レビュー Q Power (キューパワー)

説明

 mizuno (ミズノ)さんの2023年秋の本気の新製品、Q Power (キューパワー)をレビューさせていただきます。mizuno (ミズノ)さん、やはり発売してくれました!廃盤となってしまったフラグシップラバー、Q5 (キューファイブ)を超える、新たなフラグシップラバー、トップ選手用の新製品、Q Quality (キュークオリティー)をパワーアップさせたQ Power (キューパワー)です!

 まずおさらいですがQ Quality (キュークオリティー)Tenergy 05 (テナジー05)Dignics 05 (ディグニクス05)に近い打球感と表現され、中級者以上をターゲットに価格を下げつつ、シートの耐久性を上げる、というこれで売れなきゃ何が売れるの?という要素を盛り込みまくりのラバーでした。
 Q Power (キューパワー)は、そのQ Quality (キュークオリティー)をさらにパワーアップしたラバーということで、自然と期待が持てますね!卓球王国2024年1月号 (2023年11月発売)に特集記事が掲載されていました。mizuno (ミズノ)アドバイザリースタッフで水谷隼選手と同門の坂本竜介氏が紹介しています。記事から引用させていただきます。

 今、勝てるラバーには「回転」と「飛び」の両方が求められています。最近は微粘着など回転重視のラバーが増えていますが、男子は中・後陣でのラリーが多く、女子でも台から下がってプレーするケースが増えているため、「飛び」も重要な要素になるのです。
 ミズノはこれまで、廃盤になった『Q5 (キューファイブ)』がトップ選手向けのラバーでしたが、中・後陣に下がった時の飛距離にやや物足りなさがあり、ブロックや守備技術でボールが落ちやすかった。この『Q Power (キューパワー)』(以下『QP』)は『Q5 (キューファイブ)』にさらに飛びと回転をプラスした、いわば『Q5 (キューファイブ)』スペシャル。ガンガン打ちたいトップ選手が使えるラバーが出たな、と感じます。
 スポンジ硬度は52度とかなり硬いですが、従来の硬いラバーはパワーがないと飛ばせないイメージだったのが、『QP (キューパワー)』は飛距離が出て回転とのバランスも良い。実際に私も試打していますが、『Q5 (キューファイブ)』をさらにパワーアップさせながら、『Q Quality (キュークオリティー)』のような使いやすさもあるラバーに仕上がっている。
 打球音が出るのも良いですね。選手にとっては音は重要で、『飛んでいる』と感じさせてくれる。使って気持ち良くプレーできるラバーですね。

「卓球王国」2024年1月号より

 ミズノにとって、まさに「本命」と呼べる1枚だろう。この秋にリリースされたテンション系裏ソフト『Q』シリーズの最新作、その名は『Q Power (キューパワー)』。「パワー」というネーミング、「強打で突き破れ」といったキャッチコピーに並ぶ力強い文言からも、自信のほどがうかがえる。
 『Q Power (キューパワー)』は前作の『Q Quality (キュークオリティー)』発売後にユーザーから寄せられた「もう少し硬く、もう少しパワーのあるラバーがほしい」という声を受けて開発がスタート。トップ選手を満足させるだけのスピードとスピン、そして威力を追求した、ひと言で言えば「王道のストロングラバー」となっている。
 まず、パワーのある選手が使用しても、その力をロスなくボールに伝えられるよう、『Q』シリーズ史上最もハードな52度のスポンジを採用。さらにトップシート、スポンジともに材料自体のエネルギー効率を向上させることで、よりパワフルな性能に仕上げた。
 加えて、従来の『Q』シリーズよりもトップシートを薄くすることで、打球時に ボールが食い込みやすく、「ひきつれ」が起きやすい設計に。高いグリップ力と回転のかけやすさを持たせている。
 これまでの『Q』シリーズはトップ選手が使用した際に「中・後陣でドライブを打った時の飛距離、威力が物足りない」という声もあったそうだが、『Q Power (キューパワー)』はそうした課題も解消。前陣から後陣、どのポジションでも打ち負けることなく、強く回転をかけ返していける。
 ミズノ契約選手の多くが使用してきた『Q5 (キューファイブ)』 (廃盤)に替わり、新たな最高峰モデルとしてシリーズの頂点に君臨した『Q Power (キューパワー)』。ミズノが放つビッグインパクト、この新作はヤワじゃない。

「卓球王国」2024年1月号 Pick Up Productより

 Pick Up Productsでも特集され、注目のラバーであることがわかりますね。 

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。公表されているホームページの図になります。

(引用: https://jpn.mizuno.com/tabletennis/Q_series)

 Q Quality (キュークオリティー)は、廃盤になってしまったフラグシップラバーQ5 (キューファイブ)よりも高いスピン性能を持つラバーでした。そして、Q Power (キューパワー)は、Q Quality (キュークオリティー)よりもさらに高いスピン性能と、Q5 (キューファイブ)よりも高いスピード性能を持つラバーだとわかります。
 また特設ページでは、現在も販売継続しているQ Quality (キュークオリティー)、Q 1 (キューワン)、そしてQ Power (キューパワー)について特徴を説明しています。Q Power (キューパワー)の設枚は次のようになります。

 どこまでもハードな打球を追い求める上級者向けラバー。Qシリーズ最高の硬さを誇り、エネルギーロスを抑えて強い打球が打ち込める。飛距離と打球スピードを最大化するために設計されたQシリーズ史上最硬ラバーが、力の限界を引き出す。

Point 01:
 硬度化ラバー品質係数を高めたことで、相手のボールの勢いを 弱めることなく、スピンやスピードの乗った返球が出来るように。 パワーでねじ伏せるQシリーズ史上最硬ラバー。
Point 02:
 高威力粒の形状はQ5と同じ。 粒の間隔を少し狭くすることで、ボールの威力、スピード、スピン、持ち上がりをよくした。

https://jpn.mizuno.com/tabletennis/Q_series

 Q5 (キューファイブ)はシートがもっちりしていて、TSPの粘着シートを使って保管すると粘着のような感触となるシートでした。一方、Q Quality (キュークオリティー)のシートはレビューでも記載しているとおり、シートがややピンと張っていて硬さとコシのあるシートでした。このQ Quality (キュークオリティー)のシートはレビューでも触れているとおり、Evolution EL-S (エボリューションEL-S)のシートに近いと感じました。多分同じではないと思うのですが、類似の成分や思想で設計されたシートだと思います。当然、Q Power (キューパワー)についても、Q Quality (キュークオリティー)のパワーアップ版として発売されていますので、予想通り、Q Power (キューパワー)のシートはしっかりしていて、Q Quality (キュークオリティー)のシートと類似のシートだと感じました。Dignics (ディグニクス)シリーズもシートが硬く設計されています。昨今のButterfly (バタフライ)さんが作り出したラバートレンド、シートの硬いラバーですね。シートの硬さがあるため、相手の回転の影響を受けにくく、インパクトと技術があれば今までのシートよりも高い回転量も生み出せるラバー設計だと思います。その分、技術力やインパクトの強さも求められる上級者用のラバーとなりますね。mizuno (ミズノ)さんは競合他社のButterfly (バタフライ)さんを研究しているでしょうから、トレンドを追ってシートを硬く設計したのではないかと想像します。ですのでButterfly (バタフライ)さんのラバーに慣れている方なら、mizuno (ミズノ)のラバーもあまり違和感なく使いこなせるのではないかと思います。もし王道Butterfly (バタフライ)とは違う色や味を出したいならQ Quality (キュークオリティー)Q Power (キューパワー)もオススメですね。そして、シートの硬いラバーですので、うまく使いこなせば、カウンターがしやすかったり、しっかりインパクトできるとしっかりボールをグリップして高い回転量を得られるラバーだろうことは想像できますね。

 続いて硬度計になります。

Weightshore ashore ashore cshore c
gsheetspongesheetsponge
Q Power5031.229.443.842.7
Dignics 054834.331.350.048.2
Tenergy 054732.226.844.643.3
Q Quality4830.127.840.339.5
Q55131.831.145.844.3

 情報通り、硬度を比較すると、Q Power (キューパワー)Q Quality (キュークオリティー)のパワーアップ版ということで、重量、硬度どれも重く硬くなっていることがわかりました。またQ Power (キューパワー)Dignics 05 (ディグニクス)Tenergy 05 (テナジー05)と比較すると重いわりに柔らかいラバーであることがわかりました。ただDignics 05 (ディグニクス)Tenergy 05 (テナジー05)が凄いのは、スプリングスポンジやスプリングスポンジXの効果で計測硬度よりも軟らかく感じるんですよね。実際、世界標準Tenergy 05 (テナジー05)を初心者の方に使用してもらっても、ものすごい回転量のボールが打ててしまうくらい、インパクトの強さを必要としません。Q Power (キューパワー)はやや重いと感じるかもしれませんが、打球感はButterfly (バタフライ)製のラバーに似てくると想像できますね。

Qパワーの貼りと重量

 Ma Lin Carbon (馬林カーボン)に貼りました。

Q Power (キューパワー)
・Sponge Thickness:1.9/2.1 mm
・Sponge硬度:52°
・7,000円 + 税
・74 g(切断前) → 50 g(Ma Lin Carbon (馬林カーボン)に貼って)

 過去のQシリーズにたがわず、ラバーの反り返りは凄かったです。ただし、Q Quality (キュークオリティー)と同じく、廃盤となったQシリーズの、特有の臭さ、はなくなっていました。今後のmizuno (ミズノ)さんのラバーは臭いことはなさそうですね。

Q Powerの3つの特徴

ディグニクス系の高いカウンター性能!と質の高いドライブ!

 このラバーは、めちゃめちゃ良かったですね。主にバックに使ったのですが、いきなり使って違和感なく良いボールがばんばん入っていて気持ち良かったです。特に気持ち良かったのがカウンターで相手のドライブをジャストミートでカウンタードライブ返球できたのは良かったですね。想像どおりカウンター性能は高かったです。Q Quality (キュークオリティー)もカウンターがしづらいわけではないのですが、バックハンドドライブでの伸ばし合いをすると少し威力不足を感じやすいのがQ Quality (キュークオリティー)でした。Q Quality (キュークオリティー)は使いやすくて安定感はあるんですが、威力の部分は少しとパワフルさの部分で不安ですね。ディグニクスほどのボールの伸びはないと思いますが、Q Power (キューパワー)は世界標準Tenergy 05 (テナジー05)と同等以上の質の高いボールをになっていると思いました。

立ち位置としてはGlayzer (グレイザー)の上位互換?

 あくまでも個人の、katsuo000の感じたことですが、ラバーの回転レベルを比較すると次のようになると思います。
 Spin: Rozena < Glayzer < Tenergy 05Q Power < Dignics 80 < Dignics 05
シートの硬さと打球感から、Tenergy 05 (テナジー05)よりもシートの硬さを感じると思いますので、ディグニクスシリーズとGlayzerの間くらいが、Q Power (キューパワー)の位置だと感じました。もちろん、技術力のある人が使えばQ Power (キューパワー)はディグニクス側によった性能を示すと思います。

やや直線的な弾道!

 シートはQ5 (キューファイブ)に類似の形状という情報がありましたので、粒は太く密度はやや広い設計だと思います。このシートの特徴は回転量もスピードも出しやすい形状ですね。従ってButterfly (バタフライ)さんの05系のシートと比較すると弧線はやや弱いと感じると思います。その分直線的で決定打やノータッチを狙いやすいでしょう。弧線が欲しい場合は、木材系のラケットやインナーカーボン系のラケットとあわせることをオススメしますね。Ma Lin Carbon (馬林カーボン)はインナーカーボンでやはり弧線が出しやすく非常に相性がいいと感じました。試打するなら、是非インナーか木材ラケットで打ってほしいですね。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

フォアサーブ

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 Q Power Tenergy 05

スピード
 Dignics 05Q PowerTenergy 05

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