説明
Yasaka (ヤサカ)さんのステップアップラバー、Rigan Spin (ライガンスピン)をレビューします。ヤサカさんの看板ラバーであり初めてのラバーの代名詞Mark V (マークファイブ)から、トップ選手も使用するハイエンドラバーRakza (ラクザ)シリーズへとつなぐ、中級者志向のラバー、それがRigan Spin (ライガンスピン)になりますね。このページでレビューするRigan Spin (ライガンスピン)は、ハイエンドラバーのRakza (ラクザ)シリーズ同様に、ハイブリッドエナジー型ラバー (いわゆるテンション系ラバー)になりますね。またRigan Spin (ライガンスピン)には、兄弟ラバーであるRigan (ライガン)というラバーもあり、Rigan (ライガン)の方が先に発売されました。Rigan (ライガン)シリーズが発売される前は、テンション系ラバーであるXTEND (エクステンド)シリーズが、中級者志向ラバーのポジションでしたが、Rakza (ラクザ)シリーズや現在のトレンドのスピン系テンションラバーとは性能が異なるベクトルのラバーだったため、改めてRigan (ライガン)シリーズが発売され、徐々に拡販している状況だと思います。それでは、ヤサカさんの紹介を引用させていただきます。
Rigan Spin (ライガンスピン)
高い安定性を維持しながらもスピン性能が向上
ライガンでも搭載されている抜群の食い込みと弾力を持つ「RIGAN スポンジ」をライガンと 同じ硬度で使用しながらも、トップシートの粒形状をライガンよりも大きくすることにより、 より強いスピンとパワーを生み出すことが可能になりました。安定性とスピン性能を高いレベ ルで両立したハイブリットエナジー型ラバーです。
ライガンの扱い易さを維持しながらも、回転力をUPさせた
ライガンと同様に柔らかめのトップシートやスポンジを採用しながらも、トップシートの粒形状をライガンと比べてやや大きくし、密度も高くする事により強打でのエネルギーロスが少なくなりました。ライガン同様に高いコントロール性能を持ちながらも、強打時にはより強い回転を生み出す事が可能になります。安定性を重視しながらも、しっかりとした回転をかけたプレーをしたいという選手にオススメです。
Rigan (ライガン)
安定性抜群でコントロール性能に優れたハイブリッドエナジー型ラバー
天然ゴムを主体としたトップシートが安定したスピンを作り出し、抜群の食い込みと弾力を持つ新感覚「RIGAN スポンジ」との相乗効果により理想的な放物線を描きます。極めて高いパワー伝導率を誇り、打球時のエネルギーを正確に伝える事ができます。
グリップ力の高いトップシートにテンションスポンジを組み合わせる「ハイブリッドエナジー」を搭載しつつも、柔らかめのシートやスポンジを採用する事でより扱いやすくなりました。
しっかりとボールを掴みながら回転をかける事が出来るため、どんなボールに対しても安心して打球する事が出来ます。
コントロール性能や扱い易さを重視したハイブリッドエナジー型ラバー
「RAKZA」シリーズよりも柔らかめのトップシートやスポンジを組み合わせる事により、軽打でもラバーがボールをしっかりと掴み、打球が高い弧線を描くため非常に安定した連打が可能になります。高いコントロール性能を持つためこれから新しい技術を習得したいという初~中級者や、ラリーでの安定性を重視したいという選手にオススメです。
ライガンスピンとライガンの比較
ということで、このページでレビューするRigan Spin (ライガンスピン)についてまとめると、
・粒形状は太目、粒間隔は狭い
・スポンジ硬度は40~45° (平均42.5°で、ミディアム硬度のラバー)だが、打感はハード
・4,000円 + 税のドイツ製ラバー
となるでしょうか。回転性能の高いラバーが好みであれば、フォアでもバックでも、なかなか使えるコスパ良のラバーといえるでしょう。
性能値
公表性能値を比較してみましょう。
Speed | Spin | Control | Sponge | Price (without tax) | |
Rigan Spin | 10+ | 13- | 11- | 40~45 | 4,000 |
Rigan | 10+ | 12+ | 11 | 40~45 | 3,900 |
Rakza Z Extra Hard | 11- | 14+ | 9 | 52~57 | 5,500 |
Rakza Z | 11- | 14+ | 9 | 47~52 | 5,500 |
Rakza X | 11 | 13+ | 10 | 45~50 | 5,500 |
Rakza X Soft | 10+ | 14 | 10+ | 40~45 | 5,500 |
Rakza 7 | 11 | 14 | 9 | 45~50 | 5,200 |
Rakza 7 Soft | 11- | 14+ | 9+ | 37~42 | 5,200 |
Rakza 9 | 11+ | 13+ | 8+ | 40~45 | 5,200 |
Rigan Spin (ライガンスピン)は回転性能については、Rakza (ラクザ)シリーズなみの高い性能を有することがわかりますね。続いて硬度計による硬度チェックになります。
Weight | Shore a | Shore a | Shore c | Shore c | Sheet-Sponge | Sheet Sponge | |
g | Sheet | Sponge | Sheet | Spnoge | (shore a) | (shore c) | |
Dignics 09C | 50 | 33.4 | 31.8 | 50.8 | 49.1 | 1.6 | 1.7 |
Dignics 05 | 48 | 34.3 | 31.3 | 50.0 | 48.2 | 2.9 | 1.8 |
Tenergy 05 | 47 | 32.2 | 26.8 | 44.6 | 43.3 | 5.4 | 1.3 |
Rozena | 48 | 31.4 | 29.3 | 42.4 | 38.8 | 5.5 | 3.7 |
Rigan Spin | 47 | 30.1 | 25.1 | 42.8 | 40.9 | 5.0 | 1.9 |
Rakza X | 50 | 27.8 | 24.7 | 41.3 | 39.3 | 3.2 | 1.9 |
硬度比較すると、個人的にはよくわかると思うのですが、Rigan Spin (ライガンスピン)はTenergy 05 (テナジー05)やRozena (ロゼナ)に近いラバーといえるでしょう。近いと考える理由は、shore aのシート側とスポンジ側の硬度差が5と大きいためです。この値が大きいことが、テナジーシリーズやスプリングスポンジ搭載ラバーの特徴だと思います。一方、Rakza X (ラクザX)はRakza (ラクザ)シリーズの中でも高いグリップ力を謳っていて、05らしさのあるラバーのように思うかもしれませんが、テナジーらしさは、Rigan Spin (ライガンスピン)ほどはないと思います。というのは、Rakza X (ラクザX)はノンスリップシート (NSS)を採用していますが、このシートはやや硬めなんですよね。NSSは、TIBHAR (ティバー)さんのEvolution MX-S (エヴォリューションMX-S)に採用されているようなコシのあるくもり系シートに近く、テナジーらしさよりもドイツ製ラバーらしさを感じさせることに一役かっています。要点として、Rigan Spin (ライガンスピン)は廉価版Tenergy 05 (テナジー05)またはRozena (ロゼナ)と言っても良いと思います。
ライガンスピンの貼りと重量
Tornado King Power (トルネードキングパワー)に貼りました。またRigan (ライガン)のシートがついているものを購入しました。
貼った後の写真を撮影し忘れました。すみません。m( _ _ )m
Rigan Spin (ライガンスピン) ・Sponge Thickness:中厚 / 厚 / 特厚 mm ・Speed:10+ ・Spin:13- ・Control:11- ・Sponge硬度:40~45° ・4,000円 + 税 ・67 g (カット前) → 47 g (Tornado King Power (トルネードキングパワー)に貼って)
中間硬度のラバーにしては、やや重いと思います。今回ヤサカさんの「のり助さん」業務用ではりました。重さが増えにくいことが「のり助さん」の特徴であるにもかかわらず、この重さということで、やや重くなりやすいことが、Rigan Spin (ライガンスピン)の課題かもしれません。
Rigan Spinの3つの特徴
中級者用だけど、めっちゃ回転かかる!
ラケットに上板コト材使用のTornado King Power (トルネードキングパワー)に貼ったこともあり、期待以上の回転性能の高さを示してくれました。対下回転ループドライブで相手が結構ふかしましたね。この回転性能はかなり良いと感じました。Tenergy 05 (テナジー05)と比較すると、平均の回転量はTenergy 05 (テナジー05)の方が上かもしれませんが、上手に回転をかけられればTenergy 05 (テナジー05)と遜色のない回転が得られると思います!
抜群のグリップ力!
硬度計の確認結果から、予想がつきましたが、shore aのシート側とスポンジ側の差が5と大きいので、非常に球を持ちます!バックハンドで使用したときのラリーのときの安心感は非常に高かったです。粘着ラバーほどではないですが、フォアでスピードドライブを狙うときも弧線を描いてボールが台に入る感覚が強いので、思い切り打ちに行けると感じました。こういうラバーは非常に好みですね。スピン系テンションラバーですが、感覚的には粘着ラバーに片足入っているようなラバーだと思います。
ドイツ製らしく、ブロックも思ったよりしやすい!
今回意外だったのが、ブロック性能です!一般的には中間硬度のラバーは、回転をかけやすくて扱いやすい分、相手の回転や強打の影響を受けやすくなるイメージです。しかしライガンスピンは中間硬度のラバーで回転性能が高いラバーであるにもかかわらず、かなりブロックしやすかったですね!ヤサカさんのラバーは重たくて、威力を出すためにはパワーを要するラバーが多いのでブロックしやすいラバーが多いのですが、ライガンスピンも例に漏れずドイツ製ラバーらしい、ブロックのやりやすさでしたです。つまりRigan Spin (ライガンスピン)もヤサカらしいラバーといえるのかもしれません。ブロックがしやすいということは、そのままカウンターもしやすいということで、ヤサカさんのホームページにある通り、Rigan (ライガン)よりもカウンター性能がやりやすい仕上がりとなっているといえるでしょう。
各技術レビュー
フォアハンド系
軽打
特に違和感なかったです。
ロングボールやラリーでのドライブ
いいですね。しっかりボールが沈むのと、中間硬度といいながらかなりハードなラバーなので、フォアでも十分使えるラバーだと思います。
面を開いたドライブ
面を開くことで、スピードドライブが打ちやすくなると思います。粒が広く粒間隔も狭いので、開いたドライブに適したシート形状だと感じました。
対下回転に対するループドライブ
思い切り回転をかけることが出来ましたし、かけたときの回転量は良かったですね。
対下回転に対するスピードドライブ
インパクトはかなり必要ですね。ただ、50 gになるようなラバーではないので、全然使いこなせないラバーではないと思います。アウターカーボンの方が打球感や打球音は良いような気がしました。というのは、少しこもったような打球音で気持ち良さはそこまでないです。
カーブ/シュートドライブ
ブロック
非常にやりやすかったです。回転の影響を受けにくいんだと思いますね。
カウンタードライブ
ストップ
グリップするので、やりやすかったです。
ツッツキ
フォアフリック
フォアサーブ
まずまず切れますが、粘着ラバーの方が切れますね。
バックハンド系
軽打
違和感ありませんでした。
ロングボールやラリーでのドライブ
やりやすいです!というか自分の質力的にはちょうどよいのかもしれません汗。
対下回転に対するループドライブ
持ち上げやすかったです。回転量は、少し低いかもしれません。
対下回転に対するスピードドライブ
カーブ/シュートドライブ
ブロック
やりやすかったです。
カウンタードライブ
ストップ
ツッツキ
チキータ
これもやりやすかったですね。球をしっかり持ちます。
他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
Tenergy 05 > Rozena ≧ Rigan Spin ≧ GTT
スピード
Rakza 7 > Rigan Spin > キョウヒョウ系粘着ラバー