説明
WRMさんが取り扱う中国メーカーの銀河 (YINHE)のラバー、Venus II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)をレビューさせていただきます。
katsuo000は中国メーカーにそこまで詳しくないのですが、銀河 (YINHE)はコスパが良くて面白いラバー、なかなか使えるラバーが多い印象です。基本的には粘着ラバーなので、寿命もそこそこ長く一部の卓人御用達のラバーではないでしょうか。今まで試打してきた銀河 (YINHE)の用具は
Blades (ラケット)
・PRO-13S (プロ-13S)
・970XX-KLC
・Venes V-14 (金星V-14)
Rubber (ラバー)
・Moon Blue Sponge (月ブルースポンジ)
・Jupiter II Blue Sponge 39° (木星IIブルースポンジ39°)
とラケット3本、ラバーは2枚になりますね。
WRMさんで取り扱いはないですがPRO-13S (プロ-13S)はアウターとインナーを融合させたラケットであり、970XX-KLCは上板硬めのインナーになりますね。Moon Blue Sponge (月ブルースポンジ)はJoola (ヨーラ)さんのGolden Tango (ゴールデンタンゴ)に似つつも、さらに使いやすくしたようなラバーでした。Jupiter II Blue Sponge 39° (木星IIブルースポンジ39°)は、DHSの省狂NEOIIIブルースポンジの廉価版のようなラバーでした。このJupiter II Blue Sponge 39° (木星IIブルースポンジ39°)は、WRMの看板選手こと、ぐっちぃ選手の愛用ラバーでした。その愛用のJupiter II Blue Sponge 39° (木星IIブルースポンジ39°)から、変更したのが、このページでレビューするVenes II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)になるそうです。それでは、Venes II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)のWRMの説明を確認してみましょう。
新しい本格派粘着が誕生ぐっちぃ5年ぶりの本職変更
サーブ・ツッツキが爆切れ/ループのチョリが遅い/ラリーは弾み・そして硬め木星2ブルーの超ヒットから早5年。ついに木星2ブルーより回転がかかり、さらに弾み、そして硬い。特徴を聞くだけでワクワクしてくる本格派粘着ラバーが完成しました。5年ぶりにぐっちぃの本職粘着ラバーが変わりました。金星ブルーの初期サンプルが届いたのが、ちょうど1年前のこと。そこから、何度も何度もメーカー側と調整を繰り返し、木星2ブルーの性能を越えぐっちぃが本職で使える新しい粘着が完成しました!とにかく凄い性能です。ぐっちぃとガネから紹介動画が届いています。まずはこちらをご覧ください。
ぐっちぃが今求めている粘着ラバーの理想型がコレです。練習時間が豊富なら、しっかり動く練習をして・身体を使って打てるし練習量に比例して反応も速いので弾まない粘着でもなんとかなっていたのですが、、、。新型コロナの影響で、ラケットを握る時間が激減。練習は、週に何度かの技術動画の撮影のみ。WRM的には外部での活動を完全にストップしていたので、いろいろ衰えています。(^^;ただ、そこは卓球用具開発に携わっている卓球ショップという強みを活かし練習不足は用具に求める性能でカバー。きっと手数で勝負の練習不足の人はラリーの入り口は早くなりすぎず台との距離を取った中陣の展開ではしっかり弾んでくれて楽に引き合いできるラバーぐっちぃと同じ性能を求めている方も多いと思います。ただ、前陣でサーブやツッツキは擦ると遅く長短の変化がつけやすいのに中陣ではしっかり弾むというのは矛盾する性能なので、実現が難しかったんです。金星ブルーの製造メーカー銀河はコロナの影響で国内向け・海外向けの卓球用品の売上が激減、その間製品開発にかなり力を入れていました。そして、ちょうど新開発の超粘着シートとぐっちぃが求めているラバー性能にぴったりマッチして今までの本格派粘着になかった新しい性能のラバー開発に成功しました。
https://rubber.ocnk.net/product/3523
硬いラバーみたいですね。やはり威力を上げるには、硬くする必要があると思います。どのように硬くしているのか、楽しみながら試打しました。
硬度計比較
Weight | shore a | shore a | shore c | shore c | shore a | shore c | |
g | sheet side | sponge | sheet | sponge side | sheet-sponge | sheet-sponge | |
Dignics 09C | 50 | 33.4 | 31.8 | 50.8 | 49.1 | 1.6 | 1.7 |
Dignics 05 | 48 | 34.3 | 31.3 | 50.0 | 48.2 | 2.9 | 1.8 |
Tenergy 05 | 47 | 32.2 | 26.8 | 44.6 | 43.3 | 5.4 | 1.3 |
Venus II Blue Sponge | 50 | 32.6 | 35.5 | 51.4 | 51.0 | -2.9 | 0.4 |
Jupiter II Blue Sponge | 52 | 32.8 | 38.3 | 51.7 | 51.7 | -5.6 | 0.0 |
Moon Blue Sponge | 51 | 30.9 | 34.4 | 49.6 | 50.3 | -3.5 | -0.8 |
Venus II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)を確認すると、木星と比較して、値そのものは低いのですが、shore aおよびshore cのシートとスポンジの差が小さい値になっていますね。実際、触ってみるとシートがかなり硬めで、まるで、Evolution MX-S (エボリューションMX-S)のようにシートがかなり硬い仕様になっていました。この粘着ラバーなのにシートを硬めにするというのは斬新だと思いました。というのも、粘着ラバーの王道は、シート柔らかめでスポンジよりも柔らかいことが常です。もちろん、このVenus II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)も例にもれず粘着ラバーらしく、シートよりもスポンジが硬い設計になっているのですが、その中でもシートの硬さを感じ、弾きやすさがアップしたようなラバーに仕上がっていました。これはどちらかというとディグニクスらしさをもった粘着といえるのかもしれません。ただ重量・硬さでみると、Dignics 09C (ディグニクス09C)に似ているようにも見えますが、くい込みやすさの点で、あきらかにDignics 09C (ディグニクス09C)の方が扱いやすいラバーになっています。
Venus II Blue Spongeの貼りと重量
Zhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。
Venus II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ) ・Sponge Thickness:2.2 mm ・Sponge硬度:39° ・3,480円 + 税 ・50 g(Zhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼って)
粘着は強めで、強粘着と言えるでしょう。重たいですね。また打球感がマッドで硬いです。これは使いこなせるとものすごい奴だと思います。
金星IIブルースポンジの3つの特徴
粘着ラバーとドイツ製ラバーを足して2で割ったようなラバー
かなり硬いですね!ラバー全体にかなりコシがあり、シートが硬く感じました。これは回転めちゃかかると一発でわかりました。ただ、つかいこなせれば、という但し書きがつきそうな感じでもありました。それくらいくい込まない打球感ですね。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)もかなり硬いラバーではありますが、くい込みがかなり良いので、その分飛び出しもかなり良いです。金星IIブルースポンジも、同じようにシートが硬い分、くい込ませるために思い切りぶつけるように打つ方がくい込ませやすいラバーでした。近いのは、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)などでしょうか。一度しっかりくい込ませるようにして、打つことでラバーの味が出るラバーだと思います。つまり、粘着ラバーとドイツ製ラバーを足して2で割ったようなラバーだと思いました。回転量がかけにくいと感じる人もいると思いますが、このあたりは慣れが必要かもしれません。
打球感がマッド!
粘着ラバーらしく、非常にマッドな打球感でした。マッドなラバーはドライブの球質が整いにくく、ボールが良い意味で荒れるので、受ける側はやりにくいと思いますね!非常に特徴的なマッドさだと思いました。そういえば、Jupiter II Blue Sponge 39° (木星IIブルースポンジ39°)もまずまずマッドな打球感でしたので、方向性は類似しているのかもしれません。
球質はエネルギーロスは若干感じつつ、エネルギーを込めれるならかなりいいボールが行くイメージです。このエネルギーを込められるかポイントで、マッドな打球感で他のスピン系テンションラバーと比較すると、打感の気持ち良さが半減するかもしれません。似たようなマッドさはHurricane NEO3 (キョウヒョウNEO3)などにも感じられますね。この点が好みの人はもろにはまるかもしれません。
サーブ、レシーブがやりやすい!
やはり粘着ラバーですので、サーブレシーブがやりやすかったです。スピン系テンションラバーよりも台上などで強みが出しやすいのが粘着ラバーですので、当然といえば当然かもしれません。マッドさがあるので、やはりパワーがないとスピードボールが打てない一方で、手堅く台上からのバリエーションが増やせそうな、粘着らしさを十二分に感じました。
ハードな粘着ラバーは、ぶつけて打つことでいいボールがいきますが、その時にパワーというかスイングスピードを要する感じがあります。ただめちゃめちゃハードなラバーというわけでもないので、スピードの出しやすいラバーだと思いました。硬さがどちらかというと、ドイツ製ラバーっぽい方向性で、直線性のあるスピードドライブがしやすいと思います。粘着ラバーの中でも個人的にはスピードが出しやすいと言えるのではないかと思います。ただ弧線を描きにくいので個人的には選択肢から外れると思います。ドイツ製ラバーっぽいVenus II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)の硬さは、同じYINHE (銀河)のApollo 5 (アポロ5)にも似たようなテイストを感じたように思います。硬くていいボールが打てるのですが、弧線が弱いのが個人的には苦手です。思ったより弧線を描かなくて、ネットミスが出るんですよね。Hurricane NEO3 (キョウヒョウNEO3)やOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)の方が弧線が強いので、個人的には好みで中陣の打ち合いに安心感を感じるんですよね。
各技術レビュー
フォアハンド系
軽打
特に違和感なかったです。
ロングボールやラリーでのドライブ
バタフライのラバーと比較すると球質はそろっていないと思いますが、硬い粘着ラバーのわりに、癖は出にくいかもしれません。そのかわりスピードは出しやすいと思います。
面を開いたドライブ
面は思い切り開いた方がいいボールが打てると思います。ただ面を開く打ち方は、小回りが利きにくいイメージもあるので、使い分けが重要だと思います。
対下回転に対するループドライブ
いいループドライブが打てると思います。ボールを吸収させにくいので、本当に表面だけで打つようにこする必要はありますが、それが出来たときの質は最高のループドライブだと思います。
対下回転に対するスピードドライブ
結構ぶつけにいかないと難しいと思います。切れてないボールは打てると思いますが、切れた下回転を打つ時は回転の影響を受けにくいので、面をしっかり開いて身体で回転をしっかりかけるようにしないと安定感をかけるかもしれません。
カーブ/シュートドライブ
ブロック
個人的にはブロックはやりにくいと思いました。硬すぎて落ちやすいと感じました。逆に粘着ラバーの割に相手のドライブに押されにくいと思います。
カウンタードライブ
ストップ
ツッツキ
フォアフリック
フォアサーブ
バックハンド系
軽打
ロングボールやラリーでのドライブ
対下回転に対するループドライブ
対下回転に対するスピードドライブ
カーブ/シュートドライブ
ブロック
カウンタードライブ
ストップ
ツッツキ
チキータ
他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
Omega VII China Ying >金星2ブルースポンジ ≧ 月ブルー
スピード
Omega VII China Ying >金星2ブルースポンジ ≧ 月ブルー