レビュー Dignics 64(ディグニクス64)

説明

 Butterfly(バタフライ)のハイエンドラバーシリーズ、Diginics(ディグニクス)シリーズの中で最もスピード性能に特化したディグニクスが、このDignics 64(ディグニクス64)になります。ディグニクス64のターゲット層はTenergy 64(テナジー64)を使う層で、さらなるスピードと回転を求めるのであればディグニクス64を提案しようという意図だそうですね。
 katsuo000がディグニクス64に注目した理由は、バタフライホームページにおいてZhang Jike ZLC(張継科ZLC)とディグニクス64が相性が良いと紹介されていたためですね。以下、バタフライの特設ページより転載させていただきました。

 またkatsuo000は恥ずかしながらテナジー64を使ったことがありません。もっとスピードに特化したBryce Highspeed(ブライスハイスピード)は使ったことがありますが、テナジー64はブライスハイスピードと似たようなラバーなのかな、程度しか思っておらず打とうとも思っていませんでした。こちらのブログで再三、Dignics 05(ディグニクス05)を良いと称賛していますが、他のディグニクスと比べたらどうなのか、知るためにも使ってみようと思い試打してみました。

公表性能値の比較

 公表性能値比較を下記に示します。

 性能からわかるように、ディグニクス64はRozena(ロゼナ)以上のスピン性能と、ブライスハイスピードに次ぐ高いスピード性能のラバーとなります。スピード性能はブライスハイスピードに続いて、バタフライのラバーの中でも2番目に速いということで、圧倒的にスピードによったラバーであることがわかります。

 Spring Sponge X(スプリングスポンジX)とDignics(ディグニクス)シリーズのシート

 ディグニクスシリーズに採用されているSpring Sponge X(スプリングスポンジX)は、テナジーシリーズに採用されているSpring Sponge(スプリングスポンジ)の進化版と言われています。スプリングスポンジが独立気泡のスポンジで、他のラバーメーカーでは製造できないバタフライ独自技術だそうです。そのスプリングスポンジの独立気泡を、独立を維持したままより細かくしたものがスプリングスポンジXということです。結果、スプリングスポンジよりもスプリングスポンジXの方が、14%変形しやすくなり、反発力は3%向上しているそうですね。
 テナジーシリーズのスプリングスポンジといえば、オレンジ色のスポンジが特徴的ですが、ディグニクスシリーズのスプリングスポンジXは真紅と言える赤色が特徴で、一眼でディグニクスシリーズとわかります。ちなみに類似の色のスポンジが他メーカーでありまして、THIBAR(ティバー)のEvolution(エヴォリューション)シリーズのスポンジの色と酷似していますね。

 表面の強度と球持ちが改善したことも紹介されています。球持ちについてはシートで捉えるカウンターやチキータがより安定することが紹介されていますね。また強度ですが水谷選手も言及されていてラバーの交換までの時間が長くなったとおっしゃってます。確かにテナジーシリーズと比べてもシートが白くなるまでの時間が長くなっていて、保管条件が良ければ1年近くシートの劣化は感じません。ラバー全体で考えると、スプリングスポンジXのテンションというか張りが緩む感じがあるので、刻一刻と状態は変化していくと感じます。
 ディグニクスシリーズのシートは透明感が強くなっていますが、ドイツ製の曇り系シートに近い強いシートを採用しているようなので、抜群にチキータやカウンターがやりやすいと感じます。

ディグ64の貼りと重量

 いつものようにZhnag Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

Dignics 64(ディグニクス64)
 ハイテンション裏ラバー
 スプリングスポンジX
・Sponge Thickness: 厚(1.9 mm)、特厚(2.1 mm)
・Speed:14
・Spin:11
・Sponge硬度:40
・9,800円 + 税
・67 g(切断前) → 45g(張継科ZLCに貼って)

 特厚で貼って、45 gは軽いですね。重量として相当軽いラバーになりますね。

Dignics 64の3つの特徴

1. ディグニクシリーズの特徴、硬いシートによるツッツキ、ストップのやりやすさ、カウンタードライブのやりやすさは顕在!

 想像以上に、ディグニクス05やディグニクス80と打球感が似ていました。ディグニクス64はスピードに特徴のあるラバーではありますが、他のディグニクス05やディグニクス80と同じようにツッツキやストップがしっかり止めやすいと感じました。ブライスハイスピードではスピードはもちろん速く、回転もかけやすいラバーと感じましたがツッツキやストップはかなり難しかったです。しかしディグニクス64はツッツキやストップが低く止められるのに、スピードが出る、数少ないラバーだと感じました。他のディグニクス同様に、ツッツキやストップがしっかり止めることができてかなり頼もしいラバーでした。
 またディグニクスシリーズで再三絶賛しているカウンタードライブのやりやすさも健在でした。相手の回転の影響を受けにくいです。Dignics 09C(ディグニクス09C)は異なるのでしょうが、ディグニクスの05、80、64はそれぞれ同じスポンジと同じ材質のシートを使っていて、異なるのはシートの粒形状のみだと思います。従って同じシート材質と同じスポンジを使用しているディグの05、80、64は、シートとスポンジから現れる特徴が似てくるのだと思いました。粒形状は打球感、とりわけ食い込ませた時の打球感に変化を与えると感じます。スポンジに食い込ませない打球であればディグの05、80、64はかなり近いのかもしれません。唯一カウンタードライブは、スポンジに食い込ませることの方が多いと思いますが、自分のカウンタードライブのやりやすさは、シートが硬いか、シートが回転の影響を受けやすいか、にあるようで、硬くて回転の影響を受けにくいディグニクスのシートはやりやすいと感じました。つまりディグニクス64はカウンタードライブもやりやすかったです。

2. ディグニクスシリーズの中で最も扱いやすい!硬さを感じにくい!

 バタフライの契約選手が発信されている内容ですが、他のディグニクスと比べてディグニクス64は食い込みが良かったです。従って他のディグニクスよりもディグニクス64は明らかに扱いやすいと感じました。特にミート、ブロックやスピードドライブは非常にやりやすかったですね。ディグニクス05ではインパクト不足でボールが落ちることも多いですし、球を持つ前にラバーの硬さでミスしてしまうことがあります。katsuo000はそのようなディグニクス05の難しさを補うために体幹を意識したり、手だけで振るのではなく腰の回転で振ることを意識しているのですが、その分フォアとバックの切り返しが遅れたり、しやすいのですが、ディグニクス64ではそこまで気にしなくても使えました。

3. ディグニクスの中で最も球離れが速く、ピッチ最速!

 ディグニクス09Cは粘着ラバーで、ディグニクス05も非常に球持ちを感じさせるラバーで、その分、球離れは遅いと感じました。球離れが遅い分回転をかけやすくコントロールもしやすいのですが、ピッチはほんの小さな差ですが遅くなります。一方、ディグニクス64は他のどのディグニクスよりも球離れが早かったです!従って球離れの早さで相手にプレッシャーをかけることにメリットを感じるのであれば、是非ディグニクス64がオススメと言えるでしょう。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 他のディグニクスと差を感じませんでした。ただ、貼りたてにしてはラバーの張りを感じなかったように感じました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 非常にスピードドライブがしやすく直線的でした。ディグニクス05でも直線的なスピードドライブは打ちやすいですが、ディグニクス64の方が安定感がありました。

面を開いたドライブ
 少し球離れが速いと感じました。あまり向いていないかもしれません。

対下回転に対するループドライブ
 やりにくさはありませんが、回転量が少し物足りないと感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 少しオーバーミスが気になりましたが、それは腕の問題だと思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 やりやすかったです。回転をくらいにくいのでしょう。

カウンタードライブ
 カウンタードライブも健在でした。

ストップ
 低くおさまりました。やはり回転量はやや少ないですね。

ツッツキ
 こちらも低かったですが回転量は少し劣りましたね。

フォアフリック
 やりやすかったです。ディグニクス05よりも柔らかいのでしっかりグリップして打てる感じがありました。

バックハンド系

軽打
 少し球離れの速さを感じました。自分はバックもグリップして打ちたいし、アウターカーボンを使っているので少しやりにくいとも感じましたね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 悪くはないですが、結構飛距離が出るので、ついついスピードドライブをしたくなって無茶打ちが多くなりました。

対下回転に対するループドライブ
 少しネットミスが多かったですがやりにくとは思いませんでした。 

対下回転に対するスピードドライブ
 少し技量不足でミスが多かったですが、やりやすいですね。

カーブ/シュートドライブ
 チキータはスピードタイプの方が威力はありました。

ブロック
 やりやすかったです。

カウンタードライブ
 下手ですが、練習すればできるようになる気がします。

ストップ
 やりやすかったですが回転量は少ないです。

ツッツキ
 やりやすいですが、回転量は少ないです。

チキータ
 やりやすかったです。ディグニクス05は硬いのと、弧線が高すぎるので感覚が難しいですが、ディグニクス64の方がやりやすいと感じる人もいるのではないかと思います。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 > Dignic 64 ≧ Bryce Highspeed > Blue Storm Z1 Turbo

スピード
 Bryce Highspeed > Dignics 64 ≧ Dignics 80 > Dignics 05

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