考察

Hurricane (キョウヒョウ)の素晴らしさ

 Hurricane (キョウヒョウ)、たくさんの種類がある中、このページでお話させていただくHurricane (キョウヒョウ)はDouble Happiness Shanghai (紅双嬉、DHS)製のHurricane (キョウヒョウ)にフォーカスして記述させていただきます。最近、Hurricane (キョウヒョウ)の良さを再認識したり、語りたいなーと思うことがあったので、このような記事を書きたいと思いました。それではDHS製Hurricane (キョウヒョウ)について語らせていただきます。

中国トップの長年の相棒!そして王道チャイラバ!

 中国トップ選手が長年変わらぬ信頼を向けるラバー、それがHurricane (キョウヒョウ)ですね。男子シングルスで世界選手権三連覇、ワールドカップ2回優勝、オリンピック2回優勝、のMa Long (馬龍、中国)選手は、フォアバック両面にHurricane (キョウヒョウ)を使っています。そしてMa Long (馬龍、中国)選手がフォアバック両面にHurricane (キョウヒョウ)を選んで以降、若手選手含めて、中国選手は両面Hurricane (キョウヒョウ)の選手ばかりになりました。なぜそこまで長く愛用されるのか。何故、未だにトップ選手が愛用するのか、は正直、katsuo000ごときにはわかりません (汗)。高い信頼と実績が、選手たちの信頼を勝ち取っているのでしょう。

 日本のトップ選手では驚くほど、Hurricane (キョウヒョウ)の使用者を確認することができません。最近では日本大学の加山選手が両面Hurricane (キョウヒョウ)を使っているそうですが、2024年全日本選手権ランカーに名前を刻んだ選手の中でHurricane (キョウヒョウ)を使っている選手は、おそらく女子の早田選手のみだと思われます。このことと、過去に水谷隼さんが後加工に対する批判をしたこと、の2点をあわせると、おそらく中国トップ選手は後加工をしていること、そして後加工をしないとトップでは通用しないということが予想されます。過去には木下グループの大島祐哉選手も使うことを検討した時があったようなのですが、残念ながら継続には至らず、そのまま使うのではやはりスピードが足りないようですね。

 本記事では、一般卓人が使うレベルの話であり、そのレベルなら後加工なくても十分使えること、そして、後加工を推進したりする記事ではないことをあらかじめ申し上げます。

 今までにkatsuo000がレビューさせていただいたHurricane (キョウヒョウ)は以下のとおりです。
Hurricane NEO III Blue Sponge (省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)
Hurricane NEO II (普狂NEO2、40°、2.2 mm)
Hurricane NEO III (普狂NEO3、41°、2.2 mm)

Hurricane = 高い回転性能と弾まないラバー

 Hurricane (キョウヒョウ)の特徴といえば、とにかくまずは高い回転性能、そして弾まないことですね。スピードだけであれば、日本製ラバーの方が高いものはいくつもあります。中国という国では日本製ラバー、スピン系テンションラバーの世界標準であるTenergy 05 (テナジー05)でもスピード系のラバーと表現されるそうです。確かに確かに卓球という競技は、スピードや飛距離を競うのではなく、相手のコートにボールをおさめなくちゃいけない協議で、そういう意味ではスピードや飛距離を出すことは重要ではないですね。Hurricane (キョウヒョウ)はとにかく高い回転性能、そして弾まないことが特徴のスペシャルラバーだと思います。
 中国トップ選手は後加工しているのでしょうが、イメージとしては高い回転性能にスピードを補う意味で後加工をしているのでしょう。DHS製の粘着ラバーではペン型の選手用にSky Line (天極)という粘着ラバーもあります。このSky Line (天極)はHurricane (キョウヒョウ)よりも弾むとされるラバーで、ペン型はシェイクハンド型よりも手首と回旋運動を効かせることができるため回転を強くかけられ、従ってSky Line (天極)のように弾む粘着ラバーを使うということですね。中国トップのシェイク型選手は必ずHurricane (キョウヒョウ)を使用します。これはやはりスピードではなく回転が重要だからでしょう。

 Hurricane (キョウヒョウ)の特徴の1つとして、シートがスポンジよりも軟らかいことがあります。こういったシートの柔らかさを特徴とするラバーは、粘着ラバーではみられるものの最近のスピン系テンションラバーでは少ない特徴になりますね。シートが柔らかいと球持ちは硬度以上に良くなります!この球を持つ、という特徴は現代卓球ではどんどん重要になってきていると思いますが、Hurricane (キョウヒョウ)は20年以上前からその特徴をもって生まれてきたラバーになるわけですね。シートが柔らかい分、スポンジを極めて硬い仕様にすることで、高い回転性能と球持ちを具備したラバーになりますね。

 近年のプラボールへの移行、そして、プラボールがさらに硬くなり、またNittaku (ニッタク)製の抗菌クリーンボールのようなボールへと移行してきた結果、ボールの回転量はどんどん減って、一般層でもかなりラリーが続くようになったと感じています。ラバーの回転性能の改善よりもボールの硬質化と変化の方がやや早い気がしていますね。余談ですが、回転をかけるドライブ型よりも影響が大きいのは異質型かもしれません。異質型はさらに変化が得られずなかなか勝ちにくい環境になったのではないかと感じます。個人的に伊藤美誠選手がなかなか勝てていない理由の一つに、ボールの変化があると感じますね。
 ボールの変化は、トップ選手はもちろん、一般層にも強く影響していると感じます。その一つがループドライブの質ですね。ボールが硬く抗菌加工される前では、ループドライブは回転量さえあれば、カウンターを受けることはあまりなかったと感じます。一方ボールが硬く抗菌加工された後は、高いループドライブもカウンターを受けまくるようになったと感じています。Timo Boll (ティモボル)選手のプレイのようにループドライブはネットスレスレで浅く打たないといけなくなりました。低く浅くループドライブできないとたちまちループドライブもカモにされてしまいますね。低く浅いループドライブを最も打ちやすいラバーの一つがHurricane (キョウヒョウ)でしょう。この理由は回転性能が高くて、弾まないからですね。
 ループドライブ以上に一般レベルで使用していて嬉しいことは、レシーブになります。チキータやループドライブも良いですが、それ以上にツッツキがよく切れるので、多少浮いてもツッツキで得点が取れるんですよね。弾まないので思い切り切っても収まるところも助かります。Hurricane (キョウヒョウ)は本当に回転で点数を稼げるラバーだと思います。そして弾まないからこそ、最近使っていて感じるのが、ブロックの安定感ですね。ブロックのときにかけ返せてアクティブブロックすると相手の3球目ドライブなどがある程度安定して返せることに最近気づきました。あの安定感は、ブロックを一つの戦術に盛り込めると感じる素晴らしさだと思います。カウンター性能も重要ですが、それ以上にブロックが安定させられる、Hurricane (キョウヒョウ)には、そう感じさせる性能があり、盾として使えるラバーだと思います。ツッツキ、そしてブロック。この2つを備えるラバー、それがHurricane (キョウヒョウ)でしょう。

どのグルーで貼るべきか

 中国のナショナルチームが公式に使用するグルーはNittaku (ニッタク)製のFine Zip (ファインジップ)になりますね。このこともあって、Fine Zip (ファインジップ)の特用500 mlを購入して何度かHurricane (キョウヒョウ)を貼ったことがあります。Fine Zip (ファインジップ)はトロトロ系あるいはネバネバ系のグルーで、他のグルーと比べても厚くなりやすく、簡単に重くなるグルーですね。何度かこのグルーを使ってHurricane (キョウヒョウ)や他のラバーを貼ったことがありますが、Fine Zip (ファインジップ)の特徴は厚い層を作ってラケット全体を重くでき弾みを与えてくれる一方で、回転性能が落ちる印象があります。Fine Zip (ファインジップ)を使うことで、Hurricane (キョウヒョウ)の弾みを補うためにFine Zip (ファインジップ)を使うのはありかもしれません。ただし、複数回塗るとかなり重くなるので、このあたりは自己責任での対応をお願いしたいです。
 個人的にHurricane (キョウヒョウ)を貼る上でオススメのグルーはFree Chack II (フリーチャック2)になりますね。トロサラ系のグルーで安定して最低限のグルーの量で接着でき、かつラバーの高い回転性能を損なわないグルーになります。Free Chack II (フリーチャック2)ならほとんどHurricane (キョウヒョウ)の重量を重くせずにしっかり接着することができるでしょう。

一度は使ってみたいラバー!Hurricane (キョウヒョウ)

 日本だけでなく世界中が中国卓球を注目し、その中心にはHurricane (キョウヒョウ)という特徴あるラバーが長い時間君臨しています。やはり卓人なら一度は手にしたくなるラバーでしょう。このラバーを一度でも手にしてみるなら、今回の記事が参考になるのではと思います。どうぞご参考ください。

Dignics 05 (ディグニクス05)の難しさと魅力とは

最先端にして新「世界標準」!

 日本トップ選手が選ぶDignics 05 (ディグニクス05)について、結構使い込みましたので改めて深堀するような記事を書きたいと思い立ちました。今や、張本智和選手、戸上隼輔選手、中国選手を脅かす中華台北の林昀儒 (Lin Yun-Ju)選手と現日本男子のトップ選手から世界トップ選手までが使用するラバーであり、Tenergy 05 (テナジー05)の「世界標準」から新たな新「世界標準」と呼ばれるべきラバー、それがDignics 05 (ディグニクス05)ではないかと思います。トップ選手が使用することから、ラバーの性能は折り紙付きであることは明らかですが、一般卓人にとっては、扱いが難しいことでも結構有名なラバーではないかと思います。なぜ難しいのか、を表現するのは容易ではないですが、katsuo000が感じたことについて、綴らせていただければと思います。

Dignics 05はミート系の技術は向いていない

 まずDignics 05 (ディグニクス05)を使うときに気をつけるべきポイントは、ミート系の技術に向いたラバーではないことです。もちろんセンスのある方は関係ないのかもしれませんが、少なくともミート系で使おうとするとボールが暴れる、とkatsuo000は感じました。フォアで使っていたとき、あまりにも弾むのでミート気味に使って中陣から強打しようとしたことは何度かありますが感覚のあるフォアでも安定しませんでした。ドライブのときよりもボールの飛距離が出すぎてオーバーミスすることが多く、オーバーを意識して低く打つとネットに直撃しました。ディグニクス系のラバーはとにかくボールの弾みが尋常ではなくて、まさに「グルーしたような」レベルの弾みを示してくれます。しかしながら、その分扱いが本当に難しいと思いますね。ただ弾むだけであれば感覚があればある程度感覚でおさめられるかもしれませんが、昨今流行りの板薄のラケットを使うとラケットがしなるので、ボールのスピードや回転にも左右されやすくて、余計にミートには向かないなーと感じました。これが木材系の板厚ラケットやカーボン入りの板厚ラケットであると、ミートの感覚も変わってくると思いますが、板薄ラケットにあわせるとミートは神業的なレベルに至っているように思います。そしてミートで使うならもっと別の選択肢もあるようにも思いますね。相手の回転の影響を受けにくいラバーの方がミートには適していてやりやすいと感じるでしょう。例えばDignics 64 (ディグニクス64)などがやはり直線的でミート打ちには期待が持てると思います。このラバーでミートをするのはやはり個人の感想ではありますが、ロビングに対するスマッシュを除いて、ラバーの良さを引き出しにくい結果になると思います。

Dignics 05の打球感は球持ちを感じにくい?

 打球感覚についてがやはりトップ選手でも使用する人と使用しない人を分ける部分ではないかと想像している部分になりますね。正直初めて使うときは、球を持つくらいしっかりくい込ませようとしても、くい込ませる分弾みも強くなりやすいので「球を持つ」前に飛び出してしまうような打球感で球持ちを感じづらいと思います。この球持ちを感じにくいという点がトップ選手の人には難しいと感じさせるのではないかと勝手に想像している部分ですね。一方で無二のラバーでもあり、使いこなせるのであれば中国選手にも必殺のラバーになるようで、それを体現しているといえるのが張本選手や林昀儒 (Lin Yun-Ju)選手だと思います。

Dignics 05は回転をかけドライブするためのラバー

 では、Dignics 05 (ディグニクス05)はどのような技術にもってこいなのか、それはやはり回転をかける技術で非常に優れた性能を示すラバーだと思います。ただし、これも上手な人が使って初めて使いこなせるラバーだと思います。フォアで使っていたときも使い方を掴むために相当打ち込みんで、回転をかけることでスピードドライブが安定すると感じたときに初めて良いと感じました。そのドライブのためには相当なインパクトと準備が必要で大きなラリーなら魅力的ですが、レシーブや台上ではやはり難しさの方が目立つとも感じました。練習のやりこみでもちろん使いこなせるかと思いますが、やはりレシーブはオーバーミスが目立ちとにかく悩まされましたね。難しい要因はとにかく弾むことで、弾むのでボールが引き込めるときは上書きでなんとかおさまりが良いのですが、台上のボールになると引き込みにくくて上書きが難しくなる印象です。ツッツキやストップ、チキータなどの技術含めて小手先ではなく、少なくとも体幹を使って身体で打つようなイメージで初めて安定感が得られるようなラバーだと思いますね。レシーブなどは特に小手先で打とうとしてしまう部分が自分にはあり、また身体を使いすぎると角度を間違えるとオーバーが増えてしまい、ということで難しいと感じました。良いときは本当に良いのですが、良いボールとして相手コートに入るときとミスするときが紙一重のような状態で、やはり練習でいい状態を維持しないといけないと感じさせられました。

Dignics 05は唯一無二のドライブが打てるラバー

 もちろんめちゃめちゃ良いときはとことん良くて、フォアドライブ、バックドライブやチキータ、ツッツキ、ストップもかなり回転がかかって、卓球の質が一段あがるような素晴らしいラバーだと思います。特に前・中陣からネットスレスレのスピードドライブがガンガン打てて、めちゃめちゃ安定する、そんなイメージがあります。良いときはとことん良いラバーであるのは間違いないです。特にエグいのがブロックやかけ返し、カウンターなどで、感覚がついてくるようになるとかなりやりやすいと感じると思います。感覚にもよりますがブロック系は、やはりあまりミート気味に当てると落ちやすく、しっかりボールを持つような、ナチュラルに回転をかけるような打ち方が安定感が出るのですが、その感覚を得るまでにkatsuo000はかなり時間がかかったと思います。ブロックに回ってもやり返せる、ある意味盾でもあり矛にもなる、後の先を狙える最強無二のラバーではないかと思います。相手のドライブに対してもボールを持つことでかけ返し系のブロックやカウンターもやりやすくて安定すると感じると思います。このあたりもまさにドライブや回転をかけることに非常に適したラバーであることを感じさせるラバーだと思いますね。使いこなした時のラリーの安心感やエグさは無二のラバーであり、そのパフォーマンスは中国選手も恐怖するレベルなのだと個人的には思います。

Dignics 05をオススメする選手はどんな選手か?

 使いこなせるかどうかのポイントの最後の部分は、非常識なまでにラケット角度を寝かして、ラバーを信じて?あるいは感覚を信じて?ドライブ回転をかけに行けるかどうか、にかかっているような気がします。チキータに行くときなども相当寝かせるイメージです。katsuo000の言葉で申し上げると、どこまでラバーを信じられるか、「絶対落ちるでしょ?」って角度で打って入ってしまうのがDignics 05 (ディグニクス05)というラバーだと思います。

 個人的にオススメする選手は、長くこのラバーと付き合おう、と思える選手だとkatsuo000は思います。やはり非常識なボールが入るようなラバーなのでその感覚、センスをすぐにつかめる天才的な方は別でしょうが、基本的には慣れて扱えるようになるまで、相当の時間を要すると思います。若手であればやはり練習時間を確保できる選手になると思いますし、ハマると良いですがハマるまでに時間がかかってしまうと大きな大会でコケる原因にもなるかもしれませんので、相当な覚悟を持って挑戦した方が良いと思います。一般の選手では返球がやはり速くなるので両ハンド選手にオススメしたくて、回り込みを多用する選手には中・後陣のラリーが得意かどうかが一つの分岐点ではないかと思います。練習量が確保できる人であるなら、今のボールが何故入ったのかわからなくても気にしなくて、こうすれば入るということを掴んだらあまり色々考えずに練習のように試合で打てる人には向いているのかもしれません。練習量を確保できないのであれば、今のボールが何故入ったのか、その理由をとにかく追求して、その感覚を掴むところまで付き合いできるかどうか、分岐点になるかと思います。是非使うのであれば覚悟と根気を持って付き合うようにしてほしい、そんなラバーになると思います。

 魅了されるような唯一無二の性能を持つが、「暴れ馬」と称されるような扱いにくさがあり、火傷や大けがをする人も出てしまう、男の浪漫のような魅力をもったラバー、それがDignics 05 (ディグニクス05)だと思います。新「世界標準」であり、「唯一無二」であり、扱う人によっては「暴れ馬」とも称されてしまうようなラバー、Dignics 05 (ディグニクス05)。katsuo000から最後に手に取る方には「是非楽しんで、そして卓球という魅力にまた魅了されて。」という言葉を贈りたいです。

2023年版 球持ちの良いスピン系テンションラバーランキングトップ5!

回転性能 ≠ 球持ちの良いラバー!

 最近強く感じることは、ラバー性能が格段に上がっていること、そして、シートの硬いラバーが増えたことです!このシートの硬さというのが、現代卓球において、非常に重要になってきているようにkatsuo000は感じております。シートは硬すぎず柔らかすぎず、まさにバランスが要求されます。硬すぎるとインパクトを強くしないとくい込まないので、思ったような回転がかからなかったりします。逆に柔らかすぎると、最大の回転量はやや下がるし、相手の回転の影響も強く受けるようになります。このようにシートはラバーのキーマテリアルとなってきました。また昨今の卓球用具では、ラケットへラバーをあわせるのではなく、ラバーを選んでラバーにあうラケットを選ぶという考え方も増えてきました。それくらいラバーが主役となりつつあるということです。
 そこで本ページでは、改めて球持ちに特化したラバーについて、独断と偏見でランキングしていきたいと思います。基本的には、スポンジよりもシートの方が柔らかいラバーが球持ち抜群といえると考えています。実はそういったラバーは、Hurricane NEO III Blue Sponge (省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)などの粘着ラバーに多いです!ただしこのページではあくまでも、スピン系テンションラバーにこだわって取り上げていきたいと思います。回転性能ではなく球持ちの良いラバーたちを、初めに各社のブランドから1枚選びつつ、最後にトップ5を示させていただきます。それでは確認していきましょう!

Butterfly (バタフライ)

Tenergy 05 series (テナジー05シリーズ)

・Tenergy 05 (テナジー05)
・Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)
・Tenergy 05 FX (テナジー05FX)

 このラバーはやはりシリーズでランクインだと考えました。やはり球持ちを議論する上で世界標準、Tenergy 05 (テナジー05)シリーズは外せませんよね。硬度も、HardからFXまであってレベルや技量にあわせて選ぶことができますね。抜群の球持ちと回転量、そしてバランスの取れた弾み、と今だ世界標準のテナジー05シリーズは、一度は通るラバーとなっているかもしれません。ラバーが多いと言っても、このラバーは一度は試すラバーになってしまったといっても過言ではないくらい、最も標準的なラバーになりますね。

VICTAS (ヴィクタス)

V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)

 VICTASさんからは最新ラバーの1つ、V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)を挙げます。このラバーは非常に球持ちが良いラバーになっていますね。スプリングスポンジのように硬度のわりに食い込ませやすいスポンジを搭載し、バックハンドでも使いやすいラバーになっています。しっかりボールを掴むのに、シートがやや曇り系で硬く、VICTASラバーらしいカウンターのやりやすさのあるラバーに仕上がってますね。やや寿命が短いようですが、キャンペーンなどで5,000円台で購入可能なラバーというのも良い点ですね。正直フォアもバックも迷ったらこのラバーを使うというのはアリだと思いますね!

Nittaku (ニッタク)

Fastarc G-1 Max (ファスタークG-1マックス)

 やはりこのラバーも外せません!日本一売れているラバー、G-1です。個人的にはスポンジ厚さが一番厚いMaxが一番ボールを持ちやすいと感じました。特厚でも、食い込みが良すぎてラケットの芯に当たっている感じが強く感じたんですよね。シートは粒太目の球持ちを強く感じるものなので、このラバーで感じない人はいないはず、という感じです。しっかりボールが沈んでくれるので思い切り振ることができますし、初期のドイツ製ラバーということで、ボールの回転量が結構変化が出るため、慣れないと取りにくいと思います。一方でG-1使用者側はドイツ製ラバーらしくなれるとあまり相手の回転の影響は受けにくいという試合に勝ちやすさを持ったラバーになっていますね。自分が使うならフォアだと思いますが、未だに売れている名ラバーだと思います。

Yasaka (ヤサカ)

Rigan Spin (ライガンスピン)

 Yasaka (ヤサカ)さんからは、Rakza (ラクザ)シリーズのラバーではなく中級者用のRigan Spin (ライガンスピン)を挙げさせていただきます。人によってはRakza X (ラクザX)Rakza XX (ラクザXX)を推す人もいらっしゃると思います。katsuo000もかなり迷いました。Rakza X (ラクザX)はフォアで使えば非常に球を持てるのですが、Non Slip Sheet (NSS)はやや硬く、またドイツ製ラバーらしさもあって硬いラバーなので、バックやインパクトが弱い人にとっては難しいラバーではないかと思います。Rakza XX (ラクザXX)はスポンジが最新のものとなってくい込みも良くなってかなり球持ちを感じやすくなって良いラバーなのですが、シートが若干Rakza X (ラクザX)よりで硬くドイツ製らしさもあって今回は見送りました。コスパ、抜群の球持ち、ハイエンドラバーに負けない回転量と、3拍子揃うRigan Spin (ライガンスピン)をここは選ばせていただきました。このラバーは個人的にはかなり推してます。ただし寿命はやや短いので、しっかりラバーケア (粘着シートなどで酸素との接触をなるべくなくすようにする、埃をさけるなど)をすることをオススメします。NittakuのシートよりもButterflyさんのシートがオススメですかね。やや重たいラバーではありますが、Rigan Spin (ライガンスピン)を是非ぜひ試してみてほしいです!

andro (アンドロ)

Rasanter R53 (ラザンターR53)

 andro (アンドロ)さんからは、Rasanter R53 (ラザンターR53)を選ばせていただきました。Rasanter C53 (ラザンターC53)などはかなりスピン系テンションラバーに近いといえば近いのですが、Cのシートは一応微粘着シートということで外しています。R53は食い込みがめちゃめちゃ良くて非常に球持ちを感じるラバーになっています。それでいて、他のラバーにはない、「荒れ」たドライブが打てるラバーでもあります。個人的にはフォアに使ってこそ活きるラバーではないかと思いますが、かなり強烈なラバーでありオススメですね。個人的にはC53よりも個性的で木材系のラバーにもバッチリあう、なかなかないラバーだと思います。C53は強烈な弧線は出しやすいですが、あまりボールが荒れなかったのが残念といえば残念でした。andro (アンドロ)はやはりR53だと思います!

DONIC (ドニック)

Blue Storm Pro (ブルーストームPRO)

 DONIC (ドニック)さんも近年、かなり万人受けする球持ちの良いラバーが増えました。Blue Star A1 (ブルースターA1)は高いですが、かなりいい粘着ラバーでしたし、今後のラバーもかなり注目しています。そんなDONIC (ドニック)さんから選んだラバーは、Blue Storm Pro (ブルーストームPRO)になりますね。このラバーはかなりいいラバーですね。Rasanter R53 (ラザンターR53)をよりTenergy 05 (テナジー05)に近くして、軽くして扱いやすくしたイメージのラバーですね。非常に回転量豊富なドライブとボールの伸びがあるラバーです。隠れた良いラバーですので、興味あれば是非手に取ってほしいラバーですね。

cornilleau (コニヨール)

Target PRO XD-52.5 (ターゲットPRO XD-52.5)

 このラバーもややマイナーなラバーですが、かなりいいラバーですね。ドイツの新スポンジ発売後すぐに発売されたラバーで、高いですが、丁度良い食い込ませやすさと回転量でした。気になる人は是非ぜひ使ってほしいですね。回転量を求めつつ前にスイングしたい人にオススメしたいラバーになっています!

Joola (ヨーラ)

Dynaryz AGR (ダイナライズAGR)

 やや古いラバーになりますが、Joola (ヨーラ)さんからは、Dynaryz AGR (ダイナライズAGR)を挙げさせていただきます。やや食い込みが強く弾みのあるラバーではありますが、球持ちは抜群にあるラバーですね。

STIGA (スティガ)

DNA Platinum XH (DNAプラチナXH)

 このラバーもシリーズで紹介できるならシリーズで紹介しても良いくらい、球持ち抜群の良いラバーだと思いますね。STIGA (スティガ)さんからはDNA Platinum XH (DNAプラチナXH)を挙げさせていただきます。このラバーは、もうドイツ製Tenergy 05 (テナジー05)といえるくらい、Tenergy 05 (テナジー05)に近いラバーです。じゃっかん、DNAプラチナXHの方が重かったりしますが、価格が高い分性能も折り紙付きの素晴らしいラバーですね。

TIBHAR (ティバー)

Evolution MX-P (エボリューションMX-P)

 古いラバーではありますが、未だに使用者の多いラバー、TIBHAR (ティバー)からEvolution MX-P (エボリューションMX-P)を挙げさせていただきます。このラバーは、ドイツの新技術が出来上がる前にTenergy 05 (テナジー05)を目指して作ったラバーではないかと思います。非常に打球感が気持ちいいラバーですね。しっかりボールを持ちます。やや古い分、やや回転量が弱いと感じましたが、今でも十分使えるラバーだと思いますね。

XIOM (エクシオン)

Vega Tour (ヴェガツアー)

 XIOM (エクシオン)からは、Vega Tour (ヴェガツアー)を挙げます。食い込みが良く、45°の中間硬度ともいえるスポンジに、柔らかめのシートを合わせつつも、ツアーを冠するだけあって非常に高性能なラバーになっています。ボールを持ちすぎるのと柔らかいため、オーバーミスが増えやすいラバーではありますが、球持ちは抜群に感じること、この上ないラバーだと思います。

球持ちランキング

 それでは、katsuo00の独断と偏見のつまった、球持ちランキングは以下のとおりになります!参考になるかわかりませんが、楽しんでいただければ幸いです!

5位: Rigan Spin (ライガンスピン)

4位: V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)

3位: Blue Storm Pro (ブルーストームPRO)

2位: Tenergy 05 series (テナジー05シリーズ)

・Tenergy 05 (テナジー05)
・Tenergy 05 Hard (テナジー05ハード)
・Tenergy 05 FX (テナジー05FX)

1位: DNA Platinum XH (DNAプラチナXH)

 1位は最新のDNA Platinum XH (DNAプラチナXH)としました。もう、正直Tenergy 05 (テナジー05)シリーズと同率1位だと思いますが、やはり進化も大切、ということでDNA Platinum XH (DNAプラチナXH)を1位にしました。いいラバーが増えたのはいいのですが、ドイツ製ラバーは高くなってしまいました。個人的には、V>20やライガンスピンがオススメラバーになりますね~。

流行のドイツ製ラバー比較 ~スピード~

 ランキング形式での評価ページは、閲覧いただけることが多いですね。もう少し増やしていきたいと思います!ドイツ製ラバーは、スピード特化のテンションラバーはほぼないです。どのラバーも高い回転性能を持たせつつ、スピードに特徴があるようなラバーが多い印象です。Butterfly (バタフライ)さんのBryce Highspeed (ブライスハイスピード)のようなラバーはほぼないと思います。従ってスピード性能の高いラバーだからといって、回転がかからないということは全くありません。粘着ラバーや粘着テンションラバーにも注目が集まっていますが、スピードで圧倒するのも一つの勝ち方だと思いますね。

現代はドイツ製ラバー (ESN社)だらけ!

 ドイツ製ラバーというのは、ほぼラバー製造メーカーであるESNという会社が製造しています。andro (アンドロ)、DONIC (ドニック)、Joola (ヨーラ)、STIGA (スティガ)、TIBHAR (ティバー)、XIOM (エクシオン)と挙げ出したらキリがないくらい、ESN社はラバーを製造しているそうです。おそらく、VICTAS (ヴィクタス)やYasaka (ヤサカ)、Nittaku (ニッタク)のラバーも製造していると思われます。日本では、ほぼほぼESN vs Tamasu (タマス) (Butterfly)という図式になってきているのだと思いますね。世界的には中国のDHS (Double Happiness Shanghai、紅双嬉)が、本場中国で君臨していますし、他の中国製ラバーも質が上がってきているので、今後新たに台頭してきそうなのは、中国のマイナーブランドかもしれません。ただ、世界的には、試合会場でみるラバーの大半はドイツ製ラバー ≒ ESN社ラバーであるといえるでしょう。

・ESN社の求人情報 (卓球王国): https://world-tt.com/blog/news/archives/25622
・ESN社のホームページ: https://www.esn-tt.de/en/home

 ではでは、そのドイツ製ラバーについて、最新トレンドのラバーを回転、スピード、コントロール、総合の観点で独断と偏見でランキングしてみたいと思います。なお今回の考察では、粘着ラバーは外して、スピン系テンションラバーで考察していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

勝手にエントリー ~各ブランドの最新ラバー~

 まず、各ブランドの最新ラバーを勝手にエントリーしました。

・andro (アンドロ):
  Rasanter R53 (ラザンターR53)
  Rasanter R48 (ラザンターR48)
  Rasanter C53 (ラザンターC53)
  Rasanter C48 (ラザンターC48)
・DONIC (ドニック):
  Blue Storm PRO (ブルーストームPRO)
・Joola (ヨーラ):
  Dynaryz AGR (ダイナライズAGR)
・cornilleau (コニヨール):
  Target Pro XD-52.5 (ターゲットプロXD52.5)
・STIGA (スティガ):
  DNA Platinum XH (DNAプラチナXH)
・TIBHAR (ティバー):
  Evolution MX-D (エボリューションMX-D)
  Quantum X Pro (クァンタムXプロ)
・Victas (ヴィクタス):
  V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)
  V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)
・XIOM (エクシオン):
  Vega X (ヴェガX)
  Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)
  Jekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイド V52.5)
  Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)

 まだ内部リンクのないラバーは試打できておりません。試打出来たら更新していきたいと思います。

スピード

1位 TIBHAR (ティバー): Evolution MX-D (エボリューションMX-D)

 回転量ではDNA Platinum XH (DNAプラチナXH)でした。スピード部門は、ダントツでMX-Dですね!このMX-Dの凄いところは、スピン系テンションラバーらしさをもちながらスピード性能が高いことで、強調したい点としてスピードの出るラバーなのに、台上がしっかりおさまり浮きにくい点にあると思います。むしろ台上は攻めの姿勢で回転をしっかりかけたり、スピードツッツキができるようなラバーですね。これは硬めのシートにスポンジ硬度も51.5°とハードなためだと思います。やや扱いにくさはありますがその性能はまさにドイツ製Dignics 05 (ディグニクス05)だと思います。しっかり回転をかけると強い回転がかかり、Tenergy 05 (テナジー05)なみにかかります。それでいて明らかにTenergy 05 (テナジー05)よりも走ります。これぞスピン系テンションンラバーといえる一枚だと思いますね。特に上回転ラリーに強いラバーでカウンター性能も高く、その性能はまさにDignics 05 (ディグニクス05)に近いラバーだと思います。Dignics 05 (ディグニクス05)なみの性能となれば、コスパ最高ですが、ややDignics 05 (ディグニクス05)の方が回転性能は高いと思います。ドイツ製ラバーの中でもオススメのラバーの1枚です!

2位 Joola (ヨーラ): Dynaryz AGR (ダイナライズAGR)

 続いてランクインしたラバーは、Joola (ヨーラ)さんのDynaryz AGR (ダイナライズAGR)です。このダイナライズAGRは、知名度が低いラバーですが、高性能なラバーでTenergy 05 (テナジー05)なみの回転性能をもちながら、攻撃的なドライブがガンガン打てるラバーになっています。少し台上が浮きにくい印象はありましたが、ラリーに強いポストテナジーラバーの1枚だと思います。やや高いですが性能は高い1枚です!

3位 DONIC (ドニック): Blue Storm PRO (ブルーストームPRO)

 第3位はドニックさんのBlue Storm PRO (ブルーストームPRO)です。このラバーもめちゃめちゃ回転かかります。個人的には、かなりいいラバーで、インハイ王者の鈴木颯選手が使用するBlue Storm Z1 Turbo (ブルーストームZ1ターボ)よりも好みなラバーです。Z1ターボは弾力のあるもちもちラバーでハードヒットして回転がかかるやや古いドイツ製ラバーらしさのあるラバーになります。弧線が低くカウンターしやすい一方でどうしても回転性能が低い点がきになりました。ブルーストームPROはブルーストーム系のラバーの中でも抜群の高い回転性能を持つラバーで、非常に良いラバーでした。硬度もそこまで硬いと感じるラバーではないので、非常にオススメです。テナジーらしさがあり、まさに最近流行のドイツ製テンションラバーらしいラバーだと思います。ドニックというラバーで他人とは違いを出したい方にオススメですね!

4位 andro (アンドロ): Rasanter R53 (ラザンターR53)

5位 XIOM (エクシオン): Vega X (ヴェガX)

流行のドイツ製ラバー比較 ~回転量~

現代はドイツ製ラバー (ESN社)だらけ!

 ドイツ製ラバーというのは、ほぼラバー製造メーカーであるESNという会社が製造しています。andro (アンドロ)、DONIC (ドニック)、Joola (ヨーラ)、STIGA (スティガ)、TIBHAR (ティバー)、XIOM (エクシオン)と挙げ出したらキリがないくらい、ESN社はラバーを製造しているそうです。おそらく、VICTAS (ヴィクタス)やYasaka (ヤサカ)、Nittaku (ニッタク)のラバーも製造していると思われます。日本では、ほぼほぼESN vs Tamasu (タマス) (Butterfly)という図式になってきているのだと思いますね。世界的には中国のDHS (Double Happiness Shanghai、紅双嬉)が、本場中国で君臨していますし、他の中国製ラバーも質が上がってきているので、今後新たに台頭してきそうなのは、中国のマイナーブランドかもしれません。ただ、世界的には、試合会場でみるラバーの大半はドイツ製ラバー ≒ ESN社ラバーであるといえるでしょう。

・ESN社の求人情報 (卓球王国): https://world-tt.com/blog/news/archives/25622
・ESN社のホームページ: https://www.esn-tt.de/en/home

 ではでは、そのドイツ製ラバーについて、最新トレンドのラバーを回転、スピード、コントロール、総合の観点で独断と偏見でランキングしてみたいと思います。なお今回の考察では、粘着ラバーは外して、スピン系テンションラバーで考察していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

勝手にエントリー ~各ブランドの最新ラバー~

 まず、各ブランドの最新ラバーを勝手にエントリーしました。

・andro (アンドロ):
  Rasanter R53 (ラザンターR53)
  Rasanter R48 (ラザンターR48)
  Rasanter C53 (ラザンターC53)
  Rasanter C48 (ラザンターC48)
・DONIC (ドニック):
  Blue Storm PRO (ブルーストームPRO)
・Joola (ヨーラ):
  Dynaryz AGR (ダイナライズAGR)
・cornilleau (コニヨール):
  Target Pro XD-52.5 (ターゲットプロXD52.5)
・STIGA (スティガ):
  DNA Platinum XH (DNAプラチナXH)
・TIBHAR (ティバー):
  Evolution MX-D (エボリューションMX-D)
  Quantum X Pro (クァンタムXプロ)
・Victas (ヴィクタス):
  V>20 Double Extra (V>20ダブルエキストラ)
  V>22 Double Extra (V>22ダブルエキストラ)
・XIOM (エクシオン):
  Vega X (ヴェガX)
  Jekyll & Hyde H52.5 (ジキル&ハイド H52.5)
  Jekyll & Hyde V52.5 (ジキル&ハイド V52.5)
  Jekyll & Hyde Z52.5 (ジキル&ハイド Z52.5)

 まだ内部リンクのないラバーは試打できておりません。試打出来たら更新していきたいと思います。

回転量

1位 STIGA (スティガ): DNA Platinum XH (DNAプラチナXH)

 回転量はこのラバーだと思います!DNAプラチナXH!このラバーは大人しさはあるからこそ、ドライブの回転量としっかり相手のコートに入ってくれるという安心感の高いラバーだと思います!テナジー05派の方へ、やや重いですが類似の打球感と寿命の点で長いのは、こちらのDNAプラチナXHをオススメしたいと思います。05ハードのハードなスプリングスポンジから放たれるドライブの威力と回転量と比較してしまうと、DNAプラチナXHはスピード系のラバーのように感じるかもしれませんし、少し物足りなくなるかもしれません。もうポストテナジーラバーは、テナジーと並んだといえるでしょう!まずドイツ製ラバーを手に取るなら、このDNAプラチナシリーズのラバーで少し硬度硬めを選ぶことをオススメしますね!

2位 andro (アンドロ): Rasanter C53 (ラザンターC53)

 最新ラバー、C53がランクインです。このラバー、話題性がありましたね。自分自身の印象としては、2位にランクインです。明らかにR53のラバーよりもシートが硬くて素材も変わっているように感じました。粒形状が台形であるために、思ったよりもくい込んで思ったよりも硬いラバーと感じました。一応微粘着で発売されていますが、katsuo000は勝手にスピン系テンションに入れてしまってます、というのは、粘着テンションラバーのように力いっぱい振ってもおさまるラバーというよりも、Maxスピードで打つとおさまらない、と感じたためですね。台形の粒形状のために、やや慣れが必要なラバーになっていると思います。個人的には台形の粒形状のために、回転性能もスピード性能も中途半端になっているようにも思いました。ただこの台形の粒形状のために無二なラバーにもなっていると思います。ディグニクスのような扱いにくさはあるものの、ディグニクスよりもおさまるラバー、それがC53だと思います。回転性能はもちろん折り紙つきで、ループドライブ主戦の人にとってはR53よりも好みなラバーだと思います!

3位 cornilleau (コニヨール): Target Pro XD-52.5 (ターゲットプロXD52.5)

 回転量というよりもバランスの良いラバーとしてランクインしていると思われるのが、コニヨールのターゲットプロXD52.5になります。このラバーは使っている人が少ないですけど、めちゃめちゃ良かったです。一時期、元卓球王国のゆうさんが、このラバーの硬度を下げたターゲットプロXD-47.5を裏面に使用されていたみたいですが、やはりいいんですよね。このターゲットの新シリーズは非常に良くて、R53をより日本人好みにしたようなラバーがターゲットプロXD52.5というイメージです。つまりボールをつかむんですね。しっかり掴んで、放してくれる印象です。XD-47.5はやや大人しいですが、XD52.5は他のハイエンドラバーと全く遜色ないです。知名度であまり使われていないですが、このラバーを使っている人はわかっているなー!(上から目線ですみません m(_ _)m)と思いますね!回転量が想像以上にかかっているという意味で高い回転性能を持っていると思いました。扱いやすさもあるラバーなので、DNAプラチナXHC53が難しいならこちらのラバーをオススメしますね!

4位 andro (アンドロ): Rasanter R53 (ラザンターR53)

5位 DONIC (ドニック): Blue Storm PRO (ブルーストームPRO)

6位 Joola (ヨーラ): Dynaryz AGR (ダイナライズAGR)

2022/5月 ラバーレビューのPVランキング

ブログの醍醐味!PV数でラバーを評価!

1位: Dignics 09C(ディグニクス09C)

2位: DNA Platinum XH(DNAプラチナXH)

3位: Hurricane NEO III Blue Sponge(省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ)

4位: Vega X(ヴェガX)

5位: Fastarc G-1(ファスタークG-1)

6位: Tenergy 19(テナジー19)

7位: Q5(キューファイブ)

8位: Rasanter R48(ラザンターR48)

9位: Dignics 80(ディグニクス80)

10位: Evolution MX-P(エボリューションMX-P)

11位: Rakza X(ラクザX)

12位: Evolution MX-D(エボリューションMX-D)

となっています。この順位、気づくと結構変化しているので、驚きます。記録を兼ねて記載させていただきました。MX-Dが12位ですが、今年一年で伸びそうな気がしています。一方で09Cと省チーム用のキョウヒョウの人気は高いという印象ですね。今後どのように変化するのか、楽しみです。

卓球王国 2022年6月号 -その3-

松平健太のゼロストップ Vol.2 からの考察

 5月号に続き、技術特集で、松平健太選手の台上技術が取り上げられています。5月号では、所属のTT彩たまのユニフォームでしたが、6月号では契約したてのTIBHAR(ティバー)ユニフォームになっており、複数日で撮影されたのではないかと思われます。

 今回初の技術特集について、katsuo000は記事として取りあげたいと思いました。考察ポイントは回転へ準ずるか反するか、になります。

 松平健太選手は、言わずも知れたトップ選手であり、キング水谷隼選手がいなければ日本卓球界をトップで牽引していても何ら違和感のない選手だと思います。水谷選手という驚異的な天才がいたから松平健太選手がかすんでしまいますが、やはり松平健太選手も天才と言われた選手です。水谷選手に世界卓球で勝利した張本選手も、2018年のブルガリアOPで松平健太選手に辛酸をなめています。そんな松平健太選手の技術はまさに教科書と言っても良いと思うのです。

 そんな松平健太選手の台上ストップ技術について、特集されていました。特に違和感なく拝読させていただきました。よくよく読み返していて、気になったのはトップ選手のストップは基本的には相手の回転に反する(相手の回転に逆らう)角度でラケットを出して相手の回転を抑え込む、ということです。katsuo000が指導を受けたものと同じものだと感じました。従って例えば、右利きの順回転系の横上回転サーブに対しては、相手の回転を受けるとボールは右へ飛んでしまうので、ラケット角度はフォア側を向けるようにしてとらえるということです。この捉え方をすると相手の回転の影響をもろに受けやすいですが、それ以上の角度でしっかりボールを制御してあげるわけですね。この当たりの角度が試合で出せるのが、まさにトップ選手なのだと思います。自分は試合では横はわかっても下の強い横なのか、上の強い横回転なのか、判断に迷うときは往々にしてあります。こういったサーブに対しても的確に判断して横下回転ならこの角度、横上回転ならこの角度、と考えてストップできるのですから、トップ選手は凄いなーと思います。自分は下ならストップまたはツッツキにいきますが、横上とわかったんらストップではなく、フリック気味に払ってしまいますね。結構ストップをするのはリスキーなイメージです。しかも回転に逆らう面で角度を出すので、角度次第でミスやチャンスボールになりやすいのも、この返球方法だと思ってしまいます。ただ、ストップという技術は基本的には相手の回転に対し逆らうようなラケットの出し方で角度を調整するのが正しい、というのがkatsuo000の理解ですね。

 katsuo000は回転に順ずる角度の出し方、もレシーブの1手段として悪くない、場合によっては効果的という認識です。そのメリットの一つとしては、ボールの反発が少なく浮きにくい、相手が取り慣れていないこともある、といった点が挙げられると思います。回転に順ずるというのは、上回転のボールをカットするとか、右利き順横回転に対して、同じ回転をかけるように返球する、などですね。ただしトップ選手がストップにおいて、回転に順ずる面を出さないのは、恐らくコントロールがしづらいといった点があるのではないか、というのが今回の松平健太選手の台上ストップから、考察した点でした。特にトップ選手のストップは打球点が非常に早く相手の時間を奪う点もあるため、その打球点でストップを決めるには、やはり回転に対して反する角度で相手の回転を抑え込むのが良いのでしょう。Y.Y Link(ワイワイリンク)の横山選手/コーチもストップの動画を多くYou tubeなどで挙げてますが、やはり回転に反する面を出しますよね。上回転系のボールにはラケット角度をやはり立てて、切り落とすようにストップしています。やはりストップは回転に反する角度で行うものなのでしょう。

 全日本選手権を経験しているコーチにも伺ったことがありますが、相手の回転に対し順ずるボールが打ちにくいかどうかでいうと、全然嫌ではなく、打ち込めるとおっしゃっておりました。むしろ飛んでこないことが多いので、その時に打ちにくいと感じる程度だそうです。自分は一般の試合で、普段なれていない回転に順ずる返球で試合を崩された経験があったので、聞いてみた次第でしたが、トップ選手はそんなことはないようですね。おそらく、トップ選手は、どんな回転のボールでも自分の回転にして相手のコートに入れる打ち方を理解しているので、回転のことにそこまで捕らわれることはないのかもしれません。むしろ回転を意識しすぎて返球が遅くなるほうが致命的なのかもしれませんね。

Comparison of high-end rubber from each manufacturer Weight edition

Compare side by side!

This time it will be the rubber weight. It seems that you have seen it a lot, and it will be one of the popular pages of this blog. Rubber is a rubber product, and it is said that individual differences occur even with rubber of the same thickness and color. It does not take the mean or standard deviation. I’m not sure because it’s just a note of the weight of the rubber that katsuo000 purchased. Even if there are individual differences, I think that it will be a certain index, so I would appreciate it if you could refer to it. m (_ _) m

By Brand

The standard high-end rubber from each manufacturer basically weighs around 48 g. Except for the front soft rubber, if the back soft rubber is lighter than 48 g, it will be easier to feel the rotation performance and energy loss. The heavier the rubber, the harder it is and the more likely it is to get a mad shot feeling! It doesn’t mean that it should be heavy, but I would like to comment on the rubber that attracts attention in each weight range, and the rubber that is easy to handle for its weight and has high performance!

ポストテナジー中、1番最初に追い抜いた!? Rasanter!

ENERGY Knows No Limits! / 無限の可能性に気づくはずた!

 andro(アンドロ)さんの看板ラバー、ラザンター!その中でもトップ選手用のラバーでドイツ基準53°とラザンターの中で最も硬い硬度を有するラバーがRasanter R53(ラザンターR53)になります。R53はEnergy Cell(エナジーセル)という最先端技術をスポンジに採用し、高い回転性能と球持ちを実現したラバーになります。キーフレーズは「ENERGY Knows No Limits! / 無限の可能性に気づくはずだ!」になります。フランスのファンタジスタ、Simon Gauzy(シモンゴーズィ)選手が両面で使用し、中国のシュシン選手に勝利しました!この事実はどんな説明よりも強力な宣伝効果があったといえるでしょう!

 そしてR53と同じエナジーセル技術を採用したラバーとして、硬度を落としたRasanter R48(ラザンターR48)およびRasanter R45(ラザンターR45)がその後に発売されました。これらのラバーも評判は良く、何といっても卓球王国のゆうさんが「R48はテナジーのようなラバー」とYou tubeで述べたのは大きい宣伝効果があったと思います。実際、katsuo000も同様に感じており、R53およびR48の回転性能はテナジー05以上に容易に達していて、ドイツ製のポストテナジーラバーの中でも先んじて抜き出てきたラバーだと思います。R48とR45のキーフレーズは「For the PRO Inside You! / あなたを覚醒させる!」になります。

ラザンターの公表性能値と硬度比較からわかる特徴

公表性能値&公表スポンジ硬度

・Rasanter R53(ラザンターR53)
 Spin:125、 Speed:118、 Control:87    ラバー重量:52 g
・Rasanter R48 (ラザンターR48)
 Spin:124、 Speed:119、 Control:89    ラバー重量:48 g
・Rasanter R45 (ラザンターR45)
 Spin:123、 Speed:117、 Control:91
・Rasanter R50 (ラザンターR50)
 Spin:122、 Speed:120、 Control:80    ラバー重量:51 g
・Rasanter R47 (ラザンターR47)
 Spin:121、 Speed:119、 Control:85    ラバー重量:49 g
・Rasanter V47 (ラザンターV47)
 Spin:119、 Speed:121、 Control:88    ラバー重量:48 g
・Rasanter R42 (ラザンターR42)
 Spin:119、 Speed:116、 Control:93    ラバー重量:47 g
・Rasanter V42 (ラザンターV42)
 Spin:116、 Speed:119、 Control:96
・Rasanter R37 (ラザンターR37)
 Spin:117、 Speed:112、 Control:97

・Tenergy 05(テナジー05)
 Spin:11.50、 Speed:13.00、 スポンジ硬度:36(Butterfly基準)、ラバー重量:47 g

 ラザンターシリーズは名前がそのまま硬度ですのでわかりやすいですね。スピード性能は実はV47が最も高くなっています。メーカー公表値は、ラバーのスピン性能やスピード性能をメーカーの意向にそって反映している部分もあるのかもしれませんね。R53はスピード以上にボールの荒れ方、伸びは非常に魅力的ですし、R48はR50以上に扱いやすさのあるラバーです。katsuo000としては次の硬度計の比較結果の方がわかりやすいのではないかと感じました。

硬度計比較

・Rasanter R53(ラザンターR53)
 硬度計評価 shore a (sheet):34.0、 shore a (sponge):29.9
       shore c (shhet):47.0、 shore c (sponge):45.3
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 4.1
・Rasanter R48 (ラザンターR48)
 硬度計評価 shore a (sheet):31.5、 shore a (sponge):25.3
       shore c (shhet):39.6、 shore c (sponge):36.0
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 6.2
・Rasanter R45 (ラザンターR45)
・Rasanter R50 (ラザンターR50)
 硬度計評価 shore a (sheet):33.3、 shore a (sponge):28.3
       shore c (shhet):45.4、 shore c (sponge):44.6
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 5.0
・Rasanter R47 (ラザンターR47)
 硬度計評価 shore a (sheet):28.4、 shore a (sponge):25.3
       shore c (shhet):42.3、 shore c (sponge):40.8
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 3.1
・Rasanter V47 (ラザンターV47)
 硬度計評価 shore a (sheet):27.8、 shore a (sponge):26.3
       shore c (shhet):40.3、 shore c (sponge):39.8
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 1.5
・Rasanter R42 (ラザンターR42)
 硬度計評価 shore a (sheet):24.3、 shore a (sponge):22.1
       shore c (shhet):36.3、 shore c (sponge):34.0
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 2.2

・Tenergy 05(テナジー05)
 硬度計評価 shore a (sheet):32.2、 shore a (sponge):26.8
       shore c (shhet):44.6、 shore c (sponge):43.3
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 5.4

 Rasanterシリーズを確認すると、shore cのシート側からの硬さと重量の関係がほぼ直線的な相関を持つことがわかります。実はV47は使いやすくて良いラバーだと感じましたが、R48と全体的な硬さは近く、もっと見直されても良いラバーであることもわかりますね。正直打球感が良く扱いやすいラバーでした。そして、直線的に硬さと重量が増えることはわかりますが、R47はR48よりも硬くて重いこともわかりますね。イメージ的にはR48がテナジー05っぽくて、R47はテナジー5ハードか、ファスタークG-1に近いイメージがあります。エナジーセル技術の違いが如実に出ている部分といえるでしょう。

 扱いやすさの1つの指標にできるshore aのシート側とスポンジ側からの差を示した図になります。テナジー05の差が5.4でこの差が大きいほど、扱いやすいラバーだとkatsuo000は考えています。R48はテナジー05以上に差が大きくくい込ませやすいラバーであることがわかりやすいですね。一方、硬度が1度柔らかいR47は、この差が小さく、くい込みにくくて扱いが難しいことを示唆していますね。R53については、R48ほど高くはありませんが、実はR47よりも差が大きくくい込みやすさはR47以上にあると言えるのかもしれません。

ラザンターとテナジーの違い

 実際にラザンターとテナジーを比較試打した場合に以下のことが言えると思います。

ラザンターシリーズ
 メリット
 ・テナジーと回転性能、スピード性能は劣らない。
 ・よりスポンジ全体にくい込ませるような打ち方をすることで、性能を引き出せる。
 ・テナジーよりも安い。

 デメリット
 ・テナジーシリーズ以上にくい込みが良い。扱いやすい分、ややカウンターは難しい。
 ・硬度は選べるが、シートの形状は選べない。
  (R48やR53はスピード性能が高い分、テナジーでいうところの80よりのシート形状。)
 ・テナジーよりやや重たい。

・Rasanter R53(ラザンターR53)

https://amzn.to/2XtdhJ4

・Rasanter R48 (ラザンターR48)

https://amzn.to/3zalpv1

・Rasanter R45 (ラザンターR45)

・Rasanter R50 (ラザンターR50)

https://amzn.to/3lrtGWs

・Rasanter R47 (ラザンターR47)

https://amzn.to/2XpcoBp

・Rasanter R47 (ラザンターR47)

https://amzn.to/3hwI2E0

Rasanter V47 (ラザンターV47)

https://amzn.to/3nxNKcA

・Rasanter V42 (ラザンターV42)

https://amzn.to/3nF0vlo

・Rasanter R37 (ラザンターR37)

https://amzn.to/2Xjt9y2

マッドな打感なのに、扱いやすさと癖球のオメガVII!

「トップレベルで勝てるラバーの決定版」

 エクシオンといえば、ヴェガシリーズが有名ですが、徐々にオメガシリーズもトップ選手が使うようになってきました。2021年9月現在エクシオンのラバーを使用するトップ選手を以下に挙げます。

・ブラジルの星、ウーゴ・カルデラノ選手(Hugo Calderano)
 Hugo Hyper Axylium(ウーゴハイパーアクシリウムHAL)
 Omega VII Tour i(オメガIIツアーi))
・韓国の鉄腕、チョン・ヨンシク選手(Jung Yougsik)
 Ice Cream AZXi(アイスクリームAZXi)
 オメガVIIツアーi
・張本選手に勝利、アンジェヒョン選手(An Jaehyun)
 日本未販売のXIOMラケット
 Omega VII Asia(オメガVIIアジア)
・台湾のトップ選手、ジャンホンジェ選手(Chiang Hung Chieh)
  Ice Cream AZX(アイスクリームAZX)
 Omega VII China Ying(オメガVIIチャイナ影)
 オメガVIIツアーi50
・野田学園出身の高取侑史選手(株式会社リコー所属)
 アイスクリームAZXi
 オメガVIIツアーi48

そうそうたる選手が並びます。

 カルデラノ選手やチョンヨンシク選手、ジャンホンジェ選手や高取選手に共通する点として、過去に世界標準Tenergy 05(テナジー05)やテナジー05に似たラバーユーザーだったことでしょうか。バタフライの契約継続が可能かどうか、などの影響もあるのでしょうが、テナジー05から移行できるブランドとして、エクシオンのオメガシリーズのラバーは注目に値すると思います。実際、katsuo000はオメガやヴェガなどのラバーは、テナジー05に近いシート形状あるいは打球感であり、スポンジ硬度や重量で扱いにくいということがあってもシート形状であわないと感じるラバーはなかったと感じています。そして、上述の選手はエクシオンと契約しオメガVIIを使用することでより個性的で強みのある選手になったのではないかと想像します。

 オメガVIIシリーズについてエクシオンのパンフレットから引用しました。

「トップレベルで勝てるラバーの決定版」

 オメガVIIシリーズは、現時点でXIOMラバーの最高峰です。トップレベルの技術を持った選手のために開発され、そのスピード・スピン性能はまさに異次元。高速・高回転を生み出す薄目のトップシート(サイクロイド技術)と、プラスチックボールを確実にグリップするために生まれたスポンジ・トップシートの新技術(ダイナミック・フリクション=DF技術)が融合し、従来のハイエンドラバーをさらに上回る弾力性と回転性能を獲得しています。価格は安くはありませんが、それに見合う性能は十分すぎるほど有しています。第1球目を打った瞬間、あなたは今までに味わったことのない衝撃を受けるはずです。トップレベルを目指している選手、トップレベルで戦って勝ちたい選手は、ぜひオメガVIIシリーズを手に取ってください。ワンランク、いや、ツーランク上の卓球をするために。

2021年XIOMのパンフレットより

ELASTO FUTURA

 XIOM最新の3つの技術、CYCLOID、DYNAMIC FRICTION、CARBOSPONGEを全て採用していることを示すELASTO FUTURA。このELASTO FUTURAにカテゴリーされるラバーはオメガVIIとヴェガX、ヴェガツアーのラバーになります。
 CYCLOID(サイクロイド)の説明が最も抽象的ですが、おそらくシートとスポンジまたはスポンジ素材の変化ではないかと想像しています。硬度の割にくい込みのよいスポンジをもちいることで、高い回転量とボールが上にあがる軌道を得やすくする技術ではないでしょうか。ヴェガXやヴェガツアーでもディグニクスほどではないですが、ボールが上にあがることを感じました。オメガシリーズはスピード性能も高いラバーが多く、単純にテナジーやディグニクスのように弧線が上にあがるというわけではなく、弧線を描きつつも低いことがオメガシリーズの特徴だと思います。
 DYNAMIC FRICTION(ダイナミックフリクション)はシート技術になります。ドイツ製のタフなシート素材のことではないかと思います。エクシオンさんのシートは基本的に透明系のシートではなく曇り系で全く透けないシートを用いています。これはドイツ製のシートの特徴で、寿命はやや短いもののタフでうまく使いこなせれば高い回転量と癖球の出やすいシートのイメージがあります。プラボールへ移行にあわせ、ダイナミックフリクション採用のラバーをいくつか販売しなおしていて、滑りにくいよりタフな素材が採用されているのだと思います。
 CARBOSPONGE(カーボスポンジ)とは、ヴェガシリーズから特徴的な黒色のスポンジのことです。真っ黒なため非常に特徴的で、この色が透けて見えてしまうと赤ラバーはルール不適合になるため曇り系のシートになるわけですね。今ではこの黒色スポンジはヴェガやオメガの代名詞のようになったと思います。

オメガVIIの公表性能値からわかる特徴

公表性能値&公表スポンジ硬度

・Omega VII Tour i 50(オメガVIIツアーi50)
 Spin:16.00、 Speed:16.50、 スポンジ硬度:50.0
・Omega VII Tour i 48(オメガVIIツアーi48)
 Spin:16.00、 Speed:16.00、 スポンジ硬度:48.0
・Omega VII China Ying(オメガVIIチャイナ影)
 Spin:17.00、 Speed:12.50、 スポンジ硬度:60.0、ラバー重量:57 g
・Omega VII China Guang(オメガVIIチャイナ光)
 Spin:16.00、 Speed:13.00、 スポンジ硬度:55.0
・Omega VII Hyper(オメガVIIハイパー)
 Spin:15.00、 Speed:14.50、 スポンジ硬度:55.0、ラバー重量:54 g
・Omega VII Tour(オメガVIIツアー)
 Spin:14.50、 Speed:14.50、 スポンジ硬度:55.0、ラバー重量:52 g
・Omega VII Pro(オメガVIIプロ)
 Spin:14.00、 Speed:14.00、 スポンジ硬度:47.5、ラバー重量:49 g
・Omega VII Euro(オメガVIIヨーロ)
 Spin:14.00、 Speed:13.50、 スポンジ硬度:42.5
・Omega VII Asia(オメガVIIアジア)
 Spin:14.00、 Speed:14.50、 スポンジ硬度:52.5

・Tenergy 05(テナジー05)
 Spin:11.50、 Speed:13.00、 スポンジ硬度:36(Butterfly基準)、ラバー重量:47 g

 やはり最新のオメガVIIツアーiは非常に高性能なラバーであることがよくわかります。トップ選手はこちらのラバーを使用しているようですね。価格が1万円を超えてくるラバーで、契約選手御用達のラバーですので、当然と言えば当然かもしれません。上記の性能はVega Pro(ヴェガプロ)のスピードスピン性能をそれぞれ10としたときの比較値として、2021年のパンフレットなどから記載されています。ちなみに2020年までのオメガVIIツアーiシリーズを除く性能は次のような図になります。

 2020年までの数値の方が、オメガVIIツアーのスピード性能が上限値に達していて、オメガVIIハイパーが高性能なのか、と思わせるラバーになっていますね。一時期カルデラノ選手がハイパーを使用しているようなこともあったのかもしれませんが、結局オメガVIIツアーiを使用しているということですし、スピン系テンションの最高峰はツアーのようですので、公表性能値の変更が必要となったのではないかと想像します。ただし、ホームページ上で、カルデラノ選手はオメガVIIツアーiを使用していることが公表されていますが、その硬度は非開示でもしかしたらもっと硬いものを使用しているのではないかと想像します。というのは、ツアーiのパッケージによって、48と50に加え、55が書いてあるものを見たことがあるためです。カルデラノ選手のようにパワーヒッターになれば55°でも十分に使いこなせるのではないかと想像します。ちなみに2020年から2021年で数値を変更してもハイパーはツアーよりも上位のスピン性能を有したラバーではありますが、その差は小さくなっている印象がありますね。個人的にはスピン性能を大切にしているので、2020年までの公表性能値の方が好みでした。またエクシオンさんはコントロールやバランスといった性能値も過去には公表していましたが、オメガVIIハイパーからその値を出してくれなくなってしまいました。この当たりは好みというか選手にもよるからではないかと想像します。特にハイパーやオメガVIIチャイナは粘着テイストの入ったラバーになっていて、打ち方でかなり印象が異なるラバーになっているからだと思います。

 単純にどのラバーも扱えるパワーがあるのであれば、オメガVIIハイパーが、スピードもスピンも上位に位置するラバーであると言えるでしょう。オメガVIIハイパーはやはりかなり粘着ラバーらしさのあるスピン系テンションラバーで、立ち位置的にはテナジー05ハードのような立ち位置のラバーではないかと思います。テナジー05ハードを使っていて癖球やドイツ製ラバーらしさが足りない、重量が欲しいとなった際にはオメガVIIハイパーが良いと思います。

硬度計比較

 全てのオメガVIIシリーズを試打できているわけではなくて恐縮です。今後拡充予定です。

・Omega VII Tour(オメガVIIツアー)
 硬度計評価 shore a (sheet):35.1、 shore a (sponge):29.9
       shore c (shhet):49.2、 shore c (sponge):48.2
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 5.2
・Omega VII Hyper(オメガVIIハイパー)
 硬度計評価 shore a (sheet):33.9、 shore a (sponge):29.6
       shore c (shhet):46.9、 shore c (sponge):46.0
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 4.3
・Omega VII China Ying(オメガVIIチャイナ影)
 硬度計評価 shore a (sheet):33.0、 shore a (sponge):31.6
       shore c (shhet):49.3、 shore c (sponge):49.1
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 1.4
・Omega VII Pro(オメガVIIプロ)
 硬度計評価 shore a (sheet):29.9、 shore a (sponge):22.8
       shore c (shhet):39.8、 shore c (sponge):35.2
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 7.1
・Tenergy 05(テナジー05)
 硬度計評価 shore a (sheet):32.2、 shore a (sponge):26.8
       shore c (shhet):44.6、 shore c (sponge):43.3
       shore a (sheet) – shore a (sponge) = 5.4

1つ目の図は横軸に重量、縦軸にshore cの硬度をプロットしています。最近のラバーはみんな硬いことがよくわかりますね。ただ、同じ硬度計で比較しているからこそ、オメガVIIチャイナ影がそこまで硬くないことがよくわかるのではないでしょうか。逆にオメガVIIツアーはかなり硬く、これは個体差でかなり硬くて重いものが当たっている可能性があると思います。

 注目すべきは2つ目のshore aのシート側の硬度とスポンジ側の硬度の差を縦軸にプロットした図になります。 このshore aのシート側とスポンジ側からの硬度の差は、扱いやすさ、ラバー全体へのくい込みやすさを客観比較できる数字である、とkatsuo000は考察しています。 あるいは、shore cの値が同じくらいのラバーがあった場合、shore aのシート側とスポンジ側の差を比較し、その差が大きいラバーほど、くい込みの良さやシートの柔らかさを感じる、と考察しています。 テナジーと比較して、オメガVIIツアーはかなり近い値を示しており、非常に打球感や使い心地、扱いやすさが近くなりやすいことを示唆していると言えるでしょう。また粘着ラバーはこの値が低くなりやすい傾向を得ていて、一定の扱いにくさを示唆します。オメガVIIチャイナ影はディグニクス09Cと同等の値を示しました。ちなみに元祖粘着ラバーのキョウヒョウはこの値が極めて低いことが特徴と言えるでしょう。

オメガVIIとテナジーの違い

 実際にオメガVIIとテナジーを比較試打した場合に以下のことが言えると思います。

オメガVIIシリーズ
 メリット
 ・テナジーよりも重いので、押されにくく、くい込ませ方の違いで自然と癖球が出る。
 ・扱いやすさとラリー志向の中で威力があったり負けないラバー。
 ・テナジーよりもシートの寿命が長い。

 デメリット
 ・テナジーよりも重いので、パワーが必要になる。
 ・ラリー志向なラバーが多いため、全体的に体力を要する。
 ・価格はテナジーよりは安いが他のメーカーのハイエンドラバーより高い。

 上述がkatsuo000の考えるオメガVIIシリーズのメリットとデメリットになります。日本のトップ選手で使用者は多くはありませんが、何といってもラリー志向という点で魅力の高いラバーだと思います。ラリー志向の中で、威力も両立させようとしたラバーであり、体力とパワーさえあれば、韓国のトップ選手やカルデラノ選手のように、競り勝てるアスリートチックなラバー、それがオメガVIIといえるでしょう。

・Omega VII Tour(オメガVIIツアー)
 https://katsuo000.com/review_omega_vii_tour/ 

・Omega VII Hyper(オメガVIIハイパー)
 https://katsuo000.com/review_omega_vii_hyper/

・Omega VII Pro(オメガVIIプロ)
 https://katsuo000.com/review_omega_vii_pro/