説明
2023年初のレビューは、GEWO (ゲオ)のハイエンドラバーになります。GEWOはドイツの卓球用具メーカーで、有名な契約選手はナイジェリアのQuadri Akinade Aruna (クアドリ・アルナ)選手になりますね。アルナ選手はGEWOと契約する前は、joola (ヨーラ)の契約選手でそのころからヒノキ系合板のラケットを使ったパワフルで豪快なラリーを展開する選手でした。そんなヒノキ系のラケットを豪快パワフルに扱うアルナ選手が、ラバーに使用するのが今回レビューするGEWOのNexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)になります。このNexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)を使用する前は、Nexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)を使用されていたようです。以前のラバーは、katsuo000もレビューしておりますので、そちらをご参考ください。本レビューでは、Nexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)と比較しながら、Nexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)をレビューしていきたいと思います。
GEWOのサイトからの引用
Nexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)
警告! ハイパフォーマンスゾーン 〜次のステップに進む準備はできていますか?
攻めるプレーのための究極の選択。最大限のダイナミクスと実現可能な限界に近いスピードと回転が、あなたの潜在能力を最大限に引き出すプレーをサポートします。セレクトクオリティーの職人技とパフォーマンス。GEWOのラバーで初めてSSTTとOTTの技術を組み合わせたGEWO Nexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)は、そのスポンジの高硬度を考えると、想像以上に弾力性と柔軟性に富んでいます。しかし、究極のスピード、最適なボールコンタクト、最大のスピンを提供します。小さい爆発的なスイングをする選手に最適で、台の近くでのパワープレーに理想的なラバーです。
プレーヤーのタイプ/特徴
– 現代的で攻撃的なストロークテクニックを駆使し、素早くポイントを獲得することを目指すアタッカー向け。
– ハードスポンジのラバーとしては、最大のカタパルト、スピン、究極のスピード。
– プロ選手レベルの卓球のために、妥協のないパワーとダイナミクスを実現。
GEWOリンク: https://gewo-tt.com/gewo-products/gewo-belag-nexxus-el-pro-53-superselect/
Nexxus EL Pro 53 Hard (ネクサスELプロ53ハード)
ルールを破るには、まずルールをマスターしなければならない!?GEWO ネクサスプロハード
最高の選択:トッププレーヤーと妥協のないパワーラバーを楽しむプレーヤーのためのラバーシリーズ。継続的な改善への取り組み、優れたパフォーマンスと卓越した品質は、常にGEWOの伝統の中核をなす価値観です。ほとんどのプレーヤーは、すでに新しいABSボールにうまく適応し、自分のテクニックに必要な変更を加えています。この調整の最初の頃は、プレーヤーはどちらかというとソフトなトップシートのラバーを好んでいましたが(ボールの回転とスピードを上げるため)、今ではトップレベルのプレーヤーは、テーブルに近いところでのパワープレーで最高のパフォーマンスを発揮するハードから非常にハードなラバーを使うことが多くなっています。このレベルにおいても完璧なソリューションを提供するために、GEWOのデザイナーとワールドクラスのプレーヤー、そしてあらゆるレベルの野心的なプレーヤーがチームを組み、数え切れないほどのテストシリーズを行い、個々のプレーヤーの特定の要求を満たす完璧なラバーを見つけ出しました。その目的は、卓球に必要不可欠なコントロール性を失うことなく、最高のスピード、スピン、フィーリングの理想的な組み合わせを見つけることでした。新しいNexxus Hardラバーで、GEWOはこの高難度の演技を完璧にマスターしました。Nexxus Hardシリーズでは、さらなるパフォーマンスを求めるすべてのプレーヤーに、新しくて非常に興味深いラバーの選択肢を自信を持って提供します。
より速く、より硬く – GEWO Nexxus EL Pro 53 Hard!
ネクサスシリーズの中で最も若く、最も硬いこのラバーは、世界的に成功したネクサスシリーズの中で最も速いラバーでもあります。このラバーの力を最大限に発揮するためには、確かな技術と素早くダイナミックな腕の動きが必要です。このラバーを使いこなすことで、最高のスピードとさらなるスピンの可能性を手に入れることができます。新しいABSボールは、まさに現代のアタッカーに欠かせないパラメータです。
ハードELスポンジの直線的なカタパルト効果と、DGC40+表面技術との組み合わせによる最大のスピンをお楽しみください。
プレイヤータイプ/特徴
– 妥協を許さない、テーブルに近い場所での攻撃のための絶対的なパワーパックです。
– 短くて速い腕の動きを使い、プレーに最大限のスピードを必要とするプレーヤーに最適。
– 優れたテクニックを持つ勤勉なプレーヤー向け。ボールを完璧に加速させる最大のパワー。
nexxTT / N.E.P (Nano.Elastic.Plus) / Maxximum.Power.Play.
新しいABSボールの導入など、製品の恒久的な調整のため、ラバーもこれらのトレンドに合わせて調整しなければなりませんでした。最新のボールの世代では、回転とスピードが低下します。この回転とスピードの低下を補うためには、2つの選択肢があります。テクニックを調整するか、素材を調整するかです。GEWOは、必要な物理的調整を革新的なソリューションアプローチでサポートすることを目指しています。薄くてグリップ力の高いトップシート(nexxTT)は、その固有のダイナミクスと高いテンション(N.E.P.)によって、スピードと回転の損失を補います。さらに、ミディアムポアのダイナミックなスポンジは、選択したパフォーマンスバリエーション(XT→スピード、EL→スピン)に応じて、Nexxus Proシリーズを真の「エナジーモンスター」にします。特に、最大の厚さ(2.2mm/2.3mm = Maxximum.Power.Play.
DGC40+ 2.0
GEWO HYPE EL / XT / KRラバーの成功要因の一つは、革新的なDGC40+トップシートテクノロジーでした。DGC40+は、ボール接触時の安定した信頼性の高いカップリングを意味し、グリップ力のある表面がボールの「滑り」を防ぎます。しかし、最新世代のボール(例:GEWO Select Pro 40+ ***)の導入には、トップシートのさらなる開発と適合が必要です。その結果が DGC40+ “Dynamic-Grip-Concept” 2.0です。このトップシートは、最新世代のボールの要件に合わせて特別に開発されたものです。前に進まなければ、後ろに進むことになります。
フレックステック
GEWOのために特別に開発された柔軟なスポンジ/ラバーデザインのフレックステック(XT)は、印象的なスピードを生み出します。XTシリーズのラバーとDGC40+ 2.0トップシートの組み合わせは、相手のトップスピンのスピードをエネルギーに変え、ボールがバットから離れるときに自分のストロークで再びこのエネルギーを放出します。ラバー内のピンプルヘッドは、ELラバーよりも距離を離して配置されており、やや薄めになっています。主にスピードを重視したラバーです。
エラスティックラバー
ELラバー(Elastic Rubber)は、そのコンパクトさにもかかわらず、優れたボールコンタクトフィードバックと独特の感触を提供します。このシリーズのラバーは、すべてスピン用に作られています。ラバー内のピンプルヘッドは、XTラバーよりも間隔が狭く、やや厚めに配置されています。DGC40+ 2.0のトップシートは、ボールコンタクト時の接触面積を少し大きくしているので、スピンを発生させる際に、本来の力(信頼性の高い結合と最大のスピン)を発揮します。新たな体験をお楽しみください。
GEWOリンク: https://gewo-tt.com/gewo-products/gewo-belag-nexxus-el-pro-53-hard/
フラグシップラバーとして発売されたNexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)の方がボリュームのある情報が掲載されていますが、そのNexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)を超えるラバーとして発売されたのが、本ページでレビューしている Nexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)になりますね。短いですが、公表されている性能も最も高く、新フラグシップラバーといえるでしょう。
NEXXUS(ネクサス)シリーズ
英語の情報を拝見しますと、色々と書かれていますが、「NEXXUS」のEL系がスピン重視、XT系がスピード重視のラバーシリーズになるようです。
Rubber | Spin | Speed | Control | Rubber-Hardness |
Nexxus EL Pro 53 Super Select | 127 | 140 | 77 | Hard+ |
Nexxus EL Pro 48 Super Select | 126 | 134 | 88 | Hard- |
Nexxus EL Pro 45 Super Select | 124 | 128 | 95 | Medium |
Nexxus EL Pro 53 | 124 | 133 | 83 | Hard+ |
Nexxus EL Pro 50 | 125 | 130 | 87 | Hard |
Nexxus EL Pro 48 | 124 | 125 | 91 | Medium+ |
Nexxus EL Pro 43 | 128 | 118 | 96 | Merdium |
Nexxus EL Pro 38 | 127 | 109 | 101 | Soft |
Nexxus XT Pro 50 | 121 | 132 | 85 | Hard |
Nexxus XT Pro 48 | 123 | 126 | 90 | Medium+ |
Codexx EF Pro 54 | 127 | 137 | 79 | |
Codexx EF Pro 52 | 128 | 135 | 81 |
性能表になります。表からわかることは、どのラバーを使っても高いスピン性能が得られる、悪くいうとどのラバーも大差がない、といったところでしょうか。この表記の仕方はDONIC (ドニック)さんも似ていると思います。実際に打つとかなり異なるということが、よくあります。
1年前の時点でWRMさんでは、「Nexxus」のELシリーズとXTシリーズ、および粘着ラバーの「Codexx」シリーズでしたが、現在は、最新の「SuperSelect」シリーズも扱うようになりました。続いて大切な硬度計比較になります。
Weight / g | Shore a (Sheet) | Shore a (Sponge) | Shore c (Sheet) | Shore c (Sponge) | ΔShore a (Sheet-Sponge) | ΔShore c (Sheet-Sponge) | |
Nexxus EL Pro 53 SuperSelect | 50 | 31.8 | 27.9 | 44.3 | 42.3 | 3.9 | 2.0 |
Nexxus EL Pro 53 | 50 | 31.6 | 30.5 | 46.8 | 45.6 | 1.1 | 1.3 |
Nexxus XT Pro 50 | 50 | 29.8 | 26.8 | 43.3 | 40.5 | 3.0 | 2.8 |
Dignics 05 | 48 | 34.3 | 31.3 | 50.0 | 48.2 | 2.9 | 1.8 |
Tenergy 05 | 47 | 32.3 | 26.8 | 44.6 | 43.3 | 5.4 | 1.3 |
Gewo (ゲオ)さんのラバーは、Dignics 09C (ディグニクス09C)と同じ重量になりますね。重いと感じてくる重量ですね。ただしShore cで比較すると、Dignics 09C (ディグニクス09C)と比較して柔らかいこともわかりますね。どちらかというとディグニクスシリーズよりもTenergy 05 (テナジー05)に近いラバーがGewo (ゲオ)さんのラバーといえそうです。shore aの差を比較するとNexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)よりも差が大きく、Tenergy 05 (テナジー05)の5.4に近い、3.9になりました。このようにshore aの差が大きい値を示すことからも、Nexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)はTenergy 05 (テナジー05)に近いラバーだと言えると思います。近年の技術革新によって、Butterfly (バタフライ)の日本製ラバーにしかみられないような、硬度が硬いわりに打球感は柔らかくてくい込みが良いスプリングスポンジ技術に近い技術が、ドイツでも製造できるようになりました。最も早い段階で採用したと思われるラバーがRasanter R53 (ラザンターR53)であると思います。また、Rasanter R53 (ラザンターR53)の後から発売されるドイツ製のハイエンドラバー (Blue Storm Pro (ブルーストームPro)、Dynaryz AGR (ダイナライズAGR)、Target Pro XD-52.5 (ターゲットプロXD-52.5)、Evolution MX-D (エボリューションMX-D)、DNA Platinum XH (DNAプラチナXH)、V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)など)は、基本的にはTenergy 05 (テナジー05)と比べると硬かったり重かったりするものの、スピン量はTenergy 05 (テナジー05)に匹敵するくらいかかるラバーに仕上がっていると思います。従ってNexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト)も例にもれず、Tenergy 05 (テナジー05)に近い回転性能が期待できるでしょう。
Nexxus EL Pro 53 Super Selectの貼りと重量
970XX-KLC (上板硬めインナー)に貼りました。970XX-KLC (上板硬めインナー)は、球持ちがあるんですが、思ったより回転量が少ないと感じており、あまり試打結果に納得いきませんでした。そこで、Alnade Inner (アルネイドインナー)に貼り替えて、試打もしました。
Nexxus EL Pro 53 Super Select (ネクサスELプロ53スーパーセレクト) ・Speed:140 ・Spin:127 ・Control:77 ・Sponge Thickness: 2.1 mm、maXXimum ・Sponge硬度:53° ・5,500 円 + 税 ・72 g(切断前) → 50 g(970XX-KLC (上板硬めインナー)に貼って)
Nexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)と同様、YASAKAののり助さんを使って貼りました。Gewo (ゲオ)さんのラバーは綺麗に50 gです。やや重いって感じですかね。katsuo000はフォアには問題なし、バックには重いと感じました。
Nexxus EL Pro 53 Super Selectの3つ特徴
Nexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)よりテナジーっぽい!
予想通り、テナジーっぽさが、今までのGewo (ゲオ)さんのラバーの中でもダントツで高いラバーでした。非常にくい込みが良くて弧線も高かったです。Tenergy 05 (テナジー05)と比べると、シートは硬めで、ややはね返りが強く、ドイツ製ラバーらしいシートでした。スポンジはくい込みがいいんですが、重量も重めなので、ややパワーは必要ですが、その分の回転量や威力が出しやすいと感じましたね。近いと感じたのはTenergy 05 Hard (テナジー05ハード)でした。ただTenergy 05 Hard (テナジー05ハード)よりは、弧線が沈みにくくその分スピードが出しやすい、要はバランス型のTenergy 80 Hard (テナジー80ハード)というラバーがあればかなり近いのではないかと感じましたね。
しっかりくい込ませることで、しっかり回転がかかる!
この特徴はNexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)にも書かせていただいた特徴です。特にフォアで使ったときに思い切りドライブをかけると相手が何度かふかしてくれました。この回転量はNexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)よりも高いと感じました。Nexxus EL Pro 53 (ネクサスELプロ53)と比べるともしかしたら回転量はそろいやすくテナジーらしくなっているかもしれませんが、その分、高いスピン性能は個人的に好みな特徴でした。
良いラバーでコスパの高い5,500円+税!
品質や性能が高く、6,000円台で買えると思うと非常にコスパの良い選択肢であると感じました。コスパが高いというのは一つのメリットですね。特に近年ラバーの高騰が進んでいますので、Gewo (ゲオ)さんのコスパの高さは維持してほしいところです。
各技術レビュー
フォアハンド系
軽打
特に違和感ありません。結構弾むと感じました。
ロングボールやラリーでのドライブ
粘着テンションラバーと比較すると明らかにボールは速いですね。ただ思い切り打つとボールの弧線があがる割に沈まないので、結構オーバーミスが目立ちました。オーバーだけ気を付ければ、チョリったり回転をかけて入れるドライブはかなり良かったですね。
面を開いたドライブ
対下回転に対するループドライブ
シートが硬いためか、思ったより弾んで初めはオーバーミスが多かったのですが、使い方がわかるとかなり質の高いループドライブが打てると感じました。ボールが上がりやすいわりに、上記にも書きましたが、ややボールが沈みにくいとも感じましたね。それでも回転量はかなり満足です。
対下回転に対するスピードドライブ
スピードは申し分ないです!ただし、ややボールは軽そうでした。
カーブ/シュートドライブ
結構ラバーじたいは走るので、カーブやシュートでも非常にスピードのあるドライブが打てると思いました。
ブロック
Dignics 05 (ディグニクス05)と比較すると、相手の回転の影響を受けやすいのでボールを持ちつつしっかり身体で相手のコートへおくってやる必要があると感じました。それでも柔らかいラバーではないので、ブロックはやりやすかったです。
カウンタードライブ
こちらも問題なくやりやすかったです。ただ弾みも結構強いので、インナーラケットや木材系の方がコントロールしやすいと思います。アウターカーボンだとちょっと弾み過ぎると思います。
ツッツキ / ストップ
おさまりますし、切れます。Dignics 05 (ディグニクス05)と比べるとやや浮きやすいですね。
フォアサーブ
切れますし、特にナックルの走りが気に入りました。
バックハンド系
軽打
個人的には硬いですね。
ロングボールやラリーでのドライブ
打てなくはないですが、連打はきつかったです。正直重たくて、打感もマットでした。このラバーをバックで使用する人は相当パワーがあると思います。
対下回転に対するループドライブ
回転量は得られますが、少し軽いように感じました。
対下回転に対するスピードドライブ
実力不足で打てそうにありませんでした。
ブロック
打球感がマッドな分、ブロックは押されなくてよかったです。Dignics 05 (ディグニクス05)と比べると弧線がでにくいと感じましたが、慣れれば普通だと思います。
カウンタードライブ
やりやすかったです。マッドで相手の回転は受けますが、受けすぎるということもないので、しっかり身体を使えば問題なく打てると思います。
ツッツキ
少し浮きやすいですが、抜群に切れますね。
チキータ
やりやすかったです。回転もかけやすかったです!ただ、自分の腕の影響もあると思いますが球を持っている感じはあまり感じにくいと思いました。
他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)
回転量
Dignics 05 (ディグニクス05) > Nexxus EL Pro 53 Super Select ≧ Tenergy 05 (テナジー05)
スピード
Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイドH52.5) > Nexxus EL Pro 53 Super Select > Razanter C53 (ラザンターC53)