
説明
Zhang Jike ZLC (張継科ZLC)とどうしても比較したくButterfly (バタフライ)さんの樊振東ラケットシリーズのFan Zhendong Super ALC (樊振東SALC)をレビューします!世間ではZyre 03 (ザイアー03)がメチャ話題で、もちろん購入しましたがまだサラリーマンkatsuo000は打てていないです涙。そのうち試打しますので、お待ちください!このページでは、Fan Zhendong Super ALC (樊振東SALC)をレビューします!Super ALC素材のアウターラケットですね!Super ALC素材のアウターラケット、Viscaria Super ALC (ビスカリアSALC)などが販売されてから、時間も経っていますが紆余曲折を経てアウターラケットへ回帰し、いざレビューしたいと思います!個人的にはZhang Jike ZLC (張継科ZLC)と比較したいと思って購入しました。以前もZhang Jike ZLC (張継科ZLC)の素晴らしさと愛を語りました。Zhang Jike ZLC (張継科ZLC)を超える良さを感じられるのか、非常に気になりこの度Fan Zhendong Super ALC (樊振東SALC)を買ってしまいました。まずはアウターカーボンのラケット設計を確認してみましょう。
Fan Zhendong series (樊振東シリーズ)
樊振東選手モデルのラケットシリーズの特徴は、ほぼほぼ張継科選手モデルの後継とkatsuo000は考えております。ということで実は樊振東ラケットシリーズは初購入になります。過去にはZhang Jike ZLC (張継科ZLC)、Zhang Jike ALC (張継科ALC)、Lin Gaoyuan ALC (林高遠ALC)などButterfly (バタフライ)さんのラケットを使ってみました。どのラケットも特徴として上板にコト材を使った硬質な打感が特徴の本格派アウターラケットシリーズになりますね。個人的には同じブレードといえど、角型のグリップのTimo Boll Spirit (ティモボルスピリット)やTimo Boll ALC (ティモボルALC)よりもグリップがつまっているので、非常に気に入っています。初めて使うとどれも硬いアウター特殊素材ラケットだと感じると思いますが個人的にはそれぞれ異なっていて差別化されています。katsuo000のイメージを記載させていただきます。


Arylate Carbon (アリレートカーボン): 最もバランスの取れたブレード。個人的には7枚合板のような板厚を感じるラケット。言い換えると相手のボールの影響を受けにくくかつマニュアルに威力が出せて、台上の繊細なタッチから中・後陣のドライブ、多少浮いたらカチコミドライブまで、上手い選手ならオールマイティに扱いやすさと威力のバランスが◎だと思います。オールラウンダーに前中後陣どこからでも攻撃的にボールを扱えるラケットだと思います!個人的には扱いやすいのですが中陣からのドライブで威力を求めるとリスクを必要と感じるのと2025年現在のプラボールではボールが揃って処理されやすくかつ回転量もスピードも最もオーソドックスで取られ慣れしていると感じます。
Arylate (アリレート)といえばButterfly (バタフライ)の商標登録された特殊素材で、芳香族ポリエステル系の繊維だと思います。近い素材と思われるのはmizuno (ミズノ)さんのDual Web (デュアルウェブ)というポリエステル繊維ですね。木材よりもクッション性と一定の硬さのある繊維のイメージで、ボールを掴んで飛ばすことのできる特殊素材だと思います。このアリレート繊維をカーボンと一緒に編み込んだものが、未だに卓球界で主力の特殊素材であり、カーボンの硬さを補って柔軟性と球持ちを与えるALC (アリレートカーボン)になります。katsuo000も大好きな素材で、ただのカーボン繊維と比べるとドライブ強打時でも確かな球持ちとナチュラルで強い弧線を示してくれるとともに、カーボンらしいスピードと威力の出しやすさ、を有するため世界中で認められている特殊素材だと思います。他の素材と比べても高いわけでもなく非常にオススメの素材になります。katsuo000がレビューしているラケットは以下になります。
Outer ALC
・Lin Gaoyuan ALC (林高遠ALC) 5.8 mm / 157 × 150 mm Koto (廃盤)
・Zhang Jike ALC (張継科ALC) 5.8 mm / 157 × 150 mm Koto (廃盤)
・Timo Boll Spirit (ティモボルスピリット) 5.8 mm / 157 × 150 mm Koto (廃盤)
Zylon Carbon (ザイロンカーボン): ALCよりもさらに弾んで直線的で密度の高い硬質な特殊素材。カーボンと異なる点はぶつけてもドライブをかけている感覚が得られる特殊繊維。Butterfly (バタフライ)のカーボンといえばTamuca5000というカチコチのカーボンがあり、このカチコチカーボンよりもドライブとか回転系の技術のやりやすさや回転のかけやすさが得られるので、特殊素材としてZLCは優れていると思います。人によってはカーボンは同じように感じる人もいるかもしれませんがALCやT5000、他メーカーのカーボンと、ZLCはかなり異なっていると感じます。最近感じるのですが、ZLCはやや早すぎて、プラボールでスピードも決定打も打ちにくくなった今こそ良い素材だと感じますね。抗菌プラボールの今だからこそ他の人よりも攻撃的なボールを求めるならZLCを選択したいところではないでしょうか。特にアウターZLCの良さはラリー戦になったときの中陣や前陣の強打で、アウターALCよりも容易に決定打が打てるところですね。また恐らくZhang Jike ZLC (張継科ZLC)はMizutani Jun ZLC (水谷隼ZLC)と同様に操作性重視の設計で板厚をかなり薄く、5.5 mmと薄い設計とすることでまるで5枚合板のような操作性のあるラケットと思います。自分が中学生まで5枚合板に近い打感のラケットを使っていたことも相まってかZhang Jike ZLC (張継科ZLC)のとっさの使いやすさは自分の体に染みついているんじゃないかと感じることが多く、今ではこのラケット以外は考えられないくらいマイラケですね。相手の回転や威力の影響は受けやすいですが、その分、板薄のおかげで飛距離が出にくいので回転をかけやすく扱いやすさが際立つので本当に愛用しています。特にフォアドライブの感覚はアウターラケットの中でもこのラケットが1番しっくりきます。
Zylon (ザイロン)はArylate (アリレート)よりもさらに硬くてタフな繊維になります。水谷隼選手がZylon (ザイロン)とCarbon (カーボン)を編み込んだZylon Carbon (ザイロンカーボン、ZLC)を使用していて、一気に人気が出た印象がありますね。このZylon Carbon (ザイロンカーボン)は、相手のボールの回転量に押されず打ち返せるような特徴があるのに球持ちも感じられる非常に高性能な特殊素材になりますね。ただZylon (ザイロン)もタフな繊維で、Arylate (アリレート)よりもAromatic (芳香族)性高く、かつ不対電子を持つ窒素原子によって、電子の偏りを持たせているので、分子間で強固にスタックしやすい材料です。要はArylate (アリレート)繊維よりも硬く、カーボンに近い部分もあるんですね。カーボンのみのラケットと比較すると弧線を描いて球持ちを与えてくれますが、やはりカーボンに近いづいている特殊素材がZylon Carbon (ザイロンカーボン)だと思います。ALC (アリレートカーボン、ALC)を超える威力と球持ちを求めると、Zylon (ザイロン)とカーボンを編み込んだZylon Carbon (ザイロンカーボン、ZLC)が挙げられます。硬い材料は加工も大変ですのでコストが高くなり、現状価格もALC<ZLCという状況が覆ることはありませんね。katsuo000は転々として、こちらのZLCに戻ってきた感があります汗。個人的にはインナーに配したZLCインナー系のラケットはこするときと厚く当てた時の飛距離や弧線の差が大きいと強く感じ、体感的な想像よりも弾み過ぎるイメージが強く、無理となりました。個人的に使うならアウター系の方が違和感なく扱えると感じます。またZylon Fiber (ザイロンファイバー、ZLF)を配したラケットは木材系と変わらぬ球持ちと威力およびスイートスポットの拡大が計られたラケットでしたが、Arylate (アリレート)のみを採用したラケットの廃盤に引き続き、Zylon Fiber (ザイロンファイバー、ZLF)を配したラケットも廃盤になりました。過去には福原愛選手モデルのラケットとして、インナーにZylon Fiber (ザイロンファイバー、ZLF)を配したラケット、Ai Fukuhara Pro ZLF (福原愛プロZLF) (廃盤)なども販売されていました。こちらのラケットは初心者からトップ選手までカバーできるかなり良質なラケットと聞いたことがあります。katsuo000も学生時代に使っていたラケットに似ているのでZylon Fiber (ザイロンファイバー、ZLF)をもちいたラケットは好みでした。Inner Force Layer ZLF (インナーフォースレイヤーZLF)もTimo Boll ZLF (ティモボルZLF)も良いラケットです。どちらもかなり扱いやすいラケットですが、少し値段が高いこともあり、また時代の流れを受け、2024年11月に廃番となりました。非常に使いやすくてオススメでしたが致し方なしかと思います。katsuo000がレビューしているラケットは以下になります。
Outer ZLC
・Zhang Jike ZLC (張継科ZLC) 5.5 mm / 157 × 150 mm Koto (廃盤)
・Mizutani Jun ZLC (水谷隼ZLC) 5.7 mm / 157 × 150 mm Limba
Super Arylate Carbon (スーパーALC): 今回レビューするFan Zhendong Super ALC (樊振東SALC)で使用されている素材です。イメージとしてはALCよりも密度を上げたALCでALC素材の工夫でザイロンを使わずに密度や硬さを上げた素材だと思います。ALCとZLCの間に位置するような素材と認識してますし、実際どうなのか確認していきたいと思います。ラケットの板厚は5.7 mmとZhang Jike ZLC (張継科ZLC)やFan Zhendong ZLC (樊振東ZLC)よりも厚く、Lin Gaoyuan ALC (林高遠ALC)やFan Zhendong ALC (樊振東ALC)よりも0.1 mm薄く設計されています。恐らく他のアウターALCと同じようにやや7枚合板感がありつつアウターALCの打感を継承しながらも威力の出し易いラケットとなっていると想像して購入しました。今回どう出るのか楽しみですね。
本レビュー記事のメインである、Super Arylate Carbon (スーパーアリレートカーボン、SALC)になりますね。既にViscaria Super ALC (ビスカリアSALC)というアウター配置のSuper ALC (スーパーALC)ブレードは発売となっていました。Super ALCはALCよりも弾み、ZLCよりも弧線が出るような説明で発売されているイメージです。ラケット性能表を確認しても高い反発特性があるのに、板薄にしているため、Viscaria (ビスカリア、アウターALCラケット)よりも低い振動特性を有するラケットになっています。このように反発性能と球持ちを進化させられる素材がSuper ALC (スーパーALC)ということになりそうです。そんなSALCをアウターに配し上板にコトをもちいて、ALCよりも速いスピードが得られるラケットがFan Zhendong Super ALC (樊振東SALC)になりますかね。
Cellulose Nanofiber (セルロースナノファイバー、CNF): 新たな特殊素材として登場したCNF素材は、上板に硬質な素材を使いつつも木材感の強いかなり異質な特殊素材系のラケットです。個人的には打球感は他のアウターカーボン系のラケットと同様に硬質で、木材ユーザーから移行するというよりも、アウターALCを使っていてもっと安定感と弧線が欲しい人向けのラケットだと思います。インナーカーボンユーザーは上板の硬質な打感は得手不得手が分かれるポイントではないかと想像します。カーボンのような無機質で直線性のボールではなく、速いけど弧線を描く独特のボールが特長と思います。球を持つ感覚は感じにくいのですが、上板の硬質のわりにボールをひきつけらることができるラケットで、弧線が勝手に出て安定感が非常にあがります。ただマニュアルにボールを持てないので、卓球全体がピッチ野早い連打型になりやすい気がしますね。これもハマる人とハマらない人がいるのではないかと想像します。あと打感が苦手という意見が多い印象で、先述のとおり回転をかけたと感じる球持ち感の打感は感じにくく、katsuo000も同じ印象です。上板が硬質で芯材が軽い木材のようで芯を感じにくくカーボンとも違う打感で確かに今までにない革新的なラケットと思います。アウターZLCと比較するとやはり決定打の出しやすさはアウターZLC未満で、木材感もあるけどカーボンなみの決定力も欲しい人用と思いますね。とにかく当てれば安定感が得られるのが良くて、残念ながら球の回転量が揃い易い気もします。前中陣の連打で勝負したい人が一番需要があると思いますね。このあたり好みが分かれやすそうだと思います。個人的には変化系ラバーを使う人が使いこなせれば回転を残し易く、相手のボールにも負けないんじゃないかと想像しますね。katsuo000が持っているCNFラケットはRevoldia CNF (レボルディアCNF)になります。
Super Zylon Carbon (スーパーザイロンカーボン、SZLC): 今バタフライの特殊素材の中で最も高価な素材がSZLCですね。Zhang Jike SZLC (張継科SZLC)は使ったことがないですが、Mizutani Jun Super ZLC (水谷隼SZLC)を持っているので何となく打感が想像できます。アウターZLC系のラケットを7枚合板ぽく仕上げた攻撃的なラケットがSZLC系ですね。板厚も厚くなっていて相手のボールの影響を感じにくく、かつ手の振動も抑えられているので、1球1球のボールの細かな違いを感じるとかよりもタイミングと弾みで相手のコートへねじ込みたい人向けだと思います。個人的には一般層には不要とも言えるようなかなり特殊なラケットだと思います。やはり7枚合板感が苦手ですね汗。
総括すると特殊素材の大人しいものから順番にあげると
CNF < ALC < SALC < ZLC < SZLC
と考えていただければ良いと個人的には思います。
なおsuper ALC素材をもちいたラケットは二本目で、一本目はHarimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)になります。Harimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)は、非常に攻撃的なラケットでバックハンドの決定力を上げることができると感じましたが、フォアが弾むと感じ、やはり自分はフォア主戦なので諦めました。でも良いラケットでしたね。また個人的にはブレード面積の広いラケットは苦手と思っていたのですがHarimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)は苦手とかも感じなかったのも好印象でした。フォアだけダメでそれ以外はかなり良いラケットでした!
なおFan Zhendong (樊振東)シリーズのブレード面積はZhang Jike (張継科)シリーズと同様の157 × 150 mmのレギュラーサイズになり、グリップは丸みを帯びたタイプになりますね。個人的にはTimo Boll (ティモボル)選手は大好きですがTimo Boll (ティモボル)シリーズのラケットの四角型のグリップはやや持ちにくいと感じます。昔からラウンドタイプのグリップのラケットを使っているからでしょうね。
Blade Design (ラケット性能)
Zhendong Super ALC (樊振東SALC) 5.7 mm / 157 × 150 mm Koto

届いたFan Zhendong Super ALC (樊振東SALC)は90 gでした。個人的に重いラケットは好きなので、好みの方向で良かったです。ラバーは現在メインで使用しているものを新しく貼りました。フォア面にJekyll &Hyde C55 (ジキル&ハイドC55)を、バック面にDignic 05 (ディグニクス05)を貼りました。グルーはフォア面バック面ともにButterfly (バタフライ製)のFree Chack II (フリーチャック2)を使いました。

フォア面Jekyll &Hyde C55 (ジキル&ハイドC55)が55 g、バック面Dignic 05 (ディグニクス05)が48 gでブレード面積157 × 150 mmで、。それでも191 gで個人的には軽いので、先端にNittaku (ニッタク)製のサイドバランサーを2本 (1本で約1g増)とButterfly (バタフライ)製6 mmのサイドテープを貼って194~195 gで試打しました。
樊振東SALCの3つの特徴
張継科ZLCよりバックドライブが上にあがりやすい!
アウターカーボンラケットでもここまで変わるのかーと思うくらい感覚が変わりました。Zhang Jike ZLC (張継科ZLC)はバックハンドがやはり難しく、チキータが本当にオーバーミスしやすいです。最近意識して練習するようになって安定してきましたが、やはり難しい。一方このFan Zhendong Super ALC (樊振東SALC)では簡単にボールがあがるんですよね!これはチキータとかバックドライブの安定感があがる!と感じました。ただし、いいのですが残念ながら威力は明らかにZhang Jike ZLC (張継科ZLC)の方があると感じました。このあたりは安定を取るか威力を取るのか、というもののようです。
フォアの打感はやはり7枚合板より!
Fan Zhendong Super ALC (樊振東SALC)を使って一番感じたのがこの7枚合板感でした。悪くないです、むしろこれぞまさにViscaria (ビスカリア)系のアウターALCの王道!という打感に近かったです。そして自分はこの打感がやはり苦手だと感じましたね。パワーでイケるなら微妙な高さのボールも厚くあてつつ安定感をもってスピードドライブが、低いボールについては薄く当ててループドライブがそれぞれ打てるのでしょうが、自分にはそのベースが多分Zhang Jike ZLC (張継科ZLC)にあっているんですよね汗。Fan Zhendong Super ALC (樊振東SALC)だとループドライブはオーバーし、スピードドライブはオーバーかネットというのが多く、なかなき扱いにくさを感じました。ラリーでもLin Gaoyuan ALC (林高遠ALC)や最近試したArc Caster Over (アークキャスターオーバー)よりも速くて決定力があると感じました。でもZhang Jike ZLC (張継科ZLC)の方がスピードは出せて好きだと感じました。もしLin Gaoyuan ALC (林高遠ALC)などのアウターALCのスピードが遅いと感じるなら是非使ってみることをオススメします!
セカンドラケットは確定!?
Zhang Jike ZLC (張継科ZLC)はスピード感、フォアの打感が最高ですが、やはりレシーブがやや難しいのが難点です。やはりバランスをとるならFan Zhendong Super ALC (樊振東SALC)は扱いやすく、良いラケットだし使い心地もありというのが本音ですね!
他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
Zhang Jike ZLC (張継科ZLC) > Fan Zhendong SALC > Fortius FT ver. D
スピード
Zhang Jike ZLC (張継科ZLC) > Fan Zhendong SALC > Lin Gaoyuan ALC (林高遠ALC)