説明
2022年XIOM (エクシオン)さんの話題の新作、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)をレビューします。このラバーは、2022年の話題の1枚になりました。火付け役はYou tuber のごぶりんずさんでしょうか。Dignics 09C (ディグニクス09C)からこのJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)へ変更して結果を出ているとなると、注目が集まることは納得ですね。その他では、元卓球王国のゆうさんが、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)の試打動画で、絶賛していたことも大きいように思います。そんな話題のJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)を試打してみました。
まず、Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズについての説明になります。
2 IN 1 (Dual Max / 氷と炎の融合!)
相反するパフォーマンスを1つのラバーに
ジキル&ハイド それは、互いに相反する要素が1つの個体に入っていることを意味する。飛び出しの速さとコントロール、スピンと打球速度は、互いに逆ベクトルの要素であり、その両方を同時に満たすラバーを作ることは難題だ。今回私たちは、ディープラーニングを基にしたCYCLOIDテクノロジーを中心に、新時代のデジタル技術を活用。これらの相反する要素を1つの調和した作品に統合し、驚くべき新商品を誕生させた。
H series Hybrid (Hシリーズ): テンションと粘着のハイブリッド
V series Drag (Vシリーズ): 最大級のスピンを生む超強力摩擦
X series Power (Xシリーズ): 極限のドライブ攻撃のための強弾性
Z series Custom (Zシリーズ): 世界トップレベルの選手のための特級仕様
C series ? Sticky (Cシリーズ)?: 取り扱い簡単な新世代の中国式粘着ラバー
メーカー情報によると2面性を持ったラバーシリーズのようですね。また卓球王国のゆうさんの情報では、人気の低価格テンションラバーシリーズ、Vega series (ヴェガシリーズ)と、上級者用をコンセプトとしているOmega series (オメガシリーズ)をつなぐシリーズとして発売されたのが、Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズだということです。katsuo000は現在、とんがったラバーのOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)を使っていますので、それなりに気になるシリーズになりますね。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比較できるようなレビューがしたいと思います。
続いて、各シリーズのラインナップとパンフレット情報を展開させていただきます。
Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)
中国式粘着トップシート搭載の二面性ギア
ボールをキャッチする感覚と圧力のある攻撃という、相反する二面性を同居させることに成功したハイブリッドラバー。中国ラバーに近い最新型の粘着性トップシートが確実で強烈なスピンを生み出し、エネルギーに満ちた高硬度スポンジがうねるような弾道でド迫力のドライブを発射させる。一度体感したら病みつきだ。
Jekyll & Hyde X47.5 / 50.0 (ジキル&ハイド X47.5 / 50.0)
ミート力とスピン力の双方をMAX強化
ボールをたたくミート系打法による垂直方向への飛び出しの速さと、ボールをこするスピン系打法による水平方向への牽引力と回転量ーその相反する双方向の要素を極限レベルにまで強化したモンスターラバー。スマッシュとドライブを使い分けて戦いたいプレーヤーにとって最高の相棒となる。
Jekyll & Hyde V47.5 / 52.5 (ジキル&ハイド V47.5 / 52.5)
超特急の引っかかりの中に潜む高反発力
ボールを最高のパワーで引っかけて猛烈な回転を作りたいーそんなプレーヤーの願いをいとも簡単に実現してくれるスピンモンスター。ボールの接触時間が長いから、どんな状況でも確実な回転をかけることが可能。しかも、スピードを出したい時には自由に出せる。超回転と不意打ちの速球。
Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)
世界代表クラスラバーの一般普及モデル
世界トップレベルで活躍する選手が使っている用具を、一般レベルの自分も使えないだろうかーそうした市民プレーヤーの願いをかなえた夢のラバー。元々は少数生産しかできなかったアイテムだが、技術革新が問題を解決。最上級のスピンとスピードが、より多くの人の手に届くようになった。
性能値
公表性能値を比較してみましょう。
Speed | Spin | Sponge | Price (without tax) | |
J & H Z52.5 | 16.5 | 16 | 52.5 | 9,800 |
J & H V47.5 | 13.5 | 14 | 47.5 | 6,500 |
J & H V52.5 | 14 | 14 | 52.5 | 6,500 |
J & H X47.5 | 14.5 | 14 | 47.5 | 7,000 |
J & H X50.0 | 15 | 14 | 50.0 | 7,000 |
J & H H52.5 | 13.5 | 15.5 | 52.5 | 6,500 |
Omega VII Tour i48 | 16 | 16 | 48.0 | 10,600 |
Omega VII Tour i50 | 16.5 | 16 | 50.0 | 10,600 |
Omega VII China Guang | 13 | 16 | 55.0 | 7,000 |
Omega VII China Ying | 12.5 | 17 | 60.0 | 7,000 |
Omega VII Hyper | 14.5 | 15 | 55.0 | 7,000 |
Omega VII Tour | 14.5 | 14.5 | 55.0 | 7,000 |
Omega VII Asia | 14.5 | 14 | 52.5 | 7,000 |
Omega VII Euro | 13.5 | 14 | 42.5 | 7,000 |
Omega VII Pro | 14 | 14 | 47.5 | 7,000 |
Omega V Tour DF | 12.5 | 13 | 47.5 | 6,000 |
Omega V Pro | 12.5 | 12.5 | 47.5 | 6,000 |
Omega Asia DF | 13 | 13 | 50.0 | 6,000 |
Omega V Euro DF | 12 | 13 | 45.0 | 6,000 |
Vega X | 12 | 11.5 | 47.5 | 5,000 |
Vega Tour | 12 | 12.5 | 45.0 | 5,000 |
Vega DEF | 8 | 12 | 57.5 | 4,400 |
Vega China | 7 | 12.5 | 54.0 | 4,400 |
Vega Japan | 10.3 | 10.5 | 45.0 | 4,400 |
Vega Asia DF | 9 | 9 | 42.5 | 4,200 |
Vega Euro DF | 8.5 | 9 | 37.5 | 4,200 |
Vega Pro | 10 | 10 | 47.5 | 4,200 |
Vega Asia | 9 | 8 | 47.5 | 4,400 |
Vega Euro | 8.5 | 8 | 42.5 | 4,400 |
Vega Elite | 8 | 8 | 40.0 | 4,000 |
Vega Intro | 7 | 7 | 47.5 | 3,200 |
プロットが多くわかりにくいですが、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)はJ&Hシリーズの中で粘着ラバーの位置付けになりますね。やや価格が安くなって、扱いやすく、手に取りやすくなったラバーがJ&H H52.5といえそうです。続いて硬度チャックです。
Weight | Shore a | Shore a | Shore c | Shore c | Sheet-Sponge | Sheet Sponge | |
g | Sheet | Shponge | Sheet | Spnoge | (shore a) | (shore c) | |
Dignics 09C | 50 | 33.4 | 31.8 | 50.8 | 49.1 | 1.6 | 1.7 |
Dignics 05 | 48 | 34.3 | 31.3 | 50.0 | 48.2 | 2.9 | 1.8 |
Tenergy 05 | 47 | 32.2 | 26.8 | 44.6 | 43.3 | 5.4 | 1.3 |
Jekyll & Hyde H52.5 | 49 | 33.4 | 29.3 | 45.5 | 44.9 | 4.1 | 0.6 |
Omega VII China Ying | 57 | 34.3 | 32.6 | 50.5 | 50.3 | 1.7 | 0.2 |
Omega VII Tour | 52 | 35.1 | 29.9 | 49.2 | 48.2 | 5.2 | 1.0 |
Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)は想像以上に軽いラバーでした。一方で、触った感触はかなりOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に似た粘着感とラバーの質感でした。表からわかるようにOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)は55 gを超える超重量級ラバーですので、使いやすくなったOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)が、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)と考えることもできそうです。またshore aのシート側とスポンジ側の差が、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりも大きいので、より扱いやすいラバーになっていると予想できると思います。粘着ラバーはこの差が大きいラバーが多いのですが、Dignics 09C (ディグニクス09C)やOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)など差が小さいラバーも増えてきた印象です。ドイツテイスト感が増したラバーほど、この差が小さくなり、扱いが難しくなる傾向があるように思います。
J&H H52.5の貼りと重量
Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)に貼りました。
Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5) ・Sponge Thickness:2.1/MAX mm ・Speed:13.5 ・Spin:15.5 ・Sponge硬度:52.5° ・6,500円 + 税 ・70 g (カット前) → 49 g (Virtuoso ACに貼って)
硬いラバーなんですが、XIOMのラバーにしてはかなり軽いと感じました。個体差によって軽いものをだったかもしれませんが、この重量なら扱いやすいラインに入ってくると思います!
Jekyll &Hyde H52.5の3つの特徴
スピード性能が抜群に高い粘着テンション系ラバー
オメガVIIチャイナ影よりもスピードが抜群に出る!
このラバー、初めはかなりOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に似たラバーと思いましたが、フォアクロスのドライブ連打のときのスピード性能が抜群に高く、まるで、Dignics 64 (ディグニクス64)やBryce Highspeed (ブライスハイスピード)系の驚くようなスピード性能を体感しました。これは目が覚める速さですね!打球感はかなりOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に似てるんですが、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりも格段にスピードが速いと感じました。というか、弧線が弱い分直線的に飛ぶイメージがこのJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)だと思います。粘着テンションラバーといいながら、ここまでスピード性能の高いラバーは面白く特徴になると思いました。またスピード性能の高いスピン系テンションラバーは直線的な弾道であるために、やや下回転打ちは難しかったり、打点を落とせない感じがあります。ですがJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)は粘着ラバーらしさもあるので、下回転打ちもやりやすくて、多少打点を落としても弧線で入れやすいと感じました。現代プラボールや抗菌ボールにあうようなラバーだと思います。
ストップは抜群にとまる!
1つ目で高いスピード性能について触れました。そうなると気になるのが、台上になりますね。実際、スピード性能に特徴のあるラバーは台上が止まりにくいということはよくあります。ですが、このJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)は台上、ピタどまりでした!初めて使ってみて一発ピタリと止められたのはかなりいい感触でした。これだけストップが止めやすいのは、まさに粘着ラバーと呼んでいいラバー性能だと思います!
回転をかけたい時にはしっかりかかる!
スピードも出るのに、台上が止まり、回転がかけたい時にはかかる。まさに矛盾をあわせもったようなラバーといえるのが、このJekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5、J&H H52.5)というラバーでした。回転量は確かにOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)の方が高いと感じましたが、スピード性能が高い分、想像以上の回転量に相手は困惑するような感じでした。ラリーにおいて、打点を落としてしまった時にループドライブのように回転量の多いドライブを打つことがあると思いますが、このラバーも粘着ラバーのように、ラリーのつなぎのドライブで相手のブロックをオーバーミスさせられるくらい、回転差をつけられるラバーでした。こういった使い方ができるラバーは非常に好みですね!
各技術レビュー
フォアハンド系
軽打
特に違和感なかったです。
ロングボールやラリーでのドライブ
思い切りくい込ませるとボールがかなり走って驚きました。めちゃめちゃ速いです。でも思い切り回転をかけると、回転もかかるんですね。この感じはかなり好みでした。
面を開いたドライブ
対下回転に対するループドライブ
Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりも弧線は低いと感じました。弾みますが弧線はイメージに近くて打ちやすかったです。ただOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)の方が回転量はやはり上ですね。
対下回転に対するスピードドライブ
これは早くていいですね!走ってます!ただ、ボールはやや軽いかもしれません。ただ、地方大会レベルならこの速さでノータッチ量産だと思います。
カーブ/シュートドライブ
ブロック
カウンタードライブ
ストップ
グリップするので、非常に止めやすかったです。良いですね!
ツッツキ
フォアフリック
フォアサーブ
切れますが、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)の方が切れますね。
バックハンド系
軽打
ロングボールやラリーでのドライブ
対下回転に対するループドライブ
対下回転に対するスピードドライブ
カーブ/シュートドライブ
ブロック
カウンタードライブ
ストップ
ツッツキ
チキータ
他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
Omega VII China Ying > Jekyll &Hyde H52.5 ≧ Tenergy 05
スピード
Dignics 05 > Jekyll & Hyde H52.5 > Omega VII China Ying