OSP(オーエスピー)

レビュー VARIO+ AC (ヴァリオ+AC)

説明

 OSP (オーエスピー)さんのラケット、VARIO+AC (ヴァリオ+AC)をレビューします。今年2024年の1年は結局いろいろ紆余曲折して、Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)にお世話になりました。Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)は今時のInner Aramid Carbon (インナーアラミドカーボン、インナーAC)で、かつOSP (オーエスピー)さんの詰まった木材感がかなり良くて、個人的にはReinforce AC (リーンフォースAC)などの上位互換だと思ってVirtuoso AC (ヴィルトーソAC)を使ってきました。本当に良いラケットで詰まっているので重いボールも打ちやすいし、レシーブもしっかり相手コートにおさまるし、それでいて威力を出したいときに厚く当てるとしっかり弾むし、150 x 157 mmにピンポンキッズさんで加工してもらったので、バックハンドも振り抜きやすいし、かなり良いラケットだと感じて使ってきました。これ以上のブレード、となるとHurrican Long 5 (キョウヒョウ龍V)か先日レビューしたHarimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)かなーと思います。Hurrican Long 5 (キョウヒョウ龍V)はかなりいいラケットなんですが、どうしてもエラがはっているのが自分は好みではなく、またJTTAがついていないことも気になってしまい、本仕様にはなりそうでならなかったラケットです。Harimoto Tomokazu Innerforce Super ALC (張本智和インナーフォースSALC)は軽い個体であったこととフォアがどうしてもすっぽ抜けるような打球感が気になってバックやブロックは良かったですがどうしてもスピード重視のラケットだと感じてしまい、本仕様には至らなかったです。個人的にはもっとつまった打球感と回転量が欲しいと思いました。

Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)

 回転量を求める場合、Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)ですら、板厚5.7 mmです。板厚を薄くすれば、回転量を得やすくなると思いますが、5.7 mmよりも薄くすると威力や中陣からのスピード不足を感じやすくなるだろうなーと思います。Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)でもたまにスピード不足や威力不足を感じやすくて、これ以上の威力の低下は嫌だと思いました。つまり、これ以上板厚を薄くできないわけですね。そこで考えられる策は上板を硬くすることが考えられると思います。Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)の上板はLimba (リンバ)なんで、Limba (リンバ)よりも硬い木材をもちいたラケットの探索が挙げられるかなーと思います。代表的な木材はやはりKoto (コト)を採用したラケットになるでしょう。上板Koto (コト)Inner Aramid Carbon (インナーアラミドカーボン、インナーAC)のラケットとなるとこだわって使っていたTornado King Power (トルネードキングパワー)が候補になります。ただTornado King Power (トルネードキングパワー)は上板が硬くてバックが不安定でした。難しかったですね。上板Koto (コト)はやはり硬くて難しいんですよね。使うとなると色々と躊躇しちゃいます。結構使い込みましたがやはり扱い切れない感じがあり、諦めました。またTornado King Power (トルネードキングパワー)は廃盤ラケットで、数回ぶつけたりしていますが、破損すると替えもないので、結構怖かったりもしました。ということで、上板硬めのラケットで類似でかつ販売されているラケットをカタログで探したりもしました。本仕様まで至っていないものの上板硬めでTornado King Power (トルネードキングパワー)に近くて、良いと感じたラケットがLiberta Glorious (リベルタグロリアス)ですね。このラケットはほぼTornado King Power (トルネードキングパワー)に近く、威力は申し分なし、ただ使い込んでいかないと扱いきれるとは思えないラケットでもあり、やはり躊躇してしまいました。上板硬めのラケットってやはり難しいんですよね。そこでブランドとして良かったRally Ace (ラリーエース)さんのラケットが次に気になりました。それがMaple S Inner (メイプルSインナー)になりますね。Maple (メイプル)材はGoogle (グーグル)で調べるとKoto (コト)に近い密度でもある木材のようでした。Rally Ace (ラリーエース)さんということもあり、結構期待して試打しました。実際Maple S Inner (メイプルSインナー)はかなり良いラケットで本職仕様でも全然ありといえるかなり良いラケットでした。ただ届いたラケットが軽量で、また板の硬さもLimba (リンバ) Maple S (メイプルS = メイプル柾目) < Koto (コト)、と感じそのまま回転量もLimba (リンバ)Maple S (メイプルS = メイプル柾目) < Koto (コト)、と感じました。やはり威力不足を感じてしまったわけですね。かなり良かったですけどね。

Tornado King Power (トルネードキングパワー)

 そんなとき、2024年の最大のNewsの1つ、レジェンドの中のレジェンド、Timo Boll (ティモボル)選手の引退となりました。これはkatsuo000にとってかなり大きかったです。大きな存在、Timo Boll (ティモボル)選手Timo Boll (ティモボル)選手は、自分よりも年上でいて、それでいてなお、現役を2024年まで続けていたんですよ。本当にすごい選手であり、偉大な選手だと思います。Timo Boll (ティモボル)選手はオリンピックではなかなかメダルは取れなかったものの、ヨーロッパ選手権や世界選手権、ワールドカップで優勝経験複数で大活躍のドイツの皇帝です。日本の至宝、水谷隼選手と試合して、通算2~4敗しているかと思いますが、それ以外の試合で通算2桁以上の勝利をおさめているんですね!あの全日本選手権10回優勝している水谷隼選手でも数回しか勝てないんですよ!これはやっぱりスゴイなーって思います。そしてそして改めてTimo Boll (ティモボル)選手にフォーカスしようと思ったわけです。改めて注目したのはフォアハンドドライブでした。最近バックハンドの感覚も良くなってきていて、改めてフォアハンドドライブを見直そうと思ったわけですね。フォアハンドドライブの感覚から見直そうと感じました。

Timo Boll Spirit (ティモボルスピリット) (廃盤)

 フォアハンドドライブを打つとき、今の上板Limba (リンバ)だと安心感は随一なのですが、やはり柔らかすぎると感じることが多いんですね。思い切り打ち込んでもラケットの柔らかさをどうしても感じざるを得ない感じです。上板Limba (リンバ)は操作性の面では最高で本当にいいんですが、やはり威力を求めると、AC (アラミドカーボン)よりも硬いZLC (ザイロンカーボン)系と組み合わせるか、あるいは板厚を厚くするか、になると思います。板厚を増やすとなるとFortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)が挙げられるますが、この7枚合板+アウターDual Web (デュアルウェブ)のラケットは板厚6 mm以上ということもあり、飛距離が出すぎて回転量がやや落ちると感じました。どうすれば。。。ということで最後の頼みで注目したのは、上板Koto (コト)と上板Limba (リンバ)の両方を持った異色のラケット、OSP (オーエスピー)製のVario (ヴァリオ)シリーズのラケットです。

Fortius FT ver. D (フォルティウスFT ver. D)

 過去に表面と裏面で異なる素材構成で作られたラケットを使っていたことはあります。その一つがIce Cream AZXi (アイルクリームAZXi)で、メインでも使っていました。このIce Cream AZXi (アイルクリームAZXi)は上板Limba (リンバ)のインナーカーボン仕様で、表面 (A面)にはAxylium Carbon (アクシリウムカーボン)裏面 (Z面)にはZephilium Carbon (ゼフィリウムカーボン)をもちいたラケットになります。打球感は正直表面 (A面)でも裏面 (Z面)でもあまり差を感じないのですが、表面 (A面)は少し直線的で裏面 (Z面)は少し弧線を描くラケットでした。このように、表面と裏面とで、異なる素材構成のラケットでは大きな打感の違いはないものの弧線の描き方が変わってくる、というのが特長の一つだそうで、確かにバックハンドドライブは安定感があったようにも思います。Ice Cream AZXi (アイルクリームAZXi)もとても良いラケットでスピードが得られるラケットではありましたが、バックにDignics 05 (ディグニクス05)を使っていてそれを使いこなせず、用具の力を借りたくて使っていた面が強かったです。使っていたときも感覚を見出すことができず、弾みが強くて良いと感じていたVirtuoso AC (ヴィルトーソAC)へ移行することになりました。他にも、Vario (ヴァリオ)シリーズに似ているラケットを購入試打実績があります。そのラケットの1つはPro-13s (プロ13s)という中国ブランドの銀河 (YINHE)のラケットになりますね。このPro-13s (プロ13s)は表面にアウターALC (アリレートカーボン?)、裏面に染色した上板とインナーKLC (Kevlar Carbon?ケプラーカーボン?)をもちいたラケットになります。面白いラケットで安かったこともあり購入していました。ただ銀河 (YINHE)の他のラケットである上板硬めのインナーKLC (Kevlar Carbon)のラケット、970-XX KLCを使って試合へ行って、あまりにも結果が悪かったことあり、もろもろ考察してラケットが良くないんじゃないかという結論に至っていて、安い中国製ラケットはあまり信用しなくなりました。悪くはないのですが、上板硬めであるはずなのに、思ったより回転量が得られず、それでいて操作性も悪いということで、Tornado King Power (トルネードキングパワー)に近いはずなのに、性能は低くて使いにくいという踏んだり蹴ったりのラケットのようでした。中国製、特に銀河 (YINHE)はやはり良くない、とkatsuo000は結論をもちました。一方で、OSP (オーエスピー)のラケットはVirtuoso AC (ヴィルトーソAC)をメインで使ってきて大きな信頼を持っています。そのOSP (オーエスピー)製のラケットとして、Pro-13s (プロ13s)と同じようなラケットがVario (ヴァリオ)シリーズである、と認識しました。OSP (オーエスピー)が製作したら、絶対Pro-13s (プロ13s)970-XX KLCのようなことにはならないじゃないかなーと思いました。2024年の自分へのクリスマスと言い訳をしつつ、今回VARIO+AC (ヴァリオ+AC)を購入することにしました!VARIO+AC (ヴァリオ+AC)は在庫も豊富で重い個体がストックされていることもわかったので、買いじゃーと思いポチっとして、90 g以上の重い個体希望で発注しました!結構冒険ではありましたが、VARIO+AC (ヴァリオ+AC)、買っちゃいましたよ~!さてさてどのようなラケットなのでしょうか!?

VARIO siries (ヴァリオシリーズ)

 VARIO (ヴァリオ)は、片面側は上板にKoto (コト)材とOuter Aramid Carbon (アウターアラミドカーボン、アウターAC)を配したラケットになります。Koto (コト)+アウターACということで、トップ選手も良く使うViscaria (ビスカリア)系のブレードになっているわけですね。逆側は、上板Limba (リンバ)系の球持ちの良いブレード構成となっており、面によって打球感や弧線を変化させたラケットがVARIO (ヴァリオ)というラケットになりますね。購入したVARIO+AC (ヴァリオ+AC)Koto (コト)+Outer Aramid Carbon (アウターアラミドカーボン、アウターAC)の表面に、Limba (リンバ)+Inner Aramid Carbon (インナーアラミドカーボン、インナーAC)を裏面に配した構成のラケットになります。こんな厨二的なラケットをOSP (オーエスピー)という手作りラケットメーカーが販売ということで、矛盾した性能 ≒ 一本のブレードで表と裏で打球感が異なる、をどこまで再現・実現しているラケットとなっているのか気になっていたのも買わせるモチベーションになりました。
 XIOM (エクシオン)さんのIce Cream AZXi (アイスクリームAZXi)をメインで使っていましたが、また異なるラケット構成の2面性のあるラケットはどのようなラケットなのか楽しみでしたね。Ice Cream AZXi (アイスクリームAZXi)は性能は良かったですが、若干Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)と比較すると威力不足も感じていました。悪いラケットではないのでセカンドラケットのポジションです。またラケットの魅力/特徴でもあるA面Z面の違いを活かせているか、というとあまり感じていなかったのも本仕様から遠ざかることに一役買っていたかもしれません。とにかくIce Cream AZXi (アイスクリームAZXi)は良いラケットではあるものの、違うなーという感じでした。
 ちなみに昨今ラケット構成として片面と構成が異なるラケットというのはちょくちょく増えてはいます。期待すべきは性能であり、打球感はそこまで求めてはいけない、というのが個人的なポイントだと思います。やはり1つのラケットなので、打感が合体して中間位の打感になるイメージですかね。今回のVARIO+AC (ヴァリオ+AC)でいうと上板Koto (コト)材とOuter Aramid Carbon (アウターアラミドカーボン、アウターAC)上板Limba (リンバ)+Inner Aramid Carbon (インナーアラミドカーボン、インナーAC)なんで、両面Limba (リンバ)+Inner Aramid Carbon (インナーアラミドカーボン、インナーAC)より硬く両面上板Koto (コト)材とOuter Aramid Carbon (アウターアラミドカーボン、アウターAC)より柔らかい、そんな中間的な打球感となるのかなーと思って購入しました。

類似のシェイクで面でブレード構成が異なるラケット

 かなり近いコンセプトのラケットは、Rallys (ラリーズ)さん発売のDual izc (デュアルizc)ですね。上板材は不明ですが、太陽面はOuter Izanas Carbon (アウターイザナスカーボン)、月面はInner Izanas Carbon (インナーイザナスカーボン)ということで、まさにVARIO+AC (ヴァリオ+AC)に近いコンセプトですね。公表の板厚も6 mmとVARIO+AC (ヴァリオ+AC)と同じで、イザナスカーボンもほぼほぼALCに近い素材なので、要は完全に同じようなラケットといえるでしょう。情報として確認したい点としては、上板に何を使っているか、ですかね。

 ついでに、他社ブランドのAramid Carbon (アラミドカーボン)系のラケットもまとめさせていただきます。執筆時 (2024年12月)にkatsuo000がメインで使用しているVirtuoso AC (ヴィルトーソAC)はAramid Carbon (アラミドカーボン)を採用したimba (リンバ)+Inner Aramid Carbon (インナーアラミドカーボン、インナーAC)になりますね。Butterfly (バタフライ)以外のブランドは以下になります。
 Outer Aramid-type Carbon
 ・Tornado King Speed (トルネードキングスピード) 5.7 mm / 157 × 150 mm Limba (廃盤)
 ・Stradivarius (ストラディバリウス) 5.8 mm / 157 × 150 mm Koto?
 Inner Aramid-type Carbon
 ・Tornado King Power (トルネードキングパワー) 5.8 mm / 157 × 150 mm Koto (廃盤)
 ・Alnade Inner (アルネイドインナー) 5.8 mm / 157 × 150 mm Limba (廃盤)
 ・Reinforce AC (リーンフォースAC) 6.0 mm / 157 × 150 mm Limba
 ・Virtuoso AC (ヴィルトーソAC) 5.7 mm / 158 × 152 mm Limba

Vario+ACの公表Blade Design (ラケット性能)

 Vario+AC (ヴァリオ+AC)
  ブレード厚さ: 6.0 mm
  ブレードサイズ: 158 × 150 mm
  ブレード構成: Koto (1) / AC (2) / ? (3) / ? (4) / AC (5) / ? (6) / Limba (7)
   Koto+Outer AC / Limba+Inner AC
 Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)
  ブレード厚さ: 5.65 mm
  ブレードサイズ: 158 × 150 mm
  ブレード構成: Limba (1) / ? (2) / AC (3) / ? (4) / AC (5) / ? (6) / Limba (7)
   Limba+Inner AC

 OSP (オーエスピー)社は固体一つ一つのOSP (オーエスピー)社側で計測したカードがついています。届いた固体の計測値は次のようになります。

 Vario+AC (ヴァリオ+AC) 固体
  ブレード厚さ: 6.10 mm
  重さ: 90.5 g
  5 ply wood
   + FH 1ply Aramid/Carbon – TopBoost
   + BH 1ply Aramid/Carbon – InnerBoost
 Virtuoso AC (ヴィルトーソAC) 固体
  ブレード厚さ: 5.69 mm
  重さ: 88.1 g
  5ply wood 2ply Aramid/Carbon-inner

VARIO+AC (ヴァリオ+AC)

 届いたVARIO+AC (ヴァリオ+AC)は90.5 gで6.10 mmの板厚のラケットでした。ブレード面積は150 × 158 mmと若干広めですね!もちろんグリップはFLにしました。

 アウターとインナーの位置にACが挟んであることがわかるでしょうか。右側がインナー、左側がアウターで、それぞれインナー、アウター位置に黒い線が入っています。

 アウター側がグリップにカーボンを意味する黒色のOSP (オーエスピー)ロゴが入ってますね。上板はKoto (コト)材ということで、白いですね!

 こちらはインナー側です。グリップ部分にも黒のロゴはありません。上板はリンバーですね。

 やっぱりOSP (オーエスピー)のラケットはかっこ良すぎていいですね。ちなみにグリップ周りをやすりカケしません。しなくても問題ないくらい角は取れているためですね!いやーかっこいいし素晴らしい。ラケットもなかなかの重量のある、詰まったラケットで凄く良いと感じました。ラバーはもちろん現在メインで使用しているものを新しく貼りました。フォア面にJekyll &Hyde C55.0 (ジキル&ハイドC55.0)を、バック面にDignic 05 (ディグニクス05)を貼りました。グルーはフォア面はButterfly (バタフライ製)のFree Chack II (フリーチャック2)、バック面はThe World Connect製のTWC Glue Feng (TWCグルーフェン)を使いました。TWC Glue Feng (TWCグルーフェン)をバック側で使う理由は、使いにくさがないのにスピードが速いと感じられたからですね。また過去Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)TWC Glue Feng (TWCグルーフェン)を使ってみたのですが、硬さが前に出すぎて弾き安くなってしまったのでFree Chack II (フリーチャック2)で粘着系のラバーをフォア面へ貼ることにしています。フォア面Jekyll &Hyde C55 (ジキル&ハイドC55)が55 g、バック面Dignic 05 (ディグニクス05)が46 gでした。ブレード面積158 × 150 mmということで、個人的には軽いと感じました。先端にNittaku (ニッタク)製のサイドバランサーを1本とButterfly (バタフライ)製6 mmのサイドテープを貼って194 gで試打しました。

VARIO+ACの3つの特徴

 一発目使って、一発で本仕様確定でした。めちゃめちゃ良いです!期待通り、いや期待以上の性能に一発で惚れました。初め弾みすぎるんじゃないかと少し優しくフォアドライブしてみたのですが、ネットミスで思ったよりも飛距離が出なかったんですね。これはいい!と思いました。実際フォアバックの切り替えとかしても弾みと硬さは感じていたのでこれは結構じゃじゃ馬かなーとも思ったのですが、自分はフルスイングしたい人で、思い切り打っても飛距離がそんな出ないならかなりいいと思いました。Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)に近い使い心地もあり、その中でOuter Aramid Carbon (アウターアラミドカーボン)の威力も出せるとなるとやはり魅力的です。Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)よりは板厚は厚くなっているのでスピードは出しやすいと感じ、使いやすいと感じる使い心地で、さらに上板Koto (コト)材とOuter Aramid Carbon (アウターアラミドカーボン、アウターAC)は硬くなっているので、非常に良い回転量が得られる、と感じました。

フォア側は上板Koto (コト)+アウターACで最大限の威力と回転量!

 求めていた回転量が得られてかなり良かったです。ブレード厚さは6.1 mmと厚くなっているので回転量があがるかどうか正直不安でした。あがると感じなかったら変更しなかったと思います。また飛距離が出すぎてしまう感覚になるんじゃないかと少し不安になりましたが、全て杞憂でした!めちゃめちゃいいです!思ったより飛距離が出なくて、さすがOSP (オーエスピー)と感じましたね。当てるだけではなく、しっかりスイングしていけると感じました。サーブもドライブもめちゃめちゃ回転がかかるんでいいです!上板上板Koto (コト)材とOuter Aramid Carbon (アウターアラミドカーボン、アウターAC)のおかげで打感はハードですが、その分カチっと回転がかかるんでしっかりボールが沈んでくれて安心してふれると感じました。おそらく上板Koto (コト)+アウターALC (アリレートカーボン)系のラケットであるViscaria (ビスカリア)と比べると柔らかい打球感で、Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)と比較すると硬いといえるラケットがVARIO+AC (ヴァリオ+AC)だと思います。これはかなり良いラケットでした!
 バックハンドはやはりVirtuoso AC (ヴィルトーソAC)よりも硬さはあるんですが、それでも上板Koto (コト)材とOuter Aramid Carbon (アウターアラミドカーボン、アウターAC)側と比較すると強く弧線が出ます。またバックの感覚がつかめてきたこともあって違和感なくかつ球を持つと感じました。とにかく全然違和感なく使えそうだという感じでした。前より若干相手の回転に鈍感になっているような気もしていて、板厚がだいぶ厚くなってVirtuoso AC (ヴィルトーソAC)よりもおされなくなったのではないかと思います。弧線も出てラリー中やブロックなどの技術については、バックハンドが今まで以上に安定した気がしました。
 フォアハンドは、ラケットの変更と同時に振り方を意識して変更・改造を開始しました。より上板Koto (コト)材とOuter Aramid Carbon (アウターアラミドカーボン、アウターAC)を使いこなすためにかなりTimo Boll (ティモボル)選手を意識して、ひねるようにスイングするようにしています。まだ慣れ切ったわけではないですが、上板Koto (コト)材とOuter Aramid Carbon (アウターアラミドカーボン、アウターAC)上板Limba (リンバ)+Inner Aramid Carbon (インナーアラミドカーボン、インナーAC)と比較すると振り方が違うものだなーと感じるようになってきましたし、そのスイングに慣れてきて、Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)は柔らかいなーとも強く感じるようにもなりましたね。ただやはり調整力が下がっていて凡ミスも増えていると感じています。板がやはり硬いので半歩以上は今までよりも下がった方がいいなーとも感じていますね。ただ、インパクトが上手にあわせられるとかなり強烈で回転のかかったドライブが打てると感じています。これに自分をFixさせたいと感じますね!

板厚6.1 mmなのに全体的にインナーに近いおさまりの良さ!

 2024年に一時期使っていた7枚合板系のラケットFortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)も、実は板厚6.1 mmになります。自分の中では、Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)との比較にもなりました。正直、Fortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)はめちゃめちゃ良いラケットなんですが、やや弾み過ぎる、飛距離が出すぎる、と感じて変更していました。飛距離が出すぎるんで特にレシーブがやりにくく、また回転もやや鈍化するなーという感じはあり、変更しました。それ以外はやはり深いボールが打ちやすくて、ラリーでは弧線も描きながら強烈なボールが打ちやすいと思いました。7枚合板の威力は結構魅力ですよね。このFortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)も抜群に良いのですが、やや弾みすぎるのが使いにくく、かつやはり7枚合板系でカーボンが入っていないので相手のボールの回転の影響をカーボンの入っていないラケットと比較すると、受けやすいと感じました。良く響くということだと思います。威力は出るもののやはり使いにくさもあったので、どうしたもんかなーとは思って結局Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)を使っていましたね。
 そのFortius FT ver. D RE (フォルティウスFT ver. D RE)と比較すると、同じ板厚6.1 mmなのにVARIO+AC (ヴァリオ+AC)は、かなり台におさまりが良くて飛距離が出すぎず、Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)の感覚のまますんなり移行できる素晴らしい操作性でした。これは驚きましたね!もちろん、Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)と比較すると安定感は若干落ちました。この部分は練習量、タッチ、スイングで修正できるように努力したいですね! 

フォアもバックもLiberta Glorious (リベルタグロリアス)よりも硬い!

 正直な部分をレビューすると、Liberta Glorious (リベルタグロリアス)Tornado King Speed (トルネードキングスピード)よりも硬いです!この部分は強調した方がいいのではないかなーと思い書いています。もちろんフォア側で強く感じますが、バックハンド側でも硬さはかなり感じましたね。バックハンドは上板Limba (リンバ)+Inner Aramid Carbon (インナーアラミドカーボン、インナーAC)だと思って購入すると少し痛い目見るかもしれません。バックハンドは、上板Koto (コト)+Inner Aramid Carbon (インナーアラミドカーボン、インナーAC)くらいのイメージでちょうどいいと思います。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Virtuoso+OFF > Vario+AC > Harimoto Inner SALC

スピード
 Zhang Jike ALC > Vario+AC > Virtuoso AC

レビュー Expert CRWi (旧Expert Carbon)

説明

 Expert CRWi(旧Expert Carbon、エキスパートカーボン)は、ハンガリーのハンドメイド=手作り卓球工房OSP(オーエスピー)より販売されていたラケットの1つになります。katsuo000が購入させていただいたときは、Expert Carbon(エキスパートカーボン)という名前で購入したのですが、現在OSP社では、Expert CRWi(エキスパートCRWi)という名前で取り扱っているようですね。

 Expert CRWi(旧Expert Carbon、エキスパートCRWi)は今流行りのインナーカーボンラケットになりますが、オールラウンダー向けラケットのカテゴリーで販売されています。OSPではExpert II(エキスパートII、5枚合板)という同じ名前とコンセプトの5枚合板も販売されています。どちらもオールラウンダー向けラケットになっていますが、Expert CRWiの方がカーボンを使っている分、スイートスポットが広くてスピードも出しやすい仕様になっているようです。まずはエキスパートシリーズのラケットと現在メインでちょくちょく使用しているVirtuoso AC(ヴィルトーソAC)とを比較してみます。

Expert II(エキスパートII) 
 5 ply woods / Black Limba / 5.40 +/- 0.05 mm 160×151 mm
 weight: 85-90 g  Speed: 5.0  Sweet spot: 6.5  Outer ply hardness: 6.5
 control: 9.5    Spin: 9.5  Arc: 9.0

Expert CRWi(Expert CRWi)(旧Expert Carbon(エキスパートカーボン)
 5+2 Inner Carbon / Black Limba / 5.40 +/- 0.05 mm 160×151 mm
 weight: 86-92 g  Speed: 6.0  Sweet spot: 8.0  Outer ply hardness: 6.0
 control: 8.5    Spin: 8.5  Arc: 8.5

Virtuoso AC(ヴィルトーソAC)
 5+2 Inner AC / Limba / 5.65 +/- 0.05 mm 158×150 mm
 weight: 86-93 g  Speed: 7.5  Sweet spot: 8.5  Outer ply hardness: 6.5
 control: 8.0    Spin: 8.5  Arc: 8.5

やはり大きく異なる点としては、ラケットのブレードの薄さになります。個人的な見解かもしれませんが、ブレード厚さが5.50 mmを切ってくると打球感がまた1段階かわるイメージで、5.40 mmの厚さになってくるとかなりしなりが強くなるイメージです。ぶつけるように打っても勝手にしなってボールに回転を与えてしまうようなイメージですね。ぶつけるようにしてドライブなどの回転をかける人には、ラケットの芯を感じにくくて気持ち悪く感じるかもしれませんし、しなりやすさから回転をかけやすいと感じるかもしれません。それくらい打球感が変化してくると思います。OSPの性能値でみるとVirtuoso ACとExpert CRWiはかなり類似な点もありますが、個人的にはかなり別物です。

OSP Blades

 OSPはハンガリーの卓球ラケットのハンドメイド工房になります。
ホームページ: https://ospblades.com/
 実際にオーダーメイドをお願いしたことがないのですが、ホームページの情報からオーダーメイドすると、下記のように様々な仕様のラケットをお願いすることができるようです。

ラケットモデル(種類)

 OSPのラケットの特徴は、弾み過ぎず強い球持ちのあるラケットです。トップ選手にとっては弾みの弱さや爽快感の低さを感じるかもしれませんが、中級者以上の層にささる高い安定感とラリー志向のラケットが多いと思います。球持ちがあるけどボールが軽くなったり威力不足になるラケットや、もっと弾むラケット、スピードのでるラケットは他メーカーでも扱いがあると思いますが、ここまで球持ちと安定感のあってボールの重さや威力を感じるラケットを販売するラケットメーカーは少ないと思いますね。注目のラケットを以下に挙げます。

Martin AC(マーティンAC)
 アラミドカーボンアウター仕様のラケットです。最新のラインアップで、まだWRMで取り扱いはありません。アウターカーボン、板厚5.8 mm、上板リンバのラケットになります。非常にスタンダードなブレードの厚さですが上板Limba(リンバ)なので、張継科ALCや林高遠ALCよりも柔らかくて球持ちを感じるはずです。打球感が近そうなラケットはフレイタスALCになりますが、フレイタスALCはブレード厚さが6.0 mで、マーティンACの方が薄いので飛距離も抑えられておさまりが良いと思います。水谷隼ZLCシリーズも上板がリンバなので、打球感は似ているかもしれません。

Martin Pro(マーティンプロ)
 7枚合板なのに珍しい板厚6.0 mm、上板リンバのラケットです。上板リンバは、例えばミズノのフォルティウスFT REなどが挙げられるますが、板厚6.0 mmはフォルティウスFT Reの6.1 mmよりも薄いので注目しています。7枚合板の力強さと、飛距離が抑えられたラケットではないかと想像します。

Virtuoso AC(ヴィルトーソAC)
 このラケットは、自分をインナーカーボンに導いてくれたラケットですね。ブレード厚さが5.65 mmと薄く、最近流行の張本智和インナーフォースALCよりも薄いので飛びすぎということは少なくて非常におさまりが良いです。そして上板リンバで抜群に球を持ちます。バックハンドでもかなり持つのでオススメのラケットです。WRMさんではブレード面積やや広めの158 × 150 mmが販売されています。バックハンド主戦を目指すなら海外サイトで157 × 150 mmのレギュラーサイズ(OSPではスモールサイズ)を購入した方がいいかもしれません。非常にオススメの一本で、最近また使うようになってきました。

Virtuoso+(ヴィルトーソ+)
 5枚合板で板厚5.8 mm、上板リンバのラケットです。非常に球持ちを感じるオーソドックスなラケットです。5枚合板なのに、しっかりとした重量があって好印象でした。5枚合板のラケットは、同じ値段のラケットでも、個体を選別して選ばないと軽い個体と重い個体とではかなり異なるラケットになってしまいます。参考までにSTIGA(スティガ)のラケットを一本購入したことがありますが、公表重量よりも10 gも軽い個体で、少しおもちゃのように感じさせるラケットでした。一方で5枚合板でも重量のあるラケットであれば、ボールの威力やスピードは高いことが保証される印象です。5枚合板はやはり中級者以上では重いラケットの方が威力と扱いやすいさを両立できると思います。そういう意味でヴィルトーソ+は重かったので非常に好印象でした。

Vario AC+(ヴァリオAC+)
 最新のOSPラケットで、片面は上板コト材にアラミドカーボンアウター、もう片面は上板リンバにインナーアラミドカーボンという、男心をくすぐる一本ですね。片方は攻撃的に、もう片方は球持ちを重視するという構成になっています。合板構成も芯材から非対称となるラケットはあまり一般的ではなく中途半端になりやすいと言われますが、一般層でフォアもバックも同じレベルでスイングできるレベルの人は少ないわけで、こういったラケットの需要は少なからずあるのではないかと想像します。自分が持っているラケットではPro-13Sという中国製のラケットが近いと思いますが染色剤を上板に使用していてやや硬めのイメージです。OSP製のVario AC+の方が球持ちを抜群に感じられるのではないかと想像します。

グリップ

OSPの特徴として、全てのラケットについて、グリップ形状を6種類から選ぶことができます。
 フレア(FL)
 ラウンドストレート(丸ストレート、R-ST)
 スクエアストレート(角ストレート、S-ST)
 コニック(Co)
 アナトミック(AN)
 中国式ペンホルダー
最近はフレアが主流ですが、ストレートでも2種類から選べるのは嬉しいですね。どのグリップも手に吸い付くようなグリップでオススメです。

ヘッドサイズ(ブレード面積)

 OSPでは、ヘッドサイズ(ブレード面積)もオーダーできるようですね。katsuo000はそこまでヘッドサイズ(ブレード面積)にこだわりはないのですが、S、M、L、XLLなどから選べるようです。ブレード面積が広いとラバーのサイズも必然的に広くなるので、その分ラケットが重くなる印象がありますね。

インナーカーボン

 このExpert CRWi(エキスパートCRWi)はInner Carbon(インナーカーボン)ラケットになります。インナーカーボンは現在の卓球界では主流のラケットカテゴリーです。カーボンの威力はやや落ちますが、木材ラケットと類似の高い球持ちと、強振したときのカーボンらしい威力が前に出るラケットです。インナーカーボンは個人的には避けていたのですが、近年自分のバックハンド技術の低さに、球持ちのよいラケットをどんどん探求して、ついにインナーカーボンに行きつきました。今はインナーカーボンで落ち着いた感があります。

上板ブラックリンバ

 このExpert CRWi(エキスパートCRWi)およびExpert II(エキスパートII)では上板にブラックリンバを使用しています。数値上、リンバよりも硬いのが、ブラックリンバのようですね。リンバそのものの球持ちって本当に安心感があって、自分も好みです。一番自分の卓球が伸びて楽しかった時代に自分も上板にリンバを使用したラケットを使って卓球をしていました。あの球持ちと安心感は本当にバツグンでした。結局自分も安心感を求めていくと、上板リンバ系に落ち着く印象です。もちろん、エキスパート系ラケットにもちいられているブラックリンバもリンバに類似の球持ちを感じさせてくれます。少なくともコト材を上板にもちいたラケットよりも球持ちは強いですね。普通のリンバと比べると気持ち硬さを感じさせてくれます。この硬さはもしかしたら好みが分かれるかもしれませんが、リンバ好きなら練習量でカバーできる程度の硬さだと思います。

性能表

 OSPのホームページより数値を確認して作成しました。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: OSP_table.png

Expert CRWiの特徴

ほぼ木材系の打球感/球持ちに抜群のしなり!

 Virtuoso AC(ヴィルトーソAC)と比較はおそらくあまり適切ではなかったでしょう。やはりオールラウンダー向けのラケットということで、球持ちはもちろん非常に高く、カーボンらしさはほぼ感じませんでした。卓球をする場所にもよると思いますが、体育館などの広い場所では正直「これカーボンラケットだよね?」と感じさせるくらい、木材らしさの強いラケットでした。ただ、カーボンが入ることで芯の強さも感じられて、ぶつけることで一発が、それ以外は上質なつなぎができて良かったです。扱いやすさは抜群で、中級者以上であればすぐに慣れてしまえるだろう、高いコントロール性能でした。この高いコントロール性能は気持ちいいかもしれません。
 また「しなり」を強く強く感じるラケットでした。ブレード面積が広くて160 mm × 151 mmもあります。ほぼカットマン用と同じレベルですね。これだけブレード面積が広いとしなりますよね。ぶつけるように打ってもしなってしなってウナギのようにどこが軸なのかわからなくなってしまいそうな打球感でした。もちろん先述のとおり、カーボンが入っているので、芯は感じられるのですが、同じインナーラケットよりも明らかにラケットの芯の柔軟さを感じられるラケットだと思います。こういったラケットでコントロールを身に着けるというのは非常に良いことだと思いますね。個人的には初級者の方にもオススメできるような品質の高いラケットだと思います。

粘着ラバーを扱いやすくする!

 WRMのうたい文句としては、粘着ラバーの性能を引き出しやすい、ということが書かれていたと思います。katsuo000が感じたExpert CRWiの特徴は、ラケットのしなりのおかげでスイングスピードが遅くても粘着並の回転量を与えてくれる点にあるのではないかと感じました。昨今、プラボールや抗菌ボールで回転量が減っています。そんな中でも一定の回転量を得やすいのがExpert CRWiだと感じました。Maxの回転量は、もっとハードなラケットでないとさすがしなり過ぎて回転のエネルギーを伝えきれていないようにも感じました。Maxの回転量ではなく、回転のかけやすいさ、ラバーのポテンシャルを高さの引き出しやすさが、抜群に優れているのが、Expert CRWiだと思います。

玄人向けのラケット

 ネーミングからもわかるとおり、玄人向けのラケットになっています。ここまでしなると、さすがにスピードが出しにくいラケットになっていて、この部分は好みが分かれるのではないかと察しします。Virtuoso ACは5.65 mmの薄さですが、威力は抜群に出ますし、ノータッチエースも狙えるラケットになっています。一方エキスパートCRWiは中陣から一発で打ち抜くには、さすがにラバーをかなり攻撃的なラバーにしないと難しいと思います。またこれだけしなるラケットは、Dignics(ディグニクス)系のラバーとの相性は悪いと思います。ハイエンドラバーを扱いやすくするためにラケットを球持ちの良いものに変更する、ということは良く行うことだと思います。ただディグニクスはなぜかラケットのとの相性があるようで、硬めのラケットとあわせないと性能、特に高い回転性能を活かすことが難しいラバーだと感じます。その理由はおそらく、シートがかなり硬くなっているためで、ラバーの性能を引き出すにはくい込ませる必要があるのですが、くい込ませるためにぶつけるように打球してもラケットがあまりに柔らかすぎるとラケットがエネルギーを吸収してしまい、ラバーの回転をかけるエネルギーが減ってしまうのだと思います。他にもシートが硬くてスポンジが柔らかいミドル硬度のラバー(Rasanter R45(ラザンターR45)、Evolution EL-S(エボリューションEL-S)、Rhyzer Pro 45(ライザープロ45)、Q Quolity(キュークオリティー)など)も相性がやや悪いのではないかと想像します。ミドル硬度ラバーはアウターやインナーの攻撃的なラケットを使いこなすためにバックハンドなどに貼るラバーが多いので、エキスパートCRWiのようなしなりの強いラケットとの相性はお互いの良さが出過ぎて逆にポテンシャルを引き出しにくいということが生じるのではないかと想像します。ご参考いただければ幸いです。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量(Max)
 Virtuoso AC > Expert CRWi > Mizutani Jun Super ZLC

スピード
 Virtuoso AC > Expert CRWi(katsuo000所有のラケットの中でもトップ3に入る遅さ)

飛距離
 Virtuoso AC > Expert CRWi > Virtuoso+

リンク

 WRMさんでの販売: https://rubber.ocnk.net/product/2968
 OSPでの販売(英語): https://tabletennis-pingpong.equipment/home/40-osp-expert-mk2-crwi-uni-all.html
 WRMさんへ投稿したレビュー: https://rubber.blog.jp/archives/51936335.html

レビュー Ultimate Carbon(アルティメイトカーボン)(廃盤)

説明

 Ultimate Carbon(アルティメイトカーボン)は、ハンガリーのハンドメイド=手作り卓球工房OSP(オーエスピー)より販売されているラケットの1つになります。2022年現在OSPでも取り扱いが終わってしまい、廃盤のラケットになってしまいました。もしかしたら、WRM経由で購入できるかもしれませんが、OSPでも取り扱い終了してしまっているようなので、なかなか難しいかもしれません。こちらのページでは廃盤した製品としてレビューさせていただきます。
 OSPでは現在、Ultimate II(アルティメイトII)およびUltimate II+(アルティメイトII+)が販売されていて、これらは7枚合板ラケットになっています。Ultimate Carbon(アルティメイトカーボン)の合板構成は木材6+センターとインナー位置にカーボン3枚の9枚になります。センターカーボン構成のラケットかつインナーカーボンで、カーボン3枚ですが、球持ちは抜群にあるラケットです。しなりの中に芯がしっかりしているラケット、といえばよいでしょうか。個人的には7枚合板のようなパワフルさを持ちつつ、5.7 mmとブレード厚さがめちゃ薄いラケットがUltimate Carbon(アルティメイトカーボン)になりますね。キーワードは次の3つになります。
・OSP Blades
・インナーカーボン(Inner Carbon)/ センターカーボン(Center Carbon)
・上板リンバ

OSP Blades

 OSPはハンガリーの卓球ラケットのハンドメイド工房になります。
ホームページ: https://ospblades.com/
実際にオーダーメイドをお願いしたことがないのですが、ホームページの情報からオーダーメイドすると、下記のように様々な仕様のラケットをお願いすることができるようです。

ラケットモデル(種類)

 OSPのラケットの特徴は、弾み過ぎず強い球持ちのあるラケットです。トップ選手にとっては弾みの弱さや爽快感の低さを感じるかもしれませんが、中級者以上の層にささる高い安定感とラリー志向のラケットが多いと思います。球持ちがあるけどボールが軽くなったり威力不足になるラケットや、もっと弾むラケット、スピードのでるラケットは他メーカーでも扱いがあると思いますが、ここまで球持ちと安定感のあってボールの重さや威力を感じるラケットを販売するラケットメーカーは少ないと思いますね。注目のラケットを以下に挙げます。

Martin AC(マーティンAC)
 アラミドカーボンアウター仕様のラケットです。最新のラインアップで、まだWRMで取り扱いはありませんが、今後WRMで取り扱い販売されるのでしょうか?。アウターカーボン、板厚5.8 mm、上板リンバのラケットになります。非常にスタンダードなブレードの厚さですが上板Limba(リンバ)なので、張継科ALCや林高遠ALCよりも柔らかくて球持ちを感じるはずです。打球感が近そうなラケットはフレイタスALCになりますが、フレイタスALCはブレード厚さが6.0 mで、マーティンACの方が薄いので飛距離も抑えられておさまりが良いと思います。水谷隼ZLCシリーズも上板がリンバなので、打球感は似ているかもしれません。

Martin Pro(マーティンプロ)
 7枚合板なのに珍しい板厚6.0 mm、上板リンバのラケットです。上板リンバは、例えばミズノのフォルティウスFTが挙げられるますが、板厚6.0 mmはフォルティウスFT Reの6.1 mmよりも薄いですね。7枚合板の力強さと、飛距離が抑えられたラケットではないかと想像します。

Virtuoso AC(ヴィルトーソAC)
 このラケットは、自分をインナーカーボンに導いてくれたラケットですね。ブレード厚さが5.7 mmと薄く、最近流行の張本智和インナーフォースALCよりも薄いので飛びすぎということは少なくて非常におさまりが良いです。そして上板リンバで抜群に球を持ちます。バックハンドでもかなり持つのでオススメのラケットです。WRMさんではブレード面積やや広めの158 × 150 mmが販売されています。バックハンド主戦を目指すなら海外サイトで157 × 150 mmのレギュラーサイズ(OSPではスモールサイズ)を購入した方がいいかもしれません。非常にオススメの一本です。

Virtuoso+(ヴィルトーソ+)
 5枚合板で板厚5.8 mm、上板リンバのラケットです。非常に球持ちを感じるオーソドックスなラケットです。5枚合板なのに、しっかりとした重量があって好印象でした。5枚合板のラケットは、同じ値段のラケットでも、個体を選別して選ばないと軽い個体と重い個体とではかなり異なるラケットになっめしまいます。5枚合板はやはり中級者以上では重いラケットの方が威力と扱いやすいさを両立できると思います。そういう意味でヴィルトーソ+は重かったので非常に好印象でした。

Vario AC+(ヴァリオAC+)
 最新のOSPラケットで、片面は上板コト材にアラミドカーボンアウター、もう片面は上板リンバにインナーアラミドカーボンという、男心をくすぐる一本ですね。片方は攻撃的に、もう片方は球持ちを重視するという構成になっています。合板構成も芯材から非対称となるラケットはあまり一般的ではなく中途半端になりやすいと言われますが、一般層でフォアもバックも同じレベルでスイングできるレベルの人は少ないわけで、こういったラケットの需要は少なからずあるのではないかと想像します。自分が持っているラケットではPro-13Sという中国製のラケットが近いと思いますが染色剤を上板に使用していてやや硬めのイメージです。OSP製のVario AC+の方が球持ちを抜群に感じられるのではないかと想像します。

グリップ

OSPの特徴として、全てのラケットについて、グリップ形状を6種類から選ぶことができます。
 フレア(FL)
 ラウンドストレート(丸ストレート、R-ST)
 スクエアストレート(角ストレート、S-ST)
 コニック(Co)
 アナトミック(AN)
 中国式ペンホルダー
最近はフレアが主流ですが、ストレートでも2種類から選べるのは嬉しいですね。どのグリップも手に吸い付くようなグリップでオススメです。

ヘッドサイズ(ブレード面積)

 OSPでは、ヘッドサイズ(ブレード面積)もオーダーできるようですね。katsuo000はそこまでヘッドサイズ(ブレード面積)にこだわりはないのですが、S、M、Lから選べるようです。ブレード面積が広いとラバーのサイズも必然的に広くなるので、その分ラケットが重くなる印象がありますね。

インナーカーボン / センターカーボン

 このUltimate Carbon(アルティメイトカーボン)はInner Carbon(インナーカーボン)ラケットになります。インナーカーボンは現在の卓球界では主流のラケットカテゴリーです。カーボンの威力はやや落ちますが、木材ラケットと類似の高い球持ちと、強振したときのカーボンらしい威力が前に出るラケットです。インナーカーボンは個人的には避けていたのですが、近年自分のバックハンド技術の低さに、球持ちのよいラケットをどんどん探求して、ついにインナーカーボンに行きつきました。今はインナーカーボンで落ち着いた感があります。

 さらにUltimate Carbon(アルティメイトカーボン)は、センターである芯材にもカーボンを使用したラケットになります。最近では、Rally Ace(ラリーエース)さんというメーカーでもセンターカーボンのラケットを扱われるようになりました。センターのみにカーボンを挟むとほぼ木材合板系のラケット性能の中で厚く当てた時に芯を感じられるラケットになるそうです。今回のアルティメイトカーボンでは、インナー位置と芯材にカーボンを使用しています。板厚5.7 mmという薄さの中でしなりを抑えてパワーを出しやすくしている、その役割の一役を担っているのがセンターの芯材のカーボンではないかと思います。最近のトレンドはブレード厚さが非常に薄いラケットです。ただ薄すぎるラケットはしなり過ぎて、厚く当てた時ですらしなってしまって逆にパワーロスしてしまうような感覚を感じることがあります。これらしなり過ぎのラケットに、しっかりと芯を通すのがセンターカーボンの役割だと思います。今回のアルティメイトカーボンでもしなり過ぎを抑えるために芯材にカーボンを使用したのではないかと思います。

上板リンバ

 OSP製のラケットは、上板に上質なリンバを使用している製品が多いと感じます。このリンバというのは非常に打球感のいい木材で、katsuo000もかなり好みの上板です。バタフライさんではインナーカーボンラケットの全ての上板にリンバを使用しているのではないかと思います。リンバを使うことでボールをしっかり持てて、かつミートやスピードも出しやすいラケットになるイメージです。インナーカーボンと上板リンバの組合せは、昨今の卓球のトレンドの王道的な構成で、抜群の相性とラケットの球持ちを実現した組み合わせだと思います。OSPはWRMが取り扱いを始めるころから、リンバ仕様のラケットを多く取り扱っていて、リンバの扱いに長けるイメージがありますね。非常に個人的な見解ですが、今回のアルティメイトカーボンに限らず、是非一度はOSPの上板リンバのラケットを使ってみていただき、OSPの扱うリンバの素晴らしさを感じてほしいなーと思いますね。それくらい一球打つだけで手に吸い付くような球持ちを感じられるのが、OSPの上板リンバのラケットです。

性能表

 OSPのホームページより数値を確認して作成しました。ただしこの表は新しいものでUltimate Carbon(アルティメイトカーボン)は入っていません。従って今回のレビューではあまり参考になりません。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: OSP_table.png

Ultimate Carbonの特徴

バツグンの球持ちとパワー!

 まず一番強く感じたのがパワフルさです。これはVirtuoso AC(ヴィルトーソAC)でも感じられなかった部分で、インナーカーボンとはまた違う、パワフルさを感じました。これは合板構成が9枚と枚数が多いことに加え、おそらく芯材にカーボンを使用することで、しなりを抑えた結果ではないかと思います。7枚合板のような相手のボールに負けないパワーを感じることができて非常に良かったです!インナーカーボンラケットよりも7枚合板系のラケットを選ぶ人は、このパワフルさで7枚を選ぶのではないか、と感じました。このパワーを遺憾なく発揮しやすいのは、やはりフォアハンド主戦で回り込みを多用する選手にオススメになりますね。逆にバックハンドはラケットの重量やブレード面積の広さからも、やや振り抜きにくいと思います。あとはWRMのやっすんさんのようにバックハンドに表を貼る選手にもめちゃめちゃオススメの一本と言えるでしょう。アウターカーボンは弾み過ぎるけど、それに準ずる威力とスピードが欲しい、木材感のあるラケットでないと表を使いこなせない、という人にめちゃめちゃ刺さるラケットだと思います。

90 g台の重量で板薄なのに全然おされない!

 ブレード厚さ5.7 mmの薄さで、9枚の木材とカーボンの構成、その重さは90 g以上ということで、かなりしなりのあるラケットのはずなのに、全然おされませんでした。9枚構成で接着剤を塗る層が増えることで、7枚合板に近い性能になったのかもしれません。Virtuoso+(ヴィルトーソ+)は抜群の球持ちでしたが、かなり手に響く感じがあって相手のボールの影響を非常に受けすぎる印象でした。7枚合板からヴィルトーソ+のような5枚合板へ移行すると、響きすぎることによるブロックの不安定を感じるのではないかと思います。5枚合板が難しいのはこの部分だと思います。当然ですが、アルティメイトカーボンはインナーカーボンで5枚合板と比べればもちろん押されません。特徴的にアルティメイトカーボンはインナーカーボンの中でも抜群に押されないラケットだと感じました。このラケットならむしろ表と合わせてもいいところどりをするんじゃないかと思います。それくらいラケットが7枚合板らしさもあわせもったラケットがアルティメイトカーボンでした。

OSP製のラケットの中でもかなり弾むラケット!

 5.7 mmというブレード厚さからは想像できないほど、ボールが深くて弾みを感じることができました。ただ弾むので、その分、回転性能は他のOSP製ラケットと比べると落ちる印象ではありました。でもブレード厚さ5.7 mmなので抜群の台へのおさまりを与えてくれるレベルだと思います。OSPは弾むに関しては大人しめのラケットが多い中で威力も出せるブレードだったと思います。廃盤?は正直惜しいです。また同じようなコンセプトのラケットは正直他メーカーでも見当たらないのも残念で惜しいと感じる気持ちを強めていると思います。メルカリや一部の市場ではまだみかけるラケットかもしれませんので、見かけた際には保管状況や値段にもよりますが、レア度の高いラケットであるので購入を検討してほしい一本になります。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Virtuoso AC > Ultimate Carbon > Reinforce AC

スピード
 Revoldia CNF > Ultimate Carbon > Virtuoso AC

飛距離
 Revoldia CNF > Ultimate Carbon > Virtuoso AC

レビュー Virtuoso AC(ヴィルトーソAC)

説明

 Virtuoso AC(ヴィルトーソAC)は、ハンガリーのハンドメイド=手作り卓球工房OSP(オーエスピー)より販売されているラケットの1つになります。2021年注目のOSPラケットになりますね。OSPのホームページで存在を知り、WRM(ワールドラバーマーケット)さんが扱うことと、WRMさんのレビュー投稿でのポイントがかなりたまっていたので、思わず衝動買いしてしまいました!WRMさんでの購入になります。
 Virtuoso ACの説明において、登場するワードは、
・OSP Blades
・アラミドカーボン(Aramid Carbon)
・インナーカーボン(Inner Carbon)
になります。

OSP Blades

 OSPはハンガリーの卓球ラケットのハンドメイド工房になります。
ホームページ: https://ospblades.com/
実際にオーダーメイドをお願いしたことがないのですが、ホームページの情報からオーダーメイドすると、下記のように様々な仕様のラケットをお願いすることができるようです。

ラケットモデル(種類)

 OSPのラケットの特徴は、弾み過ぎず強い球持ちのあるラケットです。トップ選手にとっては弾みの弱さや爽快感の低さを感じるかもしれませんが、中級者以上の層にささる高い安定感とラリー志向のラケットが多いと思います。球持ちがあるけどボールが軽くなったり威力不足になるラケットや、もっと弾むラケット、スピードのでるラケットは他メーカーでも扱いがあると思いますが、ここまで球持ちと安定感のあってボールの重さや威力を感じるラケットを販売するラケットメーカーは少ないと思いますね。注目のラケットを以下に挙げます。

Martin AC(マーティンAC)
 アラミドカーボンアウター仕様のラケットです。最新のラインアップで、まだWRMで取り扱いはありませんが、今後WRMで取り扱い販売されるのでしょうか?。アウターカーボン、板厚5.8 mm、上板リンバのラケットになります。非常にスタンダードなブレードの厚さですが上板Limba(リンバ)なので、張継科ALCなどよりも柔らかくて球持ちを感じると思いますね。仕様の近そうなラケット、フレイタスALCよりもブレード厚さが薄いので飛距離も抑えられて扱いやすそうですね。

Martin Pro(マーティンプロ)
 7枚合板なのに珍しい板厚6.0 mm、上板リンバのラケットです。上板リンバは、例えばミズノのフォルティウスFTが挙げられるますが、板厚6.0 mmはフォルティウスFT Reの6.2 mmよりも薄いですね。7枚合板の力強さと、飛距離が抑えられたラケットではないかと想像します。

Virtuoso+(ヴィルトーソ+)
 5枚合板で板厚5.8 mm、上板リンバのラケットです。非常に球持ちを感じるオーソドックスなラケットです。5枚合板なのに、しっかりとした重量があって好印象でした。5枚合板のラケットは、同じ値段のラケットでも、個体を選別して選ばないと軽い個体と重い個体とではかなり異なるラケットになっめしまいます。5枚合板はやはり中級者以上では重いラケットの方が威力と扱いやすいさを両立できると思います。そういう意味でヴィルトーソ+は重かったので非常に好印象でした。

Ultimate Carbon(ウルティメイトカーボン)
 インナーと芯にカーボンを使ったラケットで、上板リンバ、ブレード厚さ5.7 mmの意欲的なラケットです。7枚合板のようなパワフルなラケットなのに球持ちもあるラケットですね。ブレード厚さ5.7 mmにもかかわらず、重量が重くて扱いにくさを感じるラケットでした。パワーのある方があつかえばかなりパワフルなラケットだと思います。 

グリップ

OSPの特徴として、全てのラケットについて、グリップ形状を6種類から選ぶことができます。
 フレア(FL)
 ラウンドストレート(丸ストレート、R-ST)
 スクエアストレート(角ストレート、S-ST)
 コニック(Co)
 アナトミック(AN)
 中国式ペンホルダー
最近はフレアが主流ですが、ストレートでも2種類から選べるのは嬉しいですね。ちなみに最近はフレアにハマっているので、購入したVirtuoso ACもフレアです。

ヘッドサイズ(ブレード面積)

OSPでは、ヘッドサイズ(ブレード面積)もオーダーできるようですね。katsuo000はそこまでヘッドサイズ(ブレード面積)にこだわりはないのですが、S、M、Lから選べるようです。ブレード面積が広いとラバーのサイズも必然的に広くなるので、その分ラケットが重くなる印象がありますね。

アラミドカーボン

 卓球王国さんでは、アラミドカーボン ≒ Butterfly(バタフライ)さんのArylate Carbon(アリレートカーボン、ALC)という扱いで、非常に打球感が似ているそうです。化学構造式は異なりますが、卓球王国さんがいうからには、ある程度の説得力を感じ、katsuo000も同じカテゴリーとして採用しています。バタフライさんのALCは商標登録されているみたいで、他のメーカーは使えないみたいなんですね。今年発売のNittaku(ニッタク)のキョウヒョウ龍5(Hurricane Long V)も、アリールカーボンで、アリレートカーボンという言葉は使っていませんし、使えないのでしょう。アラミドは防弾チョッキなどに使われる繊維で非常に硬い繊維になります。アラミドの中にはケブラー(Kevlar)という商標登録された繊維もあり、ニッタクやドイツのラケットにはケブラーカーボンやケブラー繊維をもちいたラケットもありますが、これもほぼALC、またはAL繊維をもちいたラケットと考えていただいて良いと思います。
 アラミドカーボンやALCはカーボンの硬すぎる打球感をマイルドにするためにアラミドやアリレート繊維を編み込んだ素材で、アウター、インナー問わず非常に人気の特殊素材になります。ただのカーボンインナーラケットよりも、球持ちを感じることもあり、卓人に重宝される特殊素材といえるでしょう。

インナーカーボン

 このVirtuoso ACはInner Aramid Carbon(インナーアラミドカーボン)ラケットになります。インナーカーボンは現在の卓球界では徐々に主流になりつつあるラケットカテゴリーで、ブランド化として成功しているのが、バタフライのInner Force Layer(インナーフォースレイヤー)シリーズになりますね。インナー位置に特殊素材を入れていることがわかりやすいラケットシリーズになります。カーボンの威力はやや落ちますが、木材ラケットと類似の高い球持ちと、強振したときのカーボンらしい威力が前に出るラケットといえば良いでしょうか。インナーカーボンは個人的には避けていたのですが、近年自分のバックハンド技術の低さに、球持ちのよいラケットをどんどん探求して、ついにインナーカーボンにも手を出し始めた次第です。

性能表

 OSPのホームページより数値を確認して作成しました。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: OSP_table.png

 katsuo000が気にするのはスピード性能、スピン性能、板厚ですね。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: osp_fig1.png
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: osp_fig2.png
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: osp_fig3.png

 当然といえば当然ですが、板厚はスピード性能と相関があって、スピン性能と板厚は逆相関しますね。個人的にはカーボンや特殊素材ありのラケットは画期的なもので、板厚を薄くしながらスピード性能を高くすることが可能なまさに万能ラケットを可能とする発明だと思います。

 今回レビューするVirtuoso ACはスピード性能はミドル、回転性能はVirtuoso+と同等というラケットになりますね。

 さすが、定価25,000円越えのラケットですね。非常に高級感があって見ただけでテンションがあがりました!すぐにレビューするつもりはなかったのですが、この高級感に、思わずテンションがあがり、試打することにしてしまいました!

 あと、届いてから感じたのですが、ブレード面積はやや広めですね。そのためによりラケットがしなりやすくなっているのだと思います。このサイズがMなのかLなのかわかりませんが、気持ちブレード面積が広いです。ただし、ディグニクス05は48 gでしたので重たくなるということもなかったですね。おそらく、フォルティウスFTやキョウヒョウ龍Vの方がブレード面積は大きいと思います。

Virtuoso AC類似ラケットとの比較

 仕様をみれば大体どのようなラケットか、わかる人にはわかると思います。まずOSP Bladeさんのホームページですね。

Virtuoso AC: http://ospblades.com/virtuoso-ac-aramid-carbon-controlled-offensive-table-tennis-blade-for-poly-ball/

Virtuoso ACはViruoso+(ヴィルトーソ+)をより攻撃的にしたラケットと言えばよいでしょうか。上板はリンバで、インナーアラミドカーボン(ALC)ということは、次のようなラケットが挙げられますね。ButterflyさんのInner Force Layer ALC(インナーフォースレイヤーALC)またはHarimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)、またニッタクのTornado King Power(トルネードキングパワー)やYASAKA(ヤサカ)のReinforce AC(リーンフォースAC)、andro(アンドロ)のTreiver CI OFF(トレイバーCIオフ)が類似のラケットになりますね!ただしブレード厚さが異なります。

 Virtuoso AC:             5.65 ± 0.05 mm / 88 g
 Inner Force Layer ALC:        6.0 mm      / 88 g
 Harimoto Tomokazu Inner Force ALC: 6.0 mm      / 87 g
 Tornado King Power:          5.8 mm      / 88 g
 Reinforece AC:             6.0 mm      / 87 g
 Inner Force Layer ALC.S:        5.5 mm      / 88 g

比べてみると、やはりVirtuoso ACがブレード厚さがかなり薄いことがよくわかりますね!もっと薄いラケットとなると、インナーフォースレイヤーALC.Sくらいになります。ブレード厚さは飛距離と相関があると思いますので、ヴィルトーソACは弾みを抑えたインナーカーボン系のラケットといえるでしょうね。

 今回、数球ですが、Reinforce AC(リーンフォースAC)と比較できました。そのあたりにも触れながらレビューさせていただきます。

Virtuoso ACの特徴

抜群の球持ち!まるで木材合板のような球持ち!

 一発で気に入ったのが球持ちになります!とにかく球を持ちまくります!木材合板のような球持ちでした!思い切り打ってもカーボンぽさを感じずカーボンと木材が融合しているような打球感でした。似ているラケットはレボルディアCNFでしょうか。両面ディグニクス05で試打したのですが、バックハンドが非常に球を持てるので非常に気に入りましたね。この打感は嬉しいです。しっかりバックハンドでもドライブをかけることができるので、メインで使える手ごたえを感じました!

5枚合板ラケットのように押されたりしない!

 5枚合板系ラケットのVirtuoso+も非常に球持ちがあって良いラケットでしたが、5枚合板らしく相手の強いボールに対し少し押されたりしなりすぎる感じがありました。ブロックはなれれば止められると思うのですが、普段から7枚合板や特殊素材ありのラケットを使うkatsuo000はこの5枚合板のおされる感じがあまり好きではないです。Virtuoso+はその部分が苦手でしたが、Virtuoso ACではそういった押されるといったことは感じませんでした。この部分も非常に気にいりましたね。

リーンフォースACよりも弾まない!

 上記の予想通りで、Virtuoso ACはリーンフォースACよりも弾みませんでした。軽くリーンフォースACも打ってみたのですが、オーバーミスが目立つと感じました。打球感はかなり近いとも感じましたね。そういう意味では、Virtuoso ACは割高といえば割高なラケットなのかもしれません。自分は今回ポイントで購入できたので、気にしませんでしたが、中高生や学生にはなかなかオススメは難しいとも感じました。

おすすめのラバー組み合わせ(あくまでも個人の感想)

フォアラバー

Dignics 05(ディグニクス05)

 ディグニクス05はとにかく回転性能の高いラバーです。テナジー05を上回りますね。ただし扱いにくさのあるラバーでもあります。その扱いにくさはラケットで補いつつ、ラバーの高いスピン性能と高い反発性能で、非常にバランスのとれた組み合わせになっていたと感じました。少々高い組み合わせになりますが、損はさせない組み合わせだと思います。
 またディグニクス05のボールが落ちない性能が出ていて、打球点を相当落としても ボールが上がって弧線を描いて沈むのでスピードドライブが打てそうな感じがありました。この性能はまさに粘着ラバーの性能ですね。粘着のような弧線の強さと、スピン系テンションラバーらしいスピード、チート感のあるディグニクス05の性能です。レボルディアCNFでも同様でしたが、Virtuoso ACは飛距離が出にくいので、スピードドライブが狙いやすいと感じました。

バックラバー

Dignics 05(ディグニクス05)

 バックでも十分扱える球持ちを感じました。ディグニクス05でバックで使用してここまで球持ちを感じることのできたラケットはVirtuoso ACが初めてになりますね。腕が良ければもっと他のラケットでも球持ちを感じられると思いますがkatsuo000はあまり腕が良くないのでここまで高級ラケットでないと球持ちを感じることが難しかったです。

 後日、第二子が生まれて機会の減ったカーテン打ちで確認できましたが、バックハンドドライブの回転量とループドライブの打ちやすさが他のラケットと比較してもダンチでした!非常に良い!加えて、ディグニクス05は、何故かインナーフォースレイヤーZLFにはあわないと感じます。この理由がよくわからないので、今後確認したいですね。エキスパートカーボンとテナジー05ハードをあわせたときに感じた、柔らかすぎるのが良くないんですかね。今後何かわかったらブログで書きたいと思ってます。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に違和感はありませんでした。

ロングボールやラリーでのドライブ
 少しスピード不足は感じましたが、良い打球感です。またボールが上に上がるのが良いですね。ネットよりも低いボールでもスピードドライブが打てそうなくらい球が上にあがります。これは素晴らしい性能ですね。しっかり意識して試合でも使えるようにしたい技術です。

面を開いたドライブ
 打球点を落としてもしっかり相手のコートで沈んでくれて入ります。いいですね。

対下回転に対するループドライブ
 球を持ちすぎてオーバーミスが多かったです。ただしレボルディアCNFと比較して質が高くかつ回転量の多いボールが打てている手ごたえはありました。何よりしっかりナチュラルにボールを持つので非常にコントロールしやすかったです。最終的には使い込まないと慣れないので使い込まないといけないですね。

対下回転に対するスピードドライブ
 打ちやすかったですね。非常に好みの打球感でした。なんだかんだ上板リンバは好きです。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 やりやすかったです。

カウンタードライブ

ストップ
 止まりすぎてネットミスが散見されました。弾まないんですよね。慣れが必要です。

ツッツキ
 同じく止まりすぎました。

フォアフリック

バックハンド系

軽打
 ボールをつかむので安心感がありました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 こちらも安心感がレベチでした。いいですね。多少差し込まれていても押し返せる感じもあったのが好印象でした。ドライブが引き込めて良かったです。

対下回転に対するループドライブ
 しっかりボールを持つことができるので良かったです。ディグニクス05でしっかりボールをつかむのは好印象でした。

対下回転に対するスピードドライブ
 これもやりやすかったです。バックハンドドライブはついついスピードドライブの方が打ちやすいと思うのですが結構入ってくれてうまくなった錯覚をしてしまいました。

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 球を持つので下がっても返せる安心感がありました。

カウンタードライブ

ストップ
 止まりますね。止まりすぎです。

ツッツキ
 こちらも慣れないのでネットに引っかかってしまいました。

チキータ
 安定して打てました。少し差し込まれると飛ばせないときもありました。それでもレシーブを積極的に攻めることのできるラケットだと感じました。

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Virtuoso+ > Virtuoso AC > Revoldia CNF

回転のかけやすさ
 Virtuoso+ > Virtuoso AC > Revoldia CNF

スピード
 Revoldia CNF > Virtuoso AC > Virtuoso+

飛距離
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レビュー Virtuoso+(ヴィルトーソ+)

説明

 Virtuoso+(ヴィルトゥオーソ+)は、ハンガリーのハンドメイド=手作り卓球工房OSP(オーエスピー)より販売されているラケットの1つになります。WRM(ワールドラバーマーケット)さんのYou Tubeで知り、そのままWRM経由で購入しました。
 Virtuoso+は5枚合板ラケットになりますね。木材系ラケットはそこまで長く使ったことがなかったのですが、当時は粘着ラバーを使っており、何気ない興味で購入しました。5枚合板で有名なラケットは、Butterfly(バタフライ)さんのPetr Korbel(コルベル)が有名でしょう。また最近では新規参入してくれた総合スポーツメーカーmizuno(ミズノ)さんの5枚合板も注目されています。2020年発売のAltius ST 5(アルティウスST5)や、日本リーガーの軽部隆介選手の使用するFortius FT 5(フォルティウスFT5)などが人気だと思います。それらのラケットを公表性能値で簡単に比較するのであれば、最も重要な要素は板厚と重量でしょう。木材合板系ラケットは上板にどのようなラケットを使用するかで打球感が大きく変化するので、非常に重要だと思いますが、なかなか上板の情報は得られないので今回は割愛します。

 Virtuoso+: 5.75 ± 0.05 mm / 88 g
 Petr Korbel: 5.90 mm / 94 g
 Altius ST5: 5.9 mm / 77 g
 Fortius FT5: 6.6 mm / 85 g

となります。Virtuoso+はどちらかといえば、コルベルに近いラケットと考えて良いでしょう。バタフライさんはどのように品質を維持しているかわかりませんが、平均重量94 gはさすがですね。
 一般的に木材合板系ラケットでは、重たいラケット、密度の高いラケットの方が良いと言われています。重いラケットの方が威力や飛距離が出やすいためです。日本式単板ペンラケット製造技術には、木材を圧着させて密度を上げるような技術もあると聞いたことがありますね。トップ選手も使用するといわれるコルベルは、重い重量のものを揃えているという点でさすがバタフライさんですね。
 一方、フォローしますと、アルティウスST5は初中級者をターゲットとしたラケットであり、またmizuno(ミズノ)さんの評価の高いラバー、Qシリーズは全体的に重量の重いものが多いことも考慮され、あえて軽いラケット設計となっています。またフォルティウスFT5は、もともとあった7枚合板ラケットFortius FT(フォルティウスFT)をベースにしていると思われますので、板厚の厚い設計となっていますね。

性能表

 OSPのホームページより数値を確認して作成しました。

 katsuo000が気にするのはスピード性能、スピン性能、板厚ですね。

 当然といえば当然ですが、板厚はスピード性能と相関があって、スピン性能と板厚は逆相関しますね。個人的にはカーボンや特殊素材ありのラケットは画期的なもので、板厚を薄くしながらスピード性能を高くすることが可能なまさに万能ラケットを可能とする発明だと思います。

 今回レビューするVirtuoso+はスピード性能はやや低く、OSPにおけるオーソドックスな5枚合板というラケットになりますね。

Virtuoso+の特徴

バックハンド技術は弾くようにうっても回転がよくかかる!

 一発で気に入ったのがバックハンドになります!とにかくバックハンド技術が安定しました。非常に回転がかけやすく、バック対バックなどでは、多少弾き気味に打ってもボールが安定しました。この性能は非常に好感が持てましたね。バックハンド系技術はどうしても打てる範囲が狭くなってしまうと思うのですが、バックサイドに切れたボールやバックミドルのボールでもしっかり回転をかけて安定させられる安心感があるのは、試合でも安心につながると思います。プラボールになってボールも随分遅くなりましたので、ブロッキングゲームも可能とできる高い性能だと思いました。

回転がとにかくかけやすい!

 合板系ラケットですので、当然と言えば当然ですが、とにかく回転をかけやすいです!ラケットにしなやかさとタフさがあるため、打球音はポコポコした感じですが、硬めの回転性能の高いラバーを貼っていても球持ちを感じやすく、ラバーのポテンシャルを高く発揮してくれますね!他にも5枚合板のラケットはもっていますが、ボールが軽くなりやすかったり、柔らかすぎて回転がかからなかったりすることもあります。Virtuoso+は重量もしっかりとあって、回転量と威力のあるボールが打ちやすく、また相手のボールに対しても攻撃的に回転で上書きを狙える素晴らしさがありました。非常に高い弧線を描くラケットでした。

硬いラバーと相性が良い!

 katsuo000はVirtuoso+に、粘着ラバーや硬いラバーをあわせていました。というのはVirtuoso+はラバーのポテンシャルを出しやすく、かつ柔軟さを持つラケットですので、軟テンション系ラバーはおそらく、回転性能を逆に落としてしまうようにも感じました。あわせたラバーはTenergy 05 Hard(テナジー05ハード)やDignics 05(ディグニクス05)、Hurricane NEO III Blue Sponge(キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)などになりますね。スピード性能がやはり少し低いので、スピン系テンションラバーとあわせた方が万人受けすると思います。 

おすすめのラバー組み合わせ(あくまでも個人の感想)

フォアラバー

Dignics 05(ディグニクス05)

Tenergy 05 Hard(テナジー05ハード)

Rasanter R53(ラザンターR53)

Q5(キューファイブ)

バックラバー

Omega VII Tour(オメガ7ツアー)

Tenergy 05(テナジー05)

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ 

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転

回転のかけやすさ

スピード

飛距離