レビュー 「卓球王水谷隼の勝利の法則 試合で勝つための99の約束事」

説明

 東京オリンピック2020で日本人初の金メダルを獲得し、今やメディアにひっぱりだこ、「ゴチになります」ではピタリ賞までとって、全日本選手権10回優勝の日本卓球界のレジェンド、水谷隼選手が初めて執筆した本になります。2015年1月に初版が発売しており、当時の水谷選手の経歴は全日本選手権8回優勝、世界選手権でのメダル5個となっています。水谷選手について説明も不要でしょう。卓人なら全て手に取って欲しい書籍ばかりですね。

 既に水谷隼選手の書物は5冊に達しています。
 1冊目: 卓球王水谷隼の勝利の法則 試合で勝つための99の約束事
 2冊目: 負ける人は無駄な練習をする 卓球王 勝者のメンタリティー
 3冊目: 卓球王水谷隼 終わりなき戦略 勝つための根拠と負ける理由
 4冊目: 現役選手がここまで語っていいのか!? 水谷隼の大サービス「サービスは芸術だ」
 5冊目: 打ち返す力 最強のメンタルを手に入れろ

 1冊目の99の約束事は、4冊目のサービスを除いて最も表面的な技術にも触れている内容になっています。つまり、最も即効性の高いものと言えるでしょう。逆に2冊目、3冊目と進むにつれて内容は卓球への取り組む姿勢や取り組む上での思考にフォーカスした内容へと変わっていきます。個人的には水谷選手や日本代表を目指して日々努力されている選手のメンタルやプレッシャーは、想像を絶しますし、正直理解が難しい部分も2冊目、3冊目以降では増えるように感じました。表面的な技術はこの1冊目の99の約束事と4冊目の大サービスが、写真も多く掲載されていてわかりやすいと思います。小~中学生くらいの卓人は、99の約束事と大サービスから読まれることをオススメします。

「卓球王水谷隼の勝利の法則 試合で勝つための99の約束事」の要点

前半注目は第3章 = 用具

 卓球について概略する書物は多くありますが、トップ選手が用具に関する考えと具体的に当時使用していた用具について語っている部分として非常に貴重な内容になっていると思います。現在はディグニクス80を使用ですが、当時はテナジー64を使用していたことが書かれていますね。

 水谷隼選手の考え方としては、扱いやすい用具を使うことが基本としてあって、その中で練習量を上げて威力を上げるという考えなのだと思います。自分は威力を出すことを優先して、難しい用具ばかりに飛びつくところがありますので反省すべきかもしれません。

第4章=練習、第5章=技術 

 最も即効性の高いパートになると思います。10回目の全日本選手権優勝時に多用したフォアナックルフリックについて特集されていませんが、フィッシュ、ストップ、ブロック、ナックルドライブなどの水谷選手を代表する技術について、本人の言葉で書かれているのは、至高の内容ではないかと思います。

第6章=戦術

 先述の章では、試合にのぞむときの考えや、表ソフト、ペンホルダー、カットマン、粒高、終わりには張継科選手ら中国選手、ドイツのボル選手や日本のトップ選手のプレーにも触れていて驚きの内容になっていますね。トップ選手も必読の内容と言えると思います。

レビュー

章構成とページ数
 第1章 『戦略』STRATEGY: 5 p
 第2章 『身体』PHYSICAL STRENGTH: 12 p
 第3章 『用具』GEAR: 8p
 第4章 『練習』PRACTICE: 26 p
 第5章 『技術』TECHNIQUE: 60 p
 第6章 『戦術』TACTICS: 40 p
 第7章 『メンタル』MENTAL: 20 p
 第8章 『最後に』AT THE END: 10 p

全 208 p

図解
 本人実演の写真をふんだんに使用していて、しかもカラー写真のため、わかりやすいですし、まさにあまりに具体的すぎる内容に驚くかもしれません。

感想
 6年前でやや古い内容の部分もありますが、トップ選手がここまで具体的に選手を挙げながら選手の言葉で語る本は他にないと思います。賛否両論はあるでしょうが、水谷選手らしい書物だと思いますね。今現在の水谷選手は、若いころのヤンチャさや相手の想像の裏を突こうとするような発言は随分マイルドになった印象です。6年前のこの本に登場する水谷選手は、若いころのトゲトゲしい部分も多く、そういったときに書かれた書籍だからこそ、このような本が発売されたのだなと思います。卓球の技術書だけではなく、水谷選手のことを理解しようとして読む、という楽しみ方もできる本だといえるでしょう。

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レビュー Tornado King Power(トルネードキングパワー)

説明

 Nittaku(ニッタク)のラケット、Tornado King Power(トルネードキングパワー)をレビューさせていただきます。Nittakuといえば、日本一売れているラバー、Fastarc G-1(ファスタークG-1)と、試合球のスリースターが有名だと思います。2021年はそのファスタークG-1からMaxのスポンジ厚さのラバーも登場し、さらにユーザーが増えそうですね。そのNittakuさんのラケットのレビューになります。残念ながら、2021年にTornado(トルネード)シリーズは廃盤となるそうです。そこで、安く手に入りそうだったので、売り切れる前に購入させていただきました。

 Nittakuのラケットといえば、弦楽器シリーズが有名だと思いますが、今回はインナーカーボンで粘着ラバーと相性が良いと想像されるトルネードキングパワーになります。 トルネード≒ハリケーン≒Hurricane(キョウヒョウ)ということで、要は紅双喜(Double Happiness Shanghai、DHS)のHurricane(キョウヒョウ)ラケットシリーズを意識した仕様になっていると言うことですね。またKing≒王≒Wangということで、Hurricane Wang(キョウヒョウ王)シリーズに類似仕様のラケットだということがわかります。katsuo000はキョウヒョウ王シリーズを試打したことがないのですが、木材合板系のラケットという認識になります。キョウヒョウ王シリーズは、元世界ランキング1位の王励勤(Wang Liqin)選手の使用していたラケットシリーズになりますね!katsuo000が学生時代に世界チャンピオンとして、そしてエゲツないパワードライブで大活躍していたイメージがあります!有名な選手ですので、もちろんWikipedia(ウィキペディア)のページもある選手になりますね!
    https://ja.wikipedia.org/wiki/王励勤
 印象的なパワードライブには、かなり憧れましたし、2021年にTT彩たまの監督だった坂本竜介さんもそのドライブの凄さについて言及されています。この時代は有機グルー全盛期ですので、5枚合板などの木材合板ラケットを使用する選手が多いですね。ただし、王励勤選手も同時代のMa Lin (馬琳)選手も100 gという重量級のラケットを使っていたらしいです。フィジカルがもの凄いですね汗。そしてあの時代、カウンタードライブの打ち合いが凄いですが、王励勤選手のカウンタードライブはカウンターシュートドライブのイメージが強いですね。5枚合板と有機溶剤仕様でエグイ曲がり方していたイメージです。また、コロナ禍になってHarimoto Tomokazu Inner Force ALC(張本智和インナーフォースALC)へ変えてしまいましたが、トップ選手の森園政崇(もりぞのまさたか)選手も、コロナ前はDHS製のキョウヒョウ王を使用していました。ちなみにキョウヒョウ王は5枚合板系のラケットになります。

 今回レビューするTornado King Power(トルネードキングパワー)はNittaku(ニッタク)製のラケットで、ケブラーカーボンを今流行りのインナーに配したラケットになります。ちなみにアウターにアラミドカーボンを配するとTornado King Speed(トルネードキングスピード)になります。既にレビューをあげていますので、もし気になる方はそちらの方をご覧ください。
 トルネードキングスピード: https://katsuo000.com/review_tornadoking_speed/

 Nittakuのパンフレットを拝見するとトルネードキングパワーは ブレード厚は5.8 mmインナーアラミドカーボンということで、Butterfly(バタフライ)さんの張本智和インナーフォースALCと類似で、ややブレード厚が薄いラケットではないかな、と想像して購入しました。張本智和インナーフォースALCはブレード厚は6.0 mmでトルネードキングスピードの方が0.2 mmも薄いというのも認識しての購入です。katsuo000は薄いラケットの方がしなって好きなので、0.2 mmでも薄いなら欲しいな~と思ってしまいました。このブレード厚さは、インナーアラミドカーボンでは少なかったように思うのですが、廃盤は残念ですね。

引用

 それでは、Nittakuのパンフレットから説明を引用させていただきます。

威力と安定性を備えたトップ仕様
 球持ちの良さを最大限に生かせるよう、徹底的に回転を重視して仕上げた合板から繰り出すパワードライブは威力抜群!さらに高反発でマイルドな打球感のケブラー®カーボンをインナーに搭載し、スピード性能を高めました。

Nittakuのパンフレット(2021春)より

ということで、回転に特化した仕様ということがよくわかりますね。インナーカーボンということで、球持ち+回転性能が特徴ということでしょう。それ以外はやはり試打しないと何ともいえないですね。

ケブラー®カーボン

 Nittakuさんは種々のカーボン素材を扱っています。その中でも、ケブラー®カーボンはハードで弾むカーボン素材として紹介されていますね。

Nittakuの特殊素材性能一覧: https://www.nittaku.com/wp-content/uploads/2021/02/014e81e041795bf66270a13699eb8bb7.pdf

 ちなみにケブラー(Kevlar)とは、Dupont(デュポン)社によって開発された世界初のスーパー繊維で、防弾チョッキなどに利用されている繊維になります。

パラ系アラミド繊維ともいわれる材料で、硬さのある繊維になりますね。化学構造の観点から申し上げると、アリールカーボン(ALC)よりもケブラー®カーボンの方が、水素結合の影響によって硬くなると思います。卓球王国さんでは、どちらも同じ扱いをしますが、細かく考えるとNittakuさんの表記のようにケブラー®カーボンの方が硬くなると思います。ドイツのメーカーでもKVLカーボン≒ケブラーカーボンを使用しているラケットが複数あり、基本的にはALCとケブラー®カーボンは似ているで良いとは思いますが、化学構造としては異なりますね。katsuo000は、卓球王国さんに従い、同じカテゴリーとして採用しています。

ブレード情報と比較

 仕様をみれば大体どのようなラケットか、わかる人にはわかると思います。katsuo000が参考にしている「TT BLADES DATABASE」さんを参考にしました。

TT BLADES DATABASE:  https://stervinou.net/ttbdb/index.php

種々のサイトでブレード構成について議論や情報が出ていて、何を参考にするかは難しいところです。個人的な意見として、重要なことは特殊素材の位置と上板(表面板)の素材であり、他は正直違いがあまりわかりません汗。上述のサイトは英語にはなりますが、各木材についても言及してくれているので非常に参考になると思います。

 Tornado King Power:  Koto (1+7) /Ayous (2+6) /KVC (3+5) /Ayous (4)、 5.8 mm
 Innerforce Layer ALC:  Limba (1+7) /Limba (2+6) /ALC (3+5) /Ayous (4)、 6.0 mm
 Innerforce Layer ALC.S: Limba (1+7) /Spruce (2+6) /ALC (3+5) /Ayous (4)、 5.5 mm
 Viruoso AC:       Limba (1+7) /Limba (2+6) /KVC (3+5) /Samba (4)、 5.7 mm

ということで、参考にさせていただいている「TT BLADES DATABASE」によるとトルネードキングパワーはなんと上板にコトを採用しているようです!インナー特殊素材ラケットは、上板にリンバを使用しているラケットばかりです。一方、中国選手は回転量を求めて、上板に硬めの材料を使うものが多い印象ですね。例えばYASAKA(ヤサカ)の馬林シリーズもインナーカーボンですが、上板は硬めです。そして、先日レビューした銀河のPro-13SのインナーKVC側の上板も染色材で硬めでした。WRMさんで購入した970XX-KLCも上板硬めの染色材ですし、キョウヒョウ301も染色材で硬めですね。粘着ラバーはやはり硬めの上板があうのでしょう。ニッタクさんは染色材ではありませんが、コトということで硬めの上板になります。このコトはやや難しい素材だと思います。トルネードキングパワーは、5.8 mmとブレード厚さは薄く、しかし上板は硬めのラケット設計になっているのですね。粘着ラバーとあわせることを考慮したラケット設計といえるでしょう。つまりキョウヒョウやその他の粘着ラバーとあわせて良さの出るラケットがトルネードキングパワーとなる可能性があると思いました。現在はラケットを変えてしまいましたが、早稲田大学出身で全日本社会人準優勝、全日本選手権男子ダブルス準優勝、全日本選手権混合ダブルス3位など輝かしい成績をもつ時吉佑一選手も過去にトルネードキングパワーとキョウヒョウのブルースポンジを使用されていました。この事実からも粘着ラバーとあうラケットだと言えるでしょう。

Tornado King Powerの特徴

上板コトでやや硬いインナーカーボン!

 ラバーとの組み合わせにもよると思いますが、場合によってはアウターカーボンのトルネードキングスピードよりも硬いと感じるようなラケットでした。2023年現在、メインで使用しています。このトルネードキングパワーをメインで使用する理由は、
 1. 上板がコト
 2. ブレードサイズ 157 × 150 mm
 3. ブレード厚さ5.8 mm

の3つになります!自分もインナーラケットにはまって、複数購入しましたが、その中でも異色を放つラケットがこのトルネードキングパワーだと思いますね。異色を放つ一番の理由は上板コトによるラケットの打感です。かなり硬いと感じるラケットになっていますね。打感は硬いですが、その分回転量は他のインナーラケットよりも高いと感じます。サーブ、ループドライブ、チキータ、など素晴らしい回転量が得られるでしょう。またDignics 05 (ディグニクス05)との相性も良いと感じております。Dignics 05 (ディグニクス05)は硬いラバーであるのに柔らかいラケットにあわせると、回転がかかる前に球離れする感じがあり、インパクトが強くないと使いこなせないラバーになっています。硬いラケット、例えばアウターカーボンやこのトルネードキングパワーと組み合わせることで、ガチっとあったときにかなりしっかりと回転がかかる感じがあって気に入っています。不思議なのですが、Dignics 05 (ディグニクス05)は、やや硬めのラケットと相性がいいようですね。
 ブレードサイズが157 × 150 mmと標準サイズであることも好みの理由です。自分はこのサイズの方がバックハンドがふり抜きやすいと感じていて、最近バックハンドを使えるように特訓中ですので少しでも振り抜きやすい157 × 150 mmというサイズも気に入っています。張本智和インナーフォースシリーズやオフチャロフインナーフォースALCなど、最近のインナーラケットはブレードサイズが158 × 152 mmとやや大きく、その分ラケットも先端重心になりやすいです。自分が持っているラケットでは、Hurricane Long V (キョウヒョウ龍5)Virtuoso AC (ヴィルトーソAC)などが158 × 152 mm仕様になっています。これらのラケットはやはりブレードサイズが大きいので、自分は重いと感じ、バックハンドは振りにくいと感じます。157 × 150 mmのトルネードキングパワーは素晴らしいブレードサイズだと感じております。
 ブレード厚さ5.8 mmというのも素晴らしい設計だと思いますね。Butterfly (バタフライ)さんのラケットで上板コト材ですぐに浮かぶラケットは、Viscaria (ビスカリア)やTimo Boll ALC (ティモボルALC)などですが、ブレード厚さは5.8 mmですね。上板リンバにしたアウターALCはMarcos Freitas ALC (フレイタスALC)になり、ブレード厚さは6.0 mmになります。そして、インナーALCで上板リンバのラケットはHarimoto Tomokazu Inner Force ALC (張本智和インナーフォースALC)になり、上板コト材のインナーラケットは、Butterfly (バタフライ)さんでは売られていないと思いますが、まさにこのTornado King Power (トルネードキングパワー)が、上板コトのインナーで、ちょうどHarimoto Tomokazu Inner Force ALC (張本智和インナーフォースALC)より0.2 mm薄い5.8 mmになるんですね。おそらくバランスの高い板厚だと感じております。

 過去、メインで使用していましたが、その時はバックハンドが難しすぎて諦めました。だいぶバックハンドがふれるようになってきて、トルネードキングパワーに戻ってきた感じですね。このラケットはかなり気に入っております。廃盤のラケットで、サイドテープをしっかり貼って大切に使っていきたいですね。

5.8 mmの薄いブレード厚さで、粘着ラバーと使いこなせばエゲつない回転量!

 今ハマっているXIOM(エクシオン)のOmega VII China Ying(オメガVIIチャイナ影)と組み合わせて思い切りループドライブすると、もの凄い回転量で好感触でしたね。インナーラケットと組み合わせた方がOmega VII China Ying(オメガVIIチャイナ影)の良さが得られる、というのもあります。というのはOmega VII China Ying(オメガVIIチャイナ影)はかなり弾むラバーでもあるので、アウターカーボンとあわせるとかなり難しくなる印象があります。Omega VII China Ying(オメガVIIチャイナ影)とトルネードキングパワーの組合せは、回転量がエゲツない回転でしたね!試合後などで「何のラバーを使っているんですか?」と聞かれることが増えました。粘着ラバーと回転で攻めたいのであれば、トルネードキングパワーはかなり好ブレードだと思います!廃盤が決まったことは本当に残念で悲しいです。粘着ラバーや粘着テンションラバーにこだわるなら、素晴らしいラケットだと思いますね!

アウターカーボンから、さらに回転量と球持ち、安定感を求めるのに最適なラケット!

 アウターカーボンラケット、特に上板にコトを使っているZhang Jike ALC (張継科ALC)Lin Gaoyuan ALC (林高遠ALC)、Viscaria(ビスカリア)、Timo Boll ALC(ティモボルALC)などを使用していて、もっと安定感の中に威力を求めたい方にオススメしたいラケットになりますね!アウターカーボンラケットからトルネードキングパワーへ変更することで、回転量で相手のミスを誘いつつ、一撃はアウターカーボンに匹敵するスピードとアウターカーボンラケット以上の重さのあるボールが打てるラケットでした!

おすすめのラバー組み合わせ(あくまでも個人の感想)

フォアラバー

 粘着ラバー:
  Omega VII China Ying(オメガVIIチャイナ影)
  Hurricane NEO III Blue Sponge(省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ) など

バックラバー

 スピン系テンションラバー:
  Rigan Spin (ライガンスピン)
  Rasanter C48 (ラザンターC48)
  Dignics 05 (ディグニクス05)

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Acoustic > Tornado King Power > Virtuoso AC

回転のかけやすさ
 Virtuoso AC > Tornado King Power > Zhang Jike ALC

スピード
 Zhang Jike ALC > Tornado King Power > Reinforce AC

飛距離
 Zhang Jike ALC > Tornado King Power > Reinforce AC

レビュー 「選手をつぶす指導者なら、選手がコーチになればいい。」

説明

 1975年世界選手権シングルス3位で、「ミスター・カットマン」と呼ばれ、全日本選手権で3回優勝、元全日本男子監督および近畿大学教授という経歴をもつ高島規郎(たかしま のりお)さんの、卓球戦術ノート以外の書物になります。今回レビューするのは、選手を強くする指導論ということで2019年11月に発行された「選手をつぶす指導者なら、選手がコーチになればいい。」になります。月刊卓球王国の連載記事「モンダイは指導者だ」の2016年~2019年の内容を加筆修正して、まとめられたものになりますね。
 タイトルから指導者のための本のように思うかもしれませんが卓球において思考は重要です。トップ選手は一流の選手であるとともに、自分に対してマネージメントするある意味コーチ(指導者)でもある、という意味あいもあるそうです。この本において、指導者=選手と置き換えて読めば、選手のための書物になる、とも、まえがきで触れられています。自分も両親や指導者に恵まれ、初心者というレベル以上の卓球技術を身に着けました。しかしながら、そこからさらに成長できるか否かは、どれだけ長く卓球をやっているかよりも、自分自身が自分自身を理解し、マネージメントし、しっかり指導しなければならない、と思いますね。
 ちなみに、「10,000時間の法則」は、最近では否定されつつあるそうですね。「10,000時間の法則」とは、10,000時間何か同じことに従事し打ち込めば、その分野でプロ級になる、という仮説ですね。週3で2~3時間の練習を30年程度続けると到達しますね。学生時代にほぼ毎日4時間練習できたとりしたら、7年で到達です。プロ選手は当然ながら10,000時間以上の練習をしているでしょうね。またコーチの方も容易に卓球をしている時間は10,000時間を超えると想像します。10,000時間以上の練習をしても差は生じるのが、卓球の世界ではないかと思いますね。また、トップ選手で若くして頭角を現した選手、水谷選手や張本選手、宇田幸矢選手、石川佳純選手や伊藤美誠選手、平野美宇選手や早田ひな選手らは、全日本選手権優勝を果たしています。彼らはおそらく自分よりも総練習時間の多い選手に勝利して、全日本選手権を優勝しているでしょう。つまり、ただ練習をすれば勝てるという世界ではないことはわかりますね。もちろん、最低でも10,000時間という時間を卓球に費やせることは必要なのかもしれませんが、必要条件であったとしても、それだけで卓球でトップをとれるほど甘くないということです。天才であり、才能があり、そして努力もできないと、やはりトップオブトップを取ることは難しいのでしょうね。シビアな世界でもあると思います。仕事でも勉強でも、ただ気合と努力だけで結果を出そうとしてはいけないということだとkatsuo000は理解しています。しっかりと思考し正しい努力をすることが大切ですね。そのために、どのように思考すべきか、そういった思考のためのヒントになるようにと高島さんが書かれたものではないかと思います。

「選手をつぶす指導者なら、選手がコーチになればいい。」の要点

1章は指導者 = 選手として、卓球へ取り組むときの考え方

 卓球戦術ノートの内容と重複しつつ、卓球に対する姿勢や考え方、特に凝り固まった考えではなく柔軟で創造的な思考を肯定するような考え方が提案されています。世界のトップ選手を見ても、アフリカのアルナ選手のようにスイングが汚いと言われてもオリンピックでボル選手に勝つことだってあるわけですからね。日本ではとかく、「〇〇でなければならない」という凝り固まった考え方が多いので、こういった考え方に触れることは非常に良いと思います。

3章では、卓球プレースタイルの概論と強化のポイント

 「卓球戦術ノート」でも非常に参考になったプレースタイルの概論になりますね。「選手をつぶす指導者なら、選手がコーチになればいい。」では、次のような内容になっています。
・シェークドライブ型
・ペンドライブ型
・シェーク表ソフト
・ペン表ソフト
・変化ラバー活用型
・カットマン
について概略されています。この本でもとても参考になって即効性のあるものになっていますので、手に取る機会あれば是非ご一読をオススメします。

7章は伸び悩みに対する考え方

  この本では「伸び悩み」について、書かれている点が興味深いですね。自分もクラブで卓球をしていたとき、同じように練習していても強くなる選手、伸び悩む選手を見てきました。そして卓球の試合で、後から卓球を開始した選手たちにどんどん追い抜かれていくことも目の当たりにしてきました。この伸び悩み、というのは、本当に辛いと思います。その伸び悩みについて、助言をくれる7章は、自分程度ではなく、卓球進学した選手やプロ選手も読んでプラスになる可能性があるのではないかと思います。また、自分は卓球を通して、物事への取り組み方を学べるのではないかと考えますね。

レビュー

章構成とページ数
 第1章 あなたは「良い指導者」なのか:48 p
  良い指導者になるために必要なもの
  初心者をどう教えるか
  選手の想像力を伸ばす
  ベンチコーチの心得
  選手を「勝たせる」指導者とは
  選手の性格を「動かす」のか「殺す」のか
  メンタルをどのように強化するのか
  選手が100人いれば100通りの指導がある
 第2章 強くなるための練習を考える:24 p
  規則練習とランダム練習
  多球練習と一球練習
  素振りでスイング力を高める
 第3章 卓球のプレースタイル、強化のツボ:54p
  用具と選手を見直すことで停滞期を抜け出す
  強化のツボ①ショークドライブ型
  強化のツボ②ペンドライブ型
  強化のツボ③ショーク表ソフト
  強化のツボ④ペン表ソフト
  強化のツボ⑤変化ラバー活用型
  強化のツボ⑥カットマン
  強化のツボ⑦フットワーク
 第4章 技を高め、ゲームで強くなる:64 p
  フォアハンドを強くしよう
  バックハンドを強化する
  どうすればカウンターが身につくのか
  台上技術を強くする方法
  勝つための守り方を高める
  3球目・4球目の命中率を高める
  カットマンは「切るカット」の練習をするべし
  いかにしてサービス力を高めるのか
  レシーブ攻撃を狙え
 第5章 指導者のいない選手はもっと強くなる:26 p
  指導者がいなくても工夫次第で世界選手権に行けた
  部員同士のコミュニケーションによってチーム力はアップする
  卓球への問題意識、取り組み方は卓球ノートに書き記す
  強くなれないのは「指導者がいないから」なのか
 第6章 強いチームを作る:44 p
  強いチームの作り方
  練習試合の活用法
  情報収集の活用と、勝つための準備
  指導者の「反省力」とは何か
  「根性論」をうまく使おう
  マンツーマン指導の注意点
  部員が多い場合の練習方法
第7章 伸び悩む選手がやるべきこと:26 p
  モチベーションを高め、一気に強くなる
  結果が出ない状況から抜け出す方法
  卓球を強くするフィジカルとは何か
  得意技を磨き、弱点を補え
  選手は自分の調子をコントロールできるのか
全 303 p

図解
 図解は多くてわかりやすいですね。

感想
 現代的で、高島さんの良書だと思います。1冊だけ買うのであれば、是非この本が広範な範囲をカバーしている教科書のような本になっていますね。特にメンタルや伸び悩みといった、誰もが悩むものについて書かれている点は良いと思いますね。是非興味を持たれたら手に取ってみてください。

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雑観 2021/10/1

雑観の記事は無くしてみよう

 雑観の記事は、無理やり書いていた感じもあるので、やめようと思います。そして、毎日投稿もやめてみます。一方で、ないよりは卓球に関する書物のレビューもあった方が良いと感じました。こちらの方に力を入れていこうかと。実際、岸川聖也さんの書物はかなり実践的で良かったですし、学生さんも是非読んで欲しいと感じました。また、これからはKindleとか電子書籍の時代になると思うんですが、電子書籍対応もできていましたね。本なんかは場所をとりますからね。

雑感 2021/9/30

バック側ラバー、ディグニクス05は諦める

 ここ数日、バック側ラバーのことを考えながら仕事してます。やっぱりもちもちの球持ちの良いラバーの方がチキータとかバックハンドドライブはやりやすいですよね。ということで、威力ではなく扱いやすさと手元にあるラバーで考えていったときに、次の候補があがりました。

 ・Rigan Spin(ライガンスピン)
 ・DNA Platinum XH(DNAプラチナXH)
 ・Vega Tour(ヴェガツアー)
 ・Rasanter R48(ラザンターR48)

前回も同じようなこと書きましたが、Dignics 05(ディグニクス05)は難しいっす。前回はまだディグ05への執着がありましたが、試合では勝ちにくいだろう、ということで勝ちやすいラバーを探すと上記かな。打ってないけど期待したいのは以下のラバーです。

 ・Triple Double Extra(トリプルダブルエキストラ)
 ・DNA Platinum H(DNAプラチナH)
 ・Hexer Grip(ヘキサーグリップ)

硬度比較は、シート厚さを考慮すべき?

 計測した硬度を見ながら考えていましたが、試打結果から、同じ硬度結果で評価しないほうが良いラバーがあるような気もしています。というのは最近のドイツ製ラバー、硬度結果よりも明らかにくい込みが良くて扱いやすいんですよね。シートが多分薄いんだと思います。シートの厚さまたはシートだけの硬度を評価して、そこで比較してみようかなって思ってます。そうするとより客観的にラバーを評価できるのではないかと期待します。シートをラバーからわけるの、めちゃめちゃ苦労するんですがね汗。

レビュー 卓球 勝つための思考と戦術 試合がはじまる前に勝負は8割決まっている!

説明

 「卓球 勝つための思考と戦術 試合がはじまる前に勝負は8割決まっている!」は、全日本代表を経験し、東京オリンピック2020では男子コーチとして活躍した岸川聖也さんの著者になります。岸川さんは有名クラブである石田卓球クラブ(早田ひな選手も所属していたことで有名)から仙台育英秀光中学へ進学しました。ドイツブンデスリーガとしても活躍し、仙台育英高校時代はインターハイ男子シングルス3連覇水谷隼選手とのペアで全日本男子ダブルス優勝世界卓球で7個の銅メダル、ロンドン五輪で男子シングルス5位入賞と、経歴がすごすぎますね。Tリーグでは、T.T彩たまでコーチをしつつ、岸川聖也卓球スクールで指導もされています。

 なんといっても経歴と経験が凄いですよね。日ペン指導者がオールフォア的なシェークハンド選手を多く生み出していた時代で、ドイツ卓球を取り入れてバックハンドを自在に使いこなす岸川選手の卓球は、30代や40代の卓人なら、一度は憧れたのではないでしょうか。日本卓球を中国に次ぐポジションに底上げした中心的選手の1人であり、現在はコーチ業に営む中で、執筆されたものだと思います。既に水谷選手は何冊か本を出版されていますが、現代日本卓球の中心選手だった方が指導者としての立場で執筆した本は、やはり先進的で即効性の高い内容になっていると思います。

 こちらの本は、岸川選手がまだButterfly(バタフライ)さんと契約されていたときに執筆したものになりますね。2021年9月には「勝つ!卓球「回転」レベルアップバイブル 試合で差がつくテクニック55」という本も出版されていますが、こちらでは現在契約されているVICTAS(ヴィクタス)のユニフォームを着た姿を確認することができます。

「 卓球 勝つための思考と戦術 試合がはじまる前に勝負は8割決まっている! 」の要点

前半1章~3章は知っておくべき卓球用語と1つ1つの技術紹介

 第1章は戦術の重要性を述べつつ、ラケットやラバーの種類について概説しています。このあたりは一般的な卓球の教則本と同じで、中級者以上では読み飛ばしてもいいかもしれません。2章はサーブ、3章はレシーブの個々の技術の説明になりますね。

第4章は細かな3球目戦術パターン、第5章は細かな4球目戦術パターン

 パターン練習を丁寧に概説してくれています。右対右になってしまうと思いますが、ほぼ全ての3球目と4球目のパターンが記載されています。1つ1つ丁寧に練習し身体に身に着けなさい、といわんばかりの内容になっていますね。また注意すべきポイントにも触れつつ全て図で記載されているので、理解はしやすいと思います。シェークドライブ型の選手は必読といってもいい、詳細な3球目と4球目のシステムが全て網羅されていると言ってもいいかもしれませんね。内容も的確で、確かにという内容ばかりなので選手に加えて指導者が読むべき内容となっていると思います。

第6章はラリー戦術

  最後は、ラリー戦術になります。ラリーの中で意識していることが述べられていると思います。どこを狙うべきか、という教科書的な内容が書かれています。知らなかった、では結構取返しがつかないような話が盛りだくさんなので、気になったら是非読んでみてください。逆にカットマンの方や異質、表をメインに書かれた内容ではないので、そういった戦術の方は参考になる部分や即効性は低いかもしれません。

レビュー

章構成とページ数
 序章  自分のスタイルを理解する:9 P
 第1章 試合前の準備:18 P
 第2章 サーブ戦術:30 P
 第3章 レシーブ戦術:34 P
 第4章 3球目戦術:30 P
 第5章 4球目戦術:28 P
 第6章 ラリー戦術:16 P
  全193 P

図解
 卓球台を上から見た図と、デフォルトされたラケットなどでイメージしやすい図が多用されています。またラケットの角度に関する解説も書かれていますので、参考になると思います。

感想
 中級者以上には非常に役に立つ内容ではないかと思います。上級者はあまり必要のない内容かもしれません。というのは、例えば何故3球目にドライブ強打を狙うために逆横回転サーブを出すのか、ということに対して説明がないためです。このあたりを丁寧に説明してくれるわけではないので、初級者はおいていかれるかもしれません。もちろん前提として逆横回転サーブを出した場合に回転に逆らうように角度をあわせながら返球する場合はバックへ返球されることが多いというのが経験的にあるわけですね。(うまい人はそういったセオリーを嫌なタイミングで外されると思います。またどのような返球が来るのかを1セット目に探りながらサーブを出す、ということもしますよね。)こういったことがわかっていると、回転に逆らうように返球するならバックサイドを待てばいいですが、回転にあわせるように返球することで逆にフォアサイドやミドルを狙うことで相手の待ちも外す、という戦術が登場したりします。こういった内容のフォローも欲しいところでした。しかしながら、一般論として、こういうサーブはなぜだすのか、ということがしっかり説明されているのは非常に参考になる内容だと思います。katsuo000は小学生~中学時代にクラブチームで指導を受けましたが、ここまでの説明はもらえませんでした。もちろん時が経てば、一般論も変化するかもしれませんが、知るか知らないかで、結果も変わりうる内容ですので、是非ぜひ読んでみてください。

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レビュー 「敗者を勝者に変える 卓球戦術ノート」

説明

 卓球戦術ノートとは、1975年世界選手権シングルス3位で、「ミスター・カットマン」と呼ばれ、全日本選手権で3回優勝、元全日本男子監督および近畿大学教授という経歴をもつ高島規郎(たかしま のりお)さんの人気シリーズの書物になります。今回レビューするのは、卓球戦術シリーズの3冊目「卓球戦術ノート」の刊行から、18年後の2019年に初版発行された「敗者を勝者に変える 卓球戦術ノート」になります。前回よりもさらに具体的で図解も多用されており、現代卓球の教科書として、指導者や中高生が手に取って良いといえる内容となっているでしょう。内容としては、『月刊 卓球王国』連載の「新・戦術ノート」(2012年6月~2016年7月号)の内容をまとめたものになっています。

「敗者を勝者に変える 卓球戦術ノート」の要点

前半1章~4章は卓球へ取り組むときの考え方

 今までの卓球戦術ノートでのプレイバックのような内容になります。そして、プレイバックしながら、現代の卓球に置き換えてくれている内容になります。またその中で短いながらも指導者の在り方についても触れている内容になっています。

戦型別攻略法

 前回の「続 卓球戦術ノート」でも挙げられている戦型別攻略法は今回も掲載されています。こちらも前回と同様非常に即効性も高くて、良い部分ではないでしょうか。katsuo000ももちろん、参考にしている部分になります。本書では以下の戦型に対する攻略について触れています。
・フォアハンド主戦型の攻略
・バックハンド主戦型の攻略
・表ソフト速攻型の攻略
・カットマンの攻略
・異質ラバーの攻略
・対サウスポーの戦い方


「続 卓球戦術ノート」で取り上げられていた戦型
・シェークドライブ型
・ペンドライブ型
・シェーク速攻型
・ペン速攻型
・カット主戦型
・異質前陣攻守型

 「続 卓球戦術ノート」と重複する部分と、サウスポーやフォアハンド主戦型とバックハンド主戦型、が挙げられている点は、現代的な内容になっていると感じますね。「続 卓球戦術ノート」同様、苦手な戦型や自分の戦型について、何が足りないのか、何が武器になるのか、など思考するのに非常に良いと思います。また他の戦型からヒントを得て新しい戦術や技術を広げる手助けにもなると思います。

新しい時代の戦術論

  また、新しい戦術論について概略しつつ、最後に水谷隼選手、張本智和選手、伊藤美誠選手、石川佳純選手の卓球について触れているのが、この本の面白いところだと思います。以下に各項目のタイトルについて挙げますので気になった方は是非手に取ってみてはいかがでしょうか。
 第6章 新しい時代の戦術論
  ブロックは必需品
  カットマンは打って得点しろ
  異質ラバーは勝てる
  オンリーワンの戦術をめざせ
  打球タイミングをどう合わせるか、どう外すのか
  ミスを恐れるな、相手の強いところを狙え
  ペンホルダーの可能性
  必殺レシーブを身につけろ
  プラボールの戦術
  チキータ時代の戦術
  11点制は先行逃げ切りでなければいけない
  水谷隼の卓球
  張本智和の卓球
  伊藤美誠の卓球
  石川佳純の卓球

レビュー

章構成とページ数
 第1章 最後の1点を自力で取る方法:85 P
 第2章 動きと打法の戦術論:25 P
 第3章 先述とメンタル:37 P
 第4章 指導者の役割:19 P
 第5章 戦型別の攻略法:35 P
 第6章 新しい時代の戦術論:83 P
  全301 P

図解
 トップ選手の写真や具体的な図解も前とどうように多い構成となっています。ただし読み物でもありますので、文章量も多いです。

感想
 過去の書籍を継承しつつ、現代版にアレンジしたものになると思います。そして、即効性もある内容だと思います。一方でやはり日本の読み物らしく、階層的な概念や図示がないので、全ての内容を立体的に把握しづらくて、時間に余裕があるのであれば自分自身で内容をまとめ階層化すると良いと思いますね。今後、katsuo000なりに「戦術ノート」についてまとめていきたいなーと思っております。ただし、内容をそのままコピーしてしまう部分を書いてしまうと、著作権という言葉が怖いので、katsuo000の解釈を前面にだしたまとめになるかと思います。

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雑観 2021/9/27

2021年も残りわずか

 2021年も残りわずか3ヶ月ですねー。ガッツリした試合には一年以上出ていない気がします。娘と卓球をしに行くという目標もなんだかなという状況汗。行くことが目的ではなく娘に卓球を好きになってもらって継続して運動する習慣づけが狙いなのですがね。

 レビューできていないラバーはまたまた山積みです。コロナ禍の影響で、やはり卓球業界の収益は下がったのかな?自分はちっとは貢献したかなーなんて思いつつ使われない用具は少しかわいそうにも思いつつ、2021年が過ぎていきますね。

インナーラケットの違いは難しい

 インナーラケットを試打していて感じるのは、レビューの難しさですね。ちょうど現在インナーラケットをいくつか試打してますが、短期間では結論を出しにくいくらい絶妙な違いしかない時もあります。またその差がどこから生まれているのか、具体的な理由が不明ということもあるので、頼れるのは自分の直感だけという状況。差は生じているけど、なぜと聞かれると答えられないものもあります。そこら辺を数値化したり、科学的に表現したいのですが。。。差が分かりにくいということは逆に言えば高ければ良いわけではなく、安くてもいいインナーラケットはありそう。木材のラケットを比較しているような感覚的な違いがおおのかもしれないですねー。

レビュー PRO-13S(プロ-13S)

説明

 本ブログでは初のレビューになる、中国のメーカー、YINHE(銀河)さんの用具レビューになります!今回のラケットは今までにないラケットです!そのラケットは驚きの片面アウター、もう片面インナーというとても面白い破天荒なラケット、PRO-13S(プロ-13S)になります!!!

 このラケット、国内販売されていませんので、JTTAマークはありません。公式の試合で使用したい場合は、審判に見せて許可を得る必要ありですね汗。katso000は今回、中国取り寄せを行ってくれるネットショップさんに発注しました。値段は8,000円を切る値段で安かったので少し心配でしたが、使えるものが届きましたね。

 片面には特殊素材「ALC」をアウターに組み合わせ、もう片面には特殊素材「KLC」をインナーに組み合わせた構成。違った飛び方、打球感に合わせてフォア面かバック面を選べるラケットになります!学生時代にこんなラケットあったら思わず手に取るよねっていうかなり気になるラケットです。卓球王国ゆうさんによると、片面のブレード設計はもう片面にも影響するので、過去にこの手のラケットは販売されていたけど、廃盤になってしまっていたらしいですね。最近だとXIOM(エクシオン)さんのIce Cream(アイスクリーム)シリーズが有名だと思います。アイスクリームはインナーかアウターで、片面ともう片面で異なる特殊素材カーボンを採用しているラケットですね。今回のプロ-13Sは片面がALCアウターでもう片面がKLCインナーになります。KLCインナーのラケットということですが、上の写真からわかるように染色材が上板にもちいてあるKLCインナーになるんですね。染色剤はインナーでも若干硬くなる印象があります。そこらへんを確認していく試打になりました。

 染色材について触れさせていただきます。上板にリンバをもちいたインナーはButterfly(バタフライ)さんのインナーフォースレイヤーシリーズ筆頭に球持ちのあるラケットで現在非常に人気ですね。一方、染色材の上板はカーボンほどではないものの硬い印象があります。katsuo000は染色材の上板を使ったラケットは、他に2本所有していますが、どちらも中国製になります。1本はHurricane 301(キョウヒョウ301)で、馬龍選手も使用していたやつの廉価盤的なラケットらしいです。キョウヒョウ301はこちらのようなラケットになります。↓

このキョウヒョウ301はHurricane Long V(キョウヒョウ龍V)にかなり似ていて、インナーALC(KLC?)系ラケットになります。ただし、重量がご覧の通り、90 gオーバーでかなり重量級になります。しかも上板に染色材でキョウヒョウ龍Vよりも打球感は硬く感じました。インナーカーボンで球持ちはないわけではないのですが、上板にコト材を使っているような硬さを感じました。つまり、Zhang Jike ALC(張継科ALC)やTimo Boll ALC(ティモボルALC)っぽい打球感なんですね。インナーフォースレイヤーALCが木材とアウターカーボンラケットの中間のようなラケットなら、この染色材をもちいたキョウヒョウ301は張継科ALCとインナーフォースレイヤーALCの中間のような打球感のようなラケットでした。この硬さは好みが分かれる硬さですが、粘着ラバーのよさを出すためには上板は硬い方が回転量が増す感覚が強いので、粘着ラバーにあわせるなら、こういった染色材を上板に採用したラケットがおすすめです。
 もう一本の染色材を上板にもちいたラケットは、先日WRMさんから購入した銀河の970XX-KLCになります。こちらは、キョウヒョウ301をスリムダウンしたようなラケットで、キョウヒョウ301をフォルティウスFTとすると、970XX-KLCはフォルティウスFT REのようなラケットに感じました。↓が970XX-KLCになります。

実際、使いやすさがあって良いラケットでした。上のキョウヒョウ301とこちらの970XX-KLCもその内レビューさせていただきますので、少々お待ちくださいね。本記事のプロ-13Sとブレードの比較を下記に示します。

・Pro-13S(プロ-13S)
 157 × 150 mm、6.0 ± 0.2 mm、87 ± 3 g
 Koto?(1) / ALC(2) / Limba?(3) / Kiri?(4) / KLC(5) / Ayous?(6) / Dyed Koto?(7)
・Hurricane 301(キョウヒョウ301)
 158 × 150 mm、5.9 ± 0.1 mm、89 ± 3 g
 Dyed Koto?(1+7) / Ayous?(2+6) / KLC(3+5) / Ayous? Kiri?(4)
・970XX-KLC
 157 × 149 mm、5.7 ± 0.1 mm、85 ± 3 g
 Dyed Koto?(1+7) / Ayous?(2+6) / KLC(3+5) / Ayous? Kiri?(4)

 今回試打したプロ-13Sの方が、ブレード厚さは厚く、攻撃的ですね。またカーテン打ちの段階から確かにアウター側とインナー側で打球感が異なるのも感じました。ただし、他のアウターカーボンやインナーカーボンと比べるとやや打球感の違いがぼやけているようにも感じましたね。

Pro-13Sの特徴

 今回アウターALC側をフォアに、インナーKLC側をバックにして試打しました。中国では、インナーKLC側にキョウヒョウなどの粘着ラバ―、アウターALCをバック側に使う、という方が一般的かもしれません。

同じラケットなのにアウターALC側は確かに硬くて飛距離が出やすく、インナーKLC側は、球持ちがあって飛距離が抑えられている!

 同じラバーを貼っても、アウターALC側かインナーKLC側かで打球感はかなり異なりました。自分は下手なバック側で顕著に異なり、やはりアウターALC側だと球を持つ前に球が離れてしまう感覚が強かったです。一方で、インナーKLC側ではしっかりボールをグリップできている感じがありました。しかもインナーKLC側の方が飛距離も抑えられる感じがありました。不思議なラケットですが、狙い通りフォアは威力とスピードの出しやすいアウターALC、バックは球持ちを感じやすいインナーKLCというないものねだりがラケット側で調整できました!この時点でかなりテンションがあがりましたね! 

中途半端感はないわけではない

 まだ完全に比較はできていませんが、張継続ALC、Reinforce AC(リーンフォースAC)と比較すると、まさにその中間的な感想になりました。つまり

フォアの満足度: 張継科ALC(◎) > プロ-13S(〇) > リーンフォースAC(△)
バックの満足度: リーンフォースAC(◎) > プロ-13S(〇) > 張継科ALC

ということです。威力や回転量は張継科ALCを使ったときが最も高いと感じました。逆にリーンフォースACだとバックは使いこなせますが、フォアの威力が減少気味と感じておりました。フォアもバックも合格点を出しつつ、得意な技術(katsuo000の場合フォア)側は威力が出せて、苦手な技術(katsuo000の場合バック)側はなんとか入れることに徹することができる、という今までにない選択肢をラケットで提案しているわけですね。面白いと思います。 

個人的には理想的なラケット!

 現代卓球は両ハンド化が著しいです。しかし選手は、フォアとバックで上達スピードも異なると思います。フォアとバックで上達スピードは異なるのに同じラケットをもちいてしまうと、どうしても下手な方に合わせる結果になりやすいと思います。今回のプロ-13Sは得手・不得手の技術にあわせて面を選ぶことができるので、ラケットやラバーのジレンマを解消してくれる選択肢の一つとなるでしょう。

おすすめのラバー組み合わせ(あくまでも個人の感想)

フォアラバー

バックラバー

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量

回転のかけやすさ

スピード

飛距離

雑感 2021/9/25

感謝感激!WRMの激戦の中、レビュワーノミネートいただきました!

 2021年9月期に投稿されたレビュー数は、おそらく12(内2名が2つ投稿しているので実質10レビュー)でした。常連のザーシーさん、WRMさん激プッシュのGEWO(ゲオ)の新作ラバーCODEXX52や全日本実業団出場経験のある方の2件のレビュー投稿などが、ノミネート落ちという状況です。自分の投稿、張継科ZLCの投稿が何故残ったのか、正直ご意見や良い点を具体的に教えていただいて、よりよい発信の役に立てたいなーと感じるほどです。ノミネートしていただいて、どうもありがとうございます。m(_ _)m 商業的といわれることもありますが、GEWOの新作ラバーのレビューではなく、卓球界を盛り上げる一つの企画として運営されていると感じて、非常に好感を感じました。

 余談ですが、このコンテストの主催者であるやっすんさん、最近のYou Tube動画で、かなり痩せられていて驚きました。めっちゃ動けそう。やっすんさんの卓球知恵袋、これからも楽しみです。

 今期のノミネートされた方々を拝見すると、常連の方々が多いです。また「働くカットマン」さんは卓球王国2021年11月号の奇天烈逆も~ションで取り上げられた人物ですね!この方は、2021年1月の全日本選手権(天皇杯)出場の奈良代表岩城選手つながりで、伊藤条太さんに取材されたみたいですね。ご本人もブログで紹介されていました。凄いですね!自分には到底無理な気がします。

 9月のレビューはZhang Jike ZLC(張継科ZLC)になりました。
katsuo000の 張継科ZLCのレビュー
 WRMさんの張継科ZLC:https://rubber.blog.jp/archives/52000673.html
 このブログにおける 張継科ZLC:https://katsuo000.com/review_zhangjike_zlc/

 もしよろしければ是非投票の方もよろしくお願い申し上げます!もちろん、投票はkatsuo000+のレビューに関係なく良いと感じたレビュー(およびレビュワー)へ投票してください!自分は粒は使わないのでわかりませんが、「バルサミコ」さんのエボMX-Dや「働くカットマン」さんのDNAプラチナMのレビューは、自分も納得のレビューでした。

投票は → https://rubber.ocnk.net/form/130 

 締め切り〆は2021年9月30日(木)までと短いですのでお早目に!

DONIC(ドニック)新作ラバー!

 ブルーストームの新作が出たみたいですね!噂はあったような気がしてましたが、速いっすね。早く卓球が普通に最低週一でできる日々が帰ってきてほしい。。。個人的に気になるのは、愛工大名電の鈴木選手は使用しているのか気になりますね。また進化型ポストテナジーの技術が流用されてそうな定価設定(7,800 円 + 税)というのも気になります。今までDONICさんはオープンプライスでしたがしっかり値段をつけてくれるのは、助かります。

ブルーストームZ1ターボは、ごぶりんずさんでも好評でめちゃめちゃ売れたみたいですね。このプロも気になります。買うかー。