説明
Dignics 09C(ディグニクス09C)はButterfly(バタフライ)が2020年4月に新発売したラバーです。バタフライさんの主力商品といえば、Tenergy(テナジー)シリーズ10種、およびテナジーを超えるDignics(ディグニクス)シリーズ3種、の2シリーズ計13種のラバーになります。これらは世界選手権などの世界規模の大会へ出場する選手の半数以上が使用していることで有名です。どのラバーもスピン系テンションラバーに分類され、粘着性を持たないシートでスピンとスピードが両立されたラバーになります。一方、今回レビューするディグニクス09Cは、粘着シートを採用した粘着テンションラバーになります。
バタフライが扱ってきた粘着ラバーは古くはTackiness(タキネス)シリーズと福原愛選手がフォア面に愛用したSpin Art(スピンアート)が挙げられるでしょう。タキネスシリーズはテンションラバーではないので、今回は割愛します。スピンアートはスポンジにテナジーシリーズと同じSpring Sponge(スプリングスポンジ)を採用しており、バタフライさんの分類において「粘着性ハイテンションラバー」でしたが、先日(2019年12月)廃盤が発表されました。個人的にスピンアートがかなり気に入っていた時期があり、メインでバック側に使っていた時もありました。そのスピンアートと同じ「粘着性ハイテンションラバー」であり、次世代ラバーとして、販売されたラバー、それがディグニクス09Cになります。
スピンアート(廃盤)のレビュー: https://katsuo000.com/review_spinart/
ディグニクス09Cのプロモーションには、なんとドイツのトップ選手、40歳で今なお世界の最前線で活躍し続けるTimo Boll(ティモ・ボル)選手によるものでした。先日のヨーロッパ選手権(2021年)で8度目の優勝を修め、ヨーロッパ最強の皇帝、ティモ・ボル選手!そもそもディグニクス09Cの開発にはティモボル選手が深く関わっているようで、なんと7年もの長期間をかけて開発されたようです。ボル選手が「ずっとこんなラバーでプレーしたかった」とおっしゃるラバー、それがディグニクス09C、ということで嫌でも注目が集まるラバーになります。2020年3月末には流通が始まり、既に多くのレビューがYou tubeやブログなどで発信されています。
また2020年1月にバタフライさんと電撃契約したドイツのDimitrij Ovtcharov(オフチャロフ)選手も、フォア面にディグニク09Cを使用しているそうです。ディグニクス09Cにラバー変更して直後のワールドツアーでオフチャロフ選手は、世界ランキング格上の選手、中国若手のFan Zhendong(樊振東)選手に勝利しました!この勝利は、ディグニクス09Cによるもの!、と宣伝したいバタフライさんの想いが伝わるような、オフチャロフ選手のインタビュー動画もYou Tubeなどで配信されています。これ以上ない宣伝となったと思います。
Dimitrij Ovtcharov選手の動画:https://www.youtube.com/watch?v=BK3w8t_LyJE
卓球帝国中国では、若手左利きのエース、Lin Gaoyuan(林高遠)選手もバック側にディグニクス09Cを使用していますね!中国では、やはりDouble Happiness Shanghai (DHS)のHurricane(キョウヒョウ)シリーズが粘着ラバーとして君臨しています。流石にフォアに使用する中国トップ選手はいないようですが、中国選手が従来からバック側にバタフライのスピン系テンションを使用することがよくあり、ディグニクス09Cもその選択肢に入ったと言うことでしょう。
スピン系テンションと粘着ラバーの比較:
粘着ラバーの分類:
また日本では、2021年1月の全日本選手権(天皇杯)を優勝した及川瑞基選手もフォアにディグニクス09Cを使用しての栄冠でした!確かな実績を築き上げていることがわかります。加えて日本のバタフライ契約選手の多くがディグニクス09Cを使用するようになりました。2021年7月には、イケメン選手松平健太選手やプロ転向した上田仁選手、高木和卓選手が両面に、また平野友樹選手や吉田雅己選手もフォアやバックに使用しています。若手の選手、世界ランキング日本トップで東京五輪メダルが期待される張本智和選手、インターハイおよび全日本選手権ジュニアの覇者戸上隼輔選手や2020年前日本選手権優勝の宇田幸矢選手らはスピン系テンションラバーですが、今後のジュニアの選手、松島輝空選手がフォア面に使用しています。新しい日本の卓球として粘着ラバーの時代が来るかもしれませんね!
ディグニクス09Cの性能に関するバタフライのキーフレーズは「矛盾を乗り越えたラバーは、強い。」です。何が矛盾かというと、スピン系テンションラバーのようにスピードと弾みが得られるのに、粘着ラバーのようにストップが止まって台上が強い、ということだと思います。
公表性能値
用具性能値からディグニクス09Cは、Tenergy 05(テナジー05)と同等のスピード、そしてDiginics05(ディグニクス05)などのラバーを超越する高いスピン性能を持つことがわかります。ディグニクス05を遥かに超えるスピン性能、ということでこれは嫌でも期待してしまうラバーだと思いました。
また、バタフライさんはホームページ上で、アウター特殊素材系ラケットとの相性が良いということも発信されています。アウター特殊素材が好みのkatsuo000としては、嫌でも気になったラバーで、初めて予約購入させていただきました!
Dignics 09Cの重量と貼り
ディグニクス09C特厚のラバー重量は約50 gでした。スピンアートやTenergy 05Hard(テナジー05ハード)と同じくらいの重量だと思います。全体的に高性能で軽量なラバーが多いのが、バタフライさんの特徴ですので、バタフライさんのラバーの中ではディグニクス09Cは重量級のラバーと言えるでしょう。
Dignics 09C(ディグニクス09C) Tacky High Tension(粘着性ハイテンション)裏ラバー ・スポンジ厚:厚(1.9 mm)、特厚(2.1 mm) ・スピン:13.0 ・スピード:13.0 ・Sponge硬度:44 ・オープン価格(9,800円 + 税) ・78 g(切断前) → 50 g(張継科ZLCに貼って)
ディグニクス09Cの3つの特徴
限りなくテンションラバーに近い粘着テンションラバー
食い込みがかなり良いので、限りなくテンションラバーに近い粘着テンションラバーだと感じました。最低限の粘着らしさを持たせつつ、ほぼスピン系テンションラバーと言って良いと思います。少なくともHurricane(キョウヒョウ)一筋の生粋粘着ラバー使用者は賛否が分かれると思います。個人の感想としては、ディグニクス09Cよりもテナジー05ハードの方が粘着っぽく感じます。よってこれも個人の意見ですが、粘着性ハイテンションラバーと思わずむしろ、高性能なスピン系テンションだと思って使った方が良いでしょう!
また粘着ラバーをある程度使った経験から申し上げると、粘着ラバーらしい特徴である台上の止めやすさ、対下回転を打球点を落としても弧線でスピードドライブを、ねじ込める打ちやすさは兼ね備えていると感じました。
粘着ラバーとして考えた場合、明らかに弾みます。この弾む特性を活かして中陣からでもミート打ちでスピードボールを打つことができます。これは結構嫌らしくて、いい意味で回転量の差を生み出しやすいラバーだと思います。中陣からミート打法とドライブを併用することで回転量の差を生み出しやすいラバーだと思いました。ディグニクスやテナジーなどのスピン系テンションでも同じような打法は可能だと思いますが、ドライブの回転量が得られるディグニクス09Cであるからこそ、嫌らしさが際立つ打法だと思います。今までバタフライのラバー、テナジー05などは高性能ですが、ボールが揃いやすいと言われていました。技術力にもよりますがいい意味でボールに変化を与えやすいラバーに仕上がっていると思いました。
ディグニクスの中で一番ボールの弾道が急降下-急上昇する!
確かに回転量13は伊達ではないと思いました。ドライブの引き合いなどでしっかり食い込ませたときのボールの台への急降下、台についてからの急上昇はえげつなかったです。テナジーでもそのような弾道は垣間みますが、ディグニクス05の方がより顕著で、ディグニクス09Cは最もエゲツない、急降下-急上昇する弾道だと感じました。これをコントロールできればかなり武器になると思います!恐らく、この急降下-急上昇する弾道がこのディグニクス09Cの癖球と言えるのでしょう。キョウヒョウの持つような、沈み込むような癖球はありませんでした。スピン系テンションラバーの最高峰の1つテナジーシリーズやディグニクスシリーズの癖球と同系統の癖球ということで、ディグニクス09Cはやはりスピン系テンションラバーですね!
ディグニクス05よりも扱いやすいディグニクス!
くい込みの良いシートを採用したことで、ディグニクス05よりも明らかに扱いやすいラバーとなっていると思います。ディグニクス80も扱いやすかったですが、このディグニクス09Cも、万人受けすると感じました。スピン系テンションから粘着テンションへ移行したい人におすすめできるラバーだと思います。あるいはスピン系テンションだと思って使っても差し支えないでしょう。台上のやりやすさを維持したまま、ラリーでは必要最低限のレベルで弾みとスピードがあって、そこに十分以上の回転量が得られる粘着ラバーのようにミスしづらいラバーとなっています。ディグニクス05などはどちらかというと、テナジーよりも直線的で打ち抜きやすいラバーだと思いますが、ディグニクス09Cは一発で撃ち抜くというよりは、ミスがしづらくラリータイプにオススメしたいラバーになってますね。扱いやすい分、個人の感想としては、重量を気にしなければフォアよりバックにあうと感じました。
ディグニクス09Cの3つの課題
キョウヒョウのような癖球は出づらい
上述と被りますが、キョウヒョウというラバーを好んで使用する粘着ラバーユーザーにとっては、ループドライブの癖球による得点力の低下を感じる可能性は高いと思います。もちろん、高い回転量の得られるラバーですので、十分ディグニクス09Cのループドライブは得点力のある打法ですが、ボールの沈み込みや癖球の嫌らしさはキョウヒョウの方が上と言って良いと思います。その分、キョウヒョウよりはスピードドライブは打ちやすいので、この辺りで差別化されると思います。
硬い
硬さについて言及すると、ディグニクス09Cはシートはやや食い込みが良くて柔らかい分、スポンジは硬いラバーになっています。テナジー05ハードはシート形状も食い込みを感じにくい形状であり、スポンジも硬く、ラバー全体で硬いデザインになっています。ディグニクス09Cはシートは食い込みやすい分、テナジー05ハードスポンジよりもさらに硬くしている設計になっていると感じました。やはり人を選ぶ設計になっていますが、トップ選手の中にはバックハンドに使用する選手も登場しています。これはシートの食い込みの良さがあるためだと思います。
スピードが遅い
打ち抜くがやや難しいラバーにもなっていると思います。アウターALCやアウタースーパーALCなどを使うことで初めて打ち抜けるような組み合わせになりますが、それはまさにトップ選手仕様になりますね。スピードを求めていくと、ラバーの味も出にくくなるようにも思いますので、この当たりが用具沼として卓人を誘い込もうとしているように思いますね。
各技術レビュー
フォアハンド系
軽打
過去にHurricane NEO III Blue Sponge(省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)を使用しておりましたが、キョウヒョウNEO3ブルスポと比べると明らかにスピン系テンションのような弾みでした。キョウヒョウNEO3ブルスポは、ブルースポンジがノーマルキョウヒョウNEO3のオレンジスポンジよりも柔らかくて、食い込みやすいのですが、それでも軽打では全然弾みません。キョウヒョウはとにかく当てるだけだと、スポンジが厚とか中みたいに飛ばないんですよね。スピンアートもキョウヒョウと同じように、軽打はそこまで弾まないです。スピンアートをイメージしていたので、ディグニクス09Cは当てるだけだと粘着っぽくなく結構弾みました。これは驚きでしたね。また食い込みがとても良くて、テナジー05ハードよりもスポンジ硬度が硬いとは感じなかったです。打つ前、貼りたてで球をついてみたときにも感じましたが、ディグニクス09Cはかなりスピン系テンションラバーに近い粘着性テンションラバーだと思います。球つきのときの弾みから、ディグニクス05と同等のスピードが得られるのではないかと期待してしまいました。
ラリーでのドライブ
軽くドライブをかけるだけだと、結構ボールが浅く入る印象を受けました。ディグニクス05と比較すると明らかに浅いですね。Dignics 80(ディグニクス80)もディグニクス05と比較するとボールが浅く入りやすいんですが、ディグニクス09Cの打球は多分ディグニクス80よりも浅く入っていたと思います。
また回転を全くかけないで弾くようにドライブを打つと、ディグニクス09Cの良さが出ないと感じました。ミート気味に打つのではなく、ラバーへ食い込ませながら弧線を描くようにねじり上げるように回転をかけるとディグニクス05よりもディグニクス09Cの方が、弾道の急上昇-急降下が顕著に感じました。ディグニクス05でもドライブの引き合いなどで「オーバーする!?」ってボールが相手の台へ沈み込むような弧線を描いて入り、その後上へホップするドライブを打てる時がありますが、ディグニクス09Cはさらにエグい跳ね上がり方をするようなドライブが打てる印象です!決してキョウヒョウ系の台に入ってからさらに沈み込むような粘着特有の癖球ではないと感じました。
しっかりラバー全体に食い込ませてドライブをかけることができた時は、ディグニクス05と比較して、弧線を強く描くので安定感があって、とても強い回転量のドライブとなります。
またディグニクス09Cのドライブを受けて感じたことをあげます。まず回転量がエゲツなくてオーバーミスが増えました。加えて回転が強いと思って思い切りラケット角度を被せてブロックしようとすると、たまに全然回転のかかっていないドライブも来て落とすこともありました。弾むラバーなので回転の弱いドライブも打てるということですね。キョウヒョウでは、弾まないのでこのようなボールは打てないと思いました。またやはりテナジー05やディグニクス05と比べるとボールは遅いと感じましたね。中陣や後陣からのドライブであれば、逆をつかれない限り、ノータッチは少ないと思いました。
面を開いたドライブ
やはりディグニクス09Cは粘着ラバーですので、面を開いてドライブした方が弧線が出やすくて、安定感があって威力のあるドライブが打てました!キョウヒョウNEO3だとインパクトやスイングスピードが甘いとネットミスしやすいのですが、ディグニクス09Cだとネットミスはほとんどイメージできないくらいボールが上へ上へと上がります。逆にオーバーミスしやすいのでそこは押さえ込むように、弧線を描かせるスイングやボールの上側を水平に捉えるようなスイングが必要だと感じました。ボールの重さでいうとキョウヒョウNEO3の方が重いと思いますが、ディグニクス09Cの良かった点はつぎの3点になります。
- 打球点を多少落としてもスピードドライブができるような粘着ラバーらしい弧線
- 食い込みが良いので、打球点がブレてもスピードドライブが安定して入る
- 台に入った後ホップする弾道のドライブが打てる
対下回転に対するループドライブ
とても打ちやすいですし、安定感はありました。しかし、自分はディグニクス05よりもディグニクス09Cの方が柔らかく感じてしまいました。柔らかく感じるので、ドライブそのものを安定して入れやすいのですが、グッと強い回転量を出せているとは感じにくかったです。バタフライの回転性能公表値を考慮するとディグニクス05以上の回転量のループドライブが打てて欲しいところでしたが、対下回転ループドライブでは、それを感じることはできませんでした。どちらかというとディグニクス05と同等程度のドライブになりやすいと感じました。またディグニクス09Cは粘着ラバーですが、どちらかというとディグニク05と類似の高い弾道になりやすく、低くて沈むようなループドライブはやりにくいと感じました。キョウヒョウNEO3の方が、弾道が低くて回転量の多い質の高いループドライブは打ちやすいですね。スポンジ硬度の割に、ディグニクス09Cのシートへ食い込みやすいからだと思います。回転量もディグニクス05の方が安定して高い回転量のドライブが打ちやすいと感じました。これは普段からディグニクス05をメインで使っていて慣れているからだと言えます。また、食い込みが良いからとスイングが遅すぎるとディグニクス05でもあるのですが、ボトっと落ちる時も度々ありました。しっかり体幹や重心を低く固定して、円運動で持っていかないと安定しないと思います。
対下回転に対するスピードドライブ
スピードドライブもループドライブ同様、打ちやすかったです。特に好感触だったのが打点の速いドライブですね。ディグニクス05の場合、打点が速いと、ボールへ当てるときの角度、ボールへの当て方などの難しさ、弧線の出しにくさ、などを感じやすいのですが、ディグニクス09Cだと簡単に弧線を描きやすいので、基本的にスピードドライブ狙いで行った方が良いと感じましたね。これは利点だと思います。結構打点を落としてもスピードドライブで持っていけるくらいスピードドライブが打ちやすかったです。また打球点を積極的に体の前方へ持っていきやすいと感じました。下から上ではなく、後ろから前へ前へとスイングすることがやりやすいラバーでした。
ブロック
特にやりにくいと感じませんでしたが、一瞬ボールを持ってしまうのでブロックのテンポがゆっくりになりやすいと感じました。自分から少しでも前へスイングしてカウンター気味にしたり、アクティブブロックのように伸ばすようなブロックにした方が、良いと思いました。ある意味ブロックのように相手のボールのスピードや威力を利用しやすい技術の方が、球持ちを感じやすいので好きな人はすごく好きな感覚で打てると思います。
カウンタードライブ
確かにやりやすいです。ボールが上へ上へ上がりやすいので、当てた後ボールを沈めるようなボールの抜き方をしてあげた方が良いと感じました。あるいはトップ選手を拝見するとボールの上をとらえるのではなくて、ボールの後ろをぶつけるようにとらえながら回転をかける方が安定するのではないかと思います。多分フォアならキョウヒョウの方が、自分の回転をのせてカウンタードライブすることがやりやすいと感じました。キョウヒョウのようなドライブは難しいですが、ディグニクス05と比較すると粘着ラバーらしくカウンタードライブが打ちやすくて気持ち良かったです。試合じゃなかなかできないですけどね。ディグニクス05の方がカウンタースピードドライブが打ちやすく、ディグニクス09Cの方が、カウンターカーブドライブやシュートドライブ、上書きドライブがしやすいと感じました。
ストップ
確かに止めやすいです。ただ回転をかけようとすると思ったより弾いてしまうので、難しく感じました。ただ硬いラバー、例えばテナジー05ハードやXIOM(エクシオン)のOmega VII Tour(オメガ7ツアー)やOmega VII Hyper(オメガ7ハイパー)、andro(アンドロ)のRasanter R53(ラザンターR53)でも、スポンジの硬さでやりやすいので、ディグニクス09Cの粘着シートだからストップがやりやすいという感じは受けませんでした。おそらくオメガ7ハイパーもシートは食い込みやすくてスポンジは硬いラバーだと思うのですが、ディグニクス09Cの方がより食い込みやすいと思います。また、ディグニクス05でストップに慣れると、切れたストップがピタッと出せるようになるので、ディグニクス09Cを使う必要性は、ストップに関しては感じませんでした。
また印象として、食い込みが良いので、アップ系のショートサーブは浮かしてしまうことが多いように感じました。実際、ディグニクス09Cに変えた選手にはアップ系ショートサーブが今まで以上に効くようになった印象があります。
ツッツキ
サイドを切るようなツッツキがしやすかったですね。切ろうとせずコースを狙って低く入れる分なら十分な性能を示してくれると感じました。切ろうとすると食い込みすぎるので、食い込ませずにシートだけで回転をかけた方が回転がかかると思います。
フリック
フリックはとても安定して良いと感じました。軽く打つだけでドライブ回転もかけることができてフリックがとても安定する印象を受けました。スピードフリックも安定してやすかったですね。どちらかというとナックルフリックよりも勝手にドライブフリックになる感じですね。スピードを出すなら上方向へ強くスイングした方がドライブ回転がかかって安定するので良いと思います。
サービス
強い回転がかかります。ディグニクス05では巻き込み系で逆横下回転をかけるのが少し難しいのですが、ディグニクス09Cなら巻き込み系でブチッと逆横下回転サーブを出しやすかったです。またディグニクス05と同様で、ぶつけるような軌道で縦切り系サーブが切れてないようでかなりブチッと切れる感じがありました。ボールの重さは感じ辛いですが、回転量はかなり高いサーブを出しやすいです。
バックハンド系
軽打
軽打では、やはり普通のスピン系テンションに近い打球感でした。バックにSpin Art(スピンアート)を使っていた時の打感やボールの飛び方を覚えておりますが、スピンアートよりもディグニクス09Cの方が明らかにボールが食い込んで、弾んでいます。ボールはそこまで早くない印象ですが、弧線の出方が段違いでしたね。ディグニクス05と比較しても弧線が出ていることがよくわかります。
ラリーでのドライブ
ラリーでのバックハンドドライブはかなり好印象でした。食い込みやすいので相手のコートの深いところにドライブが入る感じがありました。テナジー05ハードやスピンアートだと少し浅く入りやすいんですよね。これはかなり好印象でした。
対下回転に対するループドライブ
結構オーバーしやすかったです。自分はバックハンドは一度ボールを食い込ませるように少し面を上へ向け気味にボールにぶつけてからドライブをかけるからオーバーミスが目立ったのだと思います。ディグニクス09Cはボールの弧線がめちゃめちゃ上に出るので、打点を落とし気味にしてシートでひっかけて打つと、しっかり回転がかかって、相手がその回転量にミスを誘えると思います。
対下回転に対するスピードドライブ
良いですね。自分のバックハンド技術が上達したと錯覚するような強烈なスピードドライブが打ちやすいです。食い込ませやすいので、バックにあっている部分もあると感じました。使うには慣れる必要を感じましたが、慣れれば武器になると思います。ただ自分は最近バックにバタフライのラバーは難しいと感じていることと、食い込ませてから回転をかけるスイングになりやすいので、あわないと感じてしまいました。
ブロック
特にやりにくいということはありませんでした。粘着ラバーのような落ちる感じもなくてコントロールもしやすかったです。たまにオーバーミスすることが気になりましたが、これは慣れでしょうね。またこのラバーはサイドスピンブロックなどのブロックもやりやすくて非常に好印象でした。
カウンタードライブ
バックハンドでのカウンタードライブは打点をあまり落とさないし落とせないので、あまり良さを感じませんでした。ディグニクス05でも十分良いカウンタードライブが打てると思います。ディグニクス05とディグニクス09Cのバックのカウンタードライブは同じくらいのやりやすさだと思います。スピードと直線性はディグニクス05の方がありました。
ストップ
どちらかというとやりにくかったです。自分はハードなラバーが好きな理由はレシーブなどのツッツキで、回転の影響でボールは浮かさないためです。柔らかいと感じるラバーはバックだと感覚が悪いので、使いづらいと感じてしまいました。
ツッツキ
入れるだけであれば問題なくやりやすいです。でもそれならテナジー05ハードでもできる気がしますね。スピンアートではかなりブチ切れのツッツキができて良かったのですが、ディグニクス09Cだと切りに行くと食い込みすぎてぶっ飛ぶのでやりにくいと感じてしまいました。自分はあまりツッツキが得意ではないので、上手な人は切ることができると思います。また、ディグニクス05に慣れてくると、ツッツキも浮きにくく、タイミングでしっかり切って低く出せるようになるのでツッツキに関してはディグニクス09Cを必要とは感じませんでした。
チキータ
球持ちが良いのでかなり引き付けることができるのと、めちゃめちゃボールが上に上がるので、スイングスピードを意識しなくても良いので、ディグニクス05よりも安定したチキータがしやすいと感じました。スピードも台上であれば問題ないスピードが出しやすいですし、サイドスピンを入れると相手がかなり取りにくそうにしていたので、回転量による嫌らしさを含めると非常に良いと感じました。
他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
ディグニクス09C ≧ ディグニクス05 > Diginics 80(ディグニクス80) > テナジー05
スピード
ディグニクス05 > ディグニクス09C > スピンアート
食い込ませたときの弧線の出しやすさ(ボールの沈み込みやすさ)
ディグニクス09C > ディグニクス05 > テナジー05
フォアカウンタードライブのやりやすさ
ディグニクス09C > ディグニクス05
バックカウンタードライブのやりやすさ
デイグニクス05 = ディグニクス09C
ボールの重さ(重いボールが打てたと感じやすいラバー)
省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ > ディグニクス09C ≧ ディグニクス05
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