説明
Nittaku (ニッタク)さんの微粘着ラバー、Sieger PK50 (ズィーガーPK50)をレビューします!Nittaku (ニッタク)といえば、あの日本一売れているラバー、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)が思い浮かびますよね。スピン系テンションラバーの代表格であるFastarc G-1 (ファスタークG-1)。ただFastarc G-1 (ファスタークG-1)は2010年発売とやや古いラバーになります。またNittaku (ニッタク)さんは中国卓球の代表ラバー、Hurricane (キョウヒョウ)を扱うメーカーでもあり、本格派粘着ラバーも取り揃えています。一方で、スピン系テンションラバー (Fastarc G-1 (ファスタークG-1))と本格派ド粘着ラバー (Hurricane (キョウヒョウ))の間を取り持つようなラバーの取り扱いがありませんでした。間を取り持つようなラバー、球持ちの強いスピン系テンションラバーとして、ドイツ製微粘着ラバーとして、Sieger PK50 (ズィーガーPK50)が発売されました。Nittaku (ニッタク)さんの2023年パンフレットから、Sieger PK50 (ズィーガーPK50)の説明文を引用させていただきます。
弧線が高いから自信が持てる!
体勢が崩れたり遅れたりしても、攻めきれる強さ!その秘密は高いスピン性能を持つ「Sタッチシート」&”つかんで飛ばす”「PK50スポンジ」。4球目までにラリーが終わる確率は約60%と言われ、その間の勝負を決める技を磨くことは勝つための絶対条件!切って攻めるツッツキが、圧倒的な武器になる!+チキータも味方にして、ラリー戦を制する勝利者は君だ!
Nittaku 2023年春パンフレットより
、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)も、グリップ力が強くて多くのトップ選手が使うラバーですが、ドイツ製ラバーのためか、シートが厚くて硬い分、チップしやすいというイメージがある人もいるかもしれません。スポンジ厚さMaxが発売されて、チップはしにくくなりましたが、落とすというのはいいイメージはありません。そのイメージを払拭するような宣伝広告になりますね。評判も悪くないようで、非常に期待の試打になりました。
性能値
公表性能値を比較してみましょう。
Spin | Speed | Sponge硬度 | Price | |
Hammond Z2 ハモンドZ2 | 13.00 | 16.00 | 40.0 | 6,800 + tax |
Fastarc G-1 ファスタークG-1 | 12.50 | 15.00 | 37.5 | 6,800 + tax |
Fastarc P-1 ファスタークP-1 | 12.25 | 15.50 | 37.5 | 6,800 + tax |
Sieger PK50 ズィーガーPK50 | 12.75 | 14.75 | 40.0 | 5,500 + tax |
Hurricane III National Rubber Blue Sponge キョウヒョウ国狂ブルー | 15.00 | 14.75 | 42.5 | 18,000 + tax |
Hurricane Pro III Turbo Blue キョウヒョウプロ3ターボブルー | 15.00 | 14.75 | 50.0 | 6,600 + tax |
Hurricane Pro III Turbo Orange キョウヒョウプロ3ターボオレンジ | 15.00 | 14.75 | 45.0 | 6,300 + tax |
Fastarc G-1 (ファスタークG-1)からもっと回転がかかるようにしたラバーはSieger PK50 (ズィーガーPK50)であることがわかりますね。また2023年の価格改定に伴い、日本一売れているラバーFastarc G-1 (ファスタークG-1)が、税込み価格7,480円のHammond Z2 (ハモンドZ2)と同じ値段となりました。一方で、Sieger PK50 (ズィーガーPK50)も価格はあがりましたが、1,430円 (税込み価格で)安い6,050円でFastarc G-1 (ファスタークG-1と比べるとコスパの良いラバーに感じると思います。2023年の市場の動向も楽しみですね。続いて、硬度計で計った硬さを比較してみましょう。
Weight | shore a | shore a | shore c | shore c | shore a | shore c | |
g | sheet side | sponge | sheet | sponge side | sheet-sponge | sheet-sponge | |
Sieger PK50 | 52 | 26.4 | 29.2 | 41.9 | 43.6 | -2.8 | -1.7 |
Dignics 09C | 50 | 33.4 | 31.8 | 50.8 | 49.1 | 1.6 | 1.7 |
Dignics 05 | 48 | 34.3 | 31.3 | 50.0 | 48.2 | 2.9 | 1.8 |
Tenergy 05 | 47 | 32.2 | 26.8 | 44.6 | 43.3 | 5.4 | 1.3 |
Hammond Z2 | 49 | 32.2 | 30.6 | 43.2 | 42.2 | 1.6 | 1.0 |
Fastarc G-1 Max | 49 | 28.9 | 26.4 | 42.3 | 39.8 | 2.5 | 2.6 |
Hammonde Z2 (ハモンドZ2)やFastarc G-1 (ファスタークG-1)と比べると、Sieger PK50 (ズィーガーPK50)は微粘着ラバーではありますが、やや重いことがよくわかります。またドイツ基準で50°のPKスポンジは、そこまで硬さを感じるわけではなかったです。むしろ、シートがやや柔らかくスポンジが硬いHurricane (キョウヒョウ)に近いスポンジ設計になっているため、むしろ慣れれば扱いやすいラバーでもあるといえるでしょう。さすが、Hurricane (キョウヒョウ)を扱うNittaku (ニッタク)さんといえるでしょう。
Sieger PK50の貼りと重量
今回Sieger PK50 (ズィーガーPK50)は、WRMさんで購入した銀河のVenus V-14 (金星V-14)に貼りました。
Sieger PK50 (ズィーガーPK50) Sタッチシート / PK50スポンジ ・Sponge Thickness:中/厚/特厚 mm ・Speed:14.75 ・Spin:12.75 ・Sponge硬度:40.0° (ドイツ基準50°) ・5,500円 + 税 ・73 g(切断前) → 52 g (Venus V-14 (金星V-14)に貼って)
貼りあがり重量は52 gとやや重いラバーとなりました。シートの粘着感は弱く、まさに微粘着シートだと感じました。
Sieger PK50の3つの特徴
粘着ラバーというよりはスピン系テンションに限りなく近い!球持ちが良いラバーが好きならG-1よりも使いやすい!?
Sieger PK50 (ズィーガーPK50)は、かなりスピン系テンションラバーに近い性能でした!Hammonde Z2 (ハモンドZ2)やFastarc G-1 (ファスタークG-1)と比べると、そこまで硬さを感じにくいラバーで、中級者向けのラバーと言えるかもしれません。シートもHammonde Z2 (ハモンドZ2)やFastarc G-1 (ファスタークG-1)と比べて柔らかいため、簡単にくい込み回転をかけやすいですね!イメージとしては、Joola (ヨーラ)さんのGolden Tango (ゴールデンタンゴ)に近いイメージで、Golden Tango (ゴールデンタンゴ)をもっとスピン系テンションラバーらしくしたようなラバーだと感じました。
シートがやわらかいのでとにかく球持ちが抜群!
さきほども触れましたが、シートが柔らかいラバーですので、球離れが遅い分、非常に扱いやすいと感じるラバーだと思います。こういったラバーは個人的にはバックハンドでツッツキ、チキータ、ドライブするのに向いているラバーだと感じますね。ただバックハンドで使おうと思うと52 gですのでやや重いと感じるかもしれません。また粘着ラバーではなくスピン系テンションだと思ってフォアで使うのもアリだと思います。強く打った時に粘着ラバーらしい癖球が出ることもあり、フォアで使っても味の出る面白いラバーだと思います!
もちろん台上の操作性も高く、バックハンドでも使える!
微粘着ラバーですので、台上はしっかり止まり、チキータも球持ちがいいため、引きつけたいだけ引きつけてコースをついたり、スピードを出したりすることがしやすいと思います。サーブもしっかり切れるのに、速いロングサーブも出せて操作性も抜群です。バランスの良いラバーという点でも非常にオススメしやすいラバーだと思います。
各技術レビュー
フォアハンド系
軽打
特に違和感なかったです。
ロングボールやラリーでのドライブ
全然違和感なく使えました。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比べるとやはりスピード性能が高く、回転性能や粘着ラバーらしい癖球は出にくいと感じました。しっかり身体を入れると回転量の多いドライブも可能です。
対下回転に対するループドライブ
球持ちがいいのでループドライブはかなりやりやすかったです。Rigan Spin (ライガンスピン)よりも回転量の多いドライブが打ちやすいと感じました。こういうラバーは好みです。
対下回転に対するスピードドライブ
意外とやわらかいので、スピードドライブも打ちやすいです!
カーブ/シュートドライブ
ブロック
やりにくさはありませんでした。
カウンタードライブ
球を持つのでやりやすいですが、相手の回転の影響も受けるので、しっかり見極めは重要だと思います。
ストップ
やりやすかったです。当たり前に止まりました。
ツッツキ
フォアサーブ
良く切れますし、サーブの球足も速くて良かったです。
バックハンド系
軽打
やや重たいと感じつつも、違和感はありませんんでした。
ロングボールやラリーでのドライブ
キョウヒョウなどと比較すると中陣からのドライブがやりやすかったですし、スピードも出しやすかったです。
対下回転に対するループドライブ
シートの柔らかさで球持ちを感じるラバーですので、バックハンドでもやりやすかったです。
対下回転に対するスピードドライブ
カーブ/シュートドライブ
ブロック
非常にやりやすかったです。回転に負けない硬さを感じました。
ストップ
やりやすかったです。
ツッツキ
切りやすかったです。
チキータ
球を持つので、ネットにひっかけることは少ないと思います。飛距離が出にくいラバーですので、台上のチキータや台上ドライブ、フリックはかなりやりやすいと思います。
他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
Dignics 05 > Sieger PK50 ≧ Fastarc G-1
スピード
Fastarc G-1 > Sieger PK50 > Dignics 09C