説明
ドイツ製ラバーの中でも抜群の回転性能を感じるのがandro(アンドロ)のRasanter(ラザンター)シリーズになりますが、その新作ラバーが2020年5月に販売されました。Rasanter R48(ラザンターR48)ですね。このラバーは紅(あか)のラザンターで、Energy Cell(エナジーセル)技術を採用したスポンジをあわせていて、他のラザンターと一線を画します。同類のラバーはRasanter R53(ラザンターR53)で、R53は回転性能、荒れた癖球のようなドライブ、などなど非常に高性能で、世界標準のTenergy 05(テナジー05)を上回るラバーとkatsuo000は絶賛中になります。当然R48にも高い期待を持って購入させていただきました。すでにR47というラバーがあるわけで、今更R48?と感じる人も多いようです。実際R47を使ったことのある友人も、R48を話題に出してもあまり興味を持っていませんでした。卓球王国情報ですが、ラザンターシリーズよりも、過去のラザントシリーズの方を優れるとする声もあるようです。また卓球王国ではR53以上に推していて、「R48がラザンターの顔になる!」と謳っています!少なくともただの硬度のみ変わったマイナーチェンジのラバーではないということは強調させていただきます!
このR48は現在日本でのandroの宣伝や広報活動をされている濱川明史選手がフォア・バック両面に使用しているそうです。ちなみにR53はフランスのSimon Gauzy(シモン・ゴージィ)選手がフォア・バックに使用しているようですね。最新の高性能ラバーを全日本選手権ランカーやトップ選手が使うというのは、確かな宣伝効果が期待できると思います。
androのR48の宣伝ワードは「回転力と加速力の進化。エナジー・セル搭載の、スーパーモンスターギア」になります。モンスターラバーはおそらくテナジー05ですので、意識して、テナジーを超える意味をこめてスーパーをつけたのではないかと想像します。
性能値
公表性能値を比較してみましょう。
実はスピード性能はV47が最も高いんですね。近年の流行は硬いプラボール化に伴う回転性能低下を補う高いスピン性能のラバーです。従って、スピード性能よりもスピン性能の高いラバーが赤のラザンターR48とR53の特徴ですね。実際、R53の試打でも感じましたが、R53は非常にドライブがうねってR53らしさの癖球的なドライブが打てるラバーですが、弧線を強く描くので、スピードは確かに直線的で球離れも速いV47の方が速いと思います。R48はR53を使いやすくしたラバーということですが、使いやすいのにスピン性能はR50よりも上であるのは非常に興味深いですね。実際に回転がどの程度かかるのか期待しながら試打させていただきました。
R48の貼りと重量
いつものようにButerfly(バタフライ)のZhang Jike ZLC(張継科ZLC)にRasanter R48をはりました。
赤のR48をはりました。反対はDignics 05(ディグニクス05)になりますね。
Rasanter R48(ラザンターR48) UMテンション(テンゾーバイオスUM) Energy Cell(エナジーセル) 40+ Plastic Ball対応 ・Sponge Thickness:1.7 mm、2.0 mm、ULTRAMAX(UM) ・Speed:119 ・Spin:124 ・Control:80 ・Sponge硬度:48° ・6,500円 + 税 ・70 g(切断前) → 48 g(張継科ZLCに貼って)
Rasanter R48の3つの特徴
扱いやすいラバーでした!バックにR42を使用されている全日本経験者の方がバックに使用できるくらい扱いやすいとおっしゃっておりましたね。体感的にはR42まではいかないものの45°くらいのスポンジに感じるのですが、良い意味でコントロールが良いのに高い回転性能がありました。
1. 球持ち&打球感はテナジー80、回転量は05以上!
打球感はどちらかというと、グリップ力の強い05系の太め粒形状ではなく、どちらかというと80のように球離れが若干速い粒形状のラバーでした。少し球持ちを感じにくいラバーであるのに、、その回転性能に驚きました!非常に高い回転性能でした!イメージで申し上げると、R42の扱いやすさで回転性能はテナジー05級でした!かなり高い回転性能だと思います!これは凄いですね!テナジーを使う理由は正直ないかもしれません。
2. バックでもめちゃめちゃ扱いやすい!フォアでも満足するバランス型!
扱いやすいので、バックでも十分使えます。無理な体制でも全然バックドライブが打てましたね。回転性能も高いので勝手に安定して相手のコートに入りました。非常に好感触でした。またフォアで使ってもサーブの回転量やドライブの回転量に不満は感じませんでしたね。扱いやすいのに回転性能が高いということは、ある意味チートです。近年のラバーは扱いやすいけど、ボールが軽くなるとか回転が弱くなるということがありましたが、R48は良い意味で矛盾した性能を有していると思います!
3. 球離れが速く、R53よりスピードを求めるならR48!
どちらかと言えば、テナジー80に近いシートの粒形状でしたので球離れは結構速くその分スピードのあるボールが打ちやすかったです!つまりR53のスピード性能に不満を感じるならR48がオススメになりますね。非常に気持ちの良い高い音でスピード系のドライブが打ちやすかったです。
各技術レビュー
フォアハンド系
軽打
柔らかさを感じました。正直柔らかすぎるとも感じました。
ロングボールやラリーでのドライブ
ボールの軌道はR53に近いものを感じましたが、ボールのうねりはなくなり非常に綺麗なボールが出やすいと感じました。
面を開いたドライブ
打ちやすかったです。これはR53でも感じました。より食い込が良いので、面を開いてぶつけるように打っても球持ちを感じやすかったです。
対下回転に対するループドライブ
少し球持ちを感じづらいので質を高くループドライブすることは少しやりにくいと感じました。
対下回転に対するスピードドライブ
非常に打ちやすかったです。中級者やオープン戦ならチートかもしれませんね。
カーブ/シュートドライブ
R53でもカーブドライブが良かったですが、R48も少し横回転を入れた方が味が出ると感じました。しかしながらR53と比べると癖球ドライブというよりは、綺麗なボール、例えるならまさにテナジーのようなドライブになりやすいと感じました。
ブロック
少し回転の影響を受けやすいと感じました。スマッシュ系のブロックはやりやすかったです。
カウンタードライブ
打球点が早すぎると難しくなるので、少し待って頂点前後で打球し、回転を上書きする方がカウンタードライブは安定しました。
ストップ
V47と比べるとおさまりやすかったですが、切るのは難しかったです。
ツッツキ
ストップと同じく、食い込みが良すぎて切ることが難しいと感じました。
フォアフリック
バックハンド系
軽打
やりやすかったです。
ロングボールやラリーでのドライブ
食い込ませてもチョリる感じでもやりやすかったです。
対下回転に対するループドライブ
対下回転に対するスピードドライブ
打ちやすかったです。いい音で打てました。
カーブ/シュートドライブ
ブロック
カウンタードライブ
回転の影響を受けやすいと感じました。
ストップ
ツッツキ
チキータ
ボールが弧線を描きやすいのでとてもやりやすかったです。UMだと少しオーバーミスしやすいのでそこだけ気をつけた方がいいかもしれません。
他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
Dignics 05 > Tenergy 05 Hard > R53 > R48 ≧ Tenergy 05
スピード
DIgnics 05 > R48 > R53 > Tenergy 05 > Tenergy 05 Hard
食い込ませたときの弧線の出しやすさ(ボールの沈み込みやすさ)
R53 ≧ R48 > Tenergy 05 > Dignics 05
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