レビュー Rakza 7(ラクザ7)

説明

 Rakza 7(ラクザ7)は、YASAKA(ヤサカ)のハイエンドラバーシリーズ、Rakza(ラクザ)シリーズの1枚になります。

 YASAKAとの契約選手といえば、2014年に全日本選手権準優勝の神巧也選手、2019年世界選手権準優勝のMattias Falck(マティアス ファルク、Sweden)選手、アドバイザーでワールドカップ優勝4回、アテネオリンピック優勝の馬琳(マリン、中国)選手が有名ですね。また関東学生選手権優勝の五十嵐史弥選手全日本選手権大会ジュニアの部優勝の笹尾明日香選手関東学生選手権準優勝の加藤結有子選手早稲田大学の契約選手も多いです。また異質の裏裏カットマンでTT埼玉で活躍中の英田理志選手と多数の尖がった契約選手が多いですね。神選手は学生時代含めると、本ページでレビューするラクザ7、Non Slip Sheet(ノンスリップシート)のRakza X(ラクザX)の両方を使用して活躍した経験のある選手になります。トップ選手だけでなく、アマチュア選手でも多数の選手がラクザ7とラクザXを使用しており、非常に有名なラバーだと思います。

 Rakza(ラクザ)シリーズは非常に実績のあるシリーズで、古くは先ほど挙げました神選手が、全日本学生選手権優勝時にラクザ7を、全日本選手権準優勝時にラクザXを、使用されていますね。また、近年ではスマッシュを多用する異質なプレイヤーで明徳義塾高校の手塚崚馬選手が全中優勝時にラクザXを、愛工大名電の吉山僚一選手が全日本ジュニア優勝時にラクザ7を使用していたようです。決してマイナーなラバーではなく、トップ選手でも十分に結果が残せるラバーシリーズといえますね!

Rakza(ラクザ)シリーズ

 Rakza(ラクザ)シリーズはYASAKAの看板テンション系ラバーシリーズになりますね。全てのラクザラバーがHybrid Energy(ハイブリッドエナジー)型ラバーであり、「高弾性高摩擦ラバーの高いグリップ力とスピン性能、テンション系ラバーの高い反発力と爽快な打球感を兼ね備えた」ラバーになりますね。
 Butterfly(バタフライ)のTenergy(テナジー)やDignics(ティグニクス)シリーズと同じように、打球軌道イメージがYASAKAのホームページやパンフレットに掲載されています。最も弧線の高いラバーが、2020年春に販売されたRakza Z(ラクザZ)になりますね。続いてRakza X(ラクザX)、Rakza 7(ラクザ7)、Rakza 9(ラクザ9)となります。ディグニクスシリーズに対応させると次のように考えて良いのだと思います。
 Rakza Z(ラクザZ) ⇄ Dignics 09C(ディグニクス09C)
 Rakza X(ラクザX) ⇄ Dignics 05(ディグニクス05)
 Rakza 7(ラクザ7) ⇄ Dignics 80(ディグニクス80)
 Rakza 9(ラクザ9) ⇄ Dignics 64(ディグニクス64)
2020年春新発売のラクザZは粘着ラバーであり、ちょうどディグニクス09Cと類似の分類になりますね。これは偶然なのでしょうか、凄いですね。

 細かくラクザシリーズを説明していくと、4種類のラクザラバーが存在し、それぞれ細かく異なります。ラクザZには、ラクザZとRakza Z Extra Hard(ラクザZエキストラハード)の2種類が存在します。ラクザXは、Non Slip Sheet(ノンスリップシート、NSS)技術が採用されていて、他のラクザと一線を画す、高いグリップ力を持つそうです。性能値で見た場合には回転量はラクザZの次にラクザ7の方が高い値になっていますね。そしてシリーズ最速となるのがラクザ9になります。またスポンジが柔らかいソフトはラクザXとラクザ7の2種で販売されています。このように細かい部分で異なる部分を有しながらも非常に人気の高いラバーシリーズがラクザシリーズということになりますね。
 今回レビューするラクザ7は、バタフライのラバーの中では80系のラバーということで、回転とスピードの両立やバランスを確認していきたいと思います。

Rakza 7の性能

 YASAKAの看板ラバー、Mark V(マークファイブ)シリーズも一緒に掲載しています。マークVは基本的には高弾性ラバーだと思います。高弾性ラバーと比較してテンション系ラバーはスピード以上に回転性能に優れたラバーが多いことが分かりますね。意外や意外、ラクザ7は、YASAKAのラバーの中でも粘着ラバーの次にスピン性能の高いラバーだというとが分かります。この辺りについて、深くレビューできればと思いますね。

Rakza 7の貼りと重量

 いつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

Rakza 7(ラクザ7)
 「強烈なスピンを安定して作り出すトップ使用ラバー」
 Hybrid Energy(ハイブリッドエナジー)
・Speed:11
・Spin:14
・Sponge Thickness: 中厚、厚、特厚
・Sponge硬度:45〜50°
・5,000 円 + 税
・68 g(切断前) → 49 g(張継科ZLCに貼って)

 YASAKAののり助さんを使って貼ったのですが、切る前のラバーの重さから想定される重さよりも相当重くなったと思います。ラクザ7は接着剤を吸いやすいのかもしれませんね。

Rakza 7の特徴

扱いやすい!

 Super Ventus(スーパーヴェンタス)と同じような特徴になってしまいますが、予想通り扱いやすかったです!ただしスーパーヴェンタスやRasanter R48(ラザンターR48)の扱いやすさとは似て非なる別ものにも感じました。スーパーヴェンタスやR48は容易に質の高いボールが打てる、ボールの質が平均的に高いという意味で扱いやすいラバーである一方、ラクザ7はとにかく入れやすい!この一言に尽きるくらい相手のコートに入ってくれるラバーでした!
 ラクザ7の癖を探る必要がないくらい、自然に使うことができました。それくらい変な癖もなく思った通りにボールととらえ、ラバー全体にくい込ませてドライブもミートもできると感じました。ただし、ボールの質はそこまで高いとも感じにくかったです。ボールの質を高くするためには、1球1球ボールをしっかりラバー全体にくい込ませて、そこからしっかり回転をかけながら飛ばしてやる必要性を感じました。また、回転をかけたつもりでも、ディグニクス05やFastarc G-1(ファスタークG-1)などと比較するとドライブ時の弧線の落ち込みは少し弱く感じました。このあたりはTenrgy 80(テナジー80)に近いのかもしれませんね。
 抜群の扱いやすさでフォアはもちろん問題なく、バックでも十分に使えると感じました!特にバック用のラバーの硬さとしてラバーを使いこなせて、かつ適度な硬さという意味で、かなり自分にあっていると感じる硬さがラクザ7だとも感じました。
 扱いやすいラバーではありますが、扱いやすいのに質の高いボールが打てる類のラバーではなく、それ相応の打ち方に応じて、それ相応の質の高いボールを打てるラバーだと感じました。練習量が落ちても、それまでに培われた打球感覚で、ある程度の回転をかけることができてボールが非常に安定します。従って少なくともラバーが球の質を増幅してくれるというよりは、使い手の打球感覚、卓球歴や経験、をそのまま等身大に表しやすいラバーだと感じました。つまり自分のような社会人で練習量を確保できないプレイヤーには、練習量で培われる繊細な角度やタッチがなくてもある程度の質のボールを確実に入れてくれる安定感を求められるラバーの1枚だと感じましたね。非常に良いラバーだと思います!
 自分のできる範囲のことは卒なく、確実に安定していれることができるようにしてくれて、さらなる威力を求めてスイングしてもある程度応えてくれるラバーがラクザ7の印象です。

回転の影響を受けにくい!

 ドイツ製ラバーということで、回転の影響は受けにくいと感じました!テナジーシリーズのように相手の回転の影響に敏感ではなく、むしろ鈍感な方だと思います。従って相手の回転を上書きでキャンセルする必要のある技術全般(ほぼ全ての打球)が非常にやりやすかったです。
 チキータやバックハンドドライブも、非常にやりやすかったです。スポンジのくい込みが良くて球持ちを感じやすく、チキータやバックハンドドライブでレシーブから上書きしやすいと感じました。ボールの回転量や曲がり方などはそこまでレベルは高いと感じませんでしたが、安定感は何よりも武器になると感じましたね。
 またブロックもやりやすかったです!どのような角度で打球してしまったとしても、どのくらい反発するのか、体感で感じやすくて、すぐに調整しやすかったです。フィッシュやロビングもやりやすかったですね。

スピードドライブが打ちやすい!

 くい込みが良いので少し浮けば思い切りスピードドライブを狙いにいけるくらい、スピードドライブが打ちやすかったです!くい込ませてもラケットの板の打球感に到達するような弱さは全く感じないラバーでしたので安心して思い切りくい込ませることができました。こういったハイエンドラバーらしい良さも感じることができました。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 打ちにくいといったことはありませんでした。食い込みやすくて非常に打ちやすいと感じました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 シートでこする打ち方でもぶつけるような打ち方でも、どちらも安定していて非常に良かったですね!ただし、質は低いと思います。ボールのスピードと安定感はありますので、相手にどんどんプレッシャーをかけることができると感じました。

面を開いたドライブ
 これは前々から感じていたことですが、非常に好印象でした!というのは、友人に軽く使わせていただいたときなどに、ラクザ7やこの後試打予定のラクザXには思い切りくい込ませても負けない芯の強さを感じていた、ということです。この芯の強さはどんなに強くくい込ませてもドライブに持っていける強さというイメージです。非常に面を開いたドライブがやりやすいと感じました。やりやすい分、相当思い切りドライブしてあげても、想像以上のドライブとなることは少ないイメージですね。

対下回転に対するループドライブ
 これもよかったです!グリップ力を強く感じました。粒形状はグリップしやすい、粒太めで粒間隔狭めなのだと思います。ただし、少し反発しやすく感じました。それでも容易に対応できる範囲だと感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 面を開いたドライブの項目でも書きましたが非常に良かったです。ただし相当くい込ませた方が良いと思いますので、エネルギーは必要ですね。

カーブ/シュートドライブ
 あまり回転量が出しやすいラバーではないので、カーブやシュートで大きく曲がる印象はありませんでした。

ブロック
 やりやすかったです。先ほどまでと矛盾しますが、ブロック時にはスポンジが硬く変形しにくいために回転の影響は受けにくくて、ブロックしやすいのだと思いました。

カウンタードライブ
 カウンターもしやすいラバーだと思います。

ストップ
 ディグニクス05ほど回転はかかりませんでしたが、非常にやりやすかったです。回転量が少ないのが残念でしたが、しっかりシートでとらえることができたので、やりやすかったですね。

ツッツキ
 ストップ同様、回転量は少なかったですが、やりにくいということはなかったですね。

フォアフリック

フォアサーブ
 しっかり回転をかけることができて好印象でした。切れますね!少し弾みやすいのでそこだけ気になりましたが、慣れればしっかり切れたサーブが出せると感じました。

バックハンド系

軽打
 特に変な違和感はありませんでした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 むちゃくちゃな打ち方になっても結構ドライブが入って好印象でした。回転をかけやすいですね。少しインパクト不足になることも感じましたが、それでも同じくらいの硬度のラバーの中では、かなり使いやすいと感じるラバーでした!

対下回転に対するループドライブ
 これも非常にやりやすかったです。グリップしますね!テナジー80のように少しグリップしきる前に飛び出す感じはありましたが、それでも十分グリップしてくれました!

対下回転に対するスピードドライブ
 これもやりやすかったです。ただ少し硬さと弧線を描いていない直線性を感じました。今回自分は張継科ZLCに貼って使用しましたがあっていなかったかもしれません。印象としてはYASAKAの人気シリーズMa Lin(馬琳)シリーズのラケットの方があっていたんじゃないか、と感じました。アウターZLCのラケットではちょっと直線すぎましたね。弧線を描きやすい木材系かインナーカーボン系のラケットの方が良い弧線を描くと思います。

カーブ/シュートドライブ
 カーブさせてもそこまで曲がりませんね。回転量は弱いと思います。手首を使って押すように回転をかけると結構いいボールが行くと思います。

ブロック
 やりやすかったです。食い込みが良いのに球持ちがいいからだと思います。

カウンタードライブ

ストップ
 フォアのストップと同様に、回転量は少ないですがやりやすかったです。

ツッツキ
 ストップ同様です。

チキータ
 回転量は少ないと思いますが、かなりやりやすいと思いました。安定感は武器になると思います。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 > Tenergy 05 > Rakza 7 > Bryce Highspeed

スピード
 Dignics 05 > Rakza 7 > Tenergy 05

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