
  ・上田仁選手(うえだじん、日本)
  ・吉田雅己選手(よしだまさき、日本)
  ・三部航平選手(さんべこうへい、日本)
  ・有延大夢選手(ありのぶたいむ、日本)
  ・松山祐季選手(まつやまゆうき、日本)
  ・Apolonia Tiago選手(アポロニアティアゴ、ポルトガル)
  広いブレード面積(攻撃用)のシェイクラケット使用のプロ選手
  インナーカーボン
  ・張本智和選手(はりもとともかず、日本)
  ・Ma Long選手(馬龍、マロン、中国)

今後も更新させていただきます。現在はここまででお願いします。

レビューMizutani Jun ZLC(水谷隼ZLC)

説明

 日本卓球界の至宝、水谷隼選手が選んだラケットになります。リオ五輪で団体銀、個人銅の偉業を成し遂げ歴史に名前を刻んだ水谷隼選手のブレードですね。木材構成についてググっても確かな情報が出てこないのですが、どうやら上板にLimba(リンバ)が使われているようです。確かに、上板にリンバを使うラケットと同様、柔らかい打感です。サイドを見たら上板に近いところに特殊素材Zylon Carbon(ザイロンカーボン、ZLC)が配置されていますね。明確にアウター系だとわかります。
 ちなみに、水谷隼選手は2018年全日本時、水谷隼ZLCから、特注のArylate Carbon(アリレートカーボン、ALC)ラケットに変更したようです(バタフライのホームページで確認しました)。インナーかアウターか、木材構成など、不明です。根拠はまったくありませんが試合の様子などから水谷隼ZLCの特殊素材のみALCに変更したアウター系ラケットではないかと推測しています。さらにその後、ALCで落ち着かず、特注ZLCを経て、水谷隼ZLCに戻っています。また2020年4月現在グリップをストレートからフレアへ変更されました。ストレートグリップのメリットは台上のストップのやりやすさ、フレアグリップのメリットはバックハンドの威力、ということだそうです。水谷選手はバックハンドの威力を求めてフレアグリップへ変更されたんですね。
 オーソドックスなアウター特殊素材系ラケットと呼ばれるTimo Boll(ティモ・ボル)モデルや、Zhang Jike(張継科)モデルとは一線を画す合板構成なのが水谷隼ZLCになります。アウターZLCであるTimo Boll ZLC(ティモ・ボルZLC)やZhang Jike ZLC(張継科ZLC)は板厚5.5 mmで上板にKoto(コト)材を使用していることが共通していますが、同じアウターZLCである水谷隼ZLCは、公称板厚5.7 mmで先ほども述べたように上板にリンバ材をもちいています。

 上表からわかるように、水谷隼ZLCは、アウターALCラケットの中のFreitas ALC(フレイタスALC)と類似のラケットとなります。過去にはMaze(メイス)というラケットも上板リンバでALCをアウターに配し、フレイタスALCと類似の構成だったそうです。

水谷隼ZLCの3つの特徴

上板リンバの球持ちと回転のかけやすさ!

 球持ちを感じやすい上板にリンバ材を採用しているラケットになります。もちろん、アウターに配したZLCによって球離れは速いのですが、その中にボールを持つ感覚があるのでラリーにおいて安心感があります。球持ちを感じますので、回転をかけやすく、ボールの打球位置を意識するだけで、打球位置に対応した回転がかけやすいです。例えば、フォアでもバックでもボールの外側を捉えるだけで、ボールが外へと曲がりやすいですね。またスイングスピードも一定以上あればある程度の速いボール、回転のかかったボールが出せるので、力のない選手にもオススメです。

板厚5.7 mmの飛距離!

 板厚5.7 mmで張継科ZLCよりも板厚が厚いため、張継科ZLCよりも水谷隼ZLCの方が飛距離が出しやすいです。従って飛距離が出しやすいですね。例えば回り込みドライブ時に、相手のコートの深いところにしっかりコントロールしやすい打球感覚が得られると思います。また後陣からの引き返しやカウンタードライブも当てることができれば、安定して相手のコートの深いところに返球しやすいですね。

一球の威力よりも、ラリー志向ラケット!

 バタフライホームページでもうたわれているように、オールラウンダー向けのラケットになります。ボールのキレや威力、回転量のMax値を求めると、ティモボルZLCなど他のZLC系ラケットの方が引き出せた時の破壊力は上だと思います。一方で、一定以上の質のボールを安定してほぼ永久的に返球しようと思った時は水谷隼ZLCの方が圧倒的にやりやすいでしょう。スピードと鋭角なボールが安定して出しやすいのも1つの特徴です。

おすすめのラバー組み合わせ

 球持ちを感じるラケットですので、ある程度硬いラバーでも全然あうと思います。個人的には弾みやすいラケットですので、弾むラバーよりも硬くて回転性能の高いラバーが良いと思います。
 粘着ラバーを全然ありだと思います。実際自分は過去に粘着ラバーを貼ってメインで使ってました。でも、プラボールがABS系の硬いものになってからアウターZLCの球離れの速さによって回転をかけ切る前に球が離れると感じるようになって、難しいと感じました。一方で、中国のプロリーグの選手の中には水谷隼ZLCを使用する選手もいるようです。アウターZLCと粘着ラバーは、使いこなせれば武器になるでしょう。

フォアラバー

Tenergy 05 Hard(テナジー05ハード)

 バタフライで現状最も硬くて、回転量の出るラバーです。05ハードも球離れが速いと感じるラバーなので、扱いはやや難しいですが、使いこなせれば台上も安定させることができますし、一発は威力が出るし良い組み合わせだと思います。

Omega VII Tour(オメガ7ツアー)

 ドイツ製ラバーで、扱いやすく回転性能も高くかつ球持ちを感じるラバーですね。重量は05ハードよりも重くなりますが、水谷隼ZLCは90 g未満のラバーですので片面であればあわせることのできるラバーでしょう。またドイツ製ですのでテナジー系よりも扱いやすさのあるラバーであることも嬉しいと思います。

Rasanter R53(ラザンターR53)

 Andro(アンドロ)のハイエンドラバーですね。スポンジの硬度は53°とかなり硬いですがシートは食い込みやすいので、意外に扱えると思います。飛距離がでやすいラバーとラケットの組み合わせになるので、中・後陣は強力と言えるでしょう。台上もR53は個人的にはやりやすかったので、可能な範囲で尖った組み合わせだと思います。

バックラバー

Tenergy 05 FX(テナジー05FX)

 球持ちはありつつ、球離れは速いラケットではあるので、ラバーは柔らかめの方が扱いやすいと思います。05FXはシートで打つよりもスポンジに食い込ませると高い回転性能が得られるラバーですので、バックハンドの方が活きるでしょう。カウンターが勝手に入るくらいブロックがやりやすく、安定感のある組み合わせです。また一発の威力のあるボールも出しやすいですね。バックハンドが苦手でも強烈なボールが打てると思います。

Spin Art(スピンアート)(廃盤)

 ツッツキをブチっと切ることもできるし、チキータやバックハンドドライブも回転で安定させることができるし、ストップもやりやすい組み合わせでした。また、中陣からは意外とミートがいい感じでした。フォアはドライブで弧線を出して、バックはミート系で直線的に攻めることで、フォアとバックの球質の差を出しやすいと思います。

Rozena(ロゼナ)

 弾むラケットと柔らかいラバーの組み合わせは、ツッツキや台上が難しいと思いますが、ラリーや強打はかなり威力が出しやすい組み合わせです。ロゼナは食い込ませることで回転性能が出せるラバーですので、バックラバーにむいていると思います。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 まずフォアでの打球感なんですが、上板にリンバ材をもちいているので、打球感は柔らかく木材系のラケットのように球を持ち上げやすいです。しかしながら、その感覚は決して過信してはいけなくて、本当の木材系ラケットと比較すると、やはり球離れが速いです。結果ゆっくりしたインパクトやフォロースルーではミスや棒球になりやすいと感じます。結果的に使いこなすにはクイックネスが必要です。一方で慣れてくるとある程度安定感が得られます。加えてアウターラケットらしいスピード性能とラリーの安心感があります。自分は前後の動きが苦手ですので、後ろに下がっても威力のある強打が打てる水谷隼ZLCはとても頼りになると感じます。

ロングボールやラリーでのドライブ
 かなり自分は打ちやすいと感じました。少ないエネルギーでスピードが出せます。加えて相手のドライブのスピードや回転を利用しやすいと感じました。木材系ラケットだと、振り遅れると押されますし、うまく打ててもエネルギーロスを感じる時がありますし何より飛距離が出しづらいのでネットを超えるように少し上へ上へと打つ必要があると思います。このラケットは多少スイングが遅れても前へふればそれなりの質のボールが返球できるので、素晴らしいですね。またスピードや回転も出しやすいです。

面を開いたドライブ
 打感が柔らかくある程度しなるので、感覚があればとてもやりやすいと思います。安定感があると思います。回転量のあるドライブもスピード速めのドライブもやりやすいと思います。

対下回転に対するループドライブ
 球持ちが良いのでやりやすいです。ラケット角度は垂直よりも面を天井へ向けないようにした方がいいと感じました。それでもボールが浮きやすいので、低くコントロールすることを意識した方がいいと思います。手打ち気味に打つと少し棒球になりやすいのでしっかり体を入れて打った方がいいと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 スピードが出やすいです。思ったより回転がかかっていないことが多いので、回転:スピード=7:3くらいで打った方がいいと思います。結構、ラケットがしなるので、ボールの真後ろを叩いてしまうと回転の影響を受けやすいと感じました。ラケットの下半分で捉えるイメージでインパクトするとしなりを利用できて、安定すると思います。

スマッシュ
 スピードはめちゃんこ速いですね。これが打てれば、ロビングが得意な人でも良く決まりました。ただ打ちやすさは他のラケットと比較するとラケット角度は少々シビアですね。基本的には直線で打つつもりで、回転がかかっていてもインパクトでもっていくイメージだと思います。ラケット自体がやはりしなるので、手首は使わずに体で持っていくことをおすすめします。

カーブ/シュートドライブ
 ラケットがしなりやすいので、サイド回転を入れると安定感が増しました。またプラボールはよく曲がるので、結構サイドを切るようなコースを狙いやすかったです。

ブロック
 欲を言うとブロックしやすいと良かったのですが、少ししなりやすいのでブロックは繊細でした。特に角度を固定して当てるだけのブロックは相手のボールの影響を受けやすいと感じました。柔らかい打球感があるのでアクティブブロック気味に少しドライブ回転をかけるようにすると安定感が出ると思います。

カウンタードライブ
 回転でなくスピードを求めるなら水谷隼ZLCは最高に速い返球がしやすいです。相手の時間を奪うようなカウンタードライブが打ちやすいです。その分、飛距離が出やすいので若干下がった方が自分はやりやすかったです。前陣カウンターは少し角度がシビアだと思いました。

ストップ
 置くようなストップはしやすいです。でも厚くあててしまうと、浮いたりオーバーしやすいので難しいですね。基本的には浮きやすいのでその後のブロックもヤマをはって待った方がいいかもです。

ツッツキ
 切りやすいです。ただオーバーミスもしやすいです。ツッツキが切りやすいので、レシーブはガツっと切って、相手の強打を封じるのもありだと思います。

フォアフリック
 上板のおかげだと思います。ラケットは弾みますが、打感が柔らかいので台上の技術は角度さえ合えば、意外とやりやすいです。オーバーミスもしやすいので、ナックルプッシュのようなイメージでレベルスイング気味に打った方が相手も嫌だと思います。

サーブ
 サーブの一番の武器はナックルですね。かなりエグい速さのサーブが出せます。ナックルと下回転を混ぜていくとかなり効く印象ですね。YGサーブは、弾むので浮かないように出すのが難しいです。

レシーブ
 やはりアウター特殊素材のネックNo.1はレシーブですね。スイングスピードやインパクトをコントロールできるのであれば素晴らしいボールになるのでしょうが、そこまでコントロールする技量がないので、このラケットでのレシーブは本当に嫌いです。知り合いのサーブだと癖というかわかるサーブが多いので全然良いのですが、初見のサーブは癖を探していたら試合が終わってしまう11本マッチでは、悠長なことはいっていられず厳しいです。練習量で補うしかないと思いますね。

バックハンド系

 続いてバックはスイングスピードが重要と感じました。しっかりふる必要はありますが、ふれればしっかり安定しますね。ただ弾むので、丁寧にドライブを打つよりも思い切りよく振り切ることでいいスピードドライブが決まります。この攻撃力はかなり魅力ですね。上手にインパクトしてネットを越えれば、威力あるプッシュやミート、ドライブが打てる気持ちの良い反発力です。

軽打
 打球感は柔らかいので安定しますね。あと楽に相手の台に返球できます。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ガツっと回転量のあるドライブは感覚と技術が必要ですが、軽打同様にとても安定します。

対下回転に対するループドライブ 
 弾むので角度などを調整すれば、入れるだけならかなりやりやすいです。Tenergy05FXの時はやりやすくて、スピンアートだと少し球離れが速くて難しかったです。

対下回転に対するスピードドライブ
 柔らかいラバーの方がやりやすかったです。しなるので、うまく打てると打感に関係なく凄いボールが入る感じがありました。

ミート(スマッシュ)
 スピードはピカイチですね。特に硬いラバーの時は良かったです。Tenergy05よりスピンアートで弾く方がF粘着との差がついて良かった印象です。特にイボ高などで、浮いたがボールに不規則な回転が残っている時のミートは水谷隼ZLCとスピンアートが一番良かったと思います。Bは硬い方が弾くことが多いので打ちやすいですね。

ブロック
 慣れてくるとブロックも安定しますが、慣れが必要です。球離れも速いのでドライブ回転もかけづらく、安定しづらい印象です。中陣くらいからフィッシュでつなぎつつ裏から盛り返すのはかなりやりやすいですね。だから中陣くらいに下がってFはドライブ、Bはミート、っていうラリー展開がしやすかったです。このラケットの最大の売りの一つは、中陣でも余裕でミートで点数を狙える球速です。守りに回ったら少し下がるのが良いと思います。

ツッツキ
 回転をかけてかつ台上におさめるのが難しいです。ほとんど擦るだけ、回転10、スピード0くらいのイメージで回転をかける必要があると思います。むしろアウターラケットは、ナックル系、流し系のやや速い払いで深く押し込んでいく方がいいんじゃないかと感じます。

チキータ
 横回転による変化は少ないと思いますが、入れやすかったです。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Inner Force Layer ZLC(インナーフォースレイヤーZLC) > 水谷隼ZLC > 水谷隼SZLC

スピード
 Zhang Jike ZLC(張継科ZLC) ≧ 水谷隼ZLC > Timo Boll Spirit(ティモボルスピリット)

飛距離
 水谷隼SZLC > 水谷隼ZLC > 張継科ZLC

粘着ラバーとの相性
 インナーフォースレイヤーZLC > 張継科ZLC > 水谷隼ZLC

その他
 このラケットは全体的にごまかしが効く感じがあって、質は下がるけどそれっぽい感覚で打てればまずまず相手のコートに返球できました。一方でこれは行っただろ!って打感なのに、オーバーミスやネットミスすることもありましたね。回転をかけやすいですが、下手だとかけられない時があるためだと思います。

レビュー Fortius FT(フォルティウスFT)

説明

 スポーツメーカーの大手、mizuno(ミズノ)が販売する標準的なパワフル系7枚合板ラケット、Fortius FT (フォルティウスFT)のレビューになります。FTはFine Touchの略になりますね。察しの言い方はわかるかもしれませんが、ミズノは過去にFortius(フォルティウス)というラケットも販売してましたがフォルティウスは廃盤となりました。過去の情報を拝見する限りどうやらフォルティウスFTよりも硬質でスピードの出るラケットだったようです。そのフォルティウスよりも、より打球感を良くしたラケットがフォルティウスFTということでしょう。
 木材構成は心材がAyous(アユーズ)、Hinoki(ヒノキ)2枚、アユーズ2枚、Limba(リンバ)2枚の計7枚という構成になります。オール木材ですので、メーカー公表値(重量92 g、板厚6.4 mm)よりも重い/軽い、厚い/薄いなどの個体差が結構ありますので、インターネット販売なら重量や板厚指定、できるのであれば卓球ショップで板厚や重量を確認してから購入した方が良いでしょう。各社の7枚合板ラケットの比較表を今後作ってみたいと思ってます。本稿で強調させていただくことは、一般男子選手でもずしりと重いと感じる本格的なパワフル系7枚合板ラケットで、定価7,600円というまずまずのリーズナブルなラケットだということです。
 現在はサブラケットですが、本職ラケットとしても使用してました。ラケットスペック重量:93 g (届いた時は89-90 gくらいでした。汗や水分、そして接着剤を吸ってだいぶ重くなってしまいました。)板厚:6.5 mm (公称値6.4 mm)で少々個体差を受けておりますね汗。ラバーなしで球をつくと意外に高い音がなります。弾みもまずまずです。結構良いラケットなんですよね。扱いやすくて、威力やパワーも出て、回転もかかって、と非常にバランスの取れた7枚合板ラケットになります。

フォルティウスFTの3つの特徴

1. 広ブレード面積で先端重心/7枚合板重量級ラケット!
 →攻撃時は遠心力が活かせるパワフルさ!
 →守備時はブロックがど安定!

 公表のブレードの長さは縦158 mm、横150 mmになります。ちなみに日本メーカーButterfly(バタフライ)やVICTAS(ヴィクタス)のブレード面積は主には縦157 mm、横150 mmがメインになりますね。ブレード面積について今後まとめていきたいと考えてますので、お待ちください。ちなみに、Hurricane Long 5(キョウヒョウ龍5)やHarimoto Tomokazu Inner Force(張本智和インナーフォース)シリーズのラケットはブレード面積が広いです。ブレード面積が広くなることで、ラケットの重心は明らかに先端へと移りますね。ミズノのフォルティウスシリーズでは、縦は158 mmで横は150 mmと一般的なブレードサイズよりも縦だけ長くなっています。このブレードサイズは特徴的(もちろんフォルティウスFTだけのブレードサイズではなく、TSPのSWAT(スワット)シリーズもこのサイズです。)だと思います。より先端重心になるような設計としているのだと思います。なお、バタフライのラケットは一般的なブレードサイズが多いですが、グリップを空洞にしたり逆に重くしたりすることで重心をコントロールしているようです。
 先端重心になることによるメリットは、より遠心力を効かせることができるので威力のあるボールが打てるようになります。その反面デメリットとして、ラケットが重たく感じます。切り返しも遅くなる(ように感じる)と言われています。個人的にはラケットが重たく感じるとともに、7枚合板らしいしっかりとした板厚がある分、相手の強打に対し押されにくいと感じるので、ブロックも安定するようになると感じました。

ラケットのブレードサイズと重量

2. 上板リンバの万人受けする打球感!

 このラケットは上板にLimba(リンバ)材をもちいており、とてもグリップ感を感じます。このリンバを上板に採用したラケットは、非常に好まれる打球感となるので人気ですね。自分もかなり好みの打球感ですね。リンバを上板に採用することで、スイングスピードに左右されにくく融通が効いて咄嗟のボールにも強くなると感じます。特にバックハンドがやりやすい印象があります!

3. フォルティウスFT. ver. D以上の重量と合板らしい癖球!

 公表のラケット重量はver. Dよりも重いです。このため、扱いにはエネルギーやパワーは必要ですが、その分威力のある合板らしい癖球が出しやすいと言われています。実際ラケット重量は92 gと重いので、それだけでも威力が出しやすいと思います。

おすすめのラバー組み合わせ

フォアラバー

V>15 Extra

 重量は重いですが、V>15 Extraの硬さをフォルティウスFTのリンバの上板によって扱いやすくなります。フォアカウンターは、スマッシュ、ドライブ、どちらもやりやすい組み合わせと言えるでしょう。扱いにくいとかサーブが切れないと感じるなら、V>15 Stiffなど硬度を下げるのが良いと思います。

Tenergy 05(テナジー05)

 V>15 Extraでは重量が重いと感じるのであれば、バタフライのラバーがおすすめになります。テナジー05はグリップ感も強いので、回転がかけやすい組み合わせとなって扱いやすくなると思います。ループドライブやドライブの引き合いではとても頼りになる組み合わせだと思います。

Hurricane NEO III(キョウヒョウNEO3)

 7枚合板ということで木材系ラケットですので、粘着ラバーともよくあいます。特に癖球が出やすい組み合わせなので粘着ラバーを使おうと思うなら粘着ラバーの強みが活かせると思います。キョウヒョウのような硬いラバーでもどのように扱えば良いかわかりやすい組み合わせだと思います。

バックラバー

 Fastarc G-1(ファスタークG-1)

 かなりオススメなラバーがファスタークG-1です。ドイツ製ラバーらしい扱いやすさや癖球の出やすさを維持しながら、ラケットもラバーもグリップ力のある用具ですので、かなり回転をかけやすくてド安定します!ラケットを使いこなせれば回転量や威力も得られるので、レベルを問わずオススメできるラバーだと思います。

 Rozena(ロゼナ)

 回転量はそこそこで、自分の球にして返球するというよりは、扱いやすさとブロックの安定感、スピードが欲しいならロゼナだと思います。個人的にはラケットもラバーも柔らかいもの同士の組み合わせなので、回転の影響を受けやすくレシーブは難しいと感じましたがその分、ブロックやラリーはド安定しますね。また練習量を維持できるなら、成長できる組み合わせだと思います。

 Rigan Spin(ライガンスピン)

 試合でのミスを減らせる扱いやすさを求めるのであればライガンスピンですね。球質や威力は落ちますが回転は変えやすいのでとても扱いやすいです。バックはつないで、フォアで仕留めるという方にオススメします。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 カーボン系ラケットと比較するとわかるレベルの弧線を描きます。とても安心感のある放物線を描きますね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 軽打で感じる放物線がより大きくなると言えば良いでしょうか。カーボン系ラケットと比較してもボールが上へと進みやすいと感じます。安心感を感じますね。威力を出すなら、かなりボールへぶつけるように、ボールをつぶすように、打球した方が良いかもしれません。

面を開いたドライブ
 柔らかいので、かなりぶつけても回転がかかる感じがあります。ラケットが柔らかすぎるので、逆に感覚を掴みにくいかもしれません。威力や回転量のMax値も少し低いと感じてしまいました。扱いやすいラケットですので致し方ないかもしれません。その分、打ち損じも少ないと感じました。

対下回転に対するループドライブ
 もの凄い安心感でした。このラケットならミスしづらいですね。なぜミスしにくかいと感じるのかというと、スイングスピードが多少遅くても回転がしっかりかかるので、角に当てにくいためです。硬めのラケットだとある程度のスイングスピードが必要になるので、できるだけ引きつけたくなるのですが、そうすると咄嗟の変化についていけないことが少なくありません。結果的に角に当てやすくなります。しかしフォルティウスFTまたはフォルティウスFT系のラケットで角に当てるミスの印象が非常に少ないです。おそらく、スイングスピードの許容の幅が広いからだと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 組み合わせたラバーやラケット重量にもよりますが、かなり打ちやすいですね。素晴らしいです。この安定感は武器になりますね!

カーブ/シュートドライブ
 少し浮きやすいと感じるので、相手のミドルへと伸ばすように使うと活きると感じました。あと戻りたい時なんかにもすごく良い技術になると思います。

ブロック
 安定しますね。押されないです。

カウンタードライブ
 カーボン系ラケットよりも明らかに融通が効きます!そこはメリットですね。一方で威力やきれは少し落ちるかもしれません。また回転の影響も受けやすいので、個人的にはカウンターのしやすいラバーを貼ることをオススメします。

ストップ
 これはやりやすいですね。打点を落としてのストップが好印象でした。相手に逆をつかれても慌てず対処できる心の安心感がありました。

ツッツキ
 少し柔らかいので、思い切り切りに行くのは難しいと感じました。ツッツキが切りにくいので、ドライブ強打はくらいやすいと感じます。コースをしっかり狙って打点も早めにして相手に余裕もって打たれない工夫が必須ですね。

フォアフリック
 やりやすいです。ボールをしっかり掴むので乗せ打ち的な打ち方も少し回転をかける打ち方もどちらもやりやすいと思います。

サーブ
 しっかり切ることができますが、柔らかい分浮きやすいです。打球点は低く台スレスレで出すようにした方が良いと感じました。

バックハンド系

軽打
 やりやすいです。特にアクティブブロックにはならないレベルの、ボールを打球してから少しドライブ回転をかけるようなバックハンドが安定します。基本的にはブロックもラリーもこの打ち方でド安定するので、安心感が半端ないですね。良いラケットです!

ロングボールやラリーでのドライブ
 ドライブは少し手首を効かせて遠心力をうまく使った方が威力のあるボールが打ちやすいです。でも自分は手首を使うと打球点がブレやすくて、またフォルティウスFTも重く感じるので、練習ではできますが、試合ではあまり多用できなかったです。ラケットが重いので、バックハンドグリップ(親指と人差し指の間とラケットの間を離して、親指を立てて握るグリップ)にするとやりやすいと感じました。

対下回転に対するループドライブ 
 ラケットが重いので容易ではないですね。手首だけで打つと不安定になりやすいので、しっかり体を使って打つと安定すると思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 正直、自分の実力では難しかったです。しっかり体と腰を使ってラケットを引っ張るように打つと良いと思います。

カーブ/シュートドライブ
 打感は柔らかいので、シュート系よりはカーブ系の方が安心感はありました。威力はシュート系の方がボールをつぶすように打ちやすいので出しやすかったです。

ブロック
 安定しますね。少し球離れが遅い印象もあるので、打球点を早めで捉えてプレッシャーをかけれるならかけた方が良いと思います。弧線を描きすぎる感じですね。上手な方ならカウンターを狙った方がいいと思います。

カウンタードライブ
 ミート系もドライブ系も安定します。自分は手首を使うとラケットが重いので打点がブレてしまい安定感が減りました。どちらかというとラケットを固定してミートか押すようなやり方の方がやりやすかったです。上手い方なら上手にラケットを引っ張ってしっかり回転をかけるドライブの方が威力と安定感が両立できると思います。

ストップ
 やりやすいですね。どんなラバーでもストップしやすいです。ただ回転量は減る印象を受けたのでチキータやフォアフリックが上手い人には要注意かもしれません。

ツッツキ
 シートだけで切ろうとした方がいいですね。あまり柔らかいラバーだと切れないかもしれないです。

チキータ
 やりやすいですが、棒球も出やすいのでしっかり回転をかけることを意識した方がいいと思います。やはりバックハンドグリップでチキータした方がやりやすいと感じました。

サーブ
 遠心力を利用した方がいいサーブが出ると感じました。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 張継科ZLC > フォルティウスFT ver. D ≧ フォルティウスFT > 水谷隼SZLC

スピード
 フォルティウスFT ver. D > フォルティウスFT > VIrtuso+ (OSP)

食い込ませたときの弧線の出しやすさ(ボールの沈み込みやすさ)
 フォルティウスFT ≧ フォルティウスFT ver. D > 水谷隼ZLC > 張継科ZLC

粘着ラバーとの相性
 フォルティウスFT ver. D > フォルティウスFT > 水谷隼ZLC

その他
 合板ラケットですので、個体差は激しいですが、その分リーズナブルなことが嬉しいです。多分5000円台で購入が可能だと思います。

https://amzn.to/2XkFFKa

Mizuno (ミズノ) Blades (ラケット)

 スポーツ用具総合メーカーであるmizuno(ミズノ)のラケットになります。ミズノさんは、どうやら低価格の木材系ラケットを中心に販売する戦略だと思います。フラグシップ的なラケットはFortius(フォルティウス)シリーズになりますね。
 板厚が、6.0 mm、6.4 mm、6.6 mmの3種類というのがまた特徴的ですね。過去にはFortius(フォルティウス)というラケットが販売されていたようですが、2020年4月現在は廃盤のようですね。

Fortius(フォルティウス)シリーズ

・Fortius FT ver. D(フォルティウスFT ver. D)
 https://katsuo000.com/review_fortius_ft_ver_d/

・Fortius FT(フォルティウスFT)
 https://katsuo000.com/review_fortius_ft/

その他のラケット

より引用させていただきました。

https://www.mizunoshop.net/nav/卓球-ラケット