説明
銀河 (YINHE)さんのラバー、Apollo 5 (アポロ5)の中間硬度38°のラバーをレビューさせていただきます。WRM (ワールドラバーマーケット)さん販売のラバーですね。銀河 (YINHE)のラバーは面白くて安価なラバーが多いので個人的には面白いなーと思うメーカーさんです。種々ラバーがあるようで、全貌を垣間見たいと感じますが、中国語はよくわからず、DHS (Double Happiness Shanghai, 紅双嬉)同様にネットで調べてもよくわからないことが多いですね。是非情報求むです。
さて、今回レビューするApollo 5 (アポロ5)は、Apollo (アポロ)シリーズの5番目のラバーということ、そしてWRM (ワールドラバーマーケット)さんが取り扱っているものは非常に品質の高いラバーになった国用のもののようですね。国用といいつつ、価格は3000円台ということで嬉しいですよね。中国ラバーということで前加工されていて、しかもラミネート加工もしっかりされているため空気の入り込む余地なく長持ちする点も嬉しい限りです。WRM (ワールドラバーマッケット)さんが取り扱いするApollo 5 (アポロ5)の硬度は36、38、40°の3種類になりますね。過去にも40°のApollo 5 (アポロ5)を使ったことがあり、WRM (ワールドラバーマーケット)さんのレビューへ投稿もしたことがあります。
Apollo 5 (アポロ5) 40°: アポロ5【銀河】 – katsuo000 : 卓球ラバーレビュー[卓球用品比較評価サイト] (blog.jp)
今総括するとApollo 5 (アポロ5) 40°は、フォア主戦型の選手のフォアに適したラバーで、サーブの切れ味、ループドライブの質と回転量は非常に素晴らしいものがありました。打感は木星IIブルースポンジ (Jupiter 2 Blue Sponge)と比較するとシートが特に硬さを感じやすく、ミートもしやすい打感であるところが異なる点ですね。ぶつけるようにボールを打球するとカチっと結構いい音とともに適度にボールが弾けるイメージで、粘着ラバーにしては回転性能も高くかつミートもしやすいラバーということで主揃さのあるラバーだと思います。シートが硬いのでテナジーよりもディグニクスらしさがある、という表現でいいのかわかりませんが、相手の回転の影響を受けにくいのでカウンターはしやすいと思います。ただ硬いので、バックハンドで上手に上書きして、というのは個人的には難しいかなーと思います。
最近自分はバックハンドに粘着ラバーを使っていて、メインはHurricane NEO 3 Blue Sponge (省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)を回してます。多少傷んでしまっているラバーでも粘着ともちもち感が素晴らしいので古いやつ含めて流用して使っていますね。バックハンドで使う分にはスピードが遅いと感じるようなことはなくて全く気にならず、レシーブやツッツキの操作性の高さ、ロングサーブに対するドライブやループドライブ、加えてバックハンドドライブもまずまずイケると感じて今に至ります。今回中間硬度の38°のApollo 5 (アポロ5)をバックハンドに使ってみようと感じて、試してみました。それではApollo 5 (アポロ5) 38°のレビューをしていきます。
性能値
硬度計での硬さ比較になります。
Weight | Shore a | Shore a | Shore c | Shore c | Sheet-Sponge | Sheet-Sponge | |
g | sheet | sponge | sheet | sponge | shore a | shore c | |
Apollo 5 38° | 51 | 35.8 | 40.2 | 54.2 | 53.3 | -4.42 | 0.92 |
Jupiter II Blue Sponge 39° | 52 | 32.8 | 38.3 | 51.7 | 51.7 | -5.58 | 0.00 |
Venus II Blue Sponge | 50 | 32.6 | 35.5 | 51.4 | 51.0 | -2.92 | 0.42 |
Dignics 09C | 50 | 33.4 | 31.8 | 50.8 | 49.1 | 1.58 | 1.67 |
Hurricane Pro III Turbo Blue | 58 | 36.8 | 41.4 | 53.1 | 57.6 | -4.67 | -4.50 |
Triple Double Extra | 50 | 25.1 | 31.8 | 42.1 | 46.1 | -6.67 | -4.00 |
Rakza Z Extra Hard | 55 | 30.3 | 30.8 | 46.5 | 47.8 | -0.50 | -1.25 |
Rasanter C53 | 52 | 28.4 | 26.1 | 42.8 | 39.2 | 2.33 | 3.67 |
Hybrid K3 | 51 | 28.5 | 25.3 | 42.2 | 40.3 | 3.17 | 1.92 |
Omega VII China Ying | 61 | 34.7 | 34.8 | 51.0 | 49.6 | -0.17 | 1.42 |
Hurricane NEO III Blue Sponge | 47 | 29.8 | 33.2 | 45.6 | 44.9 | -3.33 | 0.67 |
Moon Blue Sponge (月ブルー)でも言及しましたが、やはり中国製ラバーということで重いです。全て50 gを超えてくる、ということで使用者を制限する重さですね。省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジは高価な分、軽くて50 gを切ります。そしてApollo 5 (アポロ5)は中国製粘着ラバーらしく、シートよりもスポンジの方が硬いラバー群の1枚ですね。個人的にはこういうラバーは相手の回転の影響に敏感ではありますが、球持ちが良くて好みです。Apollo 5 (アポロ5) 38°は思ったより硬く、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に匹敵する硬さ、という結果になりました。38°でここまで硬いのは違和感ありますが個体差ですかね?
アポロ5の貼りと重量
5枚合板のVirtuoso+ OFF (ヴィルトーソ+OFF)に貼りました。
Jupiter II Blue Sponge (木星2ブルースポンジ)
・Sponge Thickness:2.2 mm
・Sponge Stiffness:36°、38°、40°
・3,480円 + 税
・74 g (切断前) → 51 g (Virtuoso+ OFF (ヴィルトーソ+OFF)に貼って)
中国製らしい強粘着ラバーでした。中国製の粘着ラバーはやはりこのベタつきがいいですよね。そしてコチコチということで、癖のあるラバーであることは間違いありませんね。
Apollo 5 38°の3つの特徴
強粘着とカチコチの共演!
Apollo 5 (アポロ5)はカチコチですね。このカチコチがポイントでループドライブのエグイ回転量を特徴としながら、簡単に弾けるので、スマッシュで決めにいけるような戦型にバチっとあるようなラバーになります。カチコチラバーであるためなかなかApollo 5 (アポロ5)はくい込みにくいラバーになるため、スピードドライブはくい込ませる系のスピードドライブではなく、擦る系のスピードドライブがメインになるのではないかと思います。イメージではスピード重視のドライブではなく、最大でもスピン5、スピード5のドライブが安定するようなスピードドライブのイメージになるかなーと思います。柔らかい38°や、まだ使っていませんが36°の硬度のApollo 5 (アポロ5)を選んで、思い切りぶつけてインパクトを出せば、くい込ませるスピードドライブも可能になってくるかもしれませんが、硬度計で測っても38°でカチコチ感が凄いので、そういう設計のラバーになるのかなーと思います。Nittaku (ニッタク)さんのHurricane Pro III Turbo Blue (キョウヒョウPro3ターボブルー)なみか、それ以上にくい込ませるドライブが難しいイメージです。3球目スピードドライブをメインで考える場合は難しさを感じると思うので、気を付けてほしいと思うところです。
Apollo 5 (アポロ5)の38°で、台上や球離れを活かしたバックハンド技術は操作性〇!
38°を今回使ってみて、微妙に柔らかいので思ったよりも球を持ったりできた印象です。ツッツキ、ストップ、ミートも球持ちを感じられました。ただ他のラバーと比べるとやや硬いので、40°と比べた体感やりやすいと感じたレベルですね。また5枚合板のラケットに貼ったので、弧線が普段より強く感じ、かつ飛距離も抑えられたためにも、操作性が良いと感じた部分はあったかと思っています。
そういった副次的な操作性の良さを感じつつ、Apollo 5 (アポロ5) 38°はバックで十分使えると感じました。特にツッツキ、ミート、あとフリックまたは乗せ打ちのような打ち方をするときにバックハンドでやりやすいと感じました。逆にドライブは硬すぎるのと球離れが早いことがあるので、ナックルをドライブするくらいならいいですが、ぶち切れのボールを持ち上げるのは苦労しそうな気がしました。
バックで使えてバックハンドループの質がかなり高い!
持ち上げるのはやや難しい感はありますが、カチコチラバーのため回転量はえぐく、しっかり身体でバックハンドループドライブが打てれば、バックハンドのループドライブで点数を稼げるレベルでした。バックハンドドライブは、多分一発狙うのはレベル差があるときか、バックハンド主戦型の取れる戦術で基本フォアハンド主戦はバックハンドドライブは、とっさのループさえできれば十分合格だと思ってます。そういうループドライブで点数も狙えるなら十分良い選択肢になると思います。
また粘着なので、ストップやツッツキも非常に質高く返球できるはずですので、相手が打ち急げば打ち急ぐほど懐深い卓球ができるかもしれませんね。個人的にやりにくいと感じた技術はやはりブロックで硬い分、角度がすべてで角度を間違えるとオーバーかネットミスしてしまうと感じました。
各技術レビュー
フォアハンド系
軽打
軽く使いましたがフォアには個人的には40°でいけると思います。ただ、くい込ませた感がないラバーなので、その感覚が好きな人には少し敬遠されるかもしれません。キョウヒョウよりもミート打ちやスマッシュがしやすいラバーなので、下がらず前陣で使う選手にはあうと思います。
ロングボールやラリーでのドライブ
カチコチなので、思い切りぶつけて感じになると思うのですが、ラケットによっては回転がかからず沈まないことがあるので、このあたりの修正はいるかもしれません。少し中陣からのドライブがやりにくいと感じました。
面を開いたドライブ
面を開いた方が良いのは明白ですが、くい込みにくいのでそれでも上へスイングすることになると思います。
対下回転に対するループドライブ
しっかり準備すればかなり質の高いループドライブが打てると思います。どうしても硬い分、インパクト強めに打つことになると思いますので、思い切って打球点を落として低くツーバウンドを狙うぐらいでちょうどいいと思います。
対下回転に対するスピードドライブ
これはやや難しいです。コスリ強めの方が安定はすると思いますが、スピードが出しづらいと思います。
カーブ/シュートドライブ
ややくい込みにくいので、打点を落としてカーブしてもあまり曲がらないかもしれません。シュートは打点を早めにとると思いますので、威力が出しやすいと思います。
ブロック
難しいですね。硬いから仕方ないですが。まだ38°は気持ちやりやすいかもです。
カウンタードライブ
カウンターはしやすいというか、相手の回転はあまり影響されにくいですが、とっさのカウンターはくい込ませられるほどインパクトを出せなくて落ちる、ということがありそうです。
ストップ / ツッツキ
ぶち切れが簡単に出せます。飛距離が出やすいですが、多少思い切り切って相手をけんせいするのはありかもです。
フォアフリック
フォアサーブ
切れますね。巻き込みでも下回転が切りやすいです。
バックハンド系
軽打
硬いですね。ミートに寄せた方がいいかもです。
ロングボールやラリーでのドライブ
少し難しいです。それはやはり硬さからくるインパクト不足ですね。こういう硬いラバーは結構振り遅れしたりインパクト強すぎてオーバーしたり、安定させることが難しいです。
対下回転に対するループドライブ
入ればエグイ回転の超ループになります。上方向に振る意識が良いと思います。
対下回転に対するスピードドライブ
このApollo 5 (アポロ5) 38°の場合、ミート打ちか乗せ打ちの方が楽にスピードが出せると思います。
チキータ
できますが、自分の力量ではなかなか使いこなしが難しいと感じました。
ブロック
やりにくいですね。できなくはないですが。
カウンタードライブ
回転重視のかけ返しに近いカウンターは自分には難しかったです。
ツッツキ
切れていいですね。
他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
Hurricane NEO II >Apollo 5 > Tenergy 05
スピード
Tenergy 05 > Apollo 5 ≧ Hurricane NEO II