レビュー Rakza XX (ラクザダブルX)

説明

 卓人に親身なイメージの強いYasaka (ヤサカ)さんから、2023年春、最新ハイエンドラバー、Rakza XX (ラクザXX)が発売となりました!早速試打しましたので、レビューしていきます!Yasaka (ヤサカ)さんといえば、春のMark V (マークファイブ)に、やはりコスパの高いRigan (ライガン)やRakza (ラクザ)シリーズになりますね。katsuo000も評価させていただき、Rakza Z Exta Hard (ラクザZエキストラハード)Rakza Z (ラクザZ)Rakza X (ラクザX)Rakza 7 (ラクザ7)など、レビューページも好評です!また極めて高コスパの中級者向けラバー、Rigan Spin (ライガンスピン)も好評いただいてますし、katsuo000もお気に入りのラバーの一つですね。2023年はButterfly (バタフライ)さんからGlayzer (グレイザー)およびGlayzer 09C (グレイザー09C)が発売となり市場への影響は大きいと思いますが、是非Yasaka (ヤサカ)さんには卓人に寄り添うメーカーとして頑張ってほしいと思ってます。そして、Rakza XX (ラクザXX)についてになります!まずはパンフレットなどからRakza XX (ラクザXX)の説明になります。

シリーズ最高峰の攻撃力
 ラクザXXは従来よりも気泡が大きく変形しやすい新スポンジを採用。これにより従来よりもハードなスポンジでありながらも打球時にはボールをしっかりと食い込ませることが出来るため、安定して高い威力のボールを生み出すことが出来る。このスポンジとテンションを最大限にかけた高いグリップ力を持つトップシートを組み合わせることで強烈なスピンとスピードを兼ね備えた、打ち合いで負けないトップ選手のためのラバーです。

 ヤサカが今回新たに開発したRAKZA XXはハードながらも気泡が大きく変形しやすい新スポンジを採用。この新しいスポンジにより打球時には従来よりもボールが掴みやすくなり、エネルギー伝導性も高くなるためより威力のあるボールを安定して放つことが可能になった。また従来のRAKZAシリーズと同様に天然ゴムを主体とした高いグリップ力を持つトップシートと組み合わせる事により、高い回転力や安定性を保ちながらも驚異的なスピード性能を発揮します。ラクザXXで勝利を掴め!

2023年Yasaka (ヤサカ)パンフレットおよびラバーパッケージより

 近年、andro (アンドロ)さんのEnergy Cell (エナジーセル)搭載のRasanter R53 (ラザンターR53)発売以降、ドイツ製ハイエンドラバーはメイドインジャパン世界標準Tenergy 05 (テナジー05)のスプリングスポンジに酷似する、硬いのに食い込みの良い最先端スポンジが搭載されるようになりました。この最先端スポンジを採用されているとkatsuo000が睨んでいるラバーは
 andro (アンドロ)
 ・Rasanter R53 (ラザンターR53)
 ・Rasanter R48 (ラザンターR48)
 ・Rasanter R45 (ラザンターR45)
 ・Rasanter C53 (ラザンターC53)
 ・Rasanter C48 (ラザンターC48)
 cornilleau (コニヨール)
 ・Target PRO XD-52.5 (ターゲットプロXD-52.5)
 ・Target PRO XD-47.5 (ターゲットプロXD-47.5)
 Donic (ドニック)
 ・Blue Storm PRO (ブルーストームPRO)
 ・Blue Storm PRO AM (ブルーストームPRO AM)
 ・Blue Star A1 (ブルースターA1)
 Joola (ヨーラ)
 ・Dynaryz AGR (ダイナライズAGR)
 ・Dynaryz ACC (ダイナライズACC)
 STIGA (スティガ)
 ・DNA Platinum XH (DNAプラチナXH)
 ・DNA Platinum H (DNAプラチナH)
 ・DNA Platinum M (DNAプラチナM)
 ・DNA Platinum S (DNAプラチナS)
 TIBHAR (ティバー)
 ・Evolution MX-D (エボリューションMX-D)
 ・Evolution EL-D (エボリューションEL-D)
 ・Evolution FX-D (エボリューションFX-D)
 VICTAS (ヴィクタス)
 ・V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)
 ・V>22 DOuble Extra (V>22ダブルエキストラ)
といったところになります。おそらくXIOMさんのラバーも適用されているのですが、それ以上にシートや硬度を大きく変更しているようなのでわからないです。本ページに戻って、Yasaka (ヤサカ)さんのRakza XX (ラクザXX)の発売によって各メーカーのハイエンドラバーとして、だいたい出そろった感じではないかと思いますね!あとはもっと軟テンションや中間硬度、廉価版、Nittaku (ニッタク)のFastarc G-1 (ファスタークG-1)に次ぐラバー、などが発売になるかもしれませんが、上述のラバーは価格、打球感は似てきていると思いますし、個人的にはかなり団子な性能になってきていて、想像しやすいと感じています。このドイツ製のスプリングスポンジに酷似したスポンジ技術搭載のラバーの中でも注目は、ドイツ製の特徴のあるシートとの組み合わせですね。Tenergy 05 (テナジー05)のシートはグリップ力の強い太目の粒を組み合わせていて、シートそのものは透明でやや軟らかい印象のあるものを使用しています。極めて酷似していてTenergy 05 (テナジー05)を明らかに意識しているDNA Platinum XH (DNAプラチナXH)とは対照的に、差別化をはかるために、Evolution MX-D (エボリューションMX-D)Rasanter C53 (ラザンターC53)では、シート設計にそれぞれ味を出そうとしていることがうかがえて、特徴的で無二なラバーを実現していました。用具マニアとしては楽しい部分を有したラバーだったと感じます。今回のRakza XX (ラクザXX)でも、Rakza X (ラクザX)の継承しているネーミングで、Rakza X (ラクザX)で採用している硬めのノンスリップシート (NSS)のような硬めのドイツ製シートと類似のものを採用しているのであれば、Evolution MX-D (エボリューションMX-D)のようなラバーに仕上がっているのではないかと期待をして試打に臨みました。練習パートナーにも簡単に試打していただきましたが、やはり値段相応で、Glayzer 09C (グレイザー09C)を抑えて一番好感触と評されたのはRakza XX (ラクザXX)でしたね!

ラクザXXの性能

SpinSpeedControlSponge StiffnessPriceMade in
Rakza XX13+12-9-47 ~ 526,800Germany
Rakza Z Extra Hard14+11-952 ~ 576,000Germany
Rakza Z14+11-947 ~ 526,000Germany
翔龍 (Rising Dragon)13+10+947 ~ 524,500China
輝龍 (Shining Dragon)13+101045 ~ 504,500China
Rakza X13+111045 ~ 506,000Germany
Rakza X Soft1410+10+40 ~ 456,600Germany
Rakza 71411945 ~ 505,500Germany
Rakza 7 Soft14+11-9+37 ~ 425,500Germany
Rakza 913+11+8+40 ~ 455,500Germany
Rigan Spin13-10+11-40 ~ 454,200Germany
Rigan12+10+1140 ~ 454,000Germany

 シリーズ最高のスピード性能になっていますね!特に旧ドイツ製のスピン系テンションラバーであったRakza (ラクザ)シリーズはどちらかというと、マッドな打球感があり、打ち方や力の入れ方の違いで球がばらつきつつも安定感があるラバーシリーズでした。特にマッドな打球感によってボールのスピードは体の使い方から感じるものよりもやや遅い印象は確かにありました。その分、木材系のラケットと組み合わせることで高い安定感とボールのばらつきを感じさせるシリーズでした。最近契約満了となってしまいましたが、神巧也選手がRakza X (ラクザX)Rakza 7 (ラクザ7)を使用して 全国大会上位入賞を果たしていることから高い性能は折り紙付きです。Rakza XX (ラクザXX)Rakza X (ラクザX)の高いスピン性能を継承しつつ安定感のあるスピードが発揮できるようなラバーに仕上がっていそうですね。

硬度計比較

WeightShore aShore aShore cShore cSheet-SpongeSheet Sponge
gSheetSpongeSheetSpnoge(shore a)(shore c)
Rakza XX5131.527.942.340.63.61.8
Dignics 09C5033.431.850.849.11.61.7
Dignics 054834.331.350.048.22.91.8
Tenergy 054732.226.844.643.35.41.3
Rozena4831.429.342.438.85.53.7
Rigan Spin4730.125.142.840.95.01.9
Rakza X5027.824.741.339.33.21.9

 硬度を比較すると、Rakza XX (ラクザXX)は、ちょっと硬めのTenergy 05 (テナジー05)と表現しても良さそうですね。ぶっちゃけ、そう思って使用しても良いくらい高い性能のラバーに仕上がっていました。Tenergy 05 (テナジー05)にこだわるなら、重量ぐらいだと感じるほどですね。

Rakza XXの貼りと重量

 Yasaka (ヤサカ)さんのラケット、Alnade Inner (アルネイドインナー)に貼りました。

Rakza XX (ラクザXX)
・Sponge Thickness:厚、特厚 mm
・Speed: 12-
・Spin: 13+
・Control: 9-
・Sponge硬度:47~52 °
・6,800円 + 税
・51 g (Alnade Inner (アルネイドインナー)に貼って)

 やはりやや重たいですね。シートはRakza X (ラクザX)のような曇り系でした。もちろん値段もシリーズ中最も高いですが、それでもTenergy 05 (テナジー05)と比べると実売で2,000円程度安く、コスパの良さは健在です!

Rakza XXの3つの特徴

Tenergy + Rakza X = Rakza XX !

 中陣からのフォアドライブで感じました、予想通りの弾力と打球感!まさにTenergy 05 (テナジー05)のような打ち心地でした。食い込んでそこからボールが離れた時の回転量の乗り方とボールの伸び方はかなり気持ちが良くてエネルギー効率の高さを感じさせるものでした。そしてややシートが硬い!この硬い感じはRakza X (ラクザX)を彷彿とさせるものでした。硬度計で計測した結果、シート側-スポンジ側硬度差がやや低めの値になったこともうなずけました。このラバーはスプリングスポンジに酷似するドイツ製最先端スポンジと硬めRakza X (ラクザX)採用の曇り系シート (ノンスリップシート NSSに類似のもの)を組み合わせたラバーがRakza XX (ラクザXX)といえるでしょう!ボールはややそろいやすいかもしれませんが、マッド感はなく気持ちよく打球するとボールはしっかりと回転量を得てのびのびとボールが伸びていく、そんなラバーになっていました。強いて言うなら、Tenergy 05 (テナジー05)よりでTenergy 80 (テナジー80)のような弾きやすさも有したマニュアルラバーだと思います。

硬いのに食い込みがいいから抜群の安定感と気持ちのいい打球感!

 Rakza X (ラクザX)にあったマッドな打球感はまったくなく、簡単に食い込むのでボールに安定感を感じました。サーブを出すときにはやや弾みが良すぎてボールが浮きやすいとも感じましたが、それだけイキイキとしたラバーなのだと思います。このラバーであれば、木材系でもあうと思いますが、癖や球質の変化よりも安定感のあるラリー志向で、インナー系カーボンラケットやアウター系カーボンラケットのほうがあうと思います。自分があわせるのであれば、Ma Lin Carbon (馬林カーボン)やMa Lin Hard Carbon (馬林ハードカーボン)、Reinforce AC (リーンフォースAC)などのインナーカーボンラケット、また廃盤になってしまいましたが、Viscaria (ビスカリア)を意識したAlnado (アルネイド)などとあわせることをオススメします。

V>20ダブルエキストラよりも攻撃的でドイツ的!

 説明でも触れましたが、ドイツ製最先端スポンジを搭載しているだろうラバーが現在乱発されていて、値段も様々でどれを選ぶべきか迷う状況だと思います。本記事を書いている現在で最も安く、ドイツ製最先端スポンジ搭載ラバーを買おうと思うとV>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)が、5,005円の実売価格でした。Rakza XX (ラクザXX)V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)に次ぐ5,236円で、日本一売れていたFastarc G-1 (ファスタークG-1)Hammond Z2 (ハモンドZ2)と同じ実売価格でした。V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)やNittaku (ニッタク)のスピン系テンションラバーと比較すると、Hammond Z2 (ハモンドZ2)より大人しい分安定感のあるドイツ系のテイストをもったスピン系テンションがRakza XX (ラクザXX)だと感じました。V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)は、ここで挙げられたラバーと比較するとかなり大人しいと感じると思います。自分ならバックにV>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)、フォアにRakza XX (ラクザXX)やHammond Z2 (ハモンドZ2)を選びたいと思いますね。V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)では安定はするものの攻撃力を不足すると感じるならば、Rakza XX (ラクザXX)がオススメになりますね!

各技術レビュー

フォアハンド系

軽打
 特に違和感なかったです。硬さも全然感じませんでした。人によっては、Rakza Z (ラクザZ)Rakza X (ラクザX)などよりも軟らかさを感じるかもしれません。

ロングボールやラリーでのドライブ
 やはり中陣からのボールは心地よい食い込みを感じますね。しっかりと食い込んでから飛び出るので、しっかりとボールを掴んで回転を掛けてから飛ばしている感じがあります。ドライブの伸びも、食い込ませば食い込ませるほど、伸びているように感じました。Dignics 05 (ディグニクス05)Dignics 09C (ディグニクス09C)のような上に伸びるような癖球はわかりませんでしたが、十分ドライブの伸びを感じられると思います! 

対下回転に対するループドライブ
 いいですね、シートだけに食い込ませるようにドライブするとエグイ回転量が得られます。Tenergy 05 (テナジー05)を彷彿とさせるようなドライブが打てると思います。硬度的にはTenergy 05 Hard (テナジー05ハード)とも比較をしたくなりますよね。katsuo000のイメージではドライブの回転に特化したいのであればTenergy 05 Hard (テナジー05ハード)が一番良いですが、その分、インパクトも求められるイメージです。一方扱いやすさと安定感を求めるのであれば、V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)がずば抜けていて扱いやすく、バックでもループドライブがしやすいと思います。ループドライブはセンスと腕が求められますが、その分キレのある回転量が得やすいのが、Rakza XX (ラクザXX)になると思います。というのも、シートがやや硬いので、あまりスイングが手だけで遅いと、球離れが早い分、回転がかからず、早くスイングするとゆっくりで浅いループドライブが難しくなるためですね。このあたりは近年のディグニクスシリーズを使いこなすうえで、一つのポイントにもなるところだと思います。自分のループドライブの打ち方にあったものを使うことをオススメします。

対下回転に対するスピードドライブ
 食い込みがいいので、Rakza X (ラクザX)よりも打ちやすいと思います!面を開いたほうがより食い込みので、自分は打ちやすいと感じました。

ブロック
 個人的にブロックはやりやすかったです。V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)もどちらかというと、ブロックがやりやすいラバーでした。ドイツ製最先端スポンジ搭載のラバーは、Tenergy 05 (テナジー05)よりも相手の回転の影響を受けにくいため、全体的にブロックはやりやすいと思います。この辺りからも、ラリーが増えてきている近年の卓球ではTenergy 05 (テナジー05)よりも、ドイツ製最先端スポンジ搭載のV>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)Rakza XX (ラクザXX)の方がオススメしやすいと思います。

カウンタードライブ
 カウンタードライブもブロック同様にやりやすかったです。V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)もやりやすかったですが、Rakza XX (ラクザXX)もやりやすくてよかったですね。

ストップ
 シートがしっかりグリップするのでやりやすかったです。

ツッツキ
 切れていい感じでした。硬度以上に食い込みがいいので、短くとめるよりも飛び出しが良いと感じました。Yasaka (ヤサカ)ラバーですので、重めのRakza XX (ラクザXX)をはればより止めやすいと思います。

フォアサーブ
 印象として、硬度以上に弾むイメージでしたので、薄めにあてるイメージのほうが切りやすいと思います。

バックハンド系

軽打
 バックでも打感がいいですね!

ロングボールやラリーでのドライブ
 下がってもボールをグリップしてくれるので、ドライブをかけやすかったです。Rakza X (ラクザX)では、硬いのでグリップできるように少し横をとらえるようにしたりインパクトを強くする必要がありますが、Rakza XX (ラクザXX)は食い込みがあるので、ゆっくりあわせるように打球しても回転をかけやすかったですね。

対下回転に対するループドライブ
 ループドライブは安定していました。Dignics 05 (ディグニクス05)は食い込ませると飛距離が出やすいので球を持つ感覚も重要なのですが、Rakza XX (ラクザXX)はそこまで気にしなくても安定してドライブができました。回転量は並みだと思います。

対下回転に対するスピードドライブ
 身体の回旋を利用するイメージで打つことで安定したスピードドライブがやりやすかったです。 

カーブ/シュートドライブ
 食い込ませるほど曲がるイメージです。

ブロック
 フォア同様にやりやすかったです。

ストップ
 Rakza X (ラクザX)と同類のシートで、しっかりグリップするので、非常にやりやすかったです。

ツッツキ
 弾むので少しプッシュ気味のツッツキもやりやすかったです。

チキータ
 チキータはとてもやりやすかたですね。食い込みが良いからだと思います。 

他ラバーとの比較(あくまでも個人の感想)

回転量
 Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)Rakza XXV>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)

スピード
 Hammond Z2 (ハモンドZ2)Rakza XXV>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)

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