レビュー V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)

説明

 やっとV>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)をレビューします。既に巷でレビューがあふれていますが、このタイミングになってしまってもうしわけないです。既にV>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)についてレビュー済みになりますので、そちらとも比較しながらレビューさせていただきます!

 V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)およびV>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)は、2022年1月の全日本選手権から、VICTASさんの広報が始まっていたようです。その後、卓球王国などで情報が解禁されました。V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)は、岸川聖也選手の選んだラバーとして見開きで紹介されています (詳細はV>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)のレビューページ参照)。V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)については、丹羽孝希選手の選んだラバーとして特集ページが開設されています。

7年間の沈黙を破り、新たなモンスターが動き出す

V>15 Extra』の登場なら7年の時を経て、2022年に生まれたモンスターラバー。
スピードと回転量は世界のトップ選手の試打で実証済み。
ボールを食い込ませると同時にトップシートで強烈な「ひきつれ」を作り、特殊気泡を含んだスポンジが威力あるボールを弾き出す。
さらにその威力あるボールが、相手コートの深い位置で収まる安定性も兼ね備える。

https://www.victas.com/ja_jp/v-22-doubleextra

 V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)と比べると随分短い気もします。続いて、月刊 卓球王国12月号のPick UPから情報を抜粋させていただきます。

7年の時を経て今解き放たれるVICTAS渾身のパワフルラバー

 2015年、後にVICTASのフラグシップラバーとなる『V>15エキストラ』が発売され、それと同時に新たなラバーの開発がスタートした。そして今年の9月、約7年の歳月を費やして生み出されたVICTAS渾身の自信作、『V>22ダブルエキストラ』が満を持して登場。
 まず最初に説明しなければならないのは、『V>22ダブルエキストラ』は『V>15エキストラ』とも、3月に発売された『V>20ダブルエキストラ』とも異なる性質を持つということだ。
 『V>22ダブルエキストラ』はミディアムラージサイズの気泡のスポンジを採用したことで従来よりもラバーのテンション効果が増大。そのため、ボールの威力はVICTAS史上最高クラスとなっている。また、トップシートの表面は目視で確認できるほどの粒立ちで、強いテンションがかかっていることがわかる。
 すでに、全国の卓球ショップ店員や元日本リーガーに試打をしてもらって率直な感想を聞いたが、いずれも高い評価を獲得。特に、弾みの良さはピカイチで、試打者の中では「次のラバーは『V>22ダブルエキストラ』を使いたい」という声も聞こえた。
 「『V>22ダブルエキストラ』の一番の特徴はテンションのかかり具合。シートは粒が浮き立ち、気泡がやや大きめのスポンジを使用することで、高いレベルのスピード、スピン、コントロールを実現することが可能になりました。
 また、使用する選手の特徴にもよりますが、弾みの強いラケットと合わせることで、スピンやスピードといったラバー本体の良さをさらに引き出すことができます」(VICTAS開発研究部)
 実際に、長年ドイツ製ラバーを愛用していた筆者が『V>22ダブルエキストラ』を試打したところ、今までには感じたことのないような凄まじい破壊力に驚かされた。打球面を開き、ボールとラケットをぶつけるようにして打つと、相手コートの奥深くに突き刺さるような鋭い弾道のドライブが飛んでいく。従来のドイツ製ラバーでは、ぶつけて打った時にうまく弧線が作れず、ミスすることがあったが、『V>22ダブルエキストラ』はグリップ力が強く、自然と弧線を描いてくれる。威力が出ながらも安定感があり、まさに「勝てるラバー」だと感じた。
 VICTASが7年の歳月をかけて生み出した自信作。ぜひとも一度、その驚くべき性能を手にとって確かめてもらいたい。

卓球王国 2022年12月号 PICK UPより

 威力の高さを強調する説明文となっていますね。シート形状の先行情報からどちらかというと、スピード系ラバーのイメージで、そのスピードの速さを威力と表現していると思いますね。このあたりをレビューしていきたいと思います。

 余談ですが、VICTAS (ヴィクタス)さんは、粘着ラバーのトリプル、およびV>20とV>22を発売する前は、数字の後の英語はスポンジ硬度に対応させていたはずです。トリプルシリーズ、V>20とV>22の発売によって、ダブルエキストラで硬いんだろうけど、それぞれのラバーで、硬度が異なるような状況になっていますね。ダブルエキストラという言葉はなんかインパクトありますし、50°以上のラバーはダブルエキストラとほぼネーミングされてます。このルールに則らないラバーは、Triple Extra (トリプルエキストラ) (硬度 55°)、VS>401 (VS>401) (硬度57.5°)くらいでしょうか。V>20、V>22ではダブルエイキストラはインパクトのある言葉として使っている印象です。 

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。2022年のパンフレットから、ラバーの公表性能値におけるスピード (≒反発力)とシートの強さ (スピン)の関係を図として示されるようになりました。バタフライでいうところのスピードとスピン性能の図と同じようなものだと思われます。VICTASさんのラバーはドイツ製ラバーがフラグシップラバーであり、シートの強いラバーほど回転性能が高いということも明らかとなったといえるでしょう。実は最もシートの強いラバーはV>11 Extraになります。ポテンシャルとして、シートの強いラバーほど回転の最大値が高いことを示しているのでしょう。一方で、弧線の高さなども示してくれています。VICTASのラバーは弧線が低い、攻撃的なラバーも多いので、回転がかかる≠弧線が高いラバーが多いブランドといえるかもしれません。では、代表的なVICTASラバーを比較してみます。

SheetRepulsionSpeedArc HeightDriveSponge
シートの強さ反発速さ弧線の高さドライブの精度硬度
V>22 Double Extra9.08.39.06.77.350.0
V>20 Double Extra7.28.59.17.08.252.5
V>15 Extra9.28.88.47.47.147.5
V>15 Stiff8.89.39.16.77.545.0
V>15 Limber8.88.68.47.26.740.0
V>11 Extra9.78.58.86.97.147.5
V>038.78.58.46.77.542.5
V>016.78.99.06.47.547.5
V>01 Stiff7.18.68.86.57.545.0
V>01 Limber6.78.98.66.97.540.0
Ventus Extra9.08.58.87.77.547.5
Ventus Stiff8.67.98.68.17.545.0
Ventus Limber8.68.08.57.87.640.0
Ventus Regular6.06.57.26.36.742.5
Ventus Regular α6.87.38.36.97.242.5
VJ>07 Regular6.38.18.16.36.742.5
VJ>07 Stiff6.78.88.86.57.545.0
VJ>07 Limber6.39.39.25.77.540.0
VJ>07 Sticky Extra6.77.57.06.97.147.5
Triple Double Extra8.05.86.29.47.357.5
Triple Extra7.86.87.17.97.555.0
Triple Regular6.86.36.88.77.042.5
VS>4015.48.58.47.46.757.5
VS>402 Double Extra5.48.89.37.47.950.0
VS>402 Limber5.48.98.96.76.740.0

 また卓球王国2022年10月号で新たに発信されたVICTASさんの広告の一部を紹介します。

 V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)に注目してみます。ぱっと見た印象でも、V>15 Extra (V>15エキストラ)に近いスポンジ形状と粒形状に見えるというのが一つの特徴といえるでしょう。おそらく、今ある最も良い技術で、V>15 Extra (V>15エキストラ)と同じコンセプトで作り上げたラバーがV>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)ではないかと思います。続いて重量と硬度計比較になります。

Weightshore ashore ashore cshore csheet-spongesheet-sponge
gsheetspongesheetspongeshore ashore c
V>22 Double Extra5029.926.142.440.83.81.6
V>20 Double Extra5133.329.444.543.33.91.3
Triple Double Extra5025.131.842.146.1-6.7-4.0
V>15 Extra5029.525.341.640.84.30.8
Ventus Extra4929.927.842.141.02.21.1
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3

 偶然にもTriple Double Extra (トリプルダブルエキストラ)とほぼ同値になりました。硬さでいうとVentus Extra (ヴェンタスエキストラ)と同じくらいの硬さとみることもできる値になりました。ディグニクス系のラバーと比較すると扱いやすくて使いやすいラバーと感じるかもしれません。重量はやはり重いのでこのあたりは注意したほうがいいかもしれません。

V>22の貼りと重量

 サブラケットとして非常に扱いやすいLimba Inner (リンバインナー)に貼りました。

V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)
 ハイエナジーテンション裏ソフト
・Sponge Thickness:2.0/MAX mm
・弧線の高さ:6.7
・Speed:9.0
・ドライブの精度:7.3
・シートの強さ:9.0
・反発:8.3
・Sponge硬度:50.0 ± 3°
・7,500円 + 税
・71 g(切断前) → 50 g(Limba Inner (リンバインナー)に貼って)

 重たいです。人によっては重たいと感じるでしょう。ブルーラバーはいいですね!

V>22 Double Extraの3つの特徴

 このラバーはシート形状から想像つくとおり、本質的な方向性はTenergy 64 (テナジー64)やBryce Highspeed (ブライスハイスピード)のようにスピード特化系のテンションラバーになります。この点をおさえておかないと、多分おそらくおかしいことになる気がしました。スピード特化系のテンションラバーであるのに、とても回転性能が高い。少なくともBryce Highspeed (ブライスハイスピード)よりもしっかり球を持つし、なんならTenergy 05 (テナジー05)よりも回転がかかるかもしれません。スピード性能を確保したうえで、回転性能をMaxまで高めたラバーがV>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)だと思います。なかなか、厳しいレビューも多いですが、Tenergy 64 (テナジー64)やRasanter V47 (ラザンターV47)を使っていて、ツッツキやストップ、ループドライブで質の低さを補いつつ、スピードドライブで打ち抜いていきたい選手にはかなり良いラバーではないかと思います。

スピード系ラバーなのに、めちゃめちゃ回転がかかるしボールを持つ!

 全体的な方向性は、V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)に似ていると感じました。つまり非常に扱いやすいラバーだということです。V>15 Extra (V>15エキストラ)に見られた扱いにくさは、ほとんど感じませんでしたね。またディグニクス系のラバーと比べると弧線がやや低いので、その分思い切り回転をかけにいっても、しっかりおさまる安心感もありました。スピード系のラバーなのに、です!もちろん、球離れのギリギリ感じられる設計になっていて、人によっては球を持てないと感じるかもしれません。要はスピン系テンションラバーのように使える回転のかけやすさ、扱いやすさがしっかりあると感じられました。この感じは試打しないとわからないので、いい意味で意外でした。回転量もかなりかけられると感じ、上手に使えばテナジー系以上の回転量が得られると思います。

スピードドライブはかなり伸びる!

 スピードドライブを打った時に感じましたが、ボールがめちゃめちゃ伸びますね。弧線を描かずにある意味スマッシュのように超直線的だと感じました。これをスピードととらえるか威力ととらえるかは人にもよると思いますが、相手の時間を奪う、という点では、相手の脅威であることは間違いないでしょう。粘着ラバーに慣れていると少し弧線を描かない感じがいやになるかもしれません。このあたりは慣れが必要かもしれません。

バックでエネルギーロスなくスピードドライブが打てる!

 チキータはとにかくボール持つし、持ちすぎないのでかなりやりやすかったですね。そして、バック対バックでも少ない力でドライブがかけることができて、しかもスピードも出しやすいのでまさにバックに最適なラバーかもしれません。ボールを持ちたい時に持って、思い切りスピードを出したいときには出せるラバー。こんなラバーは今までなかったかもしれません。katsuo000のオススメはバックでの使用ですね。かなりいいと思います。しかも、今までのスピード系ラバーと比べると、ストップやツッツキが全然浮かない!この点でも驚きでした。どちらかというとトップ選手よりも中上級者で、抜群に相性のいいひとがいるのではないかと思いました。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 他のスピン系テンションラバーと比べても結構弧線が低いと思います。使いにくさはないですね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 個人的にはボールが沈まないと感じました。打点を落とした場合は、少しスピードドライブは難しくなるかもしれません。そのかわり突き刺すようなスピードドライブは、他のラバーよりもスピード感があって相手にプレッシャーかけるでしょう。

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ
 グリップ力があって、非常にやりやすかったです。このやりやすさは、扱いやすさにもつながる部分だと思いますね。これができると、無理に回り込んで、無理だと思ったときにループへ切り替えが可能ということだと思います。しかも、回転量は最低限 (といってもTenergy 05 (テナジー05)なみ)にはかかるとなると、良いラバーだと思いますね。

対下回転に対するスピードドライブ
 少し難しいかもしれませんが、慣れれば行けると思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 やりやすかったです。これはシートの形状のおかげだと思いますね。

カウンタードライブ
 やりやすかったです!スピード系がいい感じですね。

ストップ
 やりやすいんですよ。驚きでした。切ることもできます!

ツッツキ
 これも問題なくいけます。ブチっと切れます。回転量は粘着ラバーほどではないが、というレベルだと思います。

フォアフリック

フォアサーブ
 少し弾むので回転を強めにかける意識をした方がいいと思います。一方でナックルロングサーブでスピードを出すのはかなりいいです。練習はしっかりしたほうがいいと思います。

バックハンド系

軽打
 思ったより打球感が軽快でマッドでなかったのが驚きでした。もしVICTASで用具を揃えるなら、katsuo000はバックにV>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)を選ぶこと間違いないです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 これもかなり良かったです!かなり決められるような、スピードドライブが簡単に打てると思いました。ただ、フォアでも若干感じましたが、ボールの重さは軽いともいます。触られると簡単にかえってくっる感じがありました。ただ、このスピードは相手に強いプレッシャーをかけると思いますね。

対下回転に対するループドライブ
 Dignics 05 (ディグニクス05)と比較すると、弧線は低いので、想像以上にネットミスが多かったです。慣れていないだけだと思いますね。

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 やりやすかったです。ボールを持つので、アクティブブロック(伸ばすブロック)をやりやすいですね。

カウンタードライブ
 ミートっぽくうつこともドライブすることもできますが、ドライブの方が安定するのでオススメです。

ストップ
 よくとまりました。回転をかけたほうがいいと思います。

ツッツキ
 切れるとは思いますが、ややボールが浮くときもあると思いました。このあたりは好みもあるように思います。Dignics 05 (ディグニクス05)のようなボールへの吸い付きはなかったです。

チキータ
 最近Dignics 05 (ディグニクス05)を使っていて感覚が少し違うと感じました。どんなボールが来るかわからない中では、V>22の方が絶対にやりやすいと思います!

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 > V>22 Double Extra ≧ Tenergy 05

スピード
 Bryce Highspeed > V>22 Double Extra > Rasanter V47

https://amzn.to/3kBcAIS

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