レビュー Jupiter II Blue Sponge 39°(木星2ブルースポンジ39°)

説明

 今回のレビューは、中国メーカーの粘着ラバーのレビューになります。中国というと、紅双喜(Double Happiness Shanghai、DHS)が有名ですが、今回レビューするのは、銀河 (YINHEMiky WayGalaxy) のJupiter II Blue Sponge (木星2ブルースポンジ)になります!みなさんご存知WRMさんののラバーですね。メーカー銀河の情報は、軽くググってみましたがあまり得られなかったので割愛させていただきます。銀河は、ラバーの名前に天体の名前を付けるメーカーで他にもアポロや月、金星、太陽などがあります。過去には月ブルーをレビューしています。やや重たいですが、コスパの良い粘着ラバーで個人的には、VICTAS (ヴィクタス)のTriple Double Extra (トリプルダブルエキストラ)に近いものを感じました。ツッツキはよく切れるし、シートは柔らかめで球持ちもいい。そんな月ブルーに続き、木星2ブルスポをレビューしていきたいと思います。

 木星2ブルースポンジは、WRMさんのぐっちぃさんは、省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジに近い、と表現されています。そのあたりに触れていきたいと思います。もちろん試打したのは、木星2ブルースポンジ、39°の黒になります。

性能値

 調べてみましたが性能表を見つけることができませんでした。今回は硬度比較のみとさせていただきます。

 月ブルーでも言及しましたが、やはり中国製ラバーということで重いですね。木星2ブルースポンジは52 gと近年のハイエンドラバーと同等の重さがありました。省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジは軽くて50 gを切りますし、バタフライのラバーも軽いですね。
 硬度に注目すると、木星2ブルースポンジは硬くて、ディグニクス09Cよりも硬いという結果になりました。硬いラバーは使いこなせれば、回転量が多くて威力のあるボールを打つことができるので、これは注目ですね。月ブルーよりも硬いということで、月ブルーよりも威力が出しやすいことは想像しやすいですね!

 粘着ラバーに注目する場合、重要だと考えているのが、シートとスポンジの硬度差になります。省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジはシートとスポンジの硬度差が少なく限りなく0に近いことがわかります。一方シートが硬くて、くい込ませにくいDignics 05 (ディグニクス05)はシートの方が2°以上硬いことがわかりますね。月ブルーは4°もスポンジの方が硬く、木星2ブルースポンジ約6°もスポンジの方が硬いことがわかります。このようにシートよりもスポンジが硬いラバーというのは抜群の球持ちを示しやすいのが特徴です。球持ちを強く感じやすいので質の高いループドライブがしやすく人によってはバック側でも使うことができるようなラバーになると思います。36°の木星2ブルースポンジも販売されていますので、そちらならバックでも十分使えるのではないかと思いますね。

木星2ブルースポンジの貼りと重量

 Pro-13Sに貼りました。アウターカーボン側に木星2ブルースポンジを貼っています。インナーカーボン側にはDignics 05 (ディグニクス05)を貼りました。

Jupiter II Blue Sponge (木星2ブルースポンジ)
・Sponge Thickness:2.2 mm
・Sponge Stiffness:36°、39°
・3,480円 + 税
・77 g (切断前) → 52 g (Pro-13Sに貼って)

 中国製らしいベタツキのある粘着ラバーでした。最近のドイツ製の粘着テンションラバー、例えばRasanter C53 (ラザンターC53)やOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)は、粘着感がないですが、中国製の粘着ラバーはやはりこのベタつきがいいですよね。この辺りは好みが分かれると思いますね。

Jupiter II Blue Spongeの3つの特徴

キョウヒョウブルースポンジのような扱いやすさと質の高いループドライブ!

 木星2ブルースポンジは確かに省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジに似た打球感だと感じました。いわゆる普狂NEO3とは明らかに打球感が異なります。木星2ブルースポンジはいい意味で省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジに近いので、省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジが高くて手が出せないという人にはオススメしたいラバーになりますね!また球持ちがバツグンですので、質の高いループドライブがめちゃめちゃやりやすかったです。他の銀河の粘着ラバーであるVenus Blue Sponge (金星ブルースポンジ)Apollo 5 (アポロ5)は、カチコチしていて、弾きやすい分、スピードドライブで回転をかけにくい感じがありましたが、木星2ブルースポンジはスピードドライブでも回転をかけやすい、まさに省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジに近いラバーだと思います。このあたりはかなり好印象でした。欲を言えば、39°は少しまだ柔らかいので、もう少し硬い方が個人的には好みですし、回転性能や癖のエグさはやはり省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジの方が上ではありました。ただ省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジは高いので、廉価版だと思えば木星2ブルースポンジはかなりありなラバーだと思いました。

キョウヒョウブルースポンジよりもスピードドライブが打ちやすい!

 省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジはやはりキョウヒョウですので、キョウヒョウにあった打ち方をしないと高い性能を活かしきれません。またキョウヒョウはやはりスピードを出すのが難しいラバーですので、どうしてもアウターALC系のラケットにあわせてスピードを補う必要性があるとは思います。この当たりが省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジの難しいところだと思います。木星2ブルースポンジでは、柔らかいこともあって想像以上にスピードドライブが安定しました。このあたりはキョウヒョウよりも楽に打ち込めるラバーだと思います。
 ただしそのスピード性能もキョウヒョウ系ラバーよりはマシというレベルで、スピン系テンションラバーと比べるとどうしてもスピード性能に不満はでやすいのかもしれません。このあたりは好みが大きく分かれる部分ではないかと想像します。できればアウターALC系のラケットなどに貼ってスピードを補う方が、総合的な威力は高めることができるのではないかと想像しますね。やはり中国製粘着ラバーを使おうと思うなら、ラケットはインナーカーボン (インナーカーボンの中でもアウターに近いといわれるHurricane Long V (キョウヒョウ龍V)など)やいわゆるALC系のアウターカーボン (Zhang Jike ALC (張継科ALC)Lin Gaoyuan ALC (林高遠ALC)など)にしないと少しスピード性能に不安が出るかもしれません。

台上もしやすく、まさに優等生的なラバー

 やはり粘着ラバーですので台上の安心感はもの凄くあります。回転にめちゃめちゃ特化したラバーではないものの、スピン系テンションラバーのトップラバーと同程度の回転量は得られますし、省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジの回転量と比較すると見劣りするかもしれませんが、省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジよりも扱いやすいラバーにもなっていますので、まさに優等生的なラバーになると思います。値段も含めて優秀なバランス型的ラバーが木星2ブルースポンジになるでしょう。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 粘着ラバー的な打感が伝わってきました。ゆっくりボールを打ちたい人にはいいと思います。 

ロングボールやラリーでのドライブ
 スピン系テンションラバーと比べるとおさまりがいい分、スピードは遅いですね。最近の最新のスピン系テンションラバーであるEvolution MX-D (エボリューションMX-D)などと比べるとやはりスピードが遅いです。コシのあるスポンジなので、ぶつけるようにした方が味が出るドライブが打てると思います。

面を開いたドライブ
 やはり中国製粘着ラバーでスピードドライブを打つ時は面を開いて弾くようにしつつ回転をかけた方が打ちやすいと感じました。 

対下回転に対するループドライブ
 非常に質の高いループドライブが打ちやすかったです。省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジの方が浅さやボールの沈みこみ含めた質の高さが得られると思いますが、木星2ブルースポンジでも十分得点のとれる質の高いループドライブが打てると思います。 

対下回転に対するスピードドライブ
 

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 

カウンタードライブ
 

ストップ / ツッツキ
 グリップするので、非常に止めやすかったです。良いですね!

フォアフリック

フォアサーブ
 粘着ラバーなんで巻き込むサーブでも下回転の回転量が得られるのが良かったです。ただサーブ全体として遅くなるので、速いロングサーブの威力や相手のタイミングを外す質については確認した方が良いと思います。 

バックハンド系

軽打
 球は持ちますね!

ロングボールやラリーでのドライブ
 下がるとボールの遅さが際立ちますね。このあたりは自分のバックハンドの技術力にもよるところかもしれません。ただ回転はかけやすいので、安定感は非常にあると思いました。

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 シートが柔らかいので少し相手の回転の影響をもろにうけやすいと感じました。

カウンタードライブ 

ツッツキ

チキータ
 めちゃめちゃやりやすいですね。安定感の高いチキータができました。威力 (スピードや回転量)は少し低いかもしれません。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Hurricane NEO III Blue Sponge > Jupiter II Blue Sponge ≧ Tenergy 05

スピード
 Tenergy 05 > Jupiter II Blue Sponge > Hurricane NEO III Blue Sponge

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