スピン系テンション

レビュー Evolution MX-P(エヴォリューションMX-P)

説明

 Evolutionシリーズはドイツの卓球用具メーカーTIBHAR(ティバー)のトップ選手用のラバーシリーズになります。スポンジ硬度で3種類、シートの種類で2種類で、スポンジ硬度3種×シート2種で6種類のEvolutionシリーズが存在します。スポンジ硬度が最も柔らかいFlexible(フレキシブル、FX)、中間高度のElastic(エラスティック、EL)、ハードなMaximum(マキシマム、MX)と、パワー系のシート(P)およびスピン系の微粘着シート(S)ですね。今回レビューするEvolution MX-P(エヴォリューション マキシマムパワー)はトップ選手も多く使用している、ティバーのフラグシップラバーのようなラバーになります。

 Evolution MX-Pはティバーと契約する多くのトップ選手が使用するラバーで、以下のような選手が使用しています。

・Vladimir Samsonov(ブラディミル サムソノフ)選手(ベラルーシ)
・Paul Drinkhall(ポール ドリンコール)選手(イングランド)
・田添響選手

 ベラルーシのサムソノフ選手といえば、現在44歳で、なお現役で活躍するヨーロッパの「巨人」ですね。40代で今なお現役で非常に安定感のあるバックハンドと長身の強烈なフォアハンドドライブが特徴で、プレースタイルはブロックとカウンターを軸にしたスタイルになります。過去に世界ランキング1位を何度も経験していて、ヨーロッパ大会では未だに上位入賞する実力を有します。
 またドリンコール選手はイングランドNo.2の若手の選手で、レシーブチキータと中陣からのフォアハンドドライブやカウンタードライブが特徴の選手です。世界団体などで日本チームはイングランドのドリンコール選手に苦しめられたりしていますね。
 このようにヨーロッパのトップ選手がTIBHARと契約して第一線で活躍しています。TIBHARはドイツのメーカーで、日本では少し知名度は低いですが、ヨーロッパにおいては選手を支える確かな存在感のあるメーカーと言えるでしょう。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

 *非常にわかりにくくて申し訳ありません。Evolution MX-P(エヴォリューションMX-P)とEvolution MX-S(エヴォリューションMX-S)のスピード、スピン性能が同値であるため、同じ場所にプロットされています。

 性能からわかるようにスピード性能が高いことがわかりますね。サイトによっては「10+」のような表現を使っているものもありますが、三桁の数値で評価されているものを採用しました。やはりスポンジ硬度を反映させるとラバーの性能はどのあたりに相当するのかわかる気がしました。ドイツの表記ではスポンジ硬度が柔らかいと食い込みが良いので回転がかかると考えて数値を記載していることが多いので、メーカー内での比較においても注意が必要なように思います。

MX-Pの貼りと重量

 いつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

 余談ですがスポンジの色が、Dignics(ディグニクス)シリーズに似てますね。横から見るとラバー名を見ないと違いがわかりません。

Evolution MX-P(エヴォリューションMX-P)
 回転系テンション OFF+
・Sponge Thickness:1.7/1.9/2.1 mm
・Speed:125
・Spin:120
・Control:80
・Sponge硬度:45.7-47.7°
・6,000円 + 税
・71 g(切断前) → 48 g(張継科ZLCに貼って)

 過去、ラケットブレード面積の広いラケットに貼った時は50 gくらいあったように覚えていて、思ったより軽くて意外でした。標準的な重量で、もしかしたら軽い個体を手にしたのかもしれません。MX-PにはMX-P 50°という、ハードタイプも発売になりましたので、重くて硬いものが使いたいのであればMX-P 50°を使えば良いですね。

Evolution MX-Pの3つの特徴

1. 球持ち&打球感がテナジー05に酷似!

 対下回転ドライブやラリーでのドライブ時に球持ちを感じやすく、まさに打球感は Tenergy 05(テナジー05)!と感じるものでした。非常に扱いやすく、好みと感じる人が多いと思います。また回転もかけやすく、打球時の手応えと回転量もリンクしていると感じました。もちろん、回転量も健在で、しっかり回転がかかると思います。

2. 弾きやミートもやりやすく、まさにバック向けラバー!

 テナジー05との最大の相違点は、弾きやすさだと感じました。Evolution MX-P 50°も同様に弾きやすいと感じました。やはりMX-PのスポンジはテナジーのSpring Sponge(スプリングスポンジ)ではないので、厚く当てた時に差異が生じると感じます。厚く当てた時、ラケット板に到達しやすいと感じたのがMX-Pになります。従ってミートを多用するバックに使うと好感触だと感じました。テナジー05の難しいところは、ミートがしづらい点だと思いますが、MX-Pならミートもしやすく両方を上手に使いこなしたいのであればMX-Pをオススメします。

3. シートが硬め!回転の影響を受けにくく寿命も長い!

 テナジー05に似ているMX-Pですが、シートがやや硬めと感じました。従って、テナジー05よりも回転の影響を受けにくく、またテナジーシリーズで頭を悩まされる寿命もMX-Pは長いと感じました。テナジー05に似つつ、テナジー05よりもメリットと言える部分だと言えると思います。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 テナジー05のようなオートで回転がかかるような性能はないと思いました

ロングボールやラリーでのドライブ
 食い込ませた時に結構、板に当たりやすいと感じました。嫌いではありませんが、ややスピードドライブの回転量不足を感じてしまいました。

面を開いたドライブ
 食い込んでしっかりボールを包み込む感じはあるので、ある程度回転がかかっていると感じました。

対下回転に対するループドライブ
 非常にやりやすいと感じました。特にボールの高さ、と深さを制御しやすいと感じたのは好感触でした。また回転量もテナジー05ほどではないと思いますがかかっていると感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 スピードドライブ自体は入ると感じましたが、やや回転量不足を感じました。

カーブ/シュートドライブ
 回転がかかるのでしっかり曲がります。少し弧線は低いと思います。

ブロック
 やりやすかったです。好きな打球感でした。少し硬いので苦手な人は苦手だと思います。

カウンタードライブ
 これもやりやすかったです。上昇期に捉えるカウンタードライブは難しめでしたが、しっかり自分で弧線を作る時はコントロールしやすいと感じました。

ストップ
 思ったより止まって好感触でした。

ツッツキ
 これも低いです。ただしあまりキレていないかもしれません。

フォアフリック

フォアサーブ
 回転量のあるサーブが出せます。

バックハンド系

軽打
 そこまで硬いとは感じませんでした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 スピードドライブ気味にドライブしても安定して入る感じがありました。

対下回転に対するループドライブ 
 これもやりやすかったです。回転量はそこまでないと感じましたがなかなか安定感があって良かったです。

対下回転に対するスピードドライブ
 これも結構やりやすかったです。食い込みが良いからだと思います。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 止めやすかったです。

カウンタードライブ
 ほとんど試せませんでしたが、1球目で入りましたのでやりにくいことはないです。

ストップ
 これも止まります。

ツッツキ
 低くコントロールしやすいです。

チキータ
 やりやすかったです。ボールを持つので、しっかり回転をかけて次球の強打を防ぎやすかったです。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 > Evolution MX-P > Tenergy 05 FX

スピード
  Tenerg 80 ≧ Evolution MX-P > Tenergy 05

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レビュー Rasanter V47(ラザンターV47)

説明

 ドイツ製ラバーの中でも抜群の回転性能を感じるのがandro(アンドロ)のRasanter(ラザンター)シリーズになります。androさんは常にスタイリッシュなアパレルとラバーの色で異色の存在感を放つ存在ですね。アンドロは近年明らかに日本でも存在感が際立ってきていると思います。その要因として2017年卓球ワールドカップで水谷隼選手に勝利したり、2019年世界選手権で中国のXu Xin選手(許昕選手、中国)に勝利しているSimon Gauzy選手(シモン ゴーズィ選手、フランス)や、2019年全日本選手権にランカー入りした濱川明史選手の使用用具がアンドロであるという事実があると思います。

RasantからRasanterへ

 アンドロさんは2016年まで、看板として販売していた特徴的な緑色のスポンジのラバーRasant(ラザント)シリーズ(Rasant Grip(ラザントグリップ)、Rasant Power Grip(ラザントパワーグリップ)、Rasant Power Sponge(ラザントパワースポンジ)、Rasant Beat(ラザントビート)、Rasant Turbo(ラザントターボ)、Rasant(ラザント)の6種類)を全て廃盤とし、新たにRasanter(ラザンター)というラインナップを2017年から販売開始しました。ラザントシリーズと同じく緑色のスポンジを採用した新たなフラグシップラバーであるラザンターシリーズ。ラザンターシリーズは回転性能が高く、弧線を作りやすいRシリーズと回転性能に加え、スピード性能も高いVシリーズが存在し、スポンジ硬度が反映した数字をRまたはVの後につけられた名前で販売されています。また他のドイツメーカーに先んじて、Ultra Max(ウルトラマックス)という、スポンジ厚さ2.3 mmとする技術を搭載したラバーラインナップになります。この技術というのは、それ以前ではトップ選手用に適用された技術のようで、シートを現行よりも、さらに薄くしてその分、スポンジを厚くする、といったラバーになります。ラバーは接着層を含めて厚さが4.0 mm以内という国際ルールが存在しますので、スポンジを厚くするためにはシートを薄くする必要があるわけです。シートが薄く、スポンジが厚いラバーの方が、回転とスピードと飛距離が出しやすく、トップ選手受けする性能が出しやすいと言われているそうです。しかしシートを薄くするというのは製造バラ付きが生じやすくそれ以前ではあまり出回っていなかったようです。おそらく最新技術で生産性を上げることができ、結果低価格でシートが薄くスポンジの厚いラバーを生産できるようになり、一般市場へ販売するようになったものと思われます。この技術は日本や世界の卓球用具を牽引し世界標準となるTenergy(テナジー)シリーズを販売するButterfly(バタフライ)さんのラバーにはないようで、バタフライさんはいまだに特厚でもスポンジ厚さは2.1 mmのままとなっています。近年他のドイツメーカーでもシートが薄くスポンジの厚いラバーが増えてきていますね。
 ラザンターは現在までに8種類のラザンターが販売れており、Rシリーズが6種類、Vシリーズが2種類になります。

Rasanterシリーズ

 ラザンターシリーズは、回転系のRとスピード系のVでスポンジ硬度が細かく選べるシリーズのようなネイミングとなっていますが、実際に試打すると想像と異なりました。どうやらスポンジ硬度を変えるともに、シート形状も変更していて打球感や性能、やりやすい技術は異なりました。さらにVシリーズは確かにスピードは速いですがかなりスピン系テンションで回転もかなりかかるので、決してスピード特化のラバーという訳でもありませんでした。katsuo000はR53、R48、R50、R47、V47、R42を試打しており、それらの比較を今後まとめていきたいと考えております。ここでコメントさせていただくことは、R53、R48、R50のシートの粒形状はやや細めで少し球離れの速いと感じる粒形状でした。Dignics 05(ディグニクス05)やTenergy 05(テナジー05)と比較すると球持ちを感じにくいシートの粒形状になると思います。一方で、シートは柔らかく、スポンジも食い込みがかなり良いので、ラバー全体で食い込ませると球持ちを感じるラバーだと思います。
 2017年に販売開始した当初は、R50、R47、R42、R37、V47、V42の6種類でした。さらに2019年10月にEnergy Cell(エナジーセル)技術搭載のR53、2020年5月に同じくエナジーセル技術搭載のR48を新発売しました。現在アンドロさんのフラグシップ的ラバーがR53とR48になりますね。

 ラザンターシリーズで最近注目は、紅(あか)のラザンターのR53とR48だと思います。既にレビューは作成済みですので、あわせてご覧いただけると幸いです。

公表性能値比較

 アンドロさん公表性能値比較になります。アンドロさんはスピードとスピンに加え、コントロールという項目を加えているのが特徴でしょうか。やはりエナジーセル採用のR53とR48は高い性能となっていて注目のラバーになりますね!

 R53のレビューを拝見すると、スピードが出る!というものが多いのですが公表性能値上ではV47の方が、スピードが出ることになっています。既にR53、R48、R50、R47、V47を試打したので分かりますのでコメントしておきますね。R53よりV47の方が単純なスピードは速いと思います。V47の方がとても直線弾道になるため体感以上に速いと思いますね。特にV47の中陣ドライブはかなりのスピードが出る印象です。一方で、R53は弧線を非常に強く描くので、その分体感よりもボールが遅くなる印象です。ボールが相手の台に到達するまでの時間は数値上はV47の方が速いと思います。これは直線弾道によるところが大きいと思います。ラザンターシリーズ中、最速のラバー、それがV47と言えると思いますね!

V47の貼りと重量

 いつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

 切る前で70 gをきっていましたが、貼ると思ったより重かったです。実際、どちらかというと回転もしっかりかかるスピード系ラバーだと思いますね。

Rasanter V47(ラザンターV47)
 UMテンション(テンゾーバイオスUM)
 40+ Plastic Ball対応
・Sponge Thickness:1.7 mm、2.0 mm、ULTRAMAX(UM)
・Speed:121
・Spin:119
・Control:88
・Sponge硬度:47°
・6,200円 + 税
・69 g(切断前) → 48 g(張継科ZLCに貼って)

Rasanter V47の3つの特徴

1. スピード系テンションとスピン系テンションの良いところ取りなテンションラバー

 スピン系テンションラバーらしく、思ったより球を持つグリップ力と回転性能があるため、サーブ、ループドライブは想像以上に質が高かったです!正直こんなに回転性能が高いとは思いませんでした回転性能はおそらく、Tenergy 80(テナジー80)やTenergy 05 FX(テナジー05FX)なみにあると思います!それでいて、上回転のラリーでは、かなりミートに近いスピードドライブがド安定しました!V47はスピード性能とスピン性能を両立するラバーだということが1つ目の特徴だと思います!katsuo000のイメージとしては、打ち抜くというよりも回転をかけて安定させようとして使う方が安定感の中にスピードが追加されてとても好感触でした。

2. Rasanter中No.1のスピード性能と直線弾道!

 説明でも触れましたが、V47は最新のエナジーセル技術をもちいたR53やR48よりも高いスピード性能を有します!公表性能値上でもV47の方がスピード性能は高いことになっています。実際、V47は非常に直線弾道ですので、スマッシュのようなスピードのドライブがバンバン入ると感じました。かなり攻撃的だと思います。

3. 食い込みが良く、スピン系テンションなのにハーフボレーやつなぎ、ブロックがやりやすい!

 食い込みが良いので、咄嗟のミート系のボールに対するブロック、ハーフボレー系のつなぎ、がやりやすかったです。ドライブよりもミートを多用するのであれば、かなり扱いやすいと思います!
 このラバーは名前で少し損していてスピード系ラバーではなくスピン系テンションだと思って使った方が性能を活かせて、良いと感じました。テナジー05を使っていて、コスパが良くて回転量をあまり落とさずにスピードが欲しいラバーを探している方にオススメしたいです。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 硬さはそこまで感じません。同じ硬度のR47の方がより硬いと感じると思います。

ロングボールやラリーでのドライブ
 回転量よりもスピード性能に任せたドライブが好感触でした。ノータッチが狙えるくらいの速いスピードドライブが可能です。このスピード性能は、Omega VII(オメガ7)シリーズに匹敵するスピード性能だと思います。

面を開いたドライブ
 食い込みが良いのでフォアではかなり好感触でした。少ない力で容易にドライブが打てました。

対下回転に対するループドライブ
 少し弧線が低いと感じますが、フォアなら十分なグリップ力があり、質の高いループドライブは十分可能でした。

対下回転に対するスピードドライブ
 対下回転スピードドライブは、思ったより難しかったです。食い込みが良い分、回転の影響を受けやすいラバーでもあるようで、しっかり体で打つ必要があると思います。

カーブ/シュートドライブ
 弧線が低いので、あまり曲がる印象はありませんでした。

ブロック
 柔らかいので、ミート系のボールに対するブロックはかなりやりやすかったです。逆にループドライブに対するブロックは少し回転の影響を受けやすいので回転をいなすなり、上書きするなり、技術が必要だと感じました。

カウンタードライブ
 打球点を落とさずに上昇期に捉えてミート気味にドライブするのが好感触でした。上書きしようとすると飛距離が出過ぎる印象です。

ストップ
 ストップは食い込みがかなり良いので、シートだけで捉えるようにしないとかなり浮きました。

ツッツキ
 ストップ同様で、ツッツキも浮きやすかったです。

フォアフリック
 柔らかい分、球を持てるので、角度打ちしやすいと感じました。

バックハンド系

軽打
 バックハンドで使うとなると少し硬めだと思います。

ロングボールやラリーでのドライブ
 回転系ではなくスピード系がやはり好印象でした。

対下回転に対するループドライブ
 思ったより食い込むので、最低限の質のループドライブができると感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 逆にスピードドライブはかなり難しかったです。インパクト不足だと思います。

カーブ/シュートドライブ
 直線的で曲がる印象はありませんでした。

ブロック
 ミート系のボールに対するブロックはやりやすかったです。ループドライブに対するブロックは難しかったですね。

カウンタードライブ
 R48よりもカウンターしやすいと感じました。カウンターミートもやりやすかったです。

ストップ
 フォアストップ同様、浮きやすかったです。

ツッツキ
 こちらも同様に浮きやすかったです。

チキータ
 かなり攻撃的でスピードのあるチキータができました。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 R53 > Tenergy 05 ≧ V47 > Tenergy 64

スピード
 Tenergy 64 > V47 > R53 > Tenergy 05

https://amzn.to/2Ytm4Iz

レビュー Blue Fire JP01 Turbo

説明

 DONIC(ドニック)は、日本では少々マイナーなメーカーですが、スウェーデンの天才Jan-Ove Waldner(ヤン=オベ・ワルドナー)選手Jorgen Persson(ヨルゲン・パーソン)選手、また昨年まではDimitrij Ovtcharov(ディミトリオフチャロフ)選手が契約していたメーカーになります。オフチャロフ選手は水谷隼選手の親友でありライバルとされる選手ですね!最近では、関西のYou Tuber「ごぶりんず」さんにも取り上げられ高い注目を浴びているメーカーではないかと想像します。なお、ごぶりんずさんのオススメはブルーストームZ1ターボのようです。

 ブルーという名前のついたDONICのラバーは多数あり、現在20種類あります。

・Blue Grip(粘着ラバー) 2種
・Blue Storm(ブルーストーム) 5種
・Blue Fire(ブルーファイヤ) 9種
・Acuda Blue(アクーダブルー) 4種

卓球王国のゆうさんも複数の種類があるため、概説する動画を挙げています。

 今回試打したブルーファイヤは回転系のラバーになります。なおスピード系のラバーがブルーストーム安定感のあるラバーがアクーダブルーになるそうですね。すでにBlue Storm Z1 Turbo(ブルーストームZ1ターボ)の試打レビューを挙げさせていただきました。

https://katsuo000.com/review_blue-storm_z1-turbo/

 またBlue Fire M1 Turbo(ブルーファイヤM1ターボ)のレビューはこちらです。

https://katsuo000.com/blue-fire_m1-turbo/

 ブルーのラバーラストはBlue FIre JP01 Turbo(ブルーファイヤJP01ターボ)になります。ずいぶん前に購入して少し使ってTSPの粘着シートを貼ってとっておいたラバーになりますね。食い込みが良くて非常に扱いやすいラバーの印象でしたが、今回改めて自分のメインラケットに貼って試打しましたのでよろしくお願いします。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

 公表の性能上、JP01ターボは最もスピードが出ないことが分かりますね。スピードが出ないとなると、回転系のラバーではないかと想像しますね。DONICさんの説明は以下のとおりです。

もっと引き出す“ブルー“のチカラ。
 DONICの技術を結集した最先端のFDラバー、『ブルーファイヤJP01』をパワーアップ。攻撃時の回転力に定評のある『ブルーファイヤJP』のトップシートを改良し、スピードとスピンというラバーの二大要素を極限まで引き上げた、別格の『ブルーファイヤJP01ターボ』が完成。
 打球時にスイングの伝達エネルギーロスを抑え、スピード+スピンを球の威力に重みを加えたパワーボールをプレーヤーに授けます。高いグリップ力を持つトップシートなので、手で“持つ“安心感を損なうことなく、思う存分に攻撃し続けることが可能です。

 この説明から、どのようなラバーかは分かりにくいと思います。実際ブルファイJP01ターボは、弧線が最も高い回転系のラバーでした。

JP01ターボの貼りと重量

 いつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。申し訳ないですが、ラバーは一度他のラケットに貼ったものを再利用させていただいております。

Blue Fire JP01 Turbo(ブルーファイヤJP01ターボ)
・Sponge Thickness:1.8 mm、2.0 mm、MAX+
・Speed: 10+
・Spin:10+++
・Control:6+
・Sponge硬度:47.5°
・オープンプライス (5,000円前後)
・48 g(張継科ZLCに貼って)

 スポンジ硬度も硬すぎず、幅広い選手が使えそうなラバーでした。

Blue Fire JP01 Turboの3つの特徴

1. ブルーの中で最も高い弧線!

 ブルーラバーの中でとにかく弧線が高かったです!弧線が高すぎて飛距離もかなり出ると感じました。従ってかなりボールが深く入ると思います。この弧線の高さは、JP → Tenergy 05(テナジー05)を意識したものと感じさせてくれましたね。XIOM(エクシオン)のVega Japan(ヴェガジャパン)も弧線が高いと思いますが、ブルーファイヤJP01も弧線の高さを感じさせてくれました

2. ブルーの中で最も対下回転ドライブがやりやすい!

 弧線が高いので、とにかく対下回転ドライブがやりやすかったです。ミスする感じがしませんでしたね。バックハンドドライブでもかなりやりやすかったです。またしっかり食い込ませてスイングスピードも速いとしっかりとした回転もかかっていました。扱いやすくてフォアにもバックにももってこいと感じましたね。

3. 回転系のラバーなのに回転の影響は受けにくい!

 回転系のラバーはどうしても相手の回転の影響も受けやすいものですが、このブルーファイヤJP01ターボは、シートに芯があるためか、想像以上に回転の影響を受けなかったです!ブルーファイヤM1ターボに似ていましたね。ブロックがやりやすいのはもちろん、カウンタードライブもかなりやりやすかったです!かなり好感触でしたね!Tenergy(テナジー)系ラバーは回転性能は高いですが、少し回転の影響を受けやすい部分があります。近年katsuo000が探している、求めている性能として、回転性能が高くて回転の影響を受けないラバーです。同じような特徴のあるDignics(ディグニクス)と同類の評価ができると思いました!ただし、ディグニクスと比較してしまうと回転量、スピード性能は明らかに低かったです。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 柔らかいと感じました。威力よりも安定感がありましたね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 Tenergy 05 FX(テナジー05FX)のようにそこま威力はないけど、とにかく連打がしやすかったです。

面を開いたドライブ
 食い込ませるとラケット板に当たるのを感じました。ここはテナジー05の方がやりやすい思います。

対下回転に対するループドライブ
 とにかくやりやすかったです!食い込みがいいのでチョリドラは少し威力不足を感じました。それでもかなりやりやすいですね。

対下回転に対するスピードドライブ
 食い込みがいいのでやりやすかったですね。オーバーミスしやすいので弧線を意識した方が良いと思います。

カーブ/シュートドライブ
 回転量はあるので、まずまず思い通りに曲がります。

ブロック
 やりやすかったですね!意外だったのですが、回転系のラバーなのに回転の影響を受けにくくやりやすかったです。

カウンタードライブ
 これも回転の影響を受けにくいためやりやすいと感じました!

ストップ
 切るのは難しかったです。浮きやすさもありました。

ツッツキ
 ツッツキもオーバーミスが結構ありました。やりにくくはなかったです。

フォアフリック

フォアサーブ
 サーブは重いとは感じませんでした。どちらかと言えば球足の長いサーブで相手の時間を奪有ことがやりやすいと思います。

バックハンド系

軽打
 バックにちょうど良い硬さでした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 スピードを出そうと厚く当てると、オーバーミスしやすかったです。しっかり回転をかけると深いドライブがやりやすかったです。

対下回転に対するループドライブ
 これもやりやすかったです。また威力があるわけではなかったですが、ミスする感じもなくて好印象でした。

対下回転に対するスピードドライブ
 そこそこ練習したらできそうでした。

カーブ/シュートドライブ
 回転量があるのである程度曲がってました。

ブロック
 やりやすかったですね!

カウンタードライブ
 バックでは普段カウンタードライブはほとんどできませんが、このラバーならカウンタードライブを覚えられそうな感じでした。

ストップ
 ちょっと浮きやすかったです。

ツッツキ
 切れないです。

チキータ
 弧線が高いのでチキータはかなりやりやすかったです。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Blue FIre M1 Turbo > Blue Fire JP01 Turbo > Blue Storm Z1 Turbo

スピード
 Blue Fire M1 Turbo > Tenergy 05 Hard > Blue Fire JP01 Turbo

https://amzn.to/3hl1X6x

レビュー Blue Fire M1 Turbo

説明

 DONIC(ドニック)は、日本では少々マイナーなメーカーですが、スウェーデンの天才Jan-Ove Waldner(ヤン=オベ・ワルドナー)選手Jorgen Persson(ヨルゲン・パーソン)選手、また昨年まではDimitrij Ovtcharov(ディミトリオフチャロフ)選手が契約していたメーカーになります。オフチャロフ選手は水谷隼選手の親友でありライバルとされる選手ですね!最近では、関西のYou Tuber「ごぶりんず」さんにも取り上げられ高い注目を浴びているメーカーではないかと想像します。なお、ごぶりんずさんのオススメはブルーストームZ1ターボのようです。

 ブルーという名前のついたDONICのラバーは多数あり、現在20種類あります。

・Blue Grip(粘着ラバー) 2種
・Blue Storm(ブルーストーム) 5種
・Blue Fire(ブルーファイヤ) 9種
・Acuda Blue(アクーダブルー) 4種

卓球王国のゆうさんも複数の種類があるため、概説する動画を挙げています。

 今回試打したブルーファイヤは回転系のラバーになります。なおスピード系のラバーがブルーストーム安定感のあるラバーがアクーダブルーになるそうですね。すでにBlue Storm Z1 Turbo(ブルーストームZ1ターボ)の試打レビューを挙げさせていただきましたが、katsuo000がブルーのラバーの中で最も気に入ったラバーがこのBlue Fire M1 Turbo(ブルーファイヤM1ターボ)になります!それでは早速レビューを開始します。

https://katsuo000.com/review_blue-storm_z1-turbo/

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

 公表の性能からは正直、ブルーファイヤM1ターボを使おう、ということにはならないようにも思います。回転性能ならBlue Grip(ブルーグリップ)の方が上ですし、スピード性能はブルーストームの方が上になりますからね。なお、メーカーの説明では以下のように書かれています。

革新のDONIC。“ブルー“だから抜ける。
 50度のハードスポンジを採用した「ブルーファイヤM1ターボ」は、スマッシュや一撃のパワードライブを得点源とする攻撃選手の威力を更に増幅させ、相手の壁を突き破るラバーです。一撃必殺のパワーヒッターへ送る、最高のブルーファイヤです。

 この説明を読んでなんとなくハードで回転性能によったスピン系テンションラバーではないかと想像することができました。実際ブルファイM1ターボは、ブルーファイヤJP01ターボやブルーストームZ1ターボよりも重量が重く、非常にハードなラバーでした。他メーカーのラバーで近いものを挙げるとTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)、Rhyzer Pro 50(ライザープロ50)、Evolution MX-P(エヴォリューションMX-P)、Omega VII Pro(オメガ7プロ)などがあげられると思います。

M1ターボの貼りと重量

 いつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

Blue Fire M1 Turbo(ブルーファイヤM1ターボ)
・Sponge Thickness:1.8 mm、2.0 mm、MAX+
・Speed: 10++
・Spin:10+++
・Control:6
・Sponge硬度:50°
・オープンプライス (5,000円前後)
・73 g(切断前) → 53 g(張継科ZLCに貼って)

 重たいですね。他のブルーファイヤJP01ターボやブルーストームZ1ターボと比較してもこの時点で圧倒的に重たいです。JP01ターボもブルストZ1ターボも50 gを下回るような重量でした。

Blue Fire M1 Turboの3つの特徴

 正直ブルーストームZ1ターボと同じ回転性能には感じませんでした!圧倒的にブルーファイヤM1ターボの方が回転量の多いボールが打てました!

1. ブルーの中で最も硬くて回転性能の高いラバー!ドライブの重さもブルー中No.1!

 サーブ、ツッツキ、ドライブ、チキータと回転系の技術はしっかり球を持つことができて、回転がかかってイメージ通りの弧線で安定感と威力があってとても好感触でした!katsuo000が、ハードで回転のよくかかるスピン系テンションラバーが好みであるというのもありますが、かなりブルーファイヤM1ターボは非常に好感触でしたね。似ていると思うラバーはテナジー05ハードライザープロ50Evolution MX-P 50°(エヴォリューションMX-P 50°)、などだと思います。またブルーファイヤM1ターボのドライブの重さはヘビー級でした!例えばブルーストームZ1ターボのループドライブは弧線は低かったですが、少し浮くとカウンターを食らいやすかったですが、ブルーファイヤMターボは回転量によってカウンターのオーバーミスをかなり誘うことができましたね。

2. 硬いのにバックでも十分使える扱いやすさ!

 DONICさんのブルーの名前の入ったラバーは全体的に変な癖がなく非常に扱いやすいラバーでした。よってバックで使ったときも好感触で、しかも質の高いループドライブやスピード系のチキータなどが容易でした。暑さの影響や、個人差もあると思いますが、DONICのラバーの1つの特徴として癖が少なくて扱いやすさが良いため、好感触だったと感じました。ブルーファイヤM1ターボではスポンジ硬度が硬い、もっと回転よりスピードが欲しい!というのであれば、柔らかいブルーファイヤM1やM2、弧線が高いブルーファイヤJP01がオススメですし、ブルーストームZ1なら球離れも速くスピードのあるドライブが打ちやすくて安定すると思います。

3. 回転の影響も受けにくい!カウンターパワードライブもいける!?

 回転系のラバーはどうしても相手の回転の影響も受けやすいものですが、このブルーファイヤM1ターボはスポンジが硬いことと、シートに芯があるためか、想像以上に回転の影響を受けなかったです!ブロックがやりやすいのはもちろん、カウンタードライブもかなりやりやすかったです!かなり好感触でしたね!Tenergy(テナジー)系ラバーは回転性能は高いですが、少し回転の影響を受けやすい部分があります。近年katsuo000が探している、求めている性能として、回転性能が高くて回転の影響を受けないラバーです。同じような特徴のあるDignics(ディグニクス)と同類の評価ができると思いました!ただし、ディグニクスと比較してしまうと気持ち回転量、スピード性能は低いようにも感じました。それでもkatsuo000にとってはテナジー以上に試合で使いたいラバーでした!

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 スポンジの硬さを感じます。柔らかすぎるラバーは苦手なので個人的には良いと感じる打球感でした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 非常に打ちやすかったです。しっかりボールをグリップできて打ちやすかったですね。05系のボールをよく持つシートだと思います。

面を開いたドライブ
 少しラケット板に速く当たると感じました。同じように感じたのが、Evolution MX-P(エヴォリューションMX-P)ですね。モンスターラバー、テナジーはラケットの板に当たると感じる感覚は少ないかほとんどありませんね。面を開いたドライブやぶつけながら回転をかけるドライブでは、テナジーは非常に高性能だと感じます。

対下回転に対するループドライブ
 スポンジが硬いので、シートだけで捉えるチョリドラがやりやすくて、まさにトップスピンループドライブがやりやすかったですね。これは武器になるやつです!

対下回転に対するスピードドライブ
 ループドライブがやりやすい分、少しスピードドライブは難しかったです。食い込ませた時に、感覚より早くラケット板に到達する感じがあって弾いてしまって回転量が思ったより出ないんですよね。慣れれば打てるとは思いますが、修正が必要と感じました。

カーブ/シュートドライブ
 回転量はあるので、まずまず思い通りに曲がります。

ブロック
 やりやすかったですね!意外だったのですが、回転系のラバーなのに回転の影響を受けにくくやりやすかったです。

カウンタードライブ
 これも回転の影響を受けにくいためやりやすいと感じました!

ストップ
 切るのは少し難しかったです、十分低く質の高いストップができました。

ツッツキ
 ツッツキも低くおさまりやすかったです。

フォアフリック

フォアサーブ
 重いサーブができて好感触でした。ただラバーが劣化してきたら軽くなりそうでもありました。

バックハンド系

軽打
 少しバックには硬めの打球感です。

ロングボールやラリーでのドライブ
 思ったよりやりやすかったです。球離れが早くなくて球持ちが良いからだと思います。回転をしっかりかけることができるので非常に安定するからやりやすいのだと思います。

対下回転に対するループドライブ 
 これもやりやすかったです。また回転量の豊富な得点の狙えるループドライブになっていたと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 逆にこれはかなり難しかったです。練習が必要ですね。

カーブ/シュートドライブ
 回転量があるのである程度曲がってました。

ブロック
 やりやすかったですね!

カウンタードライブ
 バックでは普段カウンタードライブはほとんどできませんが、このラバーならトライしようと感じました。実際システム練習の時に狙って1、2球入って驚きましたね!

ストップ
 最低限の低さで入れることができて好印象でした。夏の暑い季節で食い込みが良いと思うのですが低くおさめやすいのは良いと感じましたね。

ツッツキ
 切るのは難しめでしたがテナジー05ハードのように低くて短いツッツキがやりやすかったです。

チキータ
 スピードチキータ、横回転系チキータ、どちらもイメージ通りのチキータがやりやすかったですね!回転がしっかりかかるので安定感がありました。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 Hard > Blue FIre M1 Turbo > Blue Fire JP01 Turbo > Blue Storm Z1 Turbo

スピード
 Blue Storm Z1 Turbo > Tenergy 80 > Blue Fire M1 Turbo > Tenergy 05 Hard

https://amzn.to/2QlOTlr

レビュー Blue Storm Z1 Turbo(ブルーストームZ1ターボ)

説明

 DONIC(ドニック)は、日本では少々マイナーなメーカーですが、スウェーデンの天才Jan-Ove Waldner(ヤン=オベ・ワルドナー)選手Jorgen Persson(ヨルゲン・パーソン)選手、また昨年まではDimitrij Ovtcharov(ディミトリオフチャロフ)選手が契約していたメーカーになります。オフチャロフ選手は水谷隼選手の親友でありライバルとされる選手ですね!最近では、関西のYou Tuber「ごぶりんず」さんにも取り上げられ高い注目を浴びているメーカーではないかと想像します。なおごぶりんずさんのオススメはこのブルーストームZ1ターボのようです。

 ブルーという名前のついたDONICのラバーは多数あり、現在20種類あります。

・Blue Grip(粘着ラバー) 2種
・Blue Storm(ブルーストーム) 5種
・Blue Fire(ブルーファイヤ) 9種
・Acuda Blue(アクーダブルー) 4種

卓球王国のゆうさんも複数の種類があるため、概説する動画を挙げています。

 今回試打したブルーストームはスピード系のラバーになります。なお回転系のラバーがブルーファイヤ安定感のあるラバーがアクーダブルーになるそうですね。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

 DONIC(ドニック)さん公表の性能において、+1つを0.25、-を0.1と換算して図を作成してみました。さすが、Z1ターボは最新のラバーですのでスピンもスピードもDONICのラバーの中でも粘着ラバーを除くと最高の性能となりますね。これは期待が持てますね!基本的にはターボがついたラバーはどれも同等の回転性能を持ち、スピードが速いのがブルーストーム系の特徴と言えそうです。

Z1ターボの貼りと重量

Blue  Storm Z1 Turbo(ブルーストームZ1ターボ)
・Sponge Thickness:1.8 mm、2.0 mm、MAX+
・Speed: 11
・Spin:  10+++
・Control: 6-
・Sponge硬度:50°
・オープンプライス (5,000円前後)
・73 g(切断前) → 50 g(張継科ZLCに貼って)

Blue Storm Z1 Turboの3つの特徴

1. 上回転のラリーにおいて、振り遅れても落ちない!

 一番感じたブルーストームZ1ターボの特徴は、上回転のラリー時に振り遅れたとしても全く落ちないことです。よって最低限のドライブをかけることができるので、非常に安定してラリーすることが可能でした。スポンジ硬度はドイツ基準で50°ですが、非常に食い込みがよく中間硬度くらいに感じましたね。上回転ラリー時に、受け身で反応が遅れても、盛り返せるくらいの対応能力の高さがラバーの力によって得られると思います!

2. 弧線の低さとスピードはブルーラバーNo. 1!

 ブルストZ1ターボの弧線の低さ、球離れの速さ、直線性の高さは他のブルー系ラバーと比較してもダントツで高かったです!1つ目の特徴、ふり遅れても落ちないくらい食い込みの良いラバーですので、非常に安定感があるドライブが打てて、それでいて、そのドライブが弧線が低くて球離れが速くて、直線性が高いということは、これはバック主戦型をイメージしたバック用ラバーと言えると思いますね!非常にスピードが出しやすく、入れることを意識するだけで気づけばラリーで相手を圧倒したり、相手を後手後手に回すことができるラバーでした!

3. シートが硬めで回転の影響を受けづらい!

 ブルーファイヤでも感じたことで、シートが硬めなので思ったより回転の影響を受けづらく非常に好感触でした!回転の影響を受けにくいので、ブロックやカウンタードライブがかなりやりやすかったです。おそらく、硬めのシートなのですが、厚さはMax+でシートの厚さは薄く、食い込みやすいけど芯のあるシートなのではないかと想像します。相手も取りやすいボールになっている感じもありましたが安定感があって扱いやすくてラリー志向なラバーでした。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 硬さを感じませんでした。ボールは弧線を描いていますが、非常に低いと感じました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 下がってドライブを打とうとすると、少し弧線の低さを強く感じました。下がった場合は少しネットの上へ打ってあげないと落ちる感じです。回転量でボールが沈むという感じもなく、単純に弧線が低いのだと感じました。
 またドライブが全然かかっていないと受けていただいた方にも教えていただきました。逆に取りにくいというコメントもいただきました。ある意味ドライブ回転がかかりにくいのかもしれません。フォアとバックで、粘着ラバーや回転のよくかかるスピン系テンションラバーと組み合わせることで、ドライブの回転量の差を狙った相乗効果を期待できるかもしれません。

面を開いたドライブ
 弧線が低いので、巻き込むようなカーブドライブだとボールが浅く入りやすく必然的に面を開いてぶつけ気味にドライブすることが多かった印象です。面を開いたから回転量が増えるとか粘着特有のぶつけながら擦るとかがやりやすいという感じはありませんでした。

対下回転に対するループドライブ
 結構難しかったです。弧線が低いから思ったよりネットミスが多くなりやすい印象でした。

対下回転に対するスピードドライブ
 これも弧線が低いので気持ち上へ持ち上げる必要を感じました。

カーブ/シュートドライブ
 あまりカーブ/シュートしない印象でした。自分の力量不足かもしれませんが回転量は少し弱いと感じました。

ブロック
 ブロックはやりやすかったです。回転の影響も受けにくく、ドライブからミート系のナックルボールまで取りやすかったですね。

カウンタードライブ
 フォアだと少し球離れが速く感じて難しさも感じましたが、概ねやりやすかったです。

ストップ
 結構浮きました。また回転量も少ないと思います。

ツッツキ
 ただし、スピードのあるツッツキはやりやすかったです。

フォアフリック
 これはやりやすかったですね。回転をかけるよりも角度打ちに近い方がやりやすかったです。

バックハンド系

軽打
 本当に50°?って感じるくらい柔らかく感じました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 やりやすかったです。低いなりにもちゃんと弧線を描くので安定感もありました。

対下回転に対するループドライブ 
 少し難しかったです。弧線が低過ぎて非常にネットミスが多かったです。

対下回転に対するスピードドライブ
 浮いたボールならやりやすいのですが、自分の技量でバックでは難しかったです。

カーブ/シュートドライブ
 横をとらえたドライブはできるのですが、ほとんど曲がらなかったです。

ブロック
 やりやすかったです。回転の影響が少ない上にしっかり食い込むのでかなりやりやすい方だと思います。

カウンタードライブ
 バックハミート気味にカウンターしてしまうので、やりやすかったです。ただし打球点を落とすと難しいと想像します。

ストップ
 フォアほどではないですが浮きやすかったです。

ツッツキ
 低くすることはできませすが切るのはかなり難しいと感じました。

チキータ
 思ったより速いチキータがやりやすかったです。縦の強下回転は難しかったです。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Blue Fire M1 Turbo > Tenergy 05 > Blue Fire JP01 Turbo > Blue Storm Z1 Turbo

 性能表で、Blue Fire M1 Turboと同じ回転量のラバーとは感じ難かったです。Blue Fireの方が圧倒的に回転がかかると思います。

スピード
 Dignics 64 > Tenergy 64 > Blue Storm Z1 Turbo > Tenergy 80

https://amzn.to/3hhLIqV

レビュー Rasanter R48(ラザンターR48)

説明

 ドイツ製ラバーの中でも抜群の回転性能を感じるのがandro(アンドロ)のRasanter(ラザンター)シリーズになりますが、その新作ラバーが2020年5月に販売されました。Rasanter R48(ラザンターR48)ですね。このラバーは紅(あか)のラザンターで、Energy Cell(エナジーセル)技術を採用したスポンジをあわせていて、他のラザンターと一線を画します。同類のラバーはRasanter R53(ラザンターR53)で、R53は回転性能、荒れた癖球のようなドライブ、などなど非常に高性能で、世界標準のTenergy 05(テナジー05)を上回るラバーとkatsuo000は絶賛中になります。当然R48にも高い期待を持って購入させていただきました。すでにR47というラバーがあるわけで、今更R48?と感じる人も多いようです。実際R47を使ったことのある友人も、R48を話題に出してもあまり興味を持っていませんでした。卓球王国情報ですが、ラザンターシリーズよりも、過去のラザントシリーズの方を優れるとする声もあるようです。また卓球王国ではR53以上に推していて、「R48がラザンターの顔になる!」と謳っています!少なくともただの硬度のみ変わったマイナーチェンジのラバーではないということは強調させていただきます!

 このR48は現在日本でのandroの宣伝や広報活動をされている濱川明史選手がフォア・バック両面に使用しているそうです。ちなみにR53はフランスのSimon Gauzy(シモン・ゴージィ)選手がフォア・バックに使用しているようですね。最新の高性能ラバーを全日本選手権ランカーやトップ選手が使うというのは、確かな宣伝効果が期待できると思います。

 androのR48の宣伝ワードは「回転力と加速力の進化。エナジー・セル搭載の、スーパーモンスターギア」になります。モンスターラバーはおそらくテナジー05ですので、意識して、テナジーを超える意味をこめてスーパーをつけたのではないかと想像します。

性能値

 公表性能値を比較してみましょう。

 実はスピード性能はV47が最も高いんですね。近年の流行は硬いプラボール化に伴う回転性能低下を補う高いスピン性能のラバーです。従って、スピード性能よりもスピン性能の高いラバーが赤のラザンターR48とR53の特徴ですね。実際、R53の試打でも感じましたが、R53は非常にドライブがうねってR53らしさの癖球的なドライブが打てるラバーですが、弧線を強く描くので、スピードは確かに直線的で球離れも速いV47の方が速いと思います。R48はR53を使いやすくしたラバーということですが、使いやすいのにスピン性能はR50よりも上であるのは非常に興味深いですね。実際に回転がどの程度かかるのか期待しながら試打させていただきました。

R48の貼りと重量

 いつものようにButerfly(バタフライ)のZhang Jike ZLC(張継科ZLC)にRasanter R48をはりました。

 赤のR48をはりました。反対はDignics 05(ディグニクス05)になりますね。

Rasanter R48(ラザンターR48)
 UMテンション(テンゾーバイオスUM)
 Energy Cell(エナジーセル)
 40+ Plastic Ball対応
・Sponge Thickness:1.7 mm、2.0 mm、ULTRAMAX(UM)
・Speed:119
・Spin:124
・Control:80
・Sponge硬度:48°
・6,500円 + 税
・70 g(切断前) → 48 g(張継科ZLCに貼って)

Rasanter R48の3つの特徴

 扱いやすいラバーでした!バックにR42を使用されている全日本経験者の方がバックに使用できるくらい扱いやすいとおっしゃっておりましたね。体感的にはR42まではいかないものの45°くらいのスポンジに感じるのですが、良い意味でコントロールが良いのに高い回転性能がありました。

1. 球持ち&打球感はテナジー80、回転量は05以上!

 打球感はどちらかというと、グリップ力の強い05系の太め粒形状ではなく、どちらかというと80のように球離れが若干速い粒形状のラバーでした。少し球持ちを感じにくいラバーであるのに、、その回転性能に驚きました!非常に高い回転性能でした!イメージで申し上げると、R42の扱いやすさで回転性能はテナジー05級でした!かなり高い回転性能だと思います!これは凄いですね!テナジーを使う理由は正直ないかもしれません。

2. バックでもめちゃめちゃ扱いやすい!フォアでも満足するバランス型!

 扱いやすいので、バックでも十分使えます。無理な体制でも全然バックドライブが打てましたね。回転性能も高いので勝手に安定して相手のコートに入りました。非常に好感触でした。またフォアで使ってもサーブの回転量やドライブの回転量に不満は感じませんでしたね。扱いやすいのに回転性能が高いということは、ある意味チートです。近年のラバーは扱いやすいけど、ボールが軽くなるとか回転が弱くなるということがありましたが、R48は良い意味で矛盾した性能を有していると思います!

3. 球離れが速く、R53よりスピードを求めるならR48!

 どちらかと言えば、テナジー80に近いシートの粒形状でしたので球離れは結構速くその分スピードのあるボールが打ちやすかったです!つまりR53のスピード性能に不満を感じるならR48がオススメになりますね。非常に気持ちの良い高い音でスピード系のドライブが打ちやすかったです。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 柔らかさを感じました。正直柔らかすぎるとも感じました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ボールの軌道はR53に近いものを感じましたが、ボールのうねりはなくなり非常に綺麗なボールが出やすいと感じました。

面を開いたドライブ
 打ちやすかったです。これはR53でも感じました。より食い込が良いので、面を開いてぶつけるように打っても球持ちを感じやすかったです。

対下回転に対するループドライブ
 少し球持ちを感じづらいので質を高くループドライブすることは少しやりにくいと感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 非常に打ちやすかったです。中級者やオープン戦ならチートかもしれませんね。

カーブ/シュートドライブ
 R53でもカーブドライブが良かったですが、R48も少し横回転を入れた方が味が出ると感じました。しかしながらR53と比べると癖球ドライブというよりは、綺麗なボール、例えるならまさにテナジーのようなドライブになりやすいと感じました。

ブロック
 少し回転の影響を受けやすいと感じました。スマッシュ系のブロックはやりやすかったです。

カウンタードライブ
 打球点が早すぎると難しくなるので、少し待って頂点前後で打球し、回転を上書きする方がカウンタードライブは安定しました。

ストップ
 V47と比べるとおさまりやすかったですが、切るのは難しかったです。

ツッツキ
 ストップと同じく、食い込みが良すぎて切ることが難しいと感じました。

フォアフリック

バックハンド系

軽打
 やりやすかったです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 食い込ませてもチョリる感じでもやりやすかったです。

対下回転に対するループドライブ 
 

対下回転に対するスピードドライブ
 打ちやすかったです。いい音で打てました。

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ
 回転の影響を受けやすいと感じました。

ストップ

ツッツキ

チキータ
 ボールが弧線を描きやすいのでとてもやりやすかったです。UMだと少しオーバーミスしやすいのでそこだけ気をつけた方がいいかもしれません。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 > Tenergy 05 Hard > R53 > R48 ≧ Tenergy 05

スピード
 DIgnics 05 > R48 > R53 > Tenergy 05 > Tenergy 05 Hard

食い込ませたときの弧線の出しやすさ(ボールの沈み込みやすさ)
 R53 ≧ R48 > Tenergy 05 > Dignics 05

https://amzn.to/34jy438

ポストTenergy 05 / 05 Hard(テナジー05/05ハード)を探せ!

はじめに

 色々なラバーを使って来ました。レビューをまとめていく中で、ラバーとラバーの比較というものを行っていくのが当然です。過去Livedoor Blogでも記載させていただきましたが、改めまして、ポストテナジー05/05ハードに関する記事を書こうと思います。個人の感覚によるところもありますが、お付き合いいただければ幸いです。

なぜテナジー05/テナジー05ハードに変わるラバーを探すのか

 katsuo000も「安かろう、悪かろう」という思いがあり、高いラバーを選んでしまい、Butterfly(バタフライ)さんのTenergy 05(テナジー)を使い続ける時期がありました。もちろん、ワールドスタンダード(世界標準)であるテナジー05の価値の高さは疑うものではありません。バタフライ製ラバーに今後も高いお金を払う生活は続くでしょう。(悲)

 今まで散々何度も1万円近くするラバーを買ってきて断言できる点はバタフライさんのラバーは「高性能なのに軽い!」というのが一番目立つ点だということは、自分自身が確信を持って言えることだと思っております。テナジー05は高性能なスピン系テンションなのに軽い。逆のラバー(高性能だが重いラバー)はおそらく技術ハードルが低いのではないかと思われますね。つまり、高性能なスピン系テンションで重いラバーというやつですね。技術ハードルなんてユーザー側はどうでもいい話ではありますが、軽くて高性能なラバーは確実に売れるはずです。なぜなら軽い方が様々な選手が使用できると思いますし、広い層に合うといえるからです。多少重くしたいならラケットやサイドバランサーで調整できるためですね。

Tenergy 05(テナジー05)
・2008年4月発売
・ハイテンションラバー
・High Tension(ハイテンション)
・Spring SPonge(スプリングスポンジ)
・Spin:11.5
・Speed:13.0
・Sponge硬度:36(バタフライ基準)
・スポンジ厚さ:特厚(2.1 mm)、厚(1.9 mm)、中(1.7 mm)
・原産国:日本
・8,600円 + 税
・カット前 72 g → カット後 約47~48 g

katsuo000のレビュー:https://katsuo000.com/review_tenergy_05/

Tenergy 05 Hard(テナジー05ハード)
・2018年11月発売
・ハイテンションラバー
・High Tension(ハイテンション)
・Spring SPonge(スプリングスポンジ)
・Spin:11.5
・Speed:13.0
・Sponge硬度:43(バタフライ基準)
・スポンジ厚さ:特厚(2.1 mm)、厚(1.9 mm)
・原産国:日本
・8,600円 + 税
・カット前 76 g → カット後 約50~52 g

katsuo000のレビュー:https://katsuo000.com/review_tenergy_05_hard/

https://amzn.to/3a3Mx3Z

 この事実を鑑みて考えるとまずTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)はバタフライの中では重たいラバーです。05ハードの性能は確かに高いが重たいなら、他のメーカーのポストテナジーと称されるラバーでも良いのではないか、と考えてもおかしくないですよね。要は05ハードと同等以上の回転とスピードで、同じ重さくらいで価格は安いラバーを探していこうと考えたわけです。また単純な寿命を比較することは難しいですが、巷にあふれる情報において、「テナジーは寿命が短い」というものがあると思います。実際、短いと感じます。TSPの粘着シートを貼ってしっかり管理していてもシートのへたりを感じるラバーがテナジーだと思いますね。寿命が短いのに高いラバーを買うことの苦しさ、テナジーユーザーの悩ませるポイントだと思います。Dignics(ディグニクス)の登場により、若干テナジーの販売価格が下がったようにも感じますが、いまだにバタフライさんは強気のオープン価格です。これは本当に悩ましいですよね。

Tenergy 05 / Tenergy 05 Hard(テナジー05/テナジー05ハード)
・誰もが認める高性能なラバー!
・高い回転性能!
・ワールドスタンダード(世界標準)

× 寿命が短い
× 価格が高い

 そこで、テナジー05/テナジー05ハードの次のラバーを探そう!というテーマになります!

katsuo000が感じるポストTenergy 05 / 05 Hard

 2020年12月現在、だいぶ試打が進みましたので、kastuo000的な目線でポストテナジー05/05ハードをあげさせていただきます!ある程度試打できたメーカーは以下になります。

 andro(アンドロ)
 DONIC(ドニック)
 Joola(ヨーラ)
 cornilleau(コニヨール)

の4社になります。

1. Rasanter R53(ラザンターR53)

Rasanter R53(ラザンターR53)
・UMテンションラバー(テンゾーバイオスUM)
・Energy Cell(エナジーセル)
・Spin:125
・Speed:118
・Sponge硬度:53(ドイツ基準)
・スポンジ厚さ:ULTRAMAX(2.3 mm)、2.0 mm、1.7 mm
・原産国:ドイツ
・6,500円 + 税
・カット前 72 g → カット後 約52 g

katsuo000のレビュー:https://katsuo000.com/review_rasanter_r53/

 katsuo000としては、かなり本気で推しているラバーがRasanter R53(ラザンターR53)になります。katsuo000が種々の技術に点数をつけて比較した時にテナジー05/05ハードよりも高い点数がつくラバーで一番のラバーがR53ですね。なんと言ってもドライブの荒々しさがたまりません!このラバーは無二なラバーの1つだと感じますので、なんとなくテナジー05ハードを使っているのであれば是非試してみて欲しいラバーになりますね。レビューも作成していますので是非ご覧ください。

Rasanter R53(ラザンターR53) の比較
・Spin: R53 ≧ 05 Hard > 05
・Speed: 05 > R53 ≧ 05 Hard
・球持ち打球感: 持つ 05 > 05 Hard > R53
https://amzn.to/33ChZ85

2. Rasanter R48(ラザンターR48)

Rasanter R48(ラザンターR48)
・UMテンションラバー(テンゾーバイオスUM)
・Energy Cell(エナジーセル)
・Spin:125
・Speed:118
・Sponge硬度:53(ドイツ基準)
・スポンジ厚さ:ULTRAMAX(2.3 mm)、2.0 mm、1.7 mm
・原産国:ドイツ
・6,500円 + 税
・カット後 約47~48 g

katsuo000のレビュー:https://katsuo000.com/review_rasanter_r48/

 R53に続き、Rasanter R48(ラザンターR48)になります。Rasanter R47(ラザンターR47)も使ったことがありますが、名前からは想像できないくらい異なるラバーがR48とR47になります。圧倒的に使いやすくて、回転もかけやすくかつ回転性能が高いラバーがR48になります。硬度からは想像できないほど、打球感がハードでマッドなラバーがR47になると思います。テナジー05のような扱いやすさ、軽量さ、そして圧倒的な回転性能を有するのがR48だと思いますね。

Rasanter R48(ラザンターR48) の比較
・Spin: 05 Hard > R48 ≧ 05
・Speed: 05 ≧ R48 > 05 Hard
・球持ち打球感: 持つ 05 > R48 ≧ 05 Hard
https://amzn.to/30Fd5Fx

3. Blue Fire M1 Turbo(ブルーファイヤM1ターボ)

Blue Fire M1 Turbo(ブルーファイヤM1ターボ)
・FD3 Tension(FD3テンション)
・Spin:10+++
・Speed:10++
・Sponge硬度:50(ドイツ基準)
・スポンジ厚さ:MAX(2.2 mm)、2.0 mm、1.8 mm
・原産国:ドイツ
・5,660円 + 税
・カット後 約52 g

katsuo000のレビュー:https://katsuo000.com/review_bluefire_m1_turbo/

 DONIC(ドニック)さんのブルーラバーになります。ブルーラバーはAcuda Blue(アクーダブルー)やBlue Grip(ブルーグリップ)を含めると20種類存在しますね汗。自分も試打するまでどのようなラバーなのか分かりませんでしたが、明らかに回転性能が高いシリーズはBlue Fire(ブルーファイヤ)シリーズになります!ブルーファイヤM1ターボは重量級のラバーですので、どちらかと言えば05ハードに近いラバーになると思います。

Blue Fire M1 Turbo(ブルーファイヤM1ターボ) の比較
・Spin: 05 Hard > M1 Turbo ≧ 05
・Speed: 05 > M1 Turbo> 05 Hard
・球持ち打球感: 持つ 05 > M1 Turbo ≧ 05 Hard
https://amzn.to/3inBpBT

4. Blue Fire JP01 Turbo(ブルーファイヤJP01ターボ)

Blue Fire JP01 Turbo(ブルーファイヤJP01ターボ)
・FD3 Tension(FD3テンション)
・Spin:10+++
・Speed:10+
・Sponge硬度:47.5(ドイツ基準)
・スポンジ厚さ:MAX(2.2 mm)、2.0 mm、1.8 mm
・原産国:ドイツ
・5,849円 + 税
・カット後 約48 g

katsuo000のレビュー:https://katsuo000.com/review_bluefire_jp01_turbo/

 ブルーファイヤやブルーストームはなかなか高性能なラバーですが弧線がやや低い傾向を感じました。その中でもブルーファイヤJP01ターボは軽量でで、非常に弧線の高いラバーでした。弧線が非常に高いので対下回転ドライブは、かなりやりやすいラバーになりますね!ターボと名前がついていますが、硬度もそこまで硬くないので、ポスト05をお探しであれば試してみてはいかがでしょうか。

Blue Fire JP01 Turbo(ブルーファイヤJP01ターボ) の比較
・Spin: 05 Hard > 05 > JP01 Turbo
・Speed: 05 > JP01 Turbo> 05 Hard
・球持ち打球感: 持つ JP01 Turbo > 05 > 05 Hard
https://amzn.to/33EGQrQ

5. Rhyzer Pro 50(ライザープロ50)

Rhyzer Pro 50(ライザープロ50)
・Spin:9
・Speed:9.5
・Sponge硬度:ハード(Joola基準)
・スポンジ厚さ:MAX(2.2 mm)、2.0 mm
・6,800円 + 税
・カット後 約50 g

katsuo000のレビュー:https://katsuo000.com/review_rhyzer_pro_50/

 Joola(ヨーラ)のライザープロになります。グリップするのでかなり好みなラバーでした。どちらかと言えばカーボンありラケットにあうと言われるラバーになります。打球感はまさにテナジー05ハード、という感じで、非常に類似のラバーだと感じました。ループドライブやサーブはマッドな打球感から非常に重くて回転量のあるボールを出すことができます!お試しあれ〜。

6. Dynaryz AGR(ダイナライズAGR)

Dynaryz AGR(ダイナライズAGR)
・Hyper Bounce Sponge(ハイパーバウンススポンジ)
・Advanced Surface Traction(アドバンストサーフェイストラクション)
・Spin:10
・Speed:11
・Sponge硬度:ハード(Joola基準)
・スポンジ厚さ:MAX(2.2 mm)、2.0 mm
・7,600円 + 税
・カット後 約50 g

katsuo00のレビュー:https://katsuo000.com/review_dynaryze_agr/

 Joola(ヨーラ)のダイナライズは2020年3月日本発売の新作ラバーになりますね。同じスポンジがハードに分類されるライザープロ50と比較しても圧倒的に食い込んで扱いやすく、katsuo000にはバック用のラバーと感じたほどです。打球感はまさにテナジー05だと感じました。ボールの伸びや回転量は打球感以上に高く、扱いやすいラバーであるのにボールの重さや回転量は高いものがありました。ラリーでドライブを連打するような攻撃がやりやすいラバーだと思います!

Dynaryz AGR(ダイナライズAGR) の比較
・Spin: 05 Hard > 05 ≧ ダイナライズ
・Speed: ダイナライズ ≧ 05 > 05 Hard
・球持ち打球感: 持つ 05 ≧ ダイナライズ > 05 Hard

7. Target Pro GT-X51(ターゲットプロGT-X51)

Target Pro GT-X51(ターゲットプロGT-X51)
 Made in Germany
・Sponge Thickness:2.0 mm、MAX
・スピード:16.0
・スピン:17.0
・Sponge硬度:H(51)
・6,800円 + 税 ・72 g(切断前) → 49 g(張継科ZLCに貼って) 

katsuo00のレビュー:https://katsuo000.com/review_targetpro_gt_x51/

 cornilleau(コニヨール)のターゲットプロは少し古いラバーになりますね。katsuo000には非常に高品質なラバーと感じましたが、少し回転量の弱さも感じたラバーでした。打球感はまさにテナジー05だと感じました。どちらかというと扱いやすいラバーで、回転量はまずまずのものがありました。ラリーでドライブを連打するような攻撃がやりやすいラバーだと思います!

Target Pro GT-X51(ターゲットプロGT-X51) の比較
・Spin: 05 Hard > 05 > ターゲットプロGT-X51
・Speed: ターゲットプロGT-X51 ≧ 05 > 05 Hard
・球持ち打球感: 持つ ターゲットプロGT-X51  > 05

8. Target Pro GT-H47(ターゲットプロGT-H47)

Target Pro GT-H47(ターゲットプロGT-H47)
 Made in Germany
・Sponge Thickness:2.0 mm、MAX
・スピード:15.5
・スピン:17.0
・Sponge硬度:MH(47)
・6,800円 + 税
・70 g(切断前) → 47 g(張継科ZLCに貼って)

katsuo00のレビュー:https://katsuo000.com/review_targetpro_gt_h47/

 cornilleau(コニヨール)のターゲットプロは少し古いラバーになりますね。katsuo000には非常に高品質なラバーと感じましたが、少し回転量の弱さも感じたラバーでした。GT-X51よりもさらに扱いやすさを求めるのであれば、こちらのGT-H47がオススメです。やはり打球感はまさにテナジー05だと感じました。扱いやすいラバーで、回転量はまずまずのものがありました。ラリーでドライブを連打するような攻撃がやりやすいラバーだと思います!

Target Pro GT-H47(ターゲットプロGT-H47) の比較
・Spin: 05 Hard > 05 > ターゲットプロGT-X51 >GT-H47
・Speed: ターゲットプロGT-X51  > GT-H47 ≧ 05 > 05 Hard
・球持ち打球感: 持つ ターゲットプロGT-H47 > GT-X51  > 05

まとめ

 いかがでしたか?各社テナジー05、テナジー05ハードのようなラバーが出てきました。テナジー05やテナジー05ハードに無二の特性を感じないのであれば、移行検討はすべきだと思いますね。ドイツのラバー製造技術は、明らかにテナジー05と同じ域の技術力まで至りつつあるように思います。ご参考いただければ幸いです。

レビュー Omega VII Tour(オメガ7ツアー)

説明

 XIOM(エクシオン)のフラグシップラバー、Omega VII Tour(オメガ7ツアー)のレビューになります。エクシオンは韓国メーカーですが、日本でも確かな存在感があります。特に一般ユーザーにとって、一度は見たことのあるラバーとしてVega(ヴェガ)シリーズのラバーは馴染みがあるのではないでしょうか。Vega Euro(ヴェガヨーロ)、Vega Japan(ヴェガジャパン)、Vega Asia(ヴェガアジア)あたりは初中級者にとってのスピン系テンションへの導入ラバーとして愛用されている印象ですね。近年はプラボール対応であるVega Euro DF(ヴェガヨーロDF)やVega Asia DF(ヴェガアジアDF)などのDynamic Friction(ダイナミックフリクション、滑りが起こりにくいシート)を採用したラバーも人気ですね。ヴェガシリーズは初中級者向けのラバーですが、上位モデルとされるラバーがOmega(オメガ)シリーズになります。オメガシリーズは2020年現在では主に、Omega V(オメガ5)シリーズとOmega VII(オメガ7)シリーズが手に入れやすいと思います。今回レビューするOmega VII Tour(オメガ7ツアー)はエクシオンのラバーの中で、スピード性能、回転性能、ともにトップの数値を持つラバーとなっていますね。トップ選手も使用しており、世界ランキング一桁のHugo Calderano(ウーゴ・カルデラノ、ブラジル)選手やJeoung Young-sik(鄭栄植、チェンヨンシク、韓国)選手が使用しているようです。

Omegaシリーズの性能比較

 オメガシリーズの公表性能値をまとめました。

 オメガ7ツアーが販売後、さらにOmega VII Hyper(オメガ7ハイパー)、そして2020年に一躍注目を集めたOmega VII China(オメガ7チャイナ)の光(Guang)と影(Ying)もあわせて載せています。オメガ7ハイパーとオメガ7チャイナを除けば、オメガ7ツアーが回転性能もスピード性能も高いことが分かりますね。少なくともスピード性能はオメガシリーズ最速となります。また、オメガ7ハイパーはシートは粘着性ではありませんが、粘着ラバーを意識していますし、オメガ7チャイナは完全に粘着性ラバーになります。つまりオメガ7ツアーはオメガシリーズの中でもスピン系テンションラバーの最高峰と捉えることができると思います。

 エクシオンの説明では、スポンジ硬度55°ととてもハードなスポンジと、オメガ7シリーズの中でも特別仕様のシートをあわせた怪物(モンスター)ラバーで、強烈に切れるサービス、意のままに止まるストップ、変化するループドライブやチキータ、攻撃的なパワードライブ、と誰にも負けないラバーだそうです。カウンタードライブはスリップせず、倍返しできるカタパルト効果があるそうです。

Omega VII Tourの重量と貼り

 いつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

Omega  VII Tour(オメガ7ツアー)
 Dynamic Friction(ダイナミックフリクション)
 Cycloid(サイクロイド)
 Carbo Sponge(カーボスポンジ)
・Sponge厚:2.0 mm、MAX
・Spin:13.0
・Speed:13.0
・Control:10.0
・Balance:11.7
・Sponge硬度:55
・7,000円 + 税
・77 g(切断前) → 52 g(張継科ZLCに貼って)

 かなり重たいですね。数字上の重さ以上に打球感がマッドでヘビーであると感じると思います。この辺りは好みが分かれそうな部分だと思います。

Omega VII Tourの3つの特徴

1. 硬い割には回転をかけやすい!それなのにポテンシャルは高い!

 驚きなのですが、思ったより回転はかけやすいと思います。自分のバックの技量でも十分にバックハンドドライブが打つことができました。オメガ7シリーズ全般に硬度の割には食い込みやすく回転をかけやすいと思います!またスポンジが非常に硬いので、ラバーの性能を最大限に引き出した時の回転の最大性能も高いと感じます!パワードライブはもちろん、ループドライブやカウンタードライブも、最低限の安定感で、相手コートへ入れられるレベルの技術ハードルが低いと感じました。非常に使いやすいんですね。それでいて、使いこなせれば使いこなせるほどに威力のある素晴らしいボールが打てるようになる感じです。使いやすさとポテンシャルの高さを兼ね備えた希有なラバーだと感じました。

2. とにかくボールが速い!

 オメガ7シリーズの特徴として、スピード性能が高いことが挙げられると思います。オメガ7シリーズの中でもオメガ7ツアーはかなり硬いスポンジとラバー重量なので、インパクトがしっかりできた時のボールの回転量やボールの重さはとても高いものがあります。ボールの回転量や重さを兼ね備えながら、スピード性能も高いことに特徴があると感じます。これはTenergy 64(テナジー64)のようなスピード系のラバーでボールスピードは速いけどボールの回転量が落ちるので威力や回転量不足を感じる、といった類ではなく、Tenergy 05(テナジー05)のような回転量を生み出しながら、高いスピード性能も出しやすいラバーとなっているということです。

3. ラリー志向×威力!

 回転をかけやすいので、安定しやすくラリーに持ち込みやすいラバーだと思います!テナジーを使った時では、回転がかかった時のボールの回転量の平均値はかなり高くて性能の高さを感じますが、その回転をかけるための技術やインパクトが求められると感じます。一方、オメガ7ツアーは、回転がかけやすい分、回転量の平均値は低いと感じています。ただし相手にとってとりやすいボールになるかもしれませんが回転がかけやすいため試合でもミスが少なくなり、とにかく安定します。そしてポテンシャルも高いので、回転量の幅も広く、非常に良いインパクトで打てた時の回転量はテナジーに並ぶか上回るものがあります!またスピード性能は高いので、相手の時間を奪いやすく、ラリーでも主導権がにぎりやすいと思います。ラリー志向の中でチャンスのときに、一発の威力のあるボールを生み出せるラバーだと言えるでしょう。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 スポンジの硬さを感じますね。打球音も硬いラバーらしい高い音です。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ボールが上に上がると感じます。スポンジは硬いですが、落ちるとは感じづらいと思いますね。

面を開いたドライブ
 ポテンシャルの高いラバーですので、面を開いて回転とスピードを出そうとした時も非常に好感触で、回転とスピードの両立ができそうでした。

対下回転に対するループドライブ
 非常にハードなスポンジなので、ループドライブの回転量は高く非常にしつも高いループドライブがしやすいと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 スポンジが硬い分、インパクトで打つスピードドライブは結構難しいかもしれません。相当のインパクトで打つ必要ありです。

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ
 やりやすいと思います。

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

サービス
 よく回転がかかります!しっかりグリップするので、強い回転がかかっていることを感じやすいと思います。

バックハンド系

軽打
 相変わらず硬いです。また重いので結構疲れます。

ロングボールやラリーでのドライブ
 意外や意外結構、打てます。非常に好感触でした。強いボールも打ちやすい方だと思いますが、それ以上に安定して入れやすいです。

対下回転に対するループドライブ 
 打ちやすかったです。結構安定していました。とっさにラケットの真ん中でボールを捉えられなくても入りやすいと感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 難しかったです。圧倒的にインパクト不足だと思います。

カーブ/シュートドライブ
 曲がるのですが、R53ほどの伸びはないように感じました。

ブロック
 やりにくはないのですが、シートが引っかかりがいいので、意外と回転を喰らった印象です。

カウンタードライブ
 やりやすかったです。ボールの上を捉えることができれば安定しやすいと思います。

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 Hard > Tenergy 05 ≧ Omega VII Tour > Blue Storm Z1 Turbo

スピード
 Dignics 05 > Omega VII Tour > Tenergy 05

食い込ませたときの弧線の出しやすさ(ボールの沈み込みやすさ)
 Tenergy 05 Hard > Omega VII Tour > Dignics 05

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レビュー Tenergy 05(テナジー05)

説明

 今や全てのラバーの世界標準:World Standardである、Tenegy 05(テナジー05)。テナジー05を超えるラバーとしてButterfly(バタフライ)からDignics(ディグニクス)シリーズが販売された現在でも、テナジー05の存在感は確かなものがあります。それはトップ選手やバタフライと契約する選手が未だにこのラバーを使用していることが1つの理由と言えるでしょう。それではディグニクスシリーズのラバーが登場した今、テナジーシリーズ、そしてテナジーシリーズの中における代表的なラバー、テナジー05はどのようなラバーなのか、考察しながらレビューをしていきたいと思います。
 テナジー05の発売はなんと10年以上前の2008年になります。当時スピードグルーの全面禁止という大きなルール変更は、強烈な衝撃を与えました。その激震の中で世界標準への高みを駆け上がり、モンスターラバーとなったのがテナジー05です。スピードグルーが使えなくなって、後加工による高弾性ラバーのスピード性能もスピン性能も引き出せなくなったルールの中で、テナジー05と「スピン系テンション」ラバーが台頭しました。今なお、スピードグルーの禁止と一部の選手の補助剤使用問題(ルール上は禁止であるラバーの後加工)は解決していないのが実情ですが、スピードグルーが使えなくても、高いスピード性能とスピン性能を有するテナジー05は、卓球界の救世主のような存在と言えたでしょう。このような時代の後押しも相まってモンスターラバーは誕生しました。

性能値

 テナジー05の公表性能値について、確認してみましょう。バタフライさん公表の性能を表と図にしてみました。

 この性能図から分かることは、回転性能とスピード性能をどちらも高い性能を有しているラバーの1つがテナジー05であることがわかります。テナジー05に回転性能もスピード性能も勝るラバーはDignics 05(ディグニクス05)とDignics 80(ディグニクス80)の2枚しか存在しないこともわかります。どちらのラバーもスポンジ硬度がテナジー05よりも硬いラバーですので、テナジー05よりも扱いが難しいと言えるでしょう。このハイバランスな性能がテナジー05の特徴と言えると思います。

 スポンジ硬度を反映させた図からも分かるように、回転とスポンジ硬度の和が50以下で最も高いスピン性能を有するラバーがテナジー05ですね。スポンジ硬度が低い中で、回転性能に長けるラバーであると言えますね。

 続いて、テナジー05と他のテナジーについて、比較していきます。バタフライさん公表の6つの技術のやりやすさについて数値化したものになります。
 スピードドライブ × ループドライブ
 スマッシュ × カウンタードライブ
 ブロック × 台上

 回転系の技術に少し寄っていますが、すべての技術が非常にやりやすいことが分かると思います。トップ選手が求めるラバーの条件に、どの技術もアナなく行える、という観点があると聞いたことがあります。トップ選手はあらゆる選択肢を持つので1つでも欠点や課題を持つ用具、というのは選びたくないわけですね。また現代卓球において重要な回転量も補える、という点は見逃せませんね。まとめると、どのような技術でも平均点以上を確実に取れる、回転性能の高いラバーがテナジー05といえるでしょう。

テナジー05を使用するトップ選手

 2020年7月時点でテナジー05を使用する選手を下記に挙げさせていただきました。

・張本智和選手 / バック
・松平健太選手 / フォア・バック
・吉田雅己選手 / フォア
・戸上隼輔選手 / バック

 張本選手や戸上選手は、チキータで有名な選手になります。2人の攻撃的なレシーブチキータはテナジー05の性能によって得られている部分もあると言えるでしょう。
 また松平健太選手は長くテナジー05を使用・愛用してきた選手で、得意な技術は多彩なブロック技術ですね。吉田選手の得意な技術はカウンターパワードライブが挙げられると思います。
 このように各選手を象徴する得意技は異なると感じます。これは異なる特徴的な技術でもテナジー05なら出来てしまう万能性、扱いやすさを象徴していると言っても過言ではないと思います。

なぜDignics 05ではなくTenergy 05

 性能表・図からわかるようにテナジー05は非常にバランスの取れたスピード性能とスピン性能を持つことがわかります。テナジー05よりも高いスピード性能、スピン性能のラバーも確かに存在しますが、それらは基本的にはテナジー05よりもスポンジ硬度が硬かったり、扱いやすさが変わるラバーでもあると言えます。つまり10年以上前に発売されてもなお、テナジー05がトップ選手に愛用されるのは、高いスピード性能、高いスピン性能に加え、高いコントロール性能、扱いやすさ、など総合的なバランスで選ばれていると言えるでしょう。
 またディグニクスシリーズは非常に癖の強いラバーでもあり、テナジー05にあった打ち方が必ずしもディグニクスシリーズのラバーにあうと言い切れません。逆に、テナジー05はどのようなスイングでも、そのスイングの特徴を活かすことのできてしまう順応性を感じる部分もあります。katsuo000のカーテン試打の印象として、粘着ラバーにあう面を開いて弾きながら回転をかける打法においてもテナジー05は一定の回転量とスピードを感じることができました。これはスプリングスポンジによるところが大きいように感じます。打球感が似ていると言われる他社メーカーのラバーと比較しても、このテナジー05のどのような打法でも回転がかかってスピードも出せる特徴は驚異的だと感じますね。一部の中国トップ選手が使用していたのも納得です。
 また選手のプレイを引き出すラバーは、ディグニクスよりもテナジーだったということもあり得るようです。1つ参考になると思われる事実を紹介させていただきます。バタフライの契約選手で、2020年1月の全日本選手権3位に入った吉田雅己選手です。彼の用具遍歴は次のようになります。

フォア: テナジー05
バック: テナジー80
 ↓
フォア: Dignics 05(ディグニクス05)
バック: Dignics 80(ディグニクス80)
 ↓
2020年1月全日本選手権大会のラバー
フォア: テナジー05
バック: テナジー80

 上記からわかるようにディグニクスを使っていて、そこからまたテナジーに戻っているわけですね。彼は2020年1月の全日本選手権において町飛鳥選手に勝利しています。町選手は現代的なラバーを選択されていて、フォアにTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)、バックにディグニクス05を選んで出場されていたようです。選手の技術や戦術など卓球の勝敗を分ける要因は様々にありますが、吉田選手が勝利できた理由としてテナジー05とテナジー80の存在は0ではないと想像します。このように、性能だけで選べばディグニクスシリーズの方が良いように感じますが、実際の試合では、性能だけが勝敗を決めるわけではないことがわかります。このような理由から、ディグニクスを選ぶ選手、テナジーを選ぶ選手、とわかれるのだと想像します。

Tenergy 05の貼り合わせと重量

 それではいつものようにZhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼ってみました。

貼り終えた写真は後日掲載させてください。(申し訳ありません。)

Tenergy 05(テナジー05)
 High Tension(ハイテンション)裏ラバー
・スポンジ厚:中(1.7 mm)、厚(1.9 mm)、特厚(2.1 mm)
・スピン:11.5
・スピード:13
・Sponge硬度:36
・オープン価格(8,900円 + 税)
・72 g(切断前) → 約47 g(張継科ZLCに貼って)

 テナジー05はバタフライのラバーの中では重い方だとは思いますが、それでも40 g後半におさまる軽量なラバーになりますね。

Tenergy 05の3つの特徴

1. 勝手にドライブ回転がかかる!オートマ性能!

 モンスターラバー、テナジーのテナジーらしい点として、勝手にドライブ回転がかかるオートマ性能があると言われています。実際、自分のラケットすら持っていなくてフォア打ちもできない方にテナジーを貼ったラケットをお貸しして打っていただきました。ドライブのかけ方も感覚もわかっていない方が、ただボールの後ろを押しているだけなのに、ボールが異様に伸びてきたことを覚えています。「これがオートマ性能か!?」と感じました。プラボールも硬くなり回転がかかりにくいので、この恩恵はあまり感じなくなりましたが、「オートマ性能」という言葉は、回転をかけやすいラバーであることが分かる言葉だと思います。

2. 回転性能が高い!

 粘着ラバーでドライブしたかのように、ループドライブで相手のブロックのオーバーミスを誘うことができます!テナジー05のループドライブはブロックしづらいので試合前のラケット交換時にしっかり確認が必要だと思います。結構嫌なボールが飛んできますね。グリップ力の高さで、低くて浅い質の高いループドライブが打ちやすく、打たれたループドライブに対するカウンターも取りづらくて苦労します。自分がテナジー05を使っていたら、積極的にループドライブを多用して相手のミスを誘ったり、ループドライブの後もスピードドライブなどを連打して、その後のラリーを有利に展開したいと考えますね。
 もちろんTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)と比較すると、少し飛んでいってしまう感じがあるので少しループドライブの質が下がると感じますが、テナジー05でも十分な回転量が得られます。

3. 軽くて扱いやすくて高性能!

 やはり特筆すべきは、この回転性能で50 gを切る軽量さだと思います。回転量と重いボールの出せるラバーは他にも多数あると思いますが扱いやすさ、50 gを切る軽さ、などトータルバランスの優れたラバー、テナジー05はやはり、無二のラバーであり世界標準のラバーだと言えるでしょう。軽いラバーはどうしても回転量不足を感じたり、ボールが軽くなりがちな印象ですが、そう言ったボールの軽さをテナジー05では感じることは稀だと思います。この軽いのに回転がかかるテナジー05の性能は、日本のバタフライ工場でなければなかなか製造できないようですね。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 軽打からボールがイキイキしている感じがありますね。特に貼りたての時はイキイキしたボールが出やすい印象です。軽打でも若干のボールの弧線が出ていると感じやすいと思います。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ドライブは非常に打ちやすいですね。強く打つほどボールが上に上がりやすいので、ラケットを寝かして強烈なスピードドライブが打ちたくなります。ラケット面を寝かしてラバー面が下を向いているくらいでちょうどいいドライブが打てますね。テナジー05と比較するとテナジー80の方が、グリップ力が弱く球離れが早く、ボールが上に上がらないので、同じスイングだと80ではネットミスしやすい印象です。05を使うのであれば、ラケット面を開いて、ラバーは下を向いてスピードドライブを打った方がいいと思いますね。

面を開いたドライブ
 既に少し触れていますが、面を開いたドライブも非常に打ちやすかったです。これはテナジー05の隠れた特徴だと思います。一部のテナジー05に打球感が似ていると言われるドイツ製のラバーでは、面を開いたドライブだと落ちると感じましたね。グリップせずにどうしても弾いてしまう感じがしました。その分、バックハンドでは使いやすいと思いますが、フォアにはやはりテナジー05がいいですね!

対下回転に対するループドライブ
 非常に強烈なループドライブが打ちやすいです。05の特徴でもある高いスピン性能が発揮できる技術だと思います!非常にグリップ力に富むラバーですので、スイングスピードが遅くても打球点を落としてしっかりスポンジに食い込ませながら上へスイングすることで、低くて回転量の多い、質の高いループドライブが打てると思います!テナジー05はグリップ力が高く、球持ちを感じるラバーですので、あまり巻き込んでしまうと逆に横回転を利用してカウンタードライブを狙いやすくなるので、フラット気味に縦回転をしっかりかけにいけるのもテナジー05の嬉しいところだと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 スピードドライブは、面を開いた方が打ちやすかったです。ぶつけながら回転をかけるようなイメージで打つと安定しますね。この打ち方で強烈で強い回転をかけられるのがテナジー05の特徴とも言えるかもしれませんね。

カーブ/シュートドライブ
 カーブドライブでは巻き込むように打つと思いますがそうするとボールは少し走りにくいですね。シュートドライブの方が、スピードものせやすい印象でした。

ブロック
 個人的にはブロックは少しやりにくかったですね。ラバーが柔らかいので、スマッシュなどのボールは取りやすいですが、ループドライブなどの回転の乗ったボールは回転の影響を受けやすくてオーバーミスしやすかったです。回転性能の高いラバーでは、よくあることだと思います。従ってアクティブブロックのように自分で積極的に回転をかけるブロックにすることで安定すると思います。サイドスピンブロックやドライブ回転をかけるアクティブブロックを積極的に行った方が安定すると思います。

カウンタードライブ
 ラバー全体としては柔らかいので、前陣でのカウンタードライブは個人的には難しいと感じました。少しステップバックして頂点前後にしっかり回転を上書きするようにカウンタードライブすると安定したカウンタードライブを打てると思います。

ストップ
 結構柔らかいので、意外と弾みます。また回転の影響も受けやすいので気を使う印象でした。

ツッツキ
 意外と食い込むので切るとオーバーミスが増える印象でした。

フォアフリック
 柔らかいので、乗せ打ち系のフリックがやりやすかったです。

バックハンド系

軽打
 球持ちを感じます。ただ弾みもあるので、自分のスイングだとオーバーミスが多くなりやすかったですね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 安定感のあるドライブは打ちやすいですね。スピードドライブ系を打つには安定したインパクトが必要だと感じました。

対下回転に対するループドライブ
 非常に打ちやすいですね。球持ちがあるので、多少スイングが遅くなっても入れることは容易だと思います。威力不足になりがちなので、そこは注意した方が良いと感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 フラット気味にぶつけるように打って、驚くようなスピードドライブが入ってしまうこともありました。どちらにしても安定したドライブを打つにはある程度のしっかりしたインパクトが必要だと感じました。自分にはバックハンドで使いこなるほどの技量はなかったと思ってます。

カーブ/シュートドライブ
 バックハンドカーブドライブは結構嫌がる人がいて得点力になりました。それでも1試合で数回入る程度でしたが。

ブロック
 フォアのブロックと同様、回転の影響を受けやすいと感じました。ドライブ系のボールには必ずボールの上をとらえるようにするとボールの威力を抑えてブロックしやすかったです。本当はアクティブブロックができると得点率が上がると思うのですが、自分にはその技量がなかったです。

カウンタードライブ
 自分には技量が足りず、カウンタードライブをしようとするとオーバーミスが多かったです。もう少し硬いラバーの方がやりやすいと感じました。

ストップ
 バックの方が感覚はあるので、やりやすかったです。自分にはテナジー系のラバーで切るストップやツッツキは安定感よくできなかったです。この辺りも技量が足りませんね。

ツッツキ
 一定以上の低さでツッツクことは容易でした。張本選手のようにしっかり切るのは自分には難しかったです。技量だと思いますね。Zhang Jike ZLC(張継科ZLC)は板厚が5.5 mmと薄いので台上は思いの外、弾まないんですよね。打球感は硬いので、球離れは速いのですが、シートで捉えるようなイメージで最小限の食い込みでツッツクと切れるかもしれません。

チキータ
 球持ちがあるので、思ったよりオーバーミスしやすいんですよね。自分が思うよりも下を狙った方が良いと思います。また調子こいて、スピードを出そうとすると今度はネットミスするので、気をつけてください。しっかり回転をかけるか、スピード系のチキータをするときは、かなりのスイングスピードで回転をがっつりかけないと落ちるので気をつけてください。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 > Tenergy 05 Hard ≧ Tenergy 05 > Omega VII Tour

スピード
 Dignics 05 > Omega VII Tour > Tenergy 05

食い込ませたときの弧線の出しやすさ(ボールの沈み込みやすさ)
 Tenergy 05 ≧ Tenergy 05 Hard > Dignics 05

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レビュー V > 15 Extra

説明

VICTASにおけるV>15 Extra

 TSPの上位メーカーとしてスタイリッシュなアパレルと統一感のあるラバーやラケットのデザインでButterfly(バタフライ)の次に、日本国内で存在感のあるメーカー、VICTAS(ヴィクタス)!そのVICTASのフラグシップラバーのV>15 Extraの試打になります。
 2020年現在、VICTASと契約するトップ選手でV>15 Extraを使っている男子選手を簡単に挙げてみました。

・丹羽孝希選手
・松平賢二選手
・緒方遼太郎選手
・Jang Woo Jin(張禹珍、ジャンウジン)選手(韓国)
・Liam Pitchford(リアムピッチフォード)選手(イギリス)
・Benedikt Duda(ベネディクトデューダ)選手(ドイツ)

 2020年4月世界ランキングで、日本人で2番目上位に位置する丹羽孝希選手を初め、世界トッププレイヤーが使用していることがわかります。VICTASの契約選手は基本的にはV>15 Extraを使用しているか、全く異なるラバー(例えば韓国のJang Woo Jin選手は、中国卓球要素が多く、ラケットとフォア面にDouble Happiness Shanghai(紅双喜、DHS)製のHurricane Long V(キョウヒョウ龍5、Inner Arylate Carbon(インナーALC))とHurricane NEO III(キョウヒョウNEO3、おそらくブルースポンジ))を使用しています。つまりトップ選手はVICTAS製品の中で使用したいと考えるラバーはほぼV>15 Extraと言っても過言ではないレベルだということですね!Butterfly(バタフライ)のようにTenergy(テナジー)だけでも種類が多いというわけではないのは、分かりやすくて良いと思います。

V>15 Extraの公表性能値

 V>15 Extraは「決定打を生む威力を重視したギア 相手の球を強烈な回転とスピードで上書きして返す 相手を打ち抜く決定打を生む威力重視に仕上げたギア」だそうです。VICTASさんのラバー性能表は見やすいのですが、一方で、スピンという性能値はなく、弧線の高さ、ドライブの精度、シートの強さ、反発などの項目になります。細かく見ていきましょう。

 弧線の高さ:回転させたボールに対する入反射の角度変化

 スピード:回転させたボールに対する衝突前後の速度変化率

 ドライブの精度:自らドライブを打ち込んだ際の操作性

 コントロール:回転させたボールに対する指定箇所への返球精度

 シートの強さ:回転させたボールに対する滑りにくさ

 反発:一定の高さからボールを落下させたときの弾んだ高さ
 (粘着の影響をなくすためラバー表面には片栗粉を散布)

このような説明書きがVICTASの情報を探すと出てくるはずです。上記を読んでもなかなかイメージしにくいと感じましたが、反発については非常にイメージしやすいと思います。これらの性能値を見ても回転につながるような情報がないことは、少々残念な気もしますが、これがVICTASさんの選択した戦略のようですね。なお、TSP(ティーエスピー)さんではバタフライのようにスピンとスピード性能が掲載されています。

 考え方によっては回転とつながると考えても良い項目は弧線の高さシートの強さの数値だと思います。確かに、V>15 Extraは弧線の高さシートの強さもかなり高いです。やや気になるのがシートの強さの項目で滑りにくさを評価していると思うのですが、粘着ラバーのVJC>07 Sticky ExtraやVS>402 Double Extraよりもスピン系テンションのV>15 Extraなどの方が高いことですね。滑りにくいなら粘着ラバーの方が圧倒的に滑りにくい気もするのですが、シートの張りの強さやシートの厚さなどが反映してそうな気もします。

 他のVICTASさんのラバーの説明を読んでいくとV>01シリーズも気になるのですが、性能値上は回転性能が低いのかもしれない、と感じました(試打していないので分かりません)。いろいろな状況を鑑みても、最も契約選手が使用するラバー、V>15 Extraを試打することでVICTASのラバーの全容がわかるのではないかと想像します。

V>15 Extraのラバー貼りと重量

 いつものようにButterfly(バタフライ)製のZhang Jike ZLC(張継科ZLC)にV>15 Extraを貼りました。

V>15Extra(V>15エキストラ)
 High Energy Tension(ハイエナジーテンション)裏ソフト
・スポンジ厚:2.0(ドイツ基準)、MAX(ドイツ基準)
・弧線の高さ:6.7
・スピード:8.4
・ドライブの精度:7.1
・シートの強さ:9.2
・反発:8.8
・Sponge硬度:47.5±3°
・6,000円 + 税
・71 g(切断前) → 50 g(張継科ZLCに貼って)

 想像以上に重たくて驚きました。少し溶剤を塗りすぎたかもしれません。でも重たいのも1つの特徴でもあるのでしょう。

V > 15 Extraの3つの特徴

1. カウンター性能が凄い!

 このラバーを使って1番初めに感じたのがシートの強さ、硬さによるカウンター性能の高さですね!シートが非常に硬く強いので、相手のボールの回転に影響されにくく非常にカウンターしやすいラバーだと感じました。ライジングカウンターと称される丹羽孝希選手のカウンタードライブを支えるラバーといっても過言ではないのかもしれません!カウンターはドライブを狙ってもミート気味に狙っても、どちらもやりやすかったです。カウンター性能を求めてこのラバーに変えるのはアリだと思います!

2. 食い込ませた時のドライブが凄い!

 スポンジ硬度は47.5 ± 3°ですが、50°に匹敵するくらいの硬さと重量があるラバーになっています。そのため、しっかりラバー全体に食い込ませた時のドライブの回転量と、何よりバネのように加速するドライブは見た目以上に強烈なインパクトがありました!このラバーはシートで回転をかけようとすると、あまり回転がかからず、しっかりラバー全体に一度思い切り食い込ませて、そこからシートの摩擦で回転をかけるようにしないと回転がかかりにくいと感じましたが、慣れてくるとV>15 Extraでないと打てないような強烈な回転のボールが癖になる、そんな特徴的なラバーでもありました。
 食い込ませないと回転がかかりにくいため、ループドライブにはむいていないと思います。打球点を落としてしまってもボールに対しぶつけるように捉えてラバーに食い込ませてから回転をかける必要があります。従って、シートだけでボールを捉えるような低くて短い浅いループドライブを打てるようになるにはかなり練習と慣れが必要だと思います。むしろ、打球点の高いところをぶつけるように捉えて、そこから回転を乗せてスピードドライブやパワードライブへ持っていく打ち方が向いていると思います。非常に癖があるラバーですが面白いラバーでもあると思います。

3. チキータがやりやすい!

 ドイツ製ラバー全体に言えることかもしれませんが、かなりチキータがやりやすかったです。結構弾むのと、このV>15 Extraは相手の回転に対し結構鈍感な部分もあるので、フリック気味に入れに行っても入る感じがありました。チキータのために使ってもいいかもしれないです!それくらいチキータがやりやすくて驚いたラバーでした。シートが強く回転の影響を受けにくいからだと思いますね。

各技術レビュー

フォアハンド

軽打
 重量は重いのに結構食い込みました。スポンジ硬度は47.5°ですので、当然といえば当然なのですが、結構食い込みはいいです。フォアならスポンジはもう少し硬くても個人的には好きですね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 練習で2回程度しか使えなかったので良いドライブがほとんど打てませんでした。このラバーにあったドライブの打ち方がわからなかったと言えると思います。自分で感じた印象は、普段と比べて弾道は浅く、ボールも伸びていないと感じる、でした。食い込ませることができていないんでしょうね。

面を開いたドライブ
 食い込ませてのドライブは結構いいです。この感覚に慣れないとなかなかわからないラバーですね。でも、自分は技術が足りず、弾いてしまうことも多く安定感はなかったですね。

対下回転に対するループドライブ
 これはかなり難しかったです。持ち上がるんですがシートだけで打とうとすると結構棒球になりやすかったです。ループドライブでもしっかり食い込ませて打った方がいいのでタッチが難しいと感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 食い込ませる系のスピードドライブがやりやすいです。ややミート打ちになってしまう時もありました。技術力が足りませんね。

カーブ/シュートドライブ
 カーブは出来そうでしたが、シュートは相当慣れないと難しいです。

ブロック
 当てるだけのブロックはスポンジが思ったより柔らかいので回転の影響を受ける感じがありました。でもその分スマッシュはかなりとりやすかったですね。シートは強くて負けないので、しっかりボールの上を取るなどして少し回転をかけた方が安定した印象です。

カウンタードライブ
 このラバーの真骨頂だと思います。かなりやりやすいですね。カウンター性能はテナジーよりも高いと感じました。実際V>15 Extraを使っている方はカウンターがうまい印象があるのですがこのラバーも一役買っていると感じました。

ストップ
 結構食い込みのいいラバーなので、飛びやすかったです。シートで打てば止まりそうです。

ツッツキ
 切りにくいですね。食い込ませると自分はアウターZLCなのでオーバーします。あまり回転は意識せずプッシュ気味に押した方がいいかもしれないです。
 

フォアフリック
 シートが硬いので、回転の影響を受けにくくやりやすかったです。

フォアサーブ
 はじめ、回転がかからなくて、どうしようかと思いました。サーブでもしっかり食い込ませないと全然回転がかかりません。ぶつけるような形で食い込ませた方が回転はかけやすいと思います。

バックハンド系

軽打
 弾みがあるので、入れる分なら結構やりやすかったですね。

ロングボールやラリーでのドライブ
 ドライブというよりはミートに近い打ち方しかできませんでした。安定感はなかったです汗。

対下回転に対するループドライブ
 結構押しながらドライブをかける癖があるので、数回良いドライブが打てました。ループドライブというよりは打球点を落とした回転量の多いドライブという感じでしたが、伸びが鋭く威圧感のあるドライブが打てたと感じました。

対下回転に対するスピードドライブ
 スピードドライブは難しかったです。ミート打ちになってしまいましたね。ループドライブのように押すように擦り上げながらスピードを出せればいいのでしょうが、こちらも技術力不足です。

カーブ/シュートドライブ
 ほとんどできなかったです。

ブロック
 かなり好感触でした。特にドイツ製ラバーのドライブやスピードドライブをとりやすかったですね。しっかり反発してくれるというか、回転の影響を受けにくい部分がしっかりあって良かったです。

カウンタードライブ
 バックでもやりやすかったです。むしろ、速いボールの方が、ラバーに食い込むので、スポンジへの食い込みを活かして回転をかけやすいと感じました。結構ミート気味にぶつけて、そこから回転をかけるイメージでカウンターすると良いと思います。ミートになっても入る感じがあってすごく好感触でした。

ストップ
 スポンジは柔らかいので、スポンジが食い込むと浮く印象がありました。

ツッツキ
 ストップ同様、自分には結構ボールが浮くように感じました。

チキータ
 凄くやりやすかったです。フリック気味になりやすかったですが、回転の影響を受けにくいので、自分の思ったところに落としやすかったです。しかし威力もあまりなかったですね。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Dignics 05 > Tenergy 05 > V>15 Extra

スピード
 Dignics 05 > V>15 Extra > Tenergy 05

ドライブの癖/重さ
 Hurricane NEO III(DHS) > V>15 Extra > Tenergy 05 Hard

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