ラケットの種類から考えられる卓球の特徴/戦型についてまとめていきます。
形と特徴
ブレードの縦長、横長、形状から考えられる特徴です。
ペンラケット
日本式ペンラケット
日本式ペンラケットの特徴はブレードが縦に長いです。
ブレードサイズ
縦160 mm前後
横130 mm前後
いわゆる角型と言われるラケットです。Hinoki(檜)単板が多いですが近年、合板もあるようです。
例1) Cypress G-MAX(サイプレスG-MAX) Butterfly(バタフライ)
縦163 mm × 横135 mm
例2) SPEED 90 SG-910K(スピード90) DARKER(ダーカー)
縦163 mm × 横132 mm
・板厚9〜10 mmでドライブやスマッシュが強烈!
・意外と知られていないけど、手首も効くので回転量が豊富!
・手首が動かしやすいので、台上がやりやすい!
プロ選手
・Kim Taeksoo選手(金擇洙、キムテクス、韓国)
・Ryu Seungmin選手(柳承敏、ユスンミン、韓国)
・Chiang Peng-Lung選手(蒋澎龍、シャンポンロン、台湾)
中国式ペンラケット
中国式と呼ばれ、日本式ペンよりも丸みがあって横幅が広いラケットです。
ブレードサイズ
縦160 mm前後
横150 mm前後
日本式ペンラケットは単板が多いですが、中国式ペンラケットでは合板ラケットが多いです。どちらかというと、シェイクラケットの名前を冠して中国式としているケースも多いです。トップ選手で活躍する選手も使用します。
例1) Carbon F-1 CHN(カーボン F-1 CHN)(TSP)
縦159 mm × 150 mm
例2) RUTIS REVO C(ルーティスレボC)(Nittake)
縦157 mm × 150 mm
・手首が効くのでドライブやスマッシュが強烈!回転量も豊富!
・手首が動かしやすいので、台上がやりやすい!
プロ選手
・Ma Lin選手(馬琳、マリン、中国)
・Wang Hao選手(王皓、ワンハオ、中国)
・吉田海偉選手(よしだかいい、日本)
・Xu Xin選手(許昕、シュシン、中国)
・松下大星選手(まつしたたいせい、日本)
反転式ペンラケット
ラケットを反転することを想定されたラケットです。
ブレードサイズ
縦160 mm前後
横140 mm前後
変化系ラバーと組み合わせる守備型の選手が使用するラケットになります。
例1) Double Face II TO(ダブルフェイスII TO)(YASAKA)
縦163 mm × 横140 mm
例2) HADRAW REVOLVER (ハッドロウレボルバー)(バタフライ)
縦161 mm × 横141 mm
・手首が動かしやすいので、角度が出しやすい。
シェイクラケット
一般的なブレード面積
現在の卓球で最もスタンダードなラケットです。
ブレードサイズ
縦160 mm前後
横150 mm前後
最も種類の多いラケットです。現在使用する選手が最も多いラケットと言えるでしょう。
例1) KOKI NIWA WOOD(丹羽孝希WOOD)(VICTAS)
縦157 mm × 横150 mm
例2) Jan-Ove Waldner OFF(J.O.ワルドナーOFF)(DONIC)
縦159 mm × 横149 mm
・現在最もオーソドックスなラケット
・攻撃から守備までどんな技術も無難にできる
プロ選手は多数いらっしゃいますので別途記載します。
広いブレード面積 (守備用)
カットマン用のラケットはブレード面積が広いことが特徴です。
ブレードサイズ
縦165 mm前後
横155 mm前後
スイートスポットが広がるので、速いボールにも対応しやすいと言われますね。
例1) KOJI MATSUSHITA (松下浩二)(VICTAS)
縦165 mm × 横155 mm
例2) DEFPLAY SENSO(デフプレイセンゾー)(DONIC)
縦164 mm × 横157 mm
広いブレード面積 (攻撃用)
カットマン用ラケットほどではありませんが、ブレード面積を広く設計したラケットがいくつか存在します。
ブレードサイズ
縦160 mm前後
横155 mm前後
スイートスポットが広がるとともに、ラケット重心が先端へ移るので遠心力が効きます。威力がでやすくなりますね。
例1) Harimoto Tomokazu Innerforce ALC(張本智和インナーフォースALC)(バタフライ)
縦158 mm × 横152 mm
例2) Fortius FT(フォルティウスFT)(mizuno)
縦158 mm × 横150 mm
プロ選手は多数いらっしゃいますので、別途記載します。
狭いブレード面積
ブレード面積が狭くなることで、小回りが効くとともにスイングスピードが早くなります。また子供向けラケットも狭いブレード面積にしていることが多いです。
ブレードサイズ
縦155 mm前後
横150 mm前後
例1) 和の極み -煉-(Andro)
縦157 mm × 横150 mm
例2) Timo Boll J(ティモボルJ)(バタフライ)
縦152 mm × 横144 mm
・ラバー面積も狭くなるので一般的なラケットを貼っても軽くなる
その他
テナリーラケット
かなり特殊なグリップで、使用者も少ないです。
ブレードサイズ
縦160 mm前後
横148 mm前後
バックハンドが振り抜きやすいと思います。
例1) TENALY ACOUSTIC (テナリーアコースティック)(Nittaku)
縦160 mm × 横148 mm
ハンドソーラケット
ピストル型などと呼ばれるラケット。今ではほぼ廃盤です。
合板構成と特徴
合板構成から考えられる特徴になります。
単板
檜であることが多いです。現在檜は材料不足となりつつあり、価格はとても高くなっています。重いほど詰まっていて威力がでて良いと言われますね。板厚は10 mm前後のペンラケットが多いですが、MIYABI(雅、Nittaku)は板厚9.0 mmの単板シェイクラケットです。
木材ラケットとしての球持ちがありながら、板厚によって飛距離と破壊力が出しやすいと言われています。実際、ある年齢層以上で使用者が非常に多いラケットタイプになります。
日本式ペンラケット使用のプロ選手
・Kim Taeksoo選手(金擇洙、キムテクス、韓国)
・Ryu Seungmin選手(柳承敏、ユスンミン、韓国)
・Chiang Peng-Lung選手(蒋澎龍、シャンポンロン、台湾)
合板
最も一般的な合板は5枚合板です。プラボールとなって、威力と飛距離のある7枚合板も増えてきましたね。中には3枚合板、9枚合板など、種々の種類がありますが、基本的には5枚合板と7枚合板が主な種類になります。
中国式ペンラケット使用のプロ選手
5枚合板
・Ma Lin選手(馬琳、マリン、中国)
・Wang Hao選手(王皓、ワンハオ、中国)
7枚合板
・吉田海偉選手(よしだかいい、日本)
一般的なブレード面積のシェイクラケット使用のプロ選手
7枚合板
・丹羽孝希選手(にわこうき、日本)
・神巧也選手(じんたくや、日本)
・Simon Gauzy選手(シモンゴーズィ、フランス)
広いブレード面積(守備用)のシェイクラケット使用のプロ選手
5枚合板
・Joo Saehyuk選手(朱世赫、チュセヒョク、韓国)
・塩野真人選手(しおのまさと、日本)
・村松雄斗選手(むらまつゆうと、日本)
・Filus Ruwen選手(フィルス、ドイツ)
広いブレード面積(攻撃用)のシェイクラケット使用のプロ選手
・Karlsson Kristian選手(カールソン、スウェーデン)
・Kim Donghyun選手(金東賢、韓国)
・軽部隆介選手(かるべりゅうすけ、日本)
特殊素材
木材ではない素材で主にはカーボンが多いです。カーボンは、軽くて、硬くて、とても飛距離とスピードの出る素材になります。打球感が大きく変わるので、好き嫌いも大きく分かれる傾向にあります。近年はカーボンに種々の特殊繊維と呼ばれる素材を編み込んだものをもちいることも増えました。特殊繊維とはアラミドやザイロンなどの繊維のことで、木材ほど柔らかくなく、カーボンほど硬すぎず、木材とカーボンの中間の材料だと思います。この特殊繊維をカーボンと編み込むことで、打球感を柔らかくしたり、しなやかにしたりするようです。またカーボンを編み込まず特殊繊維のみをもちいたラケットも存在します。木材の欠点であるスイートスポットの狭さを広げたり、打球感を変えずに威力をあげたりなど、こだわり抜かれたラケットが多い印象です。
アウター
特殊素材を薄めの上板の次に配するラケット。上板の打球感に加え、特殊素材の打球感が前面に出てくるラケットです。
中国式ペンラケット使用のプロ選手
アウターカーボン
・Xu Xin選手(許昕、シュシン、中国)
・Wong Chun Ting選手(黄鎮廷、ウォンチュンティン、香港)
・Qiu Dang選手(邱党、キュウダン、ドイツ)
一般的なブレード面積のシェイクラケット使用のプロ選手
アウターカーボン
・水谷隼選手(みずたにじゅん、日本)
・松平健太選手(まつだいらけんた、日本)
・Timo Boll選手(ティモボル、ドイツ)
・Fan Zhendong選手(樊振東、ファンゼンドン、中国)
・Lin Gaoyuan選手(林高遠、リンガオユアン、中国)
・Lin Yun-Ju選手(林昀儒、リンユンジュ、台湾)
・Ovtcharov Dimitrij選手(オフチャロフ、ドイツ)
・Wang Chuqin選手(王楚欽、ワンチュキン、中国)
・戸上隼輔選手(とがみしゅんすけ、日本)
アウター特殊繊維
・岸川聖也選手(きしかわせいや、日本)
・大矢英俊選手(おおやひでとし、日本)
・Calderano Hugo選手(カルデラノユーゴ、ブラジル)
広いブレード面積(攻撃用)のシェイクラケット使用のプロ選手
アウター特殊繊維
・大島祐哉選手(おおしまゆうや、日本)
インナー
特殊素材を中心材の隣に配するラケット。軽打やラバーだけに食い込ませた時はほぼ木材のような打球感。
一方で、厚くラケットの芯まで食い込ませて打球した時には特殊素材の硬さや特徴が出るラケット。
近年非常に人気のラケットタイプ。
中国式ペンラケット使用のプロ選手
インナーカーボン
・松下大星選手(まつしたたいせい、日本)
一般的なブレード面積のシェイクラケット使用のプロ選手
インナーカーボン
・宇田幸矢選手(うだゆきや、日本)
・上田仁選手(うえだじん、日本)
・吉田雅己選手(よしだまさき、日本)
・三部航平選手(さんべこうへい、日本)
・有延大夢選手(ありのぶたいむ、日本)
・松山祐季選手(まつやまゆうき、日本)
・Apolonia Tiago選手(アポロニアティアゴ、ポルトガル)
広いブレード面積(攻撃用)のシェイクラケット使用のプロ選手
インナーカーボン
・張本智和選手(はりもとともかず、日本)
・Ma Long選手(馬龍、マロン、中国)
今後も更新させていただきます。現在はここまででお願いします。