レビュー Harimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)

説明

 Butterfly (バタフライ)さんの期待の最新ラケット、そして張本兄妹の新しいブレード、Harimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)をレビューします。Super ALC素材のアウターではなくインナーラケット、これは多くの卓人が待ちに待っていたやつですよね!Super ALC素材のアウターラケット、Viscaria Super ALC (ビルカリアSALC)などが販売されてから、Super ALC素材のインナーラケットが販売されなくてずっと不思議であり、待ちに待ったやつで、期待していました!パリ五輪で、メダルをとれていたらもっともっともっと売れたのかもしれません。既に発売後、欠品となって増産となった凄さは卓球界にとどろいてますね。品切れ続出ということで、日本中や世界中の卓人が張本兄妹を認めたのだと思います。katsuo000も気になって気になって仕方がなくなって買ってしまいました苦笑。まずは張本智和シリーズのラケットについて確認してみましょう。 

Harimoto Tomokazu siries (張本智和シリーズ)

 張本智和選手モデルのラケットの特徴について概説していきたいと思います。張本智和選手はButterfly (バタフライ)と契約後、Inner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)の特注を使用していました。2018年1月の全日本選手権でジュニアに加え、絶対王者水谷隼選手に決勝で勝利し、一般優勝を決めました。Butterfly (バタフライ)では張本ラケットプロジェクト、ということで、新たなラケットシリーズの販売を企画しました。張本智和選手が選んだラケットは、使用していたInner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)と同じ合板構成で、ブレード面積をレギュラーサイズから広くしたラケット、Harimoto Tomokazu Innerforce ALC (張本智和インナーフォースALC)になります。このHarimoto Tomokazu Innerforce ALC (張本智和インナーフォースALC)の発売に伴い、Harimoto Tomokazu Innerforce ZLC (張本智和インナーフォースZLC)Harimoto Tomokazu Innerforce Super ZLC (張本智和インナーフォースSZLC)をラインナップされました。張本智和シリーズは、全てブレード面積をレギュラーサイズの157 × 150 mmから158 × 152 mmと広く設計されています。また全てインナーカーボンのシリーズとなっており、Harimoto Tomokazu Innerforce ALC (張本智和インナーフォースALC)のブレード構成はInner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)と、Harimoto Tomokazu Innerforce ZLC (張本智和インナーフォースZLC)のブレード構成はInner Force Layer ZLC (インナーフォースレイヤーZLC)と、それぞれ同じになりますね。変更点はグリップデザインとブレード面積ということになります。そもそも張本智和選手は、チキータと台上から前陣での攻守とカウンターが特長の選手であり、アウターカーボンよりも操作性の高いラケットを望むことがよくわかります。ブレード面積158 × 152 mmと広くしているのも、レギュラーサイズのラケットよりもさらにしなって球持ちをよくする効果があるとともにスイートスポットが広がりブロックやカウンターもやりやすくなるそうですね。しかしながら、158 × 152 mmとブレード面積が広くなることで、ラケット重量が重くなったり、切り返しが遅くなりやすくなったりとデメリットもないわけではありません。Butterfly (バタフライ)さんも、未だにInner Force Layer ALC (インナーフォースレイヤーALC)Inner Force Layer ZLC (インナーフォースレイヤーZLC)を取り扱いして、販売していることからも、ブレード面積が異なるということは、完全に異なるラケットであると認識しているのではないかと思いますね。このあたりはさすがです。続いて、各カーボン素材について確認したいと思います。

Arylate Carbon (アリレートカーボン、ALC)
 Arylate (アリレート)といえばButterfly (バタフライ)の商標登録された特殊素材で、芳香族ポリエステル系の繊維だと思います。近い素材と思われるのはmizuno (ミズノ)さんのDual Web (デュアルウェブ)というポリエステル繊維ですね。木材よりもクッション性と一定の硬さのある繊維のイメージで、ボールを掴んで飛ばすことのできる特殊素材だと思います。このアリレート繊維をカーボンと一緒に編み込んだものが、未だに卓球界で主力の特殊素材であり、カーボンの硬さを補って柔軟性と球持ちを与えるALC (アリレートカーボン)になります。katsuo000も大好きな素材で、ただのカーボン繊維と比べるとドライブ強打時でも確かな球持ちとナチュラルで強い弧線を示してくれるとともに、カーボンらしいスピードと威力の出しやすさ、を有するため世界中で認められている特殊素材だと思います。他の素材と比べても高いわけでもなく非常にオススメの素材になります。katsuo000がレビューしているラケットは以下になります。
 Outer ALC
 ・Lin Gaoyuan ALC (林高遠ALC) 5.8 mm / 157 × 150 mm Koto (廃盤)
 ・Zhang Jike ALC (張継科ALC) 5.8 mm / 157 × 150 mm Koto (廃盤)
 ・Timo Boll Spirit (ティモボルスピリット) 5.8 mm / 157 × 150 mm Koto (廃盤)
 Inner ALC
 ・Inner Force Layer ALC. S (インナーフォースレイヤーALC.S) (レビュー前)

ちなみに、一応Butterfly (バタフライ)以外のブランドではAramid Carbon (アラミドカーボン)が類似の素材といわれています。個人的には、Arylate Carbon (アリレートカーボン、ALC)よりも若干、Aramid Carbon (アラミドカーボン)の方が硬い気はしますが、引っ張り強度や物性を比較をしたことがありませんので確かなことは不明です。ついでに、他社ブランドのAramid Carbon (アラミドカーボン)系のラケットもまとめさせていただきます。執筆時 (2024年11月)にkatsuo000がメインで使用しているVirtuoso AC (ヴィルトーソAC)はAramid Carbon (アラミドカーボン)を採用したインナーラケットになりますね。Butterfly (バタフライ)以外のブランドは以下になります。
 Outer Aramid-type Carbon
 ・Tornado King Speed (トルネードキングスピード) 5.7 mm / 157 × 150 mm Limba (廃盤)
 ・Stradivarius (ストラディバリウス) 5.8 mm / 157 × 150 mm Koto?
 Inner Aramid-type Carbon
 ・Tornado King Power (トルネードキングパワー) 5.8 mm / 157 × 150 mm Koto (廃盤)
 ・Alnade Inner (アルネイドインナー) 5.8 mm / 157 × 150 mm Limba (廃盤)
 ・Reinforce AC (リーンフォースAC) 6.0 mm / 157 × 150 mm Limba
 ・Virtuoso AC (ヴィルトーソAC) 5.7 mm / 158 × 152 mm Limba
 ・Hurricane Long V (キョウヒョウ龍5) 5.9 mm / 158 x 152 mm Limba (DHS製)

Zylon Carbon (ザイロンカーボン、ZLC)
 Zylon (ザイロン)はArylate (アリレート)よりもさらに硬くてタフな繊維になります。水谷隼選手がZylon (ザイロン)とCarbon (カーボン)を編み込んだZylon Carbon (ザイロンカーボン、ZLC)を使用していて、一気に人気が出た印象がありますね。このZylon Carbon (ザイロンカーボン)は、相手のボールの回転量に押されず打ち返せるような特徴があるのに球持ちも感じられる非常に高性能な特殊素材になりますね。ただZylon (ザイロン)もタフな繊維で、Arylate (アリレート)よりもAromatic (芳香族)性高く、かつ不対電子を持つ窒素原子によって、電子の偏りを持たせているので、分子間で強固にスタックしやすい材料です。要はArylate (アリレート)繊維よりも硬く、カーボンに近い部分もあるんですね。カーボンのみのラケットと比較すると弧線を描いて球持ちを与えてくれますが、やはりカーボンに近いづいている特殊素材がZylon Carbon (ザイロンカーボン)だと思います。ALC (アリレートカーボン、ALC)を超える威力と球持ちを求めると、Zylon (ザイロン)とカーボンを編み込んだZylon Carbon (ザイロンカーボン、ZLC)が挙げられます。硬い材料は加工も大変ですのでコストが高くなり、現状価格もALC<ZLCという状況が覆ることはありませんね。katsuo000もこちらの繊維も使っていた時がありますね。個人的にはインナーに配したZLCインナー系のラケットはこするときと厚く当てた時の飛距離や弧線の差が大きいと強く感じ、体感的な想像よりも弾み過ぎるイメージが強く、使おうとおもってやめることの方が多いです。個人的に使うならアウター系の方が違和感なく扱えると感じます。またZylon Fiber (ザイロンファイバー、ZLF)を配したラケットは木材系と変わらぬ球持ちと威力およびスイートスポットの拡大が計られたラケットとなり、Arylate (アリレート)のみを採用したラケットは廃盤となって、Zylon Fiber (ザイロンファイバー、ZLF)を配したラケットが補完する形をとりました。過去には福原愛選手モデルのラケットとして、インナーにZylon Fiber (ザイロンファイバー、ZLF)を配したラケット、Ai Fukuhara Pro ZLF (福原愛プロZLF) (廃盤)なども販売されていました。こちらのラケットは初心者からトップ選手までカバーできるかなり良質なラケットと聞いたことがあります。katsuo000も学生時代に使っていたラケットに似ているのでZylon Fiber (ザイロンファイバー、ZLF)をもちいたラケットは好みです。Inner Force Layer ZLF (インナーフォースレイヤーZLF)Timo Boll ZLF (ティモボルZLF)も所有しています。どちらもかなり扱いやすいラケットですが、少し値段が高いこともあり、また時代の流れを受け、2024年11月に廃番がアナウンスされましたね。非常に使いやすくてオススメでしたが致し方なしかと思います。katsuo000がレビューしているラケットは以下になります。
 Outer ZLC
 ・Zhang Jike ZLC (張継科ZLC) 5.5 mm / 157 × 150 mm Koto (廃盤)
 ・Mizutani Jun ZLC (水谷隼ZLC) 5.7 mm / 157 × 150 mm Limba
 Outer ZLF
 ・Timo Boll ZLF (ティモボルZLF) 5.4 mm / 157 × 150 mm Koto (廃盤)
 ・Inner Force Layer ZLF (インナーフォースレイヤーZLF) 5.3 mm / 157 × 150 mm Limba (廃盤)
 ・Franziska Innerforce ZLC (フランチスカインナーフォースZLC) (レビュー前)

Super ZLC (スーパーZLC)
 水谷隼選手が日本のトップとして卓球界をけん引していた時代、水谷隼選手は、とにかく弾みをもとめていたそうです。ラケットもラバーもとにかく弾むものを求めていて、水谷隼選手はTenergy 64 (テナジー64)などのスピードを求めたラバーを使用していました。水谷隼選手には持前の早いフットワークとフィッシュとロビングがあり、その技術によってラリーを完封されます。そういった中-後陣のオールラウンダーにとっては、弾みは命だったのでしょう。そんな彼が求めた素材の一つとして、Super Zylon Carbon (スーパーザイロンカーボン、SZLC)をアウターに配したMIzutani Jun SZLC (水谷隼SZLC)が発売されました。katsuo000も持っていますが、眠っています苦笑。方向性としては、Garaydia ZLC (ガレイディアZLC)などのHinoki (ヒノキ)系厚ラケットに近い弾みをレシーブのしやすい板薄構成で再現できるようにしたラケットだと思います。ただどっしりと重く、軽快さよりも重量のある7枚合板に近いものを感じるラケットになっていると思います。
 上述の高性能なSZLCをインナーに配したラケットが、バタフライのインナーSZLC第1号である、Harimoto Tomokazu Innerforce Super ZLC (張本智和インナーフォースSZLC)になりますね。板厚6.2 mmとかなり厚い印象ですがスピード不足を補うラケットとしては優秀でトップ選手の使用も度々拝見するラケットですね。使ったことはありませんが、球持ちがありつつも、スピードが欲しい選手にはぴったりなラケットなのかもしれません。

Super ALC (スーパーALC)
 本レビュー記事のメインである、Super Arylate Carbon (スーパーアリレートカーボン、SALC)になりますね。既にViscaria Super ALC (ビスカリアSALC)というアウター配置のSuper ALC (スーパーALC)ブレードは発売となっていました。Super ALCはALCよりも弾み、ZLCよりも弧線が出るような説明で発売されているイメージです。ラケット性能表を確認しても高い反発特性があるのに、板薄にしているため、Viscaria (ビスカリア、アウターALCラケット)よりも低い振動特性を有するラケットになっています。このように反発性能と球持ちを進化させられる素材がSuper ALC (スーパーALC)ということになりそうです。そんなSALCをインナーに配することで、球持ちと弧線を得つつ、ALCよりも速いスピードが得られるラケットがHarimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)になりますね。
 購入者のラケットを拝見してしりましたが、実は木材も絶妙に変更しているようですね。今までのインナーカーボンラケットの王道のレシピは、芯材にアユース (Ayuse)という木材を使うことが多いです。このアユース (Ayuse)の密度は0.4 ~ 0.6 g cm-3で結構硬くてハードな木材なんですね。一方Harimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)の芯材は桐 (Kiri)をもちいているようです。側面を拝見すると他のインナーカーボンラケットと比較して芯材の部分の気泡が多く、密度が低そうなことがわかると思います。ちなみに桐 (Kiri)の密度は0.19 ~ 0.4 g cm-3とアユース (Ayuse)よりも軽い木材であることがわかります。この桐 (Kiri)はアウターカーボンの芯材によく使われる木材だったのですが、 Harimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)では芯材にこの桐 (Kiri)を採用したというわけですね。芯材周辺の変化は、ブレードの中ではかなり軽微の印象で変わるとしたらやはり強打時や強いボールを厚くとらえた時でしょうか。正直一般層の卓人にとってはほとんどわからないレベルだと思います。しかし密度の低い木材を使うメリットとして、おそらくラケット重量を低く抑えることができることが挙げられるのではないかと予想しますね。個人的には重い方が好きなので芯材変更は少し残念かなーとも思いました。確かにラケットも軽いものがあることを聞くと芯材の変更の効果があるだろうと思います。また前陣で詰めたいと感じる選手にとってはボールとラケットがぶつかっても芯材の密度が下がることで抜けはよくなるかもしれないですね。逆に下がった時にはボールのスピードで抜いたり威力で得点するよりも、広角に打ち込んで相手を動かすようにした方がラケットの良さが得られると思いますね。

Blade Design (ラケット性能)

 Harimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)
  ブレード厚さ: 5.9 mm
  ブレードサイズ: 158 × 152 mm
  ブレード構成: Limba (1/7) / Ayuse? (2/6) / Super ALC (3/5) / Kiri (4)
 Harimoto Tomokazu Innerforce ALC (張本智和インナーフォースALC)
  ブレード厚さ: 6.0 mm
  ブレードサイズ: 158 × 152 mm
  ブレード構成: Limba (1/7) / Ayuse (2/6) / ALC (3/5) Ayuse (4)
 Harimoto Tomokazu Innerforce ZLC (張本智和インナーフォースZLC)
  ブレード厚さ: 5.7 mm
  ブレードサイズ: 158 × 152 mm
  ブレード構成: Limba (1/7) / Ayuse (2/6) / ZLC (3/5) Ayuse (4)
 Harimoto Tomokazu Innerforce Super ZLC (張本智和インナーフォースSZLC)
  ブレード厚さ: 6.2 mm
  ブレードサイズ: 158 × 152 mm
  ブレード構成: Limba (1/7) / Ayuse (2/6) / SZLC (3/5) Ayuse (4)

 Viscaria Super ALC (ビスカリアSALC)はViscaria (ビスカリア)と比較して0.1 mm薄いブレード設計になっています。このSuper ALC仕様と同様に、Harimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)はHarimoto Tomokazu Innerforce ALC (張本智和インナーフォースALC)よりも0.1 mm薄い5.9 mmのブレード厚さになりますね。Butterfly (バタフライ)さんのラケットは、弾む特殊素材を組み合わせるほど、基本的には板薄設計にしているようで、設計についてはブレないと感じました。ただHarimoto Tomokazu Innerforce Super ZLC (張本智和インナーフォースSZLC)だけは異常にブレード厚さが厚く、6.2 mmとかなり板厚設計となっていますね。これは中陣~後陣からでも相当なスピードと威力が出せるラケットになっていると思いますね。しかもインナーなので、台上でも多少球持ちを感じられる設計になっているのではないかと想像はします。高価で絶対に使うことはないと思うので、さすがに買いませんが。

HarimotoTomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)

 届いたHarimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)は87 gでした。個人的には90 gオーバーくらいの重いものを期待していたのですが、やや軽かったですね汗。ラバーは現在メインで使用しているものを新しく貼りました。フォア面にJekyll &Hyde C55 (ジキル&ハイドC55)を、バック面にDignic 05 (ディグニクス05)を貼りました。グルーはフォア面はButterfly (バタフライ製)のFree Chack II (フリーチャック2)、バック面はThe World Connect製のTWC Glue Feng (TWCグルーフェン)を使いました。

 フォア面Jekyll &Hyde C55 (ジキル&ハイドC55)が55 g、バック面Dignic 05 (ディグニクス05)が49 gとやはり、ブレード面積158 × 152 mmと広いことで、ラバーの重量も重くなっていましたね。それでも191 gで個人的には軽いので、先端にNittaku (ニッタク)製のサイドバランサーを2本 (1本で約1g増)とButterfly (バタフライ)製6 mmのサイドテープを貼って194~195 gで試打しました。

張本インナーSALCの3つの特徴

とにかく扱いやすい!

 やはり上板Limba (リンバ)ということで、なんら違和感なく移行できました。非常に良いブレードだと思います。また初使用で違和感なくということなので、ラケットが手汗や湿気を吸えばもっと打感が柔らかくなり、ほぼ木材のようなラケットになるんじゃないかなーと感じました。また弾むんですが、他のハードな特殊素材と比較して自分のイメージしたベクトル方向へしっかりとまっすぐ飛ばせるくらい手の響きが良かったですね。ハードなラケットでは思った方向から結構ずれた方向、ベクトルへ飛び出してしまうことはよくあります。つまりブレード面積など広くて重いにもかかわらず、かなり扱えていると感じるブレードだったということです。唯一、フォアが思ったよりも飛距離が出すぎてしまいました。このあたりはラケットを変更すると生じる違和感で、1月程度使えばFixできる感覚だと思います。また試打日にそのまま試合もしましたが、オーバーと思ったボールもしっかり沈んで入っていたので、じゃじゃ馬感は全くなく想像以上に大人しいラケットでした。

バックハンドのスピードが良い!

 バックハンドの感覚がついてきて、かなり良いイメージで打てました。これはもしかしたらブレード面積が広くてより木材のように響きやすくなっていることも関わっているかもしれません。とにかく安定感があり、しかも適度にスピードも出せるので、ミスするイメージがなくてとにかく良さしかなかったですね。唯一バックの方が少し回転量が少ない気がしましたが、安定してボールは弧線を描いていたのでフォアと比べるとどうしても回転量が低い、というレベルだと思います。回転量や癖を求めるとメインで使っているVirtuoso AC (ヴィルトーソAC)の方が良かったですね。ハンガリーのOSPのラケットはとにかく詰まっていて、非常に弾むからButterfly (バタフライ)のラケットよりも板薄なのに思い切り厚く打つとめちゃめちゃ弾むんですよね。この部分は大量生産よりもハンドメイドの方が良いのかもしれません。Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)は1本しか持っておらずしかもPing Pong Kids (ピンポンキッズ)さんで158 × 152 mmから157 × 150 mmにカットいただき小回りの効く仕様にしました。ただHarimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)を試打して、今の自分としてはブレード面積をそこまで気にならない感じがあったので、今後ブレード面積は広いものにも抵抗なくトライしたいと感じました。家で試打していてもブレード面積の広さを感じない感覚が出てきています。唯一気になるのはHurricane Long V (キョウヒョウ龍V)のブレードのエラのはり出方ですかね。あのエラのはり出方は気になります汗。だいぶ枝葉の話が長くなりましたが、Harimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)は何ら違和感なく扱える非常に扱いやすいラケットでバックハンドのようにぶつけやすい打ち方では弧線を描いて安定しつつスピードも求められる扱いやすさと威力を両立するラケットでした。

パワータイプの選手にはインナーALCか!?

 ボールのスピードは確実に速くなりますがやはりスピードが出て弾むということはその分ボールは軽くなりやすいということでもあります。中陣くらいから多少打点を落としてもしっかりボールを持って回転量のあるボールを打つなら、一般層ならインナーALCに準ずるラケットでも十分かもしれません。トップ層ではスピード不足となるのかもしれませんのでアウターやインナーなど種々選択肢があるのかもしれないですね。自分もどちらかというとパワータイプだと思っているので、Harimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)はピッチと前~中陣で勝負する選手に向いていると思いますね。これはインナーZLC系のラケットにも感じていて、スピードは出るんですがパワーや回転量の怖さが減るイメージがありますね。ZLCと比較すると球持ちとパワーを与えられると思ったので好感触ですが、やはり弾む方向へ進むということで難しさもあるということを感じました。それでもかなり扱いやすく、矛盾を可能にしようとしたメーカーの努力と技術力の高さを感じました。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Inner Force Layer ALC.S > Harimoto Inner SALC > Franziska Innerforce ZLC

スピード
 Franziska Innerforce ZLC > Harimoto Inner SALC > Inner Force Layer ALC.S

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