説明
リクエストもいただいていたXIOM (エクシオン)さんのOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)をレビューさせていただきます!トップ仕様で、エクシオンのラバーの中でも最も高価、最も性能の高いラバーになりますね。同類のラバーは、Omega VII Tour i 48 (オメガVIIツアーi48)、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)だと思われます。Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)は購入済みで今年中にはレビューしたいなーと思っておりますのでその際に比較したいと考えております。それでは、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)の説明になります。
Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)
https://xiom.jp/?pid=157086344
オメガVIIツアーiとは?
完全ハンドメイドによる特別仕様のプレミアムラバー。これまでトップ・オブ・トップのプロフェッショナルにのみ提供されていた門外不出の超希少品をリリース。圧倒的なパフォーマンスと感動的なフィーリングは、既存のラバーすべてを凌駕する。
完全オリジナルの特級スポンジ
最大の特徴は、オメガVII ツアー i専用のスペシャルスポンジ。素材の原料を一から見直して研究を繰り返し、熟練したラバー職人が長年の経験と繊細な感覚をもとに弾力性や気泡の大きさなどをコントロール。究極の球持ちと反発力を兼備した特級品となっている。
トップシートにも職人技を
トップシートの構造や素材は通常盤と共通ながら、ゴム原料の配合から加硫、カッティングまでに至る製造工程を量産ラインから分離。1枚1枚が職人の手仕事によって丁寧に練り込まれ、精密に焼き上げられている。その仕上がりは超高品質で極上の性能を誇る。
48度&50度一一柔か剛か
今回リリースするのは、実際に使用するトップ選手からの評判がすこぶる良い48度と50度のスポンジを搭載した2バージョン。48度ではディープなつかみと驚異的なボールの伸び、50度では激烈な回転量と圧倒的な球速が手に入る。スタイルによって選択しよう。
突き抜けた価格に見合う性能
常識的に考えて、この価格をラバー1枚に投資できるプレーヤーが多くないことはわかっている。しかし、オメガVII ツアー iの製作にかかる手間暇、唯一無二の打球感、勝利を約束する高性能には値段以上の価値がある。選ばれし者の世界へ、意を決して踏み込もう。
エクシオンさんの説明は誇張表現が凄いですね。でもこれを読むとラバーを使うときにとても楽しみになると思います。説明は、Omega VII Tour i 48 (オメガVIIツアーi48)と同じもので共通になっています。まープロ仕様を強調してますね。原産国はドイツですので、他のOmegaやVegaのラバー同様に、基本的には同じ工場で製造されているということのようです。
katsuo000は少し古いのですが、過去にOmega VII Tour (オメガVIIツアー)やOmega VII Hyper (オメガVIIハイパー)を試打レビューしています。また現在メインで使用しているOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)もわかりますので、それらと、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)を比較しつつレビューしていきたいと思います。
性能値
公表性能値を比較してみましょう。2022年のパンフレットから引用しております。
Speed | Spin | Sponge | Price (without tax) | |
J & H Z52.5 | 16.5 | 16 | 52.5 | 9,800 |
J & H V47.5 | 13.5 | 14 | 47.5 | 6,500 |
J & H V52.5 | 14 | 14 | 52.5 | 6,500 |
J & H X47.5 | 14.5 | 14 | 47.5 | 7,000 |
J & H X50.0 | 15 | 14 | 50.0 | 7,000 |
J & H H52.5 | 13.5 | 15.5 | 52.5 | 6,500 |
Omega VII Tour i48 | 16 | 16 | 48.0 | 10,600 |
Omega VII Tour i50 | 16.5 | 16 | 50.0 | 10,600 |
Omega VII China Guang | 13 | 16 | 55.0 | 7,000 |
Omega VII China Ying | 12.5 | 17 | 60.0 | 7,000 |
Omega VII Hyper | 14.5 | 15 | 55.0 | 7,000 |
Omega VII Tour | 14.5 | 14.5 | 55.0 | 7,000 |
Omega VII Asia | 14.5 | 14 | 52.5 | 7,000 |
Omega VII Euro | 13.5 | 14 | 42.5 | 7,000 |
Omega VII Pro | 14 | 14 | 47.5 | 7,000 |
Omega V Tour DF | 12.5 | 13 | 47.5 | 6,000 |
Omega V Pro | 12.5 | 12.5 | 47.5 | 6,000 |
Omega Asia DF | 13 | 13 | 50.0 | 6,000 |
Omega V Euro DF | 12 | 13 | 45.0 | 6,000 |
Vega X | 12 | 11.5 | 47.5 | 5,000 |
Vega Tour | 12 | 12.5 | 45.0 | 5,000 |
Vega DEF | 8 | 12 | 57.5 | 4,400 |
Vega China | 7 | 12.5 | 54.0 | 4,400 |
Vega Japan | 10.3 | 10.5 | 45.0 | 4,400 |
Vega Asia DF | 9 | 9 | 42.5 | 4,200 |
Vega Euro DF | 8.5 | 9 | 37.5 | 4,200 |
Vega Pro | 10 | 10 | 47.5 | 4,200 |
Vega Asia | 9 | 8 | 47.5 | 4,400 |
Vega Euro | 8.5 | 8 | 42.5 | 4,400 |
Vega Elite | 8 | 8 | 40.0 | 4,000 |
Vega Intro | 7 | 7 | 47.5 | 3,200 |
Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)は高い性能を持つことが良くわかると思います。唯一Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比較すると、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)は回転性能で劣ることになっていますが、その分、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)はスピード性能は、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)の足元にも及ばないという数値になっていますので、やはりOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)はエクシオンのラバーの中でもトップオブトップのラバーだということがわかりますね。続いて、硬度比較になります。
Weight | shore a | shore a | shore c | shore c | sheet-sponge | sheet-sponge | |
g | sheet | sponge | sheet | sponge | shore a | shore c | |
Omega VII Tour i50 | 51 | 32.0 | 28.6 | 43.3 | 41.8 | 3.4 | 1.4 |
Omega VII Tour | 52 | 35.1 | 29.9 | 49.2 | 48.2 | 5.2 | 1.0 |
Omega VII Hyper | 54 | 33.9 | 29.6 | 46.9 | 46.0 | 4.3 | 0.9 |
Omega VII China Ying | 57 | 34.3 | 32.6 | 50.5 | 50.3 | 1.7 | 0.2 |
Jekyll & Hyde H52.5 | 49 | 33.4 | 29.3 | 45.5 | 44.9 | 4.1 | 0.6 |
Dignics 09C | 50 | 33.4 | 31.8 | 50.8 | 49.1 | 1.6 | 1.7 |
Dignics 05 | 48 | 34.3 | 31.3 | 50.0 | 48.2 | 2.9 | 1.8 |
Tenergy 05 | 47 | 32.2 | 26.8 | 44.6 | 43.3 | 5.4 | 1.3 |
どちらかというと、Omega VII Tour i50 (オメガVIIツアーi50)はTenergy 05 (テナジー05)くらいの硬さに収まりました。エクシオンさんの発表の硬度どおり、Omega VII Tour i50 (オメガVIIツアーi50)の硬度50°ということでOmega VII Tour (オメガVIIツアー)やOmega VII Hyper (オメガVIIハイパー)よりも柔らかいラバーとなりました。このようにやや柔らかくなりますが、Omega VII Tour (オメガVIIツアー)以上の回転性能が発揮するのか楽しみですね。
Tour i50の重量と貼り
やはりここはオールエクシオンにしたいなーということで、Ice Cream AZXi (アイスクリームAZXi)に貼りました。もちろん、Omega VII Tour i50 (オメガVIIツアーi50)の反対側はOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)です。もしかしたら、ジョン・ヨンシク (Jung Yougsik)選手モデルですね。↓
「Specification」のチェックに48、50に加え、55がありますね。おそらくカルデラノ選手のようなハードヒッターな選手は55°のオメガVIIツアーiを使用しているのでしょう。一般市販で55°のツアーiが発売されることはあったら是非レビューしてみたいですね~。
Omega VII Tour i50 (オメガVIIツアーi50 ・Sponge Thickness:MAX mm ・Speed:16.5 ・Spin:16.0 ・Sponge硬度:50.0 ・10,600円 + 税 ・71 g(切断前) → 51 g(Ice Cream AZXi (アイスクリームAZXi)に貼って)
Omega VII Tour (オメガVIIツアー)と比べると軽いですね。これでスピードもスピンもOmega VII Tour (オメガVIIツアー)よりも高いなら、かなり性能の高いラバーになると思います。
Omega VII Tour i50の3つの特徴
このラバー、凄いポテンシャルのラバーですね。やはりOmega VII Tour (オメガVIIツアー)とテイストやマッドな打球感は似ていると感じましたが、上手にボールを捉えたときの威力やエネルギー効率はレベチで、Omega VII Tour i50の方が上でした。ボールの走り方、回転量、伸び、重量など、まさにトップオブトップの超高性能のラバーだと感じました。
マッドな打球感なのに、スピード性能も回転性能も超一級品!
もの凄いラバーですね。まずものすごく弾みます。例えると、有機系溶剤を使ったときのような弾みを感じました(もちろん一度も使っておりません)。打感はややマッドなのですが、スポンジとシートの戻りが綺麗にそろっているような、そんな品質の高さを感じました。この打球感は驚きましたね。ドライブを打ってみるとボールがうねるとともに、もの凄いボールの伸びを感じました。粘着ラバーで弧線の強いラバーを使っていることもあってか、このOmega VII Tour i50(オメガVIIツアーi50)は制御が難しくて、扱いきれないと感じました。このポテンシャルの高さは尋常じゃないですね。とにかく、今まで様々なハイエンドラバーを試打してきましたが、3本の指に容易に入るエネルギー効率のラバーでした。
ものすごさは、まだあって、普通スピードが出せるラバーというのは、あまりハードにぶつけるとスポンジやシートの粒がつぶれたり倒れたりしすぎて、ラケットにダイレクトにあたるような打感となって弾いてしまい、回転をかけにくくなってしまうことがよくあります。打感がマッドなこのOmega VII Tour i 50(オメガVIIツアーi50)は、ものすごい容易にスピードドライブが打てるのに、思い切りドライブを打っても、ちゃんと回転がかかりスピードドライブも打てる素晴らしいラバーだと感じました。この性能はもの凄いですね。このラバーは、明らかにTenergy 05 (テナジー05)を超えていて、Dignics 05 (ディグニクス05)級かそれ以上のラバーと言えるでしょう。
ボールの弧線は低く、スピードドライブはかなり伸びる!
Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)と比べると、弧線は明らかに低いですね。Dignics 05 (ディグニクス05)もかなり弧線の高いラバーなので、この弧線の低さは、このラバーの特徴だと思います。非常に弧線が低いので、スピードドライブが非常に直線的に感じ、相手にプレッシャーを与えることが可能だと思います。それでいて、ドライブの回転量もマニュアルですが、最大値は青天井のような感じで、最大限しっかりかけることができるラバーなので、驚異的だと思います。これ以上ないスペックでこれ以上を作ることが難しいといえるようなラバーだと思います。
ツッツキはぶち切れ、ストップもとまり、カウンターも抜群にやりやすい!
ほめちぎる言葉しか出てこなくて、恐縮なのですが、ツッツキもストップもとまるし切れますね。弧線が低いので、カウンタードライブもやりやすいと感じました。ボールをしっかりもって、どちらかというとテナジー系のモチモチした打感の方が強く、滑ることなくボールを掴むこともしやすいです。このラバーを使って負けるということは、実力で負けたと強く感じるラバーでもあるかもしれません。
各技術レビュー
フォアハンド系
軽打
他のスピン系テンションラバーと比べても結構弧線が低いと思います。使いにくさはないです。
ロングボールやラリーでのドライブ
弧線が低いですね。いい加減なスイングでスピードを出すとオーバーミスしやすいですが、しっかり回転をかけてスピードを出せば、相手のコートにドライブが突き刺さるように入りました。またドライブの重さもあるようで相手へのプレッシャーを与えられると感じました。とっさに打つと思ったより弧線が出ないのでミスがありましたが、このあたりは慣れだと思います。
面を開いたドライブ
いいですね。エグイスピードドライブがガンガン打てますし、回転をかければしっかりボールが沈むので安心してスピードドライブを狙うことができると感じました。
対下回転に対するループドライブ
弧線が低いので、ネットに浅くて低い、質の高いループドライブをうつことがやりやすかったです。回転量も青天井感のあるラバーでした。
対下回転に対するスピードドライブ
ボールの伸びが最高です。
カーブ/シュートドライブ
ブロック
軽いラバーだと、相手の回転に影響を受けやすいと感じると思いますが、このラバーはそこまで難しいと感じませんでした。やりやすいですね。
カウンタードライブ
ミート系も回転系もどちらもやりやすかったです。素晴らしいですね。
ストップ
やりやすいんですよ。驚きでした。切ることもできます!
ツッツキ
これも問題なくいけます。ブチっと切れます。回転量は粘着ラバーに負けないくらいで、Dignics 05 (ディグニクス05)なみだと感じました。
フォアフリック
フォアサーブ
弾みますが、高い回転量を感じました。良いラバーです。
バックハンド系
軽打
正直、打感がマッドでバックハンドでは扱い切れるようなラバーではなかったです。
ロングボールやラリーでのドライブ
いいボールは打てなくはないですが、自分の腕ではオーバースペック過ぎると感じました。というのは押すように打球してもボールが伸びるんですね。このラバーに慣れてしまうと変な癖もつきそうだと感じました。しっかりドライブが打てる人が使った方が良いと思います。
対下回転に対するループドライブ
対下回転に対するスピードドライブ
カーブ/シュートドライブ
ブロック
やりやすかったです。ボールを持つので、アクティブブロック(伸ばすブロック)をやりやすいです。
カウンタードライブ
ミートっぽくうつこともドライブすることもできます。ミートしても前身回転がかかっているような感じでした。
ストップ
よくとまりました。回転をかけたほうがいいと思います。
ツッツキ
切れます。武器になります。
チキータ
弧線が低いので、思い切り回転をかけにいきやすいと感じました。やりやすいです。
他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
Dignics 09C > Omega VII Tour i50 ≧ Dignics 05
スピード
Bryce Highspeed > Omega VII Tour i50 > Dignics 05