説明
ドイツメーカーはうまいですね。andro (アンドロ)しかり、TIBHAR (ティバー)しかり、上手に日本人トップ選手と契約しています。ドイツは働き方が日本と真逆で残業する奴が無能とされ、週末はコンビニであれ全てのお店が閉まったりするそうです。日本もそういう働き方してほしい、そしてもっともっと皆で卓球できたらいいのに、と思います。ドイツの世界的に有名なメーカーにはNike (ナイキ)がありますが、戦略は明確で一番有名な選手と契約して、ブランド力を築いてますよね。おそらく、日本選手で日本メーカーと契約していた選手たちは日本メーカーへの恩を感じつつ、それ以上の大きな敬意を示されて契約しているのではないかと想像します。それが厚意というものでしょう。日本もそういうブランドメイクをしてほしいと強く思いますね。今まで通りのやり方、今まで通りの考え方でなく、アスリートファーストで先進的な考えをもつべきだと思います。
話がだいぶそれてしまいました。Tリーグなどで活躍する及川選手、五十嵐選手は2024年にSTIGA(スティガ)契約となりました。そんなノリノリのSTIGA (スティガ)さんから、日本製粘着テンションラバー、Mantra Pro (マントラPro) XH (エキストラハード)をレビューします。最近メインラケットのラバーを両面粘着ラバーにしています。そして世の粘着ラバーブームで粘着ラバー増えてますねー。気になってしまいます。DNA Hybrid XH (DNAハイブリッド XH)は後日レビューしますので少々お待ちください。ちなみにかなり良かったです。粘着ラバーは多くなりましたが、なかなか気に入るラバーに出会えることはないですね。これはkatsuo000がど粘着のキョウヒョウとかが好きだから仕方ないのかもしれません。
さてスティガさんはドイツ製ラバーのDNAシリーズを発売するまでは、基本的には日本製のラバーを発売取り扱いしておりました。そんなスティガさんの元祖日本製ラバー、Mantra (マントラ)シリーズのラバー、Mantra Pro XH (マントラProエキストラハード)をレビューします。日本製粘着は初なので楽しみに試打しました。Mantra (マントラ)シリーズは、一時期トップ選手のモーレゴート選手などが使用していた時もあったと思いますが、今はトップ選手に人気があるラバーではないようです。古くMantra (マントラ)シリーズのラバーが販売されていて、新しくProシリーズが販売となり、その一番硬いMantra Pro XH (マントラProエキストラハード)を試打しました。2024年現在Mantra (マントラ)シリーズは種類が増えていて硬度違いで複数販売されています。早速STIGA (スティガ)さんの公表性能値表を確認してみましょう。
公表性能値
STIGA(スティガ)さんのサイトから引用させていただきました。
硬度 | Spin | Speed | Control | ||
Mantra Pro XH | マントラProエキストラハード | 53 | 135 | 156 | 78 |
Mantra Pro H | マントラProハード | 50 | 135 | 152 | 80 |
Mantro Pro M | マントラPro M | 47 | 135 | 148 | 82 |
Mantra H | マントラ H | 52 | 132 | 156 | 77 |
Mantra M | マントラ M | 48 | 132 | 155 | 77 |
Mantra S | マントラ S | 44 | 132 | 146 | 84 |
Mantra Sound | マントラ サウンド | 42 | 90 | 141 | 131 |
Mantra Control | マントラ コントロール | 45 | 108 | 99 | 140 |
DNA Hybrid XH | DNA Hybrid エキストラハード | 52.5 | 144 | 164 | 74 |
DNA Dragon Grip | DNAドラゴンGrip | 55 | 146 | 132 | 80 |
DNA Platinum XH | DNAプラチナエキストラハード | 52.5 | 140 | 168 | 72 |
DNA Pro H | DNAプロ H | 50 | 134 | 160 | 76 |
比較のため、DNAシリーズのラバーも掲載しています。Mantra Pro (マントラPro) XH (エキストラハード)をDNAと比較すると、DNA Pro H (DNAプロH)と比較すると、回転性能と扱いやすさは高いということがわかりますね。DNA Pro H (DNAプロH)は正直Fastarc G-1 (ファスタークG-1)にかなり似ています。発売されたころは、日本一売れているラバーがFastarc G-1 (ファスタークG-1)でしたので、納得といえば納得ですが、元祖ドイツ製ラバーらしいラバーでしたね。Mantra Pro (マントラPro) XH (エキストラハード)は扱いやすいのに性能もあがった良いラバーといえるのかもしれないですね。ただ2024年現在は最新のDNA Platinum XH (DNAプラチナXH)やDNA Hybrid XH (DNA Hybridエキストラハード)、DNA Dragon Grip (DNAドラゴンGrip)などと比較すると見劣りすることが予想されますね。このあたりは「頑張れMade in Japan!」という感じですね。実際にどのようなラバーか打ってみてレビューしていきたいと思います。
まだMantra (マントラ)シリーズはMantra Pro (マントラPro)シリーズが加わるとともに、DONIC (ドニック)のようにSound (サウンド)などかなり軟らかいラバーも発売となりました。意図はわかりませんが、初心者やビギナー向けのラバーとしてMantra (マントラ)を推したいのかもしれませんね。粘着ラバーではありますが回転をかけるということを覚えたりラリーを楽しむという点では現代卓球ではむしろ粘着こそスタンダードなのかもしれません。また世界一強いのは中国であり、中国選手が使うのは粘着ラバーですからね。Hurricane (キョウヒョウ)の次のスタンダードとしての粘着ラバーの立ち位置を得られれば売れることは期待できますし、ビギナー用粘着の位置を狙っているのかもしれませんね。ここまでやわらかくなると個人的には粘着ラバーではなくてスピン系テンションラバーに近づく感じもあるので、個人的にはあまり好きではないですね。
硬度計測定
続いてお馴染みの硬度計測定です。
公表 硬度 | Spin | 重量 / g | Shore a Sheet | Shore a Sponge | Shore c Sheet | Shore c Sponge | Sheet – Sponge (a) | Sheet – Sponge (c) | |
Mantra Pro XH | 53 | 135 | 50 | 31.0 | 30.4 | 46.1 | 45.3 | 0.58 | 0.83 |
DNA Hybrid XH | 52.5 | 144 | 50 | 30.7 | 28.1 | 48.6 | 45.8 | 2.58 | 2.83 |
DNA Dragon Grip | 55 | 146 | 52 | 31.6 | 30.5 | 45.5 | 46.9 | 1.08 | -1.42 |
DNA Platinum XH | 52.5 | 140 | 53 | 33.6 | 30.3 | 46.2 | 43.7 | 3.33 | 2.50 |
DNA Pro H | 50 | 134 | 51 | 30.1 | 26.3 | 43.5 | 40.8 | 3.75 | 2.75 |
Dignics 09C | 50 | – | – | 33.4 | 31.8 | 50.8 | 49.1 | 1.58 | 1.67 |
硬度計の結果になります。比較は日本製粘着の代表であるDignics 09C (ディグニクス09C)ですね。公表硬度は53°ですが、思ったより柔らかい印象で、Shore cで比較するとDNA Hybrid XH (DNA Hybridエキストラハード)より柔らかい値となりました。粘着ラバーとして代表的なHurricane (キョウヒョウ)などではシート側の方が柔らかいということがよくあるのですが、Mantra Pri XH (マントラProエキストラハード)はシートが柔らかいということもなく、スピン系テンションと同じようにSheet側が硬いラバーでした。そこまで硬くなく、扱いやすさとスピード性能もある粘着ラバーなのかもしれないと思いましたね。
マントラProXHの貼りと重量
今回はYasaka (ヤサカ)のReinforce AC (リーンフォースAC)に貼りました。
樊の字が何故書いてあるのか、謎です汗。
Mantra Pro XH (マントラProエキストラハード)
・Speed: 156
・Spin: 135
・Control: 78
・Sponge Thickness: 特厚
・Sponge硬度: 53.0°
・5,400 円 + 税
・76 g(切断前) → 50 g(Reinforce AC (リーンフォースAC)に貼って)
50 gということで、やや重たいですね!粘着は触ってもわかるかわからないかの微々粘着で、そこまでべたべたしているとかそういうのはないラバーでした。日本製って、Butterfly (バタフライ)製か否かで大きく変わるイメージで、そのイメージを覆す感じもない感じだと思います。
Mantra Pro XHの3つ特徴
粘着ラバーなのに爽快な弾き安さ!
正直、個人的には良い感想ではないのですが、粘着ラバーのカテゴリーなのにめちゃめちゃ弾きやすいラバーでした。バックハンドでミートを多用するならありかもしれませんが、あまりそういう選択をする人もいないのではないかと感じるレベルですね。フォアでミート打ちを目指すならありかもですね汗。粘着ラバーですが、3球目スピードドライブを狙ってカチコム人には快速なスピードドライブが出しやすいかもしれないですね。スピードは良いですが、ボールはやや軽い気がしましたし、ボールが沈まないので、回転をしっかりかけないと安定もしない気がしましたね。このあたりの難しさはハードなラバーらしさも感じました。
粘着だけど扱いやすい!
粘着ですがかなりスピン系テンションラバーらしいラバーであるため、良い意味でも悪い意味でもやりにくさもなく、驚きもなく、個人的には回転量が粘着のわりに低い気がしましたが、それ以外は可もなく不可もないラバーでした。ただ無二のラバーでもないので、自分には選択肢としてはないですね。STIGA (スティガ)のラケットは木材系のラケットが多く、球持ちの良いラケットが多いので、球持ちの良さで回転をしっかりかけて、木材のデメリットであるスピードをラバーでサポートするイメージで使うと良いのかもしれませんね。使いやすさと価格がメリットだと思いますので、その2点で選ぶのはありだと思います。
余談ですが反対側にはJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)を貼って試打しました。球持ち感は正直、Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)の方が上で、もっちり感が良かったと再認識しましたね。まーJekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイドZ52.5)は非常に高額なラバーでトップ選手や契約選手も使うラバーですので、納得といえば納得です。Mantra Pro XH (マントラProエキストラハード)は高性能なマークVに近い感じでシートが粘着のラバーというイメージで良いかもしれません汗。
威力よりもラリー重視なラバー
やはり威力を求めると他のラバーの方が威力があるといえるかもしれません。プラボールの硬質化に伴い、回転量や質を求めても相手のミスを誘いにくい方向へドンドン卓球が進んでいますので質よりラリー重視の選手には安定感のあるラバーとしてありといえるかもしれませんね。
各技術レビュー
フォアハンド系
軽打
テンション系ラバーのような弾みで違和感ありませんでした。結構ボールが飛ぶので、どらいかというとぶつけるよりもコスリ強めで打った方が安定すると思います。
ロングボールやラリーでのドライブ
重いボールを打てている感じはあまりしませんでした。フォアだと使えますが柔らかすぎるかもしれないですね。
面を開いたドライブ
面は開かない方がいいと思います。そこまでスポンジが強くないと思いますので。コスリ打ちの方がいいかなーと思いました。
対下回転に対するループドライブ
結構弾いてしまうので、打点を落としてもいいかもですね。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)を使っているとそういうループドライブを使うので、違和感はなかったですが粘着のループドライブ感はやや薄かったです。
対下回転に対するスピードドライブ
面を開くと回転をかけにくいと感じたので、擦った方が良いと思います。
カーブ/シュートドライブ
ブロック
ブロックはやりやすいですね。粘着の落ちる感じは皆無です。
カウンタードライブ
やりやすいですね。他のハイエンドで回転量が良くかかるラバーと比べると相手の回転の影響は受けにくいと感じました。
ツッツキ/ストップ
フォアサーブ
回転量は弱い気がしました。
バックハンド系
軽打
ほぼスピン系テンションと感じました。
ロングボールやラリーでのドライブ
最近粘着を使うので、ボールが沈まなくてオーバーミスが多かったですね。
対下回転に対するループドライブ
自分のバックハンドの技術力ではややおさまりが悪かったです。
対下回転に対するスピードドライブ
オーバーミスが多かった気がします。ナックルとかをスピードドライブを打つときは良かったですね。
ブロック
やりにくさはそこまでありませんでした。
カウンタードライブ
伸ばすのもやりやすいですが、あまり伸びているとかは感じませんでした。
ツッツキ/ストップ
チキータ
他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
Tenergy 05 Hard > Mantra Pro XH > Blue Storm Z1 Turbo
スピード
Rakza Z Extra Hard > Mantra Pro XH > Hurricane NEO III