レビュー Blue Star A1 (ブルースターA1)

説明

 DONIC (ドニック)さんが2023年に本気の一枚を発売しました。その名もBlue Star A1 (ブルースターA1)です。2022年インターハイ3冠王の鈴木颯選手がBlue Storm Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)から両面、Blue Star A1 (ブルースターA1)へ変更しました。トップ選手が使用して満足いくラバー、それがBlue Star A1 (ブルースターA1)のようですね。既に元卓球王国のゆうさんのレビュー動画も配信されました。どのようなラバーなのか、見る前にブルーラバーについて確認しましょう。

・Blue Grip(粘着ラバー)6種
 Blue Grip C1 (ブルーグリップC1)
 Blue Grip C2 (ブルーグリップC2)
 Blue Grip S1 (ブルーグリップS1)
 Blue Grip S2 (ブルーグリップS2)
 Blue Grip V1 (ブルーグリップV1) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Grip R1 (ブルーグリップR1) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
・Blue Storm(ブルーストーム)7種

 Blue Storm PRO (ブルーストームPRO)
 Blue Stom PRO AM (ブルーストームPRO AM)
 Blue Stom Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)
 Blue Storm Z1 (ブルーストームZ1)
 Blue Storm Z2 (ブルーストームZ2)
 Blue Storm Z3 (ブルーストームZ3)
 Blue Storm Big Slam (ブルーストームビッグスラム)
・Blue Fire(ブルーファイヤ) 9種

 Blue Fire M1 Turbo (ブルーファイヤM1ターボ)
 Blue Fire M1 (ブルーファイヤM1)
 Blue Fire M2 (ブルーファイヤM2)
 Blue Fire M3 (ブルーファイヤM3)
 Blue Fire JP01 Turbo (ブルーファイヤJP01ターボ) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire JP01 (ブルーファイヤJP01) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire JP02 (ブルーファイヤJP02) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire JP03 (ブルーファイヤJP03) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)
 Blue Fire Big Slam (ブルーファイヤビッグスラム) 廃盤? (2023年パンフレット記載なし)

 廃盤と思われるラバー含め、22種類のブルーラバーがあります。数が多いですね。未だにBlue Fire (ブルーファイヤ)シリーズが販売されているのはスゴイと思いますね。最近のDONIC (ドニック)最新ラバーは非常にいいラバーが多く、昨年2022年発売のBlue Storm PRO (ブルーストームPRO)は税抜7,800円と高いだけありTenergy 05 (テナジー05)を超える高い回転性能を有する高性能ラバーでした。今回のBlue Star A1 (ブルースターA1)も税抜8,600円と高いだけあり抜群の性能が期待できます!実際、高評価が多いようですね。2023年の卓球王国の別冊卓球グッズでも高い評価をされているようですね。それでは各情報を一つ一つ確認していきましょう。

Blue Star A1 (ブルースターA1)

ブルーの新星、ここに。

 最新のOPTEスポンジを採用した『ブルースターA1』は、選手が打った瞬間に従来のラバーとは完全に異なることが分かる新感覚のラバーです。特にボールの飛び出しが上にいくカタパルト効果とそのスピードは特筆すべき点です。また、『ブルーグリップ』シリーズとは異なる、新たなフィーリングのグリップ力も究極のスピンを生み出す力となります。

2023年DONICパンフレット

時代を照らす星となれ。
独自のフィーリングが生む、衝撃の弧線と回転性能!

 『ブルースター』は粘着性トップシートに、新開発のOPTE (Optimized Energy)スポンジを搭載。「打った瞬間に従来のラバーとは異なるとわかる」ほどの性能に仕上がっているという。(中略)

 「開発段階のテストラバーを実際に試打してみて、従来のラバーとの違いが感じられないこともあります。でも『ブルースター』はボールの上がり方がこれまでのラバーとは全然違いました。性能が大きくアップデートされていますね。上級者が最大の回転量を追求するラバーに感じます。重量は若干重めですが、それもあまり気にならない。また、個人的な感想ですが、一見してトップシートが『上品』ですね」(ドニック瀧澤さん)

 『ブルースター』登場以前から、ドニックのラバーラインナップに粘着テンションの『ブルーグリップ』シリーズがあった。
 『ブルースター』と『ブルーグリップ』シリーズの違いについて瀧澤さんに話を聞くと、『ブルースター』は『ブルーグリップC2』を進化させたイメージだという。
 『ブルーグリップC2』も、ヨーロッパを中心に多くのドニック契約選手が使用しているハイスペックラバー。そこから『ブルースター』はどのように進化を遂げたのか。
 「『ブルーグリップ』シリーズは中国製のようなガチガチの粘着よりははるかに使いやすいけれど、どうしても粘着特有のクセはあった。その中でも『ブルーグリップC2』はクセを少なくしたラバーでした。
 『ブルースター』は『ブルーグリップC2』より、粘着特有のクセがさらに薄くなり、扱いやすさも向上しました。これまでドイツ製テンションを使用していた方でも、スムーズに移行できると思います。そのうえで性能も高めた、いわば『良いトコ取り』のラバーですね」(瀧澤さん)
 「『ブルーストームPRO』は自然に回転がかかり、使い手の技術不足を性能で補ってくれるようなラバー。それに対し『ブルースター』は上級者の技術をさらに補強し最大の回転を追求するラバー。『ブルーストームPRO』は使いやすさと安定感があり、『ブルースター』は尖った性能というイメージです」

 『ブルースター』について語ってもらう中で、瀧澤さんは「カタパルト」という単語を口にした。「カタパルト」とは航空母艦などから航空機を射出するための装置のこと。それをラバーとボールの飛び出しになぞらえ、「カタパルト効果」と表現するが、『ブルースター」とにかくその要素が強い。
 打った瞬間に「ビックリするほど」ボールが上に飛び、自然と弧線を描く。これは『ブルースター』を試打したほとんどの人が口にした感想であり、それこそが「打った瞬間に従来のラバーとは異なると感じる」という言葉の真意だ。
 普段は別のラバーを使用している選手が『ブルースター』で何気なしに持ち上げるようなスイングでドライブを打つと、独特の飛び出しでボールがオーバーする場面も試打の最中にたびたび見られた。
 「上へ飛び出す」ということは、ラケット面を被せ、前方向へのスイングでもボールをキャッチし、強い回転をかけられるということ。その性能は前陣から後陣まで、どのプレー領域でも生きる。また、直線的に飛ぶアウター特殊素材との相性も良さそうだ。
 日本におけるドニックの看板プレーヤー鈴木颯(愛工大)選手も、長く愛用していた『ブルーストームZ1ターボ』から両面『ブルースター』に変更。昨年の世界ユース選手権U15男子シングルスを制しコトン(フランス)選手など、若手契約選手も『ブルースター』を使い始めているという。

 現在、両面に『ブルースターA1』を使用している鈴木颯選手。過去に何度か粘着テンションの『ブルーグリップC2』をテストしたが、粘着特有の使用感が合わずに変更を断念んしていた。しかし、『ブルースター』にはスムーズに移行でき、性能も好みだという。「新製品ということで興味があって試打してみましたが、これまでのドニックのラバー以上にボールが上に飛んでくれた。そのため、弧線を作りやすかったので変更することに決めました。自分が伝えたいパワーを存分に発揮できて、微粘着のトップシートの特徴が活かしたクセのあるボールも作れます。相手にとって嫌な攻撃ができるラバーだと思いますね。」(鈴木選手)

卓球グッズ2023 7月号別冊

 発売を聞いてすぐに購入し、試打したいと思ってすぐに貼りました。触ってみると確かに微粘着シートで球をついた印象は、思わずDignics 09C (ディグニクス09C)に似ていると感じました。これは期待が持てると思います!

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

SpinSpeedControlRubber Stiffness
Blue Star A1
(ブルースターA1)
11++11++5+52.5°微粘着
Blue Grip C1
(ブルーグリップC1)
11++11560.0°強粘着
Blue Grip C2
(ブルーグリップC2)
11+106-55.0°強粘着
Blue Grip V1
(ブルーグリップV1)
11+10+650.0°強粘着
Blue Grip R1
(ブルーグリップR1)
11106+50.0°微粘着
Blue Grip S1
(ブルーグリップS1)
1110647.5°粘着
Blue Grip S2
(ブルーグリップS2)
119+742.5°粘着
Blue Storm PRO
(ブルーストームPRO)
1111+5+50.0°
Blue Storm Z1 Turbo
(ブルーストームZ1ターボ)
10+++11650.0°
Blue Fire M1 Turbo
(ブルーファイヤM1ターボ)
10+++10+750.0°
Blue Fire JP01 Turbo
(ブルーファイヤJP01ターボ)
10+++10+6+47.5°

 他のブランドと比較しても、DONICさんのラバー公表値は、本当に参考にならないなーと感じてしまいます汗。正直スピンもスピードも同じ値でも全然打球感や飛んでいく感覚、弧線は異なりそれぞれこだわって作られているラバーなのですが、ちょっとよろしくないなーと個人的には思います。手に取って確認してほしいという思いがあるのかもしれませんね。

Weight
重量
shore ashore ashore cshore csheet-sponge
(shore a)
sheet-sponge
(shore c)
gsheetspongesheetsponge
Blue Star A15331.827.846.243.84.02.3
Blue Grip C15734.033.049.949.51.00.4
Blue Storm PRO5029.626.343.240.63.32.6
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3

 硬度比較をするとラバーの特徴が出ると感じます。katsuo000が所有しているDONICさんのラバーの中では、やや重たいですが、shore aのシート側とスポンジ側の硬度差が大きく、扱いやすさもあるラバーであることがうかがえます。というか、粘着ラバーはシートの方がスポンジよりも軟らかいということがあるのですが、このBlue Star A1 (ブルースターA1)はスポンジの方が硬い仕様でスピン系テンションラバーに近い設計になっていると感じました。やはりTenergy 05 (テナジー05)と比較するとやや硬く、ディグニクスシリーズと比較すると柔らかめのラバーになりますね。やはりDignics 09C (ディグニクス09C)に方向性が近そうですね。

ブルースターA1の貼りと重量

 最近はインナーメインにしています。Rally Ace (ラリーエース)さんんのLimba Inner (リンバインナー)に貼りました。

 53 gはやや重いですね。バックで使えるか不安になる重さだと思います。一方で打球感はDignics 09C (ディグニクス09C)ほど硬くないので、バックでも使おう思えば使えるラバーだと思います。

Blue Star A1(ブルースターA1)
・Sponge Thickness:2.0 mm、MAX
・Speed: 11++
・Spin:11++
・Control:5+
・Sponge硬度:52.5°
・8,600円 + 税
・75 → 53 g (Limba Inner (リンバインナー)に貼って)

Blue Star A1の3つの特徴

一言でいうとスピードも出る09C!

 このラバーは弧線が高いですね!初めの直観通り、Dignics 09C (ディグニクス09C)に非常に似た弧線の高さでした。この弧線の高さはまさにDignics 09C (ディグニクス09C)!ただ、Dignics 09C (ディグニクス09C)は打球感がマッドで癖は出る分、粘着らしく打球直後のスピードよりも、相手のコートについてからのボールの上に上がる伸びの方で特徴のあるラバーです。一方、このブルースターA1は非常にスピード感のあるボールが打ちやすかったです。試打した季節がちょうど夏だったこともあってスポンジが柔らかく感じたこともあいまってか、かなりスピードを感じました。このスピードは武器になると感じました。若干クセや相手のコートについてからの伸びは弱く、取りやすいドライブになっているようにも感じましたが、ループドライブの回転量はしっかりあり、決して回転量が低いようなラバーではありませんでした。ただ、使いやすくてスピードが出しやすい分、クセ球はほとんど出にくいといえるかもしれません。ただ弧線がここまで出ると多少のループドライブを前にふって上手にカウンターしやすいと思いました。

回転性能はディグニクスなみか!?でもどちらかというとテナジー系のラバー!

 粘着シートということで、回転量はしっかりとしていて、折り紙付きの高い性能でした。こういったラバーで粘着ですので、やはりシートはかなり柔らかめというわけではないのですが、シートとスポンジの硬度差があるようなラバーになっていて、テナジー系の打球感に近いラバーだと感じました。こういったラバーの方が球持ちを強く感じやすく、ループドライブなどのドライブのスピードと回転量を変化させる打法で、扱いやすさを感じやすいラバーだと思います!

もちろん台上もやりやすい!

 粘着シートですので、やはり台上はしっかりとまります。この安心感を維持しながら、弾ませる、非常に現代的なラバーに仕上がっていると感じました。Dignics 09C (ディグニクス09C)はいいラバーですが、もう少し自分の個性や色を出していきたいなら、このBlue Star A1 (ブルースターA1)はかなりオススメになります。そうでなくとも、このラバーはオススメして外れの少ない非常に高性能なラバーでした。やや高いラバーですが、手に取ってみて悪い経験はさせない、そんなラバーだと思います。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 

ロングボールやラリーでのドライブ
 

対下回転に対するループドライブ
 

対下回転に対するスピードドライブ
 

カーブ/シュートドライブ
 

ブロック
 

カウンタードライブ
 

ストップ
 

ツッツキ
 

フォアサーブ
 

バックハンド系

軽打
 

ロングボールやラリーでのドライブ
 

対下回転に対するループドライブ
 

対下回転に対するスピードドライブ
 

ブロック
 

ストップ / ツッツキ
 

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 09C ≧ Blue Star A1 > Dignics 80 

スピード
 Dignics 05 > Blue Star A1 > Dignics 09C

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