レビュー Timo Boll ZLF (ティモボルZLF)

説明

 Timo Boll (ティモボル)シリーズ、といえばやはり名作Timo Boll Spirit (ティモボルスピリット)の派生であるTimo Boll ALC (ティモボルALC)が有名ですね。Timo Boll ALC (ティモボルALC)は誰もが一度は使ってみようと考えるラケットではないかと思います。そんなTimo Boll (ティモボル)シリーズのラケットから、本ページではややマイナーなTimo Boll ZLF (ティモボルZLF)を試打しましたので、紹介させていただきます。個人的にはかなり良いラケットで、昨今弾むラバーが多いですが、そんな弾むラバーとあわせても打球感をしっかり感じられるラケットだと思います!

 Timo Boll ZLF (ティモボルZLF)は現在販売されているTimo Boll (ティモボル)シリーズの中では、トップラインの1本といえるかと思います。ティモボルシリーズをまとめると次のようになりますね。

Timo Boll ALC (ティモボルALC): 上板コト材、アウターALC、板厚 5.8 mm
 Timo Boll 30th Anniversary: Timo Boll ALCと同じブレード、G-FLESSグリップ
Timo Boll ZLC (ティモボルZLC): 上板コト材、アウターZLC、板厚 5.5 mm
Timo Boll ZLF (ティモボルZLF): 上板コト材、アウターZLF、板厚 5.4 mm
Timo Boll TJ (ティモボルTJ): 10~13歳向け、3枚合板+カーボン、板厚 5.2 mm
Timo Boll CAF (ティモボルCAF): 3枚合板 + Control assited Fiber (CAF)、板厚 5.7 mm

 Timo Boll TJ (ティモボルTJ)とTimo Boll CAF (ティモボルCAF)についてはあまり情報がないのでわかりません。残る3種のラケットTimo Boll ALC (ティモボルALC)、Timo Boll ZLC (ティモボルZLC)、Timo Boll ZLF (ティモボルZLF)は、上板にコト材を使用し、アウター特殊素材5+2枚構成のラケットであり、ブレードサイズは157×150 mmの標準ブレードサイズ、グリップはスクェア (四角形)タイプの形状で内部は空洞の先端重心タイプのラケットになりますね。

Timo Boll (ティモボル)ラケット (ALC、ZLC、ZLF)の共通点
 ・板厚が6 mm未満の薄いブレード
 ・上板にコト材 (Koto)
 ・アウター特殊素材5+2枚構成のラケット
 ・標準ブレード面積 (157×150 mm)
 ・スクェア (四角形)タイプ/空洞 (先端重心)グリップ

上板にコト材
 上板にコト材を使用するラケットはアウター特殊素材ラケットに多いです。コト材はインナー特殊素材ラケットの上板によく使用されるリンバ (Limba)材と比べると、密度、重量が大きくて硬いといわれる木材になりますね。katsuo000が感じるコト材のメリット/デメリットは次のようになると思います。 
 メリット: 球持ちを感じつつ強い回転量と高い球質を得やすい木材
 デメリット: 硬いために人によっては球持ちを感じにくく、球離れも早いと感じやすい

アウター特殊素材5+2枚構成
 アウター特殊素材となるとやはり特殊素材の硬さが全面に出てくるラケットになりますね。特殊素材にどの素材を使っているか、によって弧線の出方と球のスピードは変わります。ALCはやはり弧線とスピードのバランスが高くてカーボンでなければ得られないスピードが得られつつ球を持ち弧線も描いてくれる素材になります。ZLCはALCよりもさらにスピードが出てカーボン素材だけの板よりも球持ちを感じやすい素材になります。ZLFは木材らしい弧線にプラスαのスピードがある素材でやはり大人しくなりますがその分強い弧線は安心感も強い素材だと思います。

標準ブレード面積 (157×150 mm)
 個人的に標準ブレード面積のラケットの方がバックハンド系の技術が非常にやりやすいと感じます。一方最近流行りの158×152 mmのブレード面積を持つ張本智和モデルのラケットは、ラケット重量が重く先端重心になりやすく、威力が出しやすく、かつスイートスポットが広くてブロックがしやすいラケットになると思います。ただしブレード面積は好みだと思いますし、個人のフィーリングで選ぶことが大切だと思います。個人的にはブレード面積の広いタイプのラケットは好みではないので、そのタイプのラケットはあまり試打することはありません。

スクェア (四角形)タイプ/空洞 (先端重心)グリップ
 グリップ形状は人によってかなりこだわる人もいるものだと思います。個人的にはあまりグリップの好みはなくてあまり良いとも悪いとも感じませんでした。全国レベルの選手やコーチの方の中にはグリップ形状にかなりこだわりがある人が多いイメージで、グリップがあわないから使わないという言葉も聞いたりします。スクェアタイプのグリップは水谷隼選手も好んだグリップですね。
 空洞タイプのグリップでは、軽くなり重心が先端にきて回転が自然とかかりやすかったり威力が出しやすかったりするのが特徴だと思います。この変化はTimo Boll (ティモボル)シリーズのラケットから樊振東 (Fan Zhendong、ハンシントウ)シリーズのラケットへ移行したりするときに感じやすいと思いますね。つまりTimo Boll ALC (ティモボルALC) ⇔ Fan Zhendong ALC (樊振東ALC)と移行するときに感じやすいと思います。個人的にはZhang Jike ALC (張継科ALC)などの空洞ではないとされるラケットの方が好みではあります。

 本ページのTimo Boll ZLF (ティモボルZLF)は木材の弧線の強さとTimo Boll (ティモボル)シリーズの良さ球持ちと強い回転量を感じられるラケットといえるでしょう。

Timo Boll ZLF (ティモボルZLF)

 届いたTimo Boll ZLF (ティモボルZLF)は標準的な重量でした。またスクェア (四角形)のフレア (FL)グリップを初めて使ってみましたが非常に使いやすいと感じましたね。スクェア (四角形)のストレート (ST)グリップとはまったくもって異なるフィーリングでした。ラバーはいつも通り、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)Dignics 05 (ディグニクス05)を貼らせていただきました。

 正直、一時期メインで使っていました。というのは、最近オーバーミスが多いので、弾みを落としたくてアウターからインナー、インナーからついにアウター繊維系へと興味が移った結果ですね汗。打球感も良くて一発で気に入りました。

Timo Boll ZLFの3つの特徴

上板硬めなのに強い弧線を感じられるアウター繊維系ラケット!

 このラケットに求めていたのは、自分が中学生のときに使用していたBISIDE (バイサイド)というアウターアリレートラケットのような打球感を期待して購入しました。期待通りの打球感でまるで昔から使っていたかのような変になじみを感じさせるラケットでした。とにかく弧線を強く作ってくれますね。弧線が強いので安心して強いボールを打てると感じられるラケットでした。

球持ちと強い弧線が安心感を与えてくれるブレード

 上板コト材でアウター繊維素材のブレード構成、板厚5.4 mmと、とにかく球持ちが強いと想像できるラケットです。硬いプラボールに対しても弱いタッチで強い弧線を与えてくれるブレードでした。手打ちでも弧線を描くので、半粒や変化形のラバーを使っている人のボールを打つときも安心してボールを台に入れることができると感じました。慣れ親しんだ打球感というのもあるのかもしれませんが、弧線が強いので、強く打ってもしっかり弧線を描いて相手のコートに沈んでくれると感じさせるブレードだと思います。良いラケットだと改めて感じました。

バックハンドも振り抜きやすく、つなぎの質がとにかく高い

 86 gの重量で標準よりやや軽い個体といってもいいと思います。フレア (FL)グリップでブレード面積も標準なのでバックハンドを打つときはかなり振り抜きやすくて、かなりバンバン打てると感じました。また弧線を描きやすいというのは強い回転をかけられることよりも、つなぎのボールの質を高くしやすいと感じました。もちろんラリーは続きやすくなる傾向になりますが、硬質プラボールになってラリーはどんどん長くなる傾向にありますので、長いラリーは必然といえるのかもしれません。その中で球質を落とさずにボールをつなぐことができることは、試合でも重要な要素だと感じさせてくれるラケットでした。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Virtuoso+ > Timo Boll ZLF > Fortius FT

スピード
 Fortius FT ver. D > Timo Boll ZLF > Virtuoso+

 

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