レビュー Q3

説明

 大手スポーツ用品ブランドのMIZUNO(ミズノ)は卓球界では後発ですが、他社卓球メーカーとの差別化を図るため、卓球界では挑戦的に住友理工とラバーを共同開発しました。その共同開発したラバーがQシリーズになります。Q3の発売は2017年で発売当初から、住友理工との共同開発した挑戦的なラバーとして話題となったラバーでした。この背景には近年卓球界ではドイツ製ラバーが台頭し、日本製ラバーはButterfly(バタフライ)のTenergy(テナジー)シリーズとDignics(ディグニクス)シリーズをのぞいて、減って来ている事実があります。しかしながらミズノは共同開発できるメーカーを探してゼロからトップ選手用のラバーを開発したわけです。非常に挑戦的で卓球界に刺激を与える効果があったと思います!

 Qシリーズのラバー以前のミズノのラバーといえば、テンション系表ソフトラバーのヒット商品、Booster(ブースター)シリーズや、ドイツ製テンション系裏ソフトラバー、GFシリーズが挙げられると思います。ブースターシリーズは女子選手を中心に存在感を示していましたが、GFシリーズは辛口に申し上げると浸透はあまりしていませんでした。価格帯もトップ仕様というよりは中級者層をターゲットにしたような価格設定でした。一方、ラケットについては、元日本代表の藤沼亜衣選手が監修した7枚合板ラケット、Fortius FT(フォルティウス)が、扱いやすさと7枚合板の威力で確かな存在感を示していました。しかしながらラケットは一度購入したら1年以内に新たに購入する類のものではないので、収益には繋がりにくいのでしょうね。そこで、トップ選手でも使用に足るハイエンドなテンション系裏ソフトラバーの開発が始まったのだと思います。

 住友理工との共同開発において、参考としたと思われるラバーはモンスターラバー、テナジーシリーズでしょう。現在ではQシリーズはQ3、Q4、Q5と3種類販売されていますが、本ページで試打レビューしているQ3は最もスピード性能が高いとしているラバーになります。テナジーシリーズでいうところの、Tenergy 64(テナジー64)に当たるラバーになるわけですね。このラバーの注目は、なんと言っても他のメーカーのラバーでは絶対に使用していないスポンジとシートです。katsuo000は卓球のラバー製造は詳しいわけではないですが、基本的に各卓球メーカーは製造工場を持っているわけではなく、シート材質、シートの粒形状、スポンジ材質、スポンジ硬度などを指定して、外注していることが多いようなのです。よってシート材質、粒形状、スポンジ材質、スポンジ硬度の組み合わせはいく通りも存在するでしょうが、流行のラバーに求められる、シート材質、粒形状、スポンジ材質、スポンジ硬度はどうしても似てきますから、同じラバー製造工場で製造されたラバーはどうしても似てきてしまう、ということが生じるのでしょう。しかしQシリーズは住友理工で製造されていて、住友理工は他のラバーは製造していないようですので、他の卓球用具メーカーとは差別化されているというわけです。同じことをしているメーカーは、Butterfly(バタフライ、タマス)になりますね。自社工場を持ち、テナジーやディグニクスといったラバーはバタフライの工場でしか作ることができない、という強烈な差別化をはかっているわけですね。

 ミズノのホームページに種々の情報が掲載されていますので引用させていただきました。

 Q3は、粒の太さが1.65 mmと少し細めで粒と粒との間は0.63 mmに調整されています。テナジーシリーズの主軸、Tenergy 05(テナジー05)、Tenergy 80(テナジー80)、Tenergy 64(テナジー64)は、粒の太さが1.7 mmで粒と粒との間の距離が最も短いのがテナジー05、中間がテナジー80、最も離れているのがテナジー64になります。Q3は1.7 mmよりも細い1.65 mmの粒で、倒れやすくてスピードが出しやすいラバーになるようです。また、シートの厚さは0.78 mmで粒の高さは0.99 mmと他のQ4、Q5よりも高い粒ですので、それだけ粒が細い特徴が現れやすいラバーと想像できますね。

性能値

 公表性能値はGFシリーズには存在しますが、Qシリーズは図・マトリックスしか存在しません。ミズノのホームページより引用させていただきました。

 Qシリーズは、スピードも回転性能も、GFシリーズよりも高いことが分かりますね。

 Q3は飛距離が出ることがよく分かりますね。弾道は最も低いこともわかります。

 上記の図は、かなり理系な図で、個人的には興味深いですがわかりにくいですね。ラバーに使用されているゴムという材料は粘弾性を持つ材料ですので、外からの力に対して、どのように応答するのか、その応答を数値化している図になりますね。
 この図はゴムに力を加えたときに戻ろうとする力の効率のようですね。硬いとエネルギー損失が大きくなるみたいですね。このようなグラフをおそらくゴムの組成ごとに作っているのではないかと想像します。適切に硬く、適切にエネルギー効率の良いラバーを導き出しているのだと思います。

 わかりやすいですね。Q3はテナジーやディグニクスでいうところの64に当たる粒形状だと言えますね。ただし、完全に同じではないということもわかります。おそらく、Qシリーズはミズノの看板ラケット、フォルティウスFTまたはFortius FT ver. D(フォルティウスFT ver. D)と組み合わせて開発されたようで、木材系のラケットとの相性が良いラバーのようです。木材系ラケットは球持ちが良く回転をかけやすい一方で、スピードは少し遅くて弧線も高く出やすいのが特徴です。スピードが遅く、弧線が高いことを補うようなラバー仕様になっていると思います。

Q3の貼りと重量

 いつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

 ラバーの反り返りがすごいですね。テンションがかかっているのでしょうね。他のメーカーと比べても明らかに反り返ってます。ちなみに独特のゴム臭さがあります汗。

Q3(キュースリー)
 テンション系裏ソフト(XL52/3)
 日本製、日本卓球協会検定品
 細めの粒形状、粒と粒の間が狭い
・Sponge Thickness: 中(1.7 mm)、厚(1.9 mm)、特厚(2.1mm)
・Sponge硬度:47
・6,300円 + 税
・69(切断前) → 47 g(張継科ZLCに貼って)

 軽いと感じました。64に近い粒形状のシートですので、軽いのは当たり前かもしれません。

Q3の3つの特徴

1. 粘着ラバーのような打球感!

 Q3は打球感は非常にマットでまさに粘着ラバーに近いようなスピン系テンションラバーでした!粘着ラバーのような打球感ですが、スピードはスピン系テンションラバーとして十分以上出てるし、回転量と重さも最低限あったと感じました。打球感はおいておいて、打てるボールは前評判通りのものだと感じましたね。イメージとしては、Q3はスポンジ粒は倒れやすいスピード系の粒形状のシートでありながらスポンジはかなり硬めでハードなラバー、と感じました。

2. ツッツキ、ストップが止まる!

 驚いたのが、Q3のツッツキとストップで、とにかくピタリととまりました他のQシリーズも同様でツッツキ、ストップが浮きにくかったです。素晴らしい特徴だと思います!切りやすいわけではないですが、ツッツキとストップの止まり方は非常に好印象でしたね。これだけ止めやすいとなると、普通に本職として使っても良いと感じました!

3. カウンタードライブがやりやすい!

 ツッツキとストップに加えて、非常に好感触だったのがQ3でのカウンタードライブですね。上書き系のカウンタードライブがとにかく好印象で、ひきつけてドライブで上書きするとたいてい入るような万能感がありましたね。これは非常に頼りになるラバーだと感じましたね。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 硬さを感じますね。硬さでボールが落ちそうな打球感でした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ドライブも硬さで落ちそうになる感じです。弱いタッチのドライブが難しくて、ドライブを打つならガツっとかけないと落ちてしまう感じです。ドライブを打って感じたこととして、弧線を大きく描きやすい木材系ラケットとの組み合わせた方がバランスが取れそうな気がしました。まさにフォルティウスFTかフォルティウスFT ver. Dですね。ただどちらも重いラケットで、ラバー面積も広いラケットですので、Qシリーズを貼るとかなり重くなると思います。
 ドライブのスピードはかなりあって、弧線もしっかり描いていました。同じくらいのスポンジ硬度であるRasanter R48(ラザンターR48)と比べても明らかに硬くてマッドでヘビーな打球感でした。

面を開いたドライブ
 硬いラバーなので期待したのですが、思ったよりすぐ板に当たる感じがありました。Q3だからかもしれません。Q4またはQ5に期待したいです。板に当たる感じがあるので、食い込ませすぎると回転がかからずミスしやすくなると思います。

対下回転に対するループドライブ
 Q3でもかなり質の高いループドライブができました。少し体が怠ると回転量が落ちる感じがありましたが、スピード系の粒形状のラバーであるのにかなり好感触なループドライブでした。Q4やQ5に期待したいです。

対下回転に対するスピードドライブ
 これは要注意で、スピードと回転を半々くらいでのスピードドライブが安定しました。食い込ませすぎると不安定です。板に当たり易いからだと思います。

カーブ/シュートドライブ
 あまりじっくり打てなかったのですが、かなり好感触でした。少し巻き込んでカーブドライブ気味にドライブする方が、回転のかかり方が強くて横回転が入る分ボールも安定してよかったです。

ブロック
 やりやすかったです。硬くて相手の回転の影響を受けにくいためだと思います。

カウンタードライブ
 上書き系のカウンタードライブがやりやすくてよかったです。またカウンタードライブは思ったよりスピードが出やすくて出すつもりがなくてノータッチを狙えるドライブになる感じがありました。

ストップ
 ボールを止めやすくてよかったです。スポンジ硬度以上に止め易いと思います。

ツッツキ
 こちらも低くて良かったです。ただしあまり切れていないので上手な人は打ち込めると思います。

フォアフリック

フォアサーブ
 しっかり切ることができて良かったです。最低限の回転がかかっていると感じました。

バックハンド系

軽打
 そこまで硬いとは感じませんでした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 意外とやりやすかったですが気を抜くと振り遅れてミドルやフォアへ流れて行きました。ドライブしやすいラバーだと思います。

対下回転に対するループドライブ
 思ったより難しかったです。球離れが速く、手だけで打とうとすると落ちると思います。しっかり体で打てれば十分安定すると思います。 

対下回転に対するスピードドライブ
 腕の問題だと思いますが難しかったです。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 硬くてあまり回転の影響を受けないのでやりやすかったです。スマッシュなどをとるのは難しいと思います。

カウンタードライブ

ストップ
 やりやすかったです。少しとまりすぎてネットミスもありました。

ツッツキ
 こちらも低くて良かったです。でも切れてはないですね。

チキータ
 やりやすかったです。しっかり上に上がりますね。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 > Q5 ≧ Tenergy 05 Hard > Q4 ≧Tenergy 05 > Q3 ≧ Tenergy 80

スピード
 Dignics 05 > Tenergy 80 ≧ Q3 ≧ Q5 ≧ Q4 > Tenergy 05

https://amzn.to/2GHuwhf

レビュー Dignics 64(ディグニクス64)

説明

 Butterfly(バタフライ)のハイエンドラバーシリーズ、Diginics(ディグニクス)シリーズの中で最もスピード性能に特化したディグニクスが、このDignics 64(ディグニクス64)になります。ディグニクス64のターゲット層はTenergy 64(テナジー64)を使う層で、さらなるスピードと回転を求めるのであればディグニクス64を提案しようという意図だそうですね。
 katsuo000がディグニクス64に注目した理由は、バタフライホームページにおいてZhang Jike ZLC(張継科ZLC)とディグニクス64が相性が良いと紹介されていたためですね。以下、バタフライの特設ページより転載させていただきました。

 またkatsuo000は恥ずかしながらテナジー64を使ったことがありません。もっとスピードに特化したBryce Highspeed(ブライスハイスピード)は使ったことがありますが、テナジー64はブライスハイスピードと似たようなラバーなのかな、程度しか思っておらず打とうとも思っていませんでした。こちらのブログで再三、Dignics 05(ディグニクス05)を良いと称賛していますが、他のディグニクスと比べたらどうなのか、知るためにも使ってみようと思い試打してみました。

公表性能値の比較

 公表性能値比較を下記に示します。

 性能からわかるように、ディグニクス64はRozena(ロゼナ)以上のスピン性能と、ブライスハイスピードに次ぐ高いスピード性能のラバーとなります。スピード性能はブライスハイスピードに続いて、バタフライのラバーの中でも2番目に速いということで、圧倒的にスピードによったラバーであることがわかります。

 Spring Sponge X(スプリングスポンジX)とDignics(ディグニクス)シリーズのシート

 ディグニクスシリーズに採用されているSpring Sponge X(スプリングスポンジX)は、テナジーシリーズに採用されているSpring Sponge(スプリングスポンジ)の進化版と言われています。スプリングスポンジが独立気泡のスポンジで、他のラバーメーカーでは製造できないバタフライ独自技術だそうです。そのスプリングスポンジの独立気泡を、独立を維持したままより細かくしたものがスプリングスポンジXということです。結果、スプリングスポンジよりもスプリングスポンジXの方が、14%変形しやすくなり、反発力は3%向上しているそうですね。
 テナジーシリーズのスプリングスポンジといえば、オレンジ色のスポンジが特徴的ですが、ディグニクスシリーズのスプリングスポンジXは真紅と言える赤色が特徴で、一眼でディグニクスシリーズとわかります。ちなみに類似の色のスポンジが他メーカーでありまして、THIBAR(ティバー)のEvolution(エヴォリューション)シリーズのスポンジの色と酷似していますね。

 表面の強度と球持ちが改善したことも紹介されています。球持ちについてはシートで捉えるカウンターやチキータがより安定することが紹介されていますね。また強度ですが水谷選手も言及されていてラバーの交換までの時間が長くなったとおっしゃってます。確かにテナジーシリーズと比べてもシートが白くなるまでの時間が長くなっていて、保管条件が良ければ1年近くシートの劣化は感じません。ラバー全体で考えると、スプリングスポンジXのテンションというか張りが緩む感じがあるので、刻一刻と状態は変化していくと感じます。
 ディグニクスシリーズのシートは透明感が強くなっていますが、ドイツ製の曇り系シートに近い強いシートを採用しているようなので、抜群にチキータやカウンターがやりやすいと感じます。

ディグ64の貼りと重量

 いつものようにZhnag Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

Dignics 64(ディグニクス64)
 ハイテンション裏ラバー
 スプリングスポンジX
・Sponge Thickness: 厚(1.9 mm)、特厚(2.1 mm)
・Speed:14
・Spin:11
・Sponge硬度:40
・9,800円 + 税
・67 g(切断前) → 45g(張継科ZLCに貼って)

 特厚で貼って、45 gは軽いですね。重量として相当軽いラバーになりますね。

Dignics 64の3つの特徴

1. ディグニクシリーズの特徴、硬いシートによるツッツキ、ストップのやりやすさ、カウンタードライブのやりやすさは顕在!

 想像以上に、ディグニクス05やディグニクス80と打球感が似ていました。ディグニクス64はスピードに特徴のあるラバーではありますが、他のディグニクス05やディグニクス80と同じようにツッツキやストップがしっかり止めやすいと感じました。ブライスハイスピードではスピードはもちろん速く、回転もかけやすいラバーと感じましたがツッツキやストップはかなり難しかったです。しかしディグニクス64はツッツキやストップが低く止められるのに、スピードが出る、数少ないラバーだと感じました。他のディグニクス同様に、ツッツキやストップがしっかり止めることができてかなり頼もしいラバーでした。
 またディグニクスシリーズで再三絶賛しているカウンタードライブのやりやすさも健在でした。相手の回転の影響を受けにくいです。Dignics 09C(ディグニクス09C)は異なるのでしょうが、ディグニクスの05、80、64はそれぞれ同じスポンジと同じ材質のシートを使っていて、異なるのはシートの粒形状のみだと思います。従って同じシート材質と同じスポンジを使用しているディグの05、80、64は、シートとスポンジから現れる特徴が似てくるのだと思いました。粒形状は打球感、とりわけ食い込ませた時の打球感に変化を与えると感じます。スポンジに食い込ませない打球であればディグの05、80、64はかなり近いのかもしれません。唯一カウンタードライブは、スポンジに食い込ませることの方が多いと思いますが、自分のカウンタードライブのやりやすさは、シートが硬いか、シートが回転の影響を受けやすいか、にあるようで、硬くて回転の影響を受けにくいディグニクスのシートはやりやすいと感じました。つまりディグニクス64はカウンタードライブもやりやすかったです。

2. ディグニクスシリーズの中で最も扱いやすい!硬さを感じにくい!

 バタフライの契約選手が発信されている内容ですが、他のディグニクスと比べてディグニクス64は食い込みが良かったです。従って他のディグニクスよりもディグニクス64は明らかに扱いやすいと感じました。特にミート、ブロックやスピードドライブは非常にやりやすかったですね。ディグニクス05ではインパクト不足でボールが落ちることも多いですし、球を持つ前にラバーの硬さでミスしてしまうことがあります。katsuo000はそのようなディグニクス05の難しさを補うために体幹を意識したり、手だけで振るのではなく腰の回転で振ることを意識しているのですが、その分フォアとバックの切り返しが遅れたり、しやすいのですが、ディグニクス64ではそこまで気にしなくても使えました。

3. ディグニクスの中で最も球離れが速く、ピッチ最速!

 ディグニクス09Cは粘着ラバーで、ディグニクス05も非常に球持ちを感じさせるラバーで、その分、球離れは遅いと感じました。球離れが遅い分回転をかけやすくコントロールもしやすいのですが、ピッチはほんの小さな差ですが遅くなります。一方、ディグニクス64は他のどのディグニクスよりも球離れが早かったです!従って球離れの早さで相手にプレッシャーをかけることにメリットを感じるのであれば、是非ディグニクス64がオススメと言えるでしょう。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 他のディグニクスと差を感じませんでした。ただ、貼りたてにしてはラバーの張りを感じなかったように感じました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 非常にスピードドライブがしやすく直線的でした。ディグニクス05でも直線的なスピードドライブは打ちやすいですが、ディグニクス64の方が安定感がありました。

面を開いたドライブ
 少し球離れが速いと感じました。あまり向いていないかもしれません。

対下回転に対するループドライブ
 やりにくさはありませんが、回転量が少し物足りないと感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 少しオーバーミスが気になりましたが、それは腕の問題だと思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 やりやすかったです。回転をくらいにくいのでしょう。

カウンタードライブ
 カウンタードライブも健在でした。

ストップ
 低くおさまりました。やはり回転量はやや少ないですね。

ツッツキ
 こちらも低かったですが回転量は少し劣りましたね。

フォアフリック
 やりやすかったです。ディグニクス05よりも柔らかいのでしっかりグリップして打てる感じがありました。

バックハンド系

軽打
 少し球離れの速さを感じました。自分はバックもグリップして打ちたいし、アウターカーボンを使っているので少しやりにくいとも感じましたね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 悪くはないですが、結構飛距離が出るので、ついついスピードドライブをしたくなって無茶打ちが多くなりました。

対下回転に対するループドライブ
 少しネットミスが多かったですがやりにくとは思いませんでした。 

対下回転に対するスピードドライブ
 少し技量不足でミスが多かったですが、やりやすいですね。

カーブ/シュートドライブ
 チキータはスピードタイプの方が威力はありました。

ブロック
 やりやすかったです。

カウンタードライブ
 下手ですが、練習すればできるようになる気がします。

ストップ
 やりやすかったですが回転量は少ないです。

ツッツキ
 やりやすいですが、回転量は少ないです。

チキータ
 やりやすかったです。ディグニクス05は硬いのと、弧線が高すぎるので感覚が難しいですが、ディグニクス64の方がやりやすいと感じる人もいるのではないかと思います。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 > Dignic 64 ≧ Bryce Highspeed > Blue Storm Z1 Turbo

スピード
 Bryce Highspeed > Dignics 64 ≧ Dignics 80 > Dignics 05

https://amzn.to/3slQOdg

レビュー Rhyzer Pro 50(ライザープロ50)

説明

 Rhyzer Pro(ライザープロ)はJoola(ヨーラ)のラバーになります。Joola(ヨーラ)のハイエンドラバーの1つに位置します。日本ではJoolaはラージボール卓球の方が有名なメーカーかもしれません。しかしながら、Joolaの用具は卓球王国を拝読していると度々取り上げられます。良い製品が多いことを反映しているのでしょう。
 今回katsuo000が試打したラバー、Rhyzer Pro(ライザープロ)のキャッチコピーは「鋭く尖った」ラバーです!50°のハードなスポンジを採用していて、ヘビー級ラバーになりますね。Rhyzer(ライザー)シリーズには、Rhyzer 48(ライザー48)、Rhyzer 43(ライザー43)と柔らかいラバーと、Rhyzer Pro 45(ライザープロ45)が販売されていて、今回のRhyzer Pro 50(ライザープロ50)はまさにハードヒッター用のラバーだそうです。
 katsuo000が着目したのは、Rhyzer Pro 50(ライザープロ50)がアウターカーボンにあうラバーと、卓球王国でレビューされていた点です。50°の硬度のラバーが果たして本当にアウターカーボンにあうのでしょうか。Zhang Jike ZLC(張継科ZLC)をメインに使う自分としてはかなり気になる点ですね。一般的には硬いラバーは柔らかいラケット、木材やインナーカーボンに合わせるのがセオリーです。しかしながら、Joolaさんはアウターカーボンラケットを多く販売しています。Butterfly(バタフライ、タマス)では廃盤となったヒノキを使った板厚アウターカーボン系ラケットタイプをJoolaさんでは現在でも販売しているメーカーになります。例えばヒノキのアウターカーボンで板厚が厚いNobilis(ノビリス、3+2アウターPBO-C、板厚7.1 mm)やRossi Emotion PBO-C(ロスコフエモーションPBO-C、5+2インナーPBO-C、板厚6.3 mm)など、飛距離が出しやすそうなラケットが多いですね。本当にアウターカーボンラケットとRhyzer Pro 50(ライザープロ50)は相性が良いのか、試打してみました。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

 Rhyzer Pro 50は、Rhyzerシリーズの中でスピード、スピンともに最高値のラバーになりますね。価格は6,800円 + 税とやや高めですね。

Rhyzer Pro 50の貼りと重量

 いつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

 ずしりとくる重さを感じました。個人的には好きな類のラバーになりますね。

Rhyzer Pro 50(ライザープロ50)
 スピン重視テンション
 太めの粒形状、粒と粒の間が狭い
 Made in Germany
・Sponge Thickness: 2.0 mm、Max
・Speed:9.5
・Spin:9
・Category:Professional
・Sponge硬度:Hard
・6,800円 + 税
・74 g(切断前) → 51 g(張継科ZLCに貼って)

 打球感はかなり硬いですね。粘着ラバーのようなハードなラバーです。

Rhyzer Pro 50の3つの特徴

1. Tenergy 05 Hardのようなラバー!

 ドライブを打った瞬間に「あ、Tenergy 05 Hardだ!」と感じました。05ハードは結構長いこと使っていたので、打球感はかなり知っているつもりです。具体的にどのような打球感かというと、粘着ラバーのように打球感が硬くシートも強いのでシートだけでボールを捉えやすいラバーです。シートだけでボールを捉えてもチップすることはなくしっかりボールを引っ掛けてキュッと回転をかけやすいラバーでした。またスポンジまで食い込ませるとテナジー05ハードとは打球感は違ってきますが飛距離もスピードも得られ、粘着ラバー以上のスピードを出しやすかったです。回転量は、Tenergy 05 Hardに近いものがあると感じました!

2. 確かにアウターカーボン系ラケットでもオーバーミスが少ない!

 アウターカーボン系ラケットと相性が良いって具体的にどういうことなのか、あまり想像していませんでしたが、打ってみてわかりました。アウターカーボン系ラケットを使っていると飛距離が出やすいのでオーバーミスが多くなりやすいです。しかしながら、このライザープロ50だとオーバーミスが少なくレシーブから思い切りドライブをかけに行けると感じました!
 アウターカーボン系ラケットは飛距離が出やすいラケットですので、一番手を焼くのがレシーブになります。レシーブでオーバーミスしやすかったり、オーバーミスを怖がって置きにいくようなレシーブをして浮いてしまって、相手の強打を喰らう、ということが多いのではないでしょうか。しかしライザープロ50なら1球目のレシーブドライブから、全部台におさまるし、ツッツキもピタリと止まって非常に好感触でした。飛距離が何故が出ないんですよね。これはアウターカーボンを使っていて困っている方にぜひ使って欲しいと感じました。張継科ZLCとも相性抜群でした!

3. ドイツ製ラバーらしいシンプルなブロックがやりやすい

 テナジー05やテナジー05ハードは、回転をかけやすい分、回転の影響を受けやすいのでシンプルなブロックが少し難しいですが、ライザープロ50はドイツ製ラバーらしくシンプルなブロックでも相手のボールの影響を受けにくく、当てるだけのブロックがとてもしやすかったです。テナジー05ハードを使っていた時は、少しボールの上を捉えながらブロックをすることで安定させていましたが、咄嗟のブロックは難しかったです。ライザープロ50では咄嗟のブロックがとてもやりやすかったです。またカウンタードライブも回転の影響を受けにくい分、やりやすかったです!

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 硬さを感じますね。粘着ラバーっぽくて、弾むラバーではないですね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ラバーは硬いですが、スピン重視テンションラバーということで回転のかかったドライブがギュルんと打てますね!

面を開いたドライブ
 硬いラバーなのでくい込ませることが結構難しいです。粘着ラバーやテナジー05とは異なり弾いてしまいやすい感じはありました。その分、ミートに近いスピードドライブが打ちやすかったです。

対下回転に対するループドライブ
 これは非常に好感触でした!自分はループドライブが得点源ですが、ライザープロ50なら試合でも十分使える質の高いループドライブが打てると感じましたね。

対下回転に対するスピードドライブ
 くい込ませることが難しいので、少し安定させることが難しかったです。慣れればいけると思います。

カーブ/シュートドライブ
 ボールが浅めに入りやすいので、しっかり横をとって横回転をかけてあげるとかなりいやらしく曲がると思います。いいですね。プラボールになって横回転系の技術は見直しても良いと感じます。

ブロック
 シートもスポンジも硬いので食い込みの割にはやりやすかったです。

カウンタードライブ
 どちらかというと上書き系のカウンタードライブがやりやすくてカウンタースピードドライブは難しかったです。

ストップ
 ぶつ切りで切れました。いいですね。ボールを止めやすくてストップにならなくても下回転の強いツッツキになりました。

ツッツキ
 切れますね!次球のカウンタードライブの準備に移りやすいと思います。

フォアフリック
 ラバーが硬いので難しかったです。フリックは硬いラバーではあまりしない方がいいかもですね。

バックハンド系

軽打
 ちょっと硬いですね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 弾力というかコシのあるラバーなので打てなくはないです。あとは腕ですかね。

対下回転に対するループドライブ
 難しいツッツキでなければ、質の高いループドライブができますね! 

対下回転に対するスピードドライブ
 少し難しいです。腕の問題ですね。

カーブ/シュートドライブ
 浅く入りやすいので、チキータも曲がりやすいです。

ブロック
 くい込みにくいですが球持ちがあるシートのおかげでやりやすかったです。

カウンタードライブ
 バックでのカウンタードライブは腕が足りませんでした。難しかったです。

ストップ
 いいですね!やりやすかったです。テナジー05ハードのようにやりやすかったです。

ツッツキ
 回転もかかってよかったです。

チキータ
 1球目から違和感なく入りました。硬すぎて落ちるっというのも少ない印象です。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 > Tenergy 05 Hard ≧ Rhyzer Pro 50 > Dynaryz AGR > Tenergy 80

スピード
 Dignics 05 > Dynaryz AGR > Tenergy 80 > Tenergy 05 ≧ Rhyzer Pro 50

レビュー Dynaryz AGR(ダイナライズAGR)

説明

 Dynaryz(ダイナライズ)シリーズはJoola(ヨーラ)の最新のラバーで、2020年春発売のラバーになります。2020年現在Joola(ヨーラ)の最新のハイエンドラバーに位置します。Joolaは日本ではむしろラージボール卓球の方で有名なメーカーで、そちらの方がご存知の方も多いのではないかと思います。しかしながら、Joolaの用具は卓球王国を拝読していると度々取り上げられます。良い製品が多いのではないかと想像しておりました。
 今回katsuo000が試打したラバーはDynaryz AGR(ダイナライズAGR)です。ダイナライズには2種類あり、柔らかいACCと硬いAGRになりますね。ネイミングがとてもカッコ良くて思わず「ダイナライズ!」と言いたくなるなーと思いました。
 Dynaryzには新しい技術のスポンジとシートを採用していて、打球感が良い!ということが強調されていました。どのようなラバーなのかほとんど情報がなかったのですが、性能値や価格帯から悪いラバーではないと期待して購入しました。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

 DynaryzはJoolaのラバーのカテゴリーではプレミアムという最上位に位置するラバーで、価格も最も高い7,600円 + 税になります。割引されて5,500円くらいになりますでしょうか。かなり高いですね。Rhyzer Pro(ライザープロ)よりもDynaryz AGRの方が回転とスピード性能が上ということで嫌でも期待が高まりましたJoolaの1番のスピン系テンションラバーがDynaryz AGRと考えて良いでしょう!

ダイナライズAGRの貼りと重量

 いつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

 そこまで重くなかったです。球をついてみてもRhyzer Pro 50よりも柔らかいラバーでした。

Dynaryz AGR(ダイナライズAGR)
 スピン系テンション
 次世代Hyper Bounce Sponge(ハイパーバウンススポンジ)
 Advanced Surface Traction(AS Traction、アドバンスドサーフェイストラクション)
 Made in Germany
・Sponge Thickness: 2.0 mm、Max
・Speed:11
・Spin:10
・Category:Premium
・Sponge硬度:Hard
・7,600円 + 税
・72 g(切断前) → 50 g(張継科ZLCに貼って)

 想像以上に食い込みが良くて、正直大丈夫かなと貼りたては不安になりました。実際に試打するとそれは杞憂に終わりました。

Dynaryz AGRの3つの特徴

1. Tenergy 80系の打球感!回転量は05!

 初めに使って感じたことは、「あ、これ硬めのスポンジなのにめっちゃ食い込む系のラバーだ!」でした。そしてめちゃめちゃTenergyっぽい!球離れはやや早いから、Tenergy 80の打球感。受けていただいた方からは、回転量があってイキイキしたドライブだとおっしゃっていただきました。回転量は感覚ですが、Tenergy 05に近いものがあると感じました!

 余談ですが、ドイツの各メーカーは打倒テナジーを目指して、テナジーのようなラバー開発をしてきたのではないかと想像します。とにかく食い込みが良くてインパクトが比較的弱いバックでも十分使えるラバーでした。価格は高めですが、非常にテナジーらしいラバーだと思いました!テナジーと比較すると安いと思いますし、寿命を考えるとアリだと思います!

2. 軽快な打感で連打しやすいのにボールは重い!

 使ってみて感じたのが、とにかく連打しやすい!それなのにある程度ボールは重いとおっしゃっていただきました。打球感的にはそこまで重くないと思うのですが、食い込みが良い分、想像以上に回転がかかっているボールがあるようでした。ドイツ製ラバーは、過去は硬くて食い込ませることができれば、癖球のようなボールが出せたイメージでしたが、連打が難しかったと思います。しかしDynaryz AGRは連打がしやすい!これはドイツ製ラバーではなくどちらかというと日本製ラバーの特徴を持つようなラバーだと思います!

3. バックでも扱えるのに満足できる回転とスピード!

 非常にバランスの取れたラバーで、フォアでもバックでも使いやすかったです!katsuo000はフォアはハードなラバーが好きなので、Dynaryzを使うならバック側だと思います。バックハンドで対下回転ループドライブを打ってみましたが、相手をしてくれた方は結構オーバーミスされていて、打球感から感じる想像以上に回転量が高いのだと気づきました。感覚的にはテナジー80か、テナジー05並みの回転量はあったと思います!またドライブが非常にイキイキしていて、ドライブが暴れる、荒れるというよりは、回転量でドライブが伸びやすい、と表現できると感じました。扱いやすいのに威力が出る、非常に高性能なラバーだと思います!
 katsuo000のイメージとしては、Rasanter R48(ラザンターR48)をもう少し硬くしたようなラバーでした。もっと硬くするとRasanter R53(ラザンターR53)のようになるのかもしれませんが、R53ほど硬くはなく、R48よりももっと威力が欲しいけどR53は硬すぎるなら、ちょうど良いラバーかもしれません。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 50 gでしたが柔らかいです。同じくらいの重量だと、Dignics 09C(ディグニクス09C)やTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)ですが、Dynaryz AGRの方が圧倒的に食い込みやすくて扱いやすかったです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 食い込みやすいのでスピードも出しやすいですし、しっかり引っかかるので強い回転のドライブも打ちやすかったです。

面を開いたドライブ
 面を開いた方がより食い込みますが、あまり食い込ませると、スポンジが厚い分、想像以上に飛距離が出やすいと感じました。

対下回転に対するループドライブ
 フォアで使っても満足する回転量を得ることができました。飛び出しも良いので、低くて浅くて遅いループドライブというよりは、食い込みを活かして回転による球足の速い深いループドライブの方が武器になりやすそうでした。

対下回転に対するスピードドライブ
 スピードドライブも食い込みやすいので打ちやすかったです。板に当たるはテナジー05と比べるとあるので、あまりスピードを出そうとすると回転がかからず安定しないかもしれません。

カーブ/シュートドライブ
 そこまで硬くないので並みなカーブ/シュートドライブでした

ブロック
 シートが強いので食い込みの割にはやりやすかったです。

カウンタードライブ
 打球点が早すぎると安定しないので、しっかり距離をとって上書きドライブすると安定しました。

ストップ
 切れませんが、低く返せました。

ツッツキ
 切れませんが、抑えることは可能でした。

フォアフリック
 柔らかいのでボールを長く持ってくれるので非常にコントロールしやすかったです。かなりやりやすかったですね。

バックハンド系

軽打
 違和感なく使えました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 回転もかけやすくてとても安定しました。打球感がマッドなラバーではないので、連打もしやすかったです。

対下回転に対するループドライブ
 連打がしやすいのに、回転量もあって驚きました。いいラバーですね! 

対下回転に対するスピードドライブ
 少し難しいですが、食い込みが良いので練習すれば安定すると思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 食い込みが良いのでミート系のボールのブロックがやりやすかったです。

カウンタードライブ

ストップ
 回転はかかりませんが、やりやすかったです。

ツッツキ
 回転をかかりませんが、やりやすかったです。

チキータ
 少し食い込みすぎてオーバーミスもありましたが、慣れれば問題なくできると思います。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 ≧ Dynaryz AGR > Tenergy 80

スピード
 Tenergy 64 > Dynaryz AGR > Tenergy 80 > Tenergy 05

https://amzn.to/31OkZ04

レビュー Evolution MX-P 50°

説明

 Evolutionシリーズはドイツの卓球用具メーカーTIBHAR(ティバー)のトップ選手用のラバーシリーズになります。スポンジ硬度で3種類、シートの種類で2種類で、スポンジ硬度3種×シート2種で6種類のEvolutionシリーズが存在します。スポンジ硬度が最も柔らかいFlexible(フレキシブル、FX)、中間高度のElastic(エラスティック、EL)、ハードなMaximum(マキシマム、MX)と、パワー系のシート(P)およびスピン系の微粘着シート(S)ですね。今回レビューするEvolution MX-P 50°(エヴォリューション マキシマムパワー50°)はトップ選手も多く使用している、ティバーのフラグシップラバーのようなラバーになります。

 Evolution MX-Pはティバーと契約する多くのトップ選手が使用するラバーで、以下のような選手が使用しています。

・Vladimir Samsonov(ブラディミル サムソノフ)選手(ベラルーシ)
・Paul Drinkhall(ポール ドリンコール)選手(イングランド)
・田添響選手

 ベラルーシのサムソノフ選手といえば、現在44歳で、なお現役で活躍するヨーロッパの「巨人」ですね。40代で今なお現役で非常に安定感のあるバックハンドと長身の強烈なフォアハンドドライブが特徴で、プレースタイルはブロックとカウンターを軸にしたスタイルになります。過去に世界ランキング1位を何度も経験していて、ヨーロッパ大会では未だに上位入賞する実力を有します。
 またドリンコール選手はイングランドNo.2の若手の選手で、レシーブチキータと中陣からのフォアハンドドライブやカウンタードライブが特徴の選手です。世界団体などで日本チームはイングランドのドリンコール選手に苦しめられたりしていますね。
 このようにヨーロッパのトップ選手がTIBHARと契約して第一線で活躍しています。TIBHARはドイツのメーカーで、日本では少し知名度は低いですが、ヨーロッパにおいては選手を支える確かな存在感のあるメーカーと言えるでしょう。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

 *非常にわかりにくくて申し訳ありません。Evolution MX-P(エヴォリューションMX-P)とEvolution MX-S(エヴォリューションMX-S)のスピード、スピン性能が同値であるため、同じ場所にプロットされています。

 Evolution MX-P 50°は、TIBHARのラバーの中でも最速のスピード性能だということがわかると思います。また高い回転性能はそのままですね。katsuo000としては、硬いラバーの方が回転がかかると感じ、硬いラバーの方がスピードを出すのが難しいと感じます。ドイツメーカーの公表性能値では柔らかいラバーなので回転がかけやすいために、スピン性能が高いということも散見されます。Evolution EL-Sを試打したわけではないですが、MX-P 50°はスポンジが硬いので回転性能は公表性能値以上に期待しても良いと思います。実際、回転性能は高かったと感じました!

MX-P 50°の貼りと重量

 いつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。


 久々に200 gに達しましたね。かなり重たいです。

Evolution MX-P 50°(エヴォリューションMX-P 50°)
 回転系テンション OFF+
・Sponge Thickness:2.1 mm
・Speed:128
・Spin:120
・Control:75
・Sponge硬度:50°
・6,000円 + 税
・78 g(切断前) → 54 g(張継科ZLCに貼って)

 貼ったラケットの印象としては、なんと、200 gと感じられないくらい軽く感じました。これは張継科ZLCがグリップ側に重心があるためなのか、MX-P 50°がラバーの名前が入っているグリップ側部分をあえて重くしているのか、理由はよくわかりません。持った感想としてはかなり不思議な感じでした。

Evolution MX-P 50°の3つの特徴

1. 球持ち&打球感がTenergy 05に酷似!

 Evolution MX-Pでのレビューでも記しましたが、とにかくTenergy 05(テナジー05)の打球感にかなり酷似しています。おそらく、このEvolutionシリーズがテナジーシリーズを参考にしながら開発されたのだと思いますね。回転性能の高いRasanter(ラザンター)シリーズやXIOM(エクシオン)のハイエンドラバー、Omega(オメガ)シリーズは、それぞれドイツ製ラバーでも独特の打球感でしたが、このEvolution MX-PおよびEvolution MX-P 50°はテナジー05に本当に似ています。もしテナジーに似た打球感のラバーを探しているなら一度は試してみても良いラバーでしょう。

2. マッドな打球感で質の高い回転量

 Evolution MX-P 50°はスポンジが硬いので、ループドライブ時やサービス時の回転量は非常に満足するものでした。MX-Pと比べるとMX-P 50°の方がより回転がかかっていたと思います。この回転量を得るために50°を選択するのはアリだと思います。

3. 50°のスポンジで相手のボールに負けない!

 Evolution MX-P 50°はMX-Pらしさをそのまま継承しながら、相手のドライブに対するカウンターやスピードドライブなど、スポンジに強く食い込ませる技術の時に、より真価を発揮すると感じました。MX-P 50°は、強くスポンジに食い込ませても、ラケットに届いた打球感になりにくく、強く食い込ませながらドライブをかけることがやりやすいと感じました。katsuo000は、この食い込ませても板に届くか否かが、ボールに負けるか負けないか、という感覚にリンクしています。柔らかいラケットやラバーを使っていると食い込みすぎて逆に弧線を作ることが難しかったりすることがありますが、そういったことがMX-P 50°では少ないと感じました。Tenergy 05 Hard(テナジー05ハード)でもやはり強く食い込ませた時に違いが出てくるように思いますが、MX-P 50°も同様と言えると思います。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 あまり硬さを感じませんでした。そもそもMX-Pもまずまず硬いラバーですので、正直MX-P 50°が難しいという感覚もあまり感じませんでした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 負けないですね。MX-Pだとスピードドライブを打とうとすると、ラケットに到達しやすく回転量が落ちると感じましたが、MX-P 50°の方が回転とスピードの両立がしやすかったです。

面を開いたドライブ
 面を開くとよりラバーに食い込ませやすくなるので、MX-PよりもMX-P 50°の方が回転量のあるドライブが打てていたと思います。

対下回転に対するループドライブ
 非常に球持ちを感じやすいラバーですので、低くて高い回転量のループドライブがやりやすかったです。

対下回転に対するスピードドライブ
 これもやりやすかったですね。弧線を作りやすいので、スピードドライブでもインパクトさえあれば安定させることができると感じました。

カーブ/シュートドライブ
 非常に素直なラバーなので、素直にカーブドライブ、シュートドライブができて苦もなく、良さもなくでした。MX-Pと比べるとMX-P 50°の方がガツっとカーブドライブさせた時のボールの回転量は多かったです。

ブロック
 思ったよりやりやすいと感じました。ただ回転の影響を受けやすいシート/粒形状ですので、回転の影響は受けるのも感じました。テナジー05と比べると影響を受けにくくやりやすかったです。

カウンタードライブ
 非常にやりやすかったですが、Dignics 05(ディグニクス05)とかV>15 Extraのような、回転量をある程度無視できるやりやすさではなく、回転をかけ返す打球感覚が非常に良かったです。半歩下がって、頂点付近を上書きカウンタードライブするのが非常に良かったです。

ストップ
 MX-Pよりもやりやすかったです。スポンジが硬いために弾まないですね。

ツッツキ
 これも低くおさまりました。

フォアフリック
 硬いので球離れが早いので、しっかり乗せた方がやりやすいと感じました。

バックハンド系

軽打
 そこまで50°の硬さを感じませんでした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ドライブになると、球離れの早さを感じやすかったです。

対下回転に対するループドライブ
 バックハンドでも十分対応できる球持ちで良好な打球感でした。

対下回転に対するスピードドライブ
 少しインパクトが足りず、スピードドライブが難しいと感じました。

カーブ/シュートドライブ
 

ブロック
 回転の影響は少なくやりやすかったです。好きな打球感でした。

カウンタードライブ
 球を持つので回転をかけようとしてオーバーミス、逆にミート気味にカウンタードライブしようとするとネットミス、と調整が少し難しかったです。

ストップ
 これはやりやすかったです。回転はあまりかかっていないと感じました。

ツッツキ
 やりやすいですが、回転量は少なめでした。

チキータ
 非常にやりやすかったです。弧線もちょうど良い高さでした。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 Hard > Evolution MX-P 50° ≧ Tenergy 05

スピード
 Tenergy 64 > Evolution MX-P 50° > Tenergy 05 Hard

https://amzn.to/3jJ1igj

レビュー Evolution MX-P(エヴォリューションMX-P)

説明

 Evolutionシリーズはドイツの卓球用具メーカーTIBHAR(ティバー)のトップ選手用のラバーシリーズになります。スポンジ硬度で3種類、シートの種類で2種類で、スポンジ硬度3種×シート2種で6種類のEvolutionシリーズが存在します。スポンジ硬度が最も柔らかいFlexible(フレキシブル、FX)、中間高度のElastic(エラスティック、EL)、ハードなMaximum(マキシマム、MX)と、パワー系のシート(P)およびスピン系の微粘着シート(S)ですね。今回レビューするEvolution MX-P(エヴォリューション マキシマムパワー)はトップ選手も多く使用している、ティバーのフラグシップラバーのようなラバーになります。

 Evolution MX-Pはティバーと契約する多くのトップ選手が使用するラバーで、以下のような選手が使用しています。

・Vladimir Samsonov(ブラディミル サムソノフ)選手(ベラルーシ)
・Paul Drinkhall(ポール ドリンコール)選手(イングランド)
・田添響選手

 ベラルーシのサムソノフ選手といえば、現在44歳で、なお現役で活躍するヨーロッパの「巨人」ですね。40代で今なお現役で非常に安定感のあるバックハンドと長身の強烈なフォアハンドドライブが特徴で、プレースタイルはブロックとカウンターを軸にしたスタイルになります。過去に世界ランキング1位を何度も経験していて、ヨーロッパ大会では未だに上位入賞する実力を有します。
 またドリンコール選手はイングランドNo.2の若手の選手で、レシーブチキータと中陣からのフォアハンドドライブやカウンタードライブが特徴の選手です。世界団体などで日本チームはイングランドのドリンコール選手に苦しめられたりしていますね。
 このようにヨーロッパのトップ選手がTIBHARと契約して第一線で活躍しています。TIBHARはドイツのメーカーで、日本では少し知名度は低いですが、ヨーロッパにおいては選手を支える確かな存在感のあるメーカーと言えるでしょう。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

 *非常にわかりにくくて申し訳ありません。Evolution MX-P(エヴォリューションMX-P)とEvolution MX-S(エヴォリューションMX-S)のスピード、スピン性能が同値であるため、同じ場所にプロットされています。

 性能からわかるようにスピード性能が高いことがわかりますね。サイトによっては「10+」のような表現を使っているものもありますが、三桁の数値で評価されているものを採用しました。やはりスポンジ硬度を反映させるとラバーの性能はどのあたりに相当するのかわかる気がしました。ドイツの表記ではスポンジ硬度が柔らかいと食い込みが良いので回転がかかると考えて数値を記載していることが多いので、メーカー内での比較においても注意が必要なように思います。

MX-Pの貼りと重量

 いつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

 余談ですがスポンジの色が、Dignics(ディグニクス)シリーズに似てますね。横から見るとラバー名を見ないと違いがわかりません。

Evolution MX-P(エヴォリューションMX-P)
 回転系テンション OFF+
・Sponge Thickness:1.7/1.9/2.1 mm
・Speed:125
・Spin:120
・Control:80
・Sponge硬度:45.7-47.7°
・6,000円 + 税
・71 g(切断前) → 48 g(張継科ZLCに貼って)

 過去、ラケットブレード面積の広いラケットに貼った時は50 gくらいあったように覚えていて、思ったより軽くて意外でした。標準的な重量で、もしかしたら軽い個体を手にしたのかもしれません。MX-PにはMX-P 50°という、ハードタイプも発売になりましたので、重くて硬いものが使いたいのであればMX-P 50°を使えば良いですね。

Evolution MX-Pの3つの特徴

1. 球持ち&打球感がテナジー05に酷似!

 対下回転ドライブやラリーでのドライブ時に球持ちを感じやすく、まさに打球感は Tenergy 05(テナジー05)!と感じるものでした。非常に扱いやすく、好みと感じる人が多いと思います。また回転もかけやすく、打球時の手応えと回転量もリンクしていると感じました。もちろん、回転量も健在で、しっかり回転がかかると思います。

2. 弾きやミートもやりやすく、まさにバック向けラバー!

 テナジー05との最大の相違点は、弾きやすさだと感じました。Evolution MX-P 50°も同様に弾きやすいと感じました。やはりMX-PのスポンジはテナジーのSpring Sponge(スプリングスポンジ)ではないので、厚く当てた時に差異が生じると感じます。厚く当てた時、ラケット板に到達しやすいと感じたのがMX-Pになります。従ってミートを多用するバックに使うと好感触だと感じました。テナジー05の難しいところは、ミートがしづらい点だと思いますが、MX-Pならミートもしやすく両方を上手に使いこなしたいのであればMX-Pをオススメします。

3. シートが硬め!回転の影響を受けにくく寿命も長い!

 テナジー05に似ているMX-Pですが、シートがやや硬めと感じました。従って、テナジー05よりも回転の影響を受けにくく、またテナジーシリーズで頭を悩まされる寿命もMX-Pは長いと感じました。テナジー05に似つつ、テナジー05よりもメリットと言える部分だと言えると思います。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 テナジー05のようなオートで回転がかかるような性能はないと思いました

ロングボールやラリーでのドライブ
 食い込ませた時に結構、板に当たりやすいと感じました。嫌いではありませんが、ややスピードドライブの回転量不足を感じてしまいました。

面を開いたドライブ
 食い込んでしっかりボールを包み込む感じはあるので、ある程度回転がかかっていると感じました。

対下回転に対するループドライブ
 非常にやりやすいと感じました。特にボールの高さ、と深さを制御しやすいと感じたのは好感触でした。また回転量もテナジー05ほどではないと思いますがかかっていると感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 スピードドライブ自体は入ると感じましたが、やや回転量不足を感じました。

カーブ/シュートドライブ
 回転がかかるのでしっかり曲がります。少し弧線は低いと思います。

ブロック
 やりやすかったです。好きな打球感でした。少し硬いので苦手な人は苦手だと思います。

カウンタードライブ
 これもやりやすかったです。上昇期に捉えるカウンタードライブは難しめでしたが、しっかり自分で弧線を作る時はコントロールしやすいと感じました。

ストップ
 思ったより止まって好感触でした。

ツッツキ
 これも低いです。ただしあまりキレていないかもしれません。

フォアフリック

フォアサーブ
 回転量のあるサーブが出せます。

バックハンド系

軽打
 そこまで硬いとは感じませんでした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 スピードドライブ気味にドライブしても安定して入る感じがありました。

対下回転に対するループドライブ 
 これもやりやすかったです。回転量はそこまでないと感じましたがなかなか安定感があって良かったです。

対下回転に対するスピードドライブ
 これも結構やりやすかったです。食い込みが良いからだと思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 止めやすかったです。

カウンタードライブ
 ほとんど試せませんでしたが、1球目で入りましたのでやりにくいことはないです。

ストップ
 これも止まります。

ツッツキ
 低くコントロールしやすいです。

チキータ
 やりやすかったです。ボールを持つので、しっかり回転をかけて次球の強打を防ぎやすかったです。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 > Evolution MX-P > Tenergy 05 FX

スピード
  Tenerg 80 ≧ Evolution MX-P > Tenergy 05

https://amzn.to/2EJLiv5

レビュー Rasanter V47(ラザンターV47)

説明

 ドイツ製ラバーの中でも抜群の回転性能を感じるのがandro(アンドロ)のRasanter(ラザンター)シリーズになります。androさんは常にスタイリッシュなアパレルとラバーの色で異色の存在感を放つ存在ですね。アンドロは近年明らかに日本でも存在感が際立ってきていると思います。その要因として2017年卓球ワールドカップで水谷隼選手に勝利したり、2019年世界選手権で中国のXu Xin選手(許昕選手、中国)に勝利しているSimon Gauzy選手(シモン ゴーズィ選手、フランス)や、2019年全日本選手権にランカー入りした濱川明史選手の使用用具がアンドロであるという事実があると思います。

RasantからRasanterへ

 アンドロさんは2016年まで、看板として販売していた特徴的な緑色のスポンジのラバーRasant(ラザント)シリーズ(Rasant Grip(ラザントグリップ)、Rasant Power Grip(ラザントパワーグリップ)、Rasant Power Sponge(ラザントパワースポンジ)、Rasant Beat(ラザントビート)、Rasant Turbo(ラザントターボ)、Rasant(ラザント)の6種類)を全て廃盤とし、新たにRasanter(ラザンター)というラインナップを2017年から販売開始しました。ラザントシリーズと同じく緑色のスポンジを採用した新たなフラグシップラバーであるラザンターシリーズ。ラザンターシリーズは回転性能が高く、弧線を作りやすいRシリーズと回転性能に加え、スピード性能も高いVシリーズが存在し、スポンジ硬度が反映した数字をRまたはVの後につけられた名前で販売されています。また他のドイツメーカーに先んじて、Ultra Max(ウルトラマックス)という、スポンジ厚さ2.3 mmとする技術を搭載したラバーラインナップになります。この技術というのは、それ以前ではトップ選手用に適用された技術のようで、シートを現行よりも、さらに薄くしてその分、スポンジを厚くする、といったラバーになります。ラバーは接着層を含めて厚さが4.0 mm以内という国際ルールが存在しますので、スポンジを厚くするためにはシートを薄くする必要があるわけです。シートが薄く、スポンジが厚いラバーの方が、回転とスピードと飛距離が出しやすく、トップ選手受けする性能が出しやすいと言われているそうです。しかしシートを薄くするというのは製造バラ付きが生じやすくそれ以前ではあまり出回っていなかったようです。おそらく最新技術で生産性を上げることができ、結果低価格でシートが薄くスポンジの厚いラバーを生産できるようになり、一般市場へ販売するようになったものと思われます。この技術は日本や世界の卓球用具を牽引し世界標準となるTenergy(テナジー)シリーズを販売するButterfly(バタフライ)さんのラバーにはないようで、バタフライさんはいまだに特厚でもスポンジ厚さは2.1 mmのままとなっています。近年他のドイツメーカーでもシートが薄くスポンジの厚いラバーが増えてきていますね。
 ラザンターは現在までに8種類のラザンターが販売れており、Rシリーズが6種類、Vシリーズが2種類になります。

Rasanterシリーズ

 ラザンターシリーズは、回転系のRとスピード系のVでスポンジ硬度が細かく選べるシリーズのようなネイミングとなっていますが、実際に試打すると想像と異なりました。どうやらスポンジ硬度を変えるともに、シート形状も変更していて打球感や性能、やりやすい技術は異なりました。さらにVシリーズは確かにスピードは速いですがかなりスピン系テンションで回転もかなりかかるので、決してスピード特化のラバーという訳でもありませんでした。katsuo000はR53、R48、R50、R47、V47、R42を試打しており、それらの比較を今後まとめていきたいと考えております。ここでコメントさせていただくことは、R53、R48、R50のシートの粒形状はやや細めで少し球離れの速いと感じる粒形状でした。Dignics 05(ディグニクス05)やTenergy 05(テナジー05)と比較すると球持ちを感じにくいシートの粒形状になると思います。一方で、シートは柔らかく、スポンジも食い込みがかなり良いので、ラバー全体で食い込ませると球持ちを感じるラバーだと思います。
 2017年に販売開始した当初は、R50、R47、R42、R37、V47、V42の6種類でした。さらに2019年10月にEnergy Cell(エナジーセル)技術搭載のR53、2020年5月に同じくエナジーセル技術搭載のR48を新発売しました。現在アンドロさんのフラグシップ的ラバーがR53とR48になりますね。

 ラザンターシリーズで最近注目は、紅(あか)のラザンターのR53とR48だと思います。既にレビューは作成済みですので、あわせてご覧いただけると幸いです。

公表性能値比較

 アンドロさん公表性能値比較になります。アンドロさんはスピードとスピンに加え、コントロールという項目を加えているのが特徴でしょうか。やはりエナジーセル採用のR53とR48は高い性能となっていて注目のラバーになりますね!

 R53のレビューを拝見すると、スピードが出る!というものが多いのですが公表性能値上ではV47の方が、スピードが出ることになっています。既にR53、R48、R50、R47、V47を試打したので分かりますのでコメントしておきますね。R53よりV47の方が単純なスピードは速いと思います。V47の方がとても直線弾道になるため体感以上に速いと思いますね。特にV47の中陣ドライブはかなりのスピードが出る印象です。一方で、R53は弧線を非常に強く描くので、その分体感よりもボールが遅くなる印象です。ボールが相手の台に到達するまでの時間は数値上はV47の方が速いと思います。これは直線弾道によるところが大きいと思います。ラザンターシリーズ中、最速のラバー、それがV47と言えると思いますね!

V47の貼りと重量

 いつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

 切る前で70 gをきっていましたが、貼ると思ったより重かったです。実際、どちらかというと回転もしっかりかかるスピード系ラバーだと思いますね。

Rasanter V47(ラザンターV47)
 UMテンション(テンゾーバイオスUM)
 40+ Plastic Ball対応
・Sponge Thickness:1.7 mm、2.0 mm、ULTRAMAX(UM)
・Speed:121
・Spin:119
・Control:88
・Sponge硬度:47°
・6,200円 + 税
・69 g(切断前) → 48 g(張継科ZLCに貼って)

Rasanter V47の3つの特徴

1. スピード系テンションとスピン系テンションの良いところ取りなテンションラバー

 スピン系テンションラバーらしく、思ったより球を持つグリップ力と回転性能があるため、サーブ、ループドライブは想像以上に質が高かったです!正直こんなに回転性能が高いとは思いませんでした回転性能はおそらく、Tenergy 80(テナジー80)やTenergy 05 FX(テナジー05FX)なみにあると思います!それでいて、上回転のラリーでは、かなりミートに近いスピードドライブがド安定しました!V47はスピード性能とスピン性能を両立するラバーだということが1つ目の特徴だと思います!katsuo000のイメージとしては、打ち抜くというよりも回転をかけて安定させようとして使う方が安定感の中にスピードが追加されてとても好感触でした。

2. Rasanter中No.1のスピード性能と直線弾道!

 説明でも触れましたが、V47は最新のエナジーセル技術をもちいたR53やR48よりも高いスピード性能を有します!公表性能値上でもV47の方がスピード性能は高いことになっています。実際、V47は非常に直線弾道ですので、スマッシュのようなスピードのドライブがバンバン入ると感じました。かなり攻撃的だと思います。

3. 食い込みが良く、スピン系テンションなのにハーフボレーやつなぎ、ブロックがやりやすい!

 食い込みが良いので、咄嗟のミート系のボールに対するブロック、ハーフボレー系のつなぎ、がやりやすかったです。ドライブよりもミートを多用するのであれば、かなり扱いやすいと思います!
 このラバーは名前で少し損していてスピード系ラバーではなくスピン系テンションだと思って使った方が性能を活かせて、良いと感じました。テナジー05を使っていて、コスパが良くて回転量をあまり落とさずにスピードが欲しいラバーを探している方にオススメしたいです。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 硬さはそこまで感じません。同じ硬度のR47の方がより硬いと感じると思います。

ロングボールやラリーでのドライブ
 回転量よりもスピード性能に任せたドライブが好感触でした。ノータッチが狙えるくらいの速いスピードドライブが可能です。このスピード性能は、Omega VII(オメガ7)シリーズに匹敵するスピード性能だと思います。

面を開いたドライブ
 食い込みが良いのでフォアではかなり好感触でした。少ない力で容易にドライブが打てました。

対下回転に対するループドライブ
 少し弧線が低いと感じますが、フォアなら十分なグリップ力があり、質の高いループドライブは十分可能でした。

対下回転に対するスピードドライブ
 対下回転スピードドライブは、思ったより難しかったです。食い込みが良い分、回転の影響を受けやすいラバーでもあるようで、しっかり体で打つ必要があると思います。

カーブ/シュートドライブ
 弧線が低いので、あまり曲がる印象はありませんでした。

ブロック
 柔らかいので、ミート系のボールに対するブロックはかなりやりやすかったです。逆にループドライブに対するブロックは少し回転の影響を受けやすいので回転をいなすなり、上書きするなり、技術が必要だと感じました。

カウンタードライブ
 打球点を落とさずに上昇期に捉えてミート気味にドライブするのが好感触でした。上書きしようとすると飛距離が出過ぎる印象です。

ストップ
 ストップは食い込みがかなり良いので、シートだけで捉えるようにしないとかなり浮きました。

ツッツキ
 ストップ同様で、ツッツキも浮きやすかったです。

フォアフリック
 柔らかい分、球を持てるので、角度打ちしやすいと感じました。

バックハンド系

軽打
 バックハンドで使うとなると少し硬めだと思います。

ロングボールやラリーでのドライブ
 回転系ではなくスピード系がやはり好印象でした。

対下回転に対するループドライブ
 思ったより食い込むので、最低限の質のループドライブができると感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 逆にスピードドライブはかなり難しかったです。インパクト不足だと思います。

カーブ/シュートドライブ
 直線的で曲がる印象はありませんでした。

ブロック
 ミート系のボールに対するブロックはやりやすかったです。ループドライブに対するブロックは難しかったですね。

カウンタードライブ
 R48よりもカウンターしやすいと感じました。カウンターミートもやりやすかったです。

ストップ
 フォアストップ同様、浮きやすかったです。

ツッツキ
 こちらも同様に浮きやすかったです。

チキータ
 かなり攻撃的でスピードのあるチキータができました。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 R53 > Tenergy 05 ≧ V47 > Tenergy 64

スピード
 Tenergy 64 > V47 > R53 > Tenergy 05

https://amzn.to/2Ytm4Iz

雑感2020/08/24

ぶつけながら回転をかけるスピードドライブの感覚ついて

 よく様々な動画でドライブ技術の感覚について言及されてます。その中で特に難しい感覚の一つが、スピードドライブの打球感覚だと思います。自分も何が正解か、わかっていない部分もあります。しかしながら最近気にしているポイントとしてぶつけた時にラケットの板に到達しやすいかしにくいか、という点を気にしていますね。これはラバーの評価でも重要な項目で、意外と良いとされるドイツ製ラバーでも簡単に食い込みすぎて板に到達してしまうラバーが結構ありますね。

 一方で、 Tenergy(テナジー)やNittaku(ニッタク)製ではなく紅双嬉(Double Happiness Shanghai、DHS)製のHurricane(キョウヒョウ)は、思い切りぶつけても、板に当たる感じがあまりありません。なんでスピードドライブを打った時にドライブの回転量も確保できるラバーが世界的に有名なラバーたちだと感じつつあります。Evolution MX-PやQシリーズは簡単にラケット板に当たる感じがありましたね。

 個人的には悪くはなくて、バックなどはミートもしたいのでぶつけた時にラケットに到達しやすくても良いと思います。ただしフォアに求めるラバーはどんなにぶつけてもラケットに到達しない感覚ですね。なお、次に試打する Target Pro GT-X51などはかなりぶつけてもラケットに当たらなくて好感触でした。試打が楽しみです。

レビュー Blue Fire JP01 Turbo

説明

 DONIC(ドニック)は、日本では少々マイナーなメーカーですが、スウェーデンの天才Jan-Ove Waldner(ヤン=オベ・ワルドナー)選手Jorgen Persson(ヨルゲン・パーソン)選手、また昨年まではDimitrij Ovtcharov(ディミトリオフチャロフ)選手が契約していたメーカーになります。オフチャロフ選手は水谷隼選手の親友でありライバルとされる選手ですね!最近では、関西のYou Tuber「ごぶりんず」さんにも取り上げられ高い注目を浴びているメーカーではないかと想像します。なお、ごぶりんずさんのオススメはブルーストームZ1ターボのようです。

 ブルーという名前のついたDONICのラバーは多数あり、現在20種類あります。

・Blue Grip(粘着ラバー) 2種
・Blue Storm(ブルーストーム) 5種
・Blue Fire(ブルーファイヤ) 9種
・Acuda Blue(アクーダブルー) 4種

卓球王国のゆうさんも複数の種類があるため、概説する動画を挙げています。

 今回試打したブルーファイヤは回転系のラバーになります。なおスピード系のラバーがブルーストーム安定感のあるラバーがアクーダブルーになるそうですね。すでにBlue Storm Z1 Turbo(ブルーストームZ1ターボ)の試打レビューを挙げさせていただきました。

https://katsuo000.com/review_blue-storm_z1-turbo/

 またBlue Fire M1 Turbo(ブルーファイヤM1ターボ)のレビューはこちらです。

https://katsuo000.com/blue-fire_m1-turbo/

 ブルーのラバーラストはBlue FIre JP01 Turbo(ブルーファイヤJP01ターボ)になります。ずいぶん前に購入して少し使ってTSPの粘着シートを貼ってとっておいたラバーになりますね。食い込みが良くて非常に扱いやすいラバーの印象でしたが、今回改めて自分のメインラケットに貼って試打しましたのでよろしくお願いします。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

 公表の性能上、JP01ターボは最もスピードが出ないことが分かりますね。スピードが出ないとなると、回転系のラバーではないかと想像しますね。DONICさんの説明は以下のとおりです。

もっと引き出す“ブルー“のチカラ。
 DONICの技術を結集した最先端のFDラバー、『ブルーファイヤJP01』をパワーアップ。攻撃時の回転力に定評のある『ブルーファイヤJP』のトップシートを改良し、スピードとスピンというラバーの二大要素を極限まで引き上げた、別格の『ブルーファイヤJP01ターボ』が完成。
 打球時にスイングの伝達エネルギーロスを抑え、スピード+スピンを球の威力に重みを加えたパワーボールをプレーヤーに授けます。高いグリップ力を持つトップシートなので、手で“持つ“安心感を損なうことなく、思う存分に攻撃し続けることが可能です。

 この説明から、どのようなラバーかは分かりにくいと思います。実際ブルファイJP01ターボは、弧線が最も高い回転系のラバーでした。

JP01ターボの貼りと重量

 いつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。申し訳ないですが、ラバーは一度他のラケットに貼ったものを再利用させていただいております。

Blue Fire JP01 Turbo(ブルーファイヤJP01ターボ)
・Sponge Thickness:1.8 mm、2.0 mm、MAX+
・Speed: 10+
・Spin:10+++
・Control:6+
・Sponge硬度:47.5°
・オープンプライス (5,000円前後)
・48 g(張継科ZLCに貼って)

 スポンジ硬度も硬すぎず、幅広い選手が使えそうなラバーでした。

Blue Fire JP01 Turboの3つの特徴

1. ブルーの中で最も高い弧線!

 ブルーラバーの中でとにかく弧線が高かったです!弧線が高すぎて飛距離もかなり出ると感じました。従ってかなりボールが深く入ると思います。この弧線の高さは、JP → Tenergy 05(テナジー05)を意識したものと感じさせてくれましたね。XIOM(エクシオン)のVega Japan(ヴェガジャパン)も弧線が高いと思いますが、ブルーファイヤJP01も弧線の高さを感じさせてくれました

2. ブルーの中で最も対下回転ドライブがやりやすい!

 弧線が高いので、とにかく対下回転ドライブがやりやすかったです。ミスする感じがしませんでしたね。バックハンドドライブでもかなりやりやすかったです。またしっかり食い込ませてスイングスピードも速いとしっかりとした回転もかかっていました。扱いやすくてフォアにもバックにももってこいと感じましたね。

3. 回転系のラバーなのに回転の影響は受けにくい!

 回転系のラバーはどうしても相手の回転の影響も受けやすいものですが、このブルーファイヤJP01ターボは、シートに芯があるためか、想像以上に回転の影響を受けなかったです!ブルーファイヤM1ターボに似ていましたね。ブロックがやりやすいのはもちろん、カウンタードライブもかなりやりやすかったです!かなり好感触でしたね!Tenergy(テナジー)系ラバーは回転性能は高いですが、少し回転の影響を受けやすい部分があります。近年katsuo000が探している、求めている性能として、回転性能が高くて回転の影響を受けないラバーです。同じような特徴のあるDignics(ディグニクス)と同類の評価ができると思いました!ただし、ディグニクスと比較してしまうと回転量、スピード性能は明らかに低かったです。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 柔らかいと感じました。威力よりも安定感がありましたね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 Tenergy 05 FX(テナジー05FX)のようにそこま威力はないけど、とにかく連打がしやすかったです。

面を開いたドライブ
 食い込ませるとラケット板に当たるのを感じました。ここはテナジー05の方がやりやすい思います。

対下回転に対するループドライブ
 とにかくやりやすかったです!食い込みがいいのでチョリドラは少し威力不足を感じました。それでもかなりやりやすいですね。

対下回転に対するスピードドライブ
 食い込みがいいのでやりやすかったですね。オーバーミスしやすいので弧線を意識した方が良いと思います。

カーブ/シュートドライブ
 回転量はあるので、まずまず思い通りに曲がります。

ブロック
 やりやすかったですね!意外だったのですが、回転系のラバーなのに回転の影響を受けにくくやりやすかったです。

カウンタードライブ
 これも回転の影響を受けにくいためやりやすいと感じました!

ストップ
 切るのは難しかったです。浮きやすさもありました。

ツッツキ
 ツッツキもオーバーミスが結構ありました。やりにくくはなかったです。

フォアフリック

フォアサーブ
 サーブは重いとは感じませんでした。どちらかと言えば球足の長いサーブで相手の時間を奪有ことがやりやすいと思います。

バックハンド系

軽打
 バックにちょうど良い硬さでした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 スピードを出そうと厚く当てると、オーバーミスしやすかったです。しっかり回転をかけると深いドライブがやりやすかったです。

対下回転に対するループドライブ
 これもやりやすかったです。また威力があるわけではなかったですが、ミスする感じもなくて好印象でした。

対下回転に対するスピードドライブ
 そこそこ練習したらできそうでした。

カーブ/シュートドライブ
 回転量があるのである程度曲がってました。

ブロック
 やりやすかったですね!

カウンタードライブ
 バックでは普段カウンタードライブはほとんどできませんが、このラバーならカウンタードライブを覚えられそうな感じでした。

ストップ
 ちょっと浮きやすかったです。

ツッツキ
 切れないです。

チキータ
 弧線が高いのでチキータはかなりやりやすかったです。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Blue FIre M1 Turbo > Blue Fire JP01 Turbo > Blue Storm Z1 Turbo

スピード
 Blue Fire M1 Turbo > Tenergy 05 Hard > Blue Fire JP01 Turbo

https://amzn.to/3hl1X6x

レビュー Blue Fire M1 Turbo

説明

 DONIC(ドニック)は、日本では少々マイナーなメーカーですが、スウェーデンの天才Jan-Ove Waldner(ヤン=オベ・ワルドナー)選手Jorgen Persson(ヨルゲン・パーソン)選手、また昨年まではDimitrij Ovtcharov(ディミトリオフチャロフ)選手が契約していたメーカーになります。オフチャロフ選手は水谷隼選手の親友でありライバルとされる選手ですね!最近では、関西のYou Tuber「ごぶりんず」さんにも取り上げられ高い注目を浴びているメーカーではないかと想像します。なお、ごぶりんずさんのオススメはブルーストームZ1ターボのようです。

 ブルーという名前のついたDONICのラバーは多数あり、現在20種類あります。

・Blue Grip(粘着ラバー) 2種
・Blue Storm(ブルーストーム) 5種
・Blue Fire(ブルーファイヤ) 9種
・Acuda Blue(アクーダブルー) 4種

卓球王国のゆうさんも複数の種類があるため、概説する動画を挙げています。

 今回試打したブルーファイヤは回転系のラバーになります。なおスピード系のラバーがブルーストーム安定感のあるラバーがアクーダブルーになるそうですね。すでにBlue Storm Z1 Turbo(ブルーストームZ1ターボ)の試打レビューを挙げさせていただきましたが、katsuo000がブルーのラバーの中で最も気に入ったラバーがこのBlue Fire M1 Turbo(ブルーファイヤM1ターボ)になります!それでは早速レビューを開始します。

https://katsuo000.com/review_blue-storm_z1-turbo/

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

 公表の性能からは正直、ブルーファイヤM1ターボを使おう、ということにはならないようにも思います。回転性能ならBlue Grip(ブルーグリップ)の方が上ですし、スピード性能はブルーストームの方が上になりますからね。なお、メーカーの説明では以下のように書かれています。

革新のDONIC。“ブルー“だから抜ける。
 50度のハードスポンジを採用した「ブルーファイヤM1ターボ」は、スマッシュや一撃のパワードライブを得点源とする攻撃選手の威力を更に増幅させ、相手の壁を突き破るラバーです。一撃必殺のパワーヒッターへ送る、最高のブルーファイヤです。

 この説明を読んでなんとなくハードで回転性能によったスピン系テンションラバーではないかと想像することができました。実際ブルファイM1ターボは、ブルーファイヤJP01ターボやブルーストームZ1ターボよりも重量が重く、非常にハードなラバーでした。他メーカーのラバーで近いものを挙げるとTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)、Rhyzer Pro 50(ライザープロ50)、Evolution MX-P(エヴォリューションMX-P)、Omega VII Pro(オメガ7プロ)などがあげられると思います。

M1ターボの貼りと重量

 いつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

Blue Fire M1 Turbo(ブルーファイヤM1ターボ)
・Sponge Thickness:1.8 mm、2.0 mm、MAX+
・Speed: 10++
・Spin:10+++
・Control:6
・Sponge硬度:50°
・オープンプライス (5,000円前後)
・73 g(切断前) → 53 g(張継科ZLCに貼って)

 重たいですね。他のブルーファイヤJP01ターボやブルーストームZ1ターボと比較してもこの時点で圧倒的に重たいです。JP01ターボもブルストZ1ターボも50 gを下回るような重量でした。

Blue Fire M1 Turboの3つの特徴

 正直ブルーストームZ1ターボと同じ回転性能には感じませんでした!圧倒的にブルーファイヤM1ターボの方が回転量の多いボールが打てました!

1. ブルーの中で最も硬くて回転性能の高いラバー!ドライブの重さもブルー中No.1!

 サーブ、ツッツキ、ドライブ、チキータと回転系の技術はしっかり球を持つことができて、回転がかかってイメージ通りの弧線で安定感と威力があってとても好感触でした!katsuo000が、ハードで回転のよくかかるスピン系テンションラバーが好みであるというのもありますが、かなりブルーファイヤM1ターボは非常に好感触でしたね。似ていると思うラバーはテナジー05ハードライザープロ50Evolution MX-P 50°(エヴォリューションMX-P 50°)、などだと思います。またブルーファイヤM1ターボのドライブの重さはヘビー級でした!例えばブルーストームZ1ターボのループドライブは弧線は低かったですが、少し浮くとカウンターを食らいやすかったですが、ブルーファイヤMターボは回転量によってカウンターのオーバーミスをかなり誘うことができましたね。

2. 硬いのにバックでも十分使える扱いやすさ!

 DONICさんのブルーの名前の入ったラバーは全体的に変な癖がなく非常に扱いやすいラバーでした。よってバックで使ったときも好感触で、しかも質の高いループドライブやスピード系のチキータなどが容易でした。暑さの影響や、個人差もあると思いますが、DONICのラバーの1つの特徴として癖が少なくて扱いやすさが良いため、好感触だったと感じました。ブルーファイヤM1ターボではスポンジ硬度が硬い、もっと回転よりスピードが欲しい!というのであれば、柔らかいブルーファイヤM1やM2、弧線が高いブルーファイヤJP01がオススメですし、ブルーストームZ1なら球離れも速くスピードのあるドライブが打ちやすくて安定すると思います。

3. 回転の影響も受けにくい!カウンターパワードライブもいける!?

 回転系のラバーはどうしても相手の回転の影響も受けやすいものですが、このブルーファイヤM1ターボはスポンジが硬いことと、シートに芯があるためか、想像以上に回転の影響を受けなかったです!ブロックがやりやすいのはもちろん、カウンタードライブもかなりやりやすかったです!かなり好感触でしたね!Tenergy(テナジー)系ラバーは回転性能は高いですが、少し回転の影響を受けやすい部分があります。近年katsuo000が探している、求めている性能として、回転性能が高くて回転の影響を受けないラバーです。同じような特徴のあるDignics(ディグニクス)と同類の評価ができると思いました!ただし、ディグニクスと比較してしまうと気持ち回転量、スピード性能は低いようにも感じました。それでもkatsuo000にとってはテナジー以上に試合で使いたいラバーでした!

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 スポンジの硬さを感じます。柔らかすぎるラバーは苦手なので個人的には良いと感じる打球感でした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 非常に打ちやすかったです。しっかりボールをグリップできて打ちやすかったですね。05系のボールをよく持つシートだと思います。

面を開いたドライブ
 少しラケット板に速く当たると感じました。同じように感じたのが、Evolution MX-P(エヴォリューションMX-P)ですね。モンスターラバー、テナジーはラケットの板に当たると感じる感覚は少ないかほとんどありませんね。面を開いたドライブやぶつけながら回転をかけるドライブでは、テナジーは非常に高性能だと感じます。

対下回転に対するループドライブ
 スポンジが硬いので、シートだけで捉えるチョリドラがやりやすくて、まさにトップスピンループドライブがやりやすかったですね。これは武器になるやつです!

対下回転に対するスピードドライブ
 ループドライブがやりやすい分、少しスピードドライブは難しかったです。食い込ませた時に、感覚より早くラケット板に到達する感じがあって弾いてしまって回転量が思ったより出ないんですよね。慣れれば打てるとは思いますが、修正が必要と感じました。

カーブ/シュートドライブ
 回転量はあるので、まずまず思い通りに曲がります。

ブロック
 やりやすかったですね!意外だったのですが、回転系のラバーなのに回転の影響を受けにくくやりやすかったです。

カウンタードライブ
 これも回転の影響を受けにくいためやりやすいと感じました!

ストップ
 切るのは少し難しかったです、十分低く質の高いストップができました。

ツッツキ
 ツッツキも低くおさまりやすかったです。

フォアフリック

フォアサーブ
 重いサーブができて好感触でした。ただラバーが劣化してきたら軽くなりそうでもありました。

バックハンド系

軽打
 少しバックには硬めの打球感です。

ロングボールやラリーでのドライブ
 思ったよりやりやすかったです。球離れが早くなくて球持ちが良いからだと思います。回転をしっかりかけることができるので非常に安定するからやりやすいのだと思います。

対下回転に対するループドライブ 
 これもやりやすかったです。また回転量の豊富な得点の狙えるループドライブになっていたと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 逆にこれはかなり難しかったです。練習が必要ですね。

カーブ/シュートドライブ
 回転量があるのである程度曲がってました。

ブロック
 やりやすかったですね!

カウンタードライブ
 バックでは普段カウンタードライブはほとんどできませんが、このラバーならトライしようと感じました。実際システム練習の時に狙って1、2球入って驚きましたね!

ストップ
 最低限の低さで入れることができて好印象でした。夏の暑い季節で食い込みが良いと思うのですが低くおさめやすいのは良いと感じましたね。

ツッツキ
 切るのは難しめでしたがテナジー05ハードのように低くて短いツッツキがやりやすかったです。

チキータ
 スピードチキータ、横回転系チキータ、どちらもイメージ通りのチキータがやりやすかったですね!回転がしっかりかかるので安定感がありました。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 Hard > Blue FIre M1 Turbo > Blue Fire JP01 Turbo > Blue Storm Z1 Turbo

スピード
 Blue Storm Z1 Turbo > Tenergy 80 > Blue Fire M1 Turbo > Tenergy 05 Hard

https://amzn.to/2QlOTlr