YINHE(銀河)

レビュー Apollo V 38° (アポロV 38°)

説明

 銀河 (YINHE)さんのラバー、Apollo 5 (アポロ5)の中間硬度38°のラバーをレビューさせていただきます。WRM (ワールドラバーマーケット)さん販売のラバーですね。銀河 (YINHE)のラバーは面白くて安価なラバーが多いので個人的には面白いなーと思うメーカーさんです。種々ラバーがあるようで、全貌を垣間見たいと感じますが、中国語はよくわからず、DHS (Double Happiness Shanghai, 紅双嬉)同様にネットで調べてもよくわからないことが多いですね。是非情報求むです。
 さて、今回レビューするApollo 5 (アポロ5)は、Apollo (アポロ)シリーズの5番目のラバーということ、そしてWRM (ワールドラバーマーケット)さんが取り扱っているものは非常に品質の高いラバーになった国用のもののようですね。国用といいつつ、価格は3000円台ということで嬉しいですよね。中国ラバーということで前加工されていて、しかもラミネート加工もしっかりされているため空気の入り込む余地なく長持ちする点も嬉しい限りです。WRM (ワールドラバーマッケット)さんが取り扱いするApollo 5 (アポロ5)の硬度は36、38、40°の3種類になりますね。過去にも40°のApollo 5 (アポロ5)を使ったことがあり、WRM (ワールドラバーマーケット)さんのレビューへ投稿もしたことがあります。

 Apollo 5 (アポロ5) 40°: アポロ5【銀河】 – katsuo000 : 卓球ラバーレビュー[卓球用品比較評価サイト] (blog.jp)

今総括するとApollo 5 (アポロ5) 40°は、フォア主戦型の選手のフォアに適したラバーで、サーブの切れ味、ループドライブの質と回転量は非常に素晴らしいものがありました。打感は木星IIブルースポンジ (Jupiter 2 Blue Sponge)と比較するとシートが特に硬さを感じやすく、ミートもしやすい打感であるところが異なる点ですね。ぶつけるようにボールを打球するとカチっと結構いい音とともに適度にボールが弾けるイメージで、粘着ラバーにしては回転性能も高くかつミートもしやすいラバーということで主揃さのあるラバーだと思います。シートが硬いのでテナジーよりもディグニクスらしさがある、という表現でいいのかわかりませんが、相手の回転の影響を受けにくいのでカウンターはしやすいと思います。ただ硬いので、バックハンドで上手に上書きして、というのは個人的には難しいかなーと思います。

 最近自分はバックハンドに粘着ラバーを使っていて、メインはHurricane NEO 3 Blue Sponge (省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)を回してます。多少傷んでしまっているラバーでも粘着ともちもち感が素晴らしいので古いやつ含めて流用して使っていますね。バックハンドで使う分にはスピードが遅いと感じるようなことはなくて全く気にならず、レシーブやツッツキの操作性の高さ、ロングサーブに対するドライブやループドライブ、加えてバックハンドドライブもまずまずイケると感じて今に至ります。今回中間硬度の38°のApollo 5 (アポロ5)をバックハンドに使ってみようと感じて、試してみました。それではApollo 5 (アポロ5) 38°のレビューをしていきます。

性能値

 硬度計での硬さ比較になります。

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet-Sponge
gsheetspongesheetspongeshore ashore c
Apollo 5 38°5135.840.254.253.3-4.420.92
Jupiter II
Blue Sponge
39°
5232.838.351.751.7-5.580.00
Venus II
Blue Sponge
5032.635.551.451.0-2.920.42
Dignics 09C5033.431.850.849.11.581.67
Hurricane Pro III
Turbo Blue
5836.841.453.157.6-4.67-4.50
Triple Double Extra5025.131.842.146.1-6.67-4.00
Rakza Z Extra Hard5530.330.846.547.8-0.50-1.25
Rasanter C535228.426.142.839.22.333.67
Hybrid K35128.525.342.240.33.171.92
Omega VII
China Ying
6134.734.851.049.6-0.171.42
Hurricane NEO III
Blue Sponge
4729.833.245.644.9-3.330.67

 Moon Blue Sponge (月ブルー)でも言及しましたが、やはり中国製ラバーということで重いです。全て50 gを超えてくる、ということで使用者を制限する重さですね。省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジは高価な分、軽くて50 gを切ります。そしてApollo 5 (アポロ5)は中国製粘着ラバーらしく、シートよりもスポンジの方が硬いラバー群の1枚ですね。個人的にはこういうラバーは相手の回転の影響に敏感ではありますが、球持ちが良くて好みです。Apollo 5 (アポロ5) 38°は思ったより硬く、Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)に匹敵する硬さ、という結果になりました。38°でここまで硬いのは違和感ありますが個体差ですかね?

アポロ5の貼りと重量

 5枚合板のVirtuoso+ OFF (ヴィルトーソ+OFF)に貼りました。

Jupiter II Blue Sponge (木星2ブルースポンジ)
・Sponge Thickness:2.2 mm
・Sponge Stiffness:36°、38°、40°
・3,480円 + 税
・74 g (切断前) → 51 g (Virtuoso+ OFF (ヴィルトーソ+OFF)に貼って)

 中国製らしい強粘着ラバーでした。中国製の粘着ラバーはやはりこのベタつきがいいですよね。そしてコチコチということで、癖のあるラバーであることは間違いありませんね。

Apollo 5 38°の3つの特徴

強粘着とカチコチの共演!

 Apollo 5 (アポロ5)はカチコチですね。このカチコチがポイントでループドライブのエグイ回転量を特徴としながら、簡単に弾けるので、スマッシュで決めにいけるような戦型にバチっとあるようなラバーになります。カチコチラバーであるためなかなかApollo 5 (アポロ5)はくい込みにくいラバーになるため、スピードドライブはくい込ませる系のスピードドライブではなく、擦る系のスピードドライブがメインになるのではないかと思います。イメージではスピード重視のドライブではなく、最大でもスピン5、スピード5のドライブが安定するようなスピードドライブのイメージになるかなーと思います。柔らかい38°や、まだ使っていませんが36°の硬度のApollo 5 (アポロ5)を選んで、思い切りぶつけてインパクトを出せば、くい込ませるスピードドライブも可能になってくるかもしれませんが、硬度計で測っても38°でカチコチ感が凄いので、そういう設計のラバーになるのかなーと思います。Nittaku (ニッタク)さんのHurricane Pro III Turbo Blue (キョウヒョウPro3ターボブルー)なみか、それ以上にくい込ませるドライブが難しいイメージです。3球目スピードドライブをメインで考える場合は難しさを感じると思うので、気を付けてほしいと思うところです。

Apollo 5 (アポロ5)の38°で、台上や球離れを活かしたバックハンド技術は操作性〇!

 38°を今回使ってみて、微妙に柔らかいので思ったよりも球を持ったりできた印象です。ツッツキ、ストップ、ミートも球持ちを感じられました。ただ他のラバーと比べるとやや硬いので、40°と比べた体感やりやすいと感じたレベルですね。また5枚合板のラケットに貼ったので、弧線が普段より強く感じ、かつ飛距離も抑えられたためにも、操作性が良いと感じた部分はあったかと思っています。
 そういった副次的な操作性の良さを感じつつ、Apollo 5 (アポロ5) 38°はバックで十分使えると感じました。特にツッツキ、ミート、あとフリックまたは乗せ打ちのような打ち方をするときにバックハンドでやりやすいと感じました。逆にドライブは硬すぎるのと球離れが早いことがあるので、ナックルをドライブするくらいならいいですが、ぶち切れのボールを持ち上げるのは苦労しそうな気がしました。

バックで使えてバックハンドループの質がかなり高い!

 持ち上げるのはやや難しい感はありますが、カチコチラバーのため回転量はえぐく、しっかり身体でバックハンドループドライブが打てれば、バックハンドのループドライブで点数を稼げるレベルでした。バックハンドドライブは、多分一発狙うのはレベル差があるときか、バックハンド主戦型の取れる戦術で基本フォアハンド主戦はバックハンドドライブは、とっさのループさえできれば十分合格だと思ってます。そういうループドライブで点数も狙えるなら十分良い選択肢になると思います。
また粘着なので、ストップやツッツキも非常に質高く返球できるはずですので、相手が打ち急げば打ち急ぐほど懐深い卓球ができるかもしれませんね。個人的にやりにくいと感じた技術はやはりブロックで硬い分、角度がすべてで角度を間違えるとオーバーかネットミスしてしまうと感じました。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 軽く使いましたがフォアには個人的には40°でいけると思います。ただ、くい込ませた感がないラバーなので、その感覚が好きな人には少し敬遠されるかもしれません。キョウヒョウよりもミート打ちやスマッシュがしやすいラバーなので、下がらず前陣で使う選手にはあうと思います。 

ロングボールやラリーでのドライブ
 カチコチなので、思い切りぶつけて感じになると思うのですが、ラケットによっては回転がかからず沈まないことがあるので、このあたりの修正はいるかもしれません。少し中陣からのドライブがやりにくいと感じました。

面を開いたドライブ
 面を開いた方が良いのは明白ですが、くい込みにくいのでそれでも上へスイングすることになると思います。 

対下回転に対するループドライブ
 しっかり準備すればかなり質の高いループドライブが打てると思います。どうしても硬い分、インパクト強めに打つことになると思いますので、思い切って打球点を落として低くツーバウンドを狙うぐらいでちょうどいいと思います。 

対下回転に対するスピードドライブ
 これはやや難しいです。コスリ強めの方が安定はすると思いますが、スピードが出しづらいと思います。 

カーブ/シュートドライブ
 ややくい込みにくいので、打点を落としてカーブしてもあまり曲がらないかもしれません。シュートは打点を早めにとると思いますので、威力が出しやすいと思います。

ブロック
 難しいですね。硬いから仕方ないですが。まだ38°は気持ちやりやすいかもです。

カウンタードライブ
 カウンターはしやすいというか、相手の回転はあまり影響されにくいですが、とっさのカウンターはくい込ませられるほどインパクトを出せなくて落ちる、ということがありそうです。

ストップ / ツッツキ
 ぶち切れが簡単に出せます。飛距離が出やすいですが、多少思い切り切って相手をけんせいするのはありかもです。

フォアフリック

フォアサーブ
 切れますね。巻き込みでも下回転が切りやすいです。 

バックハンド系

軽打
 硬いですね。ミートに寄せた方がいいかもです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 少し難しいです。それはやはり硬さからくるインパクト不足ですね。こういう硬いラバーは結構振り遅れしたりインパクト強すぎてオーバーしたり、安定させることが難しいです。

対下回転に対するループドライブ
 入ればエグイ回転の超ループになります。上方向に振る意識が良いと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 このApollo 5 (アポロ5) 38°の場合、ミート打ちか乗せ打ちの方が楽にスピードが出せると思います。

チキータ
 できますが、自分の力量ではなかなか使いこなしが難しいと感じました。

ブロック
 やりにくいですね。できなくはないですが。

カウンタードライブ
 回転重視のかけ返しに近いカウンターは自分には難しかったです。

ツッツキ
 切れていいですね。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Hurricane NEO IIApollo 5 > Tenergy 05

スピード
 Tenergy 05Apollo 5Hurricane NEO II

 

レビュー Venus 2 Blue Sponge(金星IIブルースポンジ)

説明

 WRMさんが取り扱う中国メーカーの銀河 (YINHE)のラバー、Venus II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)をレビューさせていただきます。
 katsuo000は中国メーカーにそこまで詳しくないのですが、銀河 (YINHE)はコスパが良くて面白いラバー、なかなか使えるラバーが多い印象です。基本的には粘着ラバーなので、寿命もそこそこ長く一部の卓人御用達のラバーではないでしょうか。今まで試打してきた銀河 (YINHE)の用具は
Blades (ラケット)
PRO-13S (プロ-13S)
970XX-KLC
Venes V-14 (金星V-14)
Rubber (ラバー)
Moon Blue Sponge (月ブルースポンジ)
Jupiter II Blue Sponge 39° (木星IIブルースポンジ39°)
とラケット3本、ラバーは2枚になりますね。

 WRMさんで取り扱いはないですがPRO-13S (プロ-13S)はアウターとインナーを融合させたラケットであり、970XX-KLCは上板硬めのインナーになりますね。Moon Blue Sponge (月ブルースポンジ)Joola (ヨーラ)さんのGolden Tango (ゴールデンタンゴ)に似つつも、さらに使いやすくしたようなラバーでした。Jupiter II Blue Sponge 39° (木星IIブルースポンジ39°)は、DHSの省狂NEOIIIブルースポンジの廉価版のようなラバーでした。このJupiter II Blue Sponge 39° (木星IIブルースポンジ39°)は、WRMの看板選手こと、ぐっちぃ選手の愛用ラバーでした。その愛用のJupiter II Blue Sponge 39° (木星IIブルースポンジ39°)から、変更したのが、このページでレビューするVenes II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)になるそうです。それでは、Venes II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)のWRMの説明を確認してみましょう。

新しい本格派粘着が誕生ぐっちぃ5年ぶりの本職変更
サーブ・ツッツキが爆切れ/ループのチョリが遅い/ラリーは弾み・そして硬め

 木星2ブルーの超ヒットから早5年。ついに木星2ブルーより回転がかかり、さらに弾み、そして硬い。特徴を聞くだけでワクワクしてくる本格派粘着ラバーが完成しました。5年ぶりにぐっちぃの本職粘着ラバーが変わりました。金星ブルーの初期サンプルが届いたのが、ちょうど1年前のこと。そこから、何度も何度もメーカー側と調整を繰り返し、木星2ブルーの性能を越えぐっちぃが本職で使える新しい粘着が完成しました!とにかく凄い性能です。ぐっちぃとガネから紹介動画が届いています。まずはこちらをご覧ください。

 ぐっちぃが今求めている粘着ラバーの理想型がコレです。練習時間が豊富なら、しっかり動く練習をして・身体を使って打てるし練習量に比例して反応も速いので弾まない粘着でもなんとかなっていたのですが、、、。新型コロナの影響で、ラケットを握る時間が激減。練習は、週に何度かの技術動画の撮影のみ。WRM的には外部での活動を完全にストップしていたので、いろいろ衰えています。(^^;ただ、そこは卓球用具開発に携わっている卓球ショップという強みを活かし練習不足は用具に求める性能でカバー。きっと手数で勝負の練習不足の人はラリーの入り口は早くなりすぎず台との距離を取った中陣の展開ではしっかり弾んでくれて楽に引き合いできるラバーぐっちぃと同じ性能を求めている方も多いと思います。ただ、前陣でサーブやツッツキは擦ると遅く長短の変化がつけやすいのに中陣ではしっかり弾むというのは矛盾する性能なので、実現が難しかったんです。金星ブルーの製造メーカー銀河はコロナの影響で国内向け・海外向けの卓球用品の売上が激減、その間製品開発にかなり力を入れていました。そして、ちょうど新開発の超粘着シートとぐっちぃが求めているラバー性能にぴったりマッチして今までの本格派粘着になかった新しい性能のラバー開発に成功しました。

https://rubber.ocnk.net/product/3523


 硬いラバーみたいですね。やはり威力を上げるには、硬くする必要があると思います。どのように硬くしているのか、楽しみながら試打しました。

硬度計比較

Weightshore ashore ashore cshore cshore ashore c
gsheet sidesponge sheetsponge sidesheet-spongesheet-sponge
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Venus II Blue Sponge5032.635.551.451.0-2.90.4
Jupiter II Blue Sponge5232.838.351.751.7-5.60.0
Moon Blue Sponge5130.934.449.650.3-3.5-0.8

 Venus II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)を確認すると、木星と比較して、値そのものは低いのですが、shore aおよびshore cのシートとスポンジの差が小さい値になっていますね。実際、触ってみるとシートがかなり硬めで、まるで、Evolution MX-S (エボリューションMX-S)のようにシートがかなり硬い仕様になっていました。この粘着ラバーなのにシートを硬めにするというのは斬新だと思いました。というのも、粘着ラバーの王道は、シート柔らかめでスポンジよりも柔らかいことが常です。もちろん、このVenus II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)も例にもれず粘着ラバーらしく、シートよりもスポンジが硬い設計になっているのですが、その中でもシートの硬さを感じ、弾きやすさがアップしたようなラバーに仕上がっていました。これはどちらかというとディグニクスらしさをもった粘着といえるのかもしれません。ただ重量・硬さでみると、Dignics 09C (ディグニクス09C)に似ているようにも見えますが、くい込みやすさの点で、あきらかにDignics 09C (ディグニクス09C)の方が扱いやすいラバーになっています。

Venus II Blue Spongeの貼りと重量

 Zhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼りました。

Venus II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)
・Sponge Thickness:2.2 mm
・Sponge硬度:39°
・3,480円 + 税
・50 g(Zhang Jike ZLC(張継科ZLC)に貼って)

 粘着は強めで、強粘着と言えるでしょう。重たいですね。また打球感がマッドで硬いです。これは使いこなせるとものすごい奴だと思います。

金星IIブルースポンジの3つの特徴

粘着ラバーとドイツ製ラバーを足して2で割ったようなラバー

 かなり硬いですね!ラバー全体にかなりコシがあり、シートが硬く感じました。これは回転めちゃかかると一発でわかりました。ただ、つかいこなせれば、という但し書きがつきそうな感じでもありました。それくらいくい込まない打球感ですね。Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)もかなり硬いラバーではありますが、くい込みがかなり良いので、その分飛び出しもかなり良いです。金星IIブルースポンジも、同じようにシートが硬い分、くい込ませるために思い切りぶつけるように打つ方がくい込ませやすいラバーでした。近いのは、Fastarc G-1 (ファスタークG-1)などでしょうか。一度しっかりくい込ませるようにして、打つことでラバーの味が出るラバーだと思います。つまり、粘着ラバーとドイツ製ラバーを足して2で割ったようなラバーだと思いました。回転量がかけにくいと感じる人もいると思いますが、このあたりは慣れが必要かもしれません。

打球感がマッド!

 粘着ラバーらしく、非常にマッドな打球感でした。マッドなラバーはドライブの球質が整いにくく、ボールが良い意味で荒れるので、受ける側はやりにくいと思いますね!非常に特徴的なマッドさだと思いました。そういえば、Jupiter II Blue Sponge 39° (木星IIブルースポンジ39°)もまずまずマッドな打球感でしたので、方向性は類似しているのかもしれません。
 球質はエネルギーロスは若干感じつつ、エネルギーを込めれるならかなりいいボールが行くイメージです。このエネルギーを込められるかポイントで、マッドな打球感で他のスピン系テンションラバーと比較すると、打感の気持ち良さが半減するかもしれません。似たようなマッドさはHurricane NEO3 (キョウヒョウNEO3)などにも感じられますね。この点が好みの人はもろにはまるかもしれません。

サーブ、レシーブがやりやすい!

 やはり粘着ラバーですので、サーブレシーブがやりやすかったです。スピン系テンションラバーよりも台上などで強みが出しやすいのが粘着ラバーですので、当然といえば当然かもしれません。マッドさがあるので、やはりパワーがないとスピードボールが打てない一方で、手堅く台上からのバリエーションが増やせそうな、粘着らしさを十二分に感じました。
 ハードな粘着ラバーは、ぶつけて打つことでいいボールがいきますが、その時にパワーというかスイングスピードを要する感じがあります。ただめちゃめちゃハードなラバーというわけでもないので、スピードの出しやすいラバーだと思いました。硬さがどちらかというと、ドイツ製ラバーっぽい方向性で、直線性のあるスピードドライブがしやすいと思います。粘着ラバーの中でも個人的にはスピードが出しやすいと言えるのではないかと思います。ただ弧線を描きにくいので個人的には選択肢から外れると思います。ドイツ製ラバーっぽいVenus II Blue Sponge (金星IIブルースポンジ)の硬さは、同じYINHE (銀河)のApollo 5 (アポロ5)にも似たようなテイストを感じたように思います。硬くていいボールが打てるのですが、弧線が弱いのが個人的には苦手です。思ったより弧線を描かなくて、ネットミスが出るんですよね。Hurricane NEO3 (キョウヒョウNEO3)Omega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)の方が弧線が強いので、個人的には好みで中陣の打ち合いに安心感を感じるんですよね。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に違和感なかったです。

ロングボールやラリーでのドライブ
 バタフライのラバーと比較すると球質はそろっていないと思いますが、硬い粘着ラバーのわりに、癖は出にくいかもしれません。そのかわりスピードは出しやすいと思います。
 

面を開いたドライブ
 面は思い切り開いた方がいいボールが打てると思います。ただ面を開く打ち方は、小回りが利きにくいイメージもあるので、使い分けが重要だと思います。 

対下回転に対するループドライブ
 いいループドライブが打てると思います。ボールを吸収させにくいので、本当に表面だけで打つようにこする必要はありますが、それが出来たときの質は最高のループドライブだと思います。 

対下回転に対するスピードドライブ
 結構ぶつけにいかないと難しいと思います。切れてないボールは打てると思いますが、切れた下回転を打つ時は回転の影響を受けにくいので、面をしっかり開いて身体で回転をしっかりかけるようにしないと安定感をかけるかもしれません。

カーブ/シュートドライブ
 

ブロック
 個人的にはブロックはやりにくいと思いました。硬すぎて落ちやすいと感じました。逆に粘着ラバーの割に相手のドライブに押されにくいと思います。

カウンタードライブ
 

ストップ
 

ツッツキ
 

フォアフリック

フォアサーブ
 

バックハンド系

軽打
 

ロングボールやラリーでのドライブ
 

対下回転に対するループドライブ
 

対下回転に対するスピードドライブ
 

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 

カウンタードライブ
 

ストップ
 

ツッツキ
 

チキータ

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Omega VII China Ying >金星2ブルースポンジ ≧ 月ブルー

スピード
 Omega VII China Ying >金星2ブルースポンジ ≧ 月ブルー

レビュー Venus V-14 (金星14)

説明

 WRMさんで販売している銀河のラケット、Venus V-14 (金星14)をレビューします。WRMさんの説明を確認してみましょう。↓
 https://rubber.ocnk.net/product/2542

具体的には書かれていませんが、要はビスカリア (Viscaria)やZhang Jike ALC (張継科ALC)、Timo Boll ALC (ティモボルALC)など現代卓球で最も人気のあるアウターカーボンシリーズと類似のラケットになりますね。このラケットは、WRMさんの販売価格で、5,500円+税と、非常に安価なラケットとなています。本当にZhang Jike ALC (張継科ALC)、Timo Boll ALC (ティモボルALC)などと同じ性能であればかなりコスパの良いラケットになりますね。そのあたりを言及していくようなレビューになります。

 過去にも安価なラケットとして、XIOM (エクシオン)さんのStradivarius (ストラディヴァリウス)をレビューしています。正直な感想として、安価なラケットは、少し使うには良いこともあるのですが、使い込むほどホンバのラケットと違いを感じてしまう、というところがありました。従って個人的にはあまりオススメしないですね。また日本メーカーのYasaka (ヤサカ)さんのReinforce AC (リーンフォース)などはバラツキは多いものの、まだ良いと思いますが、海外メーカーの類似ラケットは、よくよく考えて購入した方が良いと思います。何にしても購入は自己責任でお願いします。

金星14

 フォアにHurricane NEO II (キョウヒョウNEOII)を、バックにはSieger PK50 (ズィーガーPK50)を貼りました。アウターラケットですのでやはり粘着ラバーを貼りたいですよね。ラケット重量は90 gとまずまず標準かやや重いくらいとなりました。

金星14の3つの特徴

思ったよりも扱いやすい!?

 アウターカーボンというとやはり扱いにくさを感じることが多いイメージではないでしょうか。実際、アウターを使う人は年々減っている印象です。普段自分もインナーカーボンを使っていますが、インナーからアウターのこの金星14を使用した印象としては思ったよりも扱いやすいでした。これはなぜなのか、具体的な理由はわかりませんが、打球感がかなりポコポコしていてそこまで高い音が鳴らないんですよね。Zhang Jike ALC (張継科ALC)はもっと高い音が鳴ってバチって感じなのですが、この金星14はポコポコとかわいい音が鳴りました。正直、トップ選手やガチ勢にはオススメできませんが、なんちゃってで触るにはかなりオススメなラケットだと思いました。
 もちろん、威力、特にスピードはアウターカーボンのそれで違和感なく威力が出せる仕様だと思います。ただ、ポコポコと木材よりの打球感だけが違和感であり、いい意味では球持ちを与え、悪い意味では、回転量が弱いボールがいっているような気がしましたね。

やはり粘着ラバーとあう!

 中国製のラケットですので、やはり粘着ラバーとあうと思いました。変に滑ることもなく両面の粘着ラバーを扱うことができました。上板はやや柔らかいようにも感じたのでもしかしたら、リンバかもしれませんね。

中国ラケットの弱点か!?安価ラケットは若干回転量が弱い?

 過去も銀河の970XX-KLCという上板硬めで軽量ラケットをガチ使用していました。上板が硬く、上板が硬いラケットは良く回転がかかるイメージがあったので、使用を継続していました。ただ試合に出るにつれて回転量が弱いと感じるようになりましたね。練習する相手だけでなく、試合でもループドライブが効かないと感じたときが増えたため、安価で素晴らしいのですが、970XX-KLCは卒業しました。もちろん、腕の問題もあるかもしれまんしあたり外れもあったのかもしれません。ただ、中国メーカーの安価ラケットは全般的に打感は非常に良くてコスパの良さを感じる一方で回転量が弱い印象があります。この辺りはよくよく考えて購入を検討ください。

おすすめのラバー組み合わせ(あくまでも個人の感想)

・粘着ラバー

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 

ロングボールやラリーでのドライブ

 

面を開いたドライブ
 

対下回転に対するループドライブ
 

対下回転に対するスピードドライブ
 

カーブ/シュートドライブ
 

ブロック
 

カウンタードライブ
 

ストップ
 

ツッツキ
 

フォアフリック
 

バックハンド系

軽打
 

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ 
 

対下回転に対するスピードドライブ
 

カーブ/シュートドライブ
 

ブロック
 

カウンタードライブ
 

ストップ

ツッツキ
 

チキータ
 

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tornado King Power > 金星14 > Mizutani Jun Super ZLC

スピード
 Zhang Jike ZLC ≧ 金星14 ≧ Virtuoso OFF+

Review Jupiter II Blue Sponge 39°

Explanation

This review will be a review of adhesive rubber from a Chinese manufacturer. When it comes to China, Double Happiness Shanghai (DHS) is famous, but this time we will review Jupiter II Blue Sponge (YINHE, Miky Way, Galaxy)! Everyone knows WRM’s rubber. I lightly googled the information of the manufacturer galaxy, but I could not get much, so I will omit it. Ginga is a manufacturer that names celestial bodies in rubber names, and there are other names such as Apollo, Moon, Venus, and Sun. I’ve reviewed Moon Blue in the past. It’s a little heavy, but I personally felt it was similar to VICTAS’s Triple Double Extra with good cost performance adhesive rubber. Push cuts well, the sheet is soft and the ball is good. Following such moon blue, I would like to review Jupiter II Blue Sponge.

The Jupiter II Blue Sponge has been described as close to the Hurricane NEO III Blue Sponge for the provincial team by Mr. WRM’s Guccii. I would like to touch on that. Of course, I tried the Jupiter II blue sponge, 39° black.

Public performance value

I tried to look it up but couldn’t find the performance chart. This time, I will only compare the hardness.

As I mentioned in Moon Blue, it is heavy because it is made in China. The Jupiter II blue sponge weighed 52 g, which is the same weight as high-end rubber in recent years. The Hurricane NEO III Blue Sponge for the ministry team is light and weighs less than 50 g, and the butterfly rubber is also light. Focusing on hardness, the Jupiter II Blue Sponge is hard, resulting in it being harder than Dignics 09C. If you can master hard rubber, you can hit a powerful ball with a large amount of rotation, so this is something to pay attention to. It’s harder than Moon Blue, so it’s easy to imagine that it’s easier to put out more power than Moon Blue!

When focusing on adhesive rubber, what we think is important is the difference in hardness between the sheet and the sponge. It can be seen that the difference in hardness between the sheet and the sponge is very close to 0 for the Hurricane NEO III blue sponge for the provincial team. On the other hand, you can see that the seat of Dignics 05, which has a hard seat and is difficult to bite into, is 2° or more harder. You can see that the moon blue sponge is 4 degrees harder than the sponge, and the Jupiter II blue sponge is about 6 degrees harder. As you can see, rubber with a sponge that is harder than the seat is characterized by being easy to show outstanding ball retention. I think that it will be a rubber that can be used on the back side depending on the person because it is easy to feel the ball holding strongly, so it is easy to make a high quality loop drive. The 36° Jupiter II Blue Sponge is also on sale, so I think it can be used as a bag.

Jupiter II blue sponge paste and weight

I pasted it on the Pro-13S. Jupiter II blue sponge is pasted on the outer carbon side. I pasted Dignics 05 on the inner carbon side.

Jupiter II Blue Sponge
・Sponge Thickness:2.2 mm
・Sponge Stiffness:36°、39°
・3,480 yen + tax
・77 g (before cut) → 52 g (after cut)

It was a sticky adhesive rubber that seems to be made in China. Recent German-made adhesive tension rubbers, such as Rasanter C53 and Omega VII China Ying, do not have a sticky feeling, but Chinese-made adhesive rubbers still have a good stickiness. I think there are different tastes in this area.

Three features of Jupiter II Blue Sponge

Easy to handle and high quality loop drive like a Hurricane blue sponge!

I felt that the Jupiter II Blue Sponge certainly has a shot feeling similar to the Hurricane NEO III Blue Sponge for the provincial team. The shot feeling is clearly different from the so-called Fukyo NEO3. Jupiter II Blue Sponge is close to the Hurricane NEO III Blue Sponge for the Ministry Team in a good way, so it is a rubber that I would like to recommend to those who cannot afford the Hurricane NEO III Blue Sponge for the Ministry Team because it is expensive! Also, the ball holding is outstanding, so it was very easy to do a high-quality loop drive. Other galaxy sticky rubbers such as Venus Blue Sponge and Apollo 5 were stiff and easy to play, so I felt it was difficult to rotate with a speed drive, but Jupiter II Blue The sponge is easy to rotate even with a speed drive, and I think it’s a rubber close to the Hurricane NEO III Blue Sponge for the Ministry of Teams. I had a pretty good impression of this area. Speaking of greed, 39° is still a little soft, so I personally prefer a little harder one, and the Hurricane NEO III Blue Sponge for the Ministry of Teams was still better in terms of rotation performance and habits. However, the Hurricane NEOIII Blue Sponge for the provincial team is expensive, so I thought that Jupiter II Blue Sponge was a pretty good rubber if I thought it was a cheap version.

It’s easier to hit a speed drive than Hurricane Blue Sponge!

Hurricane NEO III Blue Sponge for the Ministry of Teams is still super strong, so if you don’t use a method that suits your needs, you won’t be able to take full advantage of its high performance. Also, Hurricane is a rubber that is difficult to speed up, so I think it is necessary to compensate for the speed according to the outer ALC blade racket. I think this hit is the difficult part of Hurricane NEO III Blue Sponge for provincial teams. With the Jupiter II blue sponge, the speed drive was more stable than I imagined because it was soft. I think that this area is a rubber that can be driven more easily than leopard. However, its speed performance is also at a level that is better than hurricane-type rubber, and it may be easy to be dissatisfied with its speed performance compared to spin-type tension rubber. I imagine that this is a part where tastes are greatly divided. If possible, I imagine that the overall power can be increased by pasting it on an outer ALC blade racket to supplement the speed. If you still want to use Chinese-made adhesive rubber, the racket should be made of inner carbon (such as Hurricane Long V, which is said to be closer to outer than inner carbon) or so-called ALC type outer carbon (Zhang Jike ALC). ) or Lin Gaoyuan ALC), you may be a little worried about speed performance.

It is easy to put on the table, just an honor student rubber

After all, it is an adhesive rubber, so there is a tremendous sense of security on the table. Although it is not a rubber that specializes in rotation, you can get the same amount of rotation as the top rubber of the spin type tension rubber, and it may pale in comparison to the amount of spin of the Hurricane NEO III Blue Sponge for the Ministry of Teams. However, it is also a rubber that is easier to handle than the Hurricane NEO III Blue Sponge for the provincial team, so I think it will be an honor student rubber. An excellent balanced rubber, including the price, will be the Jupiter II Blue Sponge.

Each technical review

Forehand

Light hit
A sticky rubber-like hitting feeling was transmitted. I think that it is good for those who want to hit the ball slowly.

Driving long balls and rallies
Compared to spin-type tension rubber, the speed is slow because it settles well. Compared to the latest spin type tension rubber Evolution MX-D, the speed is still slow. It’s a stiff sponge, so I think you can hit the drive with a taste if you hit it.

Drive with open face
After all, when hitting a speed drive with a Chinese adhesive rubber, I felt that it was easier to hit by opening the surface and applying rotation while flipping.

Top spin (loop) drive against back spin
It was easy to hit a very high quality loop drive. I think that the Hurricane NEO III Blue Sponge for the provincial team can achieve a higher quality including shallowness and the sinking of the ball, but I think that the Jupiter 2 Blue Sponge can also hit a high-quality loop drive that can score enough points. . 

Stop / push
Because it grips, it was very easy to stop. nice one!

Serve
It was good that the amount of rotation of the lower rotation could be obtained even with the serve that involved because it was an adhesive rubber. However, the serve as a whole is slow, so I think it’s better to check the power of a fast long serve and the quality of missing the opponent’s timing.

Backhand

Light hit
I have the ball!

Driving long balls and rallies
When you go down, the slowness of the ball stands out. This area may depend on your backhand technique. However, since it is easy to rotate, I thought that there was a great sense of stability.

Block
Since the seat is soft, I felt that it was easily affected by the rotation of the other party.

Chiquita
It’s really easy to do. Chiquita with a high sense of stability was made. The power (speed and amount of spin) may be a little low.

Comparison with other rubbers (personal impressions only)

Max Spin amount
 Hurricane NEO III Blue Sponge > Jupiter II Blue Sponge ≧ Tenergy 05

Speed
 Tenergy 05 > Jupiter II Blue Sponge > Hurricane NEO III Blue Sponge

レビュー Jupiter II Blue Sponge 39°(木星2ブルースポンジ39°)

説明

 今回のレビューは、中国メーカーの粘着ラバーのレビューになります。中国というと、紅双喜(Double Happiness Shanghai、DHS)が有名ですが、今回レビューするのは、銀河 (YINHEMiky WayGalaxy) のJupiter II Blue Sponge (木星2ブルースポンジ)になります!みなさんご存知WRMさんののラバーですね。メーカー銀河の情報は、軽くググってみましたがあまり得られなかったので割愛させていただきます。銀河は、ラバーの名前に天体の名前を付けるメーカーで他にもアポロや月、金星、太陽などがあります。過去には月ブルーをレビューしています。やや重たいですが、コスパの良い粘着ラバーで個人的には、VICTAS (ヴィクタス)のTriple Double Extra (トリプルダブルエキストラ)に近いものを感じました。ツッツキはよく切れるし、シートは柔らかめで球持ちもいい。そんな月ブルーに続き、木星2ブルスポをレビューしていきたいと思います。

 木星2ブルースポンジは、WRMさんのぐっちぃさんは、省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジに近い、と表現されています。そのあたりに触れていきたいと思います。もちろん試打したのは、木星2ブルースポンジ、39°の黒になります。

性能値

 調べてみましたが性能表を見つけることができませんでした。今回は硬度比較のみとさせていただきます。

 月ブルーでも言及しましたが、やはり中国製ラバーということで重いですね。木星2ブルースポンジは52 gと近年のハイエンドラバーと同等の重さがありました。省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジは軽くて50 gを切りますし、バタフライのラバーも軽いですね。
 硬度に注目すると、木星2ブルースポンジは硬くて、ディグニクス09Cよりも硬いという結果になりました。硬いラバーは使いこなせれば、回転量が多くて威力のあるボールを打つことができるので、これは注目ですね。月ブルーよりも硬いということで、月ブルーよりも威力が出しやすいことは想像しやすいですね!

 粘着ラバーに注目する場合、重要だと考えているのが、シートとスポンジの硬度差になります。省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジはシートとスポンジの硬度差が少なく限りなく0に近いことがわかります。一方シートが硬くて、くい込ませにくいDignics 05 (ディグニクス05)はシートの方が2°以上硬いことがわかりますね。月ブルーは4°もスポンジの方が硬く、木星2ブルースポンジ約6°もスポンジの方が硬いことがわかります。このようにシートよりもスポンジが硬いラバーというのは抜群の球持ちを示しやすいのが特徴です。球持ちを強く感じやすいので質の高いループドライブがしやすく人によってはバック側でも使うことができるようなラバーになると思います。36°の木星2ブルースポンジも販売されていますので、そちらならバックでも十分使えるのではないかと思いますね。

木星2ブルースポンジの貼りと重量

 Pro-13Sに貼りました。アウターカーボン側に木星2ブルースポンジを貼っています。インナーカーボン側にはDignics 05 (ディグニクス05)を貼りました。

Jupiter II Blue Sponge (木星2ブルースポンジ)
・Sponge Thickness:2.2 mm
・Sponge Stiffness:36°、39°
・3,480円 + 税
・77 g (切断前) → 52 g (Pro-13Sに貼って)

 中国製らしいベタツキのある粘着ラバーでした。最近のドイツ製の粘着テンションラバー、例えばRasanter C53 (ラザンターC53)やOmega VII China Ying (オメガVIIチャイナ影)は、粘着感がないですが、中国製の粘着ラバーはやはりこのベタつきがいいですよね。この辺りは好みが分かれると思いますね。

Jupiter II Blue Spongeの3つの特徴

キョウヒョウブルースポンジのような扱いやすさと質の高いループドライブ!

 木星2ブルースポンジは確かに省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジに似た打球感だと感じました。いわゆる普狂NEO3とは明らかに打球感が異なります。木星2ブルースポンジはいい意味で省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジに近いので、省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジが高くて手が出せないという人にはオススメしたいラバーになりますね!また球持ちがバツグンですので、質の高いループドライブがめちゃめちゃやりやすかったです。他の銀河の粘着ラバーであるVenus Blue Sponge (金星ブルースポンジ)Apollo 5 (アポロ5)は、カチコチしていて、弾きやすい分、スピードドライブで回転をかけにくい感じがありましたが、木星2ブルースポンジはスピードドライブでも回転をかけやすい、まさに省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジに近いラバーだと思います。このあたりはかなり好印象でした。欲を言えば、39°は少しまだ柔らかいので、もう少し硬い方が個人的には好みですし、回転性能や癖のエグさはやはり省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジの方が上ではありました。ただ省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジは高いので、廉価版だと思えば木星2ブルースポンジはかなりありなラバーだと思いました。

キョウヒョウブルースポンジよりもスピードドライブが打ちやすい!

 省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジはやはりキョウヒョウですので、キョウヒョウにあった打ち方をしないと高い性能を活かしきれません。またキョウヒョウはやはりスピードを出すのが難しいラバーですので、どうしてもアウターALC系のラケットにあわせてスピードを補う必要性があるとは思います。この当たりが省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジの難しいところだと思います。木星2ブルースポンジでは、柔らかいこともあって想像以上にスピードドライブが安定しました。このあたりはキョウヒョウよりも楽に打ち込めるラバーだと思います。
 ただしそのスピード性能もキョウヒョウ系ラバーよりはマシというレベルで、スピン系テンションラバーと比べるとどうしてもスピード性能に不満はでやすいのかもしれません。このあたりは好みが大きく分かれる部分ではないかと想像します。できればアウターALC系のラケットなどに貼ってスピードを補う方が、総合的な威力は高めることができるのではないかと想像しますね。やはり中国製粘着ラバーを使おうと思うなら、ラケットはインナーカーボン (インナーカーボンの中でもアウターに近いといわれるHurricane Long V (キョウヒョウ龍V)など)やいわゆるALC系のアウターカーボン (Zhang Jike ALC (張継科ALC)Lin Gaoyuan ALC (林高遠ALC)など)にしないと少しスピード性能に不安が出るかもしれません。

台上もしやすく、まさに優等生的なラバー

 やはり粘着ラバーですので台上の安心感はもの凄くあります。回転にめちゃめちゃ特化したラバーではないものの、スピン系テンションラバーのトップラバーと同程度の回転量は得られますし、省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジの回転量と比較すると見劣りするかもしれませんが、省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジよりも扱いやすいラバーにもなっていますので、まさに優等生的なラバーになると思います。値段も含めて優秀なバランス型的ラバーが木星2ブルースポンジになるでしょう。

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 粘着ラバー的な打感が伝わってきました。ゆっくりボールを打ちたい人にはいいと思います。 

ロングボールやラリーでのドライブ
 スピン系テンションラバーと比べるとおさまりがいい分、スピードは遅いですね。最近の最新のスピン系テンションラバーであるEvolution MX-D (エボリューションMX-D)などと比べるとやはりスピードが遅いです。コシのあるスポンジなので、ぶつけるようにした方が味が出るドライブが打てると思います。

面を開いたドライブ
 やはり中国製粘着ラバーでスピードドライブを打つ時は面を開いて弾くようにしつつ回転をかけた方が打ちやすいと感じました。 

対下回転に対するループドライブ
 非常に質の高いループドライブが打ちやすかったです。省チーム用キョウヒョウNEOIIIブルースポンジの方が浅さやボールの沈みこみ含めた質の高さが得られると思いますが、木星2ブルースポンジでも十分得点のとれる質の高いループドライブが打てると思います。 

対下回転に対するスピードドライブ
 

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 

カウンタードライブ
 

ストップ / ツッツキ
 グリップするので、非常に止めやすかったです。良いですね!

フォアフリック

フォアサーブ
 粘着ラバーなんで巻き込むサーブでも下回転の回転量が得られるのが良かったです。ただサーブ全体として遅くなるので、速いロングサーブの威力や相手のタイミングを外す質については確認した方が良いと思います。 

バックハンド系

軽打
 球は持ちますね!

ロングボールやラリーでのドライブ
 下がるとボールの遅さが際立ちますね。このあたりは自分のバックハンドの技術力にもよるところかもしれません。ただ回転はかけやすいので、安定感は非常にあると思いました。

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック
 シートが柔らかいので少し相手の回転の影響をもろにうけやすいと感じました。

カウンタードライブ 

ツッツキ

チキータ
 めちゃめちゃやりやすいですね。安定感の高いチキータができました。威力 (スピードや回転量)は少し低いかもしれません。

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Hurricane NEO III Blue Sponge > Jupiter II Blue Sponge ≧ Tenergy 05

スピード
 Tenergy 05 > Jupiter II Blue Sponge > Hurricane NEO III Blue Sponge

レビュー Moon Blue(月ブルー)

説明

 今回のレビューは、少しマイナーではありますが、中国メーカーの粘着ラバーのレビューになります。中国というと、紅双喜(Double Happiness Shanghai、DHS)が有名ですが、今回レビューするのは、銀河(YINHEMiky WayGalaxy)のMoon Blue Sponge(月ブルースポンジ)になります!みんなご存知WRMさんで購入しました。メーカー銀河の情報は、軽くググってみましたがあまり得られなかったので割愛させていただきます。銀河は、ラバーの名前に天体の名前を付けるメーカーで他にもアポロや木星、金星、太陽などがありますね。今後月ブルー以外の粘着ラバーも試打していきたいと思っています。

 今回の月ブルーは、なんと中国製の粘着テンションラバーになるそうです。正直いって大きな期待とかなく使ってみたのが本音ですね。触ってみると結構シートが柔らかくて、それでいて粘着力の強いシートでした。

性能値

 調べてみましたが性能表を見つけることができませんでした。今回は硬度比較のみとさせていただきます。

 バタフライのラバーと比較するとやや重たく中国ラバーらしいように感じました。月ブルーは木星IIブルースポンジと同様にシートよりもスポンジの方が硬いラバーでした。やはり、ディグニクス09Cなどと比較しても同等の硬さになりますね。触った感じに大きな差は感じませんでしたが、木星IIブルースポンジと比較すると、打球感は木星IIブルスポよりもさらに柔らかいと感じました。硬度計の測定結果通りでしたね。

月ブルーの貼りと重量

 今回は中国ラバーということでTimo Boll Spirit(ティモボルスピリット)に貼りました。また試打したのはサンプル品の低価格のものになります。金パッケージのものも欲しかったりしますね。

Moon Blue Sponge(月ブルースポンジ)
・Sponge Thickness:2.2 mm
・Sponge硬度:39°
・2,480円 + 税 (サンプル品) / 通常版は2,700円 + 税
・70 g(切断前) → 51 g(ティモボルスピリットに貼って)

 柔らかさは感じましたが中国ラバーあるあるの臭さはありませんでした。また粘着シートの感じは最近のドイツ製粘着テンションと比べるとしっかりとした粘着を感じさせるシートでした。

Moon Blue Spongeの3つの特徴

バックで使える扱いやすさ!

 中国製粘着ラバーということで、初めはフォア側で使ってみました。普段使っているOmega VII China Ying(オメガVIIチャイナ影)と比べるとかなり柔らかく感じました。そこで、バック側でどう感じるか試してみたら抜群に扱いやすくて驚きました。ボールをしっかりグリップするし中陣からでもドライブもしやすく非常に好感触でした。球持ちが非常に良いのでループっぽく入れに行くのもやりやすかったです!

ツッツキがぶち切れ!チキータもど安定!

 この月ブルー、ツッツキが非常に好印象でした。ぶちっと切りにいけてレシーブから上書きツッツキができると感じました。アウターカーボンにはってこのやりやすさは凄いと思います。かなりありではないでしょうか。一発で好きになりましたね。チキータも抜群に安定しましたし、少しでも相手のサーブが台から出ればバックなのにチョリれると感じました。しかもこのやりやすさで価格は3,000円を切るとなると衝撃的でした!

しっかりくい込ませればフォアでも威力抜群!

 オメガVIIチャイナ影やキョウヒョウなどと比べると、やや威力や回転量、癖の少なさを感じはしますが十分フォアでも使える抜群の粘着ラバーでした。もちろんインパクトの強さは必要ですが、与えたエネルギーに比例して重いボールが出せていると感じました。コスパの良い高性能ラバーだと思います!

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に違和感なかったです。柔らかい分、簡単に飛ばすこともできると感じました。

ロングボールやラリーでのドライブ
 強粘着ということもあって粘着ラバーらしさが結構出ると思いました。ボールがやや浅く入るとともにボールも1球1球変化が出ているように感じました。

面を開いたドライブ
 面を開いた方がスピードドライブはうちやすいですね。良いボールが打てました。

対下回転に対するループドライブ
 キョウヒョウと比べるとやや回転量は劣るようにも感じましたが、浅くて低い質の高いループドライブがやりやすかったです。

対下回転に対するスピードドライブ
 くい込みがいいので打ちやすかったです。

カーブ/シュートドライブ
 あまり曲がる印象はありませんでした。

ブロック
 スマッシュなどはとりやすいと感じましたが、ややシートが柔らかい分相手のドライブの回転量の影響は受けやすいと感じました。

カウンタードライブ
 普段アウターカーボンを使っていないということもあってか、オーバーミスがおおくておさまっていませんでした。

ストップ
 グリップするので、非常に止めやすかったです。良いですね!

ツッツキ
 こちらもグリップするので良かったです。

フォアサーブ
 飛び出しにくいので思い切り切ることができました。

バックハンド系

軽打
 軽打はやわらかい分、違和感なく打てると思います。

ロングボールやラリーでのドライブ
 やりやすかったです!もちろん、スピン系テンションラバーと比べればボールは遅くて浅くなりやすいですが、抜群の安定感でした。

対下回転に対するループドライブ
 シートが柔らかいのでボールをよく掴んでくれるので、安定よループドライブができると思いました!

対下回転に対するスピードドライブ
 バックハンドではやや、やりにくかったです。パワー不足なのだ思います。

ブロック
 相手の回転量の影響は大きいと感じました。

ストップ
 これも良かったです!止まりますね!

ツッツキ
 切れますね!良いです!しっかりグリップするので弾いて浮くこともなくて好きな打球感でした!これだけ切ることができるのは面白いですね!

チキータ
 やりやすいですね!素晴らしかったです!

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Hurricane > Moon Blue Sponge ≧ Tenergy 05

スピード
 Tenergy 05 > Moon Blue Sponge > Hurricane

レビュー 970XX-KLC

説明

 中国のメーカー、YINHE(銀河)さんの用具レビュー、2つ目になります!WRMさんで販売されているラケットで、国内販売のラケットの中でもなかなか見かけない上板硬めのインナーラケット、970XX-KLCです。

 このラケット、国内販売されていませんが、WRMさんが対応してくれているようで、しっかりJTTAマークが入っています!公式の試合でも審判に見せずに使用可能になりますね。WRMさんでは、9,000円台で購入可能ということで、平均的なインナーカーボンラケットと同じくらいの値段でしょうか。

 中国の卓球メーカーは染色した上板が多く、どのような素材を使っているのか詳しくないのですが、自分が所有している染色した上板は、やや硬めの打球感だと思います。上板にリンバをもちいたインナーラケットはButterfly(バタフライ)さんのインナーフォースレイヤーシリーズ筆頭に球持ちのあるラケットで現在非常に人気です。インナーフォースレイヤーのラケットと比較すると、やや硬めの打球感になるのが、染色された上板の特徴だと思います。

 詳細な情報はないのですが、この970XX-KLCはDouble Happiness Shanghai(DHS)のHurricane 301(キョウヒョウ301)というラケットをスリムダウンしたようなラケットのように感じました。キョウヒョウ301は、馬龍選手のラケットHurricane Long V(キョウヒョウ龍V)の廉価バージョンのようなラケットで、やや重たくて扱いにくいラケットです。一方、970XX-KLCはキョウヒョウ301と似ていますが、ややブレード面積を狭くし、かつブレード厚さも薄くすることで、扱いやすさを上げたようなラケットだと感じました。ちなみに、キョウヒョウ301について、もう少し補足すると、Hurricane Long V(キョウヒョウ龍V)にかなり似ていて、インナーKLC(?)系ラケットになります。ただし、重量が90 gオーバーでかなり重量級の7枚合板のようなラケットになります。

先ほどから挙げているラケット、および現在katsuo000が見つけた上板硬めのインナーラケット、Tornado King Power(トルネードキングパワー)の比較スペックを示します。

・Hurricane Long V(キョウヒョウ龍V)
 158 × 150 mm、5.9 mm、89 ± g
 Limba(1+7) / Ayous(2+6) / ALC(3+5) / Ayous(4)
・Hurricane 301(キョウヒョウ301)
 158 × 150 mm、5.9 ± 0.1 mm、89 ± 3 g
 Dyed Koto?(1+7) / Ayous?(2+6) / KLC(3+5) / Ayous? Kiri?(4)
・970XX-KLC
 157 × 149 mm5.7 ± 0.1 mm85 ± 3 g
 Dyed Koto?(1+7) / Ayous?(2+6) / KLC(3+5) / Ayous? Kiri?(4)
・Tornado King Power(トルネードキングパワー)

 157 × 150 mm、5.8 mm、88 ± g
 Koto(1+7) /Ayous(2+6) /ALC(3+5) / Ayous(4)

 今回試打した970XX-KLCは、ブレード厚さは5.7 mmとインナーラケットの中でもかなり薄いラケットになりますね。またカーテン打ちの段階から明らかに扱いやすいことを感じました。扱いやすさの中に強い回転量を感じ、これは質が高いボールが打てておさまりのいいラケットだなと感じました。

970XX-KLCの特徴

操作性抜群な上板硬めのインナーカーボン!

 使ってみた感想として一番に感じたのは、キョウヒョウ301やキョウヒョウ龍Vと比較して圧倒的に操作性が高いことでした。この操作性は魅力的だと感じましたね。上述のとおり、キョウヒョウ301やキョウヒョウ龍Vはブレード面積が158 × 150 mmと、Butterfly(バタフライ)がレギュラーサイズと呼ぶ(157 × 150 mm)よりもやや広いんですね。張本智和インナーフォースシリーズはさらに大きい158 × 152 mmともっと広い面積になって、レビューを見ていても、思ったより重いという声もちやほやあるイメージです。
 ラケットを変更する際に、想像以上に影響が大きいのが、ブレード面積の違いだと思いますね。レギュラーのブレード面積のラケットが多いので、そのブレード面積に慣れていると、その面積よりも大きいラケットを握った時に、ラケットの重心の違いに慣れるのに、katsuo000の感覚的には最低でも1か月程度の時間を要するイメージがあります。それくらいラケットのブレード面積は小さな違和感なのですが、その違和感は小さくて修正が難しい印象です。過去にY.Y. Linkの横山友一選手もラケット試打をされている中で、張本智和インナーフォースシリーズのラケットを試打しているときに振り遅れることをおっしゃっていたように思います。この要因はブレード面積の違いが影響しているのではないかと想像します。

 少し余談が長くなりましたが、ブレード面積ってそれくらい微細で大きな影響を与えるブレード面積です。自分はレギュラーのブレード面積に慣れているので、現在メインに使っているVirtuoso AC(ヴィルトーソAC)もややブレード面積が広く、いいラケットなのですが、手を焼いています。一方970XX-KLCは他のキョウヒョウ301やキョウヒョウ龍Vと比べると、ブレード面積がレギュラーサイズに近いので、キョウヒョウ301やキョウヒョウ龍Vよりも明らかに操作性に違和感を感じにくかったです。これは非常にメリットだと思いました。

粘着ラバーとの相性抜群!

 この上板硬めの染色材ですが、中国メーカーが多数ラケットを発売していることからわかるようにめちゃめちゃ粘着ラバーとの相性が良いです。ループドライブの回転量はワンクラス上の回転量になる印象があり、武器になるループドライブがやりやすくなります。またアウターカーボンほど硬くないので、厚くボールを捉えてもボールをラバーにくい込ませつつ回転をかけに行ける感じがあります。粘着ラバーを使いこなしたい、粘着ラバーでループドライブを武器にしたいのであれば、上板硬めの970XX-KLCはかなり良い選択肢になると思います。一方で、自分がメインで使用しているヴィルトーソACや、他の上板が柔らかめのラケット、Reinforce AC(リーンフォースAC)やInner Force Layer ALC(インナーフォースレイヤーALC)にHurricane (キョウヒョウ)などの中国製粘着ラバーをあわせると、ループドライブが棒球になりやすいと感じるかもしれません。キョウヒョウはどちらかというと、アウターカーボンにあわせた方がスピードと回転量が得やすい印象があります。キョウヒョウ龍Vも国家チーム用は、上板が硬いという情報もあります。やはり粘着ラバーを活かすには、上板硬めのラケットの方が良いのでしょう。
 WRMさんは粘着ラバーのラインナップが多く、かつ扱いやすさのある970XX-KLCはかなり、考え込まれた商品の一つだと感じました。つまりWRMさんのラバーを活かしやすいラケットとして970XX-KLCが販売されているのでしょう。もちろん、スピン系テンションラバーを貼っても良さは得られますが、この970XX-KLCを使うなら、粘着ラバーを貼りたくなるラケットだと思います。

バランスの取れた良質かつ安価な良いラケット!

 キョウヒョウ301やキョウヒョウ龍Vと比べると、どうしても尖った特徴、攻撃力は低いと思います。やはり圧倒的なパワーを有する選手が使って初めて活かせるラケットがキョウヒョウ龍Vといっても良いと思いますね。そのパワーがあるのであれば、やはり高級ではありますが、キョウヒョウ龍Vなどを購入すべきでしょう。一方で一般層などで、まだ粘着ラバーも上手に扱えない、だが粘着ラバーを使ってみたいなど、を感じているのであれば、まずは970XX-KLCを試してみることをオススメします。5枚合板の球持ちの良いラケットを使っていて、いきなり中国選手に憧れて、VISCARIA(ビスカリア)やキョウヒョウ龍Vを使おうとするとその難しさに断念してしまう可能性は大いにあると思いますが、この970XX-KLCなら移行用のラケットとして非常にバランスが取れていると感じました。しかも値段も非常にリーズナブルである点は助かると思います。970XX-KLCで粘着ラバーの良さを感じ、もっともっと粘着ラバーにこだわっていこうと感じたのであれば、中国トップ選手の扱うラケットへと移行していくと良いと思います。

おすすめのラバー組み合わせ(あくまでも個人の感想)

フォアラバー

バックラバー

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量

回転のかけやすさ

スピード

飛距離

レビュー PRO-13S(プロ-13S)

説明

 本ブログでは初のレビューになる、中国のメーカー、YINHE(銀河)さんの用具レビューになります!今回のラケットは今までにないラケットです!そのラケットは驚きの片面アウター、もう片面インナーというとても面白い破天荒なラケット、PRO-13S(プロ-13S)になります!!!

 このラケット、国内販売されていませんので、JTTAマークはありません。公式の試合で使用したい場合は、審判に見せて許可を得る必要ありですね汗。katso000は今回、中国取り寄せを行ってくれるネットショップさんに発注しました。値段は8,000円を切る値段で安かったので少し心配でしたが、使えるものが届きましたね。

 片面には特殊素材「ALC」をアウターに組み合わせ、もう片面には特殊素材「KLC」をインナーに組み合わせた構成。違った飛び方、打球感に合わせてフォア面かバック面を選べるラケットになります!学生時代にこんなラケットあったら思わず手に取るよねっていうかなり気になるラケットです。卓球王国ゆうさんによると、片面のブレード設計はもう片面にも影響するので、過去にこの手のラケットは販売されていたけど、廃盤になってしまっていたらしいですね。最近だとXIOM(エクシオン)さんのIce Cream(アイスクリーム)シリーズが有名だと思います。アイスクリームはインナーかアウターで、片面ともう片面で異なる特殊素材カーボンを採用しているラケットですね。今回のプロ-13Sは片面がALCアウターでもう片面がKLCインナーになります。KLCインナーのラケットということですが、上の写真からわかるように染色材が上板にもちいてあるKLCインナーになるんですね。染色剤はインナーでも若干硬くなる印象があります。そこらへんを確認していく試打になりました。

 染色材について触れさせていただきます。上板にリンバをもちいたインナーはButterfly(バタフライ)さんのインナーフォースレイヤーシリーズ筆頭に球持ちのあるラケットで現在非常に人気ですね。一方、染色材の上板はカーボンほどではないものの硬い印象があります。katsuo000は染色材の上板を使ったラケットは、他に2本所有していますが、どちらも中国製になります。1本はHurricane 301(キョウヒョウ301)で、馬龍選手も使用していたやつの廉価盤的なラケットらしいです。キョウヒョウ301はこちらのようなラケットになります。↓

このキョウヒョウ301はHurricane Long V(キョウヒョウ龍V)にかなり似ていて、インナーALC(KLC?)系ラケットになります。ただし、重量がご覧の通り、90 gオーバーでかなり重量級になります。しかも上板に染色材でキョウヒョウ龍Vよりも打球感は硬く感じました。インナーカーボンで球持ちはないわけではないのですが、上板にコト材を使っているような硬さを感じました。つまり、Zhang Jike ALC(張継科ALC)やTimo Boll ALC(ティモボルALC)っぽい打球感なんですね。インナーフォースレイヤーALCが木材とアウターカーボンラケットの中間のようなラケットなら、この染色材をもちいたキョウヒョウ301は張継科ALCとインナーフォースレイヤーALCの中間のような打球感のようなラケットでした。この硬さは好みが分かれる硬さですが、粘着ラバーのよさを出すためには上板は硬い方が回転量が増す感覚が強いので、粘着ラバーにあわせるなら、こういった染色材を上板に採用したラケットがおすすめです。
 もう一本の染色材を上板にもちいたラケットは、先日WRMさんから購入した銀河の970XX-KLCになります。こちらは、キョウヒョウ301をスリムダウンしたようなラケットで、キョウヒョウ301をフォルティウスFTとすると、970XX-KLCはフォルティウスFT REのようなラケットに感じました。↓が970XX-KLCになります。

実際、使いやすさがあって良いラケットでした。上のキョウヒョウ301とこちらの970XX-KLCもその内レビューさせていただきますので、少々お待ちくださいね。本記事のプロ-13Sとブレードの比較を下記に示します。

・Pro-13S(プロ-13S)
 157 × 150 mm、6.0 ± 0.2 mm、87 ± 3 g
 Koto?(1) / ALC(2) / Limba?(3) / Kiri?(4) / KLC(5) / Ayous?(6) / Dyed Koto?(7)
・Hurricane 301(キョウヒョウ301)
 158 × 150 mm、5.9 ± 0.1 mm、89 ± 3 g
 Dyed Koto?(1+7) / Ayous?(2+6) / KLC(3+5) / Ayous? Kiri?(4)
・970XX-KLC
 157 × 149 mm、5.7 ± 0.1 mm、85 ± 3 g
 Dyed Koto?(1+7) / Ayous?(2+6) / KLC(3+5) / Ayous? Kiri?(4)

 今回試打したプロ-13Sの方が、ブレード厚さは厚く、攻撃的ですね。またカーテン打ちの段階から確かにアウター側とインナー側で打球感が異なるのも感じました。ただし、他のアウターカーボンやインナーカーボンと比べるとやや打球感の違いがぼやけているようにも感じましたね。

Pro-13Sの特徴

 今回アウターALC側をフォアに、インナーKLC側をバックにして試打しました。中国では、インナーKLC側にキョウヒョウなどの粘着ラバ―、アウターALCをバック側に使う、という方が一般的かもしれません。

同じラケットなのにアウターALC側は確かに硬くて飛距離が出やすく、インナーKLC側は、球持ちがあって飛距離が抑えられている!

 同じラバーを貼っても、アウターALC側かインナーKLC側かで打球感はかなり異なりました。自分は下手なバック側で顕著に異なり、やはりアウターALC側だと球を持つ前に球が離れてしまう感覚が強かったです。一方で、インナーKLC側ではしっかりボールをグリップできている感じがありました。しかもインナーKLC側の方が飛距離も抑えられる感じがありました。不思議なラケットですが、狙い通りフォアは威力とスピードの出しやすいアウターALC、バックは球持ちを感じやすいインナーKLCというないものねだりがラケット側で調整できました!この時点でかなりテンションがあがりましたね! 

中途半端感はないわけではない

 まだ完全に比較はできていませんが、張継続ALC、Reinforce AC(リーンフォースAC)と比較すると、まさにその中間的な感想になりました。つまり

フォアの満足度: 張継科ALC(◎) > プロ-13S(〇) > リーンフォースAC(△)
バックの満足度: リーンフォースAC(◎) > プロ-13S(〇) > 張継科ALC

ということです。威力や回転量は張継科ALCを使ったときが最も高いと感じました。逆にリーンフォースACだとバックは使いこなせますが、フォアの威力が減少気味と感じておりました。フォアもバックも合格点を出しつつ、得意な技術(katsuo000の場合フォア)側は威力が出せて、苦手な技術(katsuo000の場合バック)側はなんとか入れることに徹することができる、という今までにない選択肢をラケットで提案しているわけですね。面白いと思います。 

個人的には理想的なラケット!

 現代卓球は両ハンド化が著しいです。しかし選手は、フォアとバックで上達スピードも異なると思います。フォアとバックで上達スピードは異なるのに同じラケットをもちいてしまうと、どうしても下手な方に合わせる結果になりやすいと思います。今回のプロ-13Sは得手・不得手の技術にあわせて面を選ぶことができるので、ラケットやラバーのジレンマを解消してくれる選択肢の一つとなるでしょう。

おすすめのラバー組み合わせ(あくまでも個人の感想)

フォアラバー

バックラバー

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

面を開いたドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

フォアフリック

バックハンド系

軽打

ロングボールやラリーでのドライブ

対下回転に対するループドライブ

対下回転に対するスピードドライブ

カーブ/シュートドライブ

ブロック

カウンタードライブ

ストップ

ツッツキ

チキータ

他ラケットとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量

回転のかけやすさ

スピード

飛距離