「進化が圧倒する。」ってこういうこと!ディグニクスとテナジーの違い

ディグニクスシリーズ ~進化が圧倒する~

 2019年4月1日にDignics 05(ディグニクス05)が発売され、多くのトップ選手が使用するディグニクスシリーズ。世界標準であるTenergy(テナジー)シリーズを超えるラバーとして発売されたディグニクスシリーズは、東京オリンピック2020の男子シングルスのベスト4の4人の選手のうち3人が使用しています。明らかにテナジーを超える存在であるディグニクスシリーズは今後世界標準となっていくのでしょう。

ディグニクスの公表性能値と硬度比較からわかる特徴

公表性能値&公表スポンジ硬度

・Dignics 09C(ディグニクス09C)
 Spin:13.00、 Speed:13.00、 スポンジ硬度:44(Butterfly基準)、ラバー重量:50 g
・Dignics 05(ディグニクス05)
 Spin:12.00、 Speed:13.50、 スポンジ硬度:40(Butterfly基準)、ラバー重量:48 g
・Dignics 80(ディグニクス80)
 Spin:11.75、 Speed:13.75、 スポンジ硬度:40(Butterfly基準)、ラバー重量:48 g
・Dignics 64(ディグニクス64)
 Spin:11.00、 Speed:14.00、 スポンジ硬度:40(Butterfly基準)、ラバー重量:45 g
・Tenergy 05(テナジー05)
 Spin:11.50、 Speed:13.00、 スポンジ硬度:36(Butterfly基準)、ラバー重量:47 g

 公表性能値からわかることは、ディグニクスシリーズはテナジーを上回るラバーであることですね。テナジー05と比較してスピード性能の劣るディグニクスはありません。回転性能も、ディグニクス64のみややテナジー05に劣るだけで、テナジー05と比較して、ディグニクスシリーズの極めて高い回転性能がよくわかります。スピード性能も回転性能も上回るということは、ディグニクスシリーズがテナジーを超えるラバーであることを示しています。
 一方で、スポンジ硬度はディグニクスシリーズよりもテナジー05の方が柔らかいこともわかります。硬度が硬いラバーほど扱うことが難しくなります。つまりこれは、テナジー05よりもディグニクスシリーズの方が使いこなすことが難しいことを示しますね。

硬度計比較

・Dignics 09C(ディグニクス09C)
 硬度計評価 shore a (sheet):33.4、 shore a (sponge):31.8
       shore c (shhet):50.8、 shore c (sponge):49.1
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 1.6
・Dignics 05(ディグニクス05)
 硬度計評価 shore a (sheet):34.3、 shore a (sponge):31.3
       shore c (shhet):50.0、 shore c (sponge):48.2
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 3.0
・Dignics 80(ディグニクス80)
 硬度計評価 shore a (sheet):33.1、 shore a (sponge):29.5
       shore c (shhet):48.6、 shore c (sponge):47.7
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 3.6
・Dignics 64(ディグニクス64)
 硬度計評価 shore a (sheet):32.3、 shore a (sponge):28.4
       shore c (shhet):48.0、 shore c (sponge):46.7
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 3.9
・Tenergy 05(テナジー05)
 硬度計評価 shore a (sheet):32.2、 shore a (sponge):26.8
       shore c (shhet):44.6、 shore c (sponge):43.3
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 5.4

1つ目の図は横軸に重量、縦軸にshore cの硬度をプロットしています。ディグニクスシリーズはやはり、テナジー05と比較しても明らかに硬いことがわかりますね。公表スポンジ硬度と同じ結果となります。ただし、スポンジ硬度だけでなく、シート形状に由来する硬さの影響も加味した結果でもありますので、同じスポンジ硬度でもディグニクス64が最も柔らかく、回転性能の高いディグニクス05はディグニクスの中でも硬いことがよくわかります。

 2つ目はshore aのシート側の硬度とスポンジ側の硬度の差を縦軸にプロットしています。このshore aのシート側とスポンジ側からの硬度の差は、扱いやすさ、ラバー全体へのくい込みやすさを客観比較できる数字である、とkatsuo000は考察しています。あるいは、shore cの値が同じくらいのラバーがあった場合、shore aのシート側とスポンジ側の差を比較し、その差が大きいラバーほど、くい込みの良さやシートの柔らかさを感じる、と考察しています。そのようにラバー全体へのくい込みやすさと考えた時、ディグニクスシリーズよりもテナジー05の方がボールがくい込みやすいことを示唆していると考えます。同じ硬度のスポンジを使用していても、ディグニクス64はくい込みやすく、ディグニクス05はくい込みにくいことも示唆します。テナジーを超えるために、ディグニクスシリーズは、くい込みの良さを諦め、ラバー全体を硬くしてスピード性能とスピン性能を高めたラバーといえるでしょう。

ディグニクスとテナジーの違い

 実際にディグニクスとテナジーを比較試打した場合に以下のことが言えると思います。またディグニクス09Cと対応するテナジーが存在しないため、 ディグニクス09Cは何をテナジーと比較するのか難しいです。逆にディグニクス09Cを除くディグニクスとテナジーとの比較では当てはまると思います。

ディグニクスシリーズ
 メリット
 ・テナジーとほぼ同じ重量で、テナジーよりも明らかに回転量もスピードも上回るラバー。
 ・テナジーシリーズよりも相手の回転の影響を受けにくいラバー。
 ・テナジーよりもシートの寿命が長い。

 デメリット
 ・テナジーシリーズよりも扱いが難しい暴れ馬。特にディグニクス05は難しい。
 ・ラケットとの相性がある。
 ・価格もテナジーより高い。
テナジーシリーズ
 メリット
 ・世界標準。世界中の選手が使用するラバーであり、常に比較の対象であった。
 ・ディグニクスシリーズよりも扱いやすい。
  台上から中・後陣、サーブレシーブなど総合的なバランスが取れたラバー。
 ・球持ちをしっかり感じやすく、緩急をつけやすい。
 ・ラケットを選ばず、どんなラケットにあわせても高い性能を示す。

 デメリット
 ・ディグニクスよりも寿命が短い。使っていなくてもシートの劣化が顕著に表れる。
 ・回転性能が高い分、相手の回転の影響もうけやすい。
 ・自分の力をしっかり伝えやすいので、当てるだけのボールは、棒球になりやすい。

 上述がkatsuo000の考えるディグニクスシリーズのメリットとデメリット、テナジーシリーズのメリット・デメリットになります。日本のトップ選手はディグニクスへ移行する選手も多い一方で、海外の契約選手はテナジーを継続する選手も多い印象があります。ヨーロッパの選手はラリー主体でダイナミックな卓球をする選手が多く、その際にくい込みの良さを求めるためだと思います。日本のトップ選手はダイナミックな卓球をしないわけではないですが、身長や体格に恵まれた選手は多くはないので、自然と台から離れると不利になりやすく、カウンターや前陣での強打時におさまるディグニクスを選択する方が多いのだと考察してます。使いこなせるのであれば、ディグニクスは良い選択となるでしょう。

 またディグニクスシリーズには、ディグニクス09Cという、粘着テンションラバーも存在します。ディグニクス09Cはテナジーシリーズにはなかったラバーであり、スピード性能はどうしても低いですが、その分、相手のボールを上書きする性能の高さが高いラバーと言えるでしょう。カウンタードライブや相手の回転を利用する技術は現代卓球において重要な技術であり、カウンタードライブや相手の回転を利用する技術がやりやすいディグニクス09Cは異質な存在でありながら認知度や人気の高いラバーとなっています。シートの粒と粒の間がやや広い形状になっていて、硬度の割には扱いやすくくい込みの良さも感じられるラバーだと思います。スピード性能を補うためにアウターカーボンやブレード厚さの厚いラケットとの組み合わせがオススメになります。

・Dignics 09C(ディグニクス09C)
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 ディグニクス05はテナジー05が進化したラバーであり、テナジー05の高いスピン性能を継承しつつ、ディグニクス系ラバーの中でシートにだけくい込ませるイメージで打球した際に最も球持ちとグリップと高い回転性能が得られるラバーだと思います。扱いも難しく、ディグニクスシリーズの中でも扱いにくさはトップレベルになります。その分、ツッツキやストップは粘着ラバーなみに切れますし、浮きにくく、ドライブはスピードも回転量も極めて高いです。テナジーと比較するとやや直線的になりやすいラバーです。弧線を補うためにアリレートカーボン(ALCやアラミドカーボン、ケプラーカーボンもOK)系のアウターラケットまたはインナーラケット、および最新技術セルロースナノファイバーを採用したラケットと組み合わせることがオススメになります。

・Dignics 05(ディグニクス05)
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 ディグニクス80は、ディグニクスシリーズの中で最も人気のあるテンション系ラバーだと思います。その理由はテナジーを超えるスピード性能と回転性能、およびディグニクス05よりも扱いやすいと3拍子が揃っているためだと思われます。打球感はテナジー80ではなくて、ディグニクス05とテナジー05を足して2で割ったものに近く、球持ちを感じやすいラバーになります。テナジー05をバックサイドに使っていた人には、テナジー05の進化版として、ディグニクス80の使用をオススメします。

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 ディグニクス64は、ディグニクスシリーズの中で最もスピード性能の高いラバーになります。ディグニクスシリーズの中で最もくい込ませやすく、扱いもしやすいラバーになります。その分、スピン性能やボールの威力は落ちる印象はありますが、高い安定感とスピードで、相手を圧倒できるラバーといえるでしょう。スピード性能は高いですが、ツッツキやストップも思ったよりやりやすいと感じるラバーでした。弧線を補うために木材やインナー系ラケットとの使用をオススメします。

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2021/8/16 雑感

Rhyzen ZGR(ライゼンZGR)の質感

 貼ってみました、joola(ヨーラ)さんの新作、Rhyzen ZGR(ライゼンZGR)です!ヨーラさんの粘着ラバーといえば、弾む粘着Golden Tango(ゴールデンタンゴ)と少し柔らかくしたGolden Tango PS(ゴールデンタンゴ パワースポンジ)の2枚だと思います。実はkatsuo000はゴールデンタンゴを使ったことがないので、この際に比較もしていきたいですね。

 ライゼンZGRは、粘着テンションラバーをベースに開発した待望の粘着テンションラバーだそうです。パンフレットをまとめると、シートもスポンジも新しいものを使ったドイツ製粘着テンションラバーといったところでしょうか。粘着の質感は、正直いうと、微々粘着というくらいで、ほのかに粘着という感じでした。

Rhyzen ZGR(ライゼンZGR)
 トップシート:ハイパー・トラクションサーフェイス(Hyper Traction Surface)技術
 スポンジ:細かい気泡で硬めのバランス・スポンジ(Balance Sponge)

ちなみに、昨年販売されたヨーラさんのDynaryz AGR(ダイナライズAGR)は下記のようになります。

Dynaryz AGR(ダイナライズAGR)
 トップシート:アドバンストサーフェイストラクション(Advanced Surface Traction)
 スポンジ:ハイパーバウンススポンジ(Hyper Bounce Sponge)

どのように違うのか、詳細は記載されていませんが、カーテン打ちの段階で、ライゼンZGRとダイナライズAGRはかなり類似の技術のように感じました。つまりダイナライズ系のラバーの粘着ラバーのような立ち位置ですね。そして、ライゼンZGRは、カーテン打ちの感触からは、Dignics 09C(ディグニクス09C)かTenergy 05(テナジー05)に似ているなーという印象でした。台上の感触は実際に台で打たないとわからないですが、ディグニクス09Cと同じような性能であれば、ディグニクス09Cの廉価版的位置なのかもしれません。そうだったらかなり嬉しいところですね。ディグニクス09Cの後にライゼンZGRが発売しているため、ディグニクス09Cを意識しているのではないか、とも考えてしまいました。早く試打したいです。。。

2021/8/15 雑感 フォア・バックで異質な特殊素材のラケットは?

近年になって増加傾向?

 XIOM(エクシオン)さんのIce Cream AZX(アイスクリームAZX)とIce Cream AZXi(アイスクリームAZXi)を筆頭に、フォア面とバック面で異なる特殊素材を使用したラケットが徐々に増えつつあるようです。katsuo000としては用具マニアとして、かなり気になりつつあります。そもそもフォアとバックで技術レベルが同じという卓人はほぼいないと思うわけで、そう考えた時に、フォア・バックで異質な特殊素材ラケットは合理的な気がします!現状、ラバーの硬度などでフォアとバックのラバーを調整するのが普通と言えば普通なのかもしれませんね。また、前述のアイスクリームAZXが販売された際に、卓球王国さんで試打されていましたが、異質な特殊素材をブレードに入れても、ラケットは繋がっているので反対面の素材の特徴がそのまま影響してきて、要は中途半端になりやすい、とコメントされていました。それでも用具マニア心をくすぐるフォア・バックで異質な特殊素材ラケット。日増しにそのようなラケットを使ってみたいと思うわけですね。

現在手に入るフォアバック異質な特殊素材ラケット

 どんな種類があるのか、調べてみました。日本メーカーはなさそうですね。XIOMを筆頭に中国メーカーでの販売が多いようです。やはり一定のロマンを感じますね苦笑。

Ice Cream AZX(アイスクリームAZX)

XIOM(エクシオン)
・Axylium Carbon(アクシリウムカーボン)(AXC)
・Zephylium Carbon(ゼフィリウムカーボン)(ZEC)
・Koto(1+7) / AXC+ZEC(2+6) / xxx(3+5)/ yyy(4)
・ブレード厚: 5.7 mm
・重量: 85 g
・ブレードサイズ: 157 × 150 mm
 新概念のハイブリッド(アウター)ラケット
片側には、球持ちの良さを演出するゼフィリウムカーボン。もう片側には、弾きの良さを演出するアクシリウムカーボンーーアイスクリームは、ブレードの両面に異なる特殊素材を組み込んだXIOM独自のスーパーハイブリッドラケットだ。アウタータイプのAZXでは、それぞれの素材の感触の違いをはっきりと感じながら、小気味いい球離れで軽快なドライブ連打を繰り出すことが可能。両ハンドの球質差で、対戦相手を凍え上がらせよう。
・使用者: Hung Chieh Chiang(ジャン・ホンジェ)
 使用ラバー:Omega VII China Ying(オメガ7チャイナ影)
       Omega VII Tour i 50(オメガ7ツアーi50)

 江宏傑選手が2021年8月にXIOMさんと契約したんですね!ちょうど、調べたら出てきたので情報を引用させていただきました。アウターカーボンのアイスクリームAZXを使っているのも注目でしたが、それ以上におそらくフォアにオメガ7チャイナ影を使っているのは非常に興味深いですね!自分もオメガ7チャイナ影は非常に楽しみなラバーで早く使いたいと考えてます。

Ice Cream AZXi(アイスクリームAZXi)

XIOM(エクシオン)
・Axylium Carbon(アクシリウムカーボン)(AXC)
・Zephylium Carbon(ゼフィリウムカーボン)(ZEC)
・Limba(1+7) / Limba(2+6)/ AXC+ZEC(3+5) / xxx(4)
・ブレード厚: 5.7 mm
・重量: 85 g
・ブレードサイズ: 157 × 150 mm
 新概念のハイブリッド(インナー)ラケット
ブレード両面に特性の違う素材(アクシリウムカーボン&ゼフィリウムカーボン)を配したXIOMラケットの意欲作・アイスクリームシリーズ。AZXiはインナータイプ、かつ表面材に粘りのあるリンバを採用したことで非常に回転量の多い重みのあるドライブを放つことができるトップモデルだ。やや重量感があり、扱うには相応のパワーが必要となるが、ツボに入った時の剛球はクセになる。その名に反し、甘くない強力兵器である。
・使用者: Jung Yougsik(ジョン・ヨンシク)
 使用ラバー:Omega VII Tour i(オメガ7ツアーi)

 韓国の鉄腕、ジョン・ヨンシク選手がアイスクリームAZXiを使用しているのは結構有名なイメージです。そして、おそらくフォアにHurricane(キョウヒョウ)のブルースポンジを使っていると思われますね。韓国のトップ選手はフォアにキョウヒョウを使いこなす選手が増えて、中国トップ選手を破ることが増えたイメージがありますね。日本の男子トップ選手もキョウヒョウを使う選手が出てきてもいい気がしますが。

PRO-13S

GALAXY(銀河)
・Arylate Carbon(アリレートカーボン)(ALC)
・Kevlar Carbon(ケブラーカーボン)(KVC)
・xxx(1) /ALC(2) /yyy(3) /zzz(4) /KVC(5) /y’y’y’(6) /x’x’x’(7)
・ブレード厚: 6.0 mm
・重量: 87 g
・ブレードサイズ: 157 × 150 mm

 銀河のラケットで、アウターとインナーを組み合わせラケットが販売されています。価格も7,000円+税と手頃といえば手頃の値段ですね。もしフォア側とバック側で影響し合わないとしたら、自分にベストな硬さは、アウターALCをフォア側に、インナーALCをバック側に欲しい所です。まさにこちらのラケットがそのような構成になると言えばなりますが、どうなのでしょう。気になるのでポチるかな〜。

2021/8/14 雑感

WRMさんのレビュー、7月末も投票どうもありがとうございました!

 少し遅くなりましたが、7月も投票していただいた方々、どうもありがとうございました!自分のようなレビューに投票していただいて、本当に嬉しいです。感謝申し上げます。m(_ _)m

 そして、WRMさんの8月の募集も残り1週間を切りました。今月は正直激戦の予感です汗。既に、自分以外に5件のレビューが挙がっています。最後にはザーシーさんも投稿されると思われるので、ノミネート厳しいかもしれませんね汗。ノミネートされなかったら、仕方ないと思おうと思ってます。もしレビューを書きたいと思っている方は是非書いてみてください!

レビュー投稿先: https://rubber.ocnk.net/form/3

8月のkatsuo000のレビューはLin Gaoyuan ALC(林高遠ALC)になります。ほぼ、張継科ALCと同じですが、Wang Manyu(王 曼いく)選手が使用していたことと、7月~12月の投稿はできればラケット比較をメインにしていきたいというkatsuo000の意向です。張継科ZLC、レボルディアCNF、キョウヒョウ龍Vあたりをレビューできたら、綺麗に比較できる気がしてます。いかがですかね。
katsuo000の林高遠ALCのレビュー
 WRMさんの 林高遠ALC : https://rubber.blog.jp/archives/51999008.html
 このブログにおける林高遠ALC: https://katsuo000.com/review_lingaoyuan_alc/
 卓球ナビにおける林高遠ALC: https://takkyu-navi.jp/user/detail/1000006621/10
katsuo000の張継科ALCのレビュー
 このブログにおける張継科ALC: https://katsuo000.com/review_zhangjike_alc/
 卓球ナビにおける張継科ALC: https://takkyu-navi.jp/user/detail/1000006621/5

今後の試打

 前回、Evolution EL-Sやトルネードキングスピードをと書かせていただきましたが、まだEvolution EL-Sが打てていません涙。なんか、Vega X(ヴェガX)に似ている感じはしています。Vega Xより柔らかいとは思いますが。Vega Xぽいとなると、Vega Xでいい気もしますが、そのあたりを早く試打したいなー。気になっていたハイエンドラバーがだいぶ試打できました。正直、もっとディグニクスっぽいイメージをしていたのですが、フタをあけたらテナジーよりなイメージでしたね。これにはかなり驚きでした。一番ディグニクスに近そうなイメージはMX-Dですが、それでもディグニクス80よりも球離れが速いイメージがあるので、どうせ使うならディグニクス64の方がいいような気もして、違う気がしました。andro(アンドロ)さんのR53もそうでしたが、シートの粒が結構細めのものが、ドイツ製には多い印象です。MX-Dも細いと感じました。スピードの出しやすいシート形状で、スピードドライブが打ちやすくて、使っていて気持ちはいいですけど、オーバーミスが怖くなるラバーなんですよね。実際、R53もMX-Dもオーバーミスが多かったです。一方で、STIGAのDNAがかなり尖ってきたなって思います。DNA Platinumは、球持ちもあってテナジーの代替になるラバーな気がします。今年のオシはDNA Platinumかな。あのラバーは面白かった!と、まぁ雑感ということで、好きなことを書いてます。
 インナーカーボンラケット欲しいのですが、種類が多くてどれから手を出すか迷ってます。アルネイドインナー、ゼクスギアイン、トルネードキングパワー、張本智和インナーフォースALC、このあたりが欲しいですが、なかなか踏み切れないです汗。トルネードキングパワーは廃盤になるみたいなので、廃盤セールの時に購入したいという淡い期待をもったりしています。

レビュー Reinforce AC(リーンフォースAC)

説明

 Yasaka(ヤサカ)のラケット、Reinforce AC(リーンフォースAC)をレビューさせていただきます。ヤサカといえば、裏ソフトラバーのMark V(マークファイブ)が有名だと思います。katsuo000も6歳のときにラケットを握りましたが、そのラバーにはマークファイブが貼ってありました。そのヤサカさんのラケットのレビューになります。ヤサカの用具といえば、多様な乱発はせず超高性能ではないけれど、トップ選手も満足するものを、お手頃価格の用具が多い印象です。ヤサカのラケットラバーなら、安心して購入できるということも多いと思いますね!ヤサカのラケットといえば、Ma Lin(馬林)シリーズが有名でしょう。特に5枚合板で入門者から中級者以上まで使用できるMa Lin Extra Offensive(馬林エキストラオフェンシブ)と、7枚合板でTリーグ出場トップ選手の神巧也選手愛用Ma Lin Extra Special(馬林エキストラスペシャル)はリーズナブルさも相まって人気だと思います。

 またカーボンの入った馬林シリーズは3種類が販売されていますが、どれもインナー位置にカーボンを配したラケットになっています。Butterfly(バタフライ)さんのインナーフォースシリーズが販売されるよりも前から馬林カーボンは販売されていて、時代を先読みしていたヤサカさんとも言えるのかもしれませんね。ただし、バタフライさんのインナーフォースシリーズが大ヒットしたことも受け、VICTAS(ヴィクタス)さんはFire Fall(ファイヤーフォール)シリーズを、ヤサカさんはReinforce(リーンフォース)シリーズを発売しました。各メーカー、インナーカーボンシリーズを持つようになりましたし、メーカーによってはシリーズ化していなくても、どの位置にカーボンが配しているのか、ネイミングやパンフレットを見るだけでわかるようになってきたように思います。

 今回は、ヤサカのインナーカーボンシリーズの1本、Reinforce AC(リーンフォースAC)のレビューになります。リーンフォースシリーズは4本ラインナップしており、販売価格は同じで、その全てが卓球王国さんによって取り上げられるオススメラケットシリーズになりますね。あまり知名度は高くない印象ですが、今回レビューするリーンフォースACはバタフライの人気モデル、Inner Force Layer ALC(インナーフォースレイヤーALC)を明らかに踏襲しようとしていて、個人的にはかなり期待のラケットでした。他メーカーの売れているものの廉価版を販売する、という戦略は利口だと思います。

引用

 それでは、YASAKAのパンフレットから説明を引用させていただきます。

 様々なカーボンを中芯材のすぐ横に挟み込む事によって、木材のコントロール性能を持ちながらも特殊素材の反発力を加えた。プレーヤーの打球に威力と安定性を与える「リーンフォース」シリーズ。

 高い反発力と柔らかい打球感を持つアラミドカーボンを搭載。安定性を保ちつつも威力のあるボールを打つことが出来る高性能ラケット。

https://www.yasakajp.com/items/reinforce-ac/

アラミドカーボン

 アラミドカーボンとは、Aramid(アラミド)繊維とカーボンを編み込んだ素材のことです。卓球王国さんでは、バタフライさんのアリレートカーボン(ALC)とほぼ同じ扱いをしている素材になります。アラミドとは、ポリアミドのことだと思います。ポリアミドの中には、商品名にもなっているケブラーも含まれるので、アラミド繊維だけでもケブラーなどの種類が存在することになると思います。

 下記はケブラー(Kevlar)の構造式になります。ケブラーは、Dupont(デュポン)社によって開発された世界初のスーパー繊維で、防弾チョッキなどに利用されている繊維になります。

パラ系アラミド繊維ともいわれる材料で、硬さのある繊維になりますね。katsuo000も、卓球王国さんに従い、アラミドカーボンやケブラーカーボンは、ALCと同じカテゴリーとして採用しています。

ブレード情報と比較

 仕様をみれば大体どのようなラケットか、わかる人にはわかると思います。katsuo000が参考にしている「TT BLADES DATABASE」さんを参考にしました。

TT BLADES DATABASE:  https://stervinou.net/ttbdb/index.php

種々のサイトでブレード構成について議論や情報が出ていて、何を参考にするかは難しいところです。個人的な意見として、重要なことは特殊素材の位置と上板(表面板)の素材であり、他は正直違いがあまりわかりません汗。上述のサイトは英語にはなりますが、各木材についても言及してくれているので非常に参考になると思います。

Reinforce AC: Limba (1+7) /Limba (2+6) /AC (3+5) /*** (4)
         6.0 mm、 157 × 150 mm
Harimoto Tomokazu Inner Force ALC: 
         Limba (1+7) /Limba (2+6) /ALC (3+5) /Ayous (4)
         6.0 mm、 158 × 152 mm
Inner Force Layer ALC:
        Limba (1+7) /Limba (2+6) /ALC (3+5) /Ayous (4)
         6.0 mm、 157 × 150 mm
Virtuoso AC:  Limba (1+7) /Limba (2+6) /AC (3+5) /*** (4)
         5.6 mm、 158 × 150 mm

 マイナーなラケットなため、確証がない部分は***にしています。上板にLimbaを2枚というのは、近年のインナーラケットの特徴的な部分だと思いますね。まだ張本智和インナーフォースALCを試打したことありませんが、ほぼほぼ打球感はリーンフォースACとかわらないと想像します。むしろここまでブレード構成が似てくると、個体差である重量の影響や、好みの現れやすいグリップの太さや細さで打球感は変化してくるでしょう。

Reinforce ACの特徴

上板リンバでよくつかむ!安心感のある打球感!

 インナーカーボンラケットはめちゃめちゃ使いやすいですね!すごくボールをつかみます!その分、ボールの球離れも遅い気はしますが、試合でそこまで気にならないと思いますし、この打球感はどんなに苦しいときでも、ボールを持ち回転をかけたりコントロールしたりしやすくしてくれるので、武器になりますね!ヒットするのもよくわかります。回転をかける感覚をしっかり感じられるので、初見で初めて見るようなボールでもしっかり自分の回転にして返球しやすく、ミスのできない場面でも自信をもって強打することができると思います!

6.0 mmのブレード厚さで、ハードヒット時の威力は十分!

 ブレード厚さ6.0 mmは、7枚合板の領域ではないかと思います。やはりハードヒットすると、威力のあるボールが打てますね。これはカーボンありのラケットらしいさがあると思います!個人的にはハードに厚くぶつけるように打ったときと、ラバーのシートだけにくい込ませるように打つ時で、イメージの飛距離が違うことに少し違和感を感じましたが、バタフライのInner Force Layer ZLC(インナーフォースレイヤーZLC)ほどではありませんでした。インナーフォースレイヤーZLCはカーボンもかたいZLCを使っているので、厚くぶつけた時とシートだけで打った時の差が激しいのだと思います。この辺りは使い込めば慣れて違和感はなくなることでしょう。

コスパが素晴らしい!

 実は今回、リーンフォースACは、在庫処分で購入できました!その価格はなんと、5,470円!めちゃめちゃお得に購入できたことも嬉しい一品でしたね!それでいて、現在メインで使用しているヴィルトーソAC(販売価格25,000円越え)と打球感に遜色はありません。じゃっかんですが、リーンフォースACの方が飛距離と弾みが強すぎると感じるだけ、という申し分ない性能でした。グリップ(フレアのみ)や細さなどにこだわらないのであれば非常に優れたラケットでしょう。katsuo000はグリップの太さにはあまりこだわりはなく、近年はフレアを好むので、リーンフォースACサブラケットとして使っています。しっかり重量を選んで購入すればかなりオススメです!

おすすめのラバー組み合わせ(あくまでも個人の感想)

フォアラバー

バックラバー

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Virtuoso AC > Reinforce AC > Tornado King Speed

回転のかけやすさ
 Virtuoso AC > Reinforce AC > Tornado King Speed

スピード
 Tornado King Speed > Reinforce AC > Virtuoso AC

飛距離
 Tornado King Speed > Reinforce AC > Virtuoso AC

上達を妨げない小学生以下にオススメのラケットラバー!

初心者が初ラケットラバーを買うなら ① 小学生以下編

 本記事は、タイトルにあるように小学生以下の初心者が、卓球を初めたいと思いたった際に、役立つような情報を提供したいと思います。

初ラケットの予備知識

 初ラケットで確認すべきことは、次の3点だと思います。グリップ形状、どのようなブレードか(木材合板系かそれ以外か)、ラバーが貼ってあるか(貼りあがりラケットは注意)どうかですね。順に説明していきます。

グリップ形状

 卓球を始める際、最も重要なことはグリップです。基本的には2種類シェークハンドペンホルダーになります。それぞれの特徴を概略します。

シェークハンド
 初心者からトップ選手まで、現代主流のグリップです。

 メリット
   小さい子でも握りやすくて、フォアもバックもやりやすい。
 デメリット
   台上とミドルが苦手。金銭的にはフォアもバックもラバーを貼るためラバーは2枚必要。
   (ただし、ペンでも裏面に2枚目のラバーを貼るのが主流となりつつある。)
ペンホルダー
 減ってきているが中国式ペンホルダーがトップ選手でも活躍してきて新たな流行りが来るかも。

 メリット
  シェークハンドよりもドライブの回転量が多いと言われる。台上もやりやすい。
 デメリット
  バックハンドがふり抜きにくく、弱点とされる。克服のために裏面も貼る選手が増加。
  また初心者は誤ったグリップになりやすい。
  上級者やトップ選手でもフォアやバック、強打など打法でグリップを変更することが多い。

 ペンホルダー、特に日本式ペンホルダーは減ってきています。また日本式ペンホルダーは、今では非常に希少で高価なヒノキ単板のラケットが主流になります。これは非常に高く、初心者にはオススメできません。逆に中国式ペンラケットは増えつつあり、ブレード構成もシェークハンドと似てきました。中国式ペンラケットなら、以下の考え方は適用できますので、ご参考いただけると思います。

どのようなブレードか(木材合板系かそれ以外か)

 どのようなラケットなのか、その根幹を担うものが、どのようなブレードか、になります。専門用語が多く、卓球をやっている人でも全てを把握している人は少ないと想像します。重要なポイントは木材合板系かそれ以外かどのような戦型向けかブレードの厚さ、だと思います。インターネットが進んだ現代では、各ラケットの名前で検索してメーカー紹介の説明をあらかじめ調べると良いと思います。

特殊素材の有無
 価格に直結する要素になります。おそらく卓人一般論として、初心者のラケットに特殊素材の入ったラケットである必要はない、というのが専らな意見でしょう。つまり、初心者には5枚合板系や7枚合板系の特殊素材の無いラケットがオススメということです。katsuo000も後述のデメリットがあると思いつつも、メリットの方がデメリットを上回るため、合板系ラケットをオススメします。

 5枚合板や7枚合板メリット
  トップ選手も使用していることがある。
  感覚をつかみやすく、打球感が良いために扱いやすいラケットが多い。
  安い。

 5枚合板や7枚合板デメリット
  比較するとスピードが遅い。
  スイートスポットが狭い。
  個体差が大きい。
  物理的な強度が弱い。(上板がはがれやすかったり、落とすと折れたりなど)

 それ以外のラケットの説明として、登場したり説明されうる点として、「どのような戦型向けか」などがありますが、はっきりいってあまり気にしなくて良いです。メーカー側がどのような思いで、ラケットを作っているのかが反映する部分になり、場合によっては「大きなお世話」になりかねない部分とも言えます。メーカー側は攻撃用、オールラウンド用、守備用と想定して、ブレードの厚さやブレード面積を変更しています。攻撃用のラケットは、威力やスピードを出すためにブレード厚さは厚く、ブレード面積はレギュラー(最も標準的なサイズ)にすることが多いでしょう。オールラウンド用は、ブレード厚さをやや薄くし、ブレード面積はレギュラーが多いと思います。そして守備用ラケット、特にカットマンをイメージしたラケットは、ブレード厚さは薄くして弾みを抑え、速いボールにも対応しやすいようにブレード面積を広くしてスイートスポットを広げていますね。ただし、攻撃型のトップ選手でもブレード面積を広くすることもありますので、あまり固定観念を持つべきではないでしょう。これらの考えは近年すたれつつあるものです。守備用ラケットでも強烈なドライブやスマッシュは可能ですし、攻撃用ラケットでもカットをするトップ選手も存在します。
 katsuo000のオススメはブレード厚さが薄い合板系ラケットになりますね。ブレード厚さが厚いと弾んだり飛距離が出やすいので打つ時は気持ちいいかもしれませんが、その分台上や守備が難しくなりやすいですね。

ラバーは貼ってあるか(貼りあがりラケットは注意)

 初心者さんで気を付けるべき最も重要なことの一つは、ラバーが貼ってあるか、かもしれません。もし、1年に10回未満しか卓球をすることがないのであれば、貼ってあるラケット(貼りあがりラケット)でも良いかもしれません。しかしながら、部活動やクラブなどに入り、1年間で10回以上卓球をするのであれば、ラバーとラケットは別売りのものを購入して使用することをオススメします。貼りあがりラケットのメリットデメリットを記載します。

貼りあがりラケット
 卓球メーカーなどが販売しているもので、販売の時点でラケットにラバーも貼ってあります。卓球ショップで売られていることはほぼなく、工務店や総合スポーツショップなどで置いてあることが多いです。卓球を長く続けるなら、明らかに買わない方が良いです。

 メリット
  圧倒的に安い。
  トップ選手のラケットのようなデザイン。(デザインだけはかっこいい。)
  すぐに使える。(ラバーを貼る必要なし。)

 デメリット
  品質が極めて悪く、また劣化も極めて速い。(すぐに使えなくなる。)
  ラバーを貼り替えて使うことを想定されていない。(上達を妨げるのでやめるべき。)
  (多くの場合、長く使うことで)上達を妨げる

 katsuo000の経験ですが、部活動で金銭的な理由から貼りあがりラケットを継続使用している友人がいましたが、上達を妨げていたと感じました。貼りあがりラケットのラバーのみ、販売されているラバーに変えて使うということもされていましたが、そのラケットは酷いものでした。自分が使っても非常に扱いにくいラケットで、何が扱いにくいかというと、同じ打ち方でもボールが落ちたり弾んだりするんです。ブレードの当たる場所によって、弾みやボールのグリップが異なるというのは、トップ選手でも使いづらいと感じることでしょう。ラバーを貼ることを失敗したようなラケットで、本当にオススメしません。「弘法筆を選ばず」という言葉がありますが、競技そのものが異なるといっても過言ではないくらいラケット性能が悪いです。長く卓球を続けるのであれば、このような貼りあがりのラケットは買わないでください。

 またラバーを貼るという、初心者には大きなハードルを下げる手段として、卓球ショップでは無料で貼ってくれます。インターネットでも無料貼りをサービスしているお店が増えました。逆に、Amazonなどで購入すると割引なしで貼ってもくれない、などということがあるのでご注意ください。卓球ショップでは、定価からの割引は常識(季節限らず当たり前)であり、無料で貼るのも常識です。またショップで初心者用として、下記に挙げるラケットなどとラバーをショップ側で勝手に貼り上げたものを販売することもしています。このパターンであれば、上記のようなデメリットもなくなるので、是非購入していただければと思います。

小学生以下にオススメの具体例

 上述の初ラケットの予備知識に加え、小学生以下の卓球用具を考えた際に考慮すべきは、ブレード面積の小ささやグリップの細さだと思います。ブレード面積を小さくすることで軽量化を、グリップを細くすることで小さな手でも握りやすくなります。各メーカー、多くはないですが子供が使うことを想定したラケットを提案しています。ご参考ください。

ラケット

SWAT(スワット)

・VICTAS(ヴィクタス)
・7枚合板
・価格 5,500円 + 税
・ブレード厚:6.0 mm
 https://www.victas.com/ja_jp/products/blade/shakehand_racket/offensive/swat-kids

よりパワフルなキッズラケット
 『SWAT』の性能をそのままに、ブレード、グリップサイズを小さくしたキッズ用ラケット。キッズ選手はもちろん、手の小さな選手にもおすすめ。

 SWAT(スワット)は、プロ選手が使用して人気が出たラケットで、ヴィクタスさんの主力ラケットといえるでしょう。上記はSWAT Kids(スワットキッズ)になりますが、ブレード面積とグリップが小さくなっているだけで、実際のSWAT(スワット)とブレード構成も値段も変わりません。SWAT SLIM(スワットスリム)というブレード面積はSWAT(レギュラーサイズ)と一緒で、グリップが細いラケットもあるのは嬉しいと思います。スワットキッズ → スワットスリム → スワットと移行していってもいいと思いますね。
 現在スワットで活躍するトップ選手はほぼいないと思いますが、スワットシリーズのSWAT Power(スワットパワー)は、丹羽孝希選手も使用していたそうですので、初心者に限らずトップ選手も十分に使用できるラケットといえるでしょう。実販売価格は、4,114円(税込み)でした。

https://amzn.to/3ANQPJ1

Timo Boll J(テイモボルJ)

・Butterfly(バタフライ)
・5枚合板
・価格 4,800円 + 税
・ブレード厚:6.1 mm
 https://www.butterfly.co.jp/products/detail/36931.html

4~9歳向けの入門用モデル
 卓球を本格的に始めたい4~9歳の選手に向けて開発したラケット。小さな手でもしっかり握れるようグリップは短く細めに、小柄な体格でも振りやすいようブレードはコンパクトに設計しました。

 実販売価格は税込み3,960円でした。ヨーロッパの皇帝、Timo Boll(ティモボル)の名前を冠しているのも嬉しいですね。価格もラケット形状もオススメです。

https://amzn.to/3fXqpMS

Amin(アミン)

・Nittaku(ニッタク)
・5枚合板
・価格 3,500円 + 税
・ブレード厚:5.9 mm
 https://www.nittaku.com/products/rackets/post-60

軽くてボールコントロールが良い
 コントロールが良く、軽い重量設計に仕上げることで、様々な技術をマスターする時期にオススメのラケット。

 実販売価格は税込み2,503円でした。コスパを求めたらこのラケットが挙がりますね。使っている人も稀なイメージです。

https://amzn.to/3geiScL

Hopestar Princess II(ホープスタープリンセス2)

・YASAKA(ヤサカ)
・5枚合板
・価格 3,500円 + 税
・ブレード厚:6.0 mm
 https://www.yasakajp.com/items/hopestar-princess2/

かわいらしい冠と羽がモチーフの女子用キッズラケット
 コンパクトブレードで握りやすい細めのグリップのキッズ用ラケットです。女子用のプリンセスはレッドベースで冠と羽のロゴです。

 実販売価格は税込み2,503円でした。女の子用を意識して、赤色を基調にしたデザインは、他メーカーにない目の付け所だと思います。娘にも受けそう。

https://amzn.to/2VJ3Vb1

ラバー

 ラバーになります。スポンジ厚さを選ぶ必要が出てくるのですが、初心者は中と呼ばれる厚すぎず薄すぎないものを使うことをオススメしたいと思います。薄いほど回転の影響を受けにくく、弾みにくくなると言われます。真ん中の厚さを使えばバランスはとれることでしょう。

Hurricane III(ニッタク製キョウヒョウ3)

・Nittaku(ニッタク)
・裏ソフトラバー(粘着)
・価格 4,100円 + 税

 世界を席巻する中国卓球の粘着シートと同じシートで、扱いやすいように日本製のスポンジをあわせたラバーになります。中国では小さいときから、粘着ラバーを使用して練習するといいますが、同じような考え方で卓球を開始するのであれば、ニッタク製のキョウヒョウがオススメですね。回転もよくかかるのと個性を求めるならありな選択だと思います。

https://amzn.to/3s7KK6O

GTT 40(ジーティーティー40)

・andro(アンドロ)
・裏ソフトラバー
・価格 3,200円 + 税

 スポンジ厚さを1.6 mmの一つだけ、とすることで低価格と高性能を実現したラバーです。知名度は低いですが、テンションもかかっているので、面白い選択肢だと思います。

https://amzn.to/3jLu8y6

Mark V 30°(マークファイブ30°)

・YASAKA(ヤサカ)
・裏ソフトラバー
・価格 3,200円 + 税

 未だに4月になると売れまくるヤサカのマークファイブから、最も柔らかいマークファイブ30°をあげさせていただきました。スピン系テンションではないですが、基本的な技術を覚えるうえで妨げのないラバーだと思います。ただし面白さもないかもしれません。

Sriver FX(スレイバーフレックス)

・Butterfly(バタフライ)
・裏ソフトラバー
・価格 3,200円 + 税

 katsuo000は高校生のときに使用していました。マークファイブよりも攻撃的なラバーだと思いますね。こちらも面白さは少ないかもしれませんね。

https://amzn.to/3iCrDi8

レビュー Tornado King Speed(トルネードキングスピード)

説明

 Nittaku(ニッタク)のラケット、Tornado King Speed(トルネードキングスピード)をレビューさせていただきます。Nittakuといえば、日本一売れているラバー、Fastarc G-1(ファスタークG-1)と、試合球のスリースターが有名だと思います。

 そのNittakuさんの今回はラケットのレビューになります。Nittakuのラケットといえば、弦楽器シリーズが有名だと思いますが、今回はアウターカーボンで粘着ラバーと相性が良いと想像されるトルネードキングスピードになります。

 トルネード≒ハリケーン≒Hurricane(キョウヒョウ)ということで、要は紅双喜(Double Happiness Shanghai、DHS)のHurricane(キョウヒョウ)ラケットシリーズを意識した仕様になっていると言うことですね。またKing≒王≒Wangということで、Hurricane Wang(キョウヒョウ王)シリーズに類似仕様のラケットだということがわかります。katsuo000はキョウヒョウ王シリーズを試打したことがないのですが、木材合板系のラケットという認識になります。キョウヒョウ王シリーズは、元世界ランキング1位の王励勤(Wang Liqin)選手の使用していたラケットシリーズになりますね!katsuo000が学生時代に世界チャンピオンとして、そしてエゲツないパワードライブで大活躍していたイメージがあります!有名な選手ですので、もちろんWikipedia(ウィキペディア)のページもある選手になりますね!
    https://ja.wikipedia.org/wiki/王励勤
 印象的なパワードライブには、かなり憧れましたし、TT埼玉の坂本竜介監督もそのドライブの凄さについて言及されています。この時代は有機グルー全盛期ですので、5枚合板などの木材合板ラケットを使用する選手が多いですね。ただし、王励勤選手も同時代のMa Lin(馬琳)選手も100 gという重量級のラケットを使っていたらしいです。フィジカルがもの凄いですね汗。また、コロナ禍になってHarimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)へ変えてしまいましたが、トップ選手の森園政崇(もりぞのまさたか)選手も、コロナ前はDHS製のキョウヒョウ王を使用していました。ちなみにキョウヒョウ王は5枚合板系のラケットになります。

 今回レビューするTornado King Speed(トルネードキングスピード)はNittaku(ニッタク)製のラケットで、ケブラーカーボンをアウターに配したラケットになります。ちなみにインナーにアラミドカーボンを配するとTornado King Power(トルネードキングパワー)になります。Nittakuのパンフレットを拝見すると、ブレード厚は5.7 mmでアウターアラミドカーボンということで、Butterfly(バタフライ)さんのZhang Jike ALC(張継科ALC)とほぼ同じラケットではないかな、と想像して購入しました。ただし、張継科ALCはブレード厚は5.8 mmでトルネードキングスピードの方が0.1 mm薄いというのも認識しての購入です。katsuo000は薄いラケットの方がしなって好きなので、0.1 mmでも薄いなら欲しいな~と思ってしまいました。Nittakuでは他にもFlyatt Carbon Pro(フライアットカーボンプロ)が、バタフライのViscaria(ビスカリア)と類似のアウターケブラーカーボンかつブレード厚さが6.0 mm以下のラケットとして販売されています。しかもその価格は、8,800円+税で、割引込みで7,000円以下で購入可能という非常に良心的なラケットでもあります。こちらのラケットもkatsuo000は注目してたりしますね汗。普段から張継科ALCを使用しているので、全く一緒なのか、それとも異なるのか、異なるならどのように異なるのか、レビューさせていただきます。

引用

 それでは、Nittakuのパンフレットから説明を引用させていただきます。

高いスピード性能と安定性を備えたトップ仕様!
 表面板を厚くし、球持ちの良さと硬すぎない打球感を実現することでスピードドライブの回転量がパワーアップ!高反発でマイルドな打球感のケブラー®カーボンをアウターに搭載し、さらにスピード性能を高めています。

Nittakuのホームページより https://www.nittaku.com/products/rackets/post-25

アウターカーボンということで、球持ち+スピード性能が特徴ということでしょう。それ以外はやはり試打しないと何ともいえないですね。

ケブラー®カーボン

 Nittakuさんは種々のカーボン素材を扱っています。その中でも、ケブラー®カーボンはハードで弾むカーボン素材として紹介されていますね。

Nittakuの特殊素材性能一覧: https://www.nittaku.com/wp-content/uploads/2021/02/014e81e041795bf66270a13699eb8bb7.pdf

 ちなみにケブラー(Kevlar)とは、Dupont(デュポン)社によって開発された世界初のスーパー繊維で、防弾チョッキなどに利用されている繊維になります。

パラ系アラミド繊維ともいわれる材料で、硬さのある繊維になりますね。化学構造の観点から申し上げると、アリールカーボン(ALC)よりもケブラー®カーボンの方が、水素結合の影響によって硬くなると思います。卓球王国さんでは、どちらも同じ扱いをしますが、細かく考えるとNittakuさんの表記のようにケブラー®カーボンの方が硬くなると思います。ドイツのメーカーでもKVLカーボン≒ケブラーカーボンを使用しているラケットが複数あり、基本的にはALCとケブラー®カーボンは似ているで良いとは思いますが、化学構造としては異なりますね。katsuo000は、卓球王国さんに従い、同じカテゴリーとして採用しています。

ブレード情報と比較

 仕様をみれば大体どのようなラケットか、わかる人にはわかると思います。katsuo000が参考にしている「TT BLADES DATABASE」さんを参考にしました。

TT BLADES DATABASE:  https://stervinou.net/ttbdb/index.php

種々のサイトでブレード構成について議論や情報が出ていて、何を参考にするかは難しいところです。個人的な意見として、重要なことは特殊素材の位置と上板(表面板)の素材であり、他は正直違いがあまりわかりません汗。上述のサイトは英語にはなりますが、各木材についても言及してくれているので非常に参考になると思います。

 Tornado King Speed: Limba (1+7) /KVC (2+6) /Ayous (3+5) /Kiri (4)、 5.7 mm
 Zhang Jike ALC:    Koto (1+7) /ALC (2+6) /Limba (3+5) /Kiri (4)、  5.8 mm
 Viscaria:       Koto (1+7) /ALC (2+6) /Limba (3+5) /Kiri (4)、  5.8 mm
 Marcos Freitas ALC:  Limba (1+7) /ALC (2+6) /Limba (3+5) /Kiri (4)、 6.0 mm

ということで、参考にさせていただいている「TT BLADES DATABASE」によるとトルネードキングスピードはなんと上板にリンバを採用しているっぽいんですよね!バタフライさんのラケットで上板にリンバを使用しているラケットは、Marcos Freitas ALC(フレイタスALC)(または旧Maze(メイス))とMizutani Jun ZLC(水谷隼ZLC)になると思います。katsuo000はリンバの打球感は大好きである一方、威力不足を感じて上板にコト材を使用する張継科モデルのラケットを使おうとしてきました。(最近は球持ちを求めてインナーカーボンを好んで使っていますが。「TT BLADES DATABASE」の情報からもわかるようにインナーカーボンラケットは上板にリンバを使っているものが多いですね。)
 木材らしい打球感や球持ちを求めると上板リンバの打球感は非常におすすめです。木材合板から、いきなりTimo Boll ALC(ティモボルALC)やViscaria(ビスカリア)などの王道アウターカーボンはやはり打球感が硬いので難しいと思います。バタフライさんのラケットならフレイタスALCが良いと思いますね。ただし、ブレード厚さが6.0 mmと他のALCアウターラケットよりも0.2 mm厚いんですよね。トルネードキングスピードは、5.7 mmとむしろ薄いので、弾みやスピード面で少し大人しくなると思いますが、木材合板ラケットからの移行であれば、トルネードキングスピードは非常に良い選択肢となる可能性があると思いました。

Tornado King Speedの特徴

これは上板リンバ!アウターカーボンでよくつかむ!

 インナーカーボンと一緒に使ってみたのですが、「これは上板リンバだ!」と確信しました。インナーカーボンラケットと比較して打球感の違和感がほぼなかったですね。そして、インナーカーボンの後に打った時に楽と感じたので、弾みとスピードは明らかにトルネードキングスピードの方があると感じました。つまり、情報どおりということですね。バタフライのラケットにはないラケットで、非常に良い選択肢になると感じました。このトルネードキングスピードならアウターカーボンラケットでも球持ちを感じやすく、かつ、ブレード厚さが薄いのでしなっておさまりも良くて非常にオススメのラケットだと感じました!

5.7 mmのブレード厚さで、よくしなりよくおさまる!

 アウターカーボンだとレシーブが浮きやすかったり、思い切り打った時にオーバーミスということがあると思うのですが、このトルネードキングスピードは5.7 mmと他の類似の合板構成のラケット(だいたい5.8 ~ 6.0 mm)と比較して薄く設計されているので、しなっておさまりが良かったです!これは素晴らしいですね!一発で好きになりそうでした!ただし、腕にもよると思いますが、弾むスピン系テンションをあわせたときに、少しボールが軽くなりそうだな、と感じました。グリップ力のあるラバー、または粘着ラバーなどとあわせると、ラケットの弾みが補うので非常に相性が良いと思います!

木材合板やインナーカーボンから移行しやすい!

 木材合板やインナーカーボンを使っていてさらにスピード性能を求めるのであれば、トルネードキングスピードは、スムーズに移行しやすく良い選択肢になるでしょう!katsuo000はReinforce AC(リーンフォースAC)でも弾むと感じるくらいでしたので、アウターカーボンで探すなら、トルネードキングスピードよりももっとブレードの薄いAcoustic Carbon(アコースティックカーボン)の方が良いかなーなどと思いました(試打したことないので、わかりませんが、性能的にはアコースティックカーボンだと思い、書かせていただいてます。今後試打してみたいと思ってます)。インナーカーボンからさらにスピードと飛距離を求めるならぜひトルネードキングスピードがおすすめです!

おすすめのラバー組み合わせ(あくまでも個人の感想)

フォアラバー

バックラバー

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Zhang Jike ZLC > Tornado King Speed > Mizutani Jun ZLC

回転のかけやすさ
 Reinforce AC > Tornado King Speed > Zhang Jike ALC

スピード
 Zhang Jike ALC > Tornado King Speed > Reinforce AC

飛距離
 Zhang Jike ALC > Tornado King Speed > Reinforce AC

レビュー Target Pro XD-52.5(ターゲットプロXD-52.5)

説明

  本ページでレビューするラバーはフランスの卓球メーカーcornilleau(コニヨール)のラバーで、2020年秋に販売の、ターゲットプロのシリーズの最新ラバーになります。日本ではjuic(ジュウイック)が販売代理店をしていますね。日本ではあまり存在感のあるメーカーではないですが、コニヨールのラケットラバーは決して悪いわけではありません。コニヨールは1946年に会社設立と歴史のあるメーカーで、2009年から元世界チャンピオン、Jean-Philippe Gatien(ジャン-フィリップ ガシアン、フランス)のもとで競技用のラバーとラケット開発を開始しました。現在では違うメーカーと契約していますが、世界ランキング上位のファンタジスタSimon Gauzy(シモン・ゴーズィー、フランス)選手や最速の両ハンドHugo Calderano(ユーゴ・カルデラノ、ブラジル)選手は過去にコニヨールの用具を使用していたそうです。例えば、コニヨールの9枚合板Gatien Conquest(ガシアンコンクエスト、板厚6.0 mm、97 ± 5 g)や今回レビューするTarget Pro(ターゲットプロ) シリーズのラバーなどがあげられるそうです。また過去に日本リーグ所属の実業団チームがコニヨールのラケットやラバーに好感触を得たという記事を卓球王国で見た記憶があります。卓球ナビにおいてもモンスターラバーTenergy(テナジー)と比較、超えたというレビューも散見され、非常に期待の高いラバーだと思います。
 なお、このTarget Proシリーズは、レストランの格付けで有名なタイヤメーカー、Michelin(ミシュラン)の技術で製造されているそうです。

 ターゲットプロシリーズは、過去にTarget Pro GT-X51(ターゲットプロGT-X51)とTarget Pro GT-H47(ターゲットプロGT-H47)をレビューさせていただきました。この2枚は非常に打球感が良くて、硬度の割にくい込みが良さと扱いやすさを感じたラバーになります。ただし回転量がやや不足気味で、ターゲットプロGT-H47ではテナジー05より劣る、ターゲットプロGT-X51では回転量は高いが扱いにくいと感じた次第です。扱いやすさと打球感の良さは抜群に良いのと、スポンジの色が硬度で異なるのが触っていて楽しいラバーでした。

Target Pro GT-X51:
  https://katsuo000.com/review_targetpro_gt_x51/
Target Pro GT-H47:
  https://katsuo000.com/review_targetpro_gt_h47/

 やはり初期の頃のポストテナジーラバーは、回転量を高くするためにテナジーよりもシートが厚くすることで、回転量を得るか、逆に回転量を諦めて打球感を追求するか、という設計になっているように思いますね。近年の進化型ポストテナジーラバーは、シートを薄くできる技術(おそらくくい込みの良い新スポンジ)を組み合わせることで、回転量と打球感を損なうことなく高性能なラバーとなっているようですね!逆にドイツ製ラバーに見られた癖球(ボールの回転量が揃いにくい)といったことが減ってきているようにも思います。
 今回のTarget Pro XD-52.5(ターゲットプロXD-52.5)も、近年登場しているポストテナジー系テンションラバーまたは進化型テナジー系テンションラバーにカテゴリーされるラバーだと思います。katsuo000の中で同じポストテナジー系テンション、または進化型テナジー系テンションに分類しているRasanter R53(ラザンターR53)やRasanter R48(ラザンターR48)についても、薄いシートを採用できるように技術が進んだそうです。近年の新作ラバーは薄いシート採用のラバーが続々登場してきていると思いますね!

 シートの形状と性能の関係はこちら: https://katsuo000.com/topsheet_shape/

公表性能値

 cornilleau(コニヨール)さんの公表性能値を示します。

 Target Pro XD-52.5(ターゲットプロXD-52.5)はcornilleauのラバーの中で最もスピン性能もスピード性能も高いスピン系テンションラバーということがよく分かります。また性能や使いやすさとある程度の相関を示す、硬度計による硬度比較を下記に示します。

 やはりターゲットプロXD-52.5は、やや重くて、しかしshore aのシート側値とスポンジ側値の差が、テナジー05と同様に大きいラバーになりました。近年の高品質なヨーロッパ製のラバーは重いですが初期のポストテナジーラバーよりも明らかにshore aの値差が大きくなっていますね!バタフライさんのラバーと比較すると、バタフライさんのラバーの軽さが際立ちつつも、重いことによるメリットが得られるといえるのが、近年の高品質ヨーロッパ製ラバーと言えそうです。やはりどちらかといえば、ディグニクスよりもテナジーに近いラバーといえるでしょうね。

ターゲットプロXD-52.5の重量と貼り

Target Pro GT-X51と同じクリーム色のスポンジでした。

 ターゲットプロXD-52.5は54 gでした。ラバー全体で73 gということで、重いと思いましたが、やはり重いですね汗。今回もVirtuoso AC(ヴィルトーソAC)に貼ってます。ブレード面積は158 × 150 mmで、バタフライのレギュラーサイズ(157 × 150 mm)と比較すると少し広いので、実際は53 g位にもなりうると思います。

Target Pro XD-52.5(ターゲットプロXD-52.5)
 Spin Tension 裏ラバー
・スポンジ厚:厚(2.0 mm)、極厚(Max)
・スピン:17.5
・スピード:17.0
・Sponge硬度:H(52.5)
・8,100円 + 税
・73 g(切断前) → 54 g(Vistuoso AC(ヴィルトーソAC)、ややブレード面積大に貼って)

Target Pro XD-52.5の3つの特徴

 今回もインナーカーボンです。やはり扱いやすいと感じました。アウターカーボンに貼っていたらまたイメージは異なったかもしれませんが、ご了承お願い申し上げます。

抜群のスピード性能とスピン性能!

 正直、そこまで期待していなかったのですが、重量は重いですが抜群のスピード性能とスピン性能でした。インナーカーボンラケットに貼っていることもあると思いますが、技術的にやや劣るバックハンドでのドライブのスピードと安定感が非常に高くて好印象でした。打球感覚的には、そこまで球持ちが良いわけではなく飛び出しも早いので、シート形状としては80っぽいかなと思いました。球持ちの強さよりもスピードも出せるシートだと思います。初打ちでは、「扱いやすいけど、回転量や威力はやや不満を感じるかな?」と思って使っていましたが、対下回転ドライブをしてみたところ、回転性能が高く、ブロック側がドライブをふかしてくれて、「扱いやすいのに、めちゃめちゃ回転かかる!」と非常に性能の高さを堪能できました!

 DNA Platinum XH(STIGA): 05っぽい
 Rasanter R53(andro): 80っぽい
 Evolution MX-D(TIBHAR): 64っぽい
 Taerget Pro XD-52.5(cornilleau): 80っぽい New

R53も80っぽいと思いましたが、扱いやすさの点で、ターゲットプロXD52.5が上回ってました。逆に荒ら荒らしさや相手が感じるプレッシャーはR53の方が上だと思います。

 また余談ですが、中間硬度や扱いやすさと性能を求めたラバーだと差別化が難しいこともありますが、 最新のハイエンドラバーで、各社のフラグシップ的なラバーですので、短い試打でもしっかり差別化されていると感じましたね。個性を求めると、R53やMX-Dが、扱いやすさと高い回転性能を求めるならDNAプラXHかターゲットプロXD-52.5だと感じました。

52.5を感じさせない、扱いやすさ!

 やはり、やや重いという点で操作しにくいと初めは感じはしたものの想像以上に扱いやすいと感じました。過去アウターカーボンのLin Goyuan ALC(林高遠ALC)にTenergy 80 FX(テナジー80FX)を貼ってバックで連打してみましたが、スピードと回転量は得られるものの、あまり安定しませんでした。一方インナーカーボンで扱いやすいということもありますが、今回のTarget Pro XD-52.5で打ってみるととにかくめちゃめちゃ安定していて驚きましたね。スピードも回転も自在性が高く気持ちよかったです。スピード性能が高く、初めはオーバーするかなと心配になりましたが、感覚よりもしっかり弧線を描いて沈む感じがありました。たとえば、テナジー系ラバーだと回転はかかるものの、硬さのためにスピードが出しづらかったり、弾くとスピードは出るものの回転がかからず安定しない、などなど操作性がそこまで高くないと林高遠ALCのときに感じたのと対称的と感じました。バックラバーとして新しい選択肢になりそうだと感じましたね!
 ブロックでは、くい込みの良さから相手の回転影響を受けやすいかなとも思いましたが、そんなことはなかったです。おそらく重量のおかげだと思いますね。くい込む割に重いので非常に安定していました。重ささえ気にしなければテナジーよりも良い選択肢になりそうなラバーだと感じました!

ヘビーで回転性能の高いテナジー80

 簡単にまとめると、重くて回転性能の高いテナジー80がちょうどあてはまると感じました。性能としては高性能で、Dignics 80(ディグニクス80)の硬さが使いにくいと感じるなら、ターゲットプロXD-52.5の方があうかもしれません。重さがあるので、フォア向きですが、ラバー面積やはり方などを工夫することで、バックにも十分に使えるラバーです!

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フリック

サービス

バックハンド系

軽打
 特に違和感なかったです。

ラリーでのドライブ
 この前に、Evolution MX-D(エヴォリューションMX-D)とDNA Platinum XH(DNAプラチナXH)を試打していて、正直その2枚と同等かそれ以上に良いと感じました。特にバックハンドドライブがしっかりかかるし、安定するし、スピードも出しやすいし、非常に良かったです。どちらかというとスピードが出しやすい打球感で、ボールを持つ打球感だけでいうとDNAプラチナXHの方が断然良かったのですが、ターゲットプロXD52.5は打球感からは想像できないくらい、回転がかかっていて驚きました。それでいてスピードも出しやすくてかなりチートでした。くい込みが良くバックでも十分に使えると感じました。

対下回転に対するループドライブ
 特に良かったのがこれで、下回転打ちがかなり楽にできました。DNAプラチナXHは、球持ちは良くてボールが沈むのですが、手だけだとボールが軽くなるイメージがありました。XD52.5は簡単に持ち上がるのに回転量もあって不思議でした。スポンジのくい込みの良さはDNAプラチナXHとターゲットプロXD52.5と大した差は感じませんでしたが、粒はXD52.5の方が細くて倒れやすいのだと思います。にもかかわらず回転量もでてかなりチート感ありました。

対下回転に対するスピードドライブ
 スピードドライブも打ちやすかったです。いいです!

ブロック
 少しくい込みが良すぎて相手の回転の影響は受けやすかったです。

カウンタードライブ

ストップ
 くい込みがいい分少し飛ぶ出すと感じました。

ツッツキ
 くい込みがいい分少し飛ぶ出すと感じました。

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量

スピード

扱いやすさ

進化型テナジー系テンション内での比較
 回転量
  Dignics 05 ≧ Q5 ≧ DNA Platinum XH ≧ Rasanter R53 > Rasanter R48 ≧ Evolution MX-D

 スピード
   Dignics 05 ≧ Evolution MX-D > Rasanter R53 ≧ Q5 ≧ Rasanter R48 > DNA Platinum XH

雑感 2021/8/7

日本代表の皆さん、お疲れ様でした!

 東京オリンピック2020の卓球競技がすべて終わりましたね。リザーブとして待機していた宇田幸矢選手と早田ひな選手、そしてスパーリングの戸上選手や監督、コーチの皆さん、お疲れ様でした。そして、日本や世界の卓球選手を応援して寝不足になった日本や世界中の皆さんもお疲れ様でした。混合ダブルス金メダルは、中国と許シン選手、劉詩ブン選手には申し訳ないですが世界中の卓球ファンに勇気と期待を抱かせたと思います。またリンユンジュ選手、オフチャロフ選手、伊藤美誠選手らの中国選手にくらいつく姿、その技術力の高さは、見ていて楽しかったですし、素晴らしかったと思います。
 そして、混合ダブルス、女子シングルス、男女団体でメダル獲得お疲れ様&ありがとうございました。

オリンピック競技の中での卓球

 ここから先は、他のオリンピックスポーツと比べた時の、卓球というスポーツの良さについて、個人的な視点で言及させていただきます。あくまでも主観ですし、他のスポーツをディスるつもりはありません。

野球と比べた場合

 1つの試合の展開が遅いと感じる。特に点数がなかなか入らない投手戦となると、動きが硬直するので面白味が欠ける気がする。もちろん、投手やキャッチャーは大変だと思いますが。一方、卓球は1点ととるまでがとても早くてスピーディーだし、ラリーも見ごたえがあるし、目が離せない。そして見ていて飽きない。時間も読みやすく、どんなに長くても攻撃型の選手同士の試合であれば、1セット10分~15分程度でわかりやすい。

サッカーと比べた場合

 野球も含まれるかもしれないが、サッカーの方が逆転という可能性が低いと感じた。卓球ももちろん可能性は高くないが、混合ダブルスのドイツ戦のように奇跡のような逆転が、卓球の方が可能性は高く手に汗握る試合の可能性があると思う。サッカーやラグビーなど制限時間のあるスポーツでは点数が入ると楽しいが、入りすぎるとワンサイドゲームになってつまらなくなることがあると感じた。またゲームの変更で点数がキャンセルされるわけではないが、局面がガラリと変わるのも卓球の魅力で3-11と点差がついて負けたゲームの次に逆転したりすることもあって、流れの変化や選手のメンタルも見えやすいところが魅力であると感じた。

バドミントンと比べた場合

 バドミントンの場合、回転という概念があまりないので、スマッシュ、ヘアピン、と長短と激しくて速い攻防は、卓球と同じく魅力的ですが、バドミントンは1ゲームに必要なポイントが多くて、やや単調にもなりやすいように感じました。卓球はサーブでも巻き込みや順横、縦回転やショート・ロングサーブと種類が多く、レシーブもチキータやツッツキ、ストップ、逆チキータ、などなど多彩な球種や回転があるので、見ていて飽きにくいと思います。またドライブ一つとっても打ち方で個性がでるので、同じ男子選手でも違いなども魅力の一つだと思います。

他の球技もありますが、、

 卓球というスポーツは魅力的だと、改めて感じたkatsuo000です。にも拘わらず、卓球の優勝賞金はやや少ないと感じますね。特にテニスと比較するとその賞金は一桁少ないんですよね。もっともっと卓球の人気が出て、賞金も高くなってほしいと感じるkatsuo000でした。

 改めて、卓球日本代表の皆さん、お疲れ様でした&ありがとうございました。

レビュー Evolution MX-D(エヴォリューションMX-D)

説明

 TIBHAR(ティバー)さんの2021年注目の商品、Evolution MX-D(エヴォリューションMX-D)をレビューさせていただきます。TIBHAR(ティバー)といえば、ついに引退を発表したベラルーシの巨人Vladimir Samsonov(ブラディミル サムソノフ)選手が契約するドイツメーカーですね!あと最近では、元オランダ代表、キング水谷隼選手のプライベートコーチも経験、そしてYou Tubeでティバーを売り込んで存在感が増しているG.C. Foerster(フォースター)さんや、ルーマニアの美人選手Bernadette Szocs(スッチ)選手が有名でしょうか。東京オリンピックで張本智和選手をフルセットで粘り勝って存在感を際立たせたスロベニアのDarko Jorgic(ヨルジッチ)選手もティバーの契約選手ですね!ヨルジッチ選手は卓球の動画配信サービスやアプリを運営するshake hands(シェークハンズ)で度々登場していました。元青森山田のコーチの板垣孝司さんの指導を受けながら張本選手を苦しめたバックハンドで度々登場していたのが印象的でした。
 そんなティバーさんのラバーになりますね。ティバーさんのラバーの特徴をkatsuo000が表現させていただくなら、コスパが良くて球持ちも良くて打球感と打球音が非常に気持ちのいいラバー、になります。回転性能がやや低いというデメリットはありつつ、全体的に打球感が良くて硬度の割にボールコントロールがしやすく、卓球が楽しくなるようなラバーが多いイメージですね。ハイエンドラバーとしてサムソノフ選手を中心に使用されるラバーがトップ選手用としているEvolution(エヴォリューション)シリーズになります。Evolution(エヴォリューション)シリーズは硬度が3種類、シートが2種類と、MX-Pのみさらに硬い50°の、計7種類のラバーが販売されていました。硬度の種類3種とは、MX(マキシマム=約47.5°)、EL(エラスティック=約43°)、FX(フレキシブル=約40°)になります。そしてシートの種類2種とは、P(パワー)とS(スピン、微々粘着シート)になります。そして8種類目のラバーとして登場したのが、本ページでレビューするEvolution MX-D(エヴォリューションMX-D)、MX-D=マキシマムダイナミックになります。このMX-Dについて、ティバーさんのホームページでは次のように説明しています。

【MX-PとMX-Sの融合】

 世界で絶大な人気を誇るエボリューションの新作がいよいよ登場。威力と安定感を兼ね備えたMX-Pの使いやすさをそのままに、MX-Sの回転力が融合。トッププロも絶賛の超ハイブリッドラバーが2021年春にデビューです。

http://www.tibhar.jp/rubber.htm

 過去にkatsuo000は複数のティバーさんのラバーを試打してきました。この中でも特筆すべきと考えるのがEvolution MX-P(エヴォリューションMX-P)になります。なぜMX-Pを特筆すべきというかというと、あの世界標準、Tenergy 05(テナジー05)と打球感が似ているからになりますね!テナジーシリーズがどうしても高くて寿命も短くて嫌だとなった場合に、Evolution MX-Pは非常に良い選択肢の一つでした。今回登場のMX-Dは最新ハイエンドラバーということで、今までのEvolution(エヴォリューション)シリーズの6,000円+税よりも500円高い、6,500円+税という値段になります。かなりの自信作ということと、近年テナジーを超えるポストテナジーラバー(androのRasanter R53(ラザンターR53)など)が次々とドイツから発売されているので、やはりMX-Dにもかなりの期待を感じました。

 テナジーシリーズはバタフライの独自工場でしか生産できず、他の競合卓球メーカーと差別化されたラバーになります。他の競合卓球メーカーは、ラバー製造を基本的には外注しているのに対し、バタフライは、卓球メーカーであるにもかかわらず、ラバー製造工場を保有し、独自技術を開発してスポンジ製造し差別化を図っているわけですね!もちろん、そのような状況を覆すために外注されるラバー製造メーカーも技術開発を進めてきたと思います。回転性能が高いテナジーシリーズに対抗するために、初期のポストテナジーラバーは、シートを厚くして回転性能を補ってきたように思います。

 シートの形状と性能の関係はこちら: https://katsuo000.com/topsheet_shape/

初期のポストテナジーラバーとして挙げるとしたら、例えばFastarc G-1(ファスタークG-1)やRakza X(ラクザX)、Evolution MX-P(エヴォリューションMX-P)などだと思います。MX-Pは特にテナジー05に打球感が似ているために人気のラバーであったと思います。G-1と比べるとシートは薄いのか、G-1よりもテナジー05に近い打球感だと思います。またテナジーシリーズのオレンジスポンジを意識して、スポンジも赤色です。それくらい、性能ではなく打球感を追求して開発されたのが、MX-Pではないでしょうか。

 今回のMX-Dは、katsuo000の中ではポストテナジー系テンションラバーまたは進化型テナジー系テンションラバーにカテゴリーされるラバーだと思って購入、試打しました。どうやら初期のころのポストテナジー系ラバーのような厚いシートを採用するのではなく、薄いシートを採用しているようですね!katsuo000の中で同じポストテナジー系テンション、または進化型テナジー系テンションに分類しているRasanter R53(ラザンターR53)やRasanter R48(ラザンターR48)についても、薄いシートを採用できるように技術が進んだそうです。STIGA(スティガ)さんの新作DNAプラチナシリーズも類似の技術が採用されていると感じました。MX-Dもれいに漏れず類似技術の結果ではないかと想像しますね。ドイツ工場の技術が進んだ結果、今後も高性能なラバーがドイツ工場からどんどん販売されるのではないかと想像しています。これは用具レビュワーとして、楽しみなことですね!

 本ページでレビューするEvolution MX-Dは、Evolutionシリーズの中で、最も硬度の硬いラバーになります。卓球の用具スペシャリスト、ゆうさんも「Dがいい!」と絶賛していました!ドイツ基準で51.5°の硬いラバーではありますが、激推しするということは、テナジーのように硬度の割にくい込みが良くて扱いやすいラバーだと想像できますね。それではレビューしていきましょう!

公表性能値

 TIBHAR(ティバー)さんの公表性能値を示します。

 Evolution MX-DはTIBHARのラバーの中でも最もスピン性能もスピード性能も高いスピン系テンションラバーということがよく分かります!また扱いやすさと、ある程度の相関を示す、硬度計による硬度比較を下記に示します。

 バタフライさんのラバーと比較すると、MX-Dはテナジーよりもディグニクスに近いラバーではないかと思います。というのは、shore aのシートとスポンジ側からの硬度差がディグニクスと同じく小さいラバーになるからですね。硬度差が小さいラバーはドイツ製テンションラバーに多い傾向で、MX-Dは最新の技術を使いながら、今まで通りドイツ製テンションらしく仕上げたラバーといえるのかもしれません。意外だったのが、Evolution MX-P 50°やQuantum X Proよりも硬度差が大きいことですね!思ったより扱いやすいラバーかもしれません。

エヴォリューションMX-Dの重量と貼り

 エヴォリューションMX-Dは53 gでした。想定していましたが、やはり重いですね汗。

Evolution MX-D(エヴォリューションMX-D)
 Spin Tension(ハイテンション)裏ラバー
・スポンジ厚:1.9 mm、2.1 mm
・スピン:125
・スピード:135
・Sponge硬度:51.5
・6,500円 + 税
・76 g(切断前) → 53 g(Vistuoso AC(ヴィルトーソAC)、ややブレード面積大に貼って)

Evolution MX-Dの3つの特徴

 今回もインナーカーボンです。やはり扱いやすいと感じました。アウターカーボンに貼っていたらまたイメージは異なったかもしれませんが、ご了承お願い申し上げます。

打球音が高く、球離れが速い!そして疾走感が強い!

 卓球ショップ据え付けの小さな場所での試打だったためか、かなりボールに疾走感を感じました。まるでアウターカーボンで打っているようなスピード感で気持ちよかったです。打球音が非常に高いので、使っていて楽しいというのもありました!弧線は低めで、スピード感がありながら、しっかり沈んでいたので直線的ですが思ったより安定すると思います。
 また球離れの速さを感じましたね。くい込みが良いのですが、かなり球離れが速いと感じたので、これはおそらくはシートの厚さまたは粒形状によるものだと思います。シートの厚さがそこまで厚くないなら粒が細くて粒と粒の間隔が広いのでしょう。この辺りは数値がないと判断が難しいです。そして、好みがわかれる部分だと思います!イメージとして、バタフライのTenergy 80(テナジー80)っぽいと感じたRasanter R53(ラザンターR53)よりも球離れが速いようにも感じたので、イメージとしてはFastarc G-1(ファスタークG-1)やDigncs 05(ディグニクス05)のようにシートがかなりしっかりしているか、64系のシートに近いのか、の2択だと思います。DNA Platinum XH(ディーエヌエープラチナエキストラハード)はかなりグリップすると感じ、スポンジの食い込みのよさ、シートの厚さや粒形状は05っぽいと感じました。それぞれのすみ分けができているようにも感じました。つまり
 DNA Platinum XH(STIGA): 05っぽい
 Rasanter R53(andro): 80っぽい
 Evolution MX-D(TIBHAR): 一昔前のドイツ製テンションやディグ05のようにシートが硬くて厚い、または80よりの64っぽい粒形状
ということです。近い硬度のラバーですが、それぞれの特徴が出てきていると感じました!

 MX-Sの回転性能とMX-Pの扱いやすさ、とうたわれていましたが、個人的にはドイツ製の最新ハイエンドラバーの中でも、しっかりしたシートまたはドイツ製64っぽいラバーというポジションで差別化されるラバーだと感じました。 スピン性能はやや大人しさを感じましたが、R53以上にスピード性能の高さを感じましたね。 流行りのインナーカーボンや木材系ラバーのスピードを補うような選択ができると思います。

51.5°を感じさせない、くい込みの良さ!

 球離れの速さを感じつつ、くい込みは想像以上に良くて扱えないようなラバーではありませんでした。51.5°となると粘着ラバーなみの硬さのように思いますが、決してそういうラバーではなく、スポンジのくい込みの良い扱いやすいラバーだと思います。球離れが速いので、人によってはバック側でも使うという人が出てきそうだと感じました。

 MX-PとMX-Sの融合と謳われているように、バタフライのラバーで例えると、テナジーとディグニクスの融合のようなラバーに仕上がっていると思います!スポンジはテナジーらしさが増しつつ、シート強度をあげているため、やや扱いにくいですが、その分カウンタードライブがやりやすく、しっかり使いこなせば今まで以上の回転も得られるラバーだと思います。使い込む事で扱いやすくなった、とするようなレビューも拝見します。おそらく、シートが厚いか硬めに仕上げてあり、テナジー05、またはMX-Pとの差別化も狙っていると想像します。この硬いシートへ如何にくい込ませる感覚が習得できるか、で扱えるか否かが決まる印象ですね。粒形状は倒れやすい細めの粒とやや粒間隔も広いので、バタフライの粒形状でいうところの80や64よりでデザインされており、スピード性能を補っていると思われます。総じて、昨今ドイツ製の進化型テナジー系ラバーの中でも、しっかりとした差別化が図られているラバーといえるでしょう。前述のとおり、64ぽさのあるラバーではありますが、回転性能はテナジー05と同等であり、シートが強いのでカウンタードライブもしやすく、粘着ラバーの回転性能に対し、カウンター+スピードで対抗できるようなラバーだと思います。フランスのシモン・ゴーズィ選手がラザンターR53で大暴れしているように、例えば日本人キラーのような選手であるティバー契約の、イギリスのPaul Drinkcall(ドリンコール)選手(大島祐哉選手や最近だと及川瑞基選手に勝利)やスロベニアのヨルジッチ選手(張本智和選手に勝利)がMX-Dを使用して大暴れすることもありえるんじゃないかな、と想像しました。

回転性能も高い!

 MX-Pはややボールが軽いと言われることもありましたが、MX-Dはそんなことはなく、むしろ弧線を描きたいと思ったときにしっかり弧線を描いてくれました。またツッツキもやりやすく、MX-Sの特徴であるツッツキのやりやすさと質の高さも継承されていると感じました。少なくとも今までスピン性能で不満を感じやすかったティバーさんのスピン系テンションラバーの中で、抜群の回転性能の高さを感じましたね!打球感がとにかくいいので、楽しい(あまり細かい角度やスイングを意識しなくても、ラバーが修正してくれる)中にしっかり回転性能が高まっていて良かったです。このあたりがティバーさんのラバーらしいと感じました。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ラリーでのドライブ
 かなりスピードが出るのと、音がいいですね!気持ちが良いです。

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ
 あまり回転量を感じませんでした。

対下回転に対するスピードドライブ
 くい込みが良いのでスピードドライブは気持ちがいいですね!

ブロック
 思ったよりやりやすかったです。くい込むけど、重さと硬さでキャンセルしているイメージですね。

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ
 ボールはグリップしつつ、飛ばせると感じました。少なくともRasanter V47(ラザンターV47)のようにぶっ飛ぶ感じはあまりなかったと思います。

フリック

サービス
 少し回転量は少ないのと柔らかすぎると感じました。

バックハンド系

軽打

ラリーでのドライブ
 球離れがやや早めですので、少し技術を要する気がしました。ただし、51.5°のわりには扱いやすくて驚きでしたね。ボールが速くて気持ちよく打つならMX-Dはありです!

対下回転に対するループドライブ
 入りはするものの、やや回転量不足を感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 これはやりやすかったです。

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ
 思ったより全然ぶっ飛ばなく好感触でした。かなり攻撃的にツッツキができてよかったです。

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 80 > Evolution MX-D > Tenergy 05

スピード
  Dignics 64 > Evolution MX-D ≧ Dignics 05

扱いやすさ
 Rasanter R48 > Evolution MX-D> Rasanter R53

進化型テナジー系テンション内での比較
 回転量
  Dignics 05 > Q5 ≧ DNA Platinum XH ≧ Rasanter R53 ≧ Evolution MX-D ≧ Tenergy 05

 スピード
   Dignics 05 ≧ Evolution MX-D > Rasanter R53 ≧ Q5 > DNA Platinum XH > Tenergy 05