説明
2022年に引き続き、XIOM (エクシオン)さんの話題の新作であり、大々的に宣伝されているJekyll & Hyde (ジキル&ハイド) シリーズから、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)をレビューします。このラバーは、韓国で話題になったラバーらしく、コロナ禍もあって入手困難となる、そんなラバーのようですね。かなりいいラバと話題になったようで、かなり期待が持てる試打でした。それではまず2023年のXIOMさんのパンフレットからみてみましょう。冒頭からJekyll & Hyde (ジキル&ハイド) シリーズを激しくプッシュしています!
見開きページを惜しまずドドント3ページも使用してジキ&ハイをアピールしてますね!コンセプトとしてはVega (ヴェガ)シリーズとOmega (オメガ)シリーズをつなぐ、使いやすさと高性能を両立させようとしたシリーズだと思います。katsuo000が今までに試打したジキ&ハイシリーズのラバーは、Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイドH52.5)になります。このラバーはOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に似つつ、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)よりも使いやすくてスピン系テンションに寄せたラバーでした。今回試打・レビューしたラバーはJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)ですね。Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)について言及する前に、Jekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズのついて、確認していきたいと思います。パンフレットなどから、XIOM (エクシオン)さんのJekyll & Hyde (ジキル&ハイド)シリーズの説明を抜粋させていただきました。
2 IN 1 (Dual Max / 氷と炎の融合!)
相反するパフォーマンスを1つのラバーに
ジキル&ハイド それは、互いに相反する要素が1つの個体に入っていることを意味する。飛び出しの速さとコントロール、スピンと打球速度は、互いに逆ベクトルの要素であり、その両方を同時に満たすラバーを作ることは難題だ。今回私たちは、ディープラーニングを基にしたCYCLOIDテクノロジーを中心に、新時代のデジタル技術を活用。これらの相反する要素を1つの調和した作品に統合し、驚くべき新商品を誕生させた。
H series Hybrid (Hシリーズ): テンションと粘着のハイブリッド
V series Drag (Vシリーズ): 最大級のスピンを生む超強力摩擦
X series Power (Xシリーズ): 極限のドライブ攻撃のための強弾性
Z series Custom (Zシリーズ): 世界トップレベルの選手のための特級仕様
C series ? Sticky (Cシリーズ)?: 取り扱い簡単な新世代の中国式粘着ラバー
メーカー情報によると2面性を持ったラバーシリーズになりますね。katsuo000はとんがったラバーが好きなので、バランス系ラバーはやや好みではなかったりします。でもなぜでしょう、XIOM (エクシオン)さんのラバーだからなのか、話題のラバーだからなのか、魅力を感じて試打していますね。
続いて、各シリーズのラインナップとパンフレット情報を展開させていただきます。
Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)
中国式粘着トップシート搭載の二面性ギア
ボールをキャッチする感覚と圧力のある攻撃という、相反する二面性を同居させることに成功したハイブリッドラバー。中国ラバーに近い最新型の粘着性トップシートが確実で強烈なスピンを生み出し、エネルギーに満ちた高硬度スポンジがうねるような弾道でド迫力のドライブを発射させる。一度体感したら病みつきだ。
Jekyll & Hyde X47.5 / 50.0 (ジキル&ハイド X47.5 / 50.0)
ミート力とスピン力の双方をMAX強化
ボールをたたくミート系打法による垂直方向への飛び出しの速さと、ボールをこするスピン系打法による水平方向への牽引力と回転量ーその相反する双方向の要素を極限レベルにまで強化したモンスターラバー。スマッシュとドライブを使い分けて戦いたいプレーヤーにとって最高の相棒となる。
Jekyll & Hyde V47.5 / 52.5 (ジキル&ハイド V47.5 / 52.5)
超特急の引っかかりの中に潜む高反発力
ボールを最高のパワーで引っかけて猛烈な回転を作りたいーそんなプレーヤーの願いをいとも簡単に実現してくれるスピンモンスター。ボールの接触時間が長いから、どんな状況でも確実な回転をかけることが可能。しかも、スピードを出したい時には自由に出せる。超回転と不意打ちの速球。
Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)
世界代表クラスラバーの一般普及モデル
世界トップレベルで活躍する選手が使っている用具を、一般レベルの自分も使えないだろうかーそうした市民プレーヤーの願いをかなえた夢のラバー。元々は少数生産しかできなかったアイテムだが、技術革新が問題を解決。最上級のスピンとスピードが、より多くの人の手に届くようになった。
Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)は説明を読むと、要はOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)と類似のラバーではないかと感じました。実際Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)はかなり良いラバーで驚きでしたね。Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)は要は、Tenrgy 05 Hard (テナジー05ハード)みたいなラバーで、硬いんですがテナジーライクな打球感と、グルーイングしたような高い打球音、そしてエゲつないドライブが打てるラバーでした。Dignics 05 (ディグニクス05)のようなシート硬めのラバーではなくて、イキイキして弾力のあるスポンジのラバーでしたね。そんなイメージでJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)を試打・レビューさせていただきました。
性能値
公表性能値を比較してみましょう。
Speed | Spin | Sponge | Price (without tax) | |
J & H Z52.5 | 16.5 | 16 | 52.5 | 9,800 |
J & H V47.5 | 13.5 | 14 | 47.5 | 6,500 |
J & H V52.5 | 14 | 14 | 52.5 | 6,500 |
J & H X47.5 | 14.5 | 14 | 47.5 | 7,000 |
J & H X50.0 | 15 | 14 | 50.0 | 7,000 |
J & H H52.5 | 13.5 | 15.5 | 52.5 | 6,500 |
Omega VII Tour i48 | 16 | 16 | 48.0 | 10,600 |
Omega VII Tour i50 | 16.5 | 16 | 50.0 | 10,600 |
Omega VII China Guang | 13 | 16 | 55.0 | 7,000 |
Omega VII China Ying | 12.5 | 17 | 60.0 | 7,000 |
Omega VII Hyper | 14.5 | 15 | 55.0 | 7,000 |
Omega VII Tour | 14.5 | 14.5 | 55.0 | 7,000 |
Omega VII Asia | 14.5 | 14 | 52.5 | 7,000 |
Omega VII Euro | 13.5 | 14 | 42.5 | 7,000 |
Omega VII Pro | 14 | 14 | 47.5 | 7,000 |
Omega V Tour DF | 12.5 | 13 | 47.5 | 6,000 |
Omega V Pro | 12.5 | 12.5 | 47.5 | 6,000 |
Omega Asia DF | 13 | 13 | 50.0 | 6,000 |
Omega V Euro DF | 12 | 13 | 45.0 | 6,000 |
Vega X | 12 | 11.5 | 47.5 | 5,000 |
Vega Tour | 12 | 12.5 | 45.0 | 5,000 |
Vega DEF | 8 | 12 | 57.5 | 4,400 |
Vega China | 7 | 12.5 | 54.0 | 4,400 |
Vega Japan | 10.3 | 10.5 | 45.0 | 4,400 |
Vega Asia DF | 9 | 9 | 42.5 | 4,200 |
Vega Euro DF | 8.5 | 9 | 37.5 | 4,200 |
Vega Pro | 10 | 10 | 47.5 | 4,200 |
Vega Asia | 9 | 8 | 47.5 | 4,400 |
Vega Euro | 8.5 | 8 | 42.5 | 4,400 |
Vega Elite | 8 | 8 | 40.0 | 4,000 |
Vega Intro | 7 | 7 | 47.5 | 3,200 |
プロットが多くわかりにくいですが、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)はJ&Hシリーズの中で、最も性能が高いラバーであることがわかりますね。数字上は、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)と同等のスピードとスピン性能のラバーになっていますね。興味深いのは、トップ選手用のシリーズであるオメガVIIシリーズのラバーであるOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)よりもJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)の方が公表硬度が硬いことですね。これはそのままラバーの性能や特徴にも影響するのかどうか気になるところです。続いて硬度チェックです。
Weight | Shore a | Shore a | Shore c | Shore c | Sheet-Sponge | Sheet Sponge | |
g | Sheet | Shponge | Sheet | Spnoge | (shore a) | (shore c) | |
Dignics 09C | 50 | 33.4 | 31.8 | 50.8 | 49.1 | 1.6 | 1.7 |
Dignics 05 | 48 | 34.3 | 31.3 | 50.0 | 48.2 | 2.9 | 1.8 |
Tenergy 05 | 47 | 32.2 | 26.8 | 44.6 | 43.3 | 5.4 | 1.3 |
Jekyll & Hyde H52.5 | 49 | 33.4 | 29.3 | 45.5 | 44.9 | 4.1 | 0.6 |
Jekyll & Hyde Z52.5 | 52 | 31.4 | 27.9 | 45.9 | 43.7 | 3.5 | 2.2 |
Omega VII China Ying | 57 | 34.3 | 32.6 | 50.5 | 50.3 | 1.7 | 0.2 |
Omega VII Tour i50 | 52 | 35.1 | 29.9 | 49.2 | 48.2 | 5.2 | 1.0 |
Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)はまずまず重いラバーで、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)と同じ重さでした。一方、shore aでの硬度比較では、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)が硬く、shore cの硬度比較では、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)の方が硬い、という非常に興味深い結果になりましたね!
XIOM (エクシオン)さん公式では、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)の方が硬いわけですから、おそらく一般公開されている硬度はshore cに近いということも示唆しているように思います。katsuo000の経験としてshore aの硬度はシートの硬さが反映されやすいと思っていますので、この値が高いということは、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5、J&H Z52.5)よりもOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)の方が硬いシートを使用しているといえると思いますね。
J&H Z52.5の貼りと重量
今回はYasaka (ヤサカ)さんのReinforce AC (リーンフォースAC)に貼りました。
Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5) ・Sponge Thickness:2.1/MAX mm ・Speed:16.5 ・Spin:16.0 ・Sponge硬度:52.5° ・9,800円 + 税 ・73 g (カット前) → 52 g (Reinforce AC (リーンフォースAC)に貼って)
想像通り、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)はOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)によく似たラバーといえるでしょう。重量は同じで、シートとスポンジの構成が異なるのではないかと思いますね。
Jekyll &Hyde Z52.5の3つの特徴
もっちもちのTenergy05!
想像以上に打球感がもちもちで、印象としてはTenergy 05 (テナジー05)と感じました。Tenergy 05 (テナジー05)と比較すると硬度は硬いので、Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)に似ている、と感じる人もいると思いますが、katsuo000はTenergy 05 Hard (テナジー05ハード)ほど硬いとは感じず、Tenergy 05 (テナジー05)を少し硬くして、イキイキさせたラバーのように感じました。従って「もっちもちのTenergy 05 (テナジー05)」というのが、katsuo000が、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)に冠した表現です。またOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)と比較するとバランスの良いラバーで、Omega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)は弾丸のようなスピード感のあるドライブが特徴的ですが、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)はバランス型のラバーでくい込ませやすく、弧線も強い、安定感のあるラバーだと感じました。
かなりくい込ませやすい!
スポンジ硬度は52.5°と硬いのですが、shore aはOmega VII Tour i 50 (オメガVIIツアーi50)よりも軟らかく、弱い力でくい込ませやすいと感じました。くい込ませやすいと感じたこともあり、Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)ほどではないと感じて、Tenergy 05 (テナジー05)の方が近いと感じました。もちもち感が非常に強く、くい込ませやすいので、インパクトが苦手な方にゼッサンお薦めしたいラバーでした!
くい込みがいいのにシートが全く負けない!
くい込みが良いラバーは相手のトップスピンに対し、シートが負けることがあります。XIOM (エクシオン)さんのラバーは使いやすいラバーが多いのですが、Vega (ヴェガ)シリーズのラバーはシートが負けることがあって、カウンタードライブのときなどに、ボールの上を捉えすぎるとラバーがボールを捉えきれずボールが落ちることがあります。くい込みの良いラバーは、柔らかいということなので、Vega (ヴェガ)シリーズではボールの落ちを感じやすいのですが、このJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)はボールが落ちることもなく、非常に信頼して打てると感じました。というのも、もちもちしたラバーなので、ぼとっと落ちずラバーが相手のボールに追随して球を持つので、落ちることはないのだと思います。このどんなボールでもしっかり持てて落ちない感じは高級ラバーらしい性能の一つだと思います。逆にVega (ヴェガ)シリーズのラバーは高性能ではありますが、時に変に落ちることがあります。ここらへんは、katsuo000のような一般プレーヤーには気にならないレベルではありますが、トップ選手や全国レベルの方々には、受け入れられない部分なのかもしれないですね。
各技術レビュー
フォアハンド系
軽打
ロングボールやラリーでのドライブ
面を開いたドライブ
対下回転に対するループドライブ
自分は弾みすぎるのでやりにくいと感じてしまいました。回転を掛けすぎると弾道が高くなるし、打点を落として思い切り持ち上げるか、多少打点が低くても、強打に近いドライブができてしまうスピン系テンションラバーらしいラバーですね。
対下回転に対するスピードドライブ
ループドライブよりも基本は回転と弾きが1:1くらいのスピードドライブ系で十分プレッシャーをかけられる、そんなラバーだと思います。ぶち切れの下回転を持ち上げる時はループドライブで、他はガンガン前に振っていけると思います。
カーブ/シュートドライブ
ブロック
カウンタードライブ
ストップ
ツッツキ
フォアフリック
フォアサーブ
よく切れて良かったです。
バックハンド系
軽打
ロングボールやラリーでのドライブ
対下回転に対するループドライブ
対下回転に対するスピードドライブ
やりやすかったです。基本的にはくい込ませやすいので、多少低くても持っていけると思います。
カーブ/シュートドライブ
ブロック
カウンタードライブ
ストップ
ツッツキ
チキータ
くい込みが良いので多少、合わせたり入れにいっても問題なく入ると思います。自分は下手ですが、威力や回転量の多い攻撃的なチキータもやりやすいと思います。
他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
Omega VII China Ying > Jekyll &Hyde Z52.5 ≧ Tenergy 05
スピード
Omega VII Tour i 50 > Jekyll & Hyde Z52.5 > Jekyll & Hyde H52.5