説明
mizuno (ミズノ)さんの2022年の新製品、Q Quality (キュークオリティー、キューキュー)をレビューします。ミズノさんはやはり大手で判断やアクションが速く、トップ選手も使用するフラグシップラバー、Q5 (キューファイブ)や回転系の表ラバーとして、これまたトップ選手も使用するBooster SA (ブースターSA)が廃盤となるようです。ブースターSAに関しては、継承されるラバーとしてBooster JP (ブースターJP)が発売になるみたいなので良いですが、Q5についてはどうなるのか情報は出てきていないですね。特にQ5については、使用している選手が多いと思いますし、何よりフラグシップラバーですので、後継ラバーが確実に出ると予想していますが、その間が出来てしまうのかどうかが気になるところですね。
本ページでレビューするQ Quality (キュークオリティー)は非常に人気で、欠品も相次ぐ非常に売れているラバーになります。火付け役はおそらく、元卓球王国の編集者で卓球用具については非常に詳しいゆうさんが、You tube上で絶賛したためではないかと想像します。ゆうさん曰く、Q Quality (キュークオリティー)は、まさにTenergy 05 (テナジー05)やDignics 05 (ディグニクス05)に近い打球感で、ちょうどTenergy 05 (テナジー05)とDignics 05 (ディグニクス05)の間のようなラバーと表現したことと、他のQシリーズよりも中級者以上をターゲットに価格を下げつつ、シートの耐久性を上げる、というこれで売れなきゃ何が売れるの?という要素を盛り込みまくりのラバーになります。
性能値
公表性能値を比較してみましょう。正直公表されている情報は下の図のみになりますね。
QQは、なんとフラグシップラバーQ5よりも高いスピン性能を持つラバーのようですね。これはシートの材質の変更によるものではないかと予想します。というのも、QQは今までのQシリーズのラバーよりも耐久性を抜群に高くしたラバーという売り込みで、発売されました。実際触ってみてもシートの変化を感じます。言葉にすると、TIBHAR (ティバー)さんのEvolution MX-P (エボリューションMX-P)のシートが今までのQシリーズ、Evolution MX-S (エボリューションMX-S)のシートがQQのシート、というようにQQのシートは非常にピンと張りがあってツヤヤかで、強い感じがしました。
続いて硬度計になります。中級者志向のラバーということで、Q5と比較すると軽くて柔らかいラバーに仕上がっていました。バタフライさんと比較しても、重量はディグニクス05と同程度で硬さはテナジー05よりも柔らかい結果となりました。
Weight | shore a | shore a | shore c | shore c | |
g | sheet | sponge | sheet | sponge | |
Dignics 09C | 50 | 33.4 | 31.8 | 50.8 | 49.1 |
Dignics 05 | 48 | 34.3 | 31.3 | 50.0 | 48.2 |
Tenergy 05 | 47 | 32.2 | 26.8 | 44.6 | 43.3 |
Q Quality | 48 | 30.1 | 27.8 | 40.3 | 39.5 |
Q5 | 51 | 31.8 | 31.1 | 45.8 | 44.3 |
硬度を比較すると、やや威力不足が心配になるラバーだと思いますが、その分扱いやすさをもったラバーがQQとなりそうですね。テナジーよりも回転がかかるのか否か、ここがポイントになりそうです。
QQの貼りと重量
インナーラケットの970XX-KLCに貼りました。
Q Quality (キュークオリティー) ・Sponge Thickness:1.7/1.9/2.1 mm ・Sponge硬度:46° ・5,300円 + 税 ・67 g(切断前) → 48 g(970XX-KLCに貼って)
過去のQシリーズにたがわず、あいかわらずの反り返りの凄さでした。一方で今までのQシリーズ特有の臭さはなくなっており、非常に好印象でしたね。今後発売の新しいQラバーはニオイが抑えられたラバーになっていそうですね。今回主にバックで使用したレビューになります。
Q Qualityの3つの特徴
テナジーのようなくい込みの良さ!
このラバーは抜群の扱いやすさでした。シートに張りを感じますので、スポンジが柔らかいということでしょう。今までのQシリーズと比較するとやはり硬度が柔らかいので、中間硬度のラバーに近い立ち位置のラバーになります。比較するのであれば、テナジーシリーズよりもテナジーFXシリーズやRozena (ロゼナ)の方が妥当とも感じました。他メーカーであればRasanter R48 (ラザンターR48)、Rasanter R45 (ラザンターR45)、Evolution EL-S (エボリューションEL-S)などになると思います。R45よりは硬く、R48と同じくらいの立ち位置と表現できると思います。R48はやや、倒れやすい粒形状でドライブ回転でボールを沈ませにくいラバーですが、QQは回転でボールを沈めやすい日本人好みのラバーになっていると思いました。
扱いやすいラバーの中で十分な回転量と球持ち
特に気に入った点としては、球持ちの良さですね。ドイツ製ラバーやディグニクスシリーズのラバーがどうしても性能が高い分、やや球持ちを感じにくいラバーになりつつある中で、高性能かつ球持ちを強く感じられるラバーというのは刺さる人には刺さるラバーだと思います。球を持つことで、どんな技術も自信をもってスイングできると思います。
コスパ最高のテナジー
この性能で市場価格4,000円台はかなりコスパの良いラバーだと思います。ラザンターシリーズでも4,000円台ですが、4,000円台後半でしょう。ラバーの高騰が進む中、このレベルのラバーを4,000円台前半で発売してくるあたり、ミズノさんのマーケティングレベルの高さを感じますね。これは売れるでしょう。
各技術レビュー
フォアハンド系
軽打
ロングボールやラリーでのドライブ
面を開いたドライブ
対下回転に対するループドライブ
対下回転に対するスピードドライブ
カーブ/シュートドライブ
ブロック
カウンタードライブ
ストップ
ツッツキ
フォアフリック
フォアサーブ
バックハンド系
軽打
ディグニクスらしさはあまり感じませんでした。
ロングボールやラリーでのドライブ
安定感抜群でした。ただ威力は他のトップラバーと比べるとやや落ちると感じました。
対下回転に対するループドライブ
安定感と球持ちを感じるドライブができました。
対下回転に対するスピードドライブ
少しくい込みがいいので、しっかり身体で振った方が入ると思います。弾みもあるラバーなので、慣れればミート気味でも入ると思います。
カーブ/シュートドライブ
ブロック
2022年発売の他のスピン系テンションラバーと比較するとくい込みがいい分、少し回転の影響を受けやすいラバーと感じました。
カウンタードライブ
ブロックと同じく、相手の回転の影響を受けやすかったです。
ストップ
ゆうさんもおっしゃっていましたが、やはりややボールが浮きやすいですね。これは重要なポイントだと思います。
ツッツキ
ストップ同様にツッツキは浮きますね。この特徴は、残念ながらマイナスですね。
チキータ
やりやすいですね!素晴らしかったです!
他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
Dignics 05 > Q quality ≧ Tenergy 05
スピード
Dignics 05 > Q Quality ≧ Tenergy 05